54.親と上司と宝箱は選べない

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約6分



──── 地下10階 ワードナの事務所

仄暗い部屋の中で、一人の老魔術師....ワードナが、
大きな木製のチェアに深く座り込みながら、
静かに考えごとをしている......。

そして、そこへ........


バンパイアロード 「ワードナ殿……」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「上級魔術師協会が壊滅したようです」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「しばらく前に来ていたハエが……、
 まだ飛び回っているかと………」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「いかが致しますか?」
ワードナ 「………………この前と同じでよい」
バンパイアロード 「また追い返すだけになるかも知れませんが…?」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「……………………」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「ま…、それでよろしければ………。
 では……」
ワードナ 「ケジメをつけるのは悪魔ではない」
バンパイアロード 「え?」
ワードナ 「そいつらを潰すのは、残った協会員たちのケジメだ。
 勘違いするな………」
バンパイアロード 「承知致しました。
 その様に伝えておきます」

…………


……………………


………………………………


本日も、地下10階で経験値とアイテムを稼いでいきます。


──── 地下10階 第一玄室



ギイイィィ......ッ




先制できた上に大した敵でもないので、楽勝。

で、アイテムは.....、


ロース 「『なまくらな剣』ね」
三洲次 「ファイターのくせして、こんなモノを宝箱にしまってるのかよ…」
ランプ 「人の価値観は分からないもんですね…」
ロイン 「とりあえず、次へ行こう」

......と、


....歩き出した途端っ!!!



三洲次 「うわあああぁぁぁっっ!!!」
ブリスケット 「こ…この3匹は、もしやっ?!」
ロース 「この前の3匹だわっ!!!」
ロイン 「どこに潜んでたんだっ!!?」
ランプ 「ファイターとの戦いに集中してて、
 接近に気付かなかったのではっ!?」

こいつら、またかっ!!?

ってか、奇襲では魔法は来ないものの、
へたすりゃ前衛がタダでは済まないのでは?!!

なぜって、グレーターデーモンの直接攻撃には
確か毒と麻痺の追加効果があったような気が......?


デーモンA ギシャアアアァァァッッ!!!!
ブリスケット 「ぐわあああぁぁっっ!!!」

......いや、別にウラ取らなくていいよ........。


ブリスケット 「ふぅごおおぉぉぉおおっっ!!」
三洲次 「ブリ助が、また袋叩きにあってますよ……」
ロイン 「あいつ、なんであんなに奇襲に弱いんだ……」
ランプ 「ブリ助って、絶対にドMですよね……」

……………………

…………



ブリスケット 「ぐ………が………っ……」
三洲次 「なんとか今回も、忍者のクリティカルヒットだけは回避しましたね」
ロース 「で…でも……」
ロイン 「こいつらは、戦っても勝機が見えない……」
ランプ 「逃げるしかないでしょう……」

そう、今のパーティーでは勝てる見込みがないので、
もはや選択肢は「逃げる」しかない。

しかし!!

もし逃げ損なったら、パーティーが壊滅するのは目に見えている!!

と、言うことで......、


.... このプレイをしていた頃にネットで知った、
確実に戦闘から離脱できるマロール(瞬間移動の呪文)の詠唱
いわゆる「マロール逃げ」を、今回試します!!


そう!
戦闘から離脱する方法は2つ

1.逃げる
2.マロールの呪文を唱える

もちろん、それぞれメリットとデメリットがありますが....。


  成功率 前提条件 ダメージ ペナルティ
逃げる 75%~ 無し (成功時)確実にゼロ
(失敗時)敵の総攻撃
マロール 100% マロール習得 呪文詠唱まで戦闘継続 より強い敵がいる下の階へ移動


「逃げる」は、誰でもいつでも出来るが、結果はオール・オア・ナッシング
ぶっちゃけ、運次第

一方の「マロール逃げ」は、確実さがメリットですが、
より強い敵が居るフロアへ飛ぶというペナルティと引き換え

(*) 下の階へ飛ぶかどうかは、機種によって違うんですかね?


......と、いうところでしょうか?

戦況に応じてどちらが良いか、プレイヤーの判断能力が問われます


ところで......、マロール逃げのペナルティで、1つ気になることがありますね。

一番下の階である地下10階でマロール逃げをしたら、どうなるのでしょう?

一番下の階より下ということは、「石の中」に飛ぶのでしょうか?


答えは、「いいえ」です。

飛ぶ先がグルッと一周して、地下1階に戻ります


ペナルティどころか、むしろ安全な帰還を後押し!!

地下10階なら、選ばない手はない!!
(逆に地下9階で選ぶのは自殺行為だけど....)


と、言う訳で、マロールで戦闘から脱出するぞ!!


いざっ!


いきなりグレーターデーモンのダルトがパーティーを襲う!!

三洲次 「ぐわああぁぁっっ!!!」
ランプ 「ひいいぃぃっっ!!!」
こいつらあああぁぁっっ!!!
 ぶっ殺すっ!!!!
三洲次 「ちょ!桃っ!!」


ランプ 「1匹倒しましたよっ!!」
三洲次 「いや、1匹倒したところでっ?!
 ロイン、早くっ!!」
ロース 「どうせノロいんだから、時間を稼ぐのよっ!!
 マリクトォォォッッ!!



当然のごとく、グレーターデーモンは全員呪文を邪魔するが、
レベル8ニンジャが2人とも倒れる!!

とりあえず、脅威は減った!

そして............、


来た!!
ロインのマロールだっ!!!


......ブウゥン......ブウゥン......!!


………………………………


……………………


…………



三洲次 「はぁ……はぁ……」
ランプ 「ど……どうやら、逃げられましたね……」
ロース 「で……ここはどこ?」
ロイン 「ちょっと待ってくれ。
 今、宝石の指輪で確認する」


どうやら、無事に地下1階にワープしたようだ。

ふぅ...危なかった。


態勢を立て直すため、一旦城に戻ります。


──── ボルタック商店


店員(女) 「これだけなの?」
ランプ 「まぁ……その、ちょっと運が悪くて……」
店員(女) (時々、本当に地下10階に行っているのか、
 疑わしい持ち込みがあるのよねぇ……)



──── 地下10階 某所....

??? 「ワードナ様からの直々の命令じゃ!!」
??? 「「……………」」
??? 「ローラーレンジャーズは、我らの手で葬り去るのじゃ!!」
??? 「「……………」」
??? 「協会を壊滅させられた恨み、
 今こそ晴らしてやろうぞっ!!」
??? 「「おおっ!!」」

………


………………


………………………


──── 地下10階 第一玄室

 

ギイイィィ......ッ



メイジA 「待っておったぞ! ローラーレ…


ゴーゴン ブホゴオオォォオッ!!
メイジA  ……え?!


メイジA 「アアアアァァアアッッ!!」
メイジB 「イイイイィィイイッッ!!」
メイジC 「ウウウウゥゥウウッッ!!」
   
ロイン 「今回は楽勝だったな」
ランプ 「それではいってみましょう!!
 お宝タアアァァーーーイムッ!!!
ロース 「カルフォ!!」


ロイン 「次、行くか……」
ランプ 「ええええぇぇええっっ??!」
三洲次 「………『お』は?」
ロース 「何の話しよ?」


──── 第二玄室


メイジA 「待ってお……


メイジ達 「「「オオオオォォオオッッ!!」」」
   
三洲次 「………………」


ゴーゴン 「フォゴオオオォォオッッ!!」
   
「倒したぜ」
ロイン 「ご苦労」
「せっかくだから、今晩もゴーゴンのバーベキューを試すか(ゴリゴリ…」
三洲次 「………この前の……食ったの?」
「味付けの研究中だ…(ゴリゴリ…」
三洲次 「……一応、食べたんだ………」
ランプ 「では、その間に我々は、お宝タイムといきましょうっ!!」
ロース 「カルフォ!!」


ロイン 「プリーストブラスターか……。
 三洲次の見立ては?」
三洲次 「えぇと………、ん~………、
 んんんん……?」
ロイン 「どうした?」


三洲次 「罠なんて、掛かってないですよ」
ロイン 「本当か?」
ロース 「あら? なによ!
 私のカルフォが間違ってるって言うの?!」
三洲次 「それ言うなら、俺の腕が間違ってるって言うんですか?」
ロ&ブ&ラ ((それは言えると思う……))
ロース 「じゃぁ、賭ける?」
三洲次 「いいでしょう!
 じゃ、間違ってた方は、桃が作るゴーゴンのバーベキューを食べる、ってことで!」
「褒美って勝った方だろ?
 負けた方が食べる、って逆だろ?」
ロ&ブ&ラ ((そこは合ってると思う……))
ロース 「何でもいいわよ。
 どうせ私が勝つんだし」
ロイン 「とりあえず、プリーストブラスターの前提で
 解除に挑戦してもらえるか?」
三洲次 「まぁ、万が一を考えると、そうですよね。
 では……」



三洲次 「俺の勝ち」
ロース えーーーっ??!
 そんなことってあるのぉ?!!」

ロースのカルフォが間違っていたのって、これが初めてかも......。

ブリスケット 「意外な結果っすね…」
三洲次 「『意外』って、どういう意味だよ…」
ロース 「だいぶショックゥゥゥ……」
ロイン 「お前、賭けに弱いな」
「なぁ? ロースは、塩とタレのどっちが好きだ?」
ロース え?!

で、肝心のアイテムは......?



「切り裂きの剣」と「腐った皮鎧」。


うん....、まぁ.........要らない



──── ボルタック商店


ランプ 「買い取りをお願いします」
店員(女) (地下10階に行ってるって、実は嘘じゃないかしら…?)



今回、3周目。

──── 地下10階 第一玄室


敵はウィルオーウィスプ


アイテムは「眠り」の巻物


──── 第二玄室


敵はドラゴンゾンビ


アイテムは「隠れ身」の薬


──── ボルタック商店


ランプ 「今回も2個です」
店員(女) (地下10階に行ってるなんて、絶対に嘘だわ)
ランプ 「…………どうしたんですか?
 その何かを疑うような表情は?」
店員(女) 「別に」


なんか良いアイテムが全然出ないなぁ......。

プレイ記録なので、起きた出来事を受け入れて書くしかないとはいえ、
戦闘含めて、ちょっとマンネリ化してきたかも......。




4周目。
今回は、4周目までにしますか....。


──── 地下10階 第一玄室


久々に敵の奇襲
それもマスターニンジャに。


ただ、幸いにも首刎ねは無く、無事に勝利


アイテムは「暗闇」の巻物「銅鎧」
どっちも、上の階でも手に入るシロモノだな....。


とりあえず......、


.....途中のザコを捌きつつ、次へ。


──── 第二玄室


なんと、こちらの玄室も奇襲!
それも4グループもの大群に!!


しかも!!


桃を....


....集中攻撃!!!


てめえええぇぇらあああぁぁっっ!!!!
 根こそぎブッ殺してやるぅぅっっ!!!!
三洲次 「桃!! 数が多いってっ!!
 なんでも打撃だけで解決するなって、いつも言ってるだろ!?」
ランプ 「9ターンかかりますよ……」
放せええええぇぇっっ!!!
 三洲次ぃぃいいいっっ!!!
三洲次 「ロインもさぁ!!!
 いつも早くして、って言ってるよねっ!!」
ロイン 「おととと……、ティルトウェイト!!」




なんとか死者を出さずに勝利

やれやれ........。


アイテムは「明かり」の巻物「病めるメイス」


今回は出てくるアイテムがどれもヘボくて、
俺の方が病みそうだ.......。



──── ボルタック商店


店員(女) 「…………………………」
ランプ 「………どうしたんですか?」
店員(女) 「今、何階に行ってらっしゃるの?」
ランプ 「地下10階ですよ。
 どうしてですか?」
店員(女) 「これが地下10階に行ってる成果なの?!
 だとしたら、あなた達のアイテム運自体が
 病んでないかしら?」
ランプ 「うるさいですねっっ!!
 親と上司と宝箱の中身は選べないんですっ!!!」

 

「55.ドラゴンと盗賊団の頭領」へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 14 84 18 18 13 18 18 14 0 また無難になってきて、ネタにならなくってきた。
三洲次 16 72 18 18 11 16 18 18 3 罠解除は、本当に地下10階が一番安定している。
13 104 18 18 18 18 18 18 0 ゴーゴンとかって、食ったら腹壊さないのかな?
ロース 14 109 18 18 18 18 18 15 2 とうとうカルフォで失敗。
ランプ 14 51 15 18 18 15 17 11 4 またアイテム運が低下してきた…。
ブリスケット 13 115 18 18 16 18 18 11 2 今回、後半は全然喋ってなかったぞ。

 


【更新履歴】
2021年 7月10日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年12月15日:台詞を一部見直し。次ページへのリンクを設定。
2019年12月 7日:新規公開。