147.三匹を斬る!

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一(忍者)。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約20分(動画無)約28分(動画込)
※画面撮影アプリの影響で動画にノイズ音があります。申し訳ありません。
※ページが崩れる場合、本サイトのキャッシュをクリア願います。



──── ギルガメッシュの酒場 早朝......

いつも通りローラーレンジャーズ6名が冒険前の腹ごなしで店に入ってテーブルに付いたが、
今日は誰も注文を聞きに来る様子が無い..........

サーロイン 「いつもすぐ注文を聞きに来るのに、珍しいな」
ロース 「ねぇ、なんか厨房から声が聞こえない?」
ブリスケット 「なんすかね………?」

君主の少年 パータパタ僕ぅー、パータパタ僕ぅー!!
 パータパターー!!!
酒場のコック 黙って仕事しろぉっ!!!

ランプ 「あの声は、例の食い逃げした君主の息子ですね………」
三洲次 「まだ働いてたんだ………」

君主の少年 6時ぃー!!
 雨戸パタパタ うーるーさーいなーー!!!
酒場のコック 本当にうるせえっ!!!

サーロイン 「………………………………(汗」

君主の少年 7時ぃー!!
 お鍋ケロケロ だーいーどこーろーー!!!
酒場のコック もう客は来てんだっ!! 遅ぇよっ!!!

ロース 「………………………………(汗」

君主の少年 8時ぃー!!
 客のお皿を ピカピカ 皿磨きーー!!!
酒場のコック 皿洗いは昨日の内に済ませておけええぇっ!!!

三洲次 「………………………………(汗」

君主の少年 9時ぃー!!
 お掃除スイスイ ぼーくー邪魔さーー!!!
酒場のコック マジで邪魔だあぁっ!!!

「早くしろぉ~!」

君主の少年 10~時 洗濯ぅ!!
 ポイポイ 投げるだけーー!!!
酒場のコック てめぇ、なめてんのかあっ!!!

ランプ 「………………………………(汗」

君主の少年 11時ぃ おさかなぁ!!
 ポカポカ 干物干しーー!!!
酒場のコック そんなもの誰が作れと言ったああぁぁっ!!?

ブリスケット 「………………………………(汗」

君主の少年 12時~!!
 お~しぼり パタパタ~!! まぁまぁキレイだねーー!!!
酒場のコック しっかりキレイにしろやっっ!!!

サーロイン 「……………なんだ、あれ?」
ロース 「さぁ……………」

君主の少年 パークパク僕ぅー、パークパク僕ぅー!!
 パークパクーー!!!
酒場のコック つまみ食いしてんじゃねえぇぇっ!!!

三洲次 「仕事になってんのか、あれ……?」
ブリスケット 「なってねぇんじゃねぇっすか…………」
「あたいにも食わせろぉ~!」

君主の少年 1時ぃー!!
 お菓子 パクパク つーまーみー食いーー!!!
酒場のコック 人の話し聞いてんのかあぁっ?!!

ランプ 「………………………………(汗」

君主の少年 2時ぃー!!
 フロア チラチラ いーねーむーりさーー!!!
酒場のコック 寝るなああぁぁっ!!!!

サーロイン 「………………………………(汗」

君主の少年 3~時ぃー!!
 隣の人とペチャクチャ 無駄話しーー!!!
酒場のコック あぶら売ってんじゃねぇよっ!!!

ロース 「………………………………(汗」

君主の少年 4時ぃー!!
 買い物ぶらぶら 僕 いっしょーー!!!
酒場のコック てめぇは厨房担当だあっ!!!

三洲次 「………………………………(汗」

君主の少年 5~時 お鍋を~!!
 ピュクピュク 沸かし過ぎ~~!!!
酒場のコック 焦がしやがったああぁぁっっ!!!

「めしぃ~~!」

君主の少年 6時ぃ 客をー!!
 ウ~キウキ お出迎え!!!
酒場のコック 今頃接客かよっっ!!!

ランプ 「………………………………(汗」

君主の少年 7~時~!!
 夕食 パクパク~!! ぼーく よく食ーべるーー!!!
酒場のコック さっきから食ってばっかじゃねぇかっっ!!!

ブリスケット 「………………………………(汗」

君主の少年 パータパタ 僕ぅー!!
 パークパク 僕ぅー!!
 もお、8時~!!
 そろそろ僕 パジャマを着て、おっやっすっみさっ!!!
酒場のコック 仕事しろおおおぉぉっっ!!!!


三洲次 「あいつ、ここの仕事向いてないんじゃないか……?」
ロース 「あんな感じじゃ、どこも向いてなさそうだけど……?」
サーロイン 「レイバーロードとかもそうだが、君主って変なのが多いのかな?」
サーロイン 他意があるだろ、それっ!?

 



さて、アイテム全種類入手まで残り下記1種類なのですが...........


・守りの盾



.......出ねええぇぇぇぇ..........




【目次】

1周目:タコと千石

2周目:暴れん坊殿様




■1周目:タコと千石





………………………………………


………………………………


………………………


………………


………



──── 地下10階 某所......

その部屋の中では、ハタモトと配下のレベル10メイジの2人がL字に座り、
御飯・味噌汁・漬物という質素な朝食を前にしていた........

ハタモト 「では、頂くことにしよう」
メイジA 「あ、そうだ、タコさん?」
ハタモト 誰がタコだっ!?
メイジA 「いや、あなたのあだ名ですよね?
 長谷川平蔵多古ノ進之豚メ(はせがわへいぞうたこのしんのぶため)………略して『タコ』」
ハタモト その略し方、悪意があるだろっ!!!
メイジA 「じゃぁ『ブタめ』にしましょう、ブタめ」
ハタモト 誰がブタだあぁっっ!!?
メイジA 「いいじゃないですか、動物のアダ名ってかわいくて」
ハタモト 「あいててて………無駄に大声出したからか、持病の片頭痛が………」
メイジA 「大丈夫ですか?」
ハタモト 「ともかく、タコやブタは止めてくれ」
メイジA 「じゃぁ、なんて呼べばいいんです?」
ハタモト 「せめて『平蔵』と呼んでくれ」
メイジA 「分かりましたよ……じゃ、平蔵さん?
 ローラーレンジャーズってご存知ですかい?」
平蔵 「ローラーレンジャーズ?
 いや、知らんな」
メイジA 「わしが昔所属していた協会が付け狙っていた盗賊パーティーなんすけどね、
 ここの住民を襲っては人の財宝を略奪していく、とんでもねぇ奴らなんすよ」
平蔵 「なんだ、地下の平穏を守る仕事の話しか?
 食事の時ぐらい、仕事の話しは無しにしようや」
メイジA 「はぁ………」
平蔵 「まずは朝食をいただこうじゃないか」
メイジA 「では………いただきます」
平蔵 「どれ……、むぐむぐ………ポリポリポリ………、
 ほぉ、この大根の漬物はよく漬かっておるな、実にうまい!」
メイジA 「もぐもぐもぐ………いい味が出てますねぇ」
平蔵 「こういう素朴な味には、不思議なものを感じるな」
メイジA 「へ? どこが不思議なんです?」
平蔵 「あのな………10万もする河豚の懐石だの、グラム1万の高級牛だの、高い料理はいろいろあるが、
 ああいうのは何日も続けて食えるもんじゃない」
メイジA 「金が吹っ飛びますからねぇ」
平蔵 「バカ! そういうことじゃない!
 いいか?
 高級な料理を食った時ってぇのは、確かにあまりの美味さに感動をする。
 だがな、それを何日も食い続けていると、すぐに飽きてくるんだ」
メイジA 「へぇ………わしは貧乏協会出身なんで、むしろ一度ぐらい食ってみたいほどで」
平蔵 「一方でな、この侘しい米と漬物の食事には、そういう感動は無い。
 ところがだ………何度も食っているというのに、全然飽きがこないんだ。
 むしろ、またここに戻って来たいと思う。
 やたら旨い料理より、こういう素朴な料理の方を、むしろ身体が求めるんだよ。
 不思議なもんだと思わないか?」
メイジA 「わしはパンで育ったから、パンの方がいいですけど」
平蔵 「こういうのは、人生と同じなのかも知れんな。
 波乱万丈な人生は刺激的だが、いずれ疲れてしまう。
 やはり平穏こそ、人が本来求めるものなのかも知れん」
メイジA 「それは人によるのでは………むしゃむしゃ」
平蔵 「ポリポリポリ………うむ、この塩加減、実によい塩梅だ」
   
メイジB 親分、てぇへんだ、てぇへんだぁっ!!!
平蔵 「騒がしいな、食事くらいゆっくり食わせろ……」
メイジB 「何のんびりしてるんですかい!
 てぇへんなんですよ!!」
平蔵 「おめぇの『てぇへんだ』は聞き飽きたよ」
メイジB 「何言ってんですかい!!
 あのローラーレンジャーズってぇ盗賊パーティーが、またこの地下にやって来たんすよ!!」
平蔵 「ローラーレンジャーズ……?
 さっき言ってた盗賊団か?」
メイジA 「そのようで」
メイジB 「やつら、ここでまた殺戮と略奪を繰り返すつもりですぜ!!」
平蔵 「むぅ………地下の平穏を破る悪賊どもか………。
 確かに見逃す訳にはいかんな」
メイジA 「それでこそ、我らのタコさんだ!!」
メイジB 「そうこなくっちゃ、ブタめ!!」
平蔵 誰がタコやブタだあっ?!!


………


………………


………………………


………………………………


………………………………………



──── 地下10階 入り口......


それではいつも通り、地下10階第三玄室までを周回していきます。


──── 第一玄室(1周目)


サーロイン 「では、まずは第一玄室だな」
三洲次 「さっそく入りましょう!」

バンッ!        ← 扉を蹴破った音


??? 来たな、ローラーレンジャーズっ!!
 大人しくお縄を頂戴しろ!!!
   
サーロイン 「む? 誰だ?!」


ハタモト(平蔵) 火付盗賊改(あらため)
 旗本・長谷川平蔵多古ノ進之豚メ(はせがわへいぞうたこのしんのぶため)である!!
 悪賊パーティーよ、神妙にいたせっ!!!
   
三洲次 「うわぁ………」
ブリスケット 「ダセェ名前っすね………」
   
メイジA 『鬼の平蔵多古ノ進』、人呼んで『タコ』に向かって…」
ハタモト(平蔵) 待て!待て!待て!待て!!
メイジA 「え?」
ハタモト(平蔵) だから おかしいだろ、その略し方!!!
 ってか『鬼』はどっから来て、どこに使ってんだよ?!!
   
三洲次 「うわぁ………」
ブリスケット 「ダセェあだ名っすね………」
   
メイジA 「あれ? 違いましたっけ、タコさん?」
メイジB 「タコですよね?」
ハタモト(平蔵) 誰がタコだっ!!?
メイジC 「『ブタめ』の方が良いんだ、ブタめ」
ハタモト(平蔵) 誰がブタだあぁっっ!!?
メイジD 「え~、別にいいじゃないですか、タコさん!」
メイジE 「そうだそうだ、ブタめ!」
ハタモト(平蔵) 「ぁ~~………また頭痛がしてきた、いつもの片頭痛が…………」
メイジE 「あぁ、それは頸椎がズレてるから起こるんです。
 ほっといちゃダメです」
メイジF 「オッケー、平蔵さん!
 本日は無料で、わたくしが治してあげましょう。
 ウリャ!(グギィッ!)
ハタモト(平蔵) ギャアアアアァァ……っ!!
 メイジィィッ!!! このバカ者がああぁぁっ!!
 ブターッ!! タコーッ!! コブラーッ!!」 
メイジA 「平蔵さんって、しりとりが上手なんですねぇ」
ハタモト(平蔵) うっさい!!
   
ロース 「今の内に倒せないかしら……?」
サーロイン 「面白いから、もうちょっとだけ見てよう」
   
ハタモト(平蔵) とにかく、タコとかブタは止めてくれっ!!
メイジB 「じゃ、なんて呼べばいいんです?」
ハタモト(平蔵) ここは『鬼の平蔵多古ノ進』、人呼んで『鬼平』だっ!!!
メイジC 「へいへい………」
メイジD 「自分で言うかよ………」
   
メイジE 「えぇと、タコ………もとい、鬼平が来た以上、お前らの悪行もここまでだ!!!」
メイジF 「大人しくお縄を頂戴しろぃ!」
   
三洲次 「お縄って………あんたら、治安部隊なの……?」
サーロイン 「悪の魔法使いの下っ端が、なんで取り締まりをしてるんだ?」
ロース 「むしろ取り締まられる側でしょ、あなた達?」
   
ハタモト(鬼平) バカも休み休み言え、悪を知らぬものが悪を取り締まれるか!!
   
ランプ 「それは知識の話しでは?」
三洲次 「悪に身を染めてちゃ、ダメだろ………」
ブリスケット 「こっちを殺す気満々っすよね」
   
ハタモト(鬼平) 「人の心の奥底には、己でさえ分からぬ魔物が棲んでいるものだ」
   
ロース 「いまいち会話が成り立ってないけど、つまり殺す気満々なんでしょ?」
サーロイン 「いいか、良く聞け!
 そっちにそっちの正義があるなら、こっちにはこっちの正義がある!
 お前らにとっての"悪"も、こちらには"善"ということもある!!」
   
ハタモト(鬼平) 「人とは、妙な生き物よ。
 悪いことをしながら善いことをし、善いことをしながら悪事を働く」
   
ランプ 「さっきから何を言っているのかよく分かりませんが……」
三洲次 「…とりあえず、何がなんでもこっちを悪人にしたいのは分かりました」
ブリスケット なら、やることは一つっす!
ロース もちろんよ!!
サーロイン 仮にお前らがこの迷宮の取締りだとしても、そっちが殺る気なら、
 こちらも殺るまでだ!!!
   
ハタモト(鬼平) ここに来て、まだ業(ごう)を重ねようと言うのか!!
 メイジどもよ!!
 迷うな!ためらうな!一歩も退くな!
 全ての責めは、この長谷川平蔵多古ノ進之豚メが持つ!!
 ひっ捕らえろ!!!
   
サーロイン そう簡単に捕まるか!!
 てやっ!!


バシュッ! ビシュッ!

メイジA ぐわあっ!!
   
ほっ!


グサッ! シュパーン!

メイジB うぎゃあっ!!
   
ロース マダルト!!


グオオオォォッ!!!

メイジ達 「「ぐほおおぉぉっ!!!」」

ハタモト(鬼平) 「おのれ、悪賊どもめっ!!」
三洲次 「おい!!」
ハタモト(鬼平) 「む?」
三洲次 「同じ侍同士、この俺がお前の相手になってやろう!!」
ハタモト(鬼平) おのれ!!
 我が愛刀『栗田ゆう子国綱』、見事受けてみよ!!
三洲次 我が愛刀『村正』、見事受けてみよ!!


ズバアアァァッ!!

ハタモト(鬼平) ぐわあああぁぁっ!!!
三洲次 「俺の方が、腕が上だったようだな!!」
ハタモト(鬼平) 「ぐおおぉぉ………く、くそっ………!!
 貴様ら悪賊に、呪いあれ!!
ランプ 「余計なお世話ですよ」
ハタモト(鬼平) 「俺には………これで………真の平穏が訪れるな………ぐはっ!!


三洲次 「なんか会話の成り立たない奴でしたね」
サーロイン 「気にせず、宝箱を開けよう」
ブリスケット 「変な事にどんどん慣れてってねぇっすか?」
サーロイン 「いいから、カルフォしてくれ」
ブリスケット 「へい」


ブリスケット 「メイジブラスターっすね」
「ん~~…………あぁ、メイジブラスターだな」
サーロイン 「じゃ、解除してくれ」


ロース 「ローブが1着だけ入ってたわ」
三洲次 「あ~~、ここでローブって言えば……」
ブリスケット 「1つだけっすね………」


ランプ 「予想通り『呪われたローブ』です………」
サーロイン 「呪いって、これなんだ………」

 


ま、第二玄室へ行きましょう........



──── 第二玄室(1周目)


バンッ!



シーフA 「む? なんだ、お前ら?」
サーロイン 「それはこっちの台詞だ」
シーフA 「何をしている?」
サーロイン 「それもこっちの台詞だ」
シーフA 「さてはこの迷宮にある宝物を奪いに来たパーティーだな。
 盗賊どもめ!!」
サーロイン 全部こっちの台詞だあっ!!!
ロース 「盗賊風情に盗賊って呼ばれたくないわよ」
   
「あたい、天才盗賊ぅ!」
三洲次 「桃、黙ってろ」
   
ブリスケット 「あんさん、人に名前を尋ねる時は、自分から名乗るのが礼儀ってもんですぜ?」
シーフA 「む…………確かに。
 では、名乗らせてもらおう。
 俺は貧乏盗賊の三男坊、徳田呉四新之助(とくだくれよんしんのすけ)だ」
シーフB 「人呼んで『呉四(くれよん)新ちゃん』!
ロース 「ぷっ…!」
シーフ(呉四) 「あーーーっ!!
 お主、人の名前を笑ったなぁっ!!!
ロース 「ごめん……ぷぷ……なさい………、なんか可愛い名前だったから………」
シーフB~E 「「ぷぷぷ…!」」
シーフ(呉四) お前らまで笑うなあっ!!!
 お前らがそう呼ぶから、こうなるんだあっ!!!
サーロイン 「まぁまぁ、じゃ、今度はこちらの番だ。
 俺は準男爵のロイン……… サー・ロインだ」
シーフ(呉四) 「準男爵なんかが、ここで何をしているんだ?」
サーロイン 「『守りの盾』を探している」
シーフ(呉四) 「ふ~~む………噂には聞いたことがあるが、どこにあるかは知らないな」
サーロイン 「そうか、しょうがない。
 で、お前は何をしているんだ?」
シーフ(呉四) 「仲間を探しているだけだ」
サーロイン 「仲間?
 俺たちはここでいろいろな奴らと出会っているから、知っているかも」
   
「出会った奴は片っ端からぶっ殺してるけどな!!」
三洲次 「桃、黙ってろ」
   
サーロイン 「言ってみてくれ、もしかしたら知っているかも」
シーフ(呉四) 「御庭番だ」
サーロイン 「オニワバン……?
 なに、それ?」
ブリスケット 「お殿様の指令を受けて密偵などをする忍者っす。
 普段は殿様の住むお城の庭の手入れをしてんで、そう呼ぶっす」
サーロイン 「ふ~~ん………いや、知らん。
 悪いな」
シーフ(呉四) 「そうか、じゃ、もし出会ったら、探していたと伝えてくれ」
サーロイン 「分かった」


サーロイン 「じゃあな」
シーフ(呉四) 「またな」

パタン!


三洲次 「なんで盗賊風情が、殿様に仕える忍者なんか探しているんですかね?」
サーロイン 「考えたって分からんし、ま、入り直そう」

バンッ!



三洲次 「まさか御庭番って…………」
ブリスケット 「多分、こやつらっすね…………」
ランプ 「あっさり見つかりましたね…………」
   
忍者A 「む? なんだ、お前ら?」
サーロイン 「それはこっちの台詞だ」
忍者A 「何をしている?」
サーロイン 「それもこっちの台詞だし、
 おまえの次のセリフは
 『さてはこの迷宮にある宝物を奪いに来たパーティーだな、盗賊どもめ!』
 だ」
忍者A 「さてはこの迷宮にある宝物を奪いに来たパーティーだな。
 盗賊どもめ! ………はっ!?」
サーロイン 「まぁ、いい。
 お前らがオハコンバンチワだな」
忍者達 「「誰がオハコンバンチワだっ?!」」
三洲次 「ロイン……オニワバン、御庭番です」
サーロイン 「あぁ、悪い。
 お前らがオニワバンだな」
忍者A 「む……?
 なぜ知っている?」
サーロイン 「お前らを探している奴が居たぞ」
忍者A 「なに?」
サーロイン 「シーフの呉四新(くれよんしん)ちゃんって奴が」
忍者B 「ぷぷぷ………そ……そうか………ぷぷ」
忍者C 「くくく………探してたか………うぷぷ」
サーロイン 「じゃ、伝えたからな」
忍者D 「ありがとよ、じゃ、向こうの方を探してみるか」


パタン!


ランプ 「これで無事に会えましたかね、あいつら?」
サーロイン 「さぁな………ま、入り直そう」

バンッ!


忍者A 「おい、呉四新ちゃん見なかったか?!」
サーロイン ズコーーーーッ!!!
   
三洲次 「全然会えてねぇじゃん………」
ブリスケット 「ってか、またここに戻って来てるって、ちゃんと探してたんすか?」
   
サーロイン 「いてて………、あっち………あっちに行ったって……」
忍者B 「おぉ、そうか!」
忍者C 「かたじけない!」
サーロイン 「じゃあな……」
忍者D 「よし、あっちだ!」


パタン!


ロース 「さすがに今度は会えたんじゃない?」
サーロイン 「だといいがな…………とりあえず、入り直そう」

バンッ!



呉四新ちゃん 「おい、御庭番見なかったか?!」
サーロイン ズコーーーーッ!!!
三洲次 なにすれ違ってんだよっっ!!!
   
呉四新ちゃん 「おい、本当に見てないか?」
サーロイン 「いてて………み、見た………あっちに行った………」
呉四新ちゃん 「おぉ、そうか」


呉四新ちゃん 「ありがとな!」
サーロイン 「今度はちゃんと出会えよ!」
呉四新ちゃん 「あぁ、じゃあな」

パタン!


三洲次 「いい加減にちゃんと出会ってほしいんだけど………」
サーロイン 「ちょっとイヤな予感もするけど………とりあえず入り直そう」

バンッ!


??? 「ふふふ………、
 まさかお前らが地下迷宮を荒らし回っている、あのローラーレンジャーズだったとはな………」
サーロイン 「む?」


??? お主らの首とここで奪われた数々のアイテム、拙者らが奪い返してやる!!!
サーロイン 「なに?!」


サーロイン ぐわっ!!
三洲次 「な……?!」
ランプ 「こ、この数は……!?」


三洲次 うがあっ!!


三洲次 うぎゃあっ!!


ぎっ!?


三洲次 ぎゃひぃっ!!


三洲次 うぐあっ!!

……………………

…………

奇襲ターン終了........


おおおおぉぉぉ........あぶねぇ.........!!!

三洲次 「ぐおおおぉぉ……っ!!」
「ちっ……!」
サーロイン 「くそっ! こいつらは…」
ブリスケット 「さっきの御庭番たちですぜ!!」
   
忍者A 「まさかお前らがローラーレンジャーズだったとはな!」
忍者B 「殿より、悪徳盗賊団のお前らを成敗するように言われておる!」
   
サーロイン 誰が悪徳盗賊団だっ!!!
「あたい天才盗賊ぅ!!」
三洲次 「だから黙ってろ」
   
忍者C 「殿様からの命令だ!!
 お命頂戴致す!!!
   
ランプ 「どうします?
 こいつらと戦っても、ロクなアイテムが期待できないですけど……」
サーロイン 「三洲次が1ターンで半分以上もダメージを受けてる以上、
 逃げ損なって同じ損害を出してはまずい!!!
 一気に片付けるぞ!!!
   
忍者D 次で勝負を決めてやる!!
   
サーロイン 「ふん!
 よく覚えておけ!!!
 この地下迷宮では、チャンスを得たのに相手を殺せなかったのなら、
 次に殺されるのは自分たちだってことをな!!!


敵たち 「「ぐわあああぁぁぁっ!!!」」


サーロイン 「覚えたか?!」
ランプ 「もう死んでますよ」


ランプ 「中身は期待できないですが、頂けるだけ頂いておきますか……」
三洲次 「どう考えても、俺たちは盗賊団だ………」
サーロイン 「気にするな、ここじゃ"日常の風景"ってやつだ。
 桃、開けてくれ」


「ほい、開いたぜ」
ランプ 「鎧が1個だけ………」


ランプ 「『銅鎧』……………」
サーロイン 「ま、死人を出すよりマシだろ」
三洲次 「でも、あいつらの言っていた『殿様』って、誰だろう…?」
ブリスケット 「こんな迷宮に、そんな人居るんすかね…?」
ロース 「どうせろくな奴じゃないから、会わないで済むなら会いたくないわ」
サーロイン 「次へ行くぞ」





…………………………………………


………………………………


……………………


…………


──── 地下10階 某所......

メイジA 「千石さん!! 千石さん!!」
メイジB 「大変ですぜ!!」
千石 「どうした?
 何か面白いネタでも仕入れてきたのか?」
メイジA 「なに呑気なことを言ってるんでぃ!」
メイジB 「殿様からの伝言っす!」
千石 「ほぉ、殿から?
 どうした?」
メイジA 「人を斬り捨てては財宝を奪う悪賊パーティーが、ここ地下10階の平穏を乱しているとか」
メイジB 「そこで、その悪賊パーティーを討伐せよ、とのことです!」
千石 「なに、本当か?
 ふふふ………留守番つづきで、ちょうど退屈をしていたところだ。
 さっそく出向こうじゃないか」
メイジA 「気を付けて下さいよ。
 悪賊パーティーは、かなりの手錬らしいですぜ」
メイジB 「あの『タコ』こと『鬼の平蔵多古ノ進』も殺られたとか……」
千石 「ぬふふふふ!
 それを聞いて、またぞろ退屈の虫が疼き出したわ!!
 おぬしら、一緒に来いっ!!」
メイジ達 「「へいっ!」」


…………


……………………


………………………………


…………………………………………



──── 第三玄室(1周目)


サーロイン 「よし、入るぞ!」

バンッ!


??? 地下の平穏を荒らす悪賊パーティーよ!!
 おまえらの悪行も、ここまでだっ!!!
サーロイン 「む? 誰だ!?」


ハタモト 直参旗本・早乙女主水瀬玲苦始四之介(さおとめ もんどせれくしょんのすけ)!!!
 人呼んで旗本退屈オヤジ!!!
   
ロース 「また変なのが出て来たわよ………」
ランプ 「今日、こんなのばかりですね………」
三洲次 「こいつ倒すと、なんか金賞とか貰えそうな気がするのは、なんでなんだ……?」
   
メイジA 「千石さん!!」
メイジB 「こんな悪党、あっさりと倒してやってください!」
   
サーロイン 「センゴク?
 さっき、なんちゃらモンドセレクションとか名乗ってなかった?」
   
千石こと
旗本退屈オヤジ
「拙者、数え年33,本所割下水の近くで生まれ育ち、無役ながら1,200石の大身!」
   
ブリスケット 「それで『千石』ってアダ名っすか」
   
旗本退屈オヤジ 「しかし、退屈じゃ退屈じゃと、退屈まぎれに罷(まか)り越せば、この迷宮の有様はどうしたことか?!
 邪悪非道な悪鬼が闊歩する、地獄と化しておるではないか!!」
   
サーロイン 誰が悪鬼だっ!!!
三洲次 「あんたらだって、似たようなもんだろ………」
   
旗本退屈オヤジ 黙れおろぉっ!!!
 この額の傷、と く と見よ!!
   
ブリスケット 「へ?」
ランプ 「それが、何か?」
   
旗本退屈オヤジ この額の三日月は、殿様から頂戴した天下御免の向こう傷!!!
   
ロース 「え? 殿様って……」
三洲次 「さっきの忍者たちも口にしてたな………」
   
旗本退屈オヤジ この早乙女主水瀬玲苦始四之介、
 殿様に代わりてお相手致す!!!
   
サーロイン 「しょうがない………」


サーロイン 「…そっちがその気なら受けて立とうっ!!!
 てやあぁぁっ!!!


ビシュッ!!

メイジA うぎゃああぁっ!!
サーロイン 「まず1人………」
   
旗本退屈オヤジ 「くっ?!
 こしゃくなっ!?
   
三洲次 おいっ!!!
   
旗本退屈オヤジ 「む?!」
   
三洲次 同じ侍同士、俺が相手になってやろう!
   
旗本退屈オヤジ 笑止千万!!!
 地下迷宮八百八室に隠れもない直参旗本、一世一代の退屈貰い!!!
 諸出し流青姦崩し、受けてみよっ!!!
   
三洲次 ふん!
 村正ブレード……今宵は存分に切れ味のほど、お目にかけよう!!
サーロイン なぁ……ちょっとはツッコんでやれよ………


グサッッッ!!!

旗本退屈オヤジ ぐわあああぁぁぁっ!!!
   
三洲次 てめぇのシナリオ通りにいかなくて、悪かったな!!!
ブリスケット 「まぁ、諸出し流とかふざけた流派じゃ、その程度じゃねえっすか………」
「じゃ、残りはあたいが殺るか」
   
メイジB ひっ?!


メイジB ぎぃええええぇぇっ!!!
   
「ちょろいな」


サーロイン 「達者だったのは口だけだったな」
ランプ 「じゃ、宝箱を頂いちゃいましょう!」
ブリスケット 「では、カルフォを………」


ブリスケット 「ふむ…………爆弾っすね」
サーロイン 「じゃ、桃も頼む」
「うぃっす」


三洲次 ぉ~?!
んだぁあ!?
 天才盗賊だったあたいの判定に文句あんのかあっ?!!
サーロイン 「ランプ?」


三洲次 ランプぅ~?!
ランプ なんで私まで文句言われなきゃならないんです?!
ブリスケット 「ついと前にも似たようなことがありやしたね………」
サーロイン 「しょうがない、ロース、最後に頼れるのはお前だ」
ロース 「オッケー!」


ランプ 三洲次ぃ~?!
三洲次 「あ~~……いや~、悪かったよ……」
三洲次ぃ~?!
三洲次 おまえは全然違っただろっ!!!



ロース 「あら、珍しく『小手』が入ってたわ」
ランプ 「お、どれどれ………」


・銀の小手

ランプ おぉ! 皆さん!!
 『銀の小手』でしたよ!!
ロース 「久しぶりのレアアイテムね!!」
三洲次 「さすが直参旗本、いい物持ってるな」
ブリスケット 「この調子なら、殿様辺りはもっと良い物持ってそうですぜ!」
ランプ 「そう考えると………ちょっとその殿様ってのにも、会ってみたいですね」
ロース 「えぇ~……疲れそうだから、それはちょっとぉ………」
サーロイン 「とりあえず、いい終わり方をしたところで、1周目はここまでとしよう!!」


 

 

> 1周目の動画に戻るにはここをクリック




■2周目:暴れん坊殿様





──── 地下10階

アイテム運が上向いたところで......、


....この運気に乗って、2周目も張り切って行きましょう!!


..........と、勇んで出発した途端!!!



ジャイアント達 「「シュウウウゥゥ……ッ!!」」
   
サーロイン 「お? ポイゾンジャイアントだ」
ブリスケット 「なんか、すげぇ久しぶりに見た気がしやす」
ランプ 「通路の敵って普段は逃げてますが、どうします?」
サーロイン 「アッサリ勝てるだろうし、経験値を稼がせてもらおう。
 ロース?」
ロース 「オッケー!」


ジャイアント達 「「フィギャアアアァァッ!!!」」


ランプ 「今回クドい戦闘ばかりでしたから、こういうアッサリした戦闘は心地良いですね」
サーロイン 「口直しのデザートってところだな」
三洲次 「ポイゾンジャイアントがデザートって、ちょっと違和感がありますけど………」


とりあえず、経験値をガッポリと稼いで、第一玄室へ。


──── 第一玄室(2周目)


ギィィィ..........ッ



ドラゴンゾンビ達 「「シュウウウゥゥ……ゥゥ………」」

サーロイン 「お? ドラゴンゾンビ相手に先制できたぞ」
三洲次 「3匹なら先制中に片付けちゃいましょう(スラッ!)」
サーロイン いや、ちょっと待て!
三洲次 「え?」
サーロイン 「せっかくだから、誰が一番ディスペルできるか競争してみないか?」
ロース 「え~~?!
 それだと経験値が入らないじゃない!」
サーロイン 「経験値ならさっきタップリ稼いだから、いいだろ。
 最近ディスペルしてないし、どれほど通用するか、ちょっと見てみないか?」
ランプ 「いいですね。
 じゃ、1人100G.P.ずつ出して、一番多くディスペル出来た人の総取りで」
ブリスケット 「ランプはん、賭け事好きっすね」
サーロイン 「ま、たまにいいだろう。
 では、聖職者3名で競おう!
   
三洲次 さ~て、誰が一番ディスペル出来るのか?!


サーロイン もちろんリーダーである俺に決まってる!!


ブリスケット いやいや、ここは本職のあっしですぜ!!


ランプ いえいえ、当然一番レベルの高い私ですよ!!



三洲次 「みなさん、準備はいいですか?」
3人 「「オッケー!!」」
   
三洲次 それでは、いってみましょう!!!







三洲次&

ロース
   
サーロイン&
ランプ&
ブリスケット
(; ゚_゚)…………………………
   
三洲次&

ロース
!!!
   
サーロイン&
ランプ&
ブリスケット
(;TT)…………………………



マジかよ..................





ドラゴンゾンビ達 「「シャアアアァァ……ァァ………」」

三洲次 「先制した意味、これっぽっちも無ぇ………」
サーロイン ふん!!!
 速攻で倒せば、結果は一緒っ!!!



  
サーロイン (;TT)…………………………
   
三洲次 「しょうがない………桃、いくぞっ!!!
うぃーす!!!



三洲次 余裕だな!(ハイタッチ!)
うぃっ!!(ハイタッチ!)」
   
ブリスケット 「さすが……」
ロース 「じゃ、残り1匹は消し飛ばすわね」


サーロイン え~~~
 ダサすぎぃ~~~!
ロース あなたにだけは言われたくないわっっ!!!
ランプ 「しょうがないから、寝かしつけておきますよ?」



通常戦闘、まさかの2ターン目に......



ドラゴンゾンビC 「ZZZzz……………」
   
サーロイン 「ま、もう余裕だろ」
三洲次 「誰がトドメを刺します?」
ロース 「この人達、敵が寝てても信用ならないから、桃が頼むわ」
ロイン&三洲次 「えぇ…………」
「とっ!」


「余裕ぅ♪」
ロース 「さすがね!」
   
ロイン&三洲次 (;T_T)……………………

このパーティーで信頼できるのは、もう桃だけってことだな。



ランプ 「では、宝箱を開けましょう!」
ブリスケット 「罠は毒針っすね」
サーロイン 「桃の見立ては?」


「え? え?! えっ?!
 罠?!
 ………どこに???
三洲次 「……………………怒!



桃だけ..........?



ロース (………こんなメンバーで、よくもってるわよねぇ………)




罠は当然「毒針」で、無事に解除

中には鎧が1個だけ入っていたが........、


....「豪華な皮鎧」だった。

ショボ........



第二玄室へ......。


──── 第二玄室(2周目)


バンッ!



うあああぁぁぁ..........

ランプ 「まさかのバンパイアの集団」
サーロイン ロース!!!
 ティルトウェイト!!!
 ティルトウェイトだっ!!!
三洲次 「必死ですね……」
サーロイン ぜぜぜぜ絶対にエナジードレインは回避するぞおおぉっ!!!
ロース 「ビビッてるの、あなただけよ?」


サーロイン 死ねっ!!
 死ねっっ!!!
 死ねえええぇっっ!!!


サーロイン 「………………………………(汗」
ロース 「どんなに頑張っても、超えられない壁ってあるのねぇ~」
   
三洲次 よーし、桃!!
 いくぜっ!!
っしゃーー!!!



三洲次 余裕っ!(ハイタッチ!)
ぅいっ!(ハイタッチ!)
   
ロース 「じゃ、残りは片付けるわね」



サーロイン 諸君、見事な働きであった!!!



ブリスケット 「メイジブラスターっすね」
「む~~……………そうっぽいな」
サーロイン 「じゃ、開けてくれ」


ブリスケット 「薬が1個だけっすね」
ランプ 「ええぇぇぇ…………」


・「隠れ身」の薬

ランプ 「はぁ…………」
三洲次 「『守りの盾』って、全然出ませんね……」
ロース 「さっき『銀の小手』は出たけど、やっぱりアイテム運は低調ね………」
サーロイン 「じゃ、2周目も最後の玄室で良いアイテムが出ることを祈り、前を向いて進もう」



と、第三玄室へ向かうが........


....その途中で!!!

サーロイン 「む!?」


ウィスプ達 「「ヒョロロロロ………」」
   
サーロイン 「なんだ、ビックリさせるな………」
ブリスケット 「通路の敵は無視してやすが、こやつらはどうしやす?」
サーロイン 「せっかくだから、経験値を稼がせてもらうか」
三洲次 「いいですね!
 じゃ、パパッと片付けますか!(スラッ!)」


三洲次 「………………あれ?」
ロース 「どこがパパッとよ? どこが?!」
三洲次 「いや、こいつすばしっこいから、剣を当てづらいんだって!!」
「ほっ!」


「余裕ぅ!」
三洲次 「………………………………」
ランプ 「桃は現在6回ヒットまで出来るので……」
ブリスケット 「…あっさりフルヒットっすね」
三洲次 (;T_T)…………………………
サーロイン 「じゃ、残りは俺がパパッと片付けるか」


サーロイン 「………………あれ?」
ロース 「どこがパパッとよ? どこが?!」
ランプ 「まぁ、ロインに期待してはダメかと」
ロース 「あ、そうね」
サーロイン (;T_T)…………………………


サーロイン 前衛男性陣の名誉挽回!!!
 今度こそ倒してみせる!!!
 てやあああぁぁぁっ!!!!


サーロイン 「……………………………………」
ロース はあぁ…………」
三洲次 前衛男性陣には、まだ俺がいます!!!
 村正のダメージなら、残りH.P.を削るのは余裕っ!!!
 とやあああぁぁぁっっ!!!!


三洲次 「……………………………………」
とっ!


「余裕ぅ!」
サーロイン&
三洲次
「「…………………………………」」
ブリスケット 「なんすかね……?」
ランプ 「この違いは……?」
ロース 本~~当に頼りない男たちね!
サーロイン&
三洲次
(;TT)…………………………



マジで........ウチのパーティーの男性陣って..........






とりあえず........本日最後の玄室です。




──── 第三玄室(2周目)


バンッ!



??? お主らの悪事!!悪事!悪事!悪事!(エコー)
   
   
サーロイン 「む?!」
   
   
??? そこまでだっ!!だっ!だっ!っ!(エコー)
   
   
三洲次 誰だっ?!
ロース 「こ……声しか聞こえないわ?!」
ブリスケット 「ど、どこっすか……?!」



パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…


「………! ! !


パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…


サーロイン 「………なんだ?!」


パカラ…パカラ…パカラ…パカラ…パカラ…パカラ


ロース 「この音は…………馬?!


パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…


ブリスケット 「近付いて来やすぜ………!?」


パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…


三洲次 「な………何が来るんだっ?!」


パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…パカラッ…


ランプ 「………………来ましたよ!!


パカラッ…パカラッ…パカラッ…ブルルルンッッ!!!






1 ハタモト
3 レベル10メイジ
1 ゴーゴン


ハタモト 悪賊パーティーよ、そこまでだっ!!!
   シュタッ!    ← ゴーゴンから降りて
   スタスタスタ…  ← 最前列へ
ゴーゴン ブルルルンッ!!

三洲次 「ハタモトがゴーゴンに乗って現れた………」
ロース 「あの音、馬の蹄じゃなくて、ゴーゴンだったの……」
ランプ 「また変なのが………」
   
ハタモト 悪賊パーティー・ローラーレンジャーズ……、
 大勢の者の命を奪った挙句、人々の財宝を略奪しまくるそなたらの行為、
 断じて許す訳にはいかん!!
   
サーロイン 「いきなり何様だよ……?」
ブリスケット 「いや、そういんは、ここでは日常茶飯事ですぜ?」
   
ハタモト 黙れ!!
 余の部下を次々と殺しておいて、余が見逃すと思うのか?!
   
ロース 「誰のことよ、あなたの部下って?」
   
「みんな殺しってから、分からねぇぜ!」
三洲次 「桃、黙ってろ」
   
ハタモト 最後の情けだ!
 潔く腹を切れっっ!!!
   
サーロイン 「なんで腹を切る話しになるんだよ……」
ブリスケット 「それが日本の侍の償い方っすからね」
サーロイン 「え? そうなの?!」
ロース 「なによ、その物騒な償い方……」
ランプ 「ってか、いきなり出て来て、なんなんですか……?」
三洲次 「ポッと出のくせして、偉そうに……」
   
ハタモト たわけ者っっ!!!
   
…」
   
ハタモト 余の顔を見忘れたか!?
   
サーロイン 「は?」
ランプ 「え?」
ブリスケット 「え~~~と…………」
三洲次 あーーーーーっ!!!
 おまえは……」
   
メイジ達 「「ぷぷぷ…………」」
ハタモト(呉四) おい!! 笑うなっ!!!
 ここ一番カッコいいとこなんだからっ!!!
   
サーロイン 「いや、そりゃ……」
ブリスケット 「笑うなって方が無理ってもんで………」
   
ハタモト(呉四) 黙れっ!!!
 その耳でとくと聞け!!!
 盗賊『徳田呉四新之助』とは世を忍ぶ仮の姿!!!
   
ロース 「え?」
   
ハタモト(殿様) 余こそは 八代目殿様・徳川ヨッシー宗 なるぞ!!!
   
   
メイジA 「うぷぷ……あの………殿様の御前ですよ」
メイジB 「くくく……その………頭が高いですよ」
   
ランプ 「あの間の抜けたシーフが……」
ロース 「…『殿様』本人だったのぉ?!」
三洲次 「だから御庭番を探してたんだ」
サーロイン 「いや、それよりハタモトって、殿様のことなの?」
ブリスケット 「えぇ。
 大雑把に言いやすと、日本には一番偉い『将軍』ってぇのが居て、
 その将軍に謁見できる部下で、各地を支配する主君が『ハタモト』っす。
 で、そのハタモトのことを、普段は『殿様』と呼びやす」
三洲次 「こっちで言う地方を支配する君主に近いですね」
サーロイン 「へぇ~………和風ロードってことか」
ブリスケット 「しかし、徳川って言ゃぁ、むしろ将軍の方じゃねぇっすか?」
三洲次 「名前からしてパチモン臭いから、ハタモトで合ってんだろ」
   
ハタモト(殿様) 余の部下たちを殺してきた償いだっ!!
 観念して自害しろっ!!!
   
   
サーロイン 「……………………いや、待て!
   
   
ハタモト(殿様) 「ん?」
   
サーロイン 「………………よく考えろ!!
 殿様………つまり君主ほどの身分のお方が、この様な場所に来られるはずがない!!!
三洲次 「どの口で言ってます、それ?」
サーロイン みんな、騙されるんじゃないっ!!!
 こいつは恐れ多くも殿様の名を騙る不届き者に違いないっ!!!
   
ハタモト(殿様) 無礼者っ!!!
   
サーロイン 者ども、躊躇するな!!!
 この不届き者を叩っ斬れえっ!!!!
   
ハタモト(殿様) 骨の髄まで腐り果てた輩めっ!!!
 もはや情けは無用!!!
 メイジども、斬れっ!!!
 斬れえぇぇっ!!!
   
メイジA 「え? 斬れ?」
メイジB 「わしら、杖しか持ってないですよ?」
メイジC 「どうやって…?」
   
ハタモト(殿様) (; ゚゚)…………………………
   
サーロイン ふん!
 洋風殿様であるこのサー・ロインが、天誅を加えて進ぜる!!(スラッ!)」
   
ハタモト(殿様) 「く…っ?!」
   
サーロイン 「(チャキッ!)」


ズバッ!!

メイジA ぐわあぁぁっ!!!
   
ハタモト(殿様) おのれ!!!
 メイジども、ともかく倒せ!!!
 倒すんだっ!!!
メイジB でしたら、呪文でっ!!
   
ランプ 呪文勝負でも、負けませんよ!!



メイジB 「(……ふがっ……ふがっ………!)」
メイジC 「(……もがっ……もがっ………!)」

ハタモト(殿様) 「く……くそっ!!」
サーロイン おい!!
ハタモト(殿様) 「む?!」
サーロイン 「おまえの方こそ………観念するんだっ!!!
ハタモト(殿様) なにっ!?
サーロイン 殿様も、もはやここまで!!

その瞬間、三洲次が敵の脇へ一気に移動した!!!

シュタタッ!!!

ハタモト(殿様) 「うわっ?!」
ゴーゴン 「ブモッ?!」
   
サーロイン 成敗っ! ! !


バシュッ!!!

ハタモト(殿様) ぐわああぁぁっ!!!


ビシィッ!!!

ゴーゴン ブモォーーーッ!!!


サーロイン 「……………………………………(遠くを見る目)」
ブリスケット 「……………………どこ見てんすか?」
   
   
三洲次 「まだ敵が残ってますよ?」
ランプ 「ボスにトドメを刺すのって、先に雑魚を片付けてからやりません?」
ロース 「もう片付けるわよ?」


メイジ達 「「うぎゃあああぁぁっ!!!」」



サーロイン 「こうして、地下迷宮の平和は守られたのであった!!」
三洲次 「むしろ乱してる気がするけど………」



ランプ 「ではでは、宝箱を開けましょう!!」
ブリスケット 「カルフォ!……………プリーストブラスターっすね」
ランプ 「殿様ほどのお宝ともなれば、これは期待できますよぉ~!」
サーロイン 「桃の見立ては?」


「……………………………………」
三洲次 「おまえ、いつになったら判定が安定するんだ?」
サーロイン 「ランプ?」
ランプ 「はいはいはい!」


ブリスケット 「……っすね」
ランプ 「……ですね」
三洲次 桃ぉぉ~?!
「………………………………(遠くを見る目)」
三洲次 現実から目をそらすなっ!!!
サーロイン 「いいから、開けてくれ」



ブリスケット おぉ!! 皆の衆!!
 『盾』が入ってやすぜ!!
三洲次 「え……?!」
ランプ 「殿様ほどの人が持つ盾となると………」
ロース 「まさか……!?」
ブリスケット 「あやつ、シーフの時に『知らない』とか言ってやしたが………まさか?!
サーロイン よし!! すぐに鑑定だ!!!






・歪んだ盾


ブリスケット 「殿様ほどの身分の者が、なんちゅうヘボい装備を………」
サーロイン 「ま、歪んだ性格の者には、むしろこっちの方がふさわしかったのだと思おう」
三洲次 「無理やり納得しなくていいですよ……」
ロース 「帰りましょ…………」





「守りの盾」............出ねえ..........


 

> 2周目の動画に戻るにはここをクリック


「148.サーロイン 死す!!」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 17 154 18 18 17 18 17 14 1 0 おまえ、マジで前衛として頼りないな。
三洲次 17 150 18 18 18 18 18 18 5 4 おまえ、マジで時々ヘボいよな。
21 161 18 18 18 18 18 18 0 0 おまえ、マジで罠の判定がヘタくそだな。
ロース 20 161 17 18 18 18 18 14 0 2 おまえ、時々呪文をヘクるよな。
ランプ 24 130 16 18 18 17 18 18 0 9 おまえ、最近鑑定しかしてなくないか?
ブリスケット 19 142 18 18 18 18 18 15 3 5 おまえ、最近カルフォの失敗増えてないか?

 


【更新履歴】
2022年 1月30日:一部の台詞を見直しました。
2021年11月 6日:次ページへのリンクを設定。
2021年11月 3日:一部の台詞を推敲。
2021年10月30日:新規公開。