95.任せるんだ!

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
元接近戦最強の少女。現在は盗賊。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



アイテム運が暴落してますが、とりあえず今回もアイテム全種類入手に向け、
地下10階を荒らして回ります!

なお、残る未入手のアイテムは......

・守りの盾
・手裏剣
・回復の指輪
・破邪の指輪

....この4種類です!




──── 地下10階 第一玄室(1周目)


バンッ!         ← 扉を蹴破った音


ドラゴンA 「シュウウゥ……ゥゥ……ッ」
ランプ 「こいつらは戦う価値あり、です!」
サーロイン 「うむ。
 そう言えば我々は、ティルトウェイトを5回も使えるんだよな。
 もうティルトウェイトで倒してしまうか」
ロース 「じゃ、私に任せて!!」


ティルトウェイト(最強の全体攻撃魔法)一発!!

さぁ、アイテムは?!


ランプ 「『腐った皮鎧』………」
三洲次 「アイテム運が腐ってますよね……」
サーロイン 「やれやれ………。
 ところで、桃?」
「うぃ?」



ロース 「ちょ………あ………」
サーロイン 「頼むから罠はちゃんと解除してくれ……」
「あ……悪ぃ………」
三洲次 「前回から2連続でミスか……」


──── 第二玄室(2周目)


またもや、ティルトウェイト一発!!

サーロイン 「今後は、もうティルトウェイトだけ唱えてればいいかな?」
ランプ 「ロースは詠唱も素早いから、もう任せていいかと……」

で、アイテムは....?



ランプ 「『隠れ身』の薬です」
ブリスケット 「あっしとしては、薬より巻物の方がしっくりきやすな」
ロース 「そう言えば、他の薬は全て『治療』するものなのに、これだけ違うのね」
三洲次 「なんで薬なんですかね?」
サーロイン 「透明人間になる薬なんじゃないか?」
ブリスケット 「え?
 なら、町に戻ったら、是非あっしに使わせてくだせえ!」
ロース 「何に使うのよ…?」
三洲次 「ソピックなら、お前唱えられるだろ」
ブリスケット 「おぉ!そいつぁは盲点!」
ランプ 「薬1つで、よくそこまで会話が膨らみますね」
サーロイン 「最近、アイテムの話題が他に無いからな……」

マジでアイテム運が低調だわ、最近......。




とりあえず、2周目に行きますか。



──── 地下10階 第一玄室(2周目)




サーロイン 「よし! こちらに気付いてないぞ」
ブリスケット 「お?
 あやつ、どこかで見た気が……」
三洲次 「上の階にもたくさん居たシーフたちですね。
 弱いから、チャチャッと倒しましょう」
ランプ 「いえ、こいつは違うと思います」
三洲次 「え?」
ランプ 「上で出てきた奴らは名ばかりの奴らですが、こいつは本物の盗賊団の頭領です。
 上の階の奴らはレベル4~6、H.P.も多くて36程度。
 しかし、こいつはレベルが12、H.P.も倍の72まであります」
ロース 「あ、思い出したわ!
 私とブリ助で攻撃したのに、全然倒れなかった奴ね!」
ブリスケット 「しかもボディガードを放って、さっさとトンズラしやしたな」
サーロイン 「あったな、そんなこと。
 よし!
 この機会に倒してしまおう!」
ランプ 「盗賊団の頭領なら、アイテムも期待できますよ!」
三洲次 「じゃ、まずは邪魔なボディガードから…(スラッ!)」


三洲次 てやああぁっ!!
ファイターA ぎゃああぁぁっ!!!
マスターシーフ え?!


サーロイン 「よお、久しぶりだな」
マスターシーフ 「あーーーーっ!!
 『ローター』レンジャーズ!!」
サーロイン だからローターじゃないっ!!!
マスターシーフ 「お前ら、またここに戻って来たのか?!」
サーロイン 「あぁ、そうだ。
 ところで、今回はボディガードも少ないし、もう逃がさな…」


マスターシーフ またなっ!!
サーロイン え?!
三洲次 「逃げ足、早っ!!」
ランプ 「さすが盗賊団の頭領ですね。
 逃げ足もトップクラスですよ」
ロース 「感心しないでよ」

戦闘開始と同時に、逃げられた......。


とりあず残ったファイターを、あっさりと倒す。

ブリスケット 「また逃しちまいやしたね」
サーロイン 「まぁ、いずれまた遭えるだろうから、その時こそ倒そう」
ランプ 「では、お宝の方を……」



ランプ 「『忍耐の兜』でした」
ロース 「盗賊団の頭領のくせして、大したモノ持ってないわね」
ランプ 「残念………。
 なんか……本当にアイテム運が落ちましたね……」
サーロイン 「ここが忍耐のしどころだな」
三洲次 「笑えないです」


──── 第二玄室(2周目)



マダルト(強力なグループ攻撃呪文)を一発撃たれたが、
やっぱりロースのティルトウェイトであっさり終了。
便利すぎる......。


ランプ 「『破滅の皮鎧』………」
ロース 「ロクなの出ないわね」
ブリスケット 「一応、未入手だったアイテムでっせ、これ」
三洲次 「だからって、呪われた装備は何個もいらないよ」
サーロイン 「じゃ、何か呪われていない鎧に誤魔化して売ってみるか?」
ロース 「例えば?」
サーロイン 「『鬼滅の皮鎧』とか、カッコよくないか?」
三洲次 「何だよ、それ………」




──── 地下10階 第一玄室(3周目)


もう、ティルトウェイトさえ唱えていれば、良いんじゃないかと思う。


ランプ 「『銅の小手』ですね。
 これ、どうしますか?」
サーロイン 「もしかして、わざと言ったか?」
三洲次 「本当に、最近話題が無いですね……」


──── 第二玄室 (3周目)



ハイマスター 「諸君っ!!
 情報では、もうすぐこの玄室に、かのローラーレンジャーズが来るそうだ!!
 奴らを倒し、是非ともワードナ様から褒美をもらおうではないかっ!!」
   
サーロイン 「ミーティング中かな?」
ブリスケット 「カッコつけて喋ってる場合じゃねぇっすぜ」
   
ハイマスター 「それでは、全員天井に登るぞっ!!」
   
三洲次 「そんなことしてるから、間に合わないんだろ……」
ロース 「ねぇ、今の内に倒しちゃってよ」
サーロイン 「よし! ここは俺に任せるんだ!」
   
ハイマスター 「では、まずは拙者から天井へ!」
サーロイン てやあああぁぁっ!!
ハイマスター とおっ!!


シャッ……!

サーロイン 「(スカッ!)え?!」

…………トンッ!

ハイマスター 「よーし!
 お前らも早く……ん?!」
サーロイン 「……あれ?」
   
三洲次 「ちょうど天井に飛ぶタイミングで斬りかかるから……」
ランプ 「見事にスカりましたね……」
   
ハイマスター 「あーーーっ!!
 ローラーレンジャーズじゃないかっ!!
 お、おい!
 手下ども、早く上がって来いっ!!!」
ロース 「もう来てるのに、今さら天井に登って、どうするのよ……」
   
ハタモト 「よし!とりあえずゴーゴンを上げろ!!」
メイジA 「おい!紐を寄越せ!!」
ブリスケット 「……やっぱり登るんすか?」
   
ゴーゴン ブモーッ!ブルッ!ブルルッ!
メイジA こらぁっ!暴れるなっ!!
メイジB おいっ!紐が結べないだろっ!!
   
三洲次 「こいつら、状況分かってんのかな……?」
ランプ 「さぁ…………」
サーロイン 「もう、分からせてやれ」
三洲次 「じゃ…(スラッ!)」


ハタモト ぐわあああぁぁっ!!!
   
サーロイン 「では、後は天井に居る奴もろとも、
 ティルトウェイトで吹っ飛ばしてやれ」
ロース 「任せて!」


ハイマスター うそおおおおぉぉっ!!?



余裕で勝利
もうティルトウェイトさえ唱えてれば(略

で、アイテムは......


ランプ 「『力のメイス』と『メイジマッシャー』でした」
三洲次 「微妙だな……」
ブリスケット 「2つありやしたから、期待したんすが……」
サーロイン 「メイジマッシャーって、上級魔術師協会にも効果があるかな?」
ロース 「無くても倒せてるから、別に要らないでしょ」
サーロイン 「じゃ、売るか……」


なんか進展が無いなぁ........





今回は、4周目までいきますか。


──── 地下10階(4周目)


4周目は、第一玄室に辿り着く前に、道中で......




メイジA 「いったいハイウィザード様は、どこに行ったのじゃ……」
メイジB 「あんなに喜々として出かけた割に、遅いのぉ……」
メイジC 「探しに行くこちらの身にもなってほしいものじゃ……」

三洲次 「あいつら、この前会ったメイジたちじゃないですか?」
ブリスケット 「どうしやす?」
サーロイン 「これまで、通路で出会った敵は全部やり過ごしていたが、今回は戦うか。
 この前の借りもあるからな。
 幸い先制攻撃ができるから、今度はこちらが一方的にやってやろうじゃないか!!」
三洲次 「じゃ、俺に任せて下さい!!」
   
メイジA 「え?」


メイジA ぐわああああぁぁっっ!!!
メイジB 「え? え?!
メイジC うわああああぁぁ!!?
 ローラーレンジャーズだあああぁっ!!
サーロイン てやあああぁぁ!!


メイジB ぎゃあああぁぁっっ!!!
メイジC 「わわわわわわ!!!
 き、奇襲なんて、卑怯じゃぞっ!!」
メイジC 「だいたいお前ら、逃げ回ってるんじゃなかったのか?!」
ブリスケット 「そう思われるのは不本意っすな」
サーロイン 「そんなことより、お前らはハイウィザードを探してるのか?」
メイジC 「な、なぜ知っておる?!」
ロース 「さっき歩きながら、そう喋ってじゃない」
サーロイン 「いいことを教えてやる。
 ハイウィザードなら、ティルトウェイトの爆風を浴びて、あっさり死んだぞ」
メイジC 「え?
 あぁ、なるほど。
 そりゃ居ない訳……なにいいいいぃぃぃっっ?!!
三洲次 「そのリアクションは、もういいって……」
メイジC 「く、くそっ!!
 こうなったら、ワシがお前らを…」
サーロイン 「…倒せると思うか?」


メイジC 「ぐほおおおぉぉっっ!!!」
サーロイン 「この前の奇襲の借り、確かに返したぞ!!」
ブリスケット 「領収証は不要ですぜ」

ここ最近は、通路上で出会った敵は全てやり過ごしていたけど、
なんとなくネタになりそうだったので、戦ってみた。
先制できたし。


さて、そんなこともありつつ......


──── 第一玄室(4周目)


....第一玄室へ。


バンッ!





サーロイン 「お? レイバーロードの集団だ」
ランプ 「こちらに気付いていないですね」
サーロイン 「よし、今の内に倒してしまおう!」
三洲次 「では…(スラッ!)」

敵の背後から、三洲次がゆっくりと近づく......

三洲次 「(そろそろ……)ふりむくな……ふりむくな……ふりむくな……」
ハイプリースト 「!?
 君は狙われてーいるっ!!
レイバーロード !?


レイバーロード でんじいいぃぃせんたあああぁぁ!!!


ブリスケット 「あっさりと倒せやしたね」
サーロイン 「残りの奴らも、覚悟はいいかっ!?」
ハイプリースト 「リルガミンからやって来た、
 恐ろしい恐ろしいローラーレンジャーズ!!」
サーロイン 恐ろしいとは失礼なっ!!!
ジャイアント 「どうする?どうする?どうする?」
デーモン 「君ナラ ドウスル?」
ロース 「こうするわっ!!」




ロース 「1匹耐えたわっ!!」
ランプ 「ティルトウェイトにも耐えるとなると……」
デーモン 「ドウスル? ドウスル? ドウスル?
 君ナラ ドウスル?」
サーロイン 俺たちに!!
三洲次 任せるんだ!!



デーモン デンジイイィィマアアアァァ!!!
   
ロース 「相変わらず会話も断末魔も、意味不明な連中ね……」
ブリスケット 「ま、今回は先制できやしたから、あっさり終わりやしたね」
サーロイン 「うむ。
 では、宝箱を開けよう」


三洲次 「どうする?」
あたいに任せるんだ!!


三洲次 「何を?」



三洲次 「最近、また失敗が目立ってきたな……」
ロース 「あら…でもアイテムが2個出てきたわ」
ランプ 「お! もしかしたから期待できるかも知れません!
 ではでは、さっそくキャンプをはって……」


ランプ 「うわっ!!」
サーロイン 「えっ?!
 僧侶が麻痺したままな……」


サーロイン 「………のに………」
ロース 「突然出てきて、気付いてないのぉ…?」


三洲次 「しかも、マーフィーズゴーストかよ……」
ランプ 「不幸中の幸いですね」
サーロイン 「ブリ助が麻痺しているから、桃が前衛に出てしまったな。
 よし!
 せっかくだ、桃!
 久しぶりに攻撃するか?」
「うっしゃーぁっ!!!
 腕が鳴るぜ!!!」
ランプ 「大丈夫ですか?
 マーフィーはACがグレーターデーモン並に優れてますから、
 そもそも攻撃が当たりにくいですよ?」
サーロイン 「うむ。
 俺たちでも、複数回ヒットすれば良い方だしな」
三洲次 「もう昔のように前衛を務めてないから、さすがに厳しくないか?」 
あたいに任せるんだっ!!!
ロース 「なんかやる気満々だし、戦わせてあげたら」
サーロイン 「では、まずは我々で……」
三洲次 「……お手本を見せますか」



三洲次 「ほらな?
 せいぜい1回ヒットが限界なんだよ」
サーロイン 「うむ。1回ヒットすれば御の字だな」
てやあああぁぁっっ!!!
三洲次 「……人の話し聞けよ………」


サーロイン  Σ (  д ) ≡ ゚ ゚
三洲次  Σ (  д ) ≡ ゚ ゚

うっしゃあああぁっ!!
 楽勝だぜええぇぇっ!!
   
サーロイン (; ゚д゚)………………
三洲次 (; ゚д゚)………………
   
サーロイン 「盗賊の短刀って……最大4回ヒットだったっけ……?」
三洲次 「あっさりと全部ヒットさせた……ってこと?」
サーロイン 「しかも今のって、倍打か……?」
三洲次 「マジで桃って……なんなんだよ………」

ってか、サーロインのダメージも倍打だろうに......。


とりあえず2ターン目へ。



2ターン目は、なんとか本来の前衛2人で倒す。

でも、やっぱり1回しかヒットしてないよ......。


サーロイン 「ひそひそ…(な…なぁ……今のレベルだと普通さぁ……)」
三洲次 「ひそひそ…(やっぱり1回ヒットですよねぇ………)」
サーロイン 「ひそひそ…(4回ヒットなんて、普通はできないよなぁ?)」
三洲次 「ひそひそ…(まぁ、あいつがおかしいだけなんだと……)」
ロース 「ほら、そこぉ! なぐさめ合わないのぉ!」


さて、そんなこんなで第二玄室


──── 第二玄室(4周目)


ハイマスター 「拙者らに任せるのだ!!」


ハイマスター はぎゃああああぁぁっ!!!

もうティルト(略



ランプ 「お! 第一玄室の敵が『沈黙の杖』を持っていました!」
サーロイン 「使うと破損する可能性があるから、もったいなくて使ってなかったが、
 せっかくだからガンガン使ってみるか?」
ランプ 「いいですね!」
サーロイン 「では今度から、積極的に使っていくことにするか。
 あぁ、ところで、桃?」
「うぃ?」


サーロイン 「このまま任せて、大丈夫か……?」
「ぁ~…………」


今回は、ここまで!



「96.頼りになる人、ならない人」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 11 94 17 16 14 15 14 10 1 0 ティルトウェイトがあると前衛の出番が減るな。
三洲次 11 123 17 13 13 16 15 18 3 3 村正なのに、なぜマーフィーが一撃じゃない?!
14 154 17 18 17 16 15 16 0 0 罠の解除率が酷くなり、なんか出番が増加中…
ロース 13 154 14 18 17 17 18 10 0 2 ティルトウェイトが強力で、ほぼ毎戦闘で活躍。
ランプ 18 84 18 18 18 16 18 13 0 9 最近、出番がほぼ鑑定だけに。
ブリスケット 12 111 13 18 18 15 15 13 3 4 お前にいたっては全く出番が無くなってないか?

 


【更新履歴】
2021年 8月21日:一部の表現を見直しました。
2021年 6月 5日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年11月 1日:セリフを一部見直し。次ページへのリンクを設定。
2020年10月25日:新規公開。