97.しゅん...

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
元接近戦最強の少女。現在は盗賊。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



今回も、アイテム全収集を目標に、地下10階を周回します。

なお、未入手のアイテムは......

・守りの盾
・手裏剣
・回復の指輪
・破邪の指輪

....この4種類です。







では、地下10階を回りましょう!


──── 第一玄室(1周目)


バンッ!        ← 扉を蹴破った音


??? 「レイレイレイレイ レイバーロォード!」
??? 「レイレイレイレイ レイバーロォードォー!」
??? 「「ドドッド!!」」
サーロイン 「は?」


レイバーロード 「風が叫んだ! 嵐を呼んだ!」
後続の魔物達 「「五人の戦士!」」
敵全員 「「レイバーマン!」」
三洲次 「センス無ぇ名前………」
   
レイバーロード 「今日の恐怖を!」
ハイプリースト 「明日の絶望を!」
ジャイアント達 「「君ラニ教エル ソノタメニ!」」
ブリスケット 「お断りしやす」
   
レイバーロード 「燃えろ火の玉っ!!
 燃えろ火の玉っ!!」



レイバーロード (ふお?!)
   
サーロイン 「ロース!」
ロース 「必殺!」
サーロイン 「必殺!!」
ロース 「スーパー!」
サーロイン 「スーパー!!」
ロース ティルートウェイートォーーッッ!!
三洲次 (………スーパー?)

ティルトウェイト=核(融合)爆発による全体攻撃呪文


レイバーロード 爆発ぅっ!!


ハイプリースト 爆発ぅっ!!


ジャイアントA カガアアアァァクッ!!
ジャイアントB センタアアアァァイイィィッ!!
ジャイアントC ダイナマアアアァァッッ!!!


三洲次 「なんだったんだ………」
ランプ 「レイバーロードとの戦闘も、最近はあっさりしてきましたね」

マッチする曲を探すだけでも時間がかかって大変なんだよ.....




ランプ 「『腐った鎧』と『破滅の短剣』でした」
ロース 「レイバーロードって、ロクなの持ってた試しがないわよね」
ブリスケット 「まぁ、あやつ自身、AC10とロクな装備してねぇっすし……」
サーロイン 「しょうがない……次へ行こう」


....と、歩き出した途端!!



ドラゴンゾンビ 「シュゥ……ゥ……ゥ……」
   
ブリスケット 「ドラゴンゾンビでっせ」
ランプ 「こっちに気付いてないですよ」
三洲次 「どうします?」
サーロイン 「通路で出会った敵は普段スルーしているけど、
 まぁ一匹だし、先制できたし、経験値を稼がせてもらおうか?」
ロース 「経験値稼ぎも兼ねてるんだから、チャンスがあれば戦ってもイイと思うわ」
サーロイン 「そうだな。
 よし! 三洲次、頼むぞ!」
三洲次 「じゃ! (スラッ!)」


三洲次 え?!
ランプ 「あ………」
ロース 「ちょっと!!
 ディスペルしたら経験値が入らないでしょっ!」
ランプ 「いや……まさか……これのほどの魔物をディスペルできるとは思わず……。
 あら~~……自分でも自分の能力の優秀さに驚きです」
サーロイン 「おい」


ロース 「なんだったのよ……」
ランプ 「あ、いや! ほら!」


ランプ 「お金が手に入ったから、いいじゃないですか!
 しかもゾロ目ですよ!?
 きっと縁起が良くなる兆候ですよ!!」
ブリスケット 「金だけ手に入って、今さら喜ぶのはランプはんだけでは…?」
三洲次 「最近、お金の使い道が無いから、どうでもいい感じ……」
ランプ 「………ぇ~~………」


──── 第二玄室(1周目)


ドラゴンゾンビ 「「ギィシャアアアァァァッ!」」
ブリーブ 「「グワッ!!グワッ!!」」
マスター忍者 「「ひょぉぉぉおお!!」」

三洲次 「こりゃまた、大勢で……」
サーロイン 「さっきのお仲間かな」
ランプ 「ほら!ほら!!
 これでさっきの分、充分元がとれますよ!!」
ロース 「別にあなたが呼んだ訳じゃないでしょ」
ブリスケット 「ディスペルしねぇで下せぇよ」
ランプ 「………はい…………」
サーロイン 「しかし、ドラゴンゾンビが4匹か……」
三洲次 「ブリーブは雑魚だからいいとして……」
ブリスケット 「マスターニンジャも油断ならねぇっすぜ」
ロース 「こんな奴ら、ティルトウェイト一発で一網打尽よ!!」
サーロイン 「では、任せた」




ロース 「ほら! あっさりと……」


ロース 「………1匹残ったわ………」
三洲次 「一番弱いブリーブが残るんかい!」
ブリーブF 「グワッ…グワッ…グワッ…(笑」
サーロイン 「しょうがないな」


サーロイン 「ま、余裕だろ」
「じゃ、宝箱を開けるぜ」


三洲次 「金だけかよ……」
ランプ 「お金が手に入ったから、いいじゃないですか!」
ブリスケット 「金だけ手に入って、今さら喜ぶのはランプはんだけでは…?」
三洲次 「最近、お金の使い道が無いから、どうでもいい感じ……」
ロース 「誰よ? 縁起が良くなるなんて、ほざいていた人?」
ランプ 「………しゅん…………」




2周目です。


──── 地下10階 第一玄室(2周目)


バンッ!


??? 「ふははははははははっっ!!」
サーロイン 「あれ?
 声だけで、姿が見えないぞ?」
三洲次 あ……このパターンは……」
ブリスケット 「ハイマスターっすね……」
サーロイン 「なるほど……ロース?」
ロース 「はい?」
サーロイン 「天井だ」
ロース 「オッケー!!」


ハイマスター はええええぇぇぇ~~っ??!

楽勝っ!!

では、宝箱を......


ロース 「あら!指輪が出てきたわっ!!」
サーロイン 「なに?! もしかして、とうとう…?!」
ランプ 「ほら! 幸運がやって来ましたよ!!
 見せて!見せて!!」


ランプ 「『宝石の指輪』…………」
ブリスケット 「またっすか……」
ロース 「どこが幸運がやって来たよ?」
ランプ 「………しゅん…………」
サーロイン 「ま、こればかりはしょうがない。
 次に期待して、先に進もう」
「あ……の…………」


「あだいのまび………なおじでぐれべぇがな……」
三洲次 「お前、最近失敗が多すぎないか?」
ロース 「あなたがそれ言う?」


──── 第二玄室(2周目)



ドラゴンゾンビ奇襲を受けたが、1匹だったので......


....特に問題無し

三洲次 「やり返しました」
サーロイン 「ご苦労」
「じゃ、宝箱を開けるぜ」


三洲次 「金だけかよ……」
ランプ 「お金が手に入ったから、いいじゃないですか!」
ブリスケット 「金だけ手に入って、今さら喜ぶのはランプはんだけでは…?」
三洲次 「最近、お金の使い道が無いから、どうでもいい感じ……」
ロース 「誰よ? 縁起が良くなるなんて、ほざいていた人?」
ランプ 「………しゅん…………」
サーロイン 「またか…………。
 ま、しょうがない、次へ行こう」
「あの…………」


「あたいの毒………治してくれねぇかな……」
三洲次 「またか…………」




今回3周目


──── 地下10階 第一玄室(3周目)


バンッ!


??? 「ふはははははははは!!!」
サーロイン 「ロース、天井」
ロース 「オッケー」


ハイマスター はええええぇぇぇ~~っ??!

なんかさっきと同じ展開手抜きな気もするけど、今回もティルトウェイト一発勝利



ブリスケット 「おぉ! 指輪が出てきたっすぜ!」
サーロイン 「なに?! 今度こそかっ?!」
ランプ 「どれどれ?!
 見せて!!見せて!!!」


ランプ 「『宝石の指輪』…………」
ブリスケット 「またっすか……」
ロース 「誰よ? さっき縁起が良くなるなんて、ほざいていた人?」
ランプ 「………しゅん…………」
サーロイン 「ま、こればかりはしょうがない。
 次に期待して、先に進もう」
「…………………………」
三洲次 「…………………………」
「……ん? ……あんだよ?」
三洲次 「今回は解除に成功しちゃったの?」
「しちゃいけねぇのかよ?」
三洲次 「いや、流れというものがあって……」
サーロイン 「そんな流れ、いらないって」


──── 第二玄室(3周目)


バンッ!



敵全員 「「毎日、毎日、僕らは玄室のぉ~、中で…」」


レイバーロード 焼かれてえええぇぇっっ!!!


ハイプリースト イヤになっちゃうううぅぅっ!!!


ジャイアント達 「「ヨオオオオォォォッッ!!!」」


三洲次 「もう、なんなんだよ……レイバーロードって……」
ランプ 「すごいアッサリと終わりましたね……」

1話に2回のペースで出て来られると、凝ってる時間無いんだよ!

サーロイン 「とりあえず、宝箱を開けよう。
 そろそろ良いアイテムが出てほしいのだが……」



ランプ 「『苦しみ』の巻物です」
サーロイン 「苦しいところだな」
三洲次 「ひねりも何も無いコメントですね」




今回は、もう1周だけ頑張りますかね。

ロース 「でも、なんかアイテム運に見放されてるから、期待できないわ」
サーロイン 「じゃぁ、せめて4周目は、経験値だけでもガバガバと稼ごう」
ブリスケット 「するてぇっと、狙い目はジャイアントっすかね?」

......なんて会話があったのか、
4周目はジャイアントで経験値稼ぎまくりであった!!!




フロストジャイアントで、ウッハウハっ!!!




ポイゾンジャイアントで、ハウッ!ハウぅっ!!




はううううぅぅぅっっっ! ! !





ブリスケット 「ぜぇ…ぜぇ……ヒデぇ目に遭いやした……」
ランプ 「治療しましょう」
ロース 「ロイン、あなたはそこら辺歩いてきてね」
サーロイン もう城に戻るんだから、呪文でいいだろっ!!!

......まぁ、そんなこんなで、この4周目のジャイアント3連戦で、一気に経験値が溜まり......、


…………


……………………


………………………………



──── 地上 冒険者の宿


....一挙に4名がレベルアップ!!!


■ブリスケット(僧侶)


とうとうマスターレベル!!!

しかも......


....最終レベルの呪文2つを、きっちりと一発で習得!!

サーロイン 「おぉ! 見事だぞ、ブリ助!!」
ブリスケット 「少しは見直しやしたか?」
ロース 「素晴らしいわ!
 これで全体攻撃魔法を、同時に3人が唱えられるようになったのね!」
サーロイン 「戦術の幅が、ますます広まったな」


■ロース(魔法使い)


サーロイン 「お前って、全然運が強くならないよな」
ロース 「何か文句でも?」
ブリスケット (こりゃディアルコの練習に励ねば……)


■桃(盗賊)


三洲次 なんで素早さが全然上がらないんだよっ?!!
「うっせぇなぁ……あたいは細ぇことは大っっ嫌いなんだよ」


■ランプ(司教)

さぁ!
待ちに待った司教のレベルアップ!!!

司教はマジで.....マジでレベルアップが遅いので、たまに来るレベルアップで
本~~~~当にしっかり成長してほしい!!


さぁ、今回こそは呪文を覚えるか?!

それとも、ここらで生命力がアップして、H.P.がババーンッと増えるか?!


さぁ......、待望の......
レベルアーーーープッ!!!!







これだけ??!

たまにレベルアップして、たったこれだけなの??!


2レベル連続で呪文を覚えないって、司教ってそんなに呪文覚えないの?!


絶望した! ! !
司教の成長の酷さに絶望した!!!

 



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 12 95 18 16 15 16 14 11 1 0 やっぱり上級職は成長がワンテンポ遅いな。
三洲次 12 124 17 14 14 16 16 18 3 3 村正があると、呪文覚えても全然使わないな。
15 155 18 18 17 17 15 17 0 0 素早さが伸びないな……
ロース 14 155 14 18 18 17 18 10 0 2 運の強さが伸びないな……
ランプ 19 88 18 18 18 16 18 14 0 9 生命力が伸びないな……
ブリスケット 13 112 14 18 18 15 16 12 3 4 他がヒドイ時は、お前は好調なんだな。

 


──── ギルガメッシュの酒場 夜......

店の奥では、いかつい戦士、眼光鋭い盗賊、薄暗いローブに身を包んだ魔法使い.....
大勢の冒険者たちが、壁際にいるブリスケットを取り囲んでいた。

そしてブリスケットは、彼らの目の前で手持ちの袋から『簾(すだれ)』を取り出すと......

ブリスケット 「まずは御免こうむりやして、流行り来たるは日本古来の伝統芸、
 唐人阿蘭陀南京無双(とうじん・おらんだ・なんきん・むそう)の『玉すだれ』でごぜぇやす。
 玉の数は56、糸の結び目は110結び。
 あらあら不思議、伸びたり、縮んだり、折れたり、曲がったり」
客たち 「「……………………」」
ブリスケット 「さぁ、さぁ、これがどうなるか、とくとご覧下せぇ」
客たち 「「……………………」」
ブリスケット 「あ、さて、あ、さて、さては流行りの玉すだれ、
 さては不思議な玉すだれ」
客たち 「「……………………」」
ブリスケット 「ちょいと伸ばして、ちょいと返して、さらに返せば、
 ボーパルバニ~のお耳がピョコリ!」
客たち 「「ほぉ~~…………」」
ブリスケット 「あいや、こいつは命が危険だ、元へと返す」
客たち 「「……………………」」
ブリスケット 「あ、さて、あ、さて、さては不思議な玉すだれ、
 ちょいと伸ばして、とんと返し、またまた伸ばして、とんと返せば、『宝箱』ぉ~!」
客たち 「「へぇ~~…………」」
ブリスケット 「罠は何かな? 罠は何かな?
 あいや、こいつはぁテレポ~タ~~、
 こいつはぁ危険だ、元へと返す」
客たち 「「お~……………」」
   
  …………
   
  ……………………
   
ロース 「今日もお客が大勢ね……」
ランプ 「何ですか、あれ?」
三洲次 「『簾(すだれ)』という道具を使って、いろんな形を創る日本の大道芸です」
ランプ 「へぇ~…」
「ガツガツガツガツッ!!」
   
  ……………………
   
  …………
   
ブリスケット 「ちょいと伸ばせば、デーモン か ガーゴイル か、
 不確定な悪魔の後光に見えれば、おなぐさみ、
 後光がお目に止まれば、ドラゴンのブレスに早変わりぃ~!」
   
  シャ~~~~ッッ!
   
客たち 「「おおおぉぉっ!!パチパチパチ!!)」」
   
  …………
   
  ……………………
   
ロース 「受けてるわね」
サーロイン 「異国の芸だから、もの珍しいんだろう」
「ガツガツガツガツッ!!」
サーロイン 「ところで明日の計画だが、明日も宝探しでいいな」
ランプ 「無論です!」
サーロイン 「まだ手に入れてないアイテムは、何だったかな?」
ランプ 「まだ手に入れていないのは……
   

・守りの盾
・手裏剣
・回復の指輪
・破邪の指輪

ランプ  ……この4つです」
ロース 「この中だと、どれが一番欲しい?」
サーロイン 「『守りの盾』が手に入れば、俺はマポーフィックが無くても、ACがLOになるな」
ロース 「え~、そんなのどうでもいいわ。
 それより、H.P.が自然と回復する『回復の指輪』がいいわ」
三洲次 「いやぁ、ドレインが防げる『手裏剣』の方が先に欲しいですって」
ランプ 「いえいえ、それよりも一番高値で売り払える『破邪の指輪』がいいですよ!」
ロース 「何かすごい効果があるの?」
ランプ 「無いです。高く売れる、だけ」
ロ&ロ&
ランプ 「………しゅん…………」

 


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【更新履歴】
2021年 8月21日:一部の表現を見直しました。
2021年 6月 5日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年11月14日:次ページへのリンクを設定。
2020年11月 9日:セリフの脱字を修正。
2020年11月 7日:新規公開。