82.試練場 最難関エリアからの脱出

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
元接近戦最強の少女。現在は盗賊。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約10分



今回も、引き続き地下8階の探索を続けます。

地下8階には4つのワープポイントがあり、
現在、最後のワープポイントを探索中です。


──── ギルガメッシュの酒場 早朝....

サーロイン 「地下8階のゴールであるエレベーターはもう見つけてある。
 だから後は、マップを完成させるだけだな」
ロース 「地図が完成したと判断するポイントは?」
サーロイン 「これまでの3つのワープポイントは、
 いずれも階段のある部屋に戻るワープポイントがあった。
 今回も階段のある部屋に戻るワープポイントが、絶対にあるはずだ」
ランプ 「一番最初の部屋に戻れた時が真のゴール、ってことですね」
サーロイン 「うむ」
   
三洲次 「ぅう~~……おはよぉぉ……」
ブリスケット 「ぅぅ~~……まだ少し気持ち悪ぃっす……」
   
ロース 「前回の悲劇の主人公たちが来たわよ」
ランプ 「まだ調子悪そうですね……」
サーロイン 「まぁ、もう仕方無いから、このまま冒険を続けよう」
ロース 「今回で、あのエリアも終わりにしたいわね」
ランプ 「ワープポイントがあちこちにありますから、
 一筋縄ではいきそうにありませんが……」
サーロイン 「根気強く探索すれば、きっと終えられるさ!」


今探索中のエリアは、ワープゾーンダークゾーンが大量にあるため、
なかなか手強いエリアなのですが、頑張って攻略したいと思います!


それでは、私に謎を解いたときのあの歓喜の瞬間が訪れますように!





──── 地下8階 最北西地点


ところで今回の探索なのですが、
三洲次(侍)ブリスケット(僧侶)が前回エナジードレインを喰らってレベルダウンしてしまったので、
経験値稼ぎも兼ねてます。

.....なので、是非ともここいらで、
経験値の高いモンスターに遭遇したいのですが........



バンッ!

......な~んて思っていたら!!


......願いが届いたのか、
いきなり一発目の戦闘で来たぜっ!!

大量経験値の友っ!!!

アースジャイアントおおぉぉっ!!!













........................はぁ......そうですか......。

 




その後も、地下8階の探索を続ける。



相変わらず......、


....ワープをしては......、



....行き止まりに突き当たり.......、


....結局......、



....このエリアのスタート地点に戻る....の繰り返しであった。


で、何度かスタート地点に戻るを繰り返していたら......


....地下8階のマップが完成しちゃったよ!!


だって、行けるところは全て踏破したから!!!




ひゃっほ~……ん?




............あれ?




スタート地点には戻れてるけど......、




最初の部屋には戻ってないよ?!




ブリスケット 「階段のあった部屋に戻れねぇっすぜ?」
サーロイン 「あれ……??
 いや……これまでを考えると、今回も最初の部屋に戻るワープポイントが、
 きっとどこかにあると思うのだが………」
三洲次 「地図を見る限り、歩いていける範囲は全て行きましたよ」
ロース 「でも、ところどころ白紙(=未踏)の場所があるわ」
ランプ 「どこです?」

手書きしたマップを見直すと、怪しい(まだ行っていない)個所は3か所

(1) スタート地点すぐ側の1マス
(東に6、北に13の1マス)
(2) 南側に突き出た空間
(東に7、北に7を中心としたエリア)
(3) 東側に存在する4x1マスの空間
(東に8、北に13から伸びる4マス)

サーロイン 「一番怪しいのは、どこだと思う?」
三洲次 「やっぱりスタート地点のすぐ側、(1)でしょう」
ランプ 「ダークゾーンで全方位が囲まれてますからね。
 これでは、どこからも扉には気付かないですよ」
ロース 「スタート地点のすぐ側が実はゴールって、ありそうなパターンね」
ブリスケット 「灯台下暗し、ってやつっす」
サーロイン 「じゃ、そこを重点的に調べよう」

と、言う訳で、(1)のスタート地点すぐ側の1マスを調べるが......、





....全ての方向から、入ることができない

ドアも無いようだ。


え......?
そもそも、どうやって入るんだ? ここ?


サーロイン 「ダメだな、これは……」
ランプ 「有望だったのですが……」
サーロイン 「仕方ない。
 残りの(2)と(3)を調べるか」

ただ、(2)の南側に突き出た空間も......、


....壁で行く手を塞がれており、
(3)の東側にある横長の空間も......、



....全方位が壁で囲まれている

つまり、入れない



え?!


出口、どこ?!


どこから戻るの...?!!



サーロイン 「これは………」
三洲次 「これまで歩いた場所で、まだ何か見落としてるとしか……」
ランプ 「しかし……、いったい何を………?」





かくして、このエリアからの出口を求めて、何か見落としていないかと、
ひたすらこのエリアを徘徊する.......。




前回の探索で入った玄室ももう一度チェックをするので、
その都度、玄室戦闘が起きるし......、



....あちこちさまよって歩くので......、




....当然、ランダムエンカウントも起きる。

でも......、





....今のローラーレンジャーズならほとんどの敵を余裕で倒せるし、
ダメージもたかが知れているので、長時間潜っていても全然問題はない



............はずなのだが......、





......なぜか......




......治療呪文がどんどん減ってゆき.......、




......城に戻らざるを得ない状況へと、追い込まれていく......。

 


......なぜなのか?

 



真に恐れるべきは有能な敵ではなく、
無能な味方である。
  ナポレオン・ボナパルト

 

 



その後も、見つからない出口を求めて、延々とこのエリアを歩き回る。


しかし、どうしても出口が見つからず
時間だけが無駄に過ぎ去り、軽く半泣き状態になってきた......。



何か見落としているのか?


.....見落としているとしたら、なんだ?



....そんなことを考えつつ、あちらこちらをチェックしていたら......、


....ある玄室のすげぇ中途半端なところワープゾーン発見っ!!!


おーーーーーいっ!!!


これマジかよぉぉぉ........!!!



実はこの玄室、このエリアで唯一横長な玄室なので、
横移動でワープの脇を素通りできる構造になってるんですよ!

これが、手書きマッピングの弊害ってやつですよ!!


何を言っているかと言うと.....、

オートマッピングだと全てのマスを歩くけど、
手書きマッピングだと、部屋の形状が確認できたら全てのマスを歩く必要はないから、
横を素通りして出口から出てしまう......

....ということが、平然と起きるってことですよ!!


このワープポイントの位置って、
オートマッピングが無い時代の「クセ」を突いた仕掛けなのかも......。



見事にやられたああぁぁぁ......。



サーロイン 「やはり見落としがあったのか……」
三洲次 「これに気付くのに、すごい時間がかかりましたね……」
ロース 「でも、これでやっと、ここから出られるのね」
サーロイン 「よし、さっそくワープしよう!」


かくして、やっと残されていたワープポイントへと入っていく。



そして、ワープした先は........





俺、このワープ先に来たことあるよっ!!!!

全然出口でもなんでもねぇよっ!!!!

おおおいっ!!!

マジで出口、どこにあんだよぉっっ!!!




......おおおぉぉぉ........マジかよぉぉぉ........。




全っっ然、分からねぇぇぇぇ..........






その後も、ひたすら地下8階をさ迷い、出口を探し続ける........





だが、どこに行っても、このエリアから出る方法が........、




........まったく分からない............。






........サッパリ分からない............。






........これっぽっちも分からない..................。








ダメだ..............




......マジで、全然分からねぇ..........。




......もう.......ギブアップするか..............?








ギブアップして.........、



..........ネットの情報を見るか..............?








プレイヤーの精神力が........限界を迎えようとしている時........、





........フと............ある現象が目に入る。






下の2枚は、同じ場所の画面写真である。










ここ、隠し扉まであるのかよっ! ! ! !


マジかよっっ! ! ! !


どこまでエゲつねぇんだよっ! ! ! !


こんだけ大量にダークゾーンがあるのに、
隠し扉まで仕掛けてあるなんて、
ありえねええぇぇぇっ! ! ! ! !






........だが!



そうと分かれば、攻略法は分かったも同然!




さっそく、未踏エリアの内....、


(1) スタート地点すぐ側の1マス
(東に6、北に13の1マス)
(2) 南側に突き出た空間
(東に7、北に7を中心としたエリア)
(3) 東側に存在する4x1マスの空間
(東に8、北に13から伸びる4マス)


.... (3)のエリアへと向かう!!


まず、北側!!





ミルワ(照明魔法)を使って通路を照らす!!




右側が該当エリアだが、
右側の壁には隠し扉無し!!


ならば南側だっ!!!


....と、南側に向かう途中.........、



??? エモノ ダアアアァァッ!!!
??? オタカラ イタダキイイィィッ!!
サーロイン 「えっ?!」
三洲次 「また、扉のとこで…」



うぜえええぇぇぇっっ!!!


うぜえええぇぇぇっっ!!!

サーロイン こんな時に、邪魔をするなあぁぁっ!!!
 必っっ殺………っ!!!


    お に    ぎ り
サーロイン ”鬼” ”斬”!!!

オーガロードに邪魔されたが、なんとか......、


....南側へと到着!

南側に回るだけで何度かダークゾーンを通ったので、
改めてミルワっ!!!




隠し扉、発っ見! ! !


サーロイン 「あったぞ!! 隠し扉だっっ!!」
三洲次 「入りましょう!!」

バンッ!


ブリスケット 「奥に扉っす!!」
サーロイン 「入るぞ!!」

バンッ!


ランプ 「右に通路がのびてます!」
サーロイン 「よし! 道なりに……」
三洲次 待ってください!!!
サーロイン 「ん?」
三洲次 「作ってる地図を見ると………、
 ここは袋小路のはずです!」
サーロイン 「え? じゃぁ……」
三洲次 「えぇ……目の前に見えてるのは……、曲がり角ではありません!!
 ワープポイントですっ!!!
ブリスケット しかも、暗闇じゃねぇワープポイントってぇことは…っ!?
ロース 出口なのねっ! ! !




まずは現在の座標を確認して........、
ワープポイントへ進むっ!!!!






一番最初の部屋に、
戻れたあああぁぁっっ! ! ! !




......歓喜の瞬間っ!!




そして........、あぁ.......この安堵感........!



やったよ.....、........! ! !








....しかし......そうか....隠し扉があるのか.....。






思うところがあり、そのままの足で......、


....以前行った最初のワープポイントに、もう一度入ってみる。

ワープ先は......、


....地下8階南西エリア(左下方面)


このエリアは、ワープ先のすぐ近くに......、


....壁で囲まれて入れないエリアがあった。

ここで......、


....ミルワを唱えると......、


....あったよ、こっちにも隠し扉が!

さっそく中に入って行くと......、




く.....、前回のトラウマが........。




見事な連携プレーだぜ!!!


ま......、





......行き止まりだったが。




つづけて今度は、このエリアの一番奥の......、


....行き止まりまで行く。


ここは、3つの未踏エリアの内......、


(1) スタート地点すぐ側の1マス
(東に6、北に13の1マス)
(2) 南側に突き出た空間
(東に7、北に7を中心としたエリア)
(3) 東側に存在する4x1マスの空間
(東に8、北に13から伸びる4マス)

.... (2)のちょうど南側に位置している。


ここで......、


....ミルワを唱えると......、


....あったぜ! 隠し扉!!!


サーロイン 「よし!!
 残る(2)のエリアへ入って行くぞ!!」


バンッ!



またかよっ!!!


今度は、魔法で一掃できた。


ランプ 「この地下8階も、いよいよこのエリアだけですね」
サーロイン 「で、中の様子はどうだ?」
三洲次 「左手側に、扉が2つ見えます」


サーロイン 「本当だ。
 とりあえず、左側の扉から入ろう」

バンッ!


ブリスケット 「行き止まりっすね」
サーロイン 「では、今度は………」


サーロイン 「…右側の扉だ」

と、扉に入ろうとした途端!!


??? 「おいっ!!」
??? 「止まれっ!!」
三洲次 「また扉のところで……」
サーロイン 「最後の最後まで、これか……」


サムライA 「もし王家の宝物を持っているな……」


サムライA ぎゃあああぁぁっっ!!
三洲次 「おまえらなんにかまってる暇は、もう無いんだ!!」

サッサと撃退し、扉の中に入ると......、


ランプ 「こっちは、さらに奥へ行けます」
サーロイン 「よし、入ろう!」

バンッ!



サーロイン 「と……ここで、行き止まりか」
三洲次 「ロイン!」
サーロイン 「ん?」
三洲次 「やりました…!」
サーロイン 「え? 何を?」
三洲次 「この部屋で……(2)も埋まったので……、とうとう………」
サーロイン 「……………………」
三洲次 今後こそ本当にマップが完成しましたっ!!!




三洲次 地下8階も踏破です!!!
サーロイン 「本当か?!」
ブリスケット 「ってぇことは……!!」
ランプ 「これで地下迷宮の全マップが……!!」
ロース 完成したのね!!!


これで、地下1~9階は踏破だあああぁぁっっ!!!


小学生の頃のプレイでは、地下4階をクリアしたら、すぐに地下9~10階に行っていたけど、
今回全フロアを踏破できて、なんか心残りが消えたと言うか.....いやぁ、感慨深いです!!


あ、いや、完全踏破にはまだ地下10階が残ってるけどさ。

でも、地下10階は一本道で有名だし、
そもそも地下10階踏破=ラスボス倒す......だから、ま、


三洲次 「ただですね……結局、例の(1)の1マスだけ、入れないままなんですよ。
 なぜ1マスだけ……?」
ランプ 「どこかに、入るためのワープがあるのでは?」
ブリスケット 「今日も妙な位置にワープがありやしぜ。
 意外と、さもありなんっす」
ロース 「でも、どこかしら?
 この階って部屋も通路も狭いし、散々歩き回ったから、
 実質全部の床を歩いてるわよ?」
サーロイン 「と、なると、あと歩いていないのは………」


サーロイン 「……この部屋の中だけだ」
三洲次 「まさか……この部屋の隅にワープが……?」
ランプ 「奥まで歩いてみます?」
サーロイン 「そうだな。
 例え違っていても、これが最後の部屋だから、
 端まで歩くのは、最後を締めるのに相応しいだろう。
 なにより、隅々まで歩くのが、ローラー作戦だ!」

ま、結論から書くと、これ以上ワープポイントは無かったんですけどね。

でも、最後を締めくくるため、最後のマスまでちゃんと踏破しましょう!!


.....と、端まで歩いたら、なんと! ! !



一番最後のマスで、地下8階の最後を締めくくる敵が登場っ!!!


しかも、全マップ踏破を祝福して、
レベルダウンした三洲次ブリスケット救済してくれる敵が登場!!!


そう!!!


大量経験値の友っ!!!


ウィルオーウィスプだあああぁぁっっ!!!














........................はぁ......そうですか......。

 




最後に、地下1~9階 踏破時点のステータスを掲載しておきます。


名前 LV H.P. コメント
サーロイン 10 111 14 13 13 14 12 9 0 0 地下6~8階って敵の出現率が低い。
三洲次 9 145 14 12 10 14 12 15 2 3 おかげで、全然経験値を挽回できず。
11 151 14 17 14 14 14 15 0 0 あと、友好的な魔物も多いし……。
ロース 11 152 14 18 17 14 18 10 0 2 おかげで、ほとんどレベルアップせず。
ランプ 17 81 18 18 17 16 18 12 0 9 ちょっと見通しが狂ったなぁ…。
ブリスケット 10 129 10 15 15 11 12 9 2 4 次をどうするか、ちょっと考えないと。

 

 


ランプ 「で……………王の墓は、どこに?」
サーロイン へ?
ロース 「そうよね。
 結局この階って、何だったのよ?」
サーロイン 「えぇと…………。
 じゃあ………きっと、あの入れなかった1マスが王の玄室だな!」
! 
サーロイン 「……………だって、もうあそこしか無いじゃん………」
ブリスケット 「地下何層にも及ぶ巨大な墓の割に、一番肝心な玄室がショボ過ぎじゃねぇっすか?」
サーロイン 「逆転の発想だよ!!
 あんな狭いから、逆にブリ助みたいに怪しまないんだよっ!!」
三洲次 「実は地下9階こそが、古代の王の玄室だったんじゃないですか?
 ほら、地下9階って、中央に巨大な空間がありますよね?
 あそこが王の玄室なら、納得できますよ」
ロース 「でも地下9階って、通路以外は、地下1階に戻される罠が敷き詰められてるんでしょ?」
三洲次 「それこそが、王の玄室に入らせない、最後の罠なんですよ、きっと。
 古代の王の棺や亡骸を見たという情報が無いのも、地下1階に戻る罠を破った冒険者が、
 いまだ誰一人いないからでしょう」
ブリスケット 「するてぇと、この階は何だったんすか?」
三洲次 「この階は、古代の王の玄室へ入るための、最後の関門だったんだと思います。
 そして、地下1階に戻る罠を破るヒントが、あの1マスの中にあるんでしょうね。
 あそこだけが唯一、全方位が壁で、しかも念には念を入れてダークゾーンでも囲ってありましたからね。
 きっと何かあるのでは?」
ランプ 「では、マロールであの1マスに入ってみます?」
三洲次 「いえ、石の中の可能性を否定できないから、止めておいた方がいいかも。
 まぁ、後に来る冒険者のために、少しは楽しみを残しておきましょう!」
ブリスケット 「うめぇこと言って、逃げやしたね……」
サーロイン 「…………迷宮の分析は俺のオハコだったのに………、
 最後の最後に三洲次にとられた………」
ロース 「ロイン、少し休んだほうがいいわ。
 今日はいろいろあって、あなた疲れてるのよ」
サーロイン 「…………………………」

 




地上へ帰還します!



「83.司教ランプ、前衛に挑戦!」へ


【更新履歴】
2021年 6月19日:文章を一部推敲しました。読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年 7月19日:文章を一部加筆しました。次ページへのリンクを設定。
2020年 7月13日:更新履歴の日付が間違っていたので、訂正しました。
2020年 7月12日:新規公開。