140.異世界から召喚されし魔物たち

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一(忍者)。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約15分(動画無)約25分(動画込)
※画面撮影アプリの影響で動画にノイズ音があります。申し訳ありません。
※ページが崩れる場合、本サイトのキャッシュをクリア願います。



──── ギルガメッシュの酒場 早朝

ローラーレンジャーズの早起き4人組がテーブルにつくと、
いかにも戦士あがりと分かる屈強なガタイで長身の酒場のオヤジが、茶色に汚れて年季を感じさせるエプロンをかけたまま、
4人のテーブルまでやって来た。

酒場のオヤジ 「らっしゃい、ロインさん。
 今朝はどうします?」
サーロイン 「やぁ、おはよう。
 ブリオッシュとコーヒーと……スクランブルエッグにソーセージを添えてもらおうかな」
ランプ 「では、私も同じものを」
ロース 「私もそれでいいけど、飲み物は紅茶がいいわ」
ブリスケット 「あっしは野菜とソーセージのスープも欲しいっす」
酒場のオヤジ 「以上かな?
 そうそう、聞きましたよ。
 ワードナの部屋の前まで行ったそうじゃないですか?」
サーロイン 「あぁ」
酒場のオヤジ 「じゃ、今、魔除け奪還にもっとも近いのは、ロインさんじゃないかい?」
サーロイン 「しばらくはアイテム集めを続けるから、それもどうかな?」
酒場のオヤジ 「ご謙遜を。
 それで、いつもの寝坊助二人は、どうします?」
サーロイン 「来たら呼ぶよ」
酒場のオヤジ 「了解。
 じゃ、まずは四人分を」

酒場のオヤジは往年の戦士の貫禄が垣間見える背筋の伸びた歩き方で、
厨房の方へと入って行った......。

サーロイン 「あのオヤジ、昔はけっこう名うての戦士だったらしいな」
ランプ 「彼はかつて、トレボー親衛隊の一部隊を率いる指揮官だったそうですよ」
ブリスケット 「マジっすか?!」
ロース 「それが、なんでコックなんてやってるのよ?」
ランプ 「過去にオスロ侵攻作戦で情報の行き違いから大勢の部下を死傷させてしまい、
 帰還した途端に当時の斥候部隊長を殴打したそうです。
 それでクビになったのですが、酒場のオーナーがそれを不憫に思い、彼を雇ったらしいです」
サーロイン 「職業は戦士だったのかな…?」
ランプ 「彼の専門は、武術と剣術と罠解除と魔法使い呪文で、
 親衛隊十字章2回、ミスリル・スター章2回、名誉負傷章4回など、多くの勲章をもらっています」
ロース 「毎晩店の中で暴れ出す冒険者を片っ端から抑え込んでるのも、納得できるわね」

突如、酒場の扉が勢いよく蹴り開けられると、
誰の目にも暴漢の集まりと分かる6人組の男達が酒場の中に入り込んできた。

暴徒A 「おー! なかなかいい店じゃねぇか!」
暴徒B 「おい、俺たちはたった今この地に来たばかりで、寝床を探してんだっ!」
暴徒C 「そこで、この酒がたくさんある建物を、
 今から俺たち『レンダーの無法者たち』の住処にする!!」
暴徒D 「おい、貴様ら!
 新しい宿主のレンダー様に、挨拶をするんだっ!!」
レンダー 「はぁーーーーはっはっはっ!!!」

ロース 「なんか変なのが来たわよ」
サーロイン 「街の衛兵は何をやってるんだ?」

その声を聞きつけ、先ほどの酒場のオヤジが厨房から出てくると、
一直線に暴漢達の方に向かい、一切の躊躇いもなく暴漢たちの目の前に立った。
そして、やや人懐っこい笑顔を見せながら......

酒場のオヤジ 「いらっしゃい、えぇと……」
暴徒E 「こちらはレンダー様だ」
酒場のオヤジ 「あぁ、レンダーさん」
レンダー 「様をつけろよ、デコ助野郎!!」
酒場のオヤジ 「まぁ、そうカタいこと言わずに。
 ここでは気楽ってのがモットーでね」
レンダー 「ふん!
 おい、よく聞け!!
 たった今から、俺たちがここのオーナーだ!!
 分かったら、サッサと酒を運んで来い!!」
酒場のオヤジ 「そんな話しは聞いてない。
 ま、とりあえずそっちの空いてるテーブルに座ってくれ」
レンダー 「おい、どうやら話しの通じない野郎がいるようだ。
 口で分からないなら、身体に分からせてやれ!!
暴徒達 「「CHARGE!!」」

暴徒の2人が左右から襲いかかる……が、酒場のオヤジは左側から来た暴徒を素早く両手で掴むと、
一気に右側へ振り投げて右側から来た暴徒へぶつけ、2人まとめて吹っ飛ばした!
すぐにもう1人の暴徒が前から手刀を繰り出すも、酒場のオヤジはこれを後ろに下がりつつ避けると、
両手でそいつの右手首を掴み、一瞬で捻りあげた!!

暴徒C 「ぐわおぉっ!!」

右手を捻られた暴徒は、痛みから逃れようと本能的に身体ごと同じ方向へ捻る!!
そこへ残りの2人が飛びかかって来るが、
酒場のオヤジは4人目を蹴りで吹っ飛ばし、続けざまに来た5人目のパンチを左手で受けると、
先ほどと同じく手首を捻りあげ、両手の2人を同時に床へ捻り倒した!!

暴徒A 「いでぇぇ……ぇぇ……っ!!」
暴徒B 「ぅぉぉ…ぉぉ……っ!!」
暴徒C 「ぐぅぅ……ぅぅ……!!」
レンダー 「………………………………」

アッと言う間にやられた5人の暴徒を尻目に、酒場のオヤジは再びレンダーの前に立った。

酒場のオヤジ 「これでも手加減したんだがね。
 それで、ご注文はなんでしたっけ?」
レンダー 「うう…………」

と、その時、店の入り口から........

三洲次 「ぅ~~……おはよぉ~……」
「ぅ~~……おはよぉ~……」

そんな2人に気付きもせず、レンダーは......

レンダー 覚えてろよっ!!
 いつか礼をしに行くからなっ!!

....そう叫ぶと、店の入り口に向かって走り出した!!

サーロイン 桃!! 敵だっ!!
   
!!

その瞬間、にスイッチが入った!!!
そして、向かってくるレンダーを一瞬にして捉えると、目にも止まらぬスピードで横へ飛びつつ、
すれ違いざまにレンダーに対しジャンプ・サイド・キックを喰らわせたっ!!!

レンダー ぐはああぁっ!!

レンダーは吹っ飛び.......

三洲次 ほごおぉぉっ!!

....三洲次を巻き込んで、店の奥へ飛んでいった........

ランプ 「三洲次が巻き込まれてますよ……」
サーロイン 「寝ぼけてるからだ」
ブリスケット 「しかし、あのオヤジさん、本当にスゲェっすね。
 一瞬にして暴漢どもを伸(の)しましたぜ」
ロース 「あのコックなら、1人で地下に潜って魔除けを取って来れるんじゃないの……?」

直後、別の店員が呼んだ衛兵たちが店に入ってくると、
レンダーの無法者たちをひっ捕らえて、店の外へ引きずり出し始めた。

衛兵A 「ほら、こっちへ来いっ!!」
暴徒D 「ぅう……いてて……!」
衛兵B 「とっと歩けっ!!」
暴徒E 「く……くそっ!」
衛兵C 「ほら!! お前らも来るんだっ!!」
レンダー 「いだだだ……っ!」
三洲次 「いや、俺、違うって!!」
衛兵D 「言い訳は牢で聞いてやる!!
 とりあえず来いっ!!」
三洲次 ちょっと!! 違うってええぇぇ!!

ロース 「三洲次が捕まってるわよ?」
サーロイン 「やれやれ、手が焼けるな…………」


………………………

………………

………




さて、前回でワードナ事務所までのマップが完成したので、
再びアイテム全種類入手を目標に、地下10階第三玄室までを周回します。

残るアイテムは、下記1種類!

・守りの盾



【目次】

1周目:異世界から召喚されし魔物(1)

2周目:異世界から召喚されし魔物(2)




ところで、冒険を始める前に、ここでブリスケット(僧侶)レベルアップ!


モンティノや治療呪文がメインの僧侶が素早くなるのは、大変ありがたい。

なかなか良いレベルアップだぜ!




■1周目:異世界から召喚されし魔物(1)




──── 迷宮の入り口......


サーロイン 「では、ここからは、これまで通りのアイテム探しを再開しよう。
 全員準備はいいか?」
三洲次 「えぇ」
ブリスケット 「オッケーですぜ」
サーロイン 「じゃ、出発だ!」

いつも通りマロール(瞬間移動の呪文)シュートまで飛び......


....地下10階へ降りる。


が!!!


地下10階へ降りた途端、が待ち受けていた!!!


サーロイン 「え?」



ハイウィザード 「待っておったぞ。
 お前らがここから来ていることは、分かっているからな」
サーロイン 「お前は、上級魔術師協会の……」
ハイウィザード 「6代目上級魔術協会 副会長、ハイウィザードだ」
ロース 「もう次が現れたの?!」
ブリスケット 「しつこさだけは、この迷宮随一っすな」
ハイウィザード 「警告をする。
 すぐにここから立ち去り、もう二度と戻ってくるでない」
サーロイン 「俺たちは5回も協会を潰しているんだ。
 お前らの脅しなんて、今さら何とも思わないさ」
ハイウィザード 「このわしが来た以上、6代目協会はこれまでと同じに考えない方がいい……」
ランプ 「そもそも、あなたが誰か知らないんですけど……」
ハイウィザード 「わしはワードナ様の元で修業を積んだウィザードだ。
 世界最高の魔法使いであられるワードナ様は、お前らなど足元にも及ばない数々の呪文を知っておられる。
 そして師事を受けた、このわしも……な」
三洲次 「はぁ……」
ハイウィザード 「想像できないことは、愚かなことと同じだな」
サーロイン 「はいはい、じゃあな」




ハイウィザード 「愚か者どもめ………」
ビショップA 「あっさり通して、大丈夫なのですか?」
ハイウィザード 「既に準備は進んでおる。
 それより、奴らが来たことを本部へ報告に行け」
ビショップA 「はっ!」

………………………………


……………………


…………


──── 第一玄室(1周目)


サーロイン 「では、目当てのアイテムを持つ魔物だけを狙っていこう」

バンッ!        ← 扉を蹴破った音



ウィルオーウィスプやらマーフィーズゴーストなどばかり続くので、
ひたすら玄室の出入りを繰り返すことに。

そんな中........


…………………………………………


………………………………


……………………


…………


……


──── 地下10階 第六玄室
     上級魔術師協会(6代目) 本部

LVL10メイジA 「会長! ハイウィザード様より連絡が入りました!
 ローラーレンジャーズが地下10階に現れたようです!!」 
アーチメイジ 「ついにやって来たな。
 ワードナ様より、ローラーレンジャーズの殺戮を最優先に、と指示されておる。
 6代目上級魔術師協会の総力をもって、奴らを叩き潰そうぞ!」
LVL10メイジB 「はっ!」
アーチメイジ 「しかし………じゃ。
 これまでの実績から、我々だけでは奴らを倒せないのは自明の理」
LVL10メイジC 「ご心配にはいりません!」
LVL10メイジA 「ワードナ様に師事を受けたハイウィザード様より、
 我々もソコルディ(魔物召喚の呪文)を学びました」
LVL10メイジB 「そこで、そのソコルディを使って、異世界より強力なモンスターを召喚しております!」
アーチメイジ 「それは本当か!?」
LVL10メイジC 「はい。
 すでに第一玄室には、我らが召喚した魔物を遣わせました」
アーチメイジ 「素晴らしい!!」
LVL10メイジA 「今度こそ、奴らを滅ぼしてみせましょう!!」
アーチメイジ 「うむ、うむ」
LVL10メイジB さぁ!!!
 偉大なる王スリュムが支配する異世界ニヴルヘイムよりの使者ユトゥたちよ!!!
LVL10メイジC 宿敵ローラーレンジャーズに、死を与えたまえ!!!
アーチメイジ 「これは期待できそうじゃな!!
 して、そのユトゥなる魔物とは、どんなモンスターなのじゃ?」 




──── 第一玄室(1周目)


ロース 余裕ぅっ!!


──── 上級魔術師協会(6代目) 本部

アーチメイジ ただのフロストジャイアントじゃんっっ!!!
LVL10メイジA 「いや、ニヴルヘイムというのは北欧で氷の世界のことでして……」
LVL10メイジB 「そこに住むフロストジャイアントのことを、北欧ではヨトゥと呼んでまして……」
アーチメイジ そんな解説、要らんわっっ!!!!
LVL10メイジC 「いけると思ったんですがねぇ……」
アーチメイジ んな訳あるかああぁぁっっ!!!!

…………


……………………


………………………………


──── 第一玄室内......


ランプ 「結局、アイテムは『呪いの鎖帷子』でした……」
サーロイン 「まぁ、しょうがない」
三洲次 「じゃ、次へ行きましょう」

......と、歩き出した途端....!!!



サーロイン うぉい! また出た!!
ハイウィザード 「忠告をしてやったのに、間抜けどもが……」
サーロイン 「まだ何か用でも?」
ハイウィザード 「既に第二玄室にも刺客を用意しておる」
サーロイン 「はぁ……」
ハイウィザード 「言い残すことがあれば、聞いて……」


ビショップA 「行っちゃいましたね」
ビショップB 「舐めやがって、あいつら」
ハイウィザード 「これからはもっと………しんどくなるぜ………てめーらは………」





──── 第二玄室(1周目)


サーロイン 「では、入ろう」

バンッ!


??? 「どこの誰だか知らないけれど!!」
??? 「誰もがみんな知っている!!」
   
サーロイン 「え?」
   
??? 「「レイバーロードのおじさんは、
  正義の味方だ、いい人だ!!」」
   
   
??? 鳥より早くっ!!


サーロイン 「なにっ?!」


三洲次 うぎゃあっ!!!
   
ジャイアントA 噛む"力"はドラゴンより強くッ!!


サーロイン ぐわああっ!!!
   
ハイプリースト あっ!上を見ろ!!
   
ランプ 「え?」
   
ハイプリースト 鳥だ!!
ジャイアントA ボルタックの気球船だッ!!
ジャイアントB いや、レッサーデーモンだッ!!

シャーーーーー…………スタッ!!


デーモンB 「ソウデス、レッサーデーモン デス!」
   
ブリスケット 「上から現れやがったっす……」
   
ハイプリースト 「ハイプリーストのおじさんは、遠い迷宮の奥からこの玄室内に姿を現し……」
   
ロース 「え?」


「ぐぎぃっ!!」
   
ハイプリースト 「…日夜正義のために戦い続けているのです!」
   
三洲次 「いちち………なんなんだ、こいつら……」
ランプ 「相変わらず、いろいろ狂ってますね………」

奇襲ターン終了......


ハイプリースト 「レイバーロードのおじさんは、いったい誰でありましょう?!」
   
サーロイン 「興味無いよ……」
   
レイバーロード 「カンチョキンチョ カンチョヅヅイタ」
   
ブリスケット 「え?」
ロース 「な……なに?」
   
ハイプリースト 「レイバーロードのおじさんは『ただいま玄室内に到着したばかり』と仰っております」
   
ランプ 「だからなんです……?」
   
レイバーロード 「ロリンチョ ホンテ ペペペッペ」
ハイプリースト 「ペペペッペ……ごもっとです先生、先生ごもっとでございます!」
   
ブリスケット 「相変わらず言ってることが意味不明なんすが……」
ランプ 「さすが狂人………」
ロース 「話しを聞いてると、頭が痛くなるわ……」
サーロイン 「もう倒すぞっ!!!」
三洲次 「どっちが正義の味方か、分からせてやるっ!!」


レイバーロード ペペペッペェェェ~~~ッ!!!
   
ロース 「あなた達、もう全員消えなさいっ!!!」


ハイプリースト アフイルスタクイダァァァッッ!!!


ジャイアント達 「「ホンダクンダァァァッッ!!!」」」


ロース 「あら、1匹だけ耐えたわ」


デーモンA 「プリステ プリステ プリステ
 (やはりプリーステスの方が呪文は強かった、
  今時の女の魔法使いはなっておらん!)」
   
ロース 「……………なんて言ったの?」
ランプ 「さぁ………………」
サーロイン 「………………………………」
ロース 「………………………………」
ランプ 「………………………………」
サーロイン 「……………もう片付けていいかな?」
ロース 「殺っちゃって」


デーモンA ソナラバアンジャァァァァッッ!!!


サーロイン 「やれやれ………相変わらず狂った連中だな」
ブリスケット 「しかし、今のが例の協会の刺客だったんすか?」
ロース 「そうなんじゃないの?
 奇襲して来たから、待ち構えてたってことよ」
ランプ 「この後も、こんなのが続くんですかね?」
三洲次 「あの協会、マジでウザいな………」





…………………………………………


………………………………


……………………


…………


──── 地下10階 某所......

ビショップA 「ハイウィザード様、レイバーロードがやられました」
ハイウィザード 「役に立たないロードめ。
 まぁ、よい。
 次はお前らじゃ」
LVL7メイジA 「お任せください。
 攻撃魔法を何重にもぶつければ……」
ブリーブA 「ゲロゲロ、ゲロゲロ」
LVL7メイジB 「…例え奴らでもタダでは済みません」
ハイウィザード 「…………なんじゃ、今のブリーブ?」
LVL7メイジC 「あ、お気になさらず」
LVL7メイジD 「しかし、奴らのH.P.は相当高いとか?」
LVL7メイジE 「5人がかりでも、ギリギリ倒せるかどうか……」
ハイウィザード 「あぁ、分かっておる。
 そこで、お前らの出番だ」
??? 「任せてくれ」
??? 「魔法で弱ったところに、直接攻撃を叩き込めば良いのだな?」
ブリーブB 「ゲコゲコ、ゲコゲコ」
ハイウィザード 「うむ」
??? 「特に狙う相手はいるか?」
ハイウィザード 「まず、先頭にいるロード。
 こいつはチームのリーダーだ」
??? 「なるほど。
 トップを討ち、あとは烏合の衆にするのだな」
ブリーブC 「グゲグゲ、グゲグゲ」
ハイウィザード 「あと、前列に一人だけ小娘が居る。
 こいつが、まぁ、異様に強いそうだ」
??? 「ほぉ」
ブリーブD 「ゲコッゲコッ、ゲコッゲコッ」
ハイウィザード 「だが、集中攻撃すれば、ダメ押しで殺ることは可能じゃろう」
??? 「なるほど。その2人を狙えばいいのだな?」
ブリーブA 「ガコガコ、ガコガコ」
ハイウィザード 「…………さっきからブリーブが、ちょくちょくうるさいんじゃが……」
??? 「気にしないでくれ」
ハイウィザード 「そう言われても………」
??? 「作戦はそんなところだな?」
??? 「では、奴らを殺しに行くか」
ブリーブB 「ゲゴゲゴ、ゲゴゲゴ」
ハイウィザード 「うむ、任せたぞ」
ブリーブC 「グルグル、グルグル」
??? 「では、懸賞金の準備をしておいてくれ」
ハイウィザード 「6代目上級魔術師協会………これまでの協会とは違うということを、
 とくと見せてやるのじゃ!!!
ブリーブD グゲッ!グゲッ!グゲッ!グゲェッ!
ハイウィザード 「……………このブリーブたち、一体なんなんじゃ?」

………


………………


………………………


──── 第三玄室(1周目)


三洲次 「1周目は、とりあえずこの玄室までですね」
サーロイン 「では、入るか」

バンッ!


ブリーブA 「ゲコゲコッ、ゲコゲコッ!」
ブリーブB 「グワグワッ、グワグワッ!」
   
サーロイン 「う~む……また、大勢現れたな」
ランプ 「ただ、アイテムは全然期待できないですよ」


という訳で、逃げようと思うが......数が多いのが、なんかすげぇ気になる。

なんかイヤな予感はしたが、ともかく「にげる」ポチッ!....とすると.........


....イヤな予感的中っっ!!!

サーロイン ぐわああぁぁっ!!!
   
ニンジャA 逃すかああぁぁぁ!!!!
メイジA 死ねえええぇぇ、ローラーレンジャーズ!!!


三洲次 ぐほおおおぉぉっ!!!
ブリーブA ゲゴゲゴッ、ゲゴゲゴッ!!


ニンジャB 拙者らは小娘を狙うぞっ!!


ちぃっ!!


三洲次 ぬほおおおぉぉっ!!!
ブリーブB ゲロゲロッ、ゲロゲロッ!!


ニンジャC 死ねえええぇっ!!


ぐっ!!!
ブリーブC ガコガコッ、ガコガコッ!!


三洲次 いや、ちょくちょく割り込んでくるこのブリーブたち、なんだよ?!
メイジC まだまだあっ!!!


三洲次 ふぅごおおおぉぉっ!!!
ランプ 「桃の累積ダメージが90近く、ロインも残りH.P.が半分切ってます!!」
メイジD もういっちょおおぉっ!!!


三洲次 ぬおおおぉぉっ!!!
ロース 「桃の累積ダメージが100を超えたわっ!!」
ブリスケット 「ロインの残りH.P.もヤベェですぜ!?」
メイジE もうひと押しぃぃっ!!!


「ぐくぅっ!!」
三洲次 「桃の残りH.P.がほとんど無いぞっ!!!」
ランプ 「これ以上攻撃が来たら、ロインもかなりヤバイですっ!!!」
ブリーブD グガッグガッ!!グガッグガッ!!


三洲次 ってか、さっきからブリーブがうるせぇんだけど!!!
ブリスケット 「あ、あとマスターニンジャの攻撃が1回残ってやす!!!」
ニンジャD 死ねえええぇぇっ!!!
サーロイン う、うわああぁぁっ!!!


サーロイン ぐふおぉっ!!!



..........た..........耐えた........?





耐えたあああぁぁぁ!!!!

あ、あぶねええぇぇぇ!!!


サーロイン 「ぜぇ……ぜぇ………かなりヤバイ状況だ………」
ブリーブA 「ゲロゲロ、ゲロゲロ」
ランプ 「攻撃が分散したのが幸いでしたね」
ブリーブB 「フガフガ、フガフガ」
ブリスケット 「しかし耐えりゃあ、こっちの…」
ぶっっっ殺すっっ!!!


ニンジャA ひぃぎゃあああぁぁっ!!!
   
ランプ 「……いきなり…………」
ブリスケット 「桃っちって、怒ると速攻でやり返しやすな……」
三洲次 「しかも容赦なく首を刎ねましたね……」
ブリーブC ゴルゴル、ゴルゴル!!
サーロイン ぼさっと見てないで、早く呪文で相手を封じてくれ!!
 今の状態では、ちょっとでも敵の攻撃を許すとヤバいんだ!!!



ブリスケット 「一丁上がりっす」
ブリーブD ゲゴゲゴ、ゲゴゲゴ!!
ランプ 「これで危機は脱したでしょう」
ブリーブE ガギガギ、ガギガギ!!
サーロイン 「よし!!」
三洲次 「………さっきからなんなの、このブリーブたち………?」


ブリーブF グゲグゲッ、グゲグゲッ!!
三洲次 ってか、ブリーブ、マジうるせぇぇっ!!!
ロース 「詠唱完了!!!
 ティルトウェイトォォォッ!!!



ブリーブA ギュガァッ!!ギュゴォォッ!!!
ブリーブB ギョガァッ!!ギョゴォォッ!!!



敵たち 「「ひぃぎゃあああぁぁっ!!!」」
   
ロース 「危険なマスターニンジャとメイジは倒せたけど……」
ブリーブE ガゴガゴッ、ガゴガゴッ!!!
ブリスケット 「意外や、ブリーブたちが耐えたっすな」
ブリーブG グワグワッ、グワグワッ!!!
ランプ 「マスターニンジャやレベル7メイジよりも、むしろこいつらの方が強いですよ」
三洲次 「むしろうるさい」

そして最後に、サーロインのティルトウェイトがきて......


ブリーブ達 「「グケエエエェェッ!!!」」

....これで残ったブリーブ殲滅!!!


サーロイン 「ふぅ………なんとか死者無しで勝てたな」
ブリスケット 「しかし、今回はちょいとヤバかったですぜ」
ロース 「ここ最近で一番危なかった戦いね」
三洲次 「一番うるさかった戦いだよ」



ブリスケット 「カルフォ!! ………ふむ、罠は毒針っす」
ランプ 「久しぶりに第三玄室で宝をゲットできそうですね」
「じゃ、開けるぜ」



ブリスケット 「『杖』と………」
ロース 「……『兜』ね」
三洲次 「問題無く開けたのかよ」
「開けちゃいけねぇのかよ」


・粉砕のメイス
・転移の兜

ランプ 「おぉ!!
 兜の方は『転移の兜』ですよ!!」
サーロイン 「相手した敵の割に、悪くない収穫だな」
三洲次 「しかし、あいつらも上級魔術師協会から送り込まれた奴らだったのかな?」
ブリスケット 「そうっぽいすな。
 こりゃ、しんどい戦いが続きそうでっせ」
サーロイン 「やれやれ………」
ロース 「とりあえず、城に戻りましょ。
 そろそろ私もレベルアップできそうだわ」





…………


……………………


………………………………


…………………………………………


──── 地上 冒険者の宿


ここでロース(魔法使い)レベルアップ!!!


ロースは、運の強さ全然上がらないな。

 

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■2周目:異世界から召喚されし魔物(2)


 

…………………………………………


………………………………


……………………


…………


……


──── 地下10階 某所......

ビショップA 「報告致します。
 レベル7メイジとマスターニンジャの集団ですが、襲撃に失敗して返り討ちに遭いました」
ハイウィザード 「う~む………所詮地下9階をメインとする奴らでは、ダメであったか」
ハタモト 「では、拙者の出番でござるな」
ハイウィザード 「………お前、直接攻撃しか出来んではないか」
ハタモト 「ふふふ………拙者がクリティカルヒットの使い手であることを、お忘れか?」
ハイウィザード 「なに?!
 では、相手を一撃で倒せるのだな!」
ハタモト 「容易いことよ。
 特に狙う相手はいるか?」
ハイウィザード 「では、前衛に小娘が一人いるが、そいつを狙ってくれ。
 こいつが、魔神のように強くてな」
ハタモト 「承知をした。
 待ち構えて奇襲で襲い掛かれば、勝負は一瞬!!」
ハイウィザード 「素晴らしい!!
 とうとう、あの小娘も死ぬ時が来たか!!
 これは楽しみだ!!」
ハタモト 「では、吉報を楽しみにしておれ」

…………


……………………


………………………………


…………………………………………


─── 地下10階 第一玄室(2周目)


サーロイン 「では、今日ももう1周だけしよう」
三洲次 「今回は慎重に行きましょうよ」
ブリスケット 「また変な奴らが待ち構えているかも知れねぇっすからな」

ぎぃぃぃ..........


サーロイン なにぃっ!?


三洲次 うぉい!!
 あぶねぇなぁ!」
ランプ 「まさか、これも例の協会が送り込んできたモンスターですかね?」
サーロイン 「さすがにこいつは違うと思うけど……」
ロース 「入り直しましょ」


そして、良いアイテムを持つモンスターを目当てに......


....出入りを繰り返すと........


サーロイン またっ?!


メイジA 「がぶうぅっ!!」
三洲次 「いで…っ!!」


メイジA 「がぶうぅっ!!」
「いで…っ!!」

ハタモト いまだっ!!
 隙ありぃぃぃっっ!!!
   
サーロイン 「え?」
ブリスケット 「あ!!
 あやつ、桃っちに飛びかかったっす!!
ランプ あれはクリティカル狙いですよっ!!!
サーロイン なにいいぃぃぃっ!!?
メイジC よーーーし!!!
メイジD いけええぇぇ!!!!


「ちぃ!!」
ハタモト くそっ!!
 寸でで首だけは守りおったか!?」
   
ロース 「ギリギリで首だけは守ったわね!!」
サーロイン 「クリティカルヒットを知り尽くした忍者だけあって、見抜いたんだな!!」
   
メイジA 「え?」
メイジB 「あれ?」

奇襲ターン終了......


サーロイン 「では、無事に乗り超え……」
てめえええぇぇっ!!!!
サーロイン え?
ハタモト え?


ハタモト ひぃぎゃああああぁぁぁっっ!!!
   
クリティカルヒットってぇのわなあぁぁ!!!
 こうやるんだぁぁぁっっっ!!!!!!
 分かったかぁぁぁっっ!!!!

三洲次 「また………あっさりと…………」
ブリスケット 「怒った桃っちって、マジで速攻でやり返すっすな………」
ランプ 「しかも容赦なく首刎ねでやり返しますよね………」

メイジA 「あれ?」
メイジB 「話しが違わくね?」
メイジC 「話しが逆じゃね?」
メイジD 「むしろ首刎ねられてね?」
   
ロース 「そこのおじぃちゃんたちぃー?」
   
メイジ達 「「はい?」」


メイジ達 「「ひぃぎゃあああぁぁっ!!!」」
   
ロース 「ばいばーい!!」


サーロイン 「やれやれ……敵の攻撃が、本当にヤバくなってきたな」
「け!」
三洲次 「……………………」
ランプ 「とりあえず宝箱を開けましょう!!!」




ランプ 「『腐った皮鎧』でした………」
サーロイン 「ま、しょうがない。
 次へ行くか」
ロース 「でも、本当に少しずつ戦いが厳しくなってきた感じね」
三洲次 「次は楽勝だといいなぁ……」





──── 第二玄室(2周目)


三洲次 楽勝っ!!!
ブリスケット 展開早っえすなぁ!!
ランプ 「フラックって、一応それなりに強い敵でしょうに……」
サーロイン 「よし、あとはザコだな!!!」
三洲次 残りも楽勝だぜ!!!
死ねえええぇぇぇぇ!!!



三洲次 「あれ?」


サーロイン 「あれ?」


ロース 「どこが楽勝ですって? ねぇ、どこが?」
サーロイン 「え~~と………」
三洲次 「う~~んと………」
死ねえええぇぇぇぇ!!!


サーロイン 「……………………………………」
三洲次 「……………………………………」
ロース 「同じカシナートでも、片やたまにしか一撃で倒せない人が居るのに……」
ランプ 「村正をもってしても、一撃で倒すのが安定しない人が居るのに……」
ブリスケット 「やっぱ、桃っちって…………スゲェっすな………」

とりあえず残ったマーフィーズゴーストを倒し......


....宝箱を開けてみる。


ランプ 「『歪んだ盾』でした………」
ロース 「2周目はロクなアイテムが出ないわねぇ」
サーロイン 「ま、しょうがない。
 次へ行こう」

と、歩き出した......途端!!!


サーロイン 「ん?」


ビショップA 「そこで止まれ!!」
ビショップB 「これ以上先に行くことは許さん!!」
ビショップC 「大人しく地上に戻るんだ!!」
サーロイン 「はいはい、じゃあな……」


「逃げる」をポチッとな。


ビショップA 逃すかあぁっ!!!
サーロイン ぐほおおぉっっ!!!


サーロイン ぬわああぁっっ!!!


ランプ ぐはあっ!!

逃走失敗ターン終了......


サーロイン 「はぁ……はぁ……なにするんだっっ!!
ビショップA 「先には行かせん、と言ってるんだっ!!!」
ブリスケット 「どうしやすか?
 一応、通路の敵は無視する方針っすけど?」
サーロイン そっちが通さないつもりなら、こっちは意地でも通ってやる!!!
 三洲次、桃!!!
 殺るぞ!!!
三洲次 「ほいほい、そうこなくっちゃ!」
ぶっ殺す!!!




ビショップ達 「「ぎゃあああぁぁぁ!!!」」
   
サーロイン 「やれやれ、余計な手間をかけさせやがって」
「けっ!」
三洲次 「マジで協会の攻撃が激しくなってますよ……」
ロース 「もう次の玄室へ行きましょ」
ランプ 「次が、本日最後の玄室ですね」




…………………………………………


………………………………


……………………


…………


……


──── 地下10階 第六玄室
     上級魔術師協会(6代目) 本部

アーチメイジ 「まだか?
 まだローラーレンジャーズを倒せないのか?」
ビショップD 「我らの仲間が向かったようですが……」
ビショップE 「残念ながら、返り討ちにあったようです」
アーチメイジ くそっ!!
 忌々しいローラーレンジャーズめっ!!!」
LVL10メイジA 「どうかご安心下さい、会長」
アーチメイジ 「は?」
LVL10メイジB 「実は奴らが向かっている第三玄室には、我らが異世界から召喚した魔物を、既に送り込んでおります!」
アーチメイジ 「え? また?」
LVL10メイジC 「はい!」
アーチメイジ 「今度は大丈夫なんじゃろうな?」
LVL10メイジA 「お任せください!!」
LVL10メイジB 太古のカオス(混沌)の中で生まれし生物ユミルの息子の直系にして、ベルゲルミルの子孫たちよ!!
LVL10メイジC さぁ!!ローラーレンジャーズを地獄に送るがよいっ!!!
アーチメイジ 「今度こそ期待して良いのじゃな!!!
 して、そのベルなんとかって奴の子孫は、どんな魔物なのじゃ??」




──── 第三玄室(2周目)


ロース 楽勝ぉっ!!


──── 上級魔術師協会(6代目) 本部

アーチメイジ やっぱりフロストジャイアントじゃんっっ!!!
LVL10メイジA 「いや、氷の巨人の発祥は、ユミルが産み落としたのが最初でして……」
LVL10メイジB 「洪水でほぼ全滅したんですが、唯一生き残った氷の巨人がベルゲルミルなので、
 今残ってる氷の巨人は全員こいつの子孫になる訳で……」
アーチメイジ そんな解説、要らんわっっ!!!!
LVL10メイジC 「いけると思ったんですがねぇ……」
アーチメイジ んな訳あるかああぁぁっっ!!!!


 

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名前 LV H.P. コメント
サーロイン 16 140 18 18 16 18 16 14 1 0 ビショップ3人が相手の時の逃走成功率って……
三洲次 16 149 18 18 17 18 18 18 5 4 ……95%もあるんだぞ?ヘボ過ぎないか?
21 161 18 18 18 18 18 18 0 0 今回のハタモトの首刎ね率はわずか10%だった。
ロース 20 161 17 18 18 18 18 14 0 2 運の強さが上がらないなぁ…。
ランプ 23 124 17 18 18 17 18 17 0 9 最近、ドロップされるアイテムがヘボ過ぎる。
ブリスケット 19 142 18 18 18 18 18 15 3 5 運の強さ以外はオール18になったっす!

 


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2021年 9月11日:新規公開。