94.不運を呼び込みし者

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
元接近戦最強の少女。現在は盗賊。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



現在、アイテム全種類入手に向けて活動中です。

そして前回「氷の鎖帷子」を入手し、残るアイテムは....

・守りの盾
・手裏剣
・回復の指輪
・破邪の指輪

....この4種類になりました。




では、今回も地下10階を周回していきます!

周回範囲は、万が一の救助活動の確実さを考え、第二玄室までです。


──── 地下10階 第一玄室(1周目)


さぁ、最初の敵は?!



三洲次 「お?
 そこそこのグループの敵が現れましたよ」
サーロイン 「よし、ロース!
 せっかくだから、お前のティルトウェイトを披露してやれ!」
ロース 「やっと使う時がきたのねっ!」


ロース、ティルトウェイト(最強の全体攻撃呪文)初披露!!


って、指定したら、いきなり!!


戦闘開始とともに、ロースがティルトウェイトをブッ放す!!!



サーロイン 「さすが、ロース!
 初めてにも関わらず、詠唱が早い!!」
ロース 「でも、邪魔する奴がいたわ」
三洲次 「じゃ、そいつは俺が…(スラッ!)」


レッサーデーモンがティルトウェイトを耐えたが、
すぐさま三洲次が一撃で葬る!


見事な連携だ!!

いいぞ!!

最近はサーロインも好調だし、新生ローラーレンジャーズ
やっと本調子に乗ってきた感じだぜ!!!


......約1名を除いて。



ロース 「あ………ぢょっと………」
「……あ、悪ぃ………ロース………」
三洲次 「このパターン、何度目だよ……」
サーロイン 「桃、頼むから罠はちゃんと解除してくれ……」
「ぁ~…………」

で、肝心のアイテムは......?


うほっ!
「悪の鎧」が、もう2個目!!

「悪の鎧」って最近まで未入手だったアイテムの1つだから、
いやぁ、やっぱりアイテム運がメッチャ上向いてる感バリバリだぜ!!

よーーし!
この勢いで、第二玄室へ突入ぅーっ!!!


──── 第二玄室(1周目)


ちょ?!


あぶねぇ......。
ただ殴ってくるしか能の無いフロストジャイアントなら、何も恐れることは無い。


余裕だぜ!

そして......、



....彼らの宝箱にかかっていた毒針を外すと、中からは......、


「銀の小手」!!

これまた、なかなか手に入りにくい、レアな一品!!

ブリスケット 「アイテム運が絶好調っすね!」
サーロイン 「そうだな。
 とりあえず第二玄室まで来たから、地上に戻ろう」
ランプ 「そしてアイテム運が落ちないうちに、またすぐ潜りましょう!」
ロース 「この調子で、残りのアイテムもドンドン出てくるといいわね!」




──── 地下10階 第一玄室(2周目)


では、2周目です。



ウィルオーウィスプに奇襲されたり、ブリーブをやり過ごしたりしていると......


??? 「死ねえええぇぇっっ!!!
 ローラーレンジャーズっっ!!!」
サーロイン 「え?!」


ハイウィザード 「とやっ!!」
三洲次 「うっ!!」


ゴーゴン ゴオオオォォ!!!
サーロイン 「ぐわああぁっ!!」


キメラA ゴホオオオォォ!!!
サーロイン 「あちゃちゃちゃっ!!」


ビショップA 「がぶううぅっっ!!」
ブリスケット 「いでででっ!!」
サーロイン 「あ!? こいつら…っ?!」



ハイウィザード はぁーーはっはっはっ!!!
 我こそは4代目上級魔術師協会副会長!!
 6代目ハイウィザードなるぞ!!」
ブリスケット 「また面倒くせぇのが現れやしたぜ……」
ハイウィザード 「くくく!
 貴様らに会えたのを、心から嬉しく思うぞ!!」
三洲次 「お前らに会えたのを、心から残念に思うよ……」
ビショップA 「おい!そこ!!
 なにをブツブツ言っている!」
ハイウィザード 「ふふふ……あまりの恐ろしさに、声もまともに出ないのじゃろう!
 ビショップよ、怯えてる子羊を、そう怒鳴りつけるでないぞ!!」
三洲次 「なぁ、ロイン?
 こいつらにも『バカメ』って言っていい?」
   
サーロイン 「ランプ、こいつらから手に入るアイテムは……」
ランプ 「先日も言いました通り、こいつらなら
 新しいアイテムを持ってる可能性がありますよ」
   
ハイウィザード 「(ビショップよ、こいつらに『かかって来い』と言ったら、どうなるかのぉ?)」
ビショップB 「(そりゃぁ、レベル10メイジたちの情報通り、
  慌てふためいて逃げ惑いますよ!)」
ハイウィザード 「(くくく…!それは楽しみじゃ!)」
ゴーゴン 「(ぶもーっ)」
   
サーロイン 「よし、じゃぁ、いっちょ戦うか!」
ランプ 「えぇ!今回は、やり返してやりましょう!」
   
ハイウィザード はぁーーはっはっはっ!!!
 ローラーレンジャーズよっ!!
 お前らを、この迷宮の土ボコリにしてやるぞっっ!!!
 さぁ! かかってこいっ!!!
サーロイン 望むところだっ!!
ハイウィザード 「え?」
ビショップA 「え?」
ビショップB 「え?」
ビショップC 「え?」
ゴーゴン 「ぶも?」
サーロイン いくぞっっ!!
ハイウィザード 「え? え?! え??!
 ちょ、ちょっと待って、ちょっと待って!!
 お、お前らって、転職とドレインで弱くなってるんじゃないのか?!」
サーロイン 「何を言っている!!
 むしろティルトウェイトが使えるメンバーが2人に増え、
 ますますパワーアップしてるぞ!!」
ハイウィザード うそおおおぉぉ??!
サーロイン いけえぇっ!! ロースっ!!
ロース ティルトウェイトォォォッ!!!
ハイウィザード 話しが違ーーーーーうっ!!!


ハイウィザード はぎゃあああぁぁぁっっ!!


ビショップA うううううううう!!!
ビショップB そおおおおおおお!!!
ビショップC だあああああああ!!!


ゴーゴン ぶもーーーーっ!!!


一瞬にして勝利!


サーロイン 「相変わらず幹部は口だけの連中だな」
三洲次 「お、宝箱がありましたよ」
ランプ 「最近アイテム運が好調ですからね!
 これは期待できますよ!」
サーロイン 「よし、桃。
 開けてくれ」
「うぃ」



ブリスケット 「ふが………うが………」
「あ………ブリ助、悪ぃ………」
サーロイン 「だからちゃんと外してくれって……」
「あ~~…………」
ブリスケット 「ま……まぎぼの………あでぃやじだ………」
三洲次 「ブラスター喰らった人間がアイテムを見つけるのって、
 なんかおかしい気もするけど………」
ロース 「もしかして、巻物しか入ってないの?」


ランプ 「『暗闇』の巻物だけでした」
サーロイン 「しけてるな、上級魔術師協会も」
三洲次 「やり合うだけ、時間の無駄でしたね」
ロース 「レベル7呪文の浪費だったわ」
ブリスケット 「モンティノの無駄遣いでやした」
サーロイン 「そもそも何を嬉々として現れたんだか……」

やれやれ........。

とりあえず、第二玄室へ。


──── 第二玄室(2周目)


バンッ!


え?

また?!


どぅわああああぁぁぁっっ!!!


ほぉおお??!


ほぉお! ほぉお!!?


ほおぉぉおおおっっ!!!



....あぶねぇ......。

首刎ねもなかったし、あまり被害は出なかった方....か?

サーロイン 「全員、無事かっ?!」
三洲次 「う……ぐっ……!」
ブリスケット 「三洲次っちが毒にかかりやしたっ!」
ロース 「こいつらって……」
ランプ 「この前遭遇した奴らでは?!」
サーロイン 「まだここら辺を闊歩していたのか……」
ブリスケット 「どうしやすか?!」
サーロイン 「戦力的にこの前とあまり変わらないとすると……」

悩ましいが......ダメだ!!
まだグレーターデーモンには勝てない!!!


サーロイン 「悔しいが、撤退だっ!」

戦闘開始!


お?!
戦闘開始とともに、いきなりサーロインがマロール(瞬間移動の呪文)を唱えたぞ!

最近、サーロインは本当に真面目に働くようになったな。


………


………………


………………………


………………………………



で......地下1階に飛んだはいいが、ここはどこ?


すぐ側に(一方通行の)扉があったので、出てみたら......


ありゃ?
すぐ目の前に地上への階段があるぞ?!

どうやら地下1階にある、通常では入れない閉鎖空間に飛んだようだ。


とりあえず一旦地上に戻り、態勢を整え直しました。




──── 地下10階 第一玄室(3周目)


サーロイン 「こいつらなら楽勝だ!」


マカニト(Lv7以下の魔物を倒す呪文)一瞬!


ランプ 「アイテムは、また巻物でした」
サーロイン 「またか………。
 仕方ない、次へ行こう」


──── 第二玄室(3周目)


三洲次の攻撃で一撃!


ランプ 「ま………また、巻物………」
ブリスケット 「またっすか?!」
三洲次 「なんか急にアイテム運が落ちましたね……」
ロース 「ハイウィザードと戦ってからよ、
 出てくるアイテムが途端にショボくなったのって……」
サーロイン 「そう言えば、あいつと戦った直後には、
 グレーターデーモンに奇襲もされたな……」
ランプ 「ハイウィザードが不運を運んできたんですかね……」

とりあえず地上に戻り......


....戦果(?)を売却。


と、ここで........


....ブリスケット(僧侶)レベルアップ!!

おぉ!
前衛を務める僧侶として、かなり良い成長ではないか!!

よしよし、この調子で、是非優秀な冒険者に成長し直してくれ!!




再び地下10階へ。


──── 地下10階 第一玄室(4周目)


サーロイン 「なにぃ?!」


ゾンビA ゴオオオオォォッッ!!
サーロイン 「ぐおおおぉぉぉっっ!!」
三洲次 「やっぱ運が悪くなってるよぉぉっっ!!!」


ゾンビB ブォオオオオォォッッ!!
サーロイン 「ぬおおおぉぉぉっっ!!」


ゾンビC ボォオオオォォッッ!!!
サーロイン 「ふおおおぉぉぉっっ!!」

ドラゴンゾンビが、漏れなくブレスを吐きまくるぅぅぅっ!!!


ブリスケット 「うぎゃあっ!!」



ぬおおおおぉぉぉぉぉ........

ブリスケット 「ぐ………ぐほっ!」
ランプ 「うぅ………」
サーロイン 「ギ……ギリギリで耐えた……か」
ロース 「でも、次で1匹でもブレスを吐いてきたら、死者が大量に出るわ!」
サーロイン 「……と、なれば!!」


サーロイン(元魔法使い)と......


ロース(現魔法使い)の......


....Wティルトウェイトだっ!!!

敵に付け入るスキを与えず、ぶっ倒せっ!!


反撃、開始っ!!!


さすがロース!!!
速攻ティルトウェイトっ!!!


サーロイン 「後続のブリーブとニンジャも倒したなっ!!」
ロース 「でも、ドラゴンゾンビが1匹耐えたわ!!」
三洲次 「うわああ!!
 耐え抜いたドラゴンゾンビが攻撃してくるっ!!」
サーロイン 「なにっ?!
 まだモンティノも唱えてないのに、それはヤバイっ!!」


三洲次 「ぐわあっ!!」

あぶねええぇぇぇ.....。
ブレスでもマダルトでも無かった!

サーロイン 「不幸中の幸いっ!!
 よーーし!!
 ダメ押しのティルトウェイトだああぁぁっ!!」


サーロイン 「うおっ?!
 こいつ、ティルトウェイト2発を耐えた!!」

3ターン目


ドラゴンゾンビD シャアァァ……ァァ……ッ!

頼む、今度こそきっちり倒してくれ!!

サーロイン 「魔法でダメなら、これでどうだっ!!」


見事だ!!サーロイン!!!

お前、最近マジで役に立ってるぞ!!!

サーロイン 「よし! なんとか勝てたな」
「宝箱、あったぜ」


しか入っていなかった......

ロース 「えぇ~…本当にいろいろ運が悪くなってなぁい?!」
ブリスケット 「ダダ下がりっすね……」


だいぶテンション下がりつつも、第二玄室へ......


──── 第二玄室(4周目)


バンッ!

??? ふははははははっ!!!
サーロイン 「む?」


??? 「お前らが、最近ここらを荒らし回っているパーティーだな!?」
サーロイン 「あれ?
 声だけで、姿が見えないぞ?」
ブリスケット 「どこから、声が……?」
三洲次 「あーーーっ!!
 天井に何かいるぞ!!」
サーロイン 「え?! それって……」


シュルルル........シュタッ!


ブリスケット 「天井から、何か降りて来たっす!!」
ハイマスター ハイマスター!!
 ここに推参っ!!!
サーロイン 「やはり!」
ハイマスター 「お前らの命、拙者がいただくぞっ!!」
サーロイン 「威勢がいいな!
 お前1人ごとき、返り討ちにしてやる!」
ハイマスター 「ふん!
 これを見ても、同じことが言えるかな?!」
サーロイン 「ん?」
ハイマスター いでよっ!!!
 我が下僕(しもべ)たちっ! ! !
三洲次 「え……、まさか………」
   

シュルルルル........
 ドタァーンッ!!
  バターンッ!!!
   ビタァーンッッ!!!

ハタモト ぎゃああっ!!
メイジA ぐわああっ!!
メイジB がはあぁっ!!
メイジC ぐほおぉっ!!
ゴーゴン ブモォーッ!!


三洲次 「ま……また、続々と降りてきたよ………」
ランプ 「だから、降りてきたんじゃなく『落ちてきた』ですよ、これって……」
ロース 「こいつらも変わらないわね……」


ハイマスター 「一瞬にして全滅させてやるっ!!」
サーロイン 「その言葉、そっくりお前に返し…


三洲次 「ぐわああぁっ!!!」
サーロイン 「え?!」
ブリスケット 「は、早ぇっすっ!!!」
ハイマスター 「はははは!!
 首を紙一重で守ったのは、褒めてやるぞ!!!」
三洲次 「ぐおっ……く、くそ……っ!」
ハイマスター 「言ったであろう!!
 我らの素早さをもってすれば、貴様らなど一瞬で全滅だとっ!!」
ランプ 「や……やばいですよ……!」
ハイマスター 覚悟はいいかっ?!!
 波状攻撃だあああぁぁっっ!!!
サーロイン し、しまったーーーっ!!
ハイマスター いけえええぇぇっっ!!
 我が下僕たちいいいぃぃっっ!!!
   
   
ハタモト 「い………いだだだ………っ」
   
メイジA 「おごぉぉ……ぉぉお……っ」
   
メイジB 「あ……足が折れたぁぁ……っ」
   
メイジC 「こ……腰がああぁぁぁ……っ」
   
ゴーゴン 「ブモォォ……ォォ……ォッ」
   
   
ハイマスター 「……………………………………」
   
サーロイン 「……………………………………」
ランプ 「ディオスぐらいなら、かけましょうか……?」
ロース 「情け無用よっ!!」
ハイマスター 「え?!」


ハイマスター ぎゃあああぁぁぁっっ!!





ロース 「むしろ一瞬でやられたわね!」
三洲次 「ちょっと部下に同情しますよ……」

で、肝心のアイテムは......?


ランプ 「『あかり』の巻物………」
サーロイン 「また巻物っ?!」
ブリスケット 「ほんにアイテム運が一気に落ちやしたね……」
ロース 「これって、絶対にあのハイウィザードが悪い運勢を運んで来てるわよぉ…」
三洲次 「だとしたら、本当にあいつは余計な奴でしたね……」
サーロイン 「そうだな………。
 あぁ、ところで、桃?」
「うぃ?」



サーロイン 「だから罠はちゃんと解除してくれって……」
「あ……、悪ぃ………」

 

「95.任せるんだ!」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 11 94 17 16 14 15 14 10 1 0 最近、前衛としてマジで役立ち始めた。
三洲次 11 123 17 13 13 16 15 18 3 3 まぁ、ボチボチ。
14 154 17 18 17 16 15 16 0 0 最近、また罠の解除が怪しくなってきた。
ロース 13 154 14 18 17 16 18 10 0 2 最速のティルトウェイトがすごい便利!
ランプ 18 84 18 18 18 16 18 13 0 9 最近、戦闘は一瞬で、補助呪文の意味が薄い。
ブリスケット 12 111 13 18 18 15 15 13 3 4 次でやっとマスターレベル。

 


【更新履歴】
2021年 8月21日:一部の表現を見直しました。
2021年 6月 5日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年10月25日:間違っていた画面写真を差し替え。次ページへのリンクを設定。
2020年10月19日:間違っていた画面写真を差し替え。セリフを一部推敲。
2020年10月18日:新規公開。