8.エレベーターホールは踊る

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約5分



前回で、地下2階のマッピングが終わりました。

だが、地下3階に降りるのには、まだ不安があります。

なぜなら、地下3階になると、敵の数がさらに増えてくる。
3グループとか平然と出てくる。
今のローラーレンジャーズの手数では、ちょっと対処しきれない。

しかも、「ブレス」攻撃をしてくる敵が、とうとう登場する。
まだ地下3階なので、1回のブレスのダメージは10前後とかだと思うが、
それでも4匹で10×4=40ダメージとか、今の後衛なら一瞬で死体の山だ。


なので、しばらくは地下2階で稼ぐことに。
稼ぎ場所は、地下2階のエレベーターを降りたすぐの場所、ここでの通称「エレベーターホール」

ここは玄室が2部屋隣接しているので、効率的に戦闘ができる。
しかも地下1階へ戻るエレベーターが側にあるので、いざという時も安心である。

と、言う訳で、地下2階のエレベーターホールで経験値稼ぎをします。


ランプ 「うわああぁぁ!!!」
ロイン 「やばいっ!?」



おいっ!!!
いくらなんでも逃げ過ぎだろ!!!
全員逃げやがった!!!

ロイン 「なぁ?」
ロース 「はい?」


ロイン 「あいつら、こんな個室でどこに逃げたんだよ…?」
ロース 「知らないわよ」


また、しばらく戦っていたら......


ランプ 「まただああぁぁっ!!」
ロイン 「くそっ!!」



逃げ過ぎいいぃぃっっ!!

ロイン 「なぁ?」
ロース 「はい?」
ロイン 「ここだと効率的に経験値が稼げるって、誰が言ったんだ?」
ロース 「あなたでしょ」


まぁ、それでもエレベーターでリセットしながら、ひたすら玄室戦闘を繰り返す。

モンティノ(魔物の魔法を封じる呪文)、カティノ(魔物を眠らせる魔法)、マハリト(グループ攻撃の火炎魔法)を駆使すれば、全然余裕で敵を全滅させられる。
地下2階に降りてきた頃のビビリは何だったんだ....というぐらい、今や果敢に戦闘をこなせてる。

こうして経験値稼ぎをしていると、まずランプ(司教)がレベルアップした。


とうとうモンティノを習得!!
えらい!!!えらいぞ、ランプ!!!

「え?今さらモンティノごときで…?」という声がしそうですが......

いや、このパーティーで、これは重要なんです。

これまでは、魔法を使う敵が出てきたら、ロース(僧侶)がモンティノを唱えるしか無く、打撃が減り気味だった。しかし、これで前衛全員で打撃をしつつ、魔法も封じ込められるのだ!!今まで以上に、攻撃的な布陣で戦うことができる。
やはり、このローラーレンジャーズの戦術の手数は、司教の成長にかかっていると言えるだろう!


さて、そんな司教の成長に合わせ、アイテムのゲット率も上がってきた。


魔法の巻物とか、初の「胸当て」とか、そこそこお金になるアイテムが手に入り始める。

さらに、これまでは1つの宝箱にはアイテムは1個だけだったが、とうとう2個入っている宝箱が出てきた。



ランプ 「アイテムが出てきましたよぉ……えぇと、『たんとう』か……」
ロイン 「お!もう1個入っているぞ!!」
ロース 「あら、2個も入っていたの?初めてね」
ロイン 「そうだな。……もう1個は『けん』……か」
ランプ 「では、早速鑑定を……。『たんとう』は……、普通の『短刀』ですね。
 もう1個の『けん』の方は………」


なんと切り裂きの剣」!!!
いわゆる LONG SWORD+1 だ!!!

やった!!

とうとう初期装備よりも強い武器を、通算17個目のアイテムでゲット!!!!


とりあえず「切り裂きの剣」は、我がパーティーのエースである桃に装備させた。
さらなる攻撃力アップに、期待大だ!!!



さて、ひたすら戦いまくったので、続々とローラーレンジャーズがレベルアップを果たしていく。


まずブリスケット(侍)だが、今でも高いH.P.が、さらに11もアップ!!!
チーム最強のH.P.を持つキャラとして、まだまだ成長中!!
この点だけは、桃を凌駕しているな。


(侍)は、残念ながら力が18に戻らなかった。
でも「切り裂きの剣」を手にしたので、総合的には攻撃力がアップしているだろう。



さて、もうちょっとだけ、地下2階で稼ぐ。
全体攻撃ができるマカニト(弱い敵を全て消す魔法)を覚えるまでは、地下3階は行かない方が安全かなぁ....と。

ノーリセットなので、どうしても臆病なほど慎重になってしまうな。


ま、そういう訳で、まだまだ地下2階のエレベーター側の玄室2部屋で稼ぐ。


ロインは多少ノロいが......って言うか、かなりノロいけど、マハリトさえ出れば勝てるので、カティノとマニフォ(敵を麻痺させる魔法)で時間稼ぎをすれば、今のところ危うくなく戦えている。
大量の忍者にも恐れずに戦えるようになったので、もう地下2階なら安全だろう。

かくして、エレベーターホールの玄室でガシガシと敵を倒し、宝箱を漁る。

アイテムとしては、
・たて
・たんとう
・メイス
・くさりかたびら
・むねあて
などが手に入る。

まぁ、どれも大したことないから売るか....と思ったが....、

ランプ 「また『胸当て』は売るんですか?」
ロイン 「悪いか?」
ランプ 「今、前衛の防具は『鎖帷子』ですよね?『胸当て』の方がAC(≒防御力)は良いですよ?」
ロイン 「なに?!なんで、それを早く言わない!!」


............忘れてた。

前回、桃に新しい装備を与えたので、今回はブリスケットに装備を与えることにした。

ロイン 「よし、『胸当て』はブリ助に装備してもらおう」
ランプ 「じゃ、ブリ助、これを…」
ブリスケット 「ありがたくいただきやす。じゃ、早速装備しやすか」
ロイン 「これで、ますます死にくくなったな!」


これにより、ブリスケットのACがからへと改善!!

......たったかぁ......。

しかも、ファミコン版はバグでACが意味をなしていないし......。

うん、まぁ、雰囲気、雰囲気


そんなこんなで、地下2階で戦闘を繰り返していると....、


ランプ 「うわあぁぁ!!」
ロイン 「またかっ!!?」


ハイウェイマンA 「しゃぇぇぇーっっ!!!」
ブリスケット はぐぅっっ!!!
ロイン 「ブリ助っっ!!」
ブリスケット (ピクッ………ピク………)
ランプ 「なに?君?奇襲の時、ただ攻撃喰らうだけじゃ物足りないの?」
ロース 「こればっかりは冗談言ってる場合じゃないでしょっっ!!」
ロイン 「装備変えたら、むしろ弱くなったか?」
ロース 「あなたもよっ!!!」
三洲次 「ちょっと!まだ4匹も居ますよっっ!!!」
メイジ 「次はぁ、女たちを狙えぇええぇっ!!」
ロイン 「や!やばいっっ!!!」
   
ハイウェイマンB 「しゃぁぁぁーっっ!!」


(ひょい!)
ハイウェイマンB 「……へ?」
ハイウェイマンC 「しょぅぅぅーっっ!!」
ハイウェイマンD 「ふぉおおぉぉーっ!!」
ロース 「きゃあぁっ!!」
ハイウェイマンE 「ひょおおぉぉーっ!!」

(サッ!)
ハイウェイマンE 「……え?え?」
   
三洲次 「桃が……また、全部避けましたね……」
ロイン 「あいつ、危機的な状況になるほど、強いよな……」


......なんで桃って、こういう状況での奇襲に強いんだ?
首を刎ねられるどころか、今回も攻撃を全て避けやがった。ノーダメージ。

一方、ロースは計11 ポイントもダメージを受けてしまった。
首を刎ねられなかっただけ、とりあえずこちらは安堵だが....。

三洲次 「ロース!?大丈夫か?!」
ロース 「はぁはぁ……私は大丈夫……。でも、ブリ助が……」
てめぇらぁあっ!!
 覚悟はいいかあぁっっ!!
ロイン 「桃……、少し横にどけ」
「あ?」
三洲次 「?」
   
ロイン 「名乗らせてもらおう!
 私はロイン。われわれローラーレンジャーズのリーダだ!
 貴様ら、よくも私たちの大切な仲間であるブリ助を殺ってくれたな!
 それが何を意味するか?!今、とくと分からせてやる!!
三洲次 「逃げるんですね?」
ロース 「なに、らしくないこと言ってんのよ」
ロイン お前らっ!少し黙ってろ!!
   
ハイウェイマンA 「はぁ~あ?」
ハイウェイマンB 「なに言ってんだぁ?こいつぅ?」
   
ロイン ダルトッ!!


ハイウェイマンA 「えーーっっ??!!」
ハイウェイマンB 「ひゃああぁっっ!!!」
ハイウェイマンC 「ひょおぉぉっっ!!!」
ハイウェイマンD 「ほょおおぉぉっっ!!!」
ハイウェイマンE 「うひゃあぁぁっっ!!!」


アッと言う間に壊滅するハイウェイマンの一団。

ロイン 「クズどもが…!」
メイジ 「ひいいぃぃぃ……!!」
逃すかぁっ!!!


バシッ!!

一撃で倒れるレベル1メイジ。


やれやれ……。
こちらのターンになった途端、アッサリと片付いたが、まさかブリスケットがやられるとは....。

しかも、悪いことは重なるもので......

三洲次 「早く城に戻りたいですが、とりあえず宝箱は開けていきますか?」
ロイン 「うむ」
三洲次 「じゃ、……どれどれ……」


三洲次 「あ、爆弾っぽいですね……」
(サーーーーーッ!! ササッ!! ジーーー……)
ロース 「桃ったら、また隠れちゃったわ……」
ランプ 「そりゃ、これまでがこれまでですから。
 ほら、皆さんも退避した方がいいですよ」
ロイン 「まぁまぁ。最近、三洲次は腕が上達しブホォッ!!!」

ランプ 「ゲホッ!ゲホッ!……ちょ……、もうちょっと待ってくれても……ゴホッ!」
ロイン 「ガホッ!ゴホッ!……全員……コホッ!…被害状況の報告を……」
ロース 「6ポイントのダメージよ」
ランプ 「9ポイントも喰らいました……」
三洲次 「6ポイントっす…」
ロイン 「そして私は10ポイントもか……桃は?」
「……………………」


桃は、今回もノーダメージ

ランプ 「さっさと隠れてましてからね……ケホッ」
ロース 「学習してるわねぇ……」
ロイン 「あいつ……、コホッ…、なにからなにまで本当に凄いな……」

 

城に戻り、ブリスケットの蘇生を依頼する。


生命力が最高の18あるので、特に心配はしなかったが、とりあえず安堵である。


名前 LV H.P. コメント
ロイン 8 28 12 17 9 16 13 12 0 魔法のおかげで、やっとチームの主戦力に!
三洲次 9 34 15 14 6 12 17 15 0 素早さ17なのに、失敗が多過ぎないか?
8 63 17 18 14 18 18 14 0 とうとうチーム唯一の14歳に。でも最強!
ロース 8 36 12 15 18 15 18 9 2 僧侶の素早さが高いと、安心して戦える。
ランプ 8 29 14 17 15 11 15 8 0 チームの戦術の手数の鍵を握る男。
ブリスケット 8 69 18 17 13 18 15 9 1 1回死んで年齢が15歳に。やれやれ…。

 

「9.防具は踊らない」へ


【更新履歴】
2021年 8月28日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2021年 6月26日:発言者名を右寄せにしました。
2019年 1月28日:次ページへのリンクを設定。台詞と文章を一部推敲。
2019年 1月21日:新規公開。