144.必殺冒険人

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一(忍者)。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約14分(動画無)約20分(動画込)
※画面撮影アプリの影響で動画にノイズ音があります。申し訳ありません。
※ページが崩れる場合、本サイトのキャッシュをクリア願います。



相変わらずアイテム全種類ゲットを目標に、地下10階第三玄室までを周回しています。
残る未入手のアイテムは、下記のたった1種類なのですが........

・守りの盾



【目次】

1周目:成敗!!

2周目:必殺冒険人




■1周目:成敗!!




…………………………………………


………………………………


……………………


…………


……


──── 地下10階 第六玄室
     上級魔術師協会(6代目) 本部

本部の端に設けられた会議エリアには長机があり、
今は上座に副会長のハイウィザード、その両サイドに直属の配下であるビショップの2人が座っていた。

ハイウィザード 「ローラーレンジャーズをテレポータの罠に嵌める作戦は、
 残念ながら失敗に終わった」
?ビショップA 「まったく狡猾な奴らですな」
?ビショップB 「こちらの仕掛けた罠をまんまとやり過ごすとは」
ハイウィザード 「敗因は、罠を担当したビショップどもが紙を貼り間違える……という大ポカをやらかしたからだ!!」
?ビショップA 「ぁ~~…………」
?ビショップB 「ぇ~~…………」
ハイウィザード 「おかげで、相も変わらずローラーレンジャーズはこの地下でやりたい放題じゃ!」
?ビショップA 「はぁ……」
ハイウィザード 「奴らの悪行三昧の数々、もはやこれ以上見過ごす訳にはいかぬっ!!!」
?ビショップB 「どうされるので……?」
ハイウィザード 「助ショップさん、格ショップさん、懲らしめてやりましょうぞ!!」
助ショップ 「え?」
格ショップ 「は?」

…………


……………………


………………………………


…………………………………………



それでは、今回もいってみましょう!


──── 地下10階 第一玄室(1周目)


バンッ!        ← 扉を蹴破った音


??? そなたらの悪行の数々、お天道様が許しても、わしらが許さぬっ!!
   
サーロイン 「え?」


??? 助ショップさん、格ショップさん、懲らしめてやりなさい!!
   
サーロイン はあ?!


サーロイン ぐわっ!!


三洲次 ふごおっ!!

敵の奇襲ターン終了......


サーロイン 「いてて…っ!」
三洲次 「くそっ……やりやがったなっ!!」
   
ハイウィザード 「助ショップさん、格ショップさん、もうそのぐらいでいいでしょう」
助ショップ えぇぇい、控えぇい!! 控ええぇぇい!!!
 皆のもの、控えおろおおぉぉおっ!!!
格ショップ こちらにおわすお方を、どなたと心得る!!!
助ショップ 恐れも多くも協会の副会長、ハイウィザード様であらせられるぞ!!!
格ショップ ご老公の御前である!!
 皆のもの、頭が高い!!!
 控えおろおおぉぉおっ!!!
   
ブリスケット ははぁーー!!
サーロイン 「………なにひれ伏してんだ、お前………?」
   
ハイウィザード 悪徳パーティー・ローラーレンジャーズよ!!
 私利私欲のために自分たちよりも弱い者を次々と殺し、
 人の財産を奪った挙句、横流しをして私腹を肥やすそなたらの悪行三昧、
 もはや見逃す訳にはいかぬ!!!
   
サーロイン 「えぇと………」
三洲次 「言ってることは、まぁ……その………」
ランプ 「あながち間違ってはいないですが………」
ロース 「こいつらって、こんなこと言う立場なの………?」
   
ハイウィザード 人の命を弄ぶ貴様らに、もはや見る夢はないのだ!
   
サーロイン 「止むを得ん………」


サーロイン 天下御免のローラーレンジャーズ!!
 天に変わって貴様らを斬る!!!


助ショップ ぐわあああぁぁっ!!
三洲次 名乗るほどの者じゃないが、こいつが俺の名札代わりだ!


格ショップ ぐわおおおぉぉっ!!
ロース 斬った張ったは稼業じゃないけど、ローラーレンジャーズのロース!
 ケジメはつけさせてもらいます!
サーロイン 「……………稼業だよね?」
   
ハイウィザード おのれ、悪人共め!!
 大人しく土に帰れ!!!
ランプ この世に悪の栄えたためしなし!!!



ハイウィザード 「(ふごっ……ふがっ………!)」
   
三洲次 「ひとーーつ、人の世の生き血をすすり………」
   
ハイウィザード 「(ほごっ……ほがっ………!)」
   
ブリスケット 「ふたーーつ、不埒な悪行三昧………」
   
ハイウィザード 「(は、はごっ……はがっ……!)」
   
ランプ 「みーーつ、醜い浮世の鬼を………」
   
ハイウィザード 「(ひ、ひごっ……ひがっ……!!)」
   
サーロイン 退治してくれよう!!
 桃!!!


ハイウィザード 「し……死して………屍………拾う者………無……し……(ガクッ)


サーロイン これにて一件落着!!



三洲次 「やっぱり人を殺して財宝を奪うんですね……」
サーロイン 「今さら何言ってるんだ。
 ここじゃ日常茶飯事だ、気にするな。
 じゃ、桃も頼むぞ」


「………………………………」
三洲次 「お前、最近、絶っ不調だな」
サーロイン 「ランプ?」


「こいつはぁ、うっかりだ」
三洲次 「おい、コラ」
サーロイン 「とりあえず開けてくれ」


ランプ 「お金しか入ってなかった………」
ロース 「しかも相変わらず貧乏よね、あいつら」
三洲次 「あいつ、確かワードナが直々に送り込んできたハイウィザードでしたよね?
 もうちょっと待遇が良くてもよさそうなもんだけどなぁ……」
サーロイン 「ま、しょうがない、次へ行こう」

......と、歩き出した途端!!


サーロイン 「ん?」


メイジA 「急げ!! ハイウィザード様の援軍に間に合わんぞ!!」
メイジB 「お? お前ら、ちょうどいい!
 こっちの方にハイウィザード様がおらなんだか?!」
サーロイン 「あぁ、あっちだ」


メイジC 「そうか、ありがとうな!」
サーロイン 「どういたしまして」
メイジ達 「「よし、急ぐぞ!!」」
サーロイン 「………………………………」


ロース 「あいつら、私たちが誰か気付かなかったわね」
三洲次 「相変わらずドンくさい奴らだな」
ブリスケット 「ハイウィザードの死体を見たら、どう思うっすかね?」
サーロイン 「さぁな………ま、ほうっておこう」



第二玄室へ......


──── 第二玄室(1周目)


バンッ!


サーロイン 「え? また?!」


ぬおおおおぉぉぉぉ!!!


............お?!


た、助かったあああぁぁぁ!!!!

三洲次手裏剣を持たせておいて、大正解だったあああぁぁぁ!!!!

あやうくノタウチ回るところだったぜぇぇぇ......。

てめええぇぇっ!!!
 甘く見てりゃあ、いい気になりやがってええぇぇっ!!!
三洲次 桃!! やり返すぞっ!!!
ぶっ殺すっっっ!!!



三洲次 うっしゃー!(ハイタッチ!)
しゃーっ!!(ハイタッチ!)
   
ランプ 「カティノかけるまでもなかったですね……」
ブリスケット 「相変わらず息の合った速攻っすな……」



宝箱の罠はガス爆弾だったが、問題無く解除


中は「錆びた鎖帷子」だった。
残念



第三玄室へ......。


──── 第三玄室(1周目)


サーロイン 「よし!!
 やっとこっちの先制だっ!!」


サーロイン 「これは楽勝だっ!!
 桃!!


余裕っ!!

相変わらず確実に一撃で倒して、頼もしいキャラである。



罠はメイジブラスターで、今回も問題無く解除できたが......


......中にはお金しか入っていなかった。

ランプ 「1周目は成果無しで終わりました……」
ロース 「最近、またアイテム運が落ちて来たわね」
サーロイン 「仕方ない、2周目に希望を託そう」



第三玄室まで来たので、1周目ここまで

 

> 1周目の動画に戻るにはここをクリック




さて、2周目に入る前に、ここで(俺にとって)衝撃の事実が........


なんと、1周分の画面写真がどっかに消えていることが判明!!!


なぜ気付いたかと言うと、画像ファイルのファイル名連番が続いているのに.......


(1) 先ほどの最後の戦闘を終えた状態



(2) 次の冒険を始める前の状態



......なんとロースに突如「+」(回復)マークが付いているのである!!

経験値も11,750E.P.ほど増えてるし!!


つまり、この2つの画面写真の間で1周していたのである!!


画像ファイルの退避作業(手作業)が漏れた......???
(まぁ、過去にも2度ほどやらかしてるしなぁ......)


ってか、今回は「+」マークが付いていたから気付いたけど、
実はすっ飛んだ周回が他にもあったのかも..........
(そう言えば、ボルタックの画面写真に突然『希望の胸当て』が並んでた時があったなぁ........)



ああぁぁぁぁ.....回復アイテムが全員分揃う貴重な瞬間が..........



ショックゥ........



ロース 「………………………………」
サーロイン 「どうした、ロース?」
ロース 「気が付いたら、指に『回復の指輪』が付いてたの………」
三洲次 「サンタからのクリスマスプレゼントですかね」
ランプ 「クリスマスはまだ先ですよ?」
ブリスケット 「ロースはんにスリの趣味があったとは……」
ロース 人の物なんて盗ってないわよっ!!!
サーロイン 「地下の物、取りまくってるくせに………」
ロース 「これは、あれかしら………、
 日頃から品行方正な行い・発言をしている私への、神からの贈り物かしら?」
ロース 「なによぉー!」




もう仕方ないので......、ここまま進めます........





■2周目:必殺冒険人


──── ギルガメッシュの酒場 昼休み......

ローラーレンジャーズが昼食をとっていると、トレボー親衛隊長だった酒場のコックが厨房から出て来て、
彼らのテーブルまでやって来た。

酒場のコック 「ロインさん、少しご相談が……」
サーロイン 「むぐむぐ……ん? なんだい?」
酒場のコック 「ロインさん達が地下に潜っている間に、地上で一騒動があってね」
サーロイン 「どんな?」
酒場のコック 「地下からファイアージャイアントの集団がやって来て、街で略奪をしまくったんだ」
サーロイン 「はあ?!
 なんでそんなことが?」
酒場のコック 「ほら、カント寺院の中でも、強欲なことで有名な僧侶三人組が居たのは知ってるだろ?
 ちょっとした治療や礼拝に行くだけで、法外な寄付を強要した挙句、
 金が足りないと家財を代わりに取り上げるなどしていた奴ら」
サーロイン 「いや、最近は寺院の世話になってないから、あまり詳しくなくて……」
ランプ 「噂ですけど、そんな僧侶がいるという話しは、私は聞いたことがあります」
酒場のコック 「で、寺院の中でも問題になってて、とうとう放逐されたらしいんだが、
 そいつらが復讐としてジャイアントを送り込んできたらしい」
サーロイン 「ほぉ……」
酒場のコック 「で、そのジャイアントどもが寺院だけでなく、
 無差別に民家なども襲い、いろいろと略奪していったんだ」
サーロイン 「街の衛兵は何をしていたんだ?」
酒場のコック 「地下10階から来た魔物だ。
 街の衛兵じゃ太刀打ちできない。
 もし出来るなら、国の衛兵がとっくに地下に侵攻しているよ」
サーロイン 「確かに」
酒場のコック 「で、ここからが相談なんだが、
 襲われた人達がここに避難して来ているので、話しを聞いてやってほしいんだ」
サーロイン 「ここに?」

酒場のコックが顎を酒場の隅にやると、店の隅のテーブルには、
冒険者が集う酒場には不似合いな老婆若い娘、そして少年が座っていた。

ロース 「あの3人なのね」
酒場のコック 「あぁ」
ブリスケット 「避難なら、寺院の方が良くねぇっすか?」
酒場のコック 「寺院への復讐で来た奴らだ。
 むしろ寺院は危険だ」
三洲次 「確かに」
ランプ 「ここは大丈夫だったんですか?」
酒場のコック 「1匹来たけど、返り討ちにした」
…」
酒場のコック 「まぁ、昔の杵柄が活きるのも、地下10階の魔物だと相手が1~2匹までだな」
サーロイン 「それで、俺たちにどうしろと?」
酒場のコック 「ジャイアント達は人々を殺して、いろいろ強奪していったんだ。
 残された家族たちの苦悩は想像に難くない。
 是非、彼らの恨みを晴らしてやってほしいんだ」
サーロイン 「う~む………」
酒場のコック 「今、地下10階にいる魔物達と対等に渡り合える人達と言えば、
 やはりロインさんのところだからな」
サーロイン 「とりあえず話しを聞いてからだな」
酒場のコック 「じゃ、紹介しよう」

ローラーレンジャーズ6人酒場のコックに案内されて、先ほどの3人のテーブルまでやって来ると......

酒場のコック 「みんな…、こちらはローラーレンジャーズ、迷宮の最下層で活動している凄腕のパーティーだ。
 きっと、君らの雪辱を晴らしてくれる。
 遠慮せず、話しを聞かせてくれないか」
街の老婆A 「おぉ、お噂はかねがね……!!
 わたくし達夫婦は、この街で古物商をしておりました!!
 そこへ、いきなりジャイアント達が店を襲って来て、無抵抗の夫を殺した挙句、店の売上を奪ったのです!!
 なぜ無抵抗な夫が殺され、このような目に遭わなければならないのでしょうかっ??!」
サーロイン 「………………………………」
街の老婆A 「しかもですじゃ………ジャイアント達は、店の中でも特に貴重な古代の呪いの杖を奪っていきました!
 夫の……夫の無念を晴らし、あの杖を奪い返し来てはもらえんでしょうか?!
 あいつらは、何か悪巧みを考えてるに違いありません!!」
街の娘B 「わ……私の家も………いきなりジャイアント達が壁を壊して押し入ってきて………、
 ……祖父を……祖父を殺した挙句………、祖父が人生を賭けて作り出した薬を奪っていきました!!
 優しかった祖父は………祖父は………もう二度と…………うぅぅぅ……」
街の少年C 「僕のパパは英雄だったんだ!!
 パパが武勲を立てた時に着ていた『胸当て』は、大切な大切な家族の宝なんだっ!!!
 なのに、ジャイアントたちが家に押し入って来ると、抵抗したパパを殺して、宝を奪っていきやがったんだっ!!!
 大切な………僕の大切なパパと………家族の宝を…………!!
 お願いします!!!
 父の仇をとって下さい!!!
 僕たち家族の大切な宝を取り戻してきて下さいっ!!!」
酒場のコック 「………………………………」
サーロイン 「…………分かった。
 君たちの無念は、俺たちが晴らそう」
ロース 「私たちに任せて。
 あなた達の大切な品は、必ず取り返してくるわ」
ブリスケット 「……………行きやすか」

ローラーレンジャーズの6人は互いに目で合図をし合うと、
地下に向かうべく、店の入り口へ足を向けた........


三洲次 「地下へ入るとして、アテはあるんですか?」
サーロイン 「襲撃はつい先ほどだから、まだ地下10階のシュート付近に居るとみて良いだろう」
ブリスケット 「しかし、なして無実の市民を襲って、金品を盗んでいきやすかね……」
サーロイン 「地下に潜ったという事は、ワードナ側へ寝返るつもりだ。
 だから、ワードナに気に入ってもらう為の手土産が欲しかったんだろう」
ロース 「罪も無い市民を襲って手に入れたのは、さすがにやり過ぎだったわね……」


…………………………………………


………………………………


……………………


…………


……

 





──── 地下10階......


【BGM】
『必殺仕○人のテーマ』

パラパ~~~………

  パ~~ラッパパパパパ~~~…… パ パ パ
  パ~~パラパ パ~~~~………

  ジャラジャーーン!!
  ジャラララララジャ~~ン!!



(※) お部屋にBGMを流していただくと、より臨場感あるストーリーが楽しめます。


そこには、ローラーレンジャーズ6人の姿があった........


6人は無言のまま........V字に並んで、通路を歩いて行く........


………………………

………………

………



──── 第一玄室(1周目)



ギィィィ..........ッ





ジャイアントA 「ご司祭様、見つけてまいりました」
ハイプリースト 「おぉ、これがあの呪われた力を持つ杖か」
ジャイアントA 「はい、どうぞお納めください」
ハイプリースト 「ふふふ……よい仕事ぶりであったぞ、ジャイアントよ」
ジャイアントA 「いえいえ、それもこれも、ご司祭のご高配があればこそ……」


玄室内で向かい合う二人は、部屋に入って来た6名には気付かず、
手に入れた品に夢中になっていた........


サーロインが無言で顎を動かすと、三洲次と桃は二手に分かれ.........、

ゆっくりと........しかし着実に..........目指すターゲットの背後へと、歩を進めていく..........


ハイプリースト 「それでは……この杖は、この箱に大切に仕舞っておくことにしよう」
ジャイアントA 「それと、こちらは町民どもから巻き上げた黄金色のお菓子でございます。
 こちらもご一緒に……」
ハイプリースト 「おぉ、その黄金色の菓子は、わしの大好物だ」
ジャイアントA 「どうぞ、ご遠慮なく………」
ハイプリースト 「ふふふ……そちもワルよのぉ~」
ジャイアントA 「いえいえ、ご司祭ほどでは……」
2人 「「ふはははははは!」」


薄暗い玄室の中で........三洲次は「村正」を握りしめたまま、ジャイアントの背後まで来ると......、

右手で「村正」をゆっくりと........そして静かに........鞘から引き抜いていく............


ハイプリースト 「一仕事を終えた後の酒は格別じゃぞ。
 さぁさぁ、遠慮せずに飲め!」
ジャイアントA 「ありがたき幸せ!!」


......その刹那!!



ジャイアントA グワアアァァッッ!!
ハイプリースト 「え
 う、うわああぁっっ!!?


ギュルルルルルル……ッ!!


ハイプリーストの背後でカシナートが回転する…


ハイプリースト え?!


ハイプリースト ふぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃあああぁぁ…ぁ…っっ!!!


三洲次と桃は、同時にターゲットから刃を引き抜くと......

ジャイアントA うがあぁ…ぁ……(ズシャーン!)」
ハイプリースト ぐわあぁ…ぁ……(バターン!)」

......ハイプリーストとファイアージャイアントは、揃ってその場に崩れ落ちた!







箱の傍まで来たブリスケットは........静かにカルフォを唱える........




次に桃が箱の前に座ると、慣れた手つきで箱の開錠を始めた......







目指すアイテムを確認すると、6人は互いに目で合図をし合い、
足早に玄室を後にしていく..........





………………………………


……………………


…………


──── 第二玄室(2周目)


(※) BGMは引き続き『必殺仕○人のテーマ』が流れ続ける........




ギィィィ..........ッ






ジャイアントB 「ご司祭様、こちらが噂に高い、新しい『隠れ身』の薬でございます」
ハイプリースト 「ほぉ」
ジャイアントB 「これまでの薬は『マポーフィック(透明化)』の効果があるとは言え、目を凝らせば微かに姿が見えたので、
 それが戦闘ではアダになっておりました」
ハイプリースト 「して、この薬はどうなのじゃ?」
ジャイアントB 「はい、この薬ならば、姿を完全に透明にすることができます」
ハイプリースト 「つまり、この薬を飲めば…………女湯を覗き放題!!……ということじゃな?!」
ジャイアントB 「さすが、ご司祭!!
 この薬の有効的な使い方を、よくご存知で!!」
ハイプリースト 「こやつめ!!
 分かってて言いおって!!」
2人 「「ひゃははははははっ!!!」」


玄室内で向かい合う一人と一匹は.......色欲に心を奪われ........、
部屋に入って来た6名には気付かず、下世話な会話に花を咲かせる........


ジャイアントB 「それでは、ハイプリースト達がいる浴場へご案内致しましょう」
ハイプリースト 「いや、待て待て。
 薬に副作用があるやも知れぬ。
 どうじゃ?
 まずは、そちから使ってみんか?」
ジャイアントB 「いえいえ、まずはご司祭からご存分にお楽しみ下さい」
ハイプリースト 「ほれほれ、遠慮するでないぞ!」
ジャイアントB 「いやいやいや!」
2人 「「ひぃははははははっ!!!」」


扉の側に立った6人の中から、今度はサーロインと三洲次がゆっくりと歩きだし........、
向かい合って談笑するターゲットの背後へ........二手に分かれ........それぞれ音を立てずに向かって行く........


ジャイアントA 「そうそう、こちらは町民どもから巻き上げた金貨でございます。
 プリーステス達の沐浴を楽しんだ後は、これで気に入った女を買われてはいかがですかな?」
ハイプリースト 「ぬははははっ!!
 おぬしも巻き上げた金の使い方を、よく知っておるではないか!!」
2人 「「ぐはははははははっ!!!」」


サーロインはハイプリーストの背後まで歩いて来ると........右手に持ったカシナートを.........


........ゆっくりと........目の前に掲げた............


ギュルルルルルル.....ッッ!!!


ジャイアントB 「え?!」
ハイプリースト 「な、なんだ?!
 この音は!?」


ハイプリースト ぐわああぁぁああぁぁあああぁぁぁっ!!!
   
ジャイアントB 「ひ、ひぃいいっ!??

その刹那、ジャイアントの背後まで来た三洲次が、一瞬にして「村正」を鞘から抜くと....!!!


ジャイアントB ぐはあああぁぁっっ!!!


ハイプリーストとファイアージャイアントは、相手を確認しようとするが......、

ハイプリースト おおぉぉ…ぉ…ぉ……
ジャイアントB があぁぁ…ぁ…ぁ……

....振り向くことも出来ず、共に床へと倒れ込んだ..........。







先ほどと同じく、桃は素早く箱の状態を吟味すると、5人が見守る中、手早く開錠を始めた........







ランプは頼まれていた薬を確認すると、全員に目くばせして、それを伝える。


だが、その様子を陰から見ていた者が居た......!!


ジャイアントC 「くそっ!
 あいつら…っ!」


陰から見ていたファイアージャイアントは、事態の急変を仲間に伝えるべく、
ローラーレンジャーズに気付かれずに、その場から走り去った!


…………………………………………


………………………………


……………………


…………


──── 第三玄室内......

ジャイアントC 「ご司祭様!!」
ハイプリースト 「騒がしいぞ、一体何事だ?」
ジャイアントC 「闖入者です!!
 既にお仲間のご司祭は、お二人とも殺られました!!」
ハイプリースト 「なにぃっ!?
 神をも恐れぬ罰当たりがおったかっ!!」
ジャイアントC 「いかが致しますか?」
ハイプリースト 「うぅぅむ…………!
 者ども、出あえぇっ!!出あええぇっ!!

その途端、ファイアージャイアント達が次々と現れて、ハイプリーストの前に集まった。

ハイプリースト 「曲者がやって来る!!
 残らず返り討ちにせえっ!!!」
ジャイアント達 「「はっ!!」」

…………


……………………


………………………………


…………………………………………



その頃、ローラーレンジャーズ6名は第二玄室を抜け.......



....第三玄室まで来ていた。



──── 第三玄室(2周目)


ギィィィ..........ッ


??? 曲者が来たぞっ!!!
 殺れ!! 殺れぇぇっ!!!」
   
サーロイン 「む?!」

ジャイアントC 狼藉者めぇぇっっ!!!


三洲次 「ぐぎぃっ!!」

ジャイアントD 不届き者めぇぇっっ!!!


三洲次 「うぐわぁっ!!」

ジャイアントE 不埒者めぇぇっっ!!!


三洲次 「ふごぉっ!!」

部屋に入るなや否や、ジャイアント達襲撃を受ける!!

三洲次 「……くそっ!」

三洲次が一歩後退した、......その直後!!

ハイプリースト 不心得者めえぇっっ!!
 死ぬがいいいぃぃっ!!!


「ぐぎっ!!」

....傍に隠れていたハイプリーストが飛び出し、襲い掛かる!!
桃はフレイルを巧みに避け......

    カキーンッ!

....フレイルをハイプリーストの手から弾き落とすと、ハイプリーストはすれ違いざまに桃を引っ掻きつつ、
這う這うの体でジャイアント達の方へ走り逃げた......。

「……けっ!」





ローラーレンジャーズ敵の集団は、互いに睨み合う形で向かい合う........


ハイプリースト 「き……貴様ら、カントからの差し金だなっ!?」 
   
……………………………………
   
ハイプリースト 「恩知らずどもがっ!!
 寺院が金銭的に苦労をせずに済んだのも、我らの苦心があってこそっ!!」
   
……………………………………
   
ハイプリースト 「だいたい、お前らもお前らだっ!!
 我ら司祭がいてこそ、お前ら冒険パーティーは、安心して地下に潜れるのではないかっ!?
 その恩を仇で返しおって!!」
   
   
サーロイン 「ハイプリーストさんよ………」
   
   
ハイプリースト 「え……?」
   
   
サーロイン 「なにか勘違いをしていないか………?」
   
   
ハイプリースト 「…………?」


サーロインは、カシナートを右手に握りしめたまま、
.......ゆっくりと........ハイプリーストの方に歩み出す..........


サーロイン 「俺たちも、寺院の世話にはなったからな。
 ………感謝はしている」
   
ハイプリースト 「…………………………………」
   
サーロイン 「それに、寺院の中のゴタゴタに首を突っ込むつもりも一切無い」
   
ハイプリースト 「じゃぁ……なぜ………?」
   
サーロイン 「お前らを消す依頼を引き受けた…………ただ、それだけだ」
   
ハイプリースト 「…………!!
   
三洲次 「あんたらは人の家族を殺し、大切な物を奪っていった………その報いが来たんだ………」
ロース 「あんた達は………超えちゃいけない一線を超えたのよ!!」
   
ハイプリースト 「くそおぉっ!!!
 斬れっ、斬れぇっ!!!
 斬って捨てええぇぇっっ!!!

ファイアージャイアント1匹がサーロインとの距離を一気に縮め、その剣を振り下ろすが、
サーロインはそれを素早くかわすと、カシナートをジャイアントの身体に向かって......



ジャイアントC ぐわあああぁぁっっ!!!
   
サーロイン 「……………………………………」
   
ジャイアントC あああぁ……あぉぉ……ぉぉ……ぉ…っ!!!

サーロインは、カシナートを刺したままにしてファイアージャイアントの動きを抑えつつ......、
......ハイプリーストの方を見て..........

サーロイン 「なぁ、ハイプリーストさんよ………お仲間は2人とも、もう地獄へ旅立ったんだ。
 お前だけ、ここでのうのうと生きていては、仲間に悪いだろ?」
   
ハイプリースト ええぇいっ!!
 神聖なるハイプリーストに刃向かう罰当たりがっ!!
 貴様など返り討ちにしてくれるわっ!!

その時、背後から........


おいっ!!!
   
ハイプリースト 「え?!」
   
「あたいに牙をむけた以上………、
 てめぇを殺るのは、あたいだっ!!!
   
ハイプリースト い、いつの間に後ろにぃっ??!


ハイプリースト ぐわああぁぁああおぉぉっ!!!
   
プリーストなんだろ?
 自分の葬儀の讃美歌は、自分で歌いなっ!!!
   
ハイプリースト おおぉぉ……ぉぁ……ぁ…………

桃がカシナートをハイプリーストから引き抜くと、ハイプリーストは虚構を見た目のまま........
......その場に倒れた........!!


ジャイアント達 「「ひいぃぃ……っっ! ! !」」


サーロインはそれ見届けると、ジャイアントからカシナートを引き抜く......!!

......刃を抜かれたジャイアントは、唸り声を絞り出しながら........

ジャイアントC 「ぅぐぁぁ…ぁ……っ!」

......仲間の方へよろめいていく........

ジャイアント達 「「うわ…ぁ………」」


そして、サーロインは下がりながら........



サーロイン 「のさばる悪をなんとする…………、
 天の裁きは待ってはおれぬ…………、
 この世の正義もあてにはならぬ…………」



......入れ違いに、ロースが前へと進み出る........



ロース 「闇に裁いて仕置きする…………」


ジャイアント達 「「ああぁぁ……ぁぁぁぁ…………」」


ロース ティルトウェイトォォッッ!!!



ジャイアント達 「「ふぐゅわあああぁぁっ!!!」」



サーロイン 「……………………………………」



みたび桃は宝箱の前に座ると、慎重に罠を調べだす..........









6人は......全ての任務の達成を、互いに目で確認し合うと........





......一列に並び........無言で迷宮を後にした............



…………………………………………


………………………………


……………………


…………


……





金に生きるは下品に過ぎる


経験値に生きるは切ない


アイテムに生きるはくたびれる

          いってんちろく
とかくこの地下迷宮は一天地六


命ぎりぎり勝負を賭ける


任務はよろず引き受けましょう、大小遠近男女は問わず......


委細面談、冒険屋稼業 ローラーレンジャーズ




....ジャカジャン!!





> 2周目の動画に戻るにはここをクリック


「145.真夏の夜明けに首刎ねを見た」 へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 17 154 18 18 17 18 17 14 1 0 サーロイン・モンド(ウソ)
三洲次 17 150 18 18 18 18 18 18 5 4 おひろめの三洲次(ウソ)
21 161 18 18 18 18 18 18 0 0 鉄砲玉の桃(ウソ)
ロース 20 161 17 18 18 18 18 14 0 2 なんでも屋のロース(ウソ)
ランプ 23 124 17 18 18 17 18 17 0 9 棺桶のランプ(ウソ)
ブリスケット 19 142 18 18 18 18 18 15 3 5 念仏のブリ助(ウソ) …ってか全部テキトー

 


【更新履歴】
2021年11月 3日:表現を一部見直しました。
2021年10月16日:次ページへのリンクを設定。
2021年10月 9日:新規公開。