24.騒動・オブ・ザ・リング

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約12分



見事 ノーダメージ でモンスター配備センター戦を制したローラーレンジャーズ。

そんな彼らの前に......、


三洲次 「お! こいつらも宝箱を持ってましたよ」
ランプ 「よっほぉおっ!
 今後こそ、本当にお宝にありつけますねっ!!」
ブリスケット 「ランプはんって、こういう時はキャラが変わりやすね」
ロイン 「よし! 罠を調べてくれ」
三洲次 「どれどれ……」
ロース 「ところで、この後はどうするの?」
ロイン 「とりあえず、この場所を調べよう」
ブリスケット 「もうあんな戦闘はしたくねえから、今回で全部調べやしょうや」
ロース 「そうね。
 またあの戦闘をやり直すなんて、ゴメンだわ」
ロイン で…、罠はまだ分からないのか?」
三洲次 「……う~ん…………」
ランプ きっと良いアイテムが入ってますよ!!
 いざとなったら、罠を喰らってでも、開けちゃいましょう!!」
ブリスケット 「そうっすね!
 ちょっとやそっとの被害なんて、屁でもねぇっすよ!!」
ロイン 「だってさ、三洲次。
 今回は解除に失敗しても良さそうだぞ」
三洲次 「………あぁ、罠が分かりましたよ」


三洲次 「言ってることが違う!」
ロース 「だって、解除に失敗したら、ここから飛ばされるのよっ!!」
ランプ 「そうなったら、また最初からやり直しですよっ?!」
ブリスケット 「またあの戦闘をするなんて、ゴメンでやすっ!!」
三洲次 「そんなこと言われても……」

おい?!
マジかよ??

合ってるとも間違ってるとも判断できず......。

正念場でもあるし、念のためカルフォ(罠識別の魔法)も併用するか......。



ロース 「……………………」
ロイン 「………………おい?」
ロース 「なによ?」
ロイン 「どういうことだ?」
ロース 「え?なに?私のカルフォが信じられないってこと?!」
三洲次 「救助隊の時にも、似たようなことがあったな………」
ランプ 「私がカルフォしましょうか?」
ロイン 「あぁ、頼むよ。
 それで、多数決で決めよう」
三洲次 「あぁ、この流れってことは………」



三洲次 「まさかの展開…………」
ランプ 「………………」
ロイン 「………………おい?」
ランプ 「なんでしょうか?」
ロイン 「どういうことだ?」
ランプ 「知りませんよ……」
三洲次 「かつてない混迷した状況になりやがった……」

おいおいおいっ!!

この宝箱、けっこう重要なんだけど!?

こういう時に限ってこれかよっっ!!


ロイン 「うーむ………、仕方ない。
 もう一度カルフォをかけるか」
ブリスケット 「誰がかけやす?」
ロイン 「呪文の残り回数から、やはりロースだろうな」
ロース 「いいわよ。
 じゃ、いかに私が正しいか、よく見ておきなさい」



ロース 「納得していただけたかしら?」
ロイン 「うーむ……」

カルフォは、唱える度に改めて罠を判定してくれる......はずなのだが、
ロースの判定結果が同じだと、これはこれで「本当に改めて判定しているのか?」と疑いたくなる......。

くっそ~......。

ロイン 「仕方ない、多数決で『爆弾』と断定しよう」
ランプ 「大丈夫ですか?」
三洲次 「『テレポータ』だったとしても、俺は知りませんよ……」
ロイン 「腹はくくった!
 いけ!三洲次!!」
三洲次 「じゃ……」


三洲次 「………む………くそっ……」
ロイン (ドキドキ……)


三洲次 「オッケェ!! 爆弾解除っ!!」
ロイン 「ほっ……」
ロース 「ほら、見なさい!
 私が一番正確だって、分かっていただけたかしら?」
三洲次 「………………」
ランプ 「………………」
ブリスケット 「ん? なんか薬の袋が入ってやすぜ?」
ロイン 「薬? なんかヘボいな…」
ランプ 「あれだけの敵で、薬だけのはずは……っ?!
 (ゴソゴソ……)
 あ! ほら、『ゆびわ』も入ってるじゃないですか!」


ランプ 「それに、『杖』もありましたよ!」


ロイン 「おぉ! 大収穫だな!」

さて、本来なら、ここで手に入れたアイテムの鑑定をするのですが、
今回はこのまま鑑定せずに先に進めます。

正確には、「キャンプを開かず」に、先に進めます。

なぜか?

それは...、ファミコン版は、「キャンプを開く」までは、H.P.が減るアイテムの効果が発動しないから、です。


卑怯なことして、ごめんなさい!!!


今考えると、確かに卑怯でした!!
でも、プレイしていた時は、モンスター配備センター戦直後で興奮しており、平静さを欠いていました。
そのため、正道(本来あるべき仕様)を意識する余裕がありませんでした。

ごめんなさい!!

申し訳ないのですが、もうプレイしてしまったので、このまま進めさせて下さい。



ランプ 「では、鑑定をし……」
ロイン 「さぁ、先に進もうか!!」
ランプ 「え? え? なんで?」
ロイン 「いや……ほら! 楽しみは後に取っておこう! ってことで!!」
ランプ 「まぁ、いいですけど………」
ロース 「ところで、どうするの?
 扉が2つ見えるわよ」
ロイン 「そうだな……とりあえず、近い方から入ってみるか」


ブリスケット 「蹴破りますぜ?」
三洲次 「またさっきみたいな強敵が出てこないでしょうね…?」
ロイン 「まぁ、その時はその時だ」
ブリスケット 「てやっ!!(バンッ!!)」


ちょっ....!?



...と思ったが、相手はオーガ6匹。
しかも、アッと言う間に半分が逃げやがった

桃が珍しくボコられたが、その分ボコり返して勝利。

ってか、こっちの扉は重要じゃないことは知っているので、細かいことは飛ばし....、


....個室なのを確認して、とっともう1つの扉へ。


ロイン 「後はこの扉だけか……」
ブリスケット 「中からは、特に何の音も聞こえねぇっすね」
ロイン 「よし、入ろう」
ブリスケット 「じゃ…」


ロイン 「部屋の中にテーブルがあるなんて、珍しいな」
ロース 「テーブルの上にある水晶玉やこの魔除けって、何かしら?」
三洲次 「よく分からないけど、もうガラクタ同然ですね」
ランプ 「左の壁に、青白く光る滑り戸が出てきましたよ」
ブリスケット 「ふん!…むっ!……ダメっす。開かねぇっす」
ロイン 「誰もその扉を開けられなかった」
ブリスケット 「え?! まだ、あっししか試してねぇっすよ!?」
三洲次 「ちょ! 入って来た扉が消えてますよ!!」
ロイン 「振り向くと、入って来た扉が消えていることに気付いた」
ロース 「さっきから、なんで文語口調なのよ?」
ランプ 「そうなると、目の前のオレンジ色に輝く扉に入るしかないですね」
ブリスケット 「仕方ねぇっすね」
ロース きゃあああぁぁっっ!!!
ロイン !?


ロース 「あそこっ!!
 デカイいクモが居るわっ!!!」
ブリスケット 「お? 本当っすね」

ランプ 「ん?………え?!

三洲次 「まぁ、こんだけ打ち捨てられた部屋なら、クモの1匹や2匹居ても不思議じゃないでしょ」
ロース 「だからって、デカすぎでしょ!! あいつ!!」
ブリスケット 「こんな冒険してりゃぁ、珍しくもねぇっしょ」

ロイン 「まぁ、襲ってこないし、問題ないだろう」
ランプ 「ロイン!! 問題ありです!!」
ロイン 「え?」

ロース 「ちょっと! 追い払ってよ!!
 気持ち悪いわっ!!」
三洲次 「え? いや……。
 俺もあんなデカいのは……ちょっと……」

ロイン 「問題? どこに?」
ランプ 「私に!!」
ロイン 「どんな?」
ランプ 「体調が悪いです!!」
ロイン 「トイレなら地上まで我慢できない?」
ランプ 「違いますっ!!!
 H.P.が減ってるんです!!」

ロース 「じゃぁ、ブリ助、追い払ってよ!!」
ブリスケット 「いや、あっしだってイヤですぜ」

ロイン 「え?! いつから?」
ランプ 「さっきオーガと戦った辺りから…」
ロイン 「毒にやられたか?
 ラツモフィスかける?」
ランプ 「オーガは毒攻撃なんてしないです!!」

ロース 「あなたたち男でしょ!!」
三洲次 「こういう冒険してて、男も女もあるかよ」
ブリスケット 「ロースはん、もう自分で追い払ってくだせぇよ」
ロース 「絶対にイヤッ!!

ランプ 「正確には鑑定しないと分からないですが、
 さっき宝箱から手に入れたアイテムが、怪しいです」
ロイン 「へ?」
ランプ 「この道のプロである私が見るに……、この『?ゆびわ』が怪しいです。
 あきらかに異様な力を感じます」

都合よく原因を特定して、すいません。
でも、有名なアイテムなので、ここは許して下さい。

ロイン 「どれどれ、ちょっと見せてくれ」
ランプ 「どうぞ」
ロイン 「ふーん…、この指輪がねぇ……。
 H.P.が減る呪いでもあるのかな?」
ランプ 「私はH.P.が低いので、ロインが持って帰ってもらえますか?」
ロイン 「えっ?!
 いや……、こんなの持ってて、死んだりしたくないよ」
ランプ 「私だってイヤですよ」
ロイン 「じゃぁ、H.P.が一番多い……、お~い!ブリ助!」
ブリスケット 「へい!」
三洲次 「…?」
ロース 「…?」
ブリスケット 「なんでやしょ?」
ロイン 「この指輪、お前にやるよ」
ブリスケット 「なぜっすか?」
ロイン 「……………え?」
ブリスケット 「え?」
ランプ (会話がヘタ過ぎでしょ……)
ロイン 「えぇと……、まぁ、なんとなく……その、似合いそうだし……」
ランプ (ごまかし方もヘタだし………)
ブリスケット (ん~……、な~んか怪しいっす)
ロース (あの指輪、何かあるわね……)
三洲次 (はーん……、どうもイワクがありそうだな、アレ)
ロイン 「ほら、たまにはこういうオシャレも良くないか?」
ブリスケット 「別に。
 指輪ならやっぱり、女性の方がイイっしょ。
 どうっすか?ロースはん?」
ロース えっ?!
 あ~…、そのデザインは趣味じゃないわぁ~」
ブリスケット 「いえいえ。
 そもそも罠をちゃんと見極めたロースはんこそ、受け取るにふさわしいっすよ!」
ロース 「わ、罠を見極めたぐらいで、それは大げさだわっ!!
 ほら! 罠を解除できる盗賊の三洲次がいたから、手に入った指輪でしょ?
 三洲次にあげたら?」
三洲次 えっ?!
 いや、罠は解除できなくても手に入るから、関係ないでしょ!
 や、やっぱり女性の方が似合うと思うよ!うん!
 ってな訳で、どう?桃?」
 チキッ!(刀を三洲次の首に当てて…)
「聞かれてんのは、てめぇだ!」
三洲次 「すません……。
 じゃ…、じゃぁ、鑑定しないとお金にならないから、ランプに渡しましょう!」
ランプ えっ?!
 いや、ほら、私は他にも鑑定するし、持ち物は空けておかないと……。
 えぇと…、誰が持つか決まらないなら、リーダーに預かってもらいましょうか?」
ロイン えっ?!
 いや、決まらないならリーダーが預かる、なんてルールなど無いだろ?!
 ここは、やはりブリ助が…」
ブリスケット 「いえいえ、罠を見極めた功績から、ロースはんこそがもらうべきっす!」
ロース 「いいえ、それよりも罠を見事解除した三洲次こそが、もうらべきじゃない?」
三洲次 「いやいや、鑑定できるランプこそが、持つべきですよ!」
ランプ 「あ~…、もう全然決まらないので、リーダーが預かって下さい!」
ロイン 「だから、決まらないものはリーダー、なんてルールはないだろ?!」
ブリスケット 「じゃぁ、どうするんすか?」
ロイン 「あ! じゃ、あそこに居るクモにでも……」
ロース 「ふざけないでっ!!」
ロイン 「ひっ!!」
三洲次 「……………」
ランプ 「話しが前に進まないから、もう正直に喋った方がいいですよ?」
ロイン 「しょうがない……。
 これ、持ってるだけでH.P.が減るらしいんだ」
ロイン 「すいませんんんっっ!!!」

………………


………


ロース 「で、どうするの?」
ロイン 「危なっかしいだけだから、捨てるか」
ブリスケット 「最初からそうしてくだせぇよ」
ランプ 待ってくださいっ!!
ロイン 「ん?」
ランプ 「いえ…、これ、多分かなりの値打ちものですよ」
ロイン 「え?」
ランプ 「こんな力が封じられていて、しかもこれほどの装飾の品、そう市場に出ることないです!
 こいつ、きっと高値で売れますよ!!
 お金になるから、持って帰って、売りましょ!!
 ね?!」
三洲次 「こんな危ないもの、誰が持って帰るんです?」
ロイン 「しょうがない。
 H.P.が一番高いブリ助に託すしかないだろ」
ブリスケット 「あっしですか?!」
ランプ 「頼む!ブリ助!!持っていてくれ!!!
 きっとお金になるから!!!
 な!な!な!」
ブリスケット 「ランプはん、金が絡むと、本当にキャラ変わりやすね……」
ロース 「でも、H.P.が減るアイテムを持って帰るんなら、
 私もロインの判断が普通だと思うわよ」
ブリスケット 「うぅぅ……」


持ってるだけでH.P.の減る「?ゆびわ」は、H.P.が一番多いブリスケットに持たせることにした。

ブリスケット 「引き受けやしたから、早く地上に戻りやしょうや」
ロース 「私も、あんなクモといつまでも同じ部屋なんて、イヤだわ」
ロイン 「よし、じゃぁ、さっそく隣の部屋へ入ろう」
ブリスケット 「では…」

かくして、やっと次の部屋に入る。

すると.....、



ブリスケット 「今の声が、トレボーっすかね?」
ロイン 「そうらしいな……」
三洲次 「眼の前のテーブルに、リボンがありますよ?」


って、こんなところでファンファーレが流れやがった!!
こんな演出あったっけ....?

三洲次 「これが『ブルーリボン』ですかね?」
ロース 「他にそれっぽいのは無いし、そうじゃないかしら?」
ロイン 「じゃ、これを持って行こう」

その途端!!
突如、壁の穴から、続々と敵が現れるっ!!!


三洲次 「うわぁ!!なんか出てきた!!」
ロース 「なに?この動物たち?!」
ランプ 「人が立ち入らなくなり、代わりに住み付いた住民たちでしょう」
三洲次 「さっきのクモと一緒ですね」
ロイン 「知恵の浅い奴らだな。
 出てくる時は、相手を見極めてから出てくるもんだ」


ロイン 「こういう時に備えて、レベル5の呪文を温存しておいて正解だった」
三洲次 「あ! それでモンスター配備センター戦は、マダルトじゃなくてラハリトなんて唱えていたんだ」
ロース 「あら、意外と先を考えて行動してるのね?」
ロイン 「『意外』だけ余計だ」


万全を期すため、途中で出た宝箱は開けない。
テレポータとかにひっかかったら、イヤだから。

そして、そのまま右手に現れたドアから外に出る


ロイン 「ここは…?」
三洲次 「えぇと、マップを見ると、1階へ通じるエレベーターのすぐ側ですね」
ロース 「元の通路に戻ったのね」
ブリスケット 「じゃ、すぐ戻りましょうや!」 
ランプ 「あ! コントロールセンターの警報装置のすぐ側に、扉がありましたね」
ブリスケット 「え?」
ロイン 「そう言えば、まだあの扉の中は確認していなかったな」
ブリスケット 「え? え?!」
三洲次 「じゃ、確認しに戻りますか?」
ブリスケット 「いや!! あっしが何を持ってるか御存知でやしょ?!!」
ロース 「マップを埋めるためだから、仕方ないわねぇ~」
ブリスケット 「皆して、ふざけねぇでくだせえぇっっ!!
 あっしを殺す気でやすかっっ?!!」

まぁ、そこは冗談で、このまま城に戻ります。

マップで歩数を数えると....、うん、この「?ゆびわ」を持ってても、十分に帰れる距離だ。


エレベーターで一気に1階へ上がり....、


....暗がりを手探りで歩きながら、ディロマトの部屋の前まで来る。

そして、ここで....、


....やっとだけど、入手した品を鑑定する。





「?ゆびわ」は呪いのアイテムなので、鑑定に失敗すると、強制的に装備となる挙句、外すことができなくなる

なので、鑑定の瞬間はちょっとドキドキでしたが、なんかあっさりと1回目で鑑定に成功してしまった。
あっけない。

ランプ 「ふぅ…、無事に鑑定できました」
ロイン 「ご苦労」
ロース 「このH.P.が減る指輪は、『死の指輪』って言うのね」
ブリスケット 名前の通り…、あっしは死にそうっす……」
三洲次 「リボンも、ちゃんと『ブルーリボン』でしたね」
ランプ 「じゃ、城に戻りますか?」
ブリスケット 「さっそく戻りやしょう!!
 すぐ戻りやしょう!!
 そうしやしょう!!!」
ロイン 「分かった、分かった」


そして、マピロ・マハマ・ディロマトで一気に城へ!!


無事、凱旋!!!

今回は、長い旅路だった。


……………………


…………


……


──── ボルタック商店


ブリスケット 「はぁ…はぁ…、て、店主はおらんか?!」
店員 「いらっしゃいませ~。
 あぁ、店を出たら、左手の歩道を道沿いに進むと、中央広場に出るので…」
ブリスケット 「はい?」
店員 「…その中央広場を北に抜けると、すぐ目の前にありますよ」
ブリスケット 「………………………」
店員 「………………………」
ブリスケット 「………………何が?」
店員 「カント寺院が」
ブリスケット 「あっしは、いたって健康でやす!!」
店員 「いや、なんか苦しそうだったので、
 毒か麻痺にでもかかってるのかと…」
ブリスケット 「これは、ただH.P.が減ってるだけでやす!
 いや、パーティーの仲間がヒドくって……」
店員 「ほぉ?」
ブリスケット 「持ってるだけでH.P.が減るアイテムを手に入れたんですけどさぁ」
店員 「ほぉほぉ」
ブリスケット 「それを持って帰ろうとすると、下手すりゃ死ぬじゃねぇっすか?」
店員 「はいはい」
ブリスケット 「そこで、誰が持って帰るか?って、話しになりやしてさぁ」 
店員 「はいはいはい」
ブリスケット 「で、実はあっし、パーティーで一番H.P.があるんすよ?
 すごいでやしょ?」
店員 「えぇ、えぇ!」
ブリスケット 「そうしたら、あっしにそのアイテムを押し付けてきやがるんすよ?
 まぁ、でも、仕方ねぇかな…って、訳でさ。はははは!」
店員 「はははは!
 ちょっと何言ってるか分からないです」
ブリスケット 「なんで分からねぇっすか!!!
 ちゃんと説明してるでやしょうがっ!!!」
店員 「はぁ…」
ブリスケット 「もう、いいっすよ。
 それより、買取の価格表を見せてもらねぇっすか?」
店員 「お客さん、」
ブリスケット 「ん?」
店員 「踏んでますよ」
ブリスケット 「なんで下にあったんすか?!
 上に置いといてくだせぇよ…、よいしょっと。
 えぇと………、んーー………、
 ………無ぇっすねぇ……」
店員 「何をお売りになりたいんですか?」
ブリスケット 「『死の指輪』っす」
店員 「『屁の指輪』?」
ブリスケット 「いや、『屁』じゃねぇっす!
 『死の指輪』っす!」
店員 「『屁の指輪』?」
ブリスケット 「『死・の・指・輪!!
 だいたい『屁の指輪』ってなんすか?
 そんなのあるんすか?」
店員 「ありますよ」
ブリスケット 「え?! 『屁の指輪』なんて、あるんすか?」
店員 「えぇ。 使うと『ラカニト』の効果があります」
ブリスケット 「『ラカニト』の? え…? どうして?」
店員 「『屁の指輪』を使うと、臭~い匂いが辺り一面に広がるんですが、
 あまりに臭くて、モンスターが窒息死するんです」
ブリスケット 「それ、自分もやられるっすよね?
 いやいや、『屁の指輪』の話しなんて、どうでもいいっす。
 『死の指輪』っす!」
店員 「『酢の指輪』?」
ブリスケット 「『し』ぃっっっ!!!!」
店員 「『胃』?」
ブリスケット 「『し』~~~ぃぃぃっっ!!!」
店員 「『し』~~~ぃぃぃっっ?」
ブリスケット 「そう! 『し』~~~ぃぃぃっっ!!」
店員 「オシッコですか?」
ブリスケット 「いや、そうじゃなくて……。
 ってか、確かに、子供にオシッコをさせる時とか、
 『シィィィィィ』とかやりやすけど、さぁ」
店員 「『オシッコの指輪』を売りたい……と」
ブリスケット 「違うっす!!
 ってか、『オシッコの指輪』ってなんすかっ!?
 あるんすか?! そんなの?!」
店員 「えぇ、ありますよ」
ブリスケット 「あるんすか?!」
店員 「えぇ。
 使うと、指輪の穴から『聖水』が吹き出す…
ブリスケット 下ネタじゃねぇかっっ!!!
 ってか、さっきから下ネタばっかじゃねぇっすかっ!!!」
店員 「え? 何を売りたいんです?」
ブリスケット 「もう実物を見せた方が早ぇっすな……(ゴソゴソ)。
 はい! これっす!!」
店員 「これは……っ!!
 ご………ごく稀にしか出てこない………、
 真の冒険家だけが………手にしてくる………、」
ブリスケット 「………………」
店員 「こっ、これはっっ!!!
 『死の指輪』じゃないですかああぁぁっっ!!!」
ブリスケット 「さっきからそう言ってるやろ。
 なんで『オシッコの指輪』とかになるんすか…」
店員 「あ~、でも、こんな危険なもの、引き取っても棚に並べられないですよ」
ブリスケット 「ダメなんすか?!
 ちょ…、ランプはんがあんなこと言うから……。
 いや、失礼しやした」
店員 「ま!待ってください!
 確かに表には並べられないですが……、その……、この品はほとんど市場に出回っておらず、裏の市場ではかなり希少で、その手のコレクターには垂涎の品でして……」
ブリスケット 「では、買い取ると?
 いくら出すっすか?」
店員 「……(ゴニョゴニョ)……」


ブリスケット 売った!!!
店員 「ありがとうございます!」

………………

…………

……


三洲次 「あ、戻ってきましたよ」
ブリスケット 「皆の衆っ!!!
 これを見るっす!!!」
ロイン 「え?」


ブリスケット 250,000G.P.で売れたっす!!!」
ランプ 「よっほぉぉお~~っ!!!
 ほら、ほら!
 私の言った通りじゃないですかっ!!!」
ロース 「す、すごいわ……」
三洲次 「これだけの金があれば、しばらく遊んで暮らすこともできるなぁ…」
ブリスケット 「いや~、命からがら持って来たかいがあったっす。
 じゃ、この大金はあっしが……」
ランプ 「……え?!
 いやいやいや!!
 な、何を言っているんですかっ!!
 私が鑑定できたから、お金になったんじゃないですか?!
 そのお金は、私がもうらべきですよ!!」
三洲次 「待った、待った!
 そもそも罠を解除できる俺がいたから、手に入ったアイテムのお金ですよね?
 俺が受け取るべきですよ!」
ロース 「なに言ってるのよ!!
 あなた、罠を間違えてたじゃないっ!!
 罠をちゃんと見極めた私こそ、受け取るのにふさわしいわっ!!」
ロイン 「こらこら!
 決まらないなら、リーダーである私が預かるのがルールだ!」
「…………………」
ブリスケット 「いやいや!命と引き換えに持って来たあっしが、もらうべきっしょ!?」
ランプ 「いえいえ、鑑定をした私こそが、もらうべきです!!」
三洲次 「いや、罠を見事解除した俺こそが、もうらうべきでしょ!!」」
ロース 「いいえ、罠を見極めた功績のある私こそが、もらうべきだわ!!」
ロイン 「決まらないなら、リーダーが預かるぞ!!」
ブリスケット 「あっしっす!!」
ランプ 「私です!!」
三洲次 「俺だよ!!」
ロース 「私だわ!!」
ロイン 「俺だ!!」
ブリスケット 「…☆△!!」
ランプ 「…△○!!」
三洲次 「…□▽!!」
ロース 「…○◎!!」
ロイン 「…▽☆!!」


  ………………


    ………

 

リルガミンの夜は、今日もにぎやかに更けていく……





「25.アタックチャンス作戦」 へ


名前 LV H.P. コメント
ロイン 11 62 15 18 10 18 15 14 0 マカニトはいいわぁ、便利だわぁ。
三洲次 12 40 17 15 9 13 17 16 3 少し紆余曲折したけど、無事に罠を解除できた。
10 81 18 18 16 18 18 15 0 出番の多い / 少ないが、両極端過ぎる気もする。
ロース 11 65 15 16 18 16 18 12 2 見事なカルフォであった。
ランプ 11 36 13 18 17 12 18 8 3 「死の指輪」の一発鑑定、お見事でした!
ブリスケット 10 88 17 18 14 18 17 11 1 「死の指輪」の運搬、お疲れ様でした!

プライベートエレベーターなど、まだ行っていない場所も若干ありますが、地下4階の探索も一区切りがついたので、ここで作成したマップを公開致します。



【更新履歴】
2021年 8月 7日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年 5月 3日:ステータス欄の誤りを修正。
2019年 5月19日:次ページへのリンクを設定。
2019年 5月12日:新規公開。