109.ポイゾン・パラダイス

【登場人物】  
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
美濃 いろいろミステリアスな日本人の巫女(僧侶)。
センマイ ドワーフの戦士(兄)。敵を千枚に切り刻む名手。
ハチノス ドワーフの戦士(弟)。敵を蜂の巣に突く名手。
ギアラ 救助隊リーダーを務める病弱なエルフの魔法使い。

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レベルアップしてはエナジードレインを喰らってを繰り返す三洲次(侍)の、
もう何度目かレベル上げ直し中です。


今回も頑張って経験値を稼ぎましょう。


──── 地下10階 第一玄室(1周目)


バンッ!        ← 扉を蹴破った音


ハチノス 「ウィルオーウィスプって、よく現れるな」
三洲次 「そういや、ここで倒した魔物の魂って説もあったから、
 こんだけ大量に倒してたら、そりゃまぁ大量に戦うことにもなるかな……」
美濃 「自業自得って訳ですわね」
三洲次 「自業自得の使い方、ちょっと間違えてないか?
 だいたい、てめぇだって殺しまくってるだろ?」
美濃 「あら、私は怪我や麻痺の治療など、癒し系のお仕事ばかりですわ」
三洲次 てめぇのどこが癒し系だっ?!
センマイ 「なぁ、早く戦おうぜ?」



三洲次 「ま、楽勝だな」

では、宝箱です。


三洲次 「よし! 普通に開けるぞ!!
 全員覚悟を決めて……」
センマイ  ササササ……
ハチノス  ダダダダッ!
美濃  そろそろそろ……
ギアラ  スタタタタ……ッ!
三洲次 逃げるなあっ!!!
 お前ら、それで本当に仲間かっ!?
ギアラ 「だってねぇ……」
美濃 「ですわよねぇ……」
三洲次 「くそ……っ!!」

ガバッ!



三洲次 「ぐへぇっ!! げはっ!! ごはっ!!」
センマイ 「だから……」
ハチノス 「言わんこっちゃない……」
三洲次 「お前ら全員、なんぼなんでも自己保身に走り過ぎだろっ?!
 それで本当に救助隊かっ?!」
ギアラ 「二次災害の発生を避けるのは、救助の基本です」
三洲次 二次じゃねぇ!! 一次だ、これはっ!!
美濃 「いいえ、自ら爆弾を爆発させた三洲次殿だけが、一次災害ですわ」
三洲次 「ごほっ! げほっ!
 くそっ!なんで俺だけ…っ!」
美濃 「自業自得ですわ」
三洲次 さっきから自業自得ってなんだああぁぁっ!!ぐはっ!がはっ!!


さて、第二玄室へ向かおうとしたら、いきなり第一玄室内で......、


....ランダムエンカウント!!


お? これはラッキーだ。


これはラッキーだ!!
経験値、いただきまーす!!!

センマイ 「これは勝機!!」
ハチノス 「オレたちの必殺技が唸るぜっ!!」
三洲次 「え?」
センマイ ダブル・ストリィィーームゥゥ!!


センマイ
ハチノス アタアァァァァッッック!!!


センマイ どうだあぁ!?
三洲次 「必殺技を出すたびにツッコんで申し訳ないんだけどさぁ、
 気付てない敵を相手に、後ろに隠れて襲い掛かるその必殺技って、意味あるの?」
美濃 「三洲次殿、味方にツッコむよりも、敵に突っ込んでくださいな」
三洲次 「誰がうまいことを言えと……」


見事、先制中ポイゾンジャイアントを倒す!!


後はウィルオーウィスプだったので......、


....特に危なげも無く勝利!
1人当たり33,856E.P.もゲットできたぜ!!


さぁ、この勢いに乗って第二玄室へ!!


──── 第二玄室(1周目)


バンッ!


??? 「ぶっ殺して、お宝を奪ええええぇぇーっ!!」
三洲次 「え?」


ハチノス 「ぐほっ!!」
マスターシーフ 「はははっ! 覚悟し……」
三洲次 あっ! お前は…っ!?」
マスターシーフ げっ! てめぇは…っ!?」


マスターシーフ 「はははっ! あばよっ!!
ファイターA 「あ、ボ…ボス?! どこへ?!」
三洲次 「あいつ、また逃げやがった………マジで逃げ足だけはすげぇな………」
センマイ 「なんだよ、あいつ……?」


ファイターA 「…………………………」
三洲次 「…………………………」
センマイ 「三洲次さん、こいつ、どうする?」
三洲次 「経験値にならないから、ほっとけ!
 戻るぞ」

バタンッ!


ファイターA (俺………何だったんだ………?)



では、改めて......

バンッ!



またまたポイゾンジャイアント先制ですか?!
超ラッキーだぜ!!

センマイ またまた…」
ハチノス 「…オレらの出番だぜ!!
三洲次 「いや、相手は気付いてないから、普通に……」
センマイ ダブル・ストリィィィーーーム!!


ハチノス アタアアアァァッッック!!!


ハチノス やっぱり!!
センマイ 余裕だぜ!!
三洲次 「当たり前だろ……。
 ってか、先制中にそれやってると必殺技の価値が下がるから、止めた方がいいぞ」
美濃 「三洲次殿、仲間に厳しく当たってないで、敵に厳しく当たっていただけません?」
三洲次 「お前、手厳しいな……」


今回も先制中に2匹倒す!!


2ターン目も、三洲次が見事に敵を一刀両断っ!!

マカニトを使うまでもなかったな。


先制できたこともあり、またまた楽勝!!



三洲次 「くそっ!
 俺一人だけが苦しむじゃないか……」
美濃 「あぁ、仲間のために自らを犠牲にするその献身さ…!
 美濃は惚れ惚れし過ぎて、全身が苦しいですわ!!」
三洲次 「一度てめぇが開けてみるか、おい?!」



まぁ、三洲次に犠牲になってもらったが......


三洲次 「ぐはっ! いでででで…っ!!」
美濃 「自業自得ですわ」
三洲次 「お前さぁ! さっきから自業自得を使うシチュエーション、少しおかしくないかっ?!」

....アイテムが無く、金しか入っていなかった。
残念。




三洲次の修行はつづく。

いつまで続くんだ........?


──── 地下10階 第一玄室(2周目)


レベル8ビショップから逃げ損なったり......、


....ハイプリーストに奇襲されたりしつつも、玄室の出入りを繰り返す。

で......、


....やっとこちらの先制かと思ったら......、


....丁重にお断り致します

そして......、


センマイ 「またこいつかよ?!」
三洲次 「今日はポイゾンジャイアントが多いな」
美濃 「本日はポイゾンジャイアント・パラダイスですわね」
三洲次 「多けりゃ何でもパラダイスかよ……」
美濃 「いいえ、たった2人によるパラダイスが…」
三洲次 何言い出すかバレバレだから、それ以上言うなっ!!!


奇襲さえなければ......、


....余裕ですな。



三洲次 開けるっ!!ガバッ)」
ギアラ 「あぁ! 三洲次さん、まだ全員退避が…」 
三洲次  ダダダダダダダダ……ッ!!
センマイ 「ちょ! 三洲次さん?!」
ハチノス 「自分だけ逃げるなんて…っ?!」



センマイ 「うげぇ!!」
ハチノス 「ぐはっ!!」
ギアラ 「み、三洲次さん……ごほっ!……ひどすぎます……」
   
美濃 「仲間を無理やり犠牲にしてまで宝を得ようとするなんて……、
 三洲次殿、なんて恐ろしいお方っ!!
三洲次 「なんでお前は無事なの……?
 ……その方が恐ろしいんだけど………」


──── 第二玄室(2周目)



ブリーブに奇襲されたりしつつ、こちらでも出入りを繰り返していると......、


お久ぶりでーーーす!!
いただきまーーーす!!



うっほー!!
大量の経験値ゲットぉ!!

そして、宝箱は......


三洲次 「この瞬間を………待っていた!
美濃 「ギアラ、仲間の暴挙を止めるのは、リーダーの務めですわ」
ギアラ 「今の実質的なリーダーは、三洲次さんですから……」
三洲次 「美濃ぉ~?!
 今度はこの俺が、お前に痺れるような体験をさせてやるぜぇ!!」
美濃 いやああぁぁぁ!!清純な乙女に何をなさる気ぃぃ?!!
 やめてぇぇぇ!!お嫁に行けなくなってしまいますぅぅっ!!
三洲次 「………誤解を招くこと、言わないでくれる……?」
美濃 「では止めていただけますか?」
三洲次 開ける!!ガバッ!
美濃 いやあぁ!!



美濃 「………あ………あぁ…………」
三洲次 「このセリフを言う時を待ってたぜ!!
 美濃、自業自得だ!!
ハチノス 「まぁ、あんだけ三洲次さんをからかってたらなぁ……」
センマイ 「にしても、ブラスターを喰らいながらも……」


センマイ 「……指輪を取り出すなんて」
美濃 「も……もうお嫁に行げまぜん………、
 み……三洲次どの………責任どって……この婚約指輪を……受け取っで………」
三洲次 「お前、長生きするよ………」

さて、第二玄室まで来たので......、


....これで城へ帰還。


…………


……………………


………………………………


──── カント寺院

治療呪文を使える唯一の僧侶が麻痺したので......



....寺院で治療をする。

後は戦利品を売りましょう。


──── ボルタック商店


さて、お宝は何かな?


ま、こんなものか。
売り飛ばしましょう。


美濃 三洲次殿っ!!!
 なんで婚約指輪を売ってしまわれるのですかっ?!!
三洲次 宝石の指輪がいつ婚約指輪になったああぁぁっっ!!?
美濃 私をお嫁に行けない身体にしておいて、どう責任を取るおつもりなのですかっ!!?
三洲次 ブラスターごときで、なんでそうなるっっ!!!
店員 「あの……店内では、お静かに願えませんか………」

さて!!
経験値を大量にゲットしたので、ここでドワーフ兄弟レベルアップ!!


──── 冒険者の宿

まずは、兄のセンマイ(戦士)!!


よしよし!
今回はH.P.がそれなりに上がったな。いいぞ!


では、次は弟のハチノス(戦士)!!


これまで同じH.P.を維持してきたこの兄弟も、さすがに今回はH.P.の伸びが一緒じゃなかったか。
まぁ、しょうがないけど........気持ち、ちょっと残念。


なお、現時点で......、


....三洲次(侍)がレベル13に戻るまで、残り5万E.P.弱!!

これなら運よくジャイアントが出れば、すぐにでもレベルアップできるな!!
よ~し! 頑張るぞ!!




──── 地下10階 第一玄室(3周目)


さぁ、最初の敵さん、いらっしゃ~~い!!!



すいません、お帰り願えますか?


......って、逃走するから、俺の方が帰るのか。


まぁ、バンパイアを筆頭に......



....ブリーブシーフなどをやり過ごしていると......、


....特に奇襲とか無く、こいつが登場!

いいぞっ!! 大量経験値を持つ敵だぜ!!


余裕っち!!!


よーーしっ!!

ついでにアイテムもいただいちゃうぜ!!


..........あれ?

宝箱は......?

宝箱が出なかったんだけど........?

........


まぁ、一番の目的である経験値は稼げたんだし、大目に見てやるか。


──── 第二玄室(3周目)


三洲次 「この玄室で残りの経験値を稼ぎ、ついでにアイテムもゲットするぞ!!」

さぁ、第二玄室!!

バンッ!


よっしゃー!! これはラッキー........


........か?

センマイ 「どうする?」
三洲次 「1匹じゃあ足りないなぁ……。
 それにこいつ、アイテム持ってないし」

入り直すっ!!

次!!




その後も、いまいちな敵ばかり出て来て、無駄に時間だけが消えていく......。

ハチノス 「さっきのマーフィー4匹で、良かったんじゃねぇのか?」
三洲次 「どうせなら、最後にアイテムもゲットしたいからな!」
センマイ 「こんなこと繰り返して、また奇襲ブレスでやられたらどうすんだよ?」
ギアラ 「次またマーフィーでしたら、もう戦いますよ?」
三洲次 「分かったよ。
 でもその前に、きっとジャイアントが来てくれるさ!!」
センマイ 「じゃ、入るぜ?」

バンッ!



三洲次 お願いっ!! もう1回! もう1回だけやり直そ!!
ハチノス 「次マーフィーだったら、もう戦うって約束だったろ?」
三洲次 「アイテム無しなんてつまんないじゃん!!」
センマイ 「切り上げ時を間違えて全滅したパーティーは多いですぜ?」
三洲次 「お願い!! ね! 本当にやり直しはこれっきりにするからさ!!」
ギアラ 「しょうがないですね……」


逃走する。

で、次。

バンッ!


三洲次 「え?!」


いやああああああぁぁぁぁっっ!!!


ジャイアントA ゴオオオオォォォォッッ!!!
   
センマイ ぐわああああぁぁぁ!!!
三洲次 ひえええええぇぇぇ??!
ハチノス 「言わんこっちゃねええぇぇっっ!!」

毒ブレスで奇襲って、やべええええぇぇぇ!!!


ジャイアントB フオオオオォォォォッッ!!!
   
センマイ ぬおおおおぉぉぉ!!!
三洲次 た、助けてええええぇぇ!!!!



これ..........全滅........する........?



ちょっと待ってえええええぇぇぇっっ!!!




センマイ うおお?!


ハチノス くそっ!!(サッ!)」

おぉ!?
毒ブレスを吹いてきたのは2匹のみ!!?



ギリ助かったああああぁぁぁっ!!!

三洲次 「………ぁ………ぉぉ…………」
ギアラ 「三洲次さんが死にかけてます!!」
ハチノス 「だから言わんこっちゃねぇんだっ!!」
美濃 「自業自得ですわ」
センマイ 「こう瀕死の状態じゃ、聞こえてねぇよ」


センマイ 「先にブレスを吐かれたら、死者が出るぜ?!」
ギアラ 「任せてください!!」


ギアラが素早くて、助かったよ!!


最後に、1人33,056E.P.の経験値をゲット



三洲次 「はぁ……はぁ……、せ……せめて……アイテムだけ……でも……」
ハチノス 「無理すんなって、三洲次さん」


H.P.がの三洲次がになると、連戦などの何かのはずみで死にかねないので、
今回に限りセンマイに開けてもらう。

センマイ 「しょうがねぇなぁ……」


センマイ 「て!」


ハチノス 「しかも金しか入ってねぇのかよ」
ギアラ 「サイテーですね」
三洲次 「~~~………っ」


センマイ 「いちちち…!」
ハチノス 「最後の戦闘は、毒だらけだったな」
美濃 「ポイゾン・パラダイスですわ」
三洲次 「………ぅ………ぉ…………」
ハチノス 「ツッコむ余力も無ぇか」

修行の締めの戦闘が無様な結果となってしまったが......、


....ともかく、これで終了としましょう!


どうでもいいけど、ポイゾンじゃなくてポイズンだよね、普通......?


…………


……………………


………………………………


──── 冒険者の宿


三洲次(侍)やっとレベル13復っっ活ーーーーーっ!!!

しかも、なんと!!!


能力パーフェクトのおまけ付きぃぃぃーーーーっっ!!!

ローラーレンジャーズ、3人目のパーフェクト達成!!!


まぁ、転職して初期能力でスタートしてこれって、
どんだけドレイン喰らいまくったんだ......って話しだけど......。


でも、頑張って武者修行したかいがあったな!!



ついでに、美濃(僧侶)レベルアップ!


救助隊なので、僧侶のレベルが高い=治療呪文の使用回数が多いのは、良いことである。

しかし、最後の最後まで、こいつはなぜかが上がらなかったな。
いざ救助となったら、お前は前衛だぞ? 大丈夫か?




これにて、三洲次のレベル挽回の武者修行、終ー了ーっ!!

10話も使う長い修行であった......。



三洲次 「みんな、最後まで付き合ってくれて、どうもありがとう!
 おかげで、無事にレベル13まで戻すことができたよ!」
センマイ 「オレらも修行ができたので、お互い様でさぁ!」
ハチノス 「必殺技も実戦で使えたし、実りある修行だったぜ!」
三洲次 「後はアイテム収集と経験値を稼ぎ、ワードナと戦うだけだ!
 だから、もし俺たちに何かあったら、救助を頼むぞ!」
ギアラ 「はい、もちろんです!」
美濃 「三洲次殿、ワードナに打ち勝って、必ず帰ってきてくださいませ」
三洲次 「あぁ!もちろんだ!」
美濃 「もし三洲次殿がワードナに負けたりしたら……、美濃は………美濃は…………」
三洲次 「美濃………」
美濃 そんな面倒くさいところ、救助に行きたくありませんっ!!!
三洲次 美濃おおおぉぉぉっっ!!!

 

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名前 LV H.P. コメント
三洲次 13 107 18 18 18 18 18 18 5 4 見事3人目の能力パーフェクト達成!!
美濃 17 129 12 14 18 18 18 18 0 3 僧侶のレベルは、高いにこしたことはない。
センマイ 16 138 18 16 18 18 18 12 0 6 死にまくって、弟との年の差が5歳も離れたよ。
ハチノス 16 136 18 15 18 18 18 15 0 3 兄弟でH.P.がズレたの、実はちょっと悔しい。
ギアラ 16 92 14 18 18 18 18 18 0 3 もう1レベルアップするには経験値が離れてた。


【更新履歴】
2021年 5月29日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2021年 2月 7日:次ページへのリンクを設定。
2021年 1月31日:新規公開。