13.賭け

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



どうやら地下3階には、理由は分からないが、少し深い階層の敵が出てくるポイントがあるようだ。

前回、2回戦ったが、問題無く戦えたので、もう少しだけ様子を見てみる。
良いアイテムも手に入るようだし。


ロイン 「うーん………やっぱり、なんか強そうな敵が出てくるな」
三洲次 「狼だけど、触れ合わないのか?ブリ助?」
ブリスケット 「いかにも噛み付かれそうなんで、いいっす」
ランプ 「とりあえず、戦ってみましょう」


特に何か特殊能力を持った敵でもないようで、楽勝で倒す。


三洲次 「罠は……毒針ですね。
 前回までに比べたら、ま、簡単な罠ですね」
ランプ 「まぁ、毒針だとしても、狼がどうやって仕掛けたのか、気になりますが……」
ロイン 「そこは考えてはいけないところだ」
ロース 「バブリースライムが、どうやって『石弓の矢』を……」
ロイン 「考えるな」




なんと!!

当プレイ初のアイテム3個入り!!!

三洲次 「3個も入ってましたよ!!」
ロース 「大収穫ね!!」
ロイン 「あの狼……、なんだったんだ……」
ランプ 「では、早速鑑定を……」


おぉ!!
銅の籠手」が入っていたっ!!!

これは、すげぇ!!!


「銅の籠手」は、さっそく我がパーティーのエースである桃に装備させた。

すると、とうとうAC(≒防御力)がマイナスに突入!!

ACが機能していないとは言え、テンションが上がるな、これは!!

あと、「固い皮鎧」は司教でも装備できるようなので、ランプに装備させた。




もう1度入ると、今度は「スピリット」が出てきた。

ただ、今回はこちらの先制攻撃だったこともあり、特にネタも無く楽勝で倒す。



今回は1個しかアイテムが入っていなかったが、「良い短剣」が出てきたので、三洲次に装備させた。

イイね!


さて、この戦闘ポイントだが、毎回必ず戦闘となるようだ。
そして、深い階の敵が出てくるとは言え、どうやら敵はこれまでの4種類の模様。
こいつらなら、今のパーティーでも充分戦える

それでいながら、地下3階に不相応な良いアイテムが続々と出てくるとは....、
これは良いポイントを見つけたものだ。


ただ、まだマッピングの途中だったので、ここで一旦マッピング作業に戻る。

そうしていたら、途中で三洲次(盗賊)がレベルアップ!!


一番上がってほしい生命力が、アップしねえぇぇっっ!!!

知恵信仰心なんて付けても意味ないだろっ!!
お前盗賊なんだからっ!!

しかも、やっぱりH.P.がしか上がらねえぇぇっ!!

うおおぉぉ...、こいつダメだぁ...


まぁ、こういうところがノーリセットの醍醐味なのだろうけど...、
思い通りにいかないと、ちょっとストレスが溜まる

このままだと、深い階層に降りていけない気がする。
ブレスとかで、あっさり死にそう......。


うーん......、どうしたものか......。


まぁ、ともかくここら辺で、地下3階のマッピングも一応完了した。



──── ギルガメッシュの酒場 早朝

ロイン 「さて、地下3階のマッピングが完了したが、どうするかな?」
ランプ 「どうする……って、次は地下4階へ降りるんですよね?」
ロイン 「いや、ランプと三洲次のH.P.を考えると、ちょっと不安が……」
ランプ 「は?」
ロイン 「地下4階はガスドラゴンとか出てくる、と聞く。
 仮に1匹のブレスが10ダメージだとしても、4匹も出てこれば40ダメージ。
 ランプも三洲次も、1回の奇襲でアウトだ。
 ちょっと危険だろ……?」
ロース 「ランプも三洲次も、戦闘では大して役に立ってないし....、
 もう外して、残り4人で行ってもイイんじゃないかしら?」
ランプ 「そこまで言いいます?!」
三洲次 「それはちょっとヒドくないですか?」
「あぁ? そもそも、てめぇらがそんなひ弱だから、言われてるんだろ?」
三洲次 「なんだとっ!!」
ロイン 「いや、……ちょっと、みんな………」
ロース 「だいたい、あなた達が私たちよりも戦闘で活躍するなんて、あり得ないじゃない。賭けたっていいぐらいだわ」
三洲次 「言うにことかいて…!!」
ロイン 「……いや………だから………」
ランプ 「賭けたっていい、……と言いましたね?」
ロース 「えぇ」
ランプ 「受けて立とうじゃないですかっ!!」
三洲次 は?!
ランプ 「今日の探検で、もし私と三洲次が居なかったら負ける戦闘があったら、どうします?!」
三洲次 「………ある訳ないじゃん………」
ロース 「そうねぇ……、その時は、帰ったら夕食は全部奢ってあげるわ!
 ど~~~んな高級料理でもねっ!!」
ロイン 「………あの………」
ロース 「でも、賭けなんだから…、逆にあなた達2人とも必要にならなかったら、代わりにあなたたちが奢るのよ!!」
ランプ 「よし!いいでしょう!!」
三洲次 「え?……え?!……俺、戦闘じゃ見てるしかできないよ??」
ロース 「なんだったら、私の方は3日3晩でもいいわ!」
ランプ 「よし! その言葉!忘れるなよ!!」
三洲次 「……え………俺……、無理っす………」
ロイン 「……………え~と…………」
ロース 「うふふ、今日の夕食が楽しみだわ」
ランプ 「……絶対に奢らせるっ!!!」
三洲次 「お前………、金が絡むと人が変わるよね?」
ロイン 「……………………」

さて、パーティーの空気も悪くなったところで、今日も楽しく冒険に出発だ!


とりあえず今後の方針は、もう少し経験値稼ぎをしながら考えてみることにした。


と、言う訳で、地下3階で経験値稼ぎをする。

稼ぎ場所は、例のちょっと強い敵とちょっと良いアイテムが出る、例のポイント。

上でも書いたが、今のローラーレンジャーズなら問題無く戦える範囲である。


アイテムは、そこまですごいモノは出ないが、メンバーが装備できる新しいアイテムもちょくちょく出る。
例えば、上の「小型の盾」は、司教のランプに装備させたり。


あと、運が良ければ、固定戦闘ポイントと階段の往復中に、クリーピングコイン?先生も出るしね。


......あぁ、でも、できれば、新しいフロアを楽しみたいなぁ.....。


そんなこんなで、上がり階段と固定戦闘ポイントを往復していたら....


....とうとう出たよ!!!
ガスドラゴン!!!

ってか、地下3階でも遭遇するんじゃんっ!!!

結局、あまり変わらなくね?!!

まぁ、いい!!
ここで会ったが100年目!!(注:初対面っす)

腕試しに、戦ってやるぜ!!

さぁ!!
数多のWizプレイヤーを、強力なブレスで恐怖に陥れてきた、貴様らのその実力!!

見せてみるがいいっ!!!





……………………。



楽勝でした!!


......などありつつ、ひたすら固定戦闘ポイントと階段を往復する。



ロイン 「なに?!」


ロッティングコープス 「ウシャアアァァッ!!」
「ぎっ!!」
ロイン 「え?!!」

なんと!!
あの桃が、いきなりやられてしまったっ!!

それに、たった2ダメージとは言え、かすり傷でも麻痺になってしまうあたり、やばいぞ!!

しかもっ!!


グレイブミスト (シュアアァァッッ…!)
ロース 「きゃあぁっ!!」
ロイン 「なにっ?!!」

げげっ!!
唯一麻痺を治せる僧侶のロースが麻痺にっ!!!

これはやばいっ!!!!

なし崩しにダメージを受けまくる前衛....。


ただ、なんとか奇襲は、そこまでの被害で済んだ。


ブリスケット 「やばいでやすよ、ロイン殿…!」
ロイン 「治療ができるロースがやられたのはイタイな……」
三洲次 「どうします?一旦退きます?」
ロイン 逃亡失敗のリスクを考えると、戦った方がまだ安全だろう」
ランプ 「た…、戦いますか?」
ブリスケット 「どういう作戦で?」
ロイン 「どう考えても、5匹もいるロッティングコープスって奴らが、ヤバい。
 まずは、あいつらを倒すことに、全力を出そう」
ランプ 「グレイブミストも、こちらを麻痺させてきますよ?」
ロイン 「ブリ助、カティノ(催眠魔法)で時間を稼げ」
ブリスケット 「仰せのままに」
三洲次 「……その返事、合ってる?」

戦闘継続を決意!

........頼むぞ!


最初に動いたのは........?



マジっっっ??!!

頼りのマダルト(グループ攻撃の凍結魔法)が出る前に、なんてことおおぉぉっっ!!!

H.P.だけを理由に、魔法使いを4番目にして、大失敗したああぁぁっっ!!!

さらにはブリスケットまでも集中攻撃を喰らい、麻痺状態にっ!!!!


やばいっ!!!

この状況は超絶にやばいっっ!!!!


ランプが唯一の反撃となるマハリト(グループ攻撃の火炎魔法)でロッティングコープスを3匹倒したが......被害は、絶対にこちらの方が大きい!!

こちらが動かせるキャラは、ランプ(司教)と三洲次(盗賊)の2人のみ!!


ランプ 「やばい……。これは、かなりやばい……」
三洲次 「ど、どうします?」
ランプ 「どうするって……、戦うか、逃げるかしか……」
三洲次 「そ、そもそも……戦えますかね?」
ランプ 「もし戦うとして……私は、マハリトがまだ1回使える。 三洲次は?」
三洲次 「毒消しの薬が3個あります」
ランプ 「……………どうやって戦うの?」
三洲次 「さぁ……」
ランプ 「……………」
三洲次 「……………」
2人 「「逃げるしかないじゃんっっ!!!」」



三洲次 「で、でも……逃げるのに失敗したら……」
ランプ 「生き残れる有力な選択肢が『逃げる』しか無い以上……、
 一か八かやるしかないっ!!
三洲次 「……ごくっ………!」
ランプ 「では……、行くぞ!!」
三洲次 「はいっ!」
ランプ 「逃げろおおおおぉぉぉっっ!!」
三洲次 「だああああぁぁぁっっ!!」


うおおおおぉぉぉぉっっ!!!


逃亡ぉぉっ!!!(ポチッ!)

 







逃亡成功ぉぉぉっっ!!!


やった!!

やったよっっ!!!

ランプ 「はぁ…はぁ…」
三洲次 「と、扉を閉めました!!」
ランプ 「よし!一気に城まで戻ろうっ!!」
三洲次 「はいっ!!」

エレベーターで一気に地下1階まで上がり、......ディロマトの魔法使いは....テンパッてる状態では歩数を数える余裕も無く、横を駆け抜け......ダークゾーンを一直線に突き進み、地上への階段まで走り抜ける!!!

1~2回(もう正確な回数は忘れた…)敵と遭遇したが、ひたすら「逃げる」だけして、全て逃げ切り........



......無事に帰還っっ!!

うっし!
よく戻って来た!!!


カント寺院でロースだけ治療し、後はロースの呪文で全員の麻痺を治療!!

無事、生還!!

よくやった!!

三洲次とランプ、....よく戻った!!!


…………………………


……………



──── ギルガメッシュの酒場 夕刻

ロイン 「ランプと三洲次が居なかったら、他のメンバーだけでは全滅していたからな。
 ま、約束は、約束だろう」
ロース 「…………………………」
   
三洲次 「おやじっ!!骨付き肉特盛とディメント定食特盛、追加でっっ!!」
ランプ 「せっかくなんだから、もっと高いの頼みませんか?」
三洲次 「任せるよ……ガツガツっ…!!」
ランプ 「お?高級そうなお酒がありますよ……。
 なになに?『ウォーロックのラム酒』?」
三洲次 「どれどれ? ゴクゴク……。
 ぅほぉ……! けっこう強い酒だな」
ランプ 「ん? なんかドワーフが、焼きモロコシはどうか?…だって」
三洲次 「おぉ!食ってやるぜ!!」
「(サッ!)…ガツガツガツガツっ!!!!」
三洲次 「あ!!お前は自腹だろ!」
「ふぉんだほぉ、ひぃふぃぶぉもぉ」
三洲次 「口いっぱい頬張りながら喋るなっ!!!」
ランプ 「おい、ロース? お前の金なんだから、お前も食べなよ」
   
ロース 「あの2人……人の金だと、本っっ当に、よく食うわねっ……」
ロイン 「あと……2晩あるな」
ロース 「あぁぁ~…~……、軽率だったぁ………」

 

さて、今回の失敗要因の1つは、......奇襲は、もう運が悪かったとして......、やはりロイン(魔法使い)を前に出していたこと...だったと思う。

現時点で強力なグループ攻撃が唯一使えるロインは、今の階層では不可欠な攻撃力である。
ゆえに、最後尾に配置し、できる限り最後まで攻撃可能な状態を維持すべきであった。
それに、やはりリーダーは、一番奥で構えているべきだしなっ!!(2度目)

と、言う訳で、隊列の並びは、元に戻すことにした。



その後、再び地下3階で経験値稼ぎを続ける。


途中、「ますらおのよろい」がもう1個出てきたので、ブリスケットにも装備させた。


そして、ここで ロイン(魔法使い)とロース(僧侶)の2人がレベルアップ!


ロインは、ここに来ても、まだH.P.がもアップ!!
とても魔法使いとは思えねぇ!!

リーダー、あんたすごいよ!!


しかも、6レベルの魔法使いの呪文を、一気に全て習得!!

まぁ、6レベルの魔法使い呪文って、あまり使い勝手の良い呪文は無いけど。


そして、ロースは......、


なんと、H.P.が15もアップ!!

.......魔法使いのロインに抜かれて、意地で抜き返してきたか......?

だが、そんなことより......


待望のマディ(*)、一発習得!!!

(*) H.P.と全ての状態異常が全快する回復魔法。超便利。

しかも、よく見ると「リトカン」(グループ攻撃の火炎魔法)と「ロルト」(グループ攻撃の真空魔法)も同時習得!!!
これで、ロースグループ攻撃が可能になった、ということだ。


この2人優秀過ぎるっ!!!


......こうなると、もう地下4階どころか、地下9階にも行けるんじゃねぇの......?


だが、……行くのは躊躇してしまう。


なぜか?


なぜなら、三洲次とランプのH.P.がいまだに30台のせいだ。

彼らを地下深くに連れて行ったら、敵の強力な魔法とかブレスで、あっさり死にそうである。

ヘタに死亡を繰り返し、運悪くロストでもした日には........。


.......どうする?


思い付く選択肢は2つ。

(1) 地下3階で経験値稼ぎを続け、成長するのを待つ。
(2) 待ったってなんの意味もねぇじゃねぇかよ!!
バカバカしい!!オレは いまあそぶぞ!!!


........うーむ............。




──── ギルガメッシュの酒場 早朝

「ぅぃ~す………」
ロース 「おはよう、また遅刻ね」
「ぅ~…、眠ぅ~……」
ブリスケット 「もう一人の遅刻常習犯の三洲次っちはともかく…、ランプはんも遅刻ってぇのは、珍しいっすね」
ロイン 「ランプも三洲次も……、待ってても来ないぞ」
ロース 「え?」
ロイン 「別のパーティーに参加することになった」
ブリスケット 「え?!
 聞いてねぇっすよ!」
ロース 「なんでよ?!」
ロイン 「このパーティーに居なくても、良いからじゃないか?」
ロース 「あ、あれは……その……も、ものの弾みよ………」
ブリスケット 「しかし、どこのパーティーに鞍替えしたんで?」
ロイン 「少し前に、救助専門という珍しいパーティーができたの、知ってるだろ?
 レベル1の新参者だけで結成したから、支援メンバーを募集していたんだ。そこに参加した」
ブリスケット 「また、もの珍しいパーティーに………」
ロイン 「一言ぐらい………挨拶があっても……」
「………支援?」
ロイン 「桃!!
 寝ぼけてても、突くとこを突くとは、さすがだな!」
ロース 「どういうこと?」
ロイン 「初期立ち上げの支援だから、支援が終わったら、2人はまた戻ってくる」
ブリスケット 「なんでぇ、ビックリさせねぇでくれよ」
ロイン 「戻る頃には、一緒にレベル上げをしているから、今よりH.P.とか向上しているだろう。
 それに救助隊を支援すれば、いざという時は優先的に助けてもらえるだろうし。
 ま、一石二鳥って訳だ」
ロース 「へぇ、考えたわね」
ブリスケット 「それで…、その救助隊ってぇのは、なんて名前のパーティーで?」
   
   
ロイン 「ギアラの『ギャランティード・レスキュー(約束された救助)チーム !」

 

「14.レスキュー隊 発足!」へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 11 62 15 18 10 18 15 14 0 リーダーとして、素晴らしい成長ぶりだ!
三洲次 11 36 16 14 8 12 18 15 0 少し鍛えるぞ。
10 81 18 18 16 18 18 15 0 最近、魔法使いと化してた。もったいない。
ロース 11 65 15 16 18 16 18 12 2 マディ一発習得は、マジ見事だ!優秀だぜ!
ランプ 10 35 13 18 16 11 17 8 1 せめて3レベルの僧侶呪文は習得させたい。
ブリスケット 10 88 17 18 14 18 17 11 1 防具よりも武器が欲しかったなぁ。


地下3階の探索を終えたので、ここでマッピングの成果をアップしておきます。
地下2階の時以上に汚い地図ですけど、許して下さい。
あと、途中から敵出現マーク(G)の記入を面倒臭くなって止めてるけど、許して下さい。

なお、ちょっと強い敵が出てくる地点は、N=17、E=13のマークのところになります。
汚くてマークに見えないけど....。

 


【更新履歴】
2021年 8月28日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2021年 6月19日:発言者名を右寄せにしました。
2019年 3月31日:台詞を一部見直し。
2019年 3月 4日:台詞と文章を一部見直し。次ページへのリンクを設定。
2019年 2月25日:新規公開。