68.盗賊 桃の腕前…

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
元接近戦最強の少女。現在は盗賊。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約6分



今回も、地下3階の固定戦闘ポイントで
経験値稼ぎと、桃の盗賊としての修業を行います。


──── 地下3階.....

前回、前衛がレベルアップし......、



....ブリスケットも、攻撃がやっと当たりはじめた。
なので「力のメイス」があれば、レベルが低くても
なんとか前衛を務めていけそうである。

一方で......、


....三洲次が、時々村正とは思えないダメージを出す。
村正で14ダメージとか、逆にスゴイわ......。

「てめぇよぉ…、あたいのことグダグダ言ってる場合じゃねぇだろ…」
三洲次 「うっ…(また痛いところを……)」
「どうやったら、村正で14ダメージとか出んだよ?」
三洲次 「ま…まだ、準備運動をしてただけだって!
 よ~し、身体も温まって来たから………」


三洲次 「…ここからが本番だぜ!!」
「…………………………」
三洲次 「手始めに、ロッティングコープスの野郎を…」


「…片付けておいたぜ」
三洲次 「…………え~~~と…………。
 じゃ…じゃぁ、グレイブミストの方を片付けてやるぞ!
 見てろ!!
 侍・三洲次……、いよいよ本領発揮!!」
「…………………………」
三洲次 「グレイブミストに、突っ撃ぃぃぃーーーっ!!


三洲次 「ぎゃあああぁぁっ!!」


三洲次 「ぐわあっ!!」


三洲次 「ふぉごっ!!」


三洲次 「ぎぃひいっ!!」


三洲次 ぐほぉおっ!!
   
「…………………………」
ランプ 「メッチャ返り討ちにされてますよ…?」
サーロイン 「まさに三洲次の………」
ロース 「本領発揮ね……………」

前衛としてやっていけるのか、先行きが不安である......。


なお、前衛の残り一人のサーロインに至っては、もっと問題である。

なぜならば、三洲次とは真逆で、
安定して敵を片っ端から葬っていくからだ!




さすが、リーダーである。

全然面白くないから、ネタにならない
大問題だ。



まぁ、一番の問題児は、
盗賊になったですけどね!!


もうね....ひどい、ひどい



三洲次 「さ、桃、罠を調べる練習だ」
「ま、天才盗賊のあたいにかかれば、こんなの余裕だぜ」


「罠は無いっ!!」
三洲次 お前っ!?
 この前から3連続で『無い』だぞっ?!
だからなんだよっ?!
 無ぇもんは無ぇんだよっ!!
サーロイン 「ランプ、カルフォ(罠識別の呪文)だ」


「………………………………」
三洲次 「はい! 毒針で開ける!!」


「ん~~…………、こいつかぁ……?
 ……………やっ!」


三洲次 ほら、見ろ!!
 罠があったじゃないかっ!!
「……うっせぇなぁ………」
三洲次 「次っ!!!」



無いっ!!!
三洲次 『無い』ばっかじゃんっっ!!!
いちいちうっせぇなぁっ!!!
三洲次 お前、罠を見つけるのヘタクソ過ぎだろっ!!!
んだぁあ?!
 あたいのウデが信用できねぇってのかよっ!?
ランプ 「カルフォ!」


「………………………………」
三洲次 「………信用できねぇ……!」
「ちょっと違うだけだろ…、細けぇことでうるせぇなぁ……」
三洲次 全然細かくないだろっ!!!
 いいから、ガス爆弾で開ける!!
「絶対無ぇと思うんだけどよぉ……」


「む~~…………うりゃっ!」


「ちっ……、無ぇと思ってたのに……」
三洲次 (……あれ?……こいつ………)
サーロイン 「じゃ、次だ」



「あ! これは分かるぜ!
 さすがのあたいでも、これは罠があるのが分かる!!
 『ガス爆弾』!『ガス爆弾』だっ!!」


「…………………………」
三洲次 「…………………(怒!)


ええぇぇいっ!!!
 もう面倒くせぇなぁっ!!(ガチャガチャガチャ!!)
三洲次 あーーーーっ!!!
 そんな乱暴に調べたらっっ!!?




「が………ひゃ………ほ………」
三洲次 「あんな調べ方したら、調べるだけで罠が暴発するだろっ!!」
ロース 「はい、ディアルコ!(麻痺治癒の呪文)
「はぁ……はぁ……つ、次は大丈夫だ!
三洲次 「お前の『大丈夫だ』は信用できねぇって……」


「なぁ~に、本当に大丈夫だって!
 今度はちゃんと丁寧に調べ(ボンッ!)」



三洲次 なんでこうも次から次へと、
 調べるだけで罠が発動するんだよっ!!!!
「……ぶ~~………」

いや、ちょっと....。

マジで「調べる」だけ罠が発動することが多くなったんだけど....。

なに?これ?


ランプ 「さすが……5年間で訓練所を1/4破壊した女………」
サーロイン 「なぁ、三洲次?
 もっとちゃんと指導してもらえないか?」
ブリスケット 「その内、大きな被害が出ねぇとも限らねぇっすよ…」
ロース 「ガス爆弾も、呪文回数が少ない今は、それなりに大きな被害だったわよ」
三洲次 「……やれやれ………」

....と、いう訳で、ここら辺からは、三洲次の付きっきりの指導が入った....からなのか、
なんか桃が安定して罠を見極め、外し始めた。



三洲次 「蓋と本体の間に入れた板は、ゆっくり動かすんだ」
「む~…………紐がある………」
三洲次 「その場合は、何だった?」


「爆弾」
三洲次 「そうだな。
 ただ、紐は一本とは限らないんだ。
 気を付けろよ」
「………ぅ~~………」


「ん~~……………うりゃっ!」


「うっし!」
三洲次 「よし、いいぞ。
 次だ」


「板の端っこにゴムの感触がある……」
三洲次 「ゴム紐がある場合は、何だった?」


「石弓の矢?」
三洲次 「そうだ。
 じゃ、板に付いてる刃で、罠を外そう」
「でもよぉ……板の端っこにしか感触が無ぇから、
 側面の刃じゃ、ゴムを切れねぇよ……」
三洲次 「こいつの発射装置は箱の奥にあるけど、
 弓の大きさの関係から、蓋をほんの少しだけ開けることができるんだ。
 だから、蓋をちょっとだけ開けて、剣を奥に刺して切る」
「むぅ………こうか………」


「あれか…………てぃやっ!」


「うーーしっ!!」
三洲次 「うん、いいぞ。
 じゃ、次だ」



三洲次 「スタナーって、魔法と物理機構の混合だから、
 外すのがやっかいなんだよな……」
「裏にある二重金属を外すのがメンドいんだよなぁ……。
 …………んっしょっと……」



「っしゃーっ!」
三洲次 (……こいつ………、やっぱり……!)
「あたい、やっぱり天才盗賊ぅ!」
三洲次 「だから、自分で天才って言うな……」
ランプ 「でも、やっと罠の解除が安定してきましたね」
「切ったり壊したりするのは、得意だからなっ!!」
ランプ 「そういう問題なんですか……?」

さて、宝箱の解錠も安定し....、



....戦闘も問題無くこなせてるため、
大きなトラブルも無く、経験値を稼いでいきます。

特に戦闘は、ほぼ毎回真っ先に動くランプのおかげで....、



....全然危なげなくこなせていける。
ランプ様々である!!

ただ...、敵の奇襲ばかりはどうしようもなく...、



.....ロッティングコープスやレベル3プリーストに奇襲されて麻痺を喰らい、
攻撃呪文よりも先に治療呪文の方を消費しまくることに。

なので、治療呪文がほぼ無くなってきたところで、城へと帰還します。




地上に戻り、宿に泊まったところでレベルアップ!!

今のレベルなら、地下3階で修行すれば、簡単にレベルアップできるな。

では、簡単にレベルアップの状況とコメントを。


●サーロイン(君主)



彼は、レベル4→へ。

今回は、信仰心運の強さが毎回上昇したが、
それ以外は変化無し(知恵は上がって下がった)。
ちょっと極端だな....。

まぁ、君主として必要な能力は伸びてる....と喜びたいが、
素早さがまったく伸びないのは......さすがノロマ

なお、今回でレベル2僧侶呪文を習得開始。

レベル1の時はカルキだけ習得という、
「うわぁ~...すんげぇど~でもいぃ...」という習得内容だったが、
レベル2カルフォモンティノ(魔法封じの呪文)マニフォ(麻痺呪文)役に立つものばかりだから、
さすがにどれか1つは覚えるでしょう!



うわぁ~....すんげぇど~でもいぃ.....


●三洲次(侍)


彼は、レベル5→へ。

懸念だった生命力はアップしたが、重要な力がアップしなかった
村正を使いこなせてないから、そこも頑張ってほしいんだが....。


●桃(盗賊)



彼女は、レベル5→へ。

ぼちぼち........?

まぁ、盗賊なのに運の強さがプラマイ0成長って、どうなんだ?

むしろ、力がひたすらアップしてるのを見ると、
やっぱり前衛好きか? 前衛大好きか?!


●ロース(魔法使い)



彼女は、レベル5→へ。

バリバリ能力値アップ!
呪文も毎回習得!
相変わらず、彼女だけは実に優秀だ!!


なんと、レベル7でやっとハリト(最も基礎の火球呪文)を習得!!

そして、モリト(ちょっと弱いグループ攻撃呪文)は未習得だけど、
ダルト(ちょっと強いグループ攻撃呪文)はきっちり習得!

ハリトやモリトなどの使わない呪文の習得は後回しで、
マハリトダルトなどの有用な呪文は先に習得。
実用性重視な覚え方は、いかにもロースらしい性格を表しているな!

彼女は、転職組の中では一番優秀だぜ!


●ブリスケット(僧侶)



彼は、レベル5→へ。

バリバリと能力がアップ!
が....前回は僧侶のくせして信仰心がプラマイゼロ成長だったが、
今回は力がプラマイゼロ成長
前衛として全然使えないかも......。


呪文もバリバリ覚えてくれたが、
今はロース(元僧侶)がマディ(全快魔法)を含めた全ての僧侶呪文を使えて便利だから、
本職なのに影が薄い......。

なんか......、いろいろ微妙な奴......。



●ランプ(司教)


だよね



なんか....、転職して職業は変わっても、
こいつらキャラ変わらねぇなぁ!

 



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 6 107 11 11 10 10 11 12 0 0 素早さが前回から変わってない。ノロマめ…。
三洲次 6 158 11 8 9 10 11 11 1 3 女性陣と比べて男性陣の成長ぶりの酷いこと…。
7 147 12 13 11 12 12 12 0 0 バランス良い成長はさすがだが、所詮は盗賊。
ロース 7 148 11 16 16 10 14 7 0 2 転職組では一番優秀な成長だが、運の強さが…。
ランプ 17 81 18 18 17 16 18 12 0 8 戦闘中の魔法は、いまだに一人で担っている。
ブリスケット 7 139 9 14 12 9 10 9 1 4 あれ?お前、魔法使いだったっけ?

 


…………


……………………


──── その夜 遅く......


??? 「………えいっ!!
 くそ……ダメかっ!

 ………………えいっ!!
 ダメか…………。

 ……まだ、うまく力を引き出せないようだ………」

 


「69.三洲次と桃」へ


【更新履歴】
2021年 7月 3日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年 4月12日:台詞をいくつか見直し。次ページへのリンクを設定。
2020年 4月 5日:新規公開。