113.唱えよ、早く

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
元接近戦最強の少女。現在は盗賊。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約12分
※ページが崩れる場合、本サイトのキャッシュをクリア願います。



──── 地下10階 某所......
     上級魔術師協会(4代目) 本部

ハイウィザード 「会長、対ローラーレンジャーズ専門の暗殺チームの内、
 最後の第3暗殺チームの特訓が完了致しました」
アーチメイジ 「おぉ!やっと終わったか!!」
ハイウィザード 「第3暗殺チームの作戦は、第1~2チームの優れた点を継承しつつ、
 これまでの失敗に関する対策を取り込んだ、完璧なものであります」
アーチメイジ 「うむ、うむ」
ハイウィザード 「もはや敗北はあり得ません。
 勝利あるのみ……です!」
アーチメイジ 「ついにローラーレンジャーズを倒す時が来たな。
 この時が来るのを、どれほど長く待ち望んだことか……」
ハイウィザード 「せっかくですので、特訓の成果をご覧になられますか?」
アーチメイジ 「そうだな、是非見せてもらおう」
ハイウィザード 「では、訓練所までご案内致します」
アーチメイジ 「うむ」

   ………………………

   ………………

   ………


──── 地下10階 某所......
     第3暗殺チーム 訓練所

ハイウィザード 「会長がおなりだ!!
 レベル8ビショップたちっ!!
 全員、集合しろっ!!」
   
ビショップ達  ダダダダダダ……ザッ!!
   
ハイウィザード 「全員、集合したか!?」
ビショップ達 「「はっ!!」」
ハイウィザード 「会長、こちらが第3暗殺チームのメンバーになります」
アーチメイジ 「またレベル8ビショップなのか………まぁ、そこは不問としよう。
 諸君っ!!
 君らはローラーレンジャーズを倒すための最後の希望の星だ!!
 それゆえ特訓が終わるまで、長い月日がかかるのも許してきたのだ!!
 今こそ、その長きに渡った特訓を活かし、結果を出してもらいたい!!」
ビショップ達 「「はっ!!」」
ハイウィザード 「では、会長。
 特訓の成果をご覧にいれます」
アーチメイジ 「うむ、期待しておるぞ」
ハイウィザード 「それでは、全員!!
 会長に特訓の成果をご覧にいれろっ!!」
ビショップ達 「「はっ!!」」
   
   
ビショップA 生麦生米生卵
ビショップB 青巻紙赤巻紙黄巻紙
ビショップC 隣の客はよく柿食う客だ
ビショップD 坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた
   
   
アーチメイジ 「……………………………………」
ハイウィザード 「………………………………」
アーチメイジ 「……………………………………」
ハイウィザード 「会長?」
アーチメイジ 「……………………………………」
ハイウィザード 「いかがですか?」
アーチメイジ 「………何が?」
ハイウィザード 「実に素晴らしい早口言葉ではありませんか?」
アーチメイジ 「それが?」
ハイウィザード 「これほど正確かつ流暢に言えるようになるまでには、大変な苦労を致しました」
アーチメイジ 「だから?」
ハイウィザード 「おや? 会長には、この早口言葉がローラーレンジャーズを倒す秘策だと、理解できておりませんね?」
アーチメイジ 「どこが?」
ハイウィザード 「では、説明を致しましょう。
 奴らを倒す作戦の第1フェーズでは、まず逃走する奴らの進路を塞ぎ、攻撃魔法を浴びせます。
 ここまでは第1~2チームが完璧な戦術を確立致しました。
 しかし第1フェーズでは倒しきれないので、奴らが反撃に転じる通常ターンが発生します。
 この通常ターンが第2フェーズになるのですが、我々はこの第2フェーズでいつも殺られてきました。
 そこで、この第2フェーズの敗因を分析しました。
 その結果、いつも奴らの方が早く呪文を唱えるため、それで我々は成す術も無く殺られているのだと判明しました。
 よって、第2フェーズで奴らを確実に倒すためには、奴らよりも早く呪文を唱えることが求められるのです!」
アーチメイジ 「まさか………」
ハイウィザード 「そうです!
 あの早口言葉の練習により、素早く呪文が詠唱できるようになり、
 奴らよりも早く呪文で攻撃することが出来るのです!!
 あれこそがローラーレンジャーズを倒すための、最後の秘策なのですっ!!」
アーチメイジ 「………遊んでるだけだろ?」
ハイウィザード 「違います。
 おい!ビショップ!!」
   
ビショップE 魔術師集中して魔術修行中!
   
ハイウィザード 「ほら、魔術の修行中だと言っています」
アーチメイジ 「……………………………………」
ハイウィザード 「お分かりになりましたか?」
アーチメイジ 「……………………………………」
ハイウィザード 「分からなかったら『分からなかった』と言わなかったら、分かったか分からなかったか分からないじゃないか?!」
アーチメイジ 「………頭が痛くなってきた…………」

   ………


   ………………


   ………………………


   ………………………………


──── 早朝 地上......
     ギルガメッシュの酒場

サーロイン 「ほぉわあぁたたたたぁたたたぁたたたたっ!!!」
   
ランプ 「…………………………」
ロース 「…………………………」
ブリスケット 「…………………………」
   
三洲次 「ふわぁ~……遅れて すいませぇ~ん………」
   
サーロイン 「ひょぉぉおおちょわたたたたたたたたたたっ!!!」
   
三洲次 「(ビクッ!)な、なんだ?!」
ブリスケット 「おはようっす、三洲次っち」
三洲次 「え? なに? 何が起きてるの?!」
ロース 「なんだか知らないけど、朝からロインがあんな調子なの」
ブリスケット 「延々とあんな叫び声を繰り返してるんすよ……」
ランプ 「恥ずかしいから、止めてほしいんですが……」
三洲次 「はぁあ?
 なぁ、ロイン?
 朝っぱらから何を叫んでるんです?」
サーロイン 「お、三洲次、お早う!
 何か言ったか?」
三洲次 「何を叫んでるんです?って聞いたんです」
サーロイン 「新しい必殺技の練習の1つだ!」
三洲次 「………どんな?」
サーロイン 「それは今日の冒険を楽しみにしていてくれ。
 ほわあぁあちゃちゃちゃちゃぁちゃちゃちゃぁぁあああっ!!!
 うむ……早口言葉で練習をした成果が出てるぞ!」
三洲次 「器用に発音するなぁ………」
ブリスケット 「早口言葉の練習って……わざわざ練習してたんすか……?」
ロース 「ねぇ、ほっといて、今日の予定を話しましょうよ」
ランプ 「そうですね。
 とは言っても、今日もレアアイテムを求めて地下に潜るだけかと」
三洲次 「ま、そうですね」
ブリスケット 「お! そうだ、ロースはん?」
ロース 「なに?」
ブリスケット 「レアアイテムを日本語で何て言うか、知ってやすか?」
ロース 「知ってるわけないでしょ。
 何て言うのよ?」
             ちんぽう
ブリスケット 「珍しいお宝、略して『珍宝』!」
ロース 「………………………………」
ブリスケット 「では、ご一緒に発音をっ!
 せ~のっ!
ロース 変態ぃぃっ!!ドガッ!!
ブリスケット ふごおっっ!!!
ランプ 「朝っぱらから、何やってんですか……」
   
「遅れて悪ぃ……ぅ~…眠ぃ……」
   
サーロイン いいぃぃぃやぁぁああたたたたたたたたたつ!!!
   
敵襲だああぁっ!!ドガァッッ!!
サーロイン ぐほおおおおおおおおおおおおおおおおお....(キラン!
   
三洲次 「窓からふっ飛んで行ったな……」
ブリスケット 「マロール(物理)っすか?」
ロース 「寝ぼけてる桃の前で訳分かんないこと叫ぶから……」
ランプ 「本当に朝っぱらから、なんなんですか……」




さて、現在アイテム全種類入手を目標にプレイ中です。
そして残る未入手のアイテムは、下記3種類

・守りの盾
・回復の指輪
・破邪の指輪

本日もこの3種類の入手を目指し、ひたすら地下10階第2玄室までを周回したいと思います!




──── 地下10階......


では、いってみましょう!!!


──── 第一玄室(1周目)


バンッ!        ← 扉を蹴破った音



サーロイン 「よーし!!
 今日は初っ端からツイてるぞ!!」



先制中にある程度片付け......


....残りはマカニト(Lv7以下の魔物を倒す呪文)瞬殺!


よしよし!
いい滑り出しだな!!


ブリスケット 「メイジブラスターっすね」
サーロイン 「じゃ、桃、いつも通り頼むぞ」
「うぃ」


「開いたぜ」
三洲次 「開けるのにも手慣れてきたな、ガス爆弾じゃなければ…だけど」
「なんか言ったか?」
ブリスケット 「まぁまぁ……、えぇと……巻物と……」


ロース 「……剣も入ってるわ」
サーロイン 「2個も入ってたか。
 アイテムも期待できる滑り出しだな」
ランプ 「では、鑑定しましょう。
 ちなみに、皆さんは何だと思います?」
三洲次 「『苦しみ』の巻物」
ランプ 「もう少し前向きになりましょうよ……」
三洲次 「巻物で、どう前向きになれと……?」
ロース 「じゃ、剣は『真っ二つの剣』」
サーロイン 「それは前向きなのか?」
ランプ 「では、答え合わせを………」


ランプ 「三洲次、正解です」
三洲次 「やったーーっ!」
ブリスケット 「これ………嬉しいっすか……?」
サーロイン 「で、剣の方は…?」


ランプ 「ロース、不正解です」
ブリスケット 「全然違うじゃねぇっすか」
ロース 「ちぇっ、残念だわ」
サーロイン 「…………………………」
三洲次 「…………………………」
「…………………………」
ロース 「…………………………」
ランプ 「…………………………」
ブリスケット 「…………………………」
サーロイン 「おい! これのどこが残念なんだよっ!!」
三洲次 「これで4本目じゃないですかっ!!」
ロース 「この前、救助隊が見つけて、まだ少ししか経ってないのに……」
ブリスケット 「意外と早く出てきやしたね……」
サーロイン 「これは……今日の冒険は絶好調の予感だな!」

予想外の収穫ウハウハで、第二玄室へ!


──── 第二玄室(1周目)


バンッ!


サーロイン 「もう逃げ損なうのは勘弁だから……」
三洲次 「戦いましょう!」



かつての最速の男ブリスケットが早速マリクト(僧侶の最強攻撃呪文)を唱えるが、
マリクトほどの呪文でも、こいつらは倒せないのか......。


だが、ランプのダメ押しのマダルト(最強のグループ攻撃呪文)が続き、2手で勝利!
よしよし!


く........宝箱の中にはしか入っていなかった......。


第二玄室まで来たので、ここで地上へ戻る。


…………


……………………


………………………………


──── ボルタック商店


今回手に入れたカシナートの剣救助隊に渡すのが良いのでしょうけど、
結局ボルタックの棚に加えました。
ってか、なんで売っちゃったのか、もう忘れちゃった......。



ボルタックの品揃えも、だいぶ充実してきたな。




では、2周目です。



──── 地下10階 第一玄室(2周目)


バンッ!


??? 「待っておったぞ、ローラーレンジャーズ!!」
サーロイン 「え?」


ハイウィザード 上級魔術師協会、ここに推参っ!!
   
三洲次 「また面倒くさいのが出てきたな……」
サーロイン 「出オチが出てきたな…だろ」
   
ハイウィザード 「うぬぼれていられるのも、今の内だ!!
 お前らを倒すために、我々は今日まで特訓を重ねてきたのだっ!!
 今回こそ、覚悟をするんだな!!」
   
ブリスケット 「何か言ってやすぜ?」
サーロイン 「気にするな。
 いつもの口だけだ」
ランプ 「とりあえず、こいつらは未入手のアイテムを持ってる可能性がありますので、
 いつも通り戦いましょう!」
サーロイン 「うむ」
三洲次 「う~~ん………」
サーロイン 「どうした、三洲次?」
三洲次 「いや、修行中、やたら強いハイウィザードに遭ったことがあるんですが、
 こいつから……そいつと同じ『自信』が伺えるので………」
サーロイン 「ほぉ、では、少し相手の出方を見てみるか」
   
ハイウィザード 「おい、ビショップども。
 まずは奴らの逃走中を襲う第1フェーズだ。
 奴らが逃げ出したら、すぐに回り込め!」
ビショップ達 「「はっ!」」
   
サーロイン 「では全員、奴らの出方を見極めるぞ!」
   
ハイウィザード 「では全員、奴らが逃げ出すのを待つぞ!」
ビショップ達 「「はっ!」」
   
サーロイン 「……………………………………」
   
ハイウィザード 「……………………………………」
   
サーロイン 「……………………………………」
   
ハイウィザード 「……………………………………」
   
サーロイン 「……………………………………」
   
ハイウィザード 「……………………………………」
   
サーロイン 「……………………………………」
   
ハイウィザード 「……………………………………」
   
サーロイン 「……………………………………」
   
ハイウィザード 「……………………………………」


サーロイン &
ハイウィザード
!!!

サーロイン 「え?」
ハイウィザード 「え?」
サーロイン 「…………………………」
ハイウィザード 「…………………………」
サーロイン 「ちょっと待ってろ!」
ハイウィザード 「ちょっと待ってろ!」


サーロイン 「おい、あいつら全然動かないぞ?
 なんでだ?」
ランプ 「さぁ……」
三洲次 「そういや以前遭った奴ら、こっちの逃走中を狙って襲ってきたな」
サーロイン 「じゃ、あいつら、こっちが逃げ出すのを待ってただけか?」
三洲次 「多分」
ブリスケット 「でやしたら、さっさとモンティ(呪文封じの魔法)であやつらを黙らせ、
 一気にカタをつけやしょう」
ロース 「そうね」
サーロイン 「よし、そうするか。
 では、ランプとブリ助で呪文を封じてくれ」
ランプ 「はい」
ブリスケット 「承知!」
サーロイン 「呪文の詠唱スピードであいつらに負けることはないだろうから、
 速攻で沈黙させて無力化したら、一気に倒すぞ!!」

ハイウィザード 「おい、あいつら全然逃げ出さないぞ?
 なんでだ?」
ビショップA 「さぁ……」
ビショップB 「また行動パターンが変わったのでは?」
ハイウィザード 「ええぇぇ……これでは、こちらの作戦がいきなりダメじゃないか!」
ビショップC 「完全に想定外でしたね」
ビショップD 「どうしますか?」
ハイウィザード 「仕方ない、いきなり通常ターンの第2フェーズから始めるしかない!」
ビショップE 「では?」
ハイウィザード 「マジック・アンサンブルをさらに強化した、
 マジック・シンフォニーでいくぞ!!」
ビショップ達 「「はっ!!」」
ハイウィザード 「特訓の成果を見せてやれっ!!」
ビショップ達 「「はいっ!!」」


サーロイン &
ハイウィザード


いざっ!!

サーロイン 呪文の詠唱、開始っ!!
   
敵たち 「「呪文の詠唱、完了っ!!」」
   
サーロイン 「え?!」
ランプ 「詠唱が早過ぎますっ!!」
ロース 「どういうことっ?!」
   
ハイウィザード ビショップどもよっ!!!
 我らの怒りと憎しみのシンフォニーを奴らに聴かせるがいいっ!!!
   
三洲次 「げ!
 まさかっ!?」
サーロイン 「三洲次、何か知ってるのか?!」
   
ハイウィザード 必っっ殺!!!
 マジック・シンフォニィィィィッッッ!!!
   
三洲次 あれは奴らの必殺技ですっっ!!!
サーロイン なにぃ!!?
   
ハイウィザード まずは前奏だぁぁぁっっ!!!
 全てを焼き尽くす残酷な火焔のシンフォニーィィィッッ!!
ビショップ達 「「マハリト・トリオォォォッッ!!!」」
三洲次 「えぇ!?
 今回はいきなりマハリト?!」


サーロイン うおおおおぉぉぉっ!!!


サーロイン ぬおおおおぉぉぉっ!!!


サーロイン は、早く、奴らの呪文を封じてくれっ!!
ランプ 「ま、まだ詠唱が……」
   
ハイウィザード まだまだあああぁぁっ!!
 全てを凍えさす冷酷な氷結のメロディィィィッッ!!
   
三洲次 マダルトがくるぞっっ!!
ロース 「え?! もう次がくるの?!」
ブリスケット 「早過ぎっす!!」


サーロイン ぐおおおおぉぉぉっ!!!






ブリスケット 「ぐぅおおぉぉ………っ!」
ランプ 「こ……こんなことが………っ!」
ロース 「うぅ……あ、あいつら、なんであんなに詠唱が早いのっ?!」
   
ハイウィザード はーはっはっはっ!!
 見たか!!!我らの特訓の成果をっ!!
 貴様らを倒す秘策として、素早い詠唱を身につけるため、
 早口言葉の特訓を繰り返し、繰り返し、繰りか
サーロイン 隙ありっ!!
ハイウィザード 「え?」
サーロイン カシナートを喰らえぇっっ!!


ハイウィザード ぎょぎゃがごぎゅぐぎぇぎょぎゃああああぁぁぁっっ!!!
   
三洲次 「なんて断末魔だよ……」
サーロイン 「なるほど、特訓の成果が出ているな」
ブリスケット 「そういう問題っすか……?」
   
ビショップD 「うわぁ! ハイウィザード様がやられたあ!?」
ビショップE 「え?! 俺たちは何を唱えればいい?!」
   
ランプ 「敵がひるみました!!」
ロース 「オッケー! 間に合ったわ!!」


ビショップ達 「「ふぁふぉろふぃふぇふぁふぇえええぇぇ!!」」


ビショップD 「く…っ!」
   
ロース 「1人耐えたわっ!!」
サーロイン 「早くモンティノをっ!!」
   
ビショップD 詠唱完了ぉぉっ!!
 地獄の業火に焼かれるがいいっ!!
   
ランプ 「早っ!!」
ブリスケット 「ま、間に合わねぇっす!!」
   
ビショップD 究極の攻撃魔法おおぉぉぉっっ!!
 ティルトウェイトだああああぁぁっっ!!!
   
三洲次 はぁあ??!
サーロイン 「な、なぜ、レベル8ごときのビショップがティルトウェイトをっ?!!」
ブリスケット 「ま、まずいっすっっ!!」
ランプ うわああぁぁあああっ??!





ロース 「いた」
   
サーロイン 「…………………………」
三洲次 「…………………………」
「…………………………」
ブリスケット 「…………………………」
ランプ 「…………………………」
   
   
ビショップD 「……今のはティルトウェイトでは無い……」
   
   
サーロイン 「…………………………」
   
   
ビショップD 「ハリトだ………」



三洲次 まんまじゃねぇかああぁっっ!!
ビショップD ふぎゅぎぇぎゃぎょぎぁぁああぁぁっ!!!



サーロイン 「ふぅ……なんとか勝てたか……」
ランプ 「いや、だいぶ危なかったですね」
ブリスケット 「まさか呪文の打ち合いで負けるたぁ、予想外でやしたから……」
ロース 「あんな奴らに詠唱で負けるなんて、なんかちょっと悔しいわ」
三洲次 「いや、あいつら、やっぱり何かいろいろ工夫してきてますよ」
サーロイン 「まぁ、最近あいつら相手に楽勝な戦いが続いていたから、
 こちらも油断していたとこがあったな」
ランプ 「そんなことより、宝箱を開けましょう!!」
ロース 「相変わらずマイペースね……」


ランプ 「えええぇ?!
 お金だけですかあっ?!」
ロース 「しかも、ここ最近見ないぐらい額がショボいわね」
ブリスケット 「そう言やぁ、以前倒したハイウィザードの中にも、額がショボい奴がいやしたね」
三洲次 「給料安いのかな、あの協会?」
サーロイン 「しけてるな、上級魔術師協会も……」

まさかの2連続お金だけ
最初の宝箱で、今日の運勢を全て使い果たしてしまったかな?



サーロイン 「とりあえず、第二玄室へ進むか」


…………………………………………


………………………………


……………………


…………


……


──── 上級魔術師協会(4代目) 本部....

ビショップF 「報告致します!!
 第3暗殺チームがやられました!!」
アーチメイジ (………まぁ………そんな気はしてたけど………)
ビショップF 「会長! いかが致しますか?!」
アーチメイジ 「一応聞いておくけどさぁ……、敗因は何だった?」
ビショップF 「陰から見ていましたが、奴らの行動パターンがまた変わったのが原因です。
 そのため、作戦の第1フェーズが空振りに終わりました」
アーチメイジ 「…………それだけか?」
ビショップF 「はい!
 呪文の詠唱は、ほぼ全員が奴らより早く、実に良い線をいっていただけに、誠に残念です!」
アーチメイジ 「へぇ~~……あんな早口言葉でも、一応役に立っておったのか………」
ビショップF 「会長! いかが致しましょう?」
アーチメイジ 「おい!!
 7代目ハイウィザード!!」
ハイウィザード 「は!」
アーチメイジ 「お前は大丈夫だろうな?」
ハイウィザード 「お任せ下さい!!
 肩固かったから買った肩叩き器具、肩叩きにくかった!」
アーチメイジ 「………お前もかよ……………」
ハイウィザード 「それだけではありません!
 私には、もう1つ作戦がございます!」
アーチメイジ 「一応、聞くだけ聞こうかあ?(棒」
ハイウィザード 「は!
 新しい作戦は、奴らの新しい行動パターンに合わせて、第1フェーズを見直したものになります。
 具体的には、まず我々の息のかかった囮……それも弱い囮を玄室に配置し、奴らを奇襲させます。
 すると奴らは、慌てて玄室から撤退するでしょう。
 そこで、敵から遠ざかったと奴らが油断したところを、襲撃します!」
アーチメイジ 「…………まぁ、前代よりかはマシな発想かな。
 いいだろう!
 では、行って来い!!」
ハイウィザード 「ではではではではではではではでは!!」
   
   
アーチメイジ 「………もう少しマトモなハイウィザードはいないもんかなぁ…………」


……


…………


……………………


………………………………


…………………………………………


──── 第二玄室(2周目)


では、第二玄室です。

バンッ!


??? 「奴らがきたぞっ!!」
??? 「やってしまえっ!!」
サーロイン 「なに?!」


サーロイン ぐほっ!!


サーロイン 「全員!撤退!撤退だっ!!」

バタン!

サーロイン 「はぁ…はぁ……ちょっと油断…」
??? 「はーーーはっはっはっ!!」
サーロイン 「へ?」


サーロイン 「え?!」


ハイウィザード 4代目上級魔術師協会7代目ハイウィザード
 ここに推参っ!!
サーロイン 「しまった!!
 全員、戦闘態勢っ!!」
ブリスケット 「ちょ……慌ただし過ぎっす!」


サーロイン 「ブリ助、ロース、ランプ!!
 呪文を……」
ロース 「ちょっと!精神集中する時間を…」
ハイウィザード ノロマどもめっ!!
 死ねえええぇぇぇっっ!!!
ロース 「え?!」
ブリスケット 「また敵の方が先にぃ?!」



サーロイン ぬおおおおぉぉぉっっ!!
ロース きゃああああぁぁぁっっ!!
   
ハイウィザード ふはははははーーーっ!!
 ビショップどもよ!!
 ダメ押しで殺ってしまえっっ!!
   
三洲次 「さらに呪文が来るぞっ!!」
サーロイン 「ランプ、ブリ助、早くっ!!」
ランプ 「いや、そう言われても……」
ブリスケット 「あ、あやつら、なんで急に詠唱が早くなったすかっ?!!」
   
ビショップ達 「「喰らええええぇぇっっ!!」」


ランプ ぐほっ!!


ロース きゃあっ!!
   
ブリスケット 「詠唱が間に合ったっす!!」



ビショップC (……く……くそ……っ!)
ハイウィザード おい! 大丈夫か?!
サーロイン 隙ありっ!!
ハイウィザード 「え?!」
サーロイン カシナートを喰らえぇっっ!!


ハイウィザード ごぼびゃべばぎゅぶびょぎょええええぇぇぇ!!!!
   
三洲次 「なんて断末魔だよ……」
ブリスケット 「ある意味、器用っすね……」
ロース よくもやってくれたわねえぇぇ!!


ビショップ達 「「ぶぅほぉふぇはぃふぁはぅえええぇぇっっ!!」」



サーロイン 「ふぅ……ビックリしたな………」
三洲次 「お金しか持ってないのは仕方ないとして、やっぱり額がシケてますね」
ブリスケット 「安月給組織っすね」
ロース 「でも、まさかまた詠唱スピードで負けるとは思わなかったわ……」
ランプ 「意外と早口言葉もバカにならないですね」
サーロイン 「あぁ、早口言葉はバカにできないぞ。
 俺もそれで練習したしな!」
三洲次 「それで思い出したけど、新しい必殺技って、どうしたんです?」
サーロイン 「おぉ、俺も忘れてた!
 よし!
 チャンスがあれば、次の戦闘で見せてやる!」
ランプ 「別に、あまり見たくないですけど……」



では、改めて第二玄室に挑戦しましょう。

バンッ!


ドラゴンゾンビA シャアアアァァァ…ァァ…ッ!!
ドラゴンゾンビB キシュアアアァァ…ァァ…ッ!!
   
サーロイン 「よし! 戦うぞ!」
ロース 「こいつらなら、スピードで負けることはないと思うわ」





ロース 「え?!
 い、一匹しか倒せなかったわっ!!」


ブリスケット 「ぜ、全然呪文を封じられねぇっす!!」
三洲次 「早ければいい、ってもんじゃないのか……」


サーロイン ぐおおおぉぉっっ!!
 ラ、ランプ、あと頼れるのはお前だけだっ!?」



ランプ 「待たせて、すいません!!」
サーロイン 「結果オーライだ!!
 よし!!
 三洲次、反撃だっ!!
三洲次 はいっ!!



サーロイン 「あれ?」
ロース 「ちょっと、ロイン!
 たまには一撃で倒してよっ!!」


サーロイン 「まぁ、このターンで勝てるだろう」
三洲次 「そのためには、2人とも一撃で倒さないとダメですよ?」
サーロイン 「分かっている!
 いよいよ俺の必殺技が唸る時が来たなっ!!
三洲次 「じゃ、とりあえず俺から……」


三洲次 「よし!!」
サーロイン 「では見せてやろう!!
 必っっ殺っ!!!
 『ロイン百裂剣』!!!
 あたたたたたたたたたたたたたたたたっっ!!


サーロイン 「お前はもう死んでいる」
三洲次 「2回しか当たってないけど……」


サーロイン 「どうだ?! 俺の新しい必殺技は?!」
ブリスケット 「また何かパクッてたりしねぇっすか?」
ランプ 「そんなことより、お宝、お宝!」



「開いたぜ」
ランプ 「さぁ、今回のレアアイテムは何でしょう!?」
ブリスケット 「お! そういや、ロイン殿?」
サーロイン 「ん?」
ブリスケット 「レアアイテムってぇ、日本語ではこう言うんですぜ。
             ちんぽう
   珍しいお宝、略して『珍宝』!」
サーロイン 「それ、朝も言ってなかったか?」
ブリスケット 「あ、聞いてたんすか……叫ぶのに夢中で、聞いてねぇかと思ってやした」
サーロイン 「別に夢中になってた訳では……」


ランプ 「『歪んだ盾』………」
三洲次 「今日はカシナート以外、ロクなのが手に入らなかったな」
ブリスケット 「まぁ、カシナートが手に入っただけ、まだマシだったんじゃねぇっすか」
ロース 「それより今日1日、あいつらに詠唱スピードで負け続けて、なんか悔しかったわ」
サーロイン 「じゃぁ、ロースも早口言葉で練習をしたらどうだ?」
ロース 「う~ん………」
三洲次 「そう言えば、ロインはどんな早口言葉で練習をしてたんです?」
サーロイン 「よし、1つ披露してやろう!」
ブリスケット 「どんなっすか?」
                 
サーロイン 「ボーパルバニー ピョコピョコ3ピョコピョコ
             
   合わせてピョコピョコ6ピョコピョコ!」
   
ランプ 「出だしが微妙ですね、それ……」
ロース 「え~……せめてもうちょっとセンスいいの無いの?」
サーロイン 「じゃぁ、ブリ助からヒントを得て、俺が良いのを思いついたから、それでいこう!!」
ブリスケット 「あっしから?」
ロース 「なによ?」
サーロイン 「俺に続いて発音するんだ!
 いくぞ!!
ロース 「えぇ」
   ちんぽう    
サーロイン 珍宝撫で撫で三撫で撫で、
            なな
   合わせて撫で撫で七撫で撫で!
   
ロース 変態ぃぃっ!!!ドガァッッ
サーロイン ぐほおおおおおおおおおおおおおおおおお....(キラン!
   
三洲次 「遥か彼方に飛んで行ったな……」
ランプ 「マハマン(物理)ですか」


「114.不運と幸運の玄室」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 13 107 18 17 16 17 15 12 1 0 クリティカルヒットは久しぶりな気がする。
三洲次 13 107 18 18 18 18 18 18 5 4 今回は珍しく攻撃が安定していたな。
16 156 18 18 17 18 16 18 0 0 罠の解除が安定すると出番が減るな。
ロース 15 156 15 18 18 18 18 11 0 2 今回は珍しく調子が悪かった。
ランプ 20 93 18 18 18 16 18 14 0 9 お前の詠唱が遅いって珍しいこともあるもんだ。
ブリスケット 14 113 15 17 18 16 17 13 3 4 お前、時々下ネタキャラになるよな。

 


【更新履歴】
2021年 5月22日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2021年 3月 7日:「牡蠣」を「柿」に訂正(柿は西欧に無いと勘違いしてたがスペイン産とか有名らしい)。次ページへのリンクを設定。
2021年 2月28日:新規公開。