45.地下10階へ…

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



──── ギルガメッシュの酒場 早朝

三洲次 「ただいま戻りました~」
ランプ 「救助隊もマリクトが使えるようになりました。
 これで、地下10階での救助活動も、一応できると思います」
ロイン 「おぉ、ご苦労だった!
 よし!
 ランプと三洲次が戻って来たので、
 今日から地下10階の冒険を開始する!」
ロース 「いよいよ、ワードナの居る最終フロアね」
ロイン 「とは言え、しばらくは今の実力で通じるかの様子見を兼ねつつ、
 アイテム集めをしようと思う」
ブリスケット 「それでいいと思いやす。
 装備が少し心もとねぇっすし」
ロイン 「地下10階では、これまで以上に強力な魔物が現れるだろう。
 そこでしばらくは、探索にルールを設けることにする!」
ランプ 「ルールとは?」
ロイン 「酒場で聞いた噂では、地下10階は1本道で、
 玄室を1つ1つ乗り越えていく構造だとか。
 そこで我々は、入る玄室を当面は2部屋目まで、とする」
ロース 「どうして?」
ロイン 「もし奥地でパーティーが壊滅すると、救助活動も危険で困難になる。
 それを避けるためだ」
三洲次 「慣れるまでは、その方がイイですね」
ロイン 「では、準備ができたら、いよいよ出発だ!!」



さぁ!
地下10階へ向かって、出発です!!


三洲次 「地下10階か……。
 どんな魔物が待っているのか……」
ランプ 「どんなアイテムが待っているのか?!」
三洲次 「………なんか楽しそうだな……」
ランプ 「だって、今までにない強力な武器や防具に出会える訳ですよね?
 もう楽しみで!楽しみで!」
ブリスケット 「ランプはんって、金やアイテムが絡むと、
 本当に性格が変わりやすね……」
ランプ 「ボルタックの店員たちに、見たことも無いレアなアイテムを持って帰るって、
 宣言してきましたからね!!
 絶対に良いアイテムをゲットしましょう!!」
ロース 「これって……」
三洲次 「…絶対に良いアイテムが手に入らないパターンですよね……」


ロイン(魔法使い)レベル7の魔法使い呪文3回使えるので、
いきなりマロールでシュートまで行ってもいいですが....。

まぁ、地下10階でどのぐらい通用するか、まだ分からないので、
できる限り高レベルの呪文は温存したいと思います。

なので......、


.... 引き続き、プライベートエレベーターで降りて行きます。


さて、この場合、地下10階までに戦闘が2回あります。

まずは、プライベートエレベーター前の玄室。


よし!
呪文の浪費や無駄なダメージを回避でき、なかなか幸先の良いスタートだ。

次に、シュート前の玄室。


これは楽勝だ。
ブリスケットが、見事一発で仕留める。

良い調子だ。


宝箱からは「炎」の巻物をゲット。


そして....いよいよ......




シュート!


………………………………


……………………


…………


……



地下10階に降りるなり、いきなり金の額に記された伝言が目に入る。

ロース 「なんか、偉そうなこと書いてあるわね」
ロイン 「しばらくは守りを全部破るつもりはないから、無視していいだろう」
三洲次 「なんですかね?
 この『コントラ デクストラ アベニュー』って?」
ロース 「それ、みんな気にするわね。
 酒場でも、話しをよく聞くわ」
ランプ 「意味は、要は『左手沿いに歩け』ってことらしいですね。
 そうすれば、迷宮の奥に進めるとか……」
ブリスケット 「じゃぁ、逆の右手沿いに歩くと…?」
ランプ 「地上に戻ってしまうとか」
ロース 「だから、早く地上に戻りたい場合には、便利らしいわよ」
ロイン 「とりあえず、進もうか」


ランプ 「壁の雰囲気が変わりましたね」
三洲次 「いよいよ最も深い所まで来た、って感じですね」

そう言えば、ファミコン版って、「石の中」があるのって、地下10階だけらしいですね。

この階だけ通路の壁の絵がなのは、最終フロアということもあると思いますが、
通路の外側が「石の中」だと示唆しているのかも知れませんね。


閑話休題。

ロイン 「全員、周囲に注意しながら進むんだ」


さぁ、地下10階最初の戦闘となる、第1玄室へと向かおう!

........ と、思っていたら!!


いきなりランダム・エンカウント!!

地下10階に来て最初の魔物は、なんと通路で遭遇!!!


ど、どんなが出てくるんだぁっ?!!




シーフA 「お! 久しぶりに、このフロアに獲物が来たぜ!」
シーフB 「おいっ! よく聞け!!
 どうせ てめぇらは、この先で死ぬんだ!!」
シーフA 「そうなる前に、金目のモノを全部ここに置いていきなっ!!」
シーフB 「俺たちが有効に使ってやっからよっ!!」
ロイン 「ここに来る冒険者を、入り口で待ち伏せしている野盗か」
ロース 「セコい奴らね」
三洲次 「地下9階の頃と、なんか敵が変わり映えしませんね…」
シーフA 「分かったらなぁ、無駄な抵抗なんてしねえで、大人しく…


ロイン 「寝ておくんだな」


ブリスケット 「片付けたっす」
ロイン 「ご苦労」
三洲次 「この迷宮って、こんな奴らばかりなんですかね?」
ロイン 「ま、こういう奴ってのは、大抵大したことないさ」
ロース 「そうね」

記念すべき初戦は楽勝で、幸先の良い滑り出しではないだろうか。

さて、通路を奥まで進むと......、


.... 最初の玄室に入る扉が現れた。


うーん、実に雰囲気のあるドアだな。

まるで中世のお城の地下にある拷問室に入る扉のような....、そんな雰囲気。

ブリスケット 「では、蹴破って入るっすよ」
ロイン 「待て」
ブリスケット 「え?」
ロイン 「とりあえず様子を見るため、ゆっくり開けてみろ」
ブリスケット 「へい、ご指示とあらば……」

ギイイィィ........ッ


ロイン 「どうだ?」
ブリスケット 「なんか…、怪物の死体が転がってやす」
ロイン 「え? いきなり 死体??」




来たよ、来たよ!
地下10階らしい敵のご登場だよ!!

そんでもって、こちらの先制!!
しかもたった1匹!!!

これは超ラッキー!!!

地下10階の初探索は、本当に幸先が良いですよ!!


ランプ 「あれは死体ではなく、ゾンビです。
 ドラゴンゾンビですよ」
ロイン 「ゾンビ……?
 じゃ、死体として転がってるのではなく、寝てるのでは?」
ブリスケット 「ゾンビも寝るんすか?」
ロイン 「知らん。
 だが、先制のチャンスだな」
三洲次 「チャンスって……、相手は寝てるんだよね…?
 俺たちって、"善"の戒律じ…
ロイン 一気に片づけろっ!!

三洲次の独り言など無視して、前衛が立て続けに攻撃を加える!!!!

が!!


カシナートを含めた前衛の総攻撃を喰らっても、
なんと倒すことができなかった!!

さ...、さすが最終フロアのモンスター!


ドラゴンゾンビ キシャアアアァァァーッッ!!
ブリスケット 「あ、起きたっす」
ロース 「当たり前でしょ!」
ランプ 「どうします?」
ロイン 「ふふふ…、そうこなくては面白くない!
 俺がジルワン(不死敵を1体消す魔法)を覚えた意義が、ここで生きるってものだ!」
ドラゴンゾンビ 「グルルルゥゥ……、
 ゴガアアァァーーーッッ!!!
じゃかましいいいぃぃっっ!!!


ドラゴンゾンビ 「グギャアアアァァッッ!!!」
三洲次 「お、倒したぞ」
ブリスケット 「2ターンかけて、やっとっすか…」
ロース 「さすがに地下10階の魔物ともなると、
 そう簡単に倒せないわね」
ランプ 「でも、1匹でラッキーでしたね。
 ちょうどイイ肩慣らしになったのでは?」
三洲次 「そうだな…」
ロイン ジルワンっ!!


ロース 「……………………」
ブリスケット 「……………………」
三洲次 「……………………」
ランプ 「……………………」
ロイン 「………………あれ?」
ロース 「何やってんのよ?」
ロイン 「いや……、確実に倒すため……、ジルワンを……」
ブリスケット 「もう、桃っちが片付けたっす」
ロイン 「あ…、そ、そう…。
 そ、それならいいんだ……ハハ……」
ロース 「相変わらず、ノロいわね」
ロイン 「……………………」

たった1匹にも関わらず2ターンもかかったが、
先制できたこともあり、ノーダメージで勝利!

いいぞ!
地下10階の探索は、実に良いスタートをきっている!!

ランプ さぁっ!!
 お宝の時間ですっ!!!
三洲次 「うおっ! 声がデカいよ…」


ランプ 「さ~、何が入ってますかねぇ~?」
ロース 「ランプって、こういうことだと本当に性格が変わるわね…」
三洲次 「どれどれ……毒針ですね……これは」
ロイン 「よし、開けてくれ」
ランプ 「何が出るかな?何が出るかな?
 チャララ・ランラン、チャラララン♪」
三洲次 「………なんか、ギアラたちに感化されてない?」
ランプ 「気にしない!気にしない!
 さぁ、三洲次!開けて、開けて!」
三洲次 「え~~~と………、お! 開きました!」
ランプ 「何が出たっ?!!
 『聖なる鎧』かっ?!
 『手裏剣』かっ?!
 それとも、いきなり『村正』かあぁああっ?!




三洲次 「お金だけです」
ランプ どよ~ん………
ロイン 「うーん……まぁ、こういうこともあるって」
ランプ 「はぁ……、ショック……」
ロイン 「次に期待しよう」

とりあえず気を取り直して、次の玄室へ向かう。


先ほど書いた通り、部屋の壁を左手沿いに進むと......、


.... ワープして、次の通路へ!

そして、いきなり......、


.... またもワードナからメッセージが......。

って、これは....、先ほどみたいに伝言板があったのか?
それとも「こいつ、脳内に直接?!」なのか?

いや、まぁ、声が廊下に響き渡ったというところでしょう。

ロース 「守衛の一団って……、さっきのゾンビのこと?」
ランプ 「一匹でしたよね……」
ブリスケット 「一匹でも一団って言うんすか?」
ロース 「さぁ……」
三洲次 「そもそも寝てたよね……」
ランプ 「守る気あるんですかね…?」
ロイン 「あと、引き返せって言ってるけど……」


ロイン 「戻れないんだが……」
三洲次 「言ってることがテキトーにも、ほどがあるだろ…、ワードナって……」

とりあえず気にせず......、


....通路に沿って進み......、


.... 次の玄室へ。


ロイン 「よし、今度もソッと開けてみろ」
ブリスケット 「では……」


ギイイィィ……ッ




ロイン 「……どうだ?」
ブリスケット 「なんかビショップ達が、喋ってやすぜ」
ロイン 「は?」



ビショップA 「はぁ…、せっかく代休取れたのにさぁ…」
ビショップB 「いつローラーレンジャーズが来てもいいように、
 地下10階から出るな……だってさ」
ビショップC 「地下10階って娯楽施設とかねぇからさぁ、
 つまらねぇんだよなぁ……」
ビショップD 「他の階にも無いけどな」
ビショップE 「しっかし、ここだとなんか休んでる気がしねぇよなぁ……」
   
ロイン 「……………………」
ブリスケット 「会話から察するに……、
 上級魔術師協会の下っ端っぽいっすね」
三洲次 「なんか警戒心もなく喋ってますね…」
ブリスケット 「どうしやすか?」
ロイン 「やっちまおうか?」
三洲次 「俺たちって、"善"の戒律だっ…
ロイン 一気に片づけろっ!!
おりゃあああぁぁぁっっ!!!


ビショップA ぐわあああぁぁっっ!!!
ビショップB 「え?! えっ!!?
ビショップC うわあああぁぁっ!!!!
ビショップD 「もしかして、ローラーレンジャーズぅぅっ??!
ビショップE ええぇぇーーーっっ?!
 地上でのんびりしてたんじゃなかったのおぉっ??!」


死ねええええぇぇっっ!!
ビショップC 「ぎょばばばばばばああぁぁぁっ!!」」


うりゃあああぁぁっっ!!!
ビショップD 「ふぉごごごおごおごおおぉぉっっ!!!」


ブリスケット 「トドメっす!!!」
ビショップE 「ぎゃあああぁぁっっ!!!」


ブリスケット 「片付いたっす」
ロイン 「ご苦労」

今さらレベル8ビショップにやられるローラーレンジャーズでもない。

第2戦目(正確には3戦目か)も、
ノーダメージで勝利!!


ってか、2連続先制とは、ツいている!

自分で課したルール上、進めるのはここまでだが、
地下10階の探索は、幸先の良いスタートをきれたぞ!!


ランプ 「さぁ!今度こそ、お宝を手に入れましょう!!!」
三洲次 「えぇと……、罠は………」

 


ロイン 「……………………」
三洲次 「……………………」
ランプ 「……………………」
ロイン 「よし! このまま立ち去ろう!」
ランプ 「えっ?!!
 ちょっと!ロイン!!
 なんでですかっ?!」
ロイン 「いいか、ランプ?
 酒場で聞いた噂が本当なら、この地下10階は、半分が石でできているんだ。
 通路を見ても、この階だけ岩石をくり抜いて作られた迷宮だと、分かるだろ?!
 だから万が一にもテレポータが発動したら、50%の確率で全滅するんだぞ?!
 そんな危険は冒せん!!
ランプ 「……ちょ……そ……そんなぁ~……。
 た……楽しみにしていた………お宝があぁ………(泣」


罠は、「調べる」だけで暴発する可能性がではない
実際、どっかのバカ僧侶が、一度やらかしたことがあるし(参考)。

なので、最初に盗賊に罠を調べさせたのは、ちょっとうかつだったかも知れない。

まぁ、三洲次って、実は「調べる」で罠を暴発させたことはいまだかつて一度も無いから、
そこの腕は信用していいのかも。

そう考えると三洲次って、実は盗賊としては意外と優秀なのかも。


とりあえず次回から、

(1)  まずカルフォで罠を調べる。
(2)  もし「テレポータ」が出たら、宝箱を諦める。
(3)  「テレポータ」以外なら、盗賊が罠を調べる
(4)  もし「テレポータ」が出たら、宝箱を諦める。
(5)  「テレポータ」以外なら、罠の解除に挑む

という手順で開けることにします。
いや、このやり方....実は、あるプレイヤーの方の手順を参考にさせていただいたのですが....。



さて、最初に設定したルール通り、
地下10階は、当面は2つ目の玄室まで....にしておくので、
今回はここまで。


右手沿いに進むと、城へ戻れるポイントまでしっかりとワープしたので....、


....ここから城へと戻る。



しかし、なんで城に一直線に戻るワープポイントなんてのが、地下10階にあるんだろう。

侵入者を地上へ戻してしまう、という位置づけなのかな?

なんにせよ、こんなにたくさんワープポイントがあって、
地下10階の魔物がよく城にワープしてこないもんだな


………


………………


………………………


──── ボルタック商店

店員(女) 「あら!社長さん!
 聞いたわよ!
 とうとう、地下10階へ行ったらしいじゃない!」
ランプ 「えぇ……、まぁ……」
店員(女) 「地下10階は貴重なお宝がたくさんあって、
 他の冒険者さんたちも、イロイロ持ってきてくれるのよ!」
ランプ 「はぁ……」
店員(女) 「で? 社長さんは、何を取ってきたのかしら?!
 高値で買うわよぉ!」 
ランプ 「これ……」


店員(女) 「『炎』の巻物………1個………」
ランプ 「………………」
店員(女) 「………………」
ランプ 「………………」
店員(女) 「これだけ………?」
ランプ 「これだけ…………」
店員(女) 「………………」
ランプ 「………ぐすん…………」
店員(女) 「なにも泣かなくても……」


地下10階最初の探索は、敵の「引き」は良かったが、
アイテムの「引き」は最低だった..........。


「46.食い違う思惑」へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 14 84 18 18 13 18 18 14 0 ノロい........。
三洲次 16 72 18 18 11 16 18 18 3 テレポータを誤発動させず、偉かったぞ。
13 104 18 18 18 18 18 18 0 地下10階でも変わらず頼れる戦力。
ロース 14 109 18 18 18 18 18 15 2 次回からのカルフォ役は、彼女かな?
ランプ 14 51 15 18 18 15 17 11 3 地下10階最初の探索のお宝は、成果ゼロ…。
ブリスケット 13 115 18 18 16 18 18 11 2 素早いから、またカティノ要員に戻すかな。

 


【更新履歴】
2021年 7月17日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年10月14日:次ページへのリンクを設定。
2019年10月 7日:新規公開。