21.倍打狂騒曲

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



ランプ 「皆さん、戻ってまいりました」
三洲次 「あまり久しぶりって気はしませんが…」
ロイン 「おぉ!戻って来たか?
 一時期は大変だったが、結局どうだったんだ?」
三洲次 「いやぁ~、実は俺、大活躍でしたよ!
 剣を持って戦えば戦士顔負け!
 宝箱からは、数々の新しいアイテムをゲット!!」
ブリスケット 「まぁ、レベル11でやしたし……」
三洲次 「ほら!H.P.も40まで上げましたよ!!」
ロース 「あら、そこそこ頑張ったのね…」
三洲次 (え……?
 なぁ…ランプ?
 なんかみんなの反応、冷めてないですか?)
ランプ (そんな話しじゃ、そうに決まってますよ)
三洲次 (え? そうに決まってる、って……?)
ロイン 「他には何か無いのか?」
三洲次 「いや……他には、って………別に……」
ランプ 「そう言えば、三洲次が帰る時、美濃が泣きついて離れなくて、大変でしたねえ!」
三洲次 え?!
ロース 「ちょっと! 美濃って、あの時の女性?!
 なに!? 彼女、三洲次が好きだったの?!」
ブリスケット 「ちょっとその話しは、詳しく聞かせてもらいやしょうか!!」
三洲次 「え? え?!
ロイン 「なんだ、三洲次もすみに置けないな」
三洲次 「ちょっと!そんなでたらめ…」
ランプ 「迷宮に居る時も、なんか二人でよく寄り添ってましたねえ!」
ロース 「きゃー!ウソ!ウソ?!本当に?!」
ブリスケット 「三洲次っち、どこまでいったんでい?」
三洲次 「ちょっと!でたらめだって!!でたらめぇっ!!

さて、我がメインパーティー「ローラーレンジャーズ」も久しぶりに全員集結したことだし、
いよいよ地下4階へ降り立ちますか!!

......と、その前に、私自身が覚えている範囲を、再び「酒場での噂」という形で整理したいと思います。

ロイン 「さて、地下4階だが……」
ブリスケット 「噂では、階段で行ける範囲とエレベーターで行ける範囲は、別々らしいですぜ」
ランプ 「まぁ、地下2~3階もそうでしたが…」
ロース 「地下4階の噂は、よく聞くわね。
 あの階に行く冒険者は多いらしいわよ。
 なんでも、この迷宮の奥に行くための、試練の場所があるらしいわ」
ロイン 「そうらしいな。
 ここまでの最終試練として、これまで出てきたモンスターたちを管理する、いわゆる総本山を突破しなくてはならない…とか」
三洲次 「その総本山の名前は、確か……」
ロイン 「『モンスター配備センター』」
三洲次 「あぁ、そうでした」
ランプ 「あれだけのモンスターを統括するだけあり、選ばれた精鋭が居るとか……」
ロース 「戦うことになるのかしら?」
ロイン 「まぁ、そうだろうな…」
三洲次 「ごくっ……」
ブリスケット エレベーターで行く方が、『モンスター配備センター』があるんでやしたっけ?」
ランプ 「そうらしいですね」
ロース 「で、どっちから行くの?」
ロイン 今回は、先に階段の方から行こう。
 地下4階に巣食うモンスターを熟知してからの方が、その施設も攻略がしやすいだろう」
ロース 「えぇ~…、じゃぁ、またあの階段を降りるのぉ……」
三洲次 「地下2階の回廊が、うざいんだよなぁ」
ロース 「そうなのよねぇ……」

ってな訳で、とりあえず階段の方から探索することにした。





おぉ!
全員集合は久しぶりだな。

懐かしい名前の一覧を眺めながら、いよいよ地下4階へ降りていく。


まずは地下3階まで降り、そこで....


....以前見つけた地下4階へ降りる階段のところへ......。


………………………………

……………………

…………




──── 地下4階......

さて、地下4階に降り立つと、左右(東西)に長い通路が延びている。


どっちから行くかな?
小学生の頃は、階段の方はあまり来た記憶がないから、どうなってたか全然覚えてない。

とりあえず、左側(西側)の方から調べるてみるか....。


一本道を歩いていくと、途中でT字路に。


まずは、まっすぐ進んでみる。


扉がある。

ロイン 「いよいよ、地下4階での戦闘かな?」
ロース 「ちょっと緊張するわね」
ブリスケット 「でやすね。
 少し心の準備を…」
「ウダウダ言ってねぇで、早く蹴破れって!!
 久しぶりだから、戦いたくてウズウズしてんだっ!!」
三洲次 「おまえ、どんだけ好戦的なんだよ…」
ロイン 「分かった、分かった。
 よし!ブリ助! 扉を蹴破れ!」
ブリスケット 「では……、てやっ!!」


ブリスケット 「玄室じゃなくて、通路ですぜ」
ロイン 「拍子抜けだな…」
ランプ 「しかも行き止まりですね」
ロイン 「しょうがない、引き返すか…」

一旦引き返し、先ほどのT字路に戻り、今度は脇道の方へ入る。


扉が2つ。

とりあえず、近い方の扉に入ることに。


ブリスケット 「今度こそ、地下4階での初戦闘でやすかね?」
ロイン 「よし、全員準備はいいか?
 ブリ助!扉を蹴破れ!」
ブリスケット 「うりゃっ!」


ロイン 「おっと、いきなりガスドラゴンか!!」
ブリスケット 「お!さっそく、あっしの『ドラゴンスレイヤー』が活躍しやすぜ!!」
三洲次 「あ、その『ドラゴンスレイヤー』だけど、倍打しないから」
ブリスケット 「へっ?! マジっすか?」
ランプ 「救助隊に居た時も、倍打してなかったですね」
ブリスケット 「これ……パチモンじゃねぇんすか?」
「ゴチャゴチャうっせえぇなっ!!
 倍打なんて力技で出しゃイイから、とっと戦おうぜっ!!」
三洲次 「ムチャクチャ言うな……」
「ずーっとまともに戦えなかったから、フラストレーションが溜まってんだっっ!!!
 なぁ!! 早く戦おうぜ!!」
ロイン 「じゃぁ、とりあえず1匹倒してきてくれる?」
ブリスケット 「あっしの『ドラゴンスレイヤー』、使いやす?」
「要らねぇよ!!
 力があり余ってる今のあたいなら、そのまま2倍のダメージを出せるぜっっ!!!」
三洲次 「力技で2倍のダメージなんて出ねぇよ……」
ランプ 「あのですね、『切り裂きの剣』には倍打の効果は無……」


ガスドラゴン グギャアアァァッ!!!
   
三洲次  Σ (  д ) ≡ ゚ ゚ 
ランプ  Σ (  д ) ≡ ゚ ゚
ブリスケット  Σ (  д ) ≡ ゚ ゚
   
うっしゃあああぁぁっっ!!
 この感覚だぜええぇぇっ!!
   
三洲次 (; ゚д゚)………………
ランプ (; ゚д゚)………………
ブリスケット (; ゚д゚)………………
   
三洲次 「な……なんか、見たこと無いダメージ量が……」
ランプ 「寝てない敵への……2倍ダメージって……初めて見た気が………」
ブリスケット 「あっしの『ドラゴンスレイヤー』の立場は一体………」
   
三洲次 「え……?
 お前……、何したの……??」
「溜まってた鬱憤を、爆発させただけだっ!!!」
三洲次 「そ…そういう……問題……なの……?」



後は、ロインのマダルト(グループ攻撃の凍結魔法)で片づける。


ブリスケット 「また扉ですぜ」
三洲次 「連戦ですかね?」
ロイン 「とりあえず入ってみよう」


ロイン 「今度も、一応ドラゴンか……」
ランプ 「でも、2匹だけですね」
ロイン 「これなら、打撃だけでいけそうだな」
ロース 「じゃぁ、せっかくだから『力のメイス』の威力を試していいかしら?」
ロイン 「お!そうだな!
 メイス系最強の武器の威力を見せてくれ!!」


ロイン (; ´ _ `) 「………………」
ロース     (; ´゚゚`) 「ねぇ?
         これ、本当に強いの…?」
ロイン ( ´`) 「もうちょっとダメージ与えてよ……」
ロース     (д´ # ) 「か、か弱い女子には、
         これが限界なのよ!!」
死ねええぇぇっっ!!!


ロイン (; ゚0゚) 「……………」
ロース     (; ゚0゚) 「……………」
ロイン (; '0' ) … … … …
ロース     (; '0' ) … … … …
ロイン (;´`) 「女子には限界…?」
ロース     (д´ # ) 「も、桃は例外よっ!!」
   
   
ランプ 「な……なんなんですかね……桃って……?」
三洲次 「あいつ……、やることなすこと……イチイチすごいよな……」


寝てない敵を相手に、桃が2回も2倍のダメージを与えやがった。

なぜだろう?

疑問を解消するため、ちょっとインターネットで調べてみた。

その結果、ファミコン版の内部ロジックを解説しているサイトがあり、そこで「倍打のバグ」の内容を知ることができました。


該当サイトを参照させていただくと、バグの内容は複雑ですが、今回のケースの部分を当てはめさせていただくと....

「PTの先頭1人目の武器が『竜』に倍打なら、
 モンスターの1グループ目が『竜』だと、
 1グループ目1番目の敵への攻撃は常に倍打

....ということらしいです。
汎化して表現し直すと....、

「PTの先頭n人目の武器に倍打効果があるなら、
 モンスターの1グループ目のタイプが一致だと、
 1グループ目n番目の敵への攻撃は常に倍打

....ということらしいです。


ん?


....ってことは......ロースは、倍打してあのダメージだったってこと?!

ダメダメじゃね?!



2匹目も、桃が2倍のダメージを出して倒す。
まぁ、今回はカティノ(催眠魔法)の効果だが。

「うーしっ!
 ちょっとはスーッとした」
三洲次 「お前さ……今のレベルと『切り裂きの剣』で、どうやってあんなダメージを………?」
「あたいが本気になりゃぁ、あんなもんだ」
三洲次 「……マジかよ………」



ブリスケット 「また扉ですぜ」
ランプ 「またですか…」
ロイン 「とりあえず進むか」


今度は友好的な敵だったので、戦わずに終わる。


ブリスケット 「また扉ですぜ」
ロイン 「え?! また?!」
ランプ 「これ、この後も、ひたすら個室が続く気がしますね…」
三洲次 「つまり、ひたすら個室での戦闘が続くのか……」


ロイン 「もしかして、敵もひたすらドラゴンが続くのか…?」
ランプ 「そこは、たまたまだと思いますが……」



今回は、ロインとロースの2人による攻撃魔法で倒す。


その後も、ひたすら個室が続くので、敵との連戦が続いていく。


途中、2回ほど進む方向が変わったり....、


....本戦記初の敵が出てきたりしつつも、進むと....、


ロイン 「え?!」


ランプ 「わうあああぁぁ!!」
ロイン 「先制ブレスだっっ!!」
三洲次 「あぁ!!イヤな思い出がっ!!」


ロース 「きゃああぁぁっ!!」
ロイン 「くそ! 次々とブレスを吐いてくるっ!!」
ランプ 「や、やばいですよっ?!!」


プリーステス 「がぶううぅぅっ!!」
ブリスケット 「あいたた(笑」
三洲次 「……なんか嬉しそうじゃね?」


プリーステス 「きぃやああぁぁ!!」
(さっ!!)
プリーステス 「…え?!」


ブリスケット 「いででで……」
ランプ 「なに?君?女王様プレイが好きなの?」
ブリスケット 「いやぁ~、痛かったでやす!」
ロース 「女性に噛まれて喜ぶなんて、変態だわ……」
   
「……………」
三洲次 「……………」
「………あんだよ?」
三洲次 は、レズっ気は無いんだ?」
「ねぇよ。
 ってか、どういう質問だよ、それ?」

先制ブレスを受けたが、死者が出ずに少し安堵....。


ロイン 「ランプ、よく耐えた!」
ランプ 「でも、次が来たら、まずいです…」
ロイン 「ロース?」
ロース 「任せて!」
ブリスケット 「どういう作戦でいきやす?」
ロイン 「マカニトを出せば余裕だ。
 それまでの間…、ブリ助と桃は、ドラゴンたちを足止めしろ。
 ランプはプリーステスを無力化だ」
ブリスケット 「仰せのままに」
ランプ 「早いところ、頼みますよ」

通常ターン、戦闘開始!!


ランプ 「おぉ!助かりました、ロース!!」
ロース 「どういたしまして!」
ブリスケット 「後は、あっしらに任せてくだせぇ!!」
三洲次 「おぉ!素早い!!」


ブリスケット 「………………」
ロース 「素早くても、これじゃぁねぇ……」
ブリスケット 「あー…、えー…」
「カティノってのは、こうやんだよ!」


「分かったか?」
ブリスケット 「いー…、おー…、うー…」
ロイン 「桃は、なんでもできるな……」
ランプ 「感心してないで、早くマカニト唱えてくださいよっ!!!」


ブリスケット 「ぐわあっ!!」
三洲次 「ロイン、早くっ!!」


ブリスケット 「ぎゃああぁぁっ!!」
ロース 「ロイン!!早くしなさいよっっ!!」


ロイン 「お、出た」


ブリスケット 「いででで……」
ランプ 「君、すぐ敵のターゲットにされるよね?」
ロース 「H.P.が高くて、良かったわね」

先制ブレスを喰らったが、なんとか死者を出さずに勝利。


その後も、初登場のアタックドッグをさばきつつ、奥へ進んでいく。
すると、途中で....、


....遭遇したワーベアから....、



このパーティーで、2本目の「切り裂きの剣」をゲットっっ!!!

よし!

これで「ドラゴンスレイヤー」なんて名前倒れの武器などとおさらばして、ブリスケットも攻撃力アップだ!!


......と、思ったが、倍打バグのことを思い出し....、


....ドラゴン系の敵が多い地下4階に居る間は、しばらく武器は「ドラゴンスレイヤー」のままにした。

これで、バグのおかげで、1グループ目がドラゴンなら、誰が攻撃してもダメージは
2倍~!2倍~ぃ!

...... あと数日で 令和 かぁ.....(遠い目)


ま、なんにせよ、武器の使い方がちょっとおかしい気もするけどさ....。


ともかく、そんなこんなで、小部屋をバンバン突き進んで行ったら......、


ブリスケット 「反対側の扉に出やした」
三洲次 「本当だ。さっきの通路じゃん」
ロイン 「え?!
 じゃぁ、グルッと一周しただけ?!」
ランプ 「なんだったんですかね、ここ……」

階段の左側(西側)は以上であった。

なので、一旦城に戻って回復した後....、


....今度は、階段の右側(東側)の通路を進んでみる。


ブリスケット 「行き止まりに、扉がありやすぜ」
ロイン 「よし、再び戦闘になるかも知れない。
 全員、準備はいいか?」
ランプ 「先ほどの連続した個室でだいぶ慣れましたから、
 もう大丈夫ですよ」
ロイン 「よし! 全員、突入っ!!」




ロイン え? え?!
ブリスケット 「な、なんか…壁が迫ってきやしたぜ…」
ランプ 「どうなってるんです?」
ロース 「何かアイテムが無いと、進めないのかしら?」
三洲次 「壁に『熊』の印が付いてましたね…」
ロイン 「もしかして、『クマの置き物』が無いと通れないのか?」
ブリスケット 「あ、さすがロイン殿。それですぜ、きっと」
ランプ 「『クマの置き物』は、ギアラたちに渡してしまいましたね」
ロース 「だって、まさかまた必要になるなんて思わなかったから…」
三洲次 「返してもらいますか?」
ロイン 「いや、救助隊は救助隊で、迷宮内を隅々まで行けるようになっててもらいたい。
 もう一度、自分たち用に取ってこよう」
ランプ 「やれやれ、面倒くさいですね…」

『クマの置き物』が無いと通れない場所(多分)が2か所もあるなんて、まったく覚えてなかった....。

仕方ないので、もう一度取ってくることにする。


どうせなら他の鍵とかも、念のため改めて取っておくか......。






かくして、再び『青銅の鍵』、『銀の鍵』、『カエルの置き物』、『クマの置き物』をゲット。


ランプ 「では、鑑定しますよ!」


ランプ 「よし!
 識別できました!!
 『カエルの置き物』『銀の鍵』『青銅の鍵』『クマの置き物』です!!」
ん、知ってる

 

名前 LV H.P. コメント
ロイン 11 62 15 18 10 18 15 14 0 こいつ1人だけノロいんだよなぁ…。
三洲次 12 40 17 15 9 13 17 16 3 今回罠解除のシーンが無かったな。
10 81 18 18 16 18 18 15 0 何をやらせても期待以上の結果を出す。
ロース 11 65 15 16 18 16 18 12 2 三洲次のH.P.を考えると、まだ前衛かなぁ?
ランプ 11 36 13 18 17 12 18 8 3 やっぱりH.P.が低いと奇襲が怖いなぁ…。
ブリスケット 10 88 17 18 14 18 17 11 1 H.P.が高くて良かったよ。



蛙の置き物 「イエィ!!…イエフゴォッ!…ホゴッ!!モゴッ!!」
ロース 「何やってるの?三洲次?」
三洲次 「こいつは、やっぱり口を縛っておかないとなっ!!」


次回は、先ほどの通れなかった扉の向こう側に行ってみますか。


「22.盛り上がってきました?」へ


【更新履歴】
2021年 8月 7日:文章や表現を一部見直し。読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年 5月 5日:発言者名を右寄せにしました。
2019年 4月28日:次ページへのリンクを設定。
2019年 4月21日:新規公開。