49.またかよ……

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約5分



──── 地下10階 上級魔術師協会 本部

アーチメイジ 「おい!ハイウィザード?!」
ハイウィザード 「なんでしょうか?」
アーチメイジ 「ビショップたちを探しに行ったレベル10メイジが、
 全然帰って来ないではないか!」
ハイウィザード 「そうですね」
アーチメイジ 「あいつもグルになって、サボッてるんじゃないのかっ?!」
ハイウィザード 「さぁ、知りませんよ…」
アーチメイジ 「知りません…って、どうしていつも他人事なんじゃっ?!
 お前が探し出して、連れて帰ってこい!!!」
ハイウィザード 「どうせ、モンスターに喰われたとか、そんなんじゃないですか?
 探しに行ったら、ミイラ取りがミイラになりかねないです」
アーチメイジ 「じゃぁ、残りのビショップどもを連れて行け!!!
 とにかく探し出して、連れて帰ってこい!!!」
ハイウィザード 「余が、ですか…?」
アーチメイジ 「レベル10メイジが帰ってこないのは、
 直属の上司のお前の責任じゃっ!!!」
ハイウィザード 「会長が指示を出していませんでしたか?」
アーチメイジ 早く探しに行けえええぇぇっっ!!
ハイウィザード 「はいはい……。
 面倒臭いですなぁ………」

………


………………


………………………


──── 地下4階 プライベートエレベーター前


三洲次 「ここ、3回連続で奇襲じゃんっっ!!!」


ブリスケット 「ぎゃああぁっ!!」


「ちっ!」


ロース 「きゃっ!」

マジで、うぜえええぇぇっ!!!


ラハリト(グループ攻撃の爆炎魔法)で一掃し、なんとか勝利。

ダメージと毒を治療したら、地下9階へ降り、
そのままシュートのある玄室へ......。


ロイン 「奇襲、多過ぎだろっ!!」


だが、今回はノーダメージで済む。


とりあえず一撃で倒し、シュートから地下10階へ。


そして、第一玄室......。



ギイイィィ......ッ




ハイウィザード 「ん? レベル10メイジか?」
ブリスケット あーーーーーーっ!!!
 上級魔術師協会っ!!!
ハイウィザード あーーーーーーっ!!!
 ローラーレンジャーズっ!!!
三洲次 「またかよ………」
ハイウィザード 「なんで、ここに……?
 まぁ、いい。
 ちょうど良かった。
 お前ら、レベル10メイジを知らないか?
 こっちの方に来てると思うのだが……」
ロイン 「この前、倒した」
ハイウィザード 「おぉ!なるほど!
 そりゃ、居るはずないな!
 なっとく、なっと………なにいいいいぃぃぃっっ?!!
三洲次 「リアクションが一緒だよ……」
ハイウィザード 「お前らっっ!!!
 ここでも狼藉を働くかっ!!?
 レベル8ビショップたちよ!!
 やってしま……


ビショップA (ぐぉ……おぉ……っ)
ビショップB (うぅ……う……っ)
ビショップC (ぴく……ぴく…っ)
   ……………
   ………
   ……
ハイウィザード 「…………え?
おい!
ハイウィザード 「…………はい?」
覚悟はいいかああぁぁっっ!!?
ハイウィザード 「お、お前はっ、あの侍の小娘ぇぇえっ??!


ハイウィザード ごぉばばばあばあばあああぁぁぁっっ!!!



3代目副会長ハイウィザード死亡


ロース 「楽勝ね」
ロイン 「相変わらず、幹部は大したことない組織だな」
ランプ 「しかし幹部ともなれば、お宝には期待がかかりますっ!!
 さぁ、お待ちかねの宝箱タアアァァーーーイムッ!!
三洲次 「ランプ……お前、本当に司教か?」
ロース 「カルフォ!」


ロイン 「よし、三洲次も頼む」
三洲次 「了解。
 ……えぇと…………、
 あぁ、確かにプリーストブラスターです」
ランプ 「さぁ!三洲次!!
 宝箱オォーーーープンッ!!!
ロース 「きゃあああぁぁっっ!!!!」
ランプ 「え?」




........ロース(僧侶)麻痺した........。


ロイン 「こんな調子では、テレポータの罠は絶対に触らせられないな…」
三洲次 「いやぁ………、ははは………」
ロイン 「笑いごとじゃない!」
三洲次 「……………すいません………」

まぁ、麻痺で助かった。
石化だったら帰還せざるを得なかったが、
ランプ(司教)がディアルコを使えるので、この場で治療可能である。


あ、宝箱の中はお金しか入ってなかったです。


ランプ 「はぁ…………」


ランプのため息を余所に、先へと進める......。


...... 第二玄室


ギイイィィ......ッ



ロイン 「…………どうだ?」
ブリスケット 「なんかデカいのが、こちらを背にして立ってやすぜ?」
三洲次 「デカいの?!」
ロース 「それって、またグレーターデーモン?!」
ロイン 「まかたよ……」
ランプ 「いや……あれは、フロストジャイアントです!!」



きたああああぁぁっっ!!!

地下9階の経験値の友がアースジャイアントなら、
地下10階の経験値の友は、このフロストジャイアント!

これっぽっちも強くないのに、経験値だけはガッポガポ!!!

料理で言えば、高級お刺身定食!!

小骨を取る必要も無ければ、身をほぐす手間もいらん、
ただ口に入れるだけの、おいしいおいしいお刺身ですがな!!


いただきま~~~~~すっ!!!



ごちそうさまでしたーーーーっ!!!


三洲次 「すげぇ…あんな巨人を一撃で倒しやがった…」
ロイン 「戦士として本当に素晴らしいな、桃は…」
ランプ 「さぁ! メインディッシュが終わったら、
 次は デザートですっっ!!!
ロース 「カルフォ!!」


ロイン 「毒針か……。三洲次の見立ては…?」
三洲次 「えぇと…………そうですね、毒針です」
ランプ 「さぁ、三洲次!!!
 レッツオーーーープンッ!!!
三洲次 「む……、くそ………っ」



三洲次 「よし! 開いたぞ…」
ランプ 「どれ?どれ!どれ!?どれ!?
 ………なんだ………、また巻物か………」
ロイン 「そう毎回落胆していたら、もたないぞ。
 お!短刀も入ってるじゃないか」


ロイン 「この短刀は?」
ランプ 「えぇと………ぶっ!


ランプ 「また『早業の短刀』ですよ!」
三洲次 「まかたよ……」

2本目......。

今度こそロインに装備させようかな....と思ったが、
彼は最後尾だし、今の「切り裂きの短刀」のままでも別にいいか。


ボルタックのコレクションにするため、持ち帰る。


………


………………


………………………


──── ボルタック商店

店員(女) 「あら!ランプ社長さん!
 実入りはいかがかしら?」
ランプ 「これ」
店員(女) 「………『早業の短刀』………」
ランプ 「……………………」
店員(女) 「また、見せびらかしにいらっしゃったの?
 この前、見せに来たばかりじゃない」
ランプ 「いえ、今回は売りに来たんです」


店員(女) 「あら!まあ! さすが社長さん!
 私たちのために、わざわざもう1本取ってきたのね?!」
ランプ 「違います。
 たまたま、もう1本出ただけです」
店員(女) 「そうなの?
 でも、この『早業の短刀』は全然入荷できなかった品だから、
 思い切った買い取り価格にしちゃうわね!
 15,000G.P.でどうかしら?」
ランプ 「そうこなくては!
 文句ありません」
店員(女) 「交渉成立ね!
 これで店の品揃えも、ますます充実しますわ!」
ランプ 「充実するのはけっこうですけど、
 充実するだけ充実して、減ってないですよね……?
 客って来てるんですか?」



今回は、もう1周いきましょう。


──── プライベートエレベーター前


三洲次 「まかたよっっ!!!」

この玄室、4連続目えええぇっっ!!!


しかもドラゴンフライって!!!!!

ブレスがうぜええぇぇっっ!!!!!


大したダメージじゃないだけに、回復はマディ以外を使うから、
治療が面倒くさいんだよ......。

とりあえずドラゴンフライを倒したら、次はシュートの玄室


こちらは楽勝だったので、詳細割愛。

そして........、


──── 地下10階 第一玄室



ギイイィィ......ッ



ブリスケット 「ドラゴンゾンビっす……」
三洲次 「まかたよ……」
ロース 「この玄室、ドラゴンゾンビ多くないかしら?」
ロイン 「とりあえず戦おう」



呪文の効き、悪っ! ! !


モンティノ(魔法封じの呪文)全然効かず
マダルト喰らった~....!!

いや、一応モンティノが効いた奴もいたけど....、


.... そういう奴に限ってブレスを吐いてくるし......。

勘弁してよぉ~........。


前回につづき、今回もボロクソにダメージを喰らってしまった........。

なので、今回も「逃げる」ことを一瞬考えたが........、


.....戦うことにした。

グレータデーモンの時は「戦う」という選択肢はあり得なかったが、
こいつはまだ魔法が効く方なので、「戦う」という選択肢は「あり」だろう。

結果......、


....ロースのマリクト1匹........、


....ロインのティルトウェイト1匹倒し........、


.... なんとか死者を出さずに勝利

判断は正しかったようだ......。

ロイン 「ふぅ……、なんとか勝てたか……」
ブリスケット 「地下10階を根城にする凶悪な魔物相手には、
 まだまだ薄氷の戦いっすね」
ロース 「もっと強くならないとダメね…」
ランプ 「だからこそ宝箱を開けるのですよっっ!!!」


ロイン 「カルフォの結果は、プリーストブラスターか……。
 三洲次の見立ては?」
三洲次 「えぇと……、そうですね。
 プリーストブラスターだと思います」
ロース (……こそこそ………)
三洲次 「そこっ! 隠れたのバレバレだぞ!!」
ロイン 「いいから、開けてくれ」
ランプ 「その通りっ!! 三洲次っっ!!!
 レッツオォォーーープンッッ ! ! !


三洲次 「よし! 開きました」
ロース 「……ほっ……」
ロイン 「お!『短刀』が入ってたぞ。
 ランプ、これは?」
ランプ 「はいはいはいはい!
 喜んで鑑定致しますよぉ!」



ランプ 「……………『早業の短刀』………」
三洲次 「えええぇぇ゛え゛……」


「早業の短刀」......、3本目........。


地下10階には、まだまだ未入手のアイテムはたくさんあるはずなのに......、
全然出ない挙句に、こいつだけもう3本目.......。


どうなってんだよ.....、これ........。



ちょっと被害も甚大だったので、
今回は第一玄室までで帰還を......。


………


………………


………………………


──── ボルタック商店

店員(女) 「あら!社長さん!
 調子はどう?」
ランプ 「これ……」


店員(女) え?! また『早業の短刀』なの?!」
ランプ 「そう、また」
店員(女) 「これって……、もしかして……、
 地下10階にたくさん転がってるの…?」
ランプ 「そうかも知れませんね。
 あ、買取価格は15,000G.P.でしたね」
店員(女) あーー! バカバカ!
  こんなモノに、なんで15,000G.P.なんて高額を付けたのよ!
 私のバカ!!
ランプ 「いや~、高く買い取ってもらえて、助かりますよ」
店員(女) 「はあぁ~ぁ……。
 もっと安く買い叩いておくべきだったぁ~……」
ランプ 「客の目の前で、そんなこと言います……?」
店員(女) 「…………………」
ランプ 「…………………」
店員(女) 「………ぐすん…………」
ランプ 「なにも泣かなくても……」

 

「50.忍者軍団、降り立つ!」へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 14 84 18 18 13 18 18 14 0 今回は珍しく、彼にしては動きが素早かった。
三洲次 16 72 18 18 11 16 18 18 3 こいつのせいで、実質5人で戦ってるんだよな。
13 104 18 18 18 18 18 18 0 あまり描写してないが、最近ダメージ喰らいまくり。
ロース 14 109 18 18 18 18 18 15 2 やっぱり地下10階では、全体攻撃呪文は必須だな。
ランプ 14 51 15 18 18 15 17 11 3 ギリギリの線で死なずにいる。ドキドキだ。
ブリスケット 13 115 18 18 16 18 18 11 2 戦い続けるには、彼のようにH.P.100以上は必要か。

 


【更新履歴】
2021年 7月17日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年11月10日:次ページへのリンクを設定。
2019年11月 4日:新規公開。