151.魔除けを奪還せよ!!

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一(忍者)。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。
美濃 いろいろミステリアスな日本人の巫女(僧侶)。
センマイ ドワーフの戦士(兄)。敵を千枚に切り刻む名手。
ハチノス ドワーフの戦士(弟)。敵を蜂の巣に突く名手。
ギアラ 救助隊リーダーを務める病弱なエルフの魔法使い。

読了時間 (目安):約45分(動画無)約59分(動画込)
※画面撮影アプリの影響で動画にノイズ音があります。申し訳ありません。
※ページが崩れる場合、本サイトのキャッシュをクリア願います。




私はゲームを始める前に、3つの目標を立ててました(参考:はじめに


(1) マップを踏破する
(2) アイテムを全種類入手する
(3) 魔除けを手に入れる(クリアする)


前回までで、上記の(1)と(2)の目標を達成しました。

今回は、いよいよ最後の(3)となります。


そう!!
ラスボス「ワードナ」と戦い、「魔除け」の奪還に挑戦します!!!

 



【目次】

道中前半:第一玄室~第三玄室

道中後半:第四玄室~第六玄室

ラスボス:ワードナ戦





──── ギルガメッシュの酒場 早朝......


ローラーレンジャーズのメンバーは、いつもと変わらずに酒場に入ると、
これまたいつも通り、元トレボー親衛隊長だったコックと、例のグラマラスなウエイトレスが注文を取りに来た。

ウェイトレス 「みなさん、おはよう!!」
酒場のコック 「おはよう、ロインさん」
サーロイン 「おはよう」
酒場のコック 「とうとう……………行くんですね?」
サーロイン 「あぁ…………だから、これが最後の晩餐になるかもな」
酒場のコック 「笑えないジョークですよ。
 ま、せっかくなんで、今日は一番食べたい物を注文してくれ…………死刑囚が執行前に食事を注文するように」
サーロイン 「笑えないジョークですよ」

サーロイン酒場のコックは互いに目を合わせると、皮肉めいた笑顔を向け合った........

ウェイトレス 「それで、みなさん、ご注文は?」
「バナナとミルク、あとカレー大盛っ!!!」
ウェイトレス 「よろこんで!」
サーロイン 「他の人は?」
ランプ 「ロインに任せます………」
三洲次 「そもそも緊張で………」
ブリスケット 「胃がキリキリしてやして………」
ウェイトレス 「ハンサムさん、まず食べなさい。
 それからが男の戦いよ!
 気が動転してなにも食べられない人にくらべたら、たとえ震えながらでも食べる人は、
 食べない人より生き残る可能性がうんとたくさんあるわ」
ブリスケット 「いや……まぁ、そうかも知れねぇっすけど………」
サーロイン 「よし、じゃぁ、牛肉のステーキにしよう。
 背中~腰の中でも一番美味い部分を頼むよ」
酒場のコック (ニヤリ…)オーケー」
ウェイトレス 「じゃ、すぐ焼いて来るわ!!
 あ、ハンサムさんの分は、特別に私が作ってあげるわね!!」
ブリスケット 「じゃぁ……是非………」
酒場のコック 「ははは、緊張が半端ないぞ。
 ま、すぐ作って来ますよ。
 あぁ、そうだ…………」
サーロイン 「ん?」
酒場のコック 「今日は特別に俺がおごりますよ」

そう言うと、コックウェイトレスは調理のために厨房へ入って行った........

ロース 「ねぇ………外の歓声、聞こえる………?」
三洲次 「そりゃ、あんだけ人が集まってれば、イヤでも聞こえますよ」
サーロイン 「話しを聞きつけて、国中から人が集まって来たらしいぞ」
ブリスケット 「だから緊張してんすよ………」
ランプ 「これまでのパーティーは第四玄室まででしたからね………、
 初の挑戦者ともなれば………まぁ…………」
 (参考) 第136話「CONTRA-DEXTRA AVENUE?

ギアラ みなさんっ!!
 とうとう魔除けを奪還しに行くそうですね!!
三洲次 ぅお!?
センマイ みなさんなら、必ずや成し遂げると信じてましたぜ!!
ランプ 「まだ出発さえしてないのですが………」
ハチノス 祝勝会の準備をして待ってますよ!!!
ブリスケット 「気が早ぇっすよ………」
美濃 三洲次殿!!!
三洲次 ぉ……」
美濃 三洲次殿たちでしたら、必ずやここまで来れると確信ておりましたわっ!!!
三洲次 「はぁ……どうも…………」
美濃 美濃は三洲次殿のことを想って、お帰りをお待ちしております!!!
三洲次 「それは、それは……………」
美濃 ですから、絶対に………絶対にワードナを倒して、生きて帰って来て下さいませっ!!!
三洲次 「ベストは尽くすよ…………」
美濃 必ずや戻って来て下さい!!
三洲次 「………………………………」
美濃 なんとしてでも戻って来て下さい!!!
三洲次 「………………………………」
美濃 這いつくばってでも戻って…」
三洲次 俺の事を想ってじゃなく、自分がワードナの処へ救助に行きたくないだけだろ

......なんてやっている内に、コックウェイトレスが戻って来て、食事をテーブルへ並べだした。

酒場のコック 「しっかり力を付けていってくれよ」
サーロイン 「うむ、相変わらず美味そうだな」
 じ~~~……  ← 三洲次の皿を見てる
三洲次 「どうした、桃?
 おまえもステーキが良かったか?
 ほら、少し分けてやるよ」
「サンキュ!!」
ウェイトレス 「みなさん、しっかり食べてってね!」
酒場のコック 「じゃ、俺も準備があるから……」
サーロイン 「準備?」

酒場のコックはその質問には答えず、厨房へ戻って行った......

サーロイン 「ま………とりあえず、腹ごなしをしようじゃないか!!」

……………………

…………

食事を終えたローラーレンジャーズのメンバーは、装備の見直しをはじめる........

サーロイン 「全員、装備を再確認だ」
三洲次 「『村正』の手入れは万全です」
ランプ 「六部屋も通りますからね、持ち物に空きを用意して………」
ロース 「じゃぁ、もう鍵とか置物は要らないわね」
サーロイン 「アレはどこにやったっけ?」
ブリスケット 「途中で売っちまったので、昨日買い戻しておきやした」
サーロイン 「そうだったっけ?
 そりゃ手間をかけたな。
 じゃ、俺にくれ、先頭に立つから」
ブリスケット 「これっす」
サーロイン 「よし………っと。
 諸君、これで準備は万端だな!
   
三洲次 「………………………………」
   
サーロイン 「ここまで来るのに、転職期間も含めて…………8年間か……………」
   
「………………………………」
   
サーロイン 「長かったな………………」
   
ブリスケット 「………………………………」
   
サーロイン 「泣いても笑っても、これが最後の冒険だ………………」
   
ランプ 「………………………………」
   
サーロイン 「諸君……………悔いの無いように行こう…………」
   
ロース 「………………………………」
   
サーロイン 出発だっ!!!

ローラーレンジャーズのメンバーが酒場を出ると........その途端、
地下迷宮までつづく沿道に集まった大勢の国民から、街が揺れるかのような歓声が上がった!!!


パーティー6人は割れんばかりの歓声を受けながら、酒場から地下迷宮までの道を進んで行く........

ランプ 「すごいプレッシャーですね、これ………」
ブリスケット 「こりゃ、手ぶらじゃ帰れねぇっすよ…………」
三洲次 「さっきよりも、さらに胃がキリキリしてきた………」
   
  ………………
   
  ………

そして、いよいよ地下迷宮の入り口まで到着すると........


....そこには見慣れた男性が一人立っていた........。

その男性は..........元トレボー親衛隊隊長だったギルガメッシュの酒場のコックだった。

彼は普段の姿とうって代わり、エプロンの代わりに王城で執務する時の軍服を着て、
コック帽の代わりに制帽を被っていた。

サーロイン 「なんで、ここに?
 その恰好はどうしたんだ?」
酒場のコック 「昨日、酒場に来てる大勢の常連と会話してて…………誰が"これ"をやるかって話しになったんだが、
 やっぱり冒険者みんなが世話になってて、
 しかもかつてのトレボー親衛隊長から未来の隊長へ云うのが一番良いだろう……って話しになってな」
サーロイン 「"これ"………って?」
酒場のコック
にして
元親衛隊隊長

「………………………………」


コックは珍しくうやうやしい仕草で........左手で親衛隊長の制帽を取ると........、
サーロインの前に背筋を正して真正面から立った。


元親衛隊隊長 「出発前に…………どうしても云いたくて…………」
   
サーロイン 「………………?」


ただならぬ雰囲気を感じ取り........集まった群衆も一人、また一人と声を静め始めると........、

........これまでとは打って変り、周囲が厳かに静まり返った..............


元親衛隊隊長 「……………………………………」
   
サーロイン 「……………………………………」


元親衛隊隊長は静かに........右手を........サーロインへ差し出した............


サーロイン 「………………
   
元親衛隊隊長 「……………………………………」
   
サーロイン 「……………………………………」
   
元親衛隊隊長 「この場にいる人たち、そしてこの国の全国民を代表して……………」
   
サーロイン 「……………………………………」
   
   
元親衛隊隊長 グッドラック!!!


サー・ロインは力強くコックの右手を握り返した!!!


サーロイン ありがとう!!!






■魔除けを奪還せよ!!




さぁ!!!

いよいよ魔除け奪還に向けて出発です!!!


(※) 動画はワードナ戦までノンストップの映像です。



いつもの様に常駐魔法御三家を唱えたら........、


....お馴染みの「東8北2下8」を指定すると..........

サーロイン 行くぞっ!!!

ワープっ!!!


………………………………………………


………………………………………


………………………………


………………………


………………


………




そして、シュート!!!



──── 地下10階 入り口


地下10階へ到着!!

サーロイン 「とうとう来たな………」


三洲次 「この伝言を見るのも、これが最後ですかね」
サーロイン 「『俺様と戦おうなどとは思わないことだ!』………か」
ブリスケット 「…………引き返すなら、今っすね」
サーロイン 「それは無い」
ブリスケット 「……っすよね」
サーロイン 「さて…………」


サーロイン 「…ここにいる魔物たちが、今回、俺たちが最深部まで行くことを知る由は無い…………とは思うが、
 念のためいつも以上に周囲に注意を払って進もう」


いつも通り一本道を進んでいく........


最初の通路は運よく敵とは一切遭遇せず..........、


......そのまま第一玄室に到着した。



──── 第一玄室


サーロイン 「全員、準備はいいか?」
サーロイン 行くぞっ!!!

バンッ!        ← 扉を蹴破った音



ドラゴンA シャアアアァァ…ッッ!!!
   
ブリスケット 「奇襲は無し………」
ロース 「敵も1匹だけ………」
ランプ 「幸先良い初戦です!」
サーロイン ならば、一発で退場してもらおうっ!!!


サーロイン (; ゚_ ゚)…………………………
   
三洲次 「こーゆー時でもまったくブレないのは…」
   
サーロイン (;T_T)…………………………



三洲次 「片付けました」
サーロイン 「ご苦労!
 ま、俺は後に備えて、体力を温存しておいただけだがな!!」
ロース 「はいはい………」


三洲次 「宝の箱だ!」
ランプ 「どうしますか?」
サーロイン 「もうどっちでもいいとは言え、
 ま、最後も宝箱の開錠を楽しもうじゃないか」
ブリスケット 「では………」


ブリスケット 「カルフォの結果はガス爆弾っす」
サーロイン 「桃の見立ては?」
「ん~~…………そうだな、ガス爆弾っぽいぜ」
サーロイン 「よし!
 では、ガス爆弾で解除してくれ!!」


三洲次 ある意味さすがっ!!!



サーロイン 「……………………」←突っ立ってた
三洲次 「……………………」←突っ立ってた
ランプ 「……………………」←箱から離れる気無し
   
ロース 「ふつう分かるでしょ?」←離れてた
ブリスケット 「っすよね」      ←離れてた
「~~♪」       ←瞬時に逃げた
   
サーロイン 「ゴホッ…ゴホッ……ま、まぁ、この際………」
三洲次 「けほっ…けほっ……ロースとブリ助は………」
ランプ 「ガハッ…ゲハッ……いいとして………」
男3人 「「桃が被害無しって、おかしくね?!」」

とりあえず、手に入れたアイテムを確認しましょう。


サーロイン 「ゴホッ……で、中は何だったんだ?」
三洲次 「けほっ……剣が一本です…………」
ランプ 「コハッ……な……なんとなく予想できますが………、一応見ますか…………」


・真っ二つの剣

ランプ 「『真っ二つの剣』………まぁ、おおむね予想通りかと………」
サーロイン 「俺が君主に成りたての頃に使っていた剣だな、
 あの頃が懐かしい………」


ま、次へ行きましょう!

と、勇んで進み出そうとするも、玄室内で........


......ランダム・エンカウント!!

サーロイン 「なに?!」


ジャイアントA グゥウゥゥ……ッ!!
   
ブリスケット 「おぉ、なんか懐かしい敵っすね!」
ランプ 「ファイアーつながりですかね?」
サーロイン 「ふ………久しぶりの登場で大変申し訳ないが、
 顔だけ見せたら十分なんで、早速ご退場いただこうっ!!!


ジャイアントA ギャハアアァァッ!!!
   
サーロイン おまえら、俺がどうすりゃ満足なんだっ?!!


ま、特に問題無く勝利
敵が1体ばかりであり、なかなか良い滑り出しだ。


今度こそ第二玄室へ進みましょう........


......が、そうは問屋が卸さず!!

サーロイン 「む?!」
   
??? 「「ブレイクッ!! ブレイクッッ!!」」
??? あなたの地下のぉ~!!!
??? 防衛!! 防衛!! 玄室防衛ぃー!!
   
サーロイン 「え?!」
三洲次 「いや、どっから声が?!」
   
??? 耐久ダメージ過ぎてゆく!!
??? 宝箱~~が開けられる!!
??? 「「地下の平和をはばむ奴らーさーーっ!!」」
   
サーロイン 「は? は?!


??? ブレイク アウトッ!!!
   
サーロイン なにぃいい!?


レイバーロード ゴールド・レイバー・ロード!!!
 ゴールド・ソード、だ!だっ!だっっ!!
ぐほっ!!
   
レイバーロード ゴールド・レイバー・ロード!!!

ジャイアントA 巨人ノ攻撃、大地ヲ揺ラシッ!!!
ぐぎぃっ!!
   
サーロイン 「な、なんだ? なんだ?!

ハイプリースト 敵をかじるぜ!!
三洲次 ぐぎゃっ!


ジャイアントB 敵ヲ倒スゼ!!
三洲次 ひぃい!?(ひょい!)」


ジャイアントC 敵ヲ斬リツケ、東ヘ西ヘ!!
サーロイン うわっ!?(ひょい!)」
   
レイバーロード 走っるぅー!!
 走っるぅーー!!!


敵全員 「「ゴールド・レイバー・ロードォー!!!」」
   
「ち…っ!」
三洲次 「ひぃ…ひぃ………な、なんだ? こいつら?!」
サーロイン 「ぜぇ…ぜぇ………あ、あまりのことに………少し驚いたぞ………」
ランプ 「ってか、あいつ、ちょっと名前変わってません……?」
   
レイバーロード 倒すぞ!! 倒すぞ!!
 欠陥パーティー!!!
 侍!! 盗賊!! 魔法使いをーっ!!!
   
サーロイン そうはいくかっ!!!
 反撃開始だっ!!!


ランプ 呪文の詠唱 お手のもの!!
ブリスケット 協力・サポートいたしやす!!
三洲次 正義の『村正』、刀をかざせっ!!!
サーロイン 必っ殺……!!
   
レイバーロード ゴールド・レイバー・ロード!!!


サーロイン ダイヤモンドカッター!!!
ハイプリースト ダ、ダ、ダアアアァァッ!!!
   
レイバーロード ゴールド・レイバー・ロード!!!


クリティカルヒットだ!!!
ジャイアントA ダ、ダ、ダアアアァァッ!!!
   
レイバーロード ゴールド・レイバー・ロード!!!


三洲次 ムラマサ・ブレード!!!
レイバーロード ダ、ダ、ダアアアァァッ!!!


ロース ティ・ル・ト・ウェ・イ・トよ、大地に響け!!!
ジャイアントB ハシィッルウウゥゥッッ!!!
ジャイアントC ハシィッルウウゥゥッッ!!!
   
レイバーロード ………ゴールド………レイバー………ロードォガクッ!)」


サーロイン BREAK OUTゥ!!


三洲次 「なんだったんだ………、今の賑やかな戦い………」
ブリスケット 「ま、とりあえずダメージを回復しやしょうや」
サーロイン 「そうだな」
三洲次 「みんな、もう感覚が麻痺してません……?」
ランプ 「ロイン、言うまでも無いとは思いますが……」
サーロイン 「ん?」
ランプ 「ここ、まだ第一玄室ですよね?
 第一玄室でこのペースって、少しヤバくないですか?」
サーロイン 「あ~~………まぁ…………」
ブリスケット 「確かに、もしこのペースで戦闘が続くってぇなると、一番奥まで行けるかどうか………」
ロース 「一旦出直す?」
サーロイン 「いや、あれだけ盛大に送ってもらったのに、
 『最初の玄室でギブアップしました』とかで帰るのは、ちょっと…………」
ロース 「まぁ、それもそうね………」
サーロイン 「もう少し粘ろう」
三洲次 「やれやれ………」





…………………………………………


………………………………


……………………


…………


……


──── 地下10階 某玄室......


シュルルルルルル......シュタッ!


ニンジャA 「報告致します!!」
   
十一代目殿様 「どうしたなりか?」
   
ニンジャA 「ローラーレンジャーズがシュートを通り、再びこの地下10階にやって来ました!!」
   
十一代目殿様 「来たなりか、徳川ファミリーの仇敵!!!
   
ニンジャA 「いかが致しますか?!」
   
十一代目殿様 「最強の御庭番五人衆も殺された今、奴らを討ち滅ぼすためには、
 この十一代目殿様『徳川家ナリィー(いえなりぃー)』自らが出陣する他は無いなり!!
   
ニンジャA 「殿!! それは大変危険でございます!!」
   
殿様(家ナリィー) もとより覚悟の上なり!!!
 肉親を殺され続けた恨み、晴らさずして何をなそうか?!!
 この家ナリィー、不退転の決意で臨むなりっ!!!
   
ニンジャA 「殿…………殿は、そこまでのご覚悟を!?
 殿のそのご覚悟、拙者は大いに感銘致しました!!」
   
殿様(家ナリィー) 「奴らは、今どこに居るなりか?!」
   
ニンジャA 「は! 只今、第一玄室に滞在しております!!」
   
殿様(家ナリィー) 「ならば、第二玄室へつづく通路に出て来たところを襲うが吉!!!
 今すぐゴーゴンを引けっっ!!!
   
ニンジャA 「はっ!!」


……


…………


……………………


………………………………


…………………………………………


──── いまだ第一玄室内......


サーロイン 「治療は終わったか?」
ブリスケット 「へい、終わりやした」
サーロイン 「よし、じゃぁ、ワープを通って、第二玄室へ向かおう」

かくして、やっとワープ地点に入り........


......ワープする。


ロース 「このセリフも聞き飽きたわね」
ブリスケット 「守衛の一団って………やっぱり、さっきのファイアードラゴンっすかね?」
ランプ 「一匹でしたよね………」
三洲次 「一匹でも一団って言うのかな?」
ロース 「その会話、毎回やってない……?」
サーロイン 「ま、これを聞くのも最後だと思おう」
ブリスケット 「出直すはめにならなけりゃあ………ですがね…………」
サーロイン 「進むぞ」

......と進もうとした途端!!!


サーロイン 「ん? 敵の集団がいるな………」
三洲次 「え?」


サーロイン 「何か作戦会議をしているぞ」
ブリスケット 「せっかくなんで、聞いちゃいやすか?」


旗本(家ナリィー) 「よいか、奴らがワープを通って現れたら、その瞬間に一斉に襲撃するなり」
メイジA 「なるほど、不意打ちを喰らわせるのですな」
旗本(家ナリィー) 「そこで、まず一番強いと言われている小娘を殺るなり」
メイジB 「わしらが一斉に小娘を襲撃して動きを封じたところで……」
メイジC 「……殿の『柳ギュ~新陰流・改』の必殺の一撃があれば、確実に殺れますな」
旗本(家ナリィー) 「残りはゴーゴンがブレスを浴びせ、態勢を一気に崩すのが良きなり」
ゴーゴン 「ブルルンッ!」
メイジD 「次のターンも攻撃呪文を浴びせ続け……」
メイジA 「パーティー全員に大ダメージを与えれば……」
メイジB 「奴らは総崩れとなるから………」
旗本(家ナリィー) 「その後は、余が一人一人、この手で奴らの首を討ち取ってやるなり!!」
サーロイン 「なるほど」
ロース 「完璧ね」
旗本(家ナリィー) 「完璧ござろう?」
三洲次 「ただ一つ………」
ランプ 「こちらにバレバレという点を……」
ブリスケット 「…除けばっすが」
旗本(家ナリィー) 「え?」
メイジC うわああぁぁあっ?!!
メイジD いつの間にぃぃいっ?!!
旗本(家ナリィー) お、おぬしらはぁあっ?!!
サーロイン せっかくだから、もっと良い戦法を教えてやる!!!
旗本(家ナリィー) え? え?!
サーロイン 『先手必勝』だっ!!!
ゴーゴン ブヒィィイイィィンッ??!
   
サーロイン 喰らえっ!!
 必っっ殺っ!!!
 秘伝 無二羅天!!!

ゴーゴン ブギィイイイィィ…ッ!!!
   
下手の考え、休みに似たりだぜっ!!!

メイジA ひぃぎゅわあああぁぁっ!!
   
旗本(家ナリィー) お、おぬしらっ?!!
 奇襲とは卑怯なりっ!!!
 武士らしく、正々堂々と勝負をせいぃっ!!!
三洲次 さっき不意打ちを考えてた奴が、それ言うかああぁっ!!?

旗本(家ナリィー) ぐわあああぁぁっ!!!
   
三洲次 十一代目殿様成敗っ!!!
   
旗本(家ナリィー) 「はぁ………はぁ…………、
 人間五十年………下天の内をくらぶれば………夢幻の如くなり………、
 一度生を得て…………滅せぬもののあるべき…………かな…………」
   
三洲次 「……………………………………」
   
旗本(家ナリィー) ぐはっ!バタッ!)」
   
サーロイン 「死んだか………?」
三洲次 「………ですね」
サーロイン 「ところで最後の詩って、なに?」
ブリスケット 「『辞世の句』ってやつっす」
サーロイン 「どんな意味?」
ブリスケット 「簡単に言えば、『人生はあっけない』ってことっす」
サーロイン 「まぁ、確かにあっけなかったな…………」

先制ターン終了........


メイジB 「く、くそっ!!」
メイジC 「と、殿が殺されたぞっ!?」
メイジD 「な、なんとか反撃をっ!!」
   
三洲次 悪いが、おまえらに勝ち目はないぞ!!
 桃!!
うぃっ!!



メイジB ぬおぉおおぉぉっ!!
メイジC ぐはあああぁぁっ!!
   
三洲次 「ザコだな!(ハイタッチ!)
「ザコだぜ!(ハイタッチ!)
   
メイジD 「く、くそ…っ!!」
ブリスケット 「無駄なあがきですぜ!!」



メイジD 「(……んむっ!……む~っ!……)」
   
サーロイン 「家来なら、あの世でも殿を守ってやれ!!」


メイジD 「(ふがあああぁぁっ!!)」


サーロイン 顔を洗って出直せぃ!!

十一代目殿様・徳川家ナリィー(次男)........死亡!!

ブリスケット 「思わぬところで、また殿様を倒しちまいましたね」
サーロイン 「ま、自分から出て来たんだから、自業自得ってやつだ」
三洲次 「あいつ、『柳ギュ~新陰流・改』の使い手だったぽいんで、
 先手で倒せて良かったですよ」
ロース 「三洲次、知ってるの?」
三洲次 「えぇ、日本でオリジナルの方を。
 お城は良い品が多いんで、よく忍び込んでたんですが、ついでに稽古も覗いてて。
 "改"の方は、一瞬の隙も許さぬすごい剣術でした」
ランプ 「だから先日の『柳ギュ~新陰流』の攻撃も、見極めることが出来たんですね」
ブリスケット 「三洲次っちはそれで分かりやしたが、
 ロイン殿はなして、あの必殺技を………?」
ロース 「え? さっきのロインの技も有名なの?」
三洲次 「あのハタモトの名誉のためにも、知らない方がいいですよ……」
ロース 「…???」
サーロイン 「先に行くぞ」


思わぬところでハタモトと遭遇したが........


......この後は順調に通路を進み..........


......やっとのことで第二玄室へ。



──── 第二玄室


三洲次 「じゃ、突入しますか」
サーロイン 「あ、待て」
三洲次 「え?」
サーロイン 「連戦続きの上、変に突入して奇襲を喰らってもイヤだから、
 そっと入ってみよう」
三洲次 「まぁ、そうですね…………じゃ」

ギィィィィ..........ッ


サーロイン 「…………どうだ?」
三洲次 「えぇと…………」


三洲次 「…敵が集まって会話していますね」
サーロイン 「は?」


ニンジャA 「い………家ナリィー殿が………」
ニンジャB 「殺され申した…………」
ニンジャC 「おぉぉ………なんてことだ…………」
ニンジャD 「おのれ、にっくきローラーレンジャーズめっ!!!」
ニンジャE 「いくら殺しても殺し足りぬ奴らめ!!!」

ブリスケット 「また御庭番っすよ、あれ………」
ロース 「ほんと、ウザいわね………」
ランプ 「どうしますか?
 また先手を打てそうですし、この勢いで倒しますか?」
サーロイン 「う~~ん………先手を打っても倒せて三人だし、
 数が多いのがちょっと面倒くさいから、むしろ今の内に入り直そう」
三洲次 「じゃ………」



................パタン!   ← 扉を閉めた音


メイジA 「ん?
 今、扉が閉じた音がしたぞ……」
ニンジャA 「なに?!」
メイジB 「今このフロアにいるのは、ローラーレンジャーズだけのはずじゃ」
メイジC 「奴らが、ここまで来おったのじゃな」
ニンジャB 「おのれ、疫病神どもめ!!!」
メイジD 「追いかけるか?」
ニンジャC 「いや、まずは殿に報告が先だ」
ニンジャD 「徳川ファミリーの次男が殺され、次の殿は三男が自動的に受け継ぐことになるが……」
ニンジャE 「三男の方の戦闘能力は………あの小娘に匹敵する強さ!!
 きっと御自らが出陣されるはずだ!!!」
ニンジャA 「よし!! すぐに報告へあがるぞっ!!!」
敵たち 「「承知!!」」


…………

……………………


──── 第二玄室の扉の外......


サーロイン 「あいつらもそろそろどっか行っただろう。
 入り直すか」
三洲次 「では…………」

ギィィィィ..........ッ


??? ローラーレンジャーズが現れたヨシ!
   
サーロイン はあ?!


ハタモト 敵との戦闘ヨシ!
   
サーロイン 「…………何を見てヨシ!って言ったんですか?」
   
ハタモト こっちの方が数が多いからヨシ!
   
三洲次 「はぁ……………、
 そんなことより、もしかして新しい殿様ですか………?」
   
旗本(家ヨシ!) 十二代目殿様『徳川家ヨシ!』ヨシ!
   
ランプ 「その喋り方………」
ロース 「名前から来てるの………?」
ブリスケット 「『いえよし』なら普通に『家慶』とかの方がカッコ良くねぇっすか?」
   
旗本(家ヨシ!) 『家ヨシ』じゃなくて『家ヨシ!』ヨシ!
   
サーロイン 「え……?
 …………今の何が違った?」
三洲次 「名前に『!』まで入るのが正式名称っぽいですね……」
サーロイン 「……………………………………」
   


旗本(家ヨシ!) 戦闘準備ヨシ!!
   
サーロイン 「はぁ……………」
ランプ 「本当に良いんですかね……?」
三洲次 「(………あの構え……………)」
ブリスケット 「すげぇ緊張感の無い喋り方なんで、対決する感じがしねぇっすよ………」
ロース 「なんか今までの殿様の中で一番弱そうだし………」
サーロイン 「とりあえず、戦うか」
じゃっ!!バッ!


メイジA ひぃぎぃいいぃぃっっ!!
   
サーロイン 早っ!?
ランプ 「相変わらず目にも止まらぬ早さですね!」
   
けっ! 弱ぇっ!!
   
旗本(家ヨシ!) 小娘のスピード、ヨシ!!
   
「ぁあ?!」
   
旗本(家ヨシ!)  バッ!!
   
「え?」
   
ブリスケット ちょっ?!
ロース あいつの動きもすごい早いわっ!!!

家ヨシ!一瞬にしてまでの距離を詰めた!!!

くっ!?ババッ!

桃も素早くバックジャンプして距離を開けようとするが......!!!


旗本(家ヨシ!) 追跡ヨシ!!!ババッ!

家ヨシ!はそのスピードに追随しつつ、しかも人間業とは思えぬスピードで抜刀したっ!!!

   
旗本(家ヨシ!) 攻撃ヨシ!!!
   
   
ブリスケット も、桃っちがぁああっ!!?
ロース きゃぁああっ!!!


ぐわぁっ!!

サーロイン 桃おぉっ?!!
ランプ 「桃の動きに付いてこれる敵なんて、初めてですよ?!」
ブリスケット 「首もギリギリ守るのが精いっぱいでしたぜっ!!?」
ロース 「喋り方はふざけてるのに、なによっ!?
 あいつのあの強さっ?!!」

桃は、やや態勢を崩した形で着地した!!!

一方、家ヨシ!は完全に次の攻撃に移れる態勢で桃の横に着地をすると......、

....次の攻撃に向けてを振り上げた!!!

サーロイン 桃がやばいぃっ!!??

旗本(家ヨシ!) 今度こそ首刎ねヨシ! ! ! !

く…っ!!





三洲次 「………どうして背後も見ずにヨシ!って言えるんですか?」





旗本(家ヨシ!) ?!!


サーロイン あれは…?!
ロース 「三洲次が………三洲次が、奴の背後に先回りしてるわ!!


三洲次 「その構え・動き…………『真・柳ギュ~新陰流・改』と見た…………、
 『真・柳ギュ~新陰流・改』は、敵との間合いを詰め続けながら攻撃をするのが特徴…………、
 そしてお守役をしてきた俺は、桃がどう動くかをよく知っている……………、
 後は…………おまえがどこに来るかを予想するのは簡単だ!!



旗本(家ヨシ!) ど う し て……………




旗本(家ヨシ!) ああああああああああああ………
   
三洲次 「真・柳ギュ~新陰流・改……………敗れたりっ!!!
   
メイジA あぁ?! 殿がっ?!
メイジB 殿があぁっ!!?
   
   
旗本(家ヨシ!) 「露と落ち…………露と消えにし、我が身かな……………、
 浪速のことは…………夢のまた夢………………」
   
   
   
   
旗本(家ヨシ!) ヨシ!バタッ!)」
   
   
メイジ達 「「殿おおおぉぉっ!!!」」
   
ロース 「ねぇ、じぃやたち~~!!」
   
メイジC 「え?」
メイジD 「は?」


メイジ達 「「ふぎゃあああぁぁっ!!!」」
   
ロース 「お達者で~~!!」



十二代目殿様・徳川家ヨシ!(三男)........死亡!!

サーロイン 「ふぅ………、まさか殿様二連戦とは………」
ロース 「しかも、今回の奴はすごい手強かったわね……」
   
三洲次 「桃、大丈夫か?」
「あぁ、三洲次、サンキュな」
三洲次 「俺とお前の仲だろ(フィスト・バンプ!)
「ん…………うぃ!(フィスト・バンプ!)
   
サーロイン 「では、危機も乗り越えたところで……」
ランプ 宝箱を開けましょう!!!



ブリスケット 「カルフォの結果はプリーストブラスターっすね」
サーロイン 「じゃ、桃も確認してくれ」
「うぃっす」


「ん~~~………まぁ、そうっぽいな」
サーロイン 「プリーストブラスター、ヨシ!!」
三洲次 「感化されてますよ…?」
「じゃ、開けるぜ」


「む~~~………っと、開いたぜ」
ランプ 「どれどれぇ~…」


ランプ 「お金だけ……………」
ロース 「殿様なのに、期待外れね」
ランプ 「どうして…………」
サーロイン 「ま、諦めて次へ行こう」



と、次の玄室へ向かおうとしたが..........、


....いきなりランダム・エンカウント!!!


ファイターA 「不審者達め!! 止まれ!!」
   
ブリスケット 「これまた、久しぶりに出てきたっすな」
サーロイン 「ま、1人だし、余裕だろ。
 三洲次?」
三洲次 「ほいよ!(スラッ!)」


ファイターA ぐわぉおおぉぉっ!!!
   
三洲次 「片付けました」
サーロイン 「ご苦労。
 じゃ、次へ行くか」
ブリスケット 「それは良いんすけど………」
ロース 「ここ、まだ第二玄室なのよね………」
ランプ 「こんなペースで、本当に大丈夫ですかね……?」
サーロイン 「仕方ない、こっちでペースを調整できるもんじゃないからな。
 先へ進むぞ」




しかし、ここぞとばかりに懐かしい面々が出て来て、
ラストバトル(多分)っぽい雰囲気になってるけど..........、

カセットもそういう空気を読んだりするのだろうか..........?
(ただ単に最近弱い敵を省いてた反動だって)


…………………………………………


………………………………


……………………


…………


──── 地下10階 某玄室......


シュルルルルルル........シュタッ!シュタッ!


ニンジャA 「報告致します!!」
ニンジャB 「十二代目殿様・家ヨシ!殿!!」
ニンジャA 「第二玄室にて……」
ニンジャB 「…戦死いたしました!!
   
十三代目殿様 「おぉぉ…っ!?
 あ、あ………あの最強の武術の達人・家ヨシ!でさえもが…………信じられんっ!!!
   
ニンジャA 「誠に残念ながら………」
ニンジャB 「『村正』の前に………」
   
十三代目殿様 「ま………またもや『村正』が…………」
   
ニンジャA 「もはや我らだけで奴らを止めることは不可能かと!!」
   
十三代目殿様 「うぅむ………どうしたものか…………」
   
ニンジャB 「そこで、最強の助っ人を用意致しました!!」
   
十三代目殿様 「え? 最強の助っ人?」
   
ニンジャA 「は!!」
ニンジャB 「その助っ人は人間をも超越した存在!!」
ニンジャA 「必ずや奴らの首を討ち取ってまいります!!」
ニンジャB 「ではっ!!」

シャッ!シャッ!   ← 天井へ消えた......


十三代目殿様 「人外なる助っ人は………確か兄上の時にも挑戦して、敗れた記憶が…………。
 ダメだ、それだけでは安心できぬ…………、
 なにより『村正』をなんとかしなければ、このままでは…………、
 ……………………………………、
 …………しかし、剣術も助っ人もダメとなると………………、
 ………………………………、
 …………………………、
 ……うむ!(パン!パン!)」
       ↑手を叩いた音

シュルルルルルル........シュタッ!


??? 「お呼びにより、参上致しました」
   
十三代目殿様 「御庭番を含めた全ての公儀隠密のトップに立つ、そなたの出番が来たぞ!!」
   
公儀隠密トップ 「は!
 して、任務は?」
   
十三代目殿様 「うむ、実は兄上・家ヨシ!さえも、かの『村正』に殺された」
   
公儀隠密トップ 「なんと!?
 それは本当でござりますか?!
 家ヨシ!殿に敵う者など、この世にいないと思っておりましたのに……」
   
十三代目殿様 「うむ………やはり『村正』は、我が徳川ファミリーに不幸をもたらす妖刀に相違ない!!!
 あの刀をなとかしなければならん!!」    
   
公儀隠密トップ 「すると、拙者の任務は…?」
   
十三代目殿様 「逆に言えば、あの刀さえ何とかすれば、突破口を見出すことも出来よう!!
 なんとしても『村正』を使う侍を殺すのだ!!!
   
公儀隠密トップ 「承知っ!!
 が………しかし…………」
   
十三代目殿様 「……しかし?」
   
公儀隠密トップ 「家ヨシ!殿ほどの者を倒すとは…………敵は、そうとうの手練れと見られます。
 敵の実力を把握せずに戦うは…………相手の出す手も知らずにするジャンケンも同然!!」
   
十三代目殿様 「なるほ…………いや、それ普通じゃん」
   
公儀隠密トップ 「一度、その侍の腕のほどを見てまいりましょう」
   
十三代目殿様 「大丈夫か?」
   
公儀隠密トップ 「心配ご無用………この忍術の天才・服部丸ノ内ライン、そう容易くは死に申さぬ」
   
十三代目殿様 「そうか………ま、おぬしほどの者だ、任せよう」
   
公儀隠密トップ 「はっ!シャッ!← 天井に飛んだ
   
   
十三代目殿様 「なんとしても………あの『村正』とその使い手の侍を消してやる!!」


…………


……………………


………………………………


…………………………………………


──── 第三玄室


サーロイン 「行くぞ!!!」

バンッ!




  


楽勝ぉっ!!!


三洲次 「久しぶりにストレス無く戦えましたね」
ブリスケット 「少しは息継ぎしねぇとっすね」
ランプ 「ではでは、お宝も頂いちゃいましょう!!」


ブリスケット 「カルフォの結果はメイジブラスターっす」
サーロイン 「桃の見立ては?」
「ん~~~……………うぃ、メイジブラスターだな」
ランプ 「それでは、桃、レッツオーーーープンッ!!!


「うっし、開いたぜ」
三洲次 「どれどれ…………お、指輪が入ってますね」
ランプ 「指輪……?
 それだけってことは無いでしょぉ~、
 もうちょっと入ってないですか………えぇと…………」


ランプ 「あ、ほら、盾も入ってましたよ!!
 さっそく鑑定しましょう!!」


・悪の盾
・宝石の指輪

ランプ 「おぉ!
 盾は『悪の盾』ですよ!!」
ロース 「なかなかいい物が入っていたわね」
サーロイン 「よし、波に乗ってきたところで、
 このペースで一番奥まで行こう!!!」


こうして、久しぶりに第三玄室の先へと進んでいく........


......と、その途中で!!!

サーロイン 「おや?」


シーフA 御庭番を見なかったか?!
   
サーロイン ズコーーーーッ!!!
三洲次 「これ、もういいってっ!!!」
   
シーフA なぁ?!
   
ロース 「次の殿様がもう出て来たのぉ~??」
   
シーフA 「とととと殿様?!
 殿様って、なんだ?!」
   
ブリスケット 「あんさんっすよ、
 いま『御庭番』とかほざいてやしたよね?」
   
シーフA 「さ、さぁ~……なんのことかなぁ??」
   
ランプ 「どうしますか、こいつ?」
サーロイン 「生かしておくとウザいから、今の内にこの殿様も片付けてしまおう。
 ちょうど護衛もいないし」
三洲次 「じゃ……(スラッ!)」


シーフA ぐほぉおおぉぉっ!!!(バタッ!)」
   
三洲次 「じゃ、行きましょう」
サーロイン 「うむ」
ブリスケット 「さっきと違い、十三代目はあっさりでやしたね」
ロース 「殿様も消化試合に入ってきたかしら」


スタスタスタスタスタスタスタスタスタスタスタスタ......




ローラーレンジャーズは気付かなかったが........、

倒されたシーフは........いつの間にか木の幹に入れ替わっていた............。

しかも..........


シュルルルルルル........シュタッ!


......なんと、先ほどのシーフが天井から降りて来たのだ!!!

?シーフ 「忍法、変わり身の術!!
 ………さすがの奴らも、斬ったのが木とは気付かなかったようだな…………」

バリバリバリ...... ← 顔を覆っていた覆面を取った

シーフに化けた
公儀隠密トップ
「忍法、変化の術!!
 ………さすがの奴らも、殿を斬ったと勘違いしていったようだな…………」

殿様が化けていたシーフ......に化けていた公儀隠密トップは、
ローラーレンジャーズが去って行く姿を見ながら........


公儀隠密トップ 「徳川ファミリーを脅かす侍の剣技………しかと見極めたぞ!!
 きさまには、もう二度と殿に指一本触れさせぬわっ!!!



さて、6つある玄室の内3つを通り、物語は........






......いよいよ後半戦へ............







………………………………………………



………………………………………



………………………………



………………………



………………



………



──── 地下10階 第六玄室
     元上級魔術師協会本部......


だだっ広い元協会本部は、協会が活動を停止したことで住む者が居なくなり、
協会の資産であるテーブルや魔法の書物などが残されるだけとなった。

そして今は、本部の資産管財人であるレベル8ビショップが、ただ一人で資産の目録を作っていた......


ビショップA 「う~~~ん…………、
 目録を作るのも疲れたし、ちょっと紅茶で一息入れるかぁ…………」


コポ コポ コポ コポ コポ.........


ビショップA 「あぁ、良い香りだなぁ…………、
 疲れた時は、やっぱり紅茶に限るなぁ…………」


ビショップはテーブルまで戻ると、ゆっくりと紅茶を喉に流し込んだ........


ビショップA 「ゴクゴク…………、
 はぁ~~~…………、疲れた……………」

ビショップは一息つきながら、誰もいない元本部の室内をのんびりと眺めた..........


ビショップA 「協会も消滅したし…………俺もそろそろ、次の所属先を探さないとダメかなぁ…………」

そして、また紅茶を二口ほど飲むと........


ビショップA 「ゴクゴク…………、
 ふぅ~~~…………、落ち着くなぁ……………」


......ゆったりとした休憩時間を過ごし始めた............。



………



………………



………………………



………………………………



………………………………………



──── 第四玄室


サーロイン よし!! 突入だつ!!!

バンッ!


??? 奴ラ ガ 来タゾオオォォ!!!
??? ブッ殺セエエエェェッッ!!!
   
サーロイン 「こ、この声は……!?」
三洲次 「とうとう出て来たなっ!!」


ウィザードリィを代表する強敵!!!
グレーターデーモン!!!

デーモンA キサマラ ノ 進撃モ……
デーモンB …ココマデダアアァッ!!!
   
サーロイン 「ここぞとばかりに、ここの敵が次々と出て来るな!」
三洲次 「これまでの冒険の集大成……って感じですね」
   
ニンジャA 「ふははははっ!!!
 さすがのローラーレンジャーズも、こいつら相手には勝てないだろう!!!」
ニンジャB 「大人しく殺されるがよい!!!」
   
ブリスケット 「後続に、また御庭番が居やすぜ?」
ロース 「またなのぉ………ホント、ウザいわねぇ…………」
サーロイン 「ふん、今さらグレーターデーモンの一匹や二匹………、
 我々の敵ではないっ!!!


サーロイン いくぞっ!!!
ロース 「ねぇ?」
サーロイン 「え?」
ロース 「後ろの奴らウザいから、とっと消していい?」
サーロイン 「あぁ、やってくれ」
ロース 「じゃ…………、
 ティルトウェイトォォッッ!!!


ま、当然のようにグレーターデーモンには効かないが........、


ニンジャ達 「「ふぉおおおぉぉっっ!!!」」

......後続の忍者は一瞬で消滅!!!

ロース 「アッサリ消してやったわ」
三洲次 「さすがだぜ!」
サーロイン 「ご苦労、
 では、残りのグレーターデーモンにもあっさり消えてもらおうっ!!!


サーロイン (; ゚_ ゚)…………………………
   
   
サーロイン (;TT)…………………………
   
三洲次 「じゃ、桃、俺たちがいくぞ!!
うっしゃーっ!!



デーモンA グギャアアアァァ…ッ!!(ズシャーン!)
デーモンB グィガアアアァァ…ッ!!(ズシャーン!)
   
三洲次 「よっしゃ!(ハイタッチ!)
「うぃっす!(ハイタッチ!)

さすがツートップ!!!


見事ノーダメージで勝利!!!

ランプ 「では、宝箱を開けましょう!!


ブリスケット 「カルフォの結果はプリーストブラスターっすね」
「えぇぇと……………まぁ、そうっぽいな」
ランプ 「それでは、レッツオーーープンッ!!!


三洲次 さすがだぜ!!!



ブリスケット 「………ぐぎ………ひぃぎ…………」
「ぁ~~………ブリ助、悪ぃ…………」
三洲次 「おまえなぁ………」
サーロイン 「で、中は何だったんだ……?」


ランプ 「お金だけ……………」
ロース 「ショボ……………」
サーロイン 「ま、目指すは魔除けだ。
 気持ちを切り替えて、前へ進むぞ!!」

ってな訳で........、


......第四玄室を抜けて先へ。


ここの通路はそこそこの距離があるものの........


......今回は運よく敵と遭遇せず........、


......スムーズに第五玄室まで到達しました。



──── 第五玄室


サーロイン よし!! 蹴破れ!!!
三洲次 いきますっ!!!

バンッ!


??? 敵襲ぅぅーーーっ! ! !
??? 敵襲だぁーーーっ! ! !
   
サーロイン 「え?」
ロース 「な、なに?!」
   
??? 殿をお守りしろーーーっっ!!!
   
ブリスケット 「な、なんすか……?!」

シュルルルルルルルル......シュタッ!

ランプ 「ハイマスターが現れました!!!」
サーロイン 「なにぃ?!」
   
??? 殿中でござるっ!!!
??? 殿中でござるぞぉぉっっ!!!

バタバタバタバタ.......ッ!!

三洲次 「家来のメイジたちもやって来やがったっ!!!」
ブリスケット 「………ってぇことは、ここは………!?



ハイマスター ついに本丸まで到達したか、ローラーレンジャーズよ!!!
 だが、きさまらの侵攻は、公儀隠密のトップである拙者がここで止めてみせる!!!
   
ブリスケット 「……やはり!!」
サーロイン 「この玄室が奴らの本拠地になっていたのかっ!?」
   
ハイマスター 殿には指一本触れさせぬ!!!
   
ランプ 「ハイマスターの後ろに隠れているのが、次の殿様ですね」
ロース 「さっき殺したのに、もう次が出て来たのぉ………ちょっと出過ぎじゃない?」
   
ハイマスター 「さっき殺した………?
 ふはははは、バカめっ!!!
 本当に殿を殺したと思い込んでいるのかっ?!!
   
ロース 「はぁあ…?」
   
ハタモト 余の顔を見忘れたか!!?
   
ランプ 「またですか…………」
サーロイン 「しょうがない、一応確認してやるか………えぇと…………」
ブリスケット 「う~~んと…………え?!
三洲次 えーーーーーっ?!
 おまえ、さっき倒したはずのシーフじゃん!!!
ロース 「え? なんで?!
 なんで生きてるのよ?!
   
ハイマスター 貴様らが殺したと思っていたのは、
 拙者が代わり身で用意した、ただの木の幹だっ!!
   
三洲次 「え゛…? そんなことあるの………??」
   
ハタモトこと
十三代目殿様
そして、シーフとは世を忍ぶ仮の姿!!!
 余こそは十三代目殿様・徳川13+$μC-μだ!!
   
ランプ 「え?! は?!
サーロイン 「なに?! なに??
ブリスケット 「い、今、なんて???」
   
十三代目殿様 『徳川13+$μC-μ』と書いて、
 『徳川IETSUGU(いえつぐ)』だっ!!!
   
三洲次 「なんじゃ、そりゃ……………」
ランプ 「Leet文字ですね…………」
ブリスケット 「そのLeet文字が分からねぇっすよ………」
ロース 「もう………何がなんだか…………」



ハイマスター 「『村正』使いの侍よ………、
 おまえの剣技は既に見極め済みだ………」
   
三洲次 「ほぉ………」
   
ハイマスター 「この俺が相手に……」
   
「…なるのは、あたいだっ!!!
   
ハイマスター 「え? は?
 いや、俺の相手は…」
   
あたいだっ!!!
   
ハイマスター 「あの………殿………?
 誰ですか、この小娘………?」
旗本(13+$μC-μ) 「『村正』使いの侍よりもっと強いくノ一らしい………」
ハイマスター 「え……?
 は………?
 いや………聞いてないんですけど………こんな奴………?」
旗本(13+$μC-μ) 「いや………俺だって、侍の相手はおまえだって思ってたけど……?」
   
サーロイン 「忍者は忍者同士、侍は侍同士、戦ってもらおう!!」
   
ハイマスター いや、そうじゃなくて…」
旗本(13+$μC-μ) 勝手に対戦相手決めないでもらえる?!
ハイマスター 対戦相手はこっちに決めさせてよ!!!
   
サーロイン ダメだ!!
   
三洲次 「桃、あのうるさい忍者、どかしてくれる?」
うぃっ!!バッ!
   
ハイマスター え? え??!

ドガアッッ!!!

ハイマスター ぐほおぉっ!!!

がアッサリとハイマスター足蹴りで吹っ飛ばすと.....

旗本(13+$μC-μ) あぁっ?!
 公儀隠密のトップがあああぁぁ??!
   
三洲次 殿様、覚悟はいいかぁっ!??
   
旗本(13+$μC-μ) 話が違あぁーーうっ!!!
   
三洲次 勝負っっ!!!(スタタタッ!)
   
旗本(13+$μC-μ) ええぇい!!!
 こうなれば、余の『真・柳ギュ~新陰流・改MKII』の神髄、
 見せてやる!!!(スタタタッ!)
   
三洲次 でやあああぁぁっ!!(スタタタタッ!)
旗本(13+$μC-μ) とやあああぁぁっ!!(スタタタタッ!)



    バシュッ!!

       ザシュッ!!!



三洲次 「………………………………」
   
旗本(13+$μC-μ) 「………………………………」
   
ハイマスター 「………………………………」
   




旗本(13+$μC-μ) ぐわあああぁぁぁっ!!!
   
ハイマスター っ!?
   
旗本(13+$μC-μ) 「はぁ……はぁ………、
 嬉しやと…………二度覚めて、一眠り…………、
 浮世の夢は…………暁の空………………」
   
三洲次 「………………………………」
   
旗本(13+$μC-μ) ぐはっ!!(バタッ!)
   
ハイマスター 殿おおぉーーーっ!!?
   
「じゃ、次はてめぇの番だぜっ!!!バッ!
   
ハイマスター 話が違あぁーーうっ!!!


ハイマスター うぎゃあああぁぁぁっ!!!
   
「なんでぇ、口ほどにもねぇ!!!」
   
ランプ 「敵側がグデグデですね…………」
サーロイン 「奇をてらい、こちらのペースに持ち込む………戦いの基本だ」
ロース 「じゃ、残りは消し飛ばすわね」


メイジ達 「「うごおおおぉぉっ!!!」」



徳川ファミリー........完全消滅!!!

サーロイン 「賑やかに登場した割に、大したこと無い奴らだったな」
ランプ 「じゃ、ついでにお宝も頂いちゃいましょう!!
 殿様の本丸ともなれば、きっと良いお宝がありますよ~!!」
三洲次 「歴代殿様の宝って、全部ロクでもなかったから、期待しない方がいいぞ」
ブリスケット 「とりあえず罠を確認しやしょう」


ブリスケット 「カルフォの結果は警報っす」
「あたいの見立ててでも、警報だな」
ロース 「そう言えば、例の協会の会長が持っていた宝箱も、防犯装置として警報が付いていたわね。
 あの宝箱、確か大金が入ってたわ」
三洲次 「偉い人の宝箱によく使われてるタイプなのかな?」
ランプ 「これは、ますます期待できますぉ~」
サーロイン 「よし、では罠は警報で断定だ。
 開けてくれ」
「うぃっす」


「開いたぜ」
ブリスケット 「どれどれ…………お、指輪が入ってやす」
ランプ 「指輪……?
 それだけってことは無いでしょぉ~、
 もうちょっと入ってないですか………えぇと…………」


ランプ 「あ、ほら、鎧も入ってましたよ!!」


ロース 「ねぇ、ねぇ!!
 近頃見ない大金が入ってるわ!!」
三洲次 「お、さすが本丸の宝箱だな、すげぇ…」
ランプ 「これはお宝も期待できますよぉ~!!
 さっそく鑑定しましょう!!」


・破滅の皮鎧
・宝石の指輪

ランプ 「……………………………………」
三洲次 「宝の方はショボかった………」
ランプ 「指輪は百歩譲るとして…………、
 ………なんで殿様ほどの人が………こんな皮鎧を…………」
サーロイン 「ま、破滅に向かって生きていた殿様には、むしろこっちの方がふさわしいだろ」
ブリスケット 「無理やり納得しなくていいっすよ…………」
サーロイン 「じゃ、アイテムも確認できたし、第六玄室へ向かおう!!!」



では、第六玄室へ向けて出発しますが........、


......第六玄室までの通路はすごく短いので..........、


......あっさりと到着です。


──── 第六玄室
     元上級魔術師協会本部


サーロイン 「いよいよ…………最後の玄室戦闘だな」
三洲次 「さて、最後は何が出て来るのか………?」
ブリスケット 「ここ、例の協会の本部っすよね………?
 まさか、またアーチメイジが出て来たりしねぇっすか?」
ロース 「協会は解散したらしいから、そこは大丈夫なんじゃない?」
ランプ 「では、何が居るんですかね?」
サーロイン 「こればかりは、出たとこ勝負だろ。
 全員、装備を再確認!!!」
三洲次 「大丈夫ですよ」
ブリスケット 「いつでもいいですぜ」
サーロイン 「よしっ!!!
 一気に雪崩れ込んで、一気に勝負を決めるぞっっ!!!



………………………

………………

………


──── 第六玄室の中......


ビショップA 「ゴクゴク…………、
 ふぅ~~~…………、
 そろそろ……………仕事に戻ろっかなぁ………………」


バンッ!!!

サーロイン 突撃いいいぃぃっっ!!!
三洲次 敵はどこだああぁっ!??
ぶっ殺すっっ!!!

ビショップA うわあぁあ??!
 なんだ?! なんだああぁっ??!!


ビショップA ぎゃあああぁぁっ!!!

サーロイン 他に敵は居るかあああぁぁっ??!!
三洲次 たたっ斬ってやるぜぇぇっ!!!
おらぁあっ! ! ! 出てこいやああぁぁっ! ! ! !



サーロイン 「……………………………………」
三洲次 「……………………………………」
「……………………………………」


サーロイン 「えぇと………………もしかして……………これだけ………?」
三洲次 「…………え?
 ビショップが1人だけでしたよ………?」
隠れてねぇで顔出せやああぁぁっ!!!


サーロイン 「でも……………他に敵が居ないし……………」
三洲次 「じゃ…………これで…………終わり??」
悪いモンスターはいね゛えぇぇか゛あぁぁっ?!!


サーロイン 「終わりみたい………………」
三洲次 「せっかくのラストの玄室戦闘が……………あっけなさ過ぎじゃね………?」


うるさい、文句はカセットに言ってくれ........


三洲次 「マジか……………」
泣ぐモンスターはいね゛えぇぇか゛あぁぁっ?!!
三洲次 「桃………もういいって…………」



ロース 「最後の玄室戦闘なのに、あっさり終わったわね………」
三洲次 「拍子抜けだな…………」
ブリスケット 「一応、宝箱がありやしたけど…………開けやすか?」
サーロイン 「ビショップの持ち物なんてたかが知れてるから………もう、無視していいだろ」
ランプ 「えぇ………」
サーロイン 「次、行こ」

アイテムが全然期待できない敵だったので........、


......宝箱は特に開けず........、


......いよいよワードナの事務所に向かいます。



最後のワープ地点から..........


......最後の通路へとワープし........、



......一本道を道なりに進んで行きます..........。

幸いなことに、敵とは一切遭遇せず..........、


......ついに辿り着いたるは............


三洲次 「とうとう…………」
ランプ 「来ましたね…………」
サーロイン 「うむ……………」





......「ワードナの事務所」






──── ワードナの事務所


ブリスケット 「今回も『在室中』っすね」
ロース 「ここまでが徒労にならなくて、良かったわ………」
サーロイン 「ま、つまり…………」


サーロイン 「……この扉の向こう側に居る…………ってことだな」
三洲次 「いよいよ…………か……………」
ランプ 「緊張しますね…………」
ロース 「………………………………」
ブリスケット 「………………………………」
サーロイン 「まぁ、まずは用意してきた装備に切り替えよう」
三洲次 「装備の切り替え……?
 なんでしたっけ………?」

いよいよラスボス戦ですが、その前に........、


......ここでキャンプを張ります。

そして、出発前に購入した........、


......「メイジマッシャー」を..........、


......先頭に立つサーロイン装備させます。

三洲次 「『メイジマッシャー』を?
 なんで……?」
ランプ 「『メイジマッシャー』は魔法使いに対して倍打の効果がありますが、
 それをパーティーの先頭のメンバーが装備していれば、その力はパーティー全体に及びます」
 (参考) 第30話「メイジマッシャーを奪え!
三洲次 「なるほど………ワードナは魔法使いだから、
 これで前衛全員の攻撃が倍打する………ってことですね」


【解説】
ファミコン版ウィザードリィ#1には倍打効果の処理にバグがあり、
一番先頭にいる敵への倍打判定は、誰が攻撃をしても
パーティーの一番先頭にいるキャラクターの倍打判定が使われます。
上記のランプのセリフは、それに拠るものです。



ただですねぇ!!



......終わってから思い出したんですが、敵の種類判定の処理にもバグがあって、
「メイジマッシャー」は「魔法使い」系の敵に倍打しないんですよ!!!

調べたら、「獣人」系の敵に倍打するんだって!!!


なんじゃそりゃ??!


この装備変更、意味なかったんじゃん!!!



....まぁ........もう........


......ノーリセットの一発勝負でプレイしてしまった以上............、



............今さらなんだけどさ..................




とりあえず........話しをつづけます..............




サーロイン 「よし、装備の交換も終わったし、
 キャンプを解くぞ」


サーロイン 「………………………………」
   
「………………………………」
   
サーロイン 「いよいよ……………だな………………」
   
ロース 「………………………………」
   
サーロイン 「全員、準備はいいか?」
   
   
サーロイン 「どうした……………不安か?」
   
ブリスケット 「………………………………」
   
サーロイン 「そうか…………ま、俺もさ……………」
   
ランプ 「………………………………」
   
サーロイン 「でも心配するな!
 俺たちは十分強くなったんだ!!
 自分たちを信じよう!!!」
   
   
サーロイン 突入するぞっ!!!
   
三洲次 「ゴクリ……………」
   
サーロイン 「……………と、思ったけどぉ~」
   
   
サーロイン 「やっぱり不安だし、中が分からないのに闇雲に突入してもアレだからぁ……、
 とりあえずゆっくり入って様子を見てみない? ね?」
   
ランプ 「まぁ…………その方がいいかも知れませんね………」
   
サーロイン 「じゃ、まずは様子をみてみよう!」



ギィィィィィ........ッ





は?


....................え?

 

........俺............ここで..............、

 

............コレ、引いちゃう......?!!



マジで!!?


(*) 余談ですが、動画がここで暫く止まるのは、完全に想定外のことにプレイヤーが「……え?」とフリーズしていたからです......

 

(再掲)

サーロイン 「え~~と…………」
三洲次 「中の様子はどうです………?」
サーロイン 「お! それっぽいのが居るぞ!」
ブリスケット 「ど、どこっすか……?」
サーロイン 「部屋の真ん中に、こちら側を背にしてる玉座があるだろ?」
「…………………………………」
サーロイン 「きっと、あそこに座っているのがそうだ」
ロース 「よく見えないけど………人が座ってるのかしら?」
サーロイン 「背もたれが大きいから分かりにくいが………」
ランプ 「……………………………」
サーロイン 「……隣で煌びやかな青い服を着た男が話しかけているから、きっと座っているはずだ…………」
三洲次 「………こっちに気付いてますか?」
サーロイン 「いや…………会話に夢中で、こっちに気付いてないな」
ブリスケット 「チャンスじゃねぇっすか!!」
ロース 「こっそり覗いて、正解だったわね!!」
サーロイン 「あぁ!!
 これは………千載一遇のチャンスだ!!
 このチャンスを活かして、絶対に倒すぞ!!!

「倒す」..........そう、倒すべき相手が............

......とうとうその姿を現したのです!!!



ついに登場!!!

ラスボス・ワードナ!!!


........は、いいとして..........どうしよう?


まったく意識さえしていなかった「先制のチャンス」..........


まぁ、先制だと魔法は使えないから、取れる手段は「直接攻撃」「ディスペル」ぐらい。

魔法の装備も一応あるが、呪文が効き難い相手が多いし、
ここは........

(1)  体力が異様に高いワードナH.P.を削れるだけ削る
(2)  後続のバンパイア消せるだけ消す

......これでいいだろう!!


という訳で........、


......前衛は全員「ワードナを攻撃」し、
後衛は聖職者が「バンパイアをディスペル」でいくことにした!!!

サーロイン 「ターゲットはワードナだ!
 この機会を活かして前衛全員で攻撃し、一気にカタを付けるぞ」
三洲次 ゴクリ………………………」
「………………………………」
サーロイン 「後衛の聖職者は、後ろに姿の見えるバンパイアたちをディスペルで消してくれ」
ブリスケット 「承知………………」
ランプ 「分かりました………………」
ロース 「………………………………」
サーロイン 「では………………いくぞっ!!


さぁ!!!

いよいよラストバトル!!!

いってみましょうっ!!!!


サーロイン 先手必勝っ!!

サーロインは先陣を切って室内に駆け込むと、一直線に玉座に突進した!!!!

そして、玉座の背もたれの裏から、魔法使いに倍打のダメージを与えるメイジマッシャーを一気に突き刺すと、
向こう側にいる人物に刃を貫通させたっ!!!


サーロイン 手応えっ!! …………が…………無い……??」

......つもりだったが、まったく手応え無しっ!!!


サーロイン 「………え?」

予想に反した手応えに驚いてサーロインが顔を上げると、
玉座の傍に立っていたバンパイアロードサーロインの目が合った........。

そのバンパイアロードも、まったく予期せぬ出来事に、驚きを隠せない表情を見せている..........。


しばらく目を合わせたまま固まっていた2人だが........バンパイアロードの方が先に視線を外すと.........、
......彼はそのまま天井の方に目をやった............。

そして、それに従ってサーロインも天井の方に目をやると..........、


....なんと、ジャイアントやグレーターデーモン数匹分にも及ぶ高さの天井付近まで
ワードナは跳躍をしていた!!!


サーロイン 「え?!」

そう........ワードナ不穏な気配を一瞬にして感じ取ると..........、


......サーロインメイジマッシャーが突き刺さる前に、
上空に跳躍して攻撃を回避していたのだった!!!!

サーロイン 「ば、ばかなっ!?
 さ………避ける動きが………まったく見えなかった……!?」

そして跳躍して避けたワードナは、そのまま広大な事務所の一番奥........パーティーから一番遠い場所へ........、


..............ダンッ!!


......事も無げに着地をした!!!

サーロイン 「あ………あそこまで遠くに逃げられると………こちらの直接攻撃がまったく届かないっ!!!
 あんな身体能力をもった奴だなんて、予想だにできなかった!!?
 し…………しまった!!!
 せっかくの先制のチャンスが………っ?!」

バンパイアロード ははははははははっ!!!!
 愚か者どもめっ!!!!

サーロイン 「………え?」

バンパイアロードはゆっくりとバックをしながらサーロインとの距離をとりつつ、
ローラーレンジャーズに向かって高らかに嘲笑の声を投げかけた!!!

バンパイアロード 貴様らがローラーレンジャーズとかいうパーティーだなっ!!?
 ここまで辿り着いたのは見事だが、貴様ら如きが
 偉大なる大魔術師であられるワードナ殿の相手になる訳がなかろうっ!!!

サーロイン 「………………………………」

そして、バンパイアロードのよく響く声に混ざり........部屋の一番奥から聞こえてきたのは..........、
......ワードナが唱えるティルトウェイトの詠唱の声であった!!!!


サーロイン 「………そんな………っ!」

バンパイアロード ふははははははっ!!!!
 ワードナ殿に刃向かったその愚かさを、おまえら5人とも
 ティルトウェイトの業火の中で苦しみながら後悔す…………








(……………5人………………?)








(…………こいつらは6人じゃなかったのか…………?)





(…………なぜ1人いないのだ…………?)





(…………あと1人…………どうした…………?)




(…………どこに行ったのだ…………?)



(…………いないのは…………誰だ…………?)



(…………いないのは……………………え!?


(…………いや…………だとすると………………、


 …………まさか…………まさか…………まさか………っ!?



……まさかああぁっっ?!!

突如、バンパイアロードは大声で叫びながらワードナの方を振り返った!!!!


その突然の出来事に..........ワードナの詠唱が一瞬止まった..........!!



ワードナ 「(……………どうした……………?

  ………なぜ奴はこっちを見た……………?)」


その不穏な空気を察し、ワードナが周囲に気を配ると..........、


ワードナ 「(………こ…………この気配は…………っ?!)」

......既にバックをとっている存在がいるのに気づいたっ!!!


ワードナ 「(この俺のスピードを上回る奴がいる………だとっ?!
  この俺が、既にバックをとられているだとっ!??)」


ワードナは、生まれてはじめて........屈辱恐怖がない混じった、表現し難い感情に襲われた!!!


誰にも負けない自負があったのに........それを上回る者が目の前に現れた屈辱焦り..........、


そして........急激に襲って来た...........すぐ未来に待つ死の恐怖..............、



........その恐怖屈辱を与える者の正体が............、



..............背後から声をかけてくる..................






「これから死ぬんだから、唱えるのはティルトウェイトより念仏にしたらどうだ?」





ワードナ 「そ………そんなバカなっ?!!」

「バカはてめぇだ」

ワードナ こ、この小娘めっ!!!
 きさま如きが、この俺を殺せるとでも思っているのかあっ!!?

「バックを取られておいて、なにグデグデ言ってんだ…?」

ワードナ ふざけるなあああぁぁっ!!!!

ワードナは桃を攻撃しようと振り返ろうとするが、
はそれよりも早く一気に距離を詰めると........!!!



桃おおおおぉぉぉぉっっ! ! ! !


ワードナ がはあああぁぁ…ぁぁ…っ!!!




マジかあああぁぁぁっ!!??



ワードナ 「………こ……こんな………小娘………………………」

「へっ…!!
 てめぇごとき、あたいの敵にもならねぇってだけだぜ!!!」


ワードナは首と胴体が完全に切り離され..........、


......2つ別々に床へと倒れて..........転がった..............



バンパイアロード 「こ………こんなことが…………っ?!」


サーロイン (; ゚゚)………………………………
   
三洲次 (; ゚゚)………………………………
   
ブリスケット (; ゚゚)………………………………
   
ロース (; ゚゚)………………………………
   
ランプ (; ゚゚)………………………………
   
ブリスケット 「あ……、ロイン殿、ロイン殿?」
   
サーロイン 「え?」


ブリスケット 「バンパイア………ディスペルしておきやした…………」
サーロイン 「え?  あ……あぁ………、どうも…………」

バンパイアロード 「………!?」


そして........事務所内は静寂に包まれた............



そんな中........桃は、転がった2つのワードナにまったく興味も示さず........、


........ゆっくりとメンバーの方へ戻ってくると..........、


「で……………」

........ただ一人残ったバンパイアロードの方を見た。


「………誰だ、てめぇは?」



バンパイアロード 「……………………………………」



まさか........まさかの先制中にワードナ撃破..............、



しかも、相手はバンパイアロード1人だけになってしまった..........。


バンパイアロードは魔法無効化が無く、ジルワン一発で倒せるので.......、

......前衛全員攻撃、そして........



......後衛はジルワンを多重掛けし..........、


......これで、もうこのターンで勝てたも同然かと..........。

 

桃の一撃のおかげで、あっけないほど簡単にここまで来てしまった..........

 

まぁ、もういいでしょう!!

最終ターン、いってみましょう!!!



バンパイアロード 「なるほど…………おまえが、例の小娘か…………、
 噂は聞いていたが、確かに大した強さだな……………」

「おめぇ、コミュ障か?
 誰だ?…って聞いてんだよ!」

バンパイアロード 言葉を慎みたまえ!!!
 君は不死王の前にいるのだ!!!

「………………………………」

バンパイアロード 「私をあまり怒らせないほうがいいぞ………、
 さっさと逃げればいいものを…………きさまらは、私と戦うつもりか?」

サーロイン 「………………………………」

バンパイアロード 「ワードナ殿は死んだが…………実は私にはどうでもいいことだ………………」

三洲次 「………………………………」

バンパイアロード 「私の狙いは…………君たちと同じだよ………………」

ランプ 「………………………………」

バンパイアロード 「あの『魔除け』だ……………」

ロース 「………………………………」

バンパイアロード 「『魔除け』の力さえあれば………不死の世界だろうと、この世界だろうと………、
 思いのままに支配できる!!!

ブリスケット 「………………………………」

バンパイアロード 「君たちが最大の障害を取り除いてくれたおかげで…………」

三洲次 「………………………………」

バンパイアロード 「私が『魔除け』を手にできる瞬間がグッと近くなった訳だ………」

ランプ 「………………………………」

バンパイアロード 「後は…………おまえらを始末するだけだ!!!

ロース 「………………………………」

バンパイアロード そうすれば全ての世界が、私の元にひれ伏すことになるだろうっ!!!

ブリスケット 「………………………………」

バンパイアロード はぁーーーはっはっはっ!!!

バンパイアロードが自らの演説に酔いはじめた一瞬を........サーロインは見逃さなかった!!!

それは........先ほどの突入で、自分がバンパイアロード一番近くに来たこととも無関係ではなかった!!!


サーロインは気付かれぬように、ゆっくりとメイジマッシャー玉座から引き抜くと........、


......声高らかに笑うバンパイアロードに向かい、一気に飛びかかった!!!!

バンパイアロード ?!

奇襲は功を奏し、ひるんだバンパイアロードサーロインのが襲い掛かった!!!


........が!!!


バンパイアロードと言われるほどの存在!!!

ただでは転ばぬ!!!


近付いたサーロインの右腕を、自身の左手で強く握り掴んだっ!!!


サーロイン 「…ぐっ!!?」

バンパイアロード 「君らのアホ面には心底ウンザリさせられる........」

サーロイン 「は………放せっっ!!」

が........バンパイアロードの掴む力は異様に強くサーロインは掴んできた手を自力で振り払うことができず........!!

バンパイアロード まずは貴様からだっ!!

サーロイン 「し……しまったっ?!!」


ロース ロインっっ!!!
ランプ まずいっっ!!?


バンパイアロードサーロインに噛み付こうと、顔ごと口元をサーロインへ近づけた......!!!

 

サーロイン 「…っ!?

 

........つもりが.............顔は前には..........出なかった..............



バンパイアロード 「(ん…………なんだ?
  顔を前に出せないぞ…………??)」

それどころか..........周りの風景が..........、


........ゆっくりと横に流れていくのが感じられた.............


バンパイアロード 「(なんだ………これは…………??!
  なぜ風景が横に倒れていくのだ…………??)」



"その理由"は、1つしかなかった.............



「あたいがいる以上、てめぇの思い通りにはならねぇって、
 まだ気付いてねぇのか………?」



バンパイアロード 「こ……こ………この不死の国の王でさえ…………、
 まさか………何もできないまま………やられる…………と、言うのか………?!
 ………小娘ごときにっ!!?


「悪の大魔術師も、不死の国の王も、
 あたいにすれば、
 そこらを這いずり回ってるバブリースライムと大差ねぇよ」



桃おおおおぉぉぉぉっっ! ! ! !

マジかあああぁぁぁっ! ! ! !

 

バンパイアロード 「(そ………そんな……………)」


バンパイアロードの意識はそこで炎が消えるが如きに消え.........、まず顔が床に落ちると......、


......サーロインの右腕を掴んでいた手が遅れて離れ..........、



..........つづけて身体が床に倒れ込んだ..........!!!

 

 



なんとノーダメージで勝ってしまった..........

 


ってか........が圧倒的過ぎた................

 

三洲次 「俺…………何もできなかった………………」
   
ロース 「大丈夫……………私もよ…………………」
   
ランプ 「私もです…………………」
   
ブリスケット 「あっしはバンパイアをディスペルしたっすけど……………、
 桃っちの前に…………霞んじまって…………………」
   
三洲次 「って言うか…………」
   
ロース 「桃が一人で…………」
   
ランプ 「ボスを全部…………」
   
ブリスケット 「片づけちまいやしたね…………」
   
   
どいつもザコだったなっ!!!
   
   



…………

……………………

………………………………


サーロイン 「みんな、大丈夫か?」
ブリスケット 「えぇ………まぁ………」
三洲次 「突っ立ってただけですから……………」
ロース 「むしろ、ロインは大丈夫なの?」
サーロイン 「大丈夫だ、桃が助けてくれたからな」
ランプ 「では、全員大丈夫なのを確認できたところで、
 『魔除け』を探しますか?」
ブリスケット 「お! そういや、そうっすね」
三洲次 「とは言え………この事務所ってだだっ広いから、探すの大変そう………」
ロース 「ワードナが肌身離さず持ってたんじゃないの…?」
ランプ 「それが一番可能性が高そうですね。
 じゃ、ワードナの遺体を調べ……」
   
サーロイン 「多分、玉座にある」
   
ブリスケット 「へ?」
三洲次 「なんで分かるんです?」
サーロイン 「玉座に近づいた時、すごいエネルギーを肌身で感じたんだが………、
 最初はワードナのオーラか何かだと思っていたけど、
 ワードナが遠くに行っても感じられたから………多分、『魔除け』のエネルギーだったんだと思う」
ロース 「じゃ、調べてみる?」

6人玉座を取り囲むと、それぞれ見える範囲で『魔除け』と思われる物が付いてないか探しだした........

ブリスケット 「飾りか何かになってんすかね………?」
三洲次 「それっぽいのは見当たらないけど…………」
ロース 「あ!
 座わる所の下が、引き出しになってるわ!!
 この中じゃないかしら?!」
ランプ 「開けてみましょう」

ワードナが座っていた座席の下のを引くと、
そこには巨大なエネルギーを発しているアミュレットが安置されていた。

サーロイン 「これっぽいな………」
ロース 「確かにこの感じられるエネルギーの強さは………普通のアイテムとは全然違うわね…………」
三洲次 「でも…………確認したいけど………触って大丈夫なのかなぁ………」
ランプ 「これが本当に『魔除け』なら、ダメだと思います」
三洲次 「え? なんで?」
ランプ 「思い出したのですが、『魔除け』に触るには、確かミスリルのガントレットが必要だったかと………」
サーロイン 「え? ………誰か『ミスリルグローブ』とか持ってない?」
ロース 「持ってる訳ないでしょ………」
ブリスケット 「せいぜい銀の小手っすよ」
サーロイン 「まぁ…………そうだよなぁ…………、
 困ったな……………」
「これでいいじゃねぇか」

そう言うと、は手に持ったカシナートの剣を中に突っ込み、刃の先『魔除け』を引っ掛けて持ち上げた。


「ほら」
三洲次 「そうか………直接触らなければ良いだけなのか…………」
ロース 「さすが、桃! 賢いわ!!」
サーロイン 「で…………これが本当に『魔除け』なのかな?
 ランプ、確認できるか?」
ランプ 「はい…………どれどれ…………」

ランプカシナートの剣先にぶら下がるアミュレットを、触らないように慎重に確認しだした..........



ランプ 「……………間違いありません、
 これこそが探し求めていた『魔除け』です」
サーロイン 「そうか…………とうとう見つけたな……………」


それが目的の『魔除け』と判明すると........


......全員が、桃が持ち上げている『魔除け』を無言で眺めた............


これまでの苦闘......、探検......、出遭った人々や敵たち..............


........長い旅の数々の出来事を思い出しながら..................




最初に口を開き直したのは..........サーロインだった............


サーロイン 「帰るか……………」
三洲次 「そうですね……………」
サーロイン 「じゃ、桃、落とさないように持っててくれ」
「うぃ」
ランプ 「では、地上へ帰還しましょう」
ブリスケット 「あ、ちょいとお待ちなせぇ」
サーロイン 「え?」
ブリスケット 「せっかくなんで………」
サーロイン 「…?」

ブリスケットはいそいそと扉から外に出ると........、


......扉に掛かっている表札を「不在」に裏返した。

ブリスケット 「以前できなかったんで、せっかくでやすから」
サーロイン 「ふっ…………、
 満足か?」
ブリスケット 「へい!」
サーロイン 「よし、今度こそ、地上へ戻ろう!」


このワードナの事務所のある通路・玄室は完全な閉鎖空間なので......、


......ここからはマロール(瞬間移動の呪文)でしか脱出できません

なお、もしマロールが無くても、魔除けを「使う」すればマロールの効果があるので、
ワードナを倒せば脱出は可能です。


さて、マロールの移動先ですが、ヘタに階段ギリギリの座標を指定したつもりでズレてもイヤなので......、


......安全に真上に飛ぶことにします。

サーロイン 戻るぞっ!!

マロールっっ!!!


......ブゥゥウウゥゥン......ブゥゥウウゥゥン..........



………


………………


………………………


………………………………


………………………………………


………………………………………………







──── 地下1階


サーロイン 「地下1階へ到着したようだな」
三洲次 「地下1階のどこだろう……?」
サーロイン 「いま、確認する」


サーロイン 「マーフィーズゴーストのいる部屋の近くか………。
 ここからなら、ダークゾーンを通っていけば、簡単に階段へ出れるな」


かくして..........


......ダークゾーンを経由して............


......通路を歩いて階段へ向かって行く。



その間........迷宮の主が沈黙したかの如く、迷宮自身も沈黙したのか..........


......まったく敵が現れる様子さえ無かった............。




そして..............





サーロイン 「………………………………」
   
三洲次 「…………帰って来ましたね」
   
ロース 「………私たち………やり遂げたのね……………」
   
サーロイン 「諸君……………」
   
「………………………………」
   
サーロイン 「長い間………よく頑張ってくれた……………」
   
ブリスケット 「………………………………」
   
サーロイン 「ここまでの冒険は、六人誰一人欠けても達成できなかったと思う……………」
   
ランプ 「………………………………」
   
サーロイン 「全員で辿り着いたんだ…………ここまで……………」
   
三洲次 「………………………………」
   
サーロイン 「私は、諸君らと冒険出来たことを、何より誇りに思う…………」
   
ロース 「………………………………」
   
ブリスケット 「………………………………」
   
ランプ 「………………………………」
   
「………………………………」
   
三洲次 「………………………………」
   
サーロイン 諸君っ!!!
 凱旋だっ!!!
   







 

 

「152.エンディング」へ


【更新履歴】
2021年12月 4日:ワードナ戦でサーロインの武器が違っていた不備を修正。一部の台詞を見直し。誤字・脱字を修正。
2021年11月27日:新規公開。