61.ジャイアントたちの宝物

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



今回も、地下10階で経験値とアイテムを稼いでいきます。


──── 地下10階 第一玄室



三洲次 「ぎゃあっ!!」


三洲次 「ふぉごっ!!」
   
ロース 「三洲次もドMなのね」
ブリスケット 「も?」


「やり返しておいたぜ」
ロイン 「ご苦労」
ランプ 「では、宝箱オーーープンッ!!


ランプ 「おぉ! あのジャイアント、
 『ヘビのメイス』なんて持ってましたよ!」
ロース 「名前からして、昆虫系のモンスターに強そうなアイテムね!」
ランプ 「小人系のモンスターからの攻撃を軽減してくれます」
ブリスケット 「なして小人系っすか……」
ロイン 「小人系のモンスターって、例えば何だ?」
ランプ 「居ないです、この迷宮には」
ロイン 「…………………………」
ランプ 「…………………………」
ロイン 「この迷宮って、何が嬉しいのか
 よく分からないアイテムが、時々出てくるな……」
ブリスケット 「そういうのは、もう売っ払いやしょうや」
ロース 「でも、今回はいきなり新アイテムをゲットできて、
 幸先がイイわね!」
ロイン 「うむ、今回は調子が良さそうだな」

──── 第二玄室


ブリスケット 「お? またジャイアントっすぜ」
ロイン 「こいつも楽勝だな」


やはり、楽勝
そして出てきたアイテムは......、


ランプ 『英雄の鎧』がありましたっ!!」
ロイン 「なにっ?!
 また新しいアイテムが出て来たのかっ!?」
ロース 「2連続で新アイテムって、スゴイわね!!」
ブリスケット 「しかも、なんかレアっぽっそうすね」
ランプ 「えぇ!
 古えの英雄が身に着けていたという鎧ですから、
 非常に価値のある鎧です!
 すごい高値で売れますよ!!」
ロイン 「いや、そんな著名な鎧なら、
 むしろ我々で使わせてもらおう」
ロース 「じゃ、誰が装備する?」
ロイン 「これほどの鎧なら、
 やはり我らがエースに装備してもらうのが、
 一番ふさわしいだろうな」
三洲次 「え? 俺?」
ロ&&ラ !!!
三洲次 「ふおおおおお……(キラッ!

....と、言う訳で!!

この鎧は、もちろん我がパーティーのエース......


.... に装備してもらいましょう!!


AC変わらねぇのかよっ!!!

「なぁ…、そこまで強そうじゃねぇぜ、この鎧?」
ランプ 「ま、今ほど鍛冶や鋳金技術が発達していなかった時代の鎧ですからね。
 でも、それでいながら最新の極上の鎧に匹敵するのですから、
 当時は本当にスゴイ鎧だったんですよ」
「ふ~ん………」

ま、桃って、あんま英雄ってガラじゃないけど。


ともかく、この「英雄の鎧」での装備強化に合わせ、
侍2名レベルアップも果たす!!


まずは、ブリスケット!!


H.P.が9アップしたのは良いとして、
生命力が落ちたのはイタイ!!

H.P.に定評のある彼だが、
ここから伸び悩みだしそうで、ちょっとなぁ......。


だが、それ以上に問題なのが、桃......。


能力値パーフェクト解消っ!!!

しかも、よりにもよって
重要な能力である「素早さ」ダウン!!!

地下10階での戦闘を続ける上で、これはキツイなぁ......。



アイテム運が好調になりだしたら、
今度はレベルアップが低調になりやがった........。

なかなか うまくいかないものだなぁ........。



その後も地下10階を回っていくが.....、




....相変わらず戦闘は安定しているものの......、




....宝箱は開けられないわ、
開けれてもお金しか入っていないわ、
入っていてもガラクタだわで、
アイテム運も悪い意味で安定し始めました。

目立ったことと言えば、せいぜい......、



....ブリスケットが首をは刎ねら....
お前、またかっ!?


ロース 「良かった、一発で蘇生ね」
ブリスケット 「うぅ……、ここは……?」
ロイン 「カント寺院だ」
ブリスケット 「……え?
 じゃぁ、あっしはまた、殺されたんすか?」
ロイン 「そう、まただ」
三洲次 「またです、また」
ロース 「またよ、また」
ランプ 「またですよ、また」
ブリスケット 「……何かあっしに恨みでも……?」

 


引き続き、地下10階へ。

──── 地下10階 第二玄室


ブリスケット 「久しぶりのポイゾンジャイアントでっせ」
ランプ 「相変わらず奇襲じゃないのが、救いですね」
ロイン 「奇襲じゃなければ、良いカモだな」


ロイン 「うむ」


ランプ 「『悪魔の胸当て』がありました」
ロイン 「まぁまぁ珍しいアイテムだったが……」
ロース 「呪われてる防具ね」

──── 地下10階 第一玄室(次の周回)


ブリスケット 「今日はジャイアントがよく現れやすね」
ロイン 「マカニトが効くから、楽勝だがな」
ランプ 「そして、良いアイテムを持ってますからね!
 今回も期待しましょう!!」
三洲次 「じゃ、宝箱を開けますよ」


ロース 「籠手が入ってたわ」
ランプ 「おぉ! もしかして、それは銀の…」


ランプ 「…じゃなく、『銅の籠手』ですか……」
ロース 「でも、籠手を宝箱から手に入れたのって、
 久しぶりね」


そして、またしばらく戦っていると......、





ブリスケット 「またポイゾンジャイアントでっせ」
三洲次 「今日は、本当によくジャイアントが出てきますね」
ロース 「でも、今回は先制よ!」
ランプ 「酒場では、ポイゾンジャイアントに奇襲されて全滅する話しを
 よく聞いていますが……」
ロイン 「我々は、まだ1回も無いな。
 幸運なことに」
ブリスケット 「こやつらとは、相性が良いっすね」
三洲次 「で?どうします?」
ロース 「もちろん、こういう時の……


ロース 「…『窒息の指輪』よ!!」
ロイン 「うむ」


ロース 「余裕ぅっ!!」
ロイン 「期待通り、便利なアイテムだな」
三洲次 「じゃ、宝箱を開けますよ?」
ランプ 「ジャイアントでしたから、今回こそ期待しましょう!!」



ロース 「また『こて』が入っていたわ。
 あと、『けん』も」
ロイン 「2個も入っていたか。
 今回こそ、期待していいかもな」
ランプ 「では、さっそく鑑定をっ!!」


ランプ 「籠手は、またもや『銅の籠手』でしたが、
 剣の方は『悪のサーベル』ですよ!!」
ロース 「初入手のアイテムね!!」
ロイン 「やはりジャイアントは、良いアイテムを持ってるな」
ブリスケット 「しかし、またまた悪人専用っすか」
ロース 「悪人専用の装備って、なんか多いわね」
三洲次 「まぁ、俺たちのやってることって、
 何気に悪人と変わらないから、
 装備できても良さそうなもんだけどな……」
ロイン 「何を言う!
 善行をして悪を知り、悪行をして善を知る!
 故に我々は善なる者である!」
ランプ 「……………………」
ロイン 「汝、善ならんと欲すれば、まず汝の悪なるを信ぜよ!」
ブリスケット 「……………………」
ロイン 「善行とは、悪行を慎むものではなく、悪行を……
ロース 「行きましょ」
三洲次 「行こうぜ」
ランプ 「行きますか」
ブリスケット 「行きやしょ」
「うぜぇ」

…………


……………………


………………………………


──── ボルタック商店


店員(女) 「まぁ!
 『悪のサーベル』があるじゃないっ!」
ランプ 「高値で買ってくださいよ」
店員(女) 「せっかくだから、使ったら?」
ランプ 「いや、我々では装備できないので」
店員(女) 「でも、これってカシナートより安定しないけど、
 決まればカシナートよりダメージはデカいわよ?」
ランプ 「う~ん……、ブリ助が装備すると、
 前衛の底上げになりますかねぇ…?」

……

…………

………………

ランプ 「…と、言う訳で、どうですか?ブリ助?」
ブリスケット 「いや、呪われるじゃねぇっすか」
ロース 「でも、桃より大ダメージを与えられるなら、
 装備すれば大活躍、間違いなしよ!
 呪われるけど」
ロイン 「前衛として活躍すれば、酒場で冒険談に花が咲くぞ!
 呪われるけど」
三洲次 「侍が持っても、カシナートよりは違和感ないし、
 何よりカッコいいですよ!
 呪われるけど」
ランプ 「パーティーのためにも、ここは是非!
 呪われるけど」
ブリスケット 「………何かあっしに恨みでも……?」

ま、普通に売りましたけどね。




今回は、まだまだ続きます。
なぜならこの後も、まだまだジャイアントが頻繁に出てくるので。

とは言え......、




....しばらくジャイアントは出て来ず、
アイテムもガラクタばかりが続いていました。

そして、やっと......、


ブリスケット 「やっとジャイアントっす!!」
ランプ 「来た!来た!!来たーっ!!」


ロース 「メイジブラスターね」
三洲次 「余裕ですよ。
 任せてください!」


ロース 「『こて』が1個だけよ」
ロイン 「1個だけか……、ちょっと期待外れだな」
ランプ 「はぁ……、じゃぁ、それは銅の…」


ランプ 「…じゃなく、『銀の籠手』ですよ!!」
ロース 「またまた新しいアイテムね!!」
ブリスケット 「ジャイアントは、本当に良いアイテムを持ってやすなっ!!」
三洲次 「もしかして、この籠手って…」
ランプ 「この地で手に入る籠手の中で、
 最強の籠手ですよ!!」
ロイン 「本当か? それはスゴイな!!」

あまりにレアイイ防具だったので....、


....思わず、またもやエースの桃に装備させちゃったけど、
ちょっと桃を優遇し過ぎかも知れない。

ま、ファミコン版はACがほぼ機能してないから、
防具なんてテキトーで良いでしょ。

......なんて言い訳してないで、新しい前衛用の装備が出たら、
ちゃんとブリスケットと桃で 分け与えないとダメですね。


ロイン 「…と言う訳で、やっぱり『悪のサーベル』はどうだ?」
ブリスケット 「………何かあっしに恨みでも……?」




ここで、ロース(僧侶)レベルアップ!!


きた!きた!きたっ!

能力パーフェクトまで、あと「運の強さ」残り1まできましたよっ!!

いい感じです!!


──── 地下10階 第一玄室

さぁ!

調子がますます上がってきたところで、
引き続きガンガン行きましょう!!


三洲次 「来たぁぁーーーっ!!」
ブリスケット 「またもやジャイアントっす!!」


ロイン 「余裕だなっ!!」
ランプ 「さあっ!!
 お楽しみの宝箱タアアァァーーイムッッ!!」


三洲次 「お金だけでした」
ランプ 「あららら………」
ロイン 「気にするな!
 次に期待しよう!」


──── 第二玄室


ロイン 「よし! 入るぞ!」
ランプ 「今度もジャイアント!!来いっ!!」
三洲次 「今度こそ、イイ装備が出ますように!」
ブリスケット 「じゃ、入りやすぜ!!」


ブリスケット 「来やした!!
 また、ジャイアントっす!!」
ランプ 「やったっ!!」
ロイン 「何が来たっ?!」
ブリスケット 「またポイゾンジャイアントでっせ!!」
ロイン 「よーし!!
 これはラッキ……



ロイン イ?!


えええええええぇぇぇぇっっっ! ! ? ?






ブリスケット ふほおおおぉぉおおっっ!!
ロイン このダメージィィっ!!
三洲次 あり得ないだろぉぉおっっ!!!
ロース 「に、2匹目はっ?!」


ブリスケット ふぐわああぁぁああっ!!
三洲次 マジかぁあっっ?!
ランプ 「こ、これぇっ!?
 わ、私がああぁぁ……っ!!?


ランプ がほぉわあああぁぁあっっ!!
ロイン 「ランプーーーーっっ!!」

だよねぇっ!!!


2匹目のブレス終了!!!

が……!!


ロース 「もう1匹いるわっ!?」
ロイン 「も…もう1匹にブレスを吐かれたら……、
 今度は……お、俺が………」
三洲次 「ま……ま…、まさか………?」



三洲次 無慈悲なああああぁぁぁあっ!!!!
ブリスケット ふぉごおおおぉぉおおっっ!!!
ロイン 「ば……万事休す……か?!!

 


レジスト!!

ギ…ギリ、ロインは助かった!!



ブリスケット 「ぐはぁあっ!」


「ふごっ!」
三洲次 「弱ってるところに、追い打ちを……」


奇襲ターン終了........。



グレーターデーモン戦を上回る、
過去最悪の壊滅状態! ! !

さすが、地下10階を代表する凶悪モンスター!!!

ロイン 「ぐ……っ! ぐほぉ…っ!
ブリスケット 「ロイン殿が死にそうっす!!」
ロイン 「マ……マカニ……ト……を……っ」
三洲次 「だ、大丈夫ですかっ?!」
ブリスケット 「呪文を唱えられやすかっ?!」
ロイン 「お……俺しか……マカニトを……ごほっ!」
   
ポイゾンGA シュゥゥウウゥゥ……ッ!
ポイゾンGB フゥゥウウゥゥ……ッ!!
ポイゾンGC シャアアァァア……ッ!!
   
三洲次 「あ、相手はピンピンしてるのに…」
ブリスケット 「ど…どう考えてぇも……ロイン殿が間に合うとは……」
ロース 「ただでさえノロいんだから、
 マカニトなんて、もう無理よっ!!」
三洲次 「で、でもっ?!」
ロース 「私に任せてっ!!
 『窒息の指輪』があるわっ!!」



ここで、たとえ1匹にでも遅れをとると、
パーティーのH.P.は全員40未満なので、
最悪パーティーは全滅っ!!!


運命の2ターン目っ!!


開始っ!!!



ロース、見事に先手をとる! ! !

よくやった!!!!

三洲次 「や……やった!」
ブリスケット 「さすがロースはんっす…!」
ロース 「……ざまぁみなさいっ!!」
三洲次 「よし…あとは、ウィルオーウィスプだけだ」
ブリスケット 「もう安全でや……


ブリスケット ふぉごっ!!
三洲次 「ブリ助の残りH.P.がああぁっ!!?」


通常戦1ターン目、終了........。




いまだ予断は許さず!!!

ウィスプA 「シュルルルル………ッ!」
ウィスプB 「ヒュルルルル………ッ!」
   
ブリスケット 「ぐはっ…!
 く……くそ……っ!」
三洲次 「まさかこんな奴ら相手に、
 生死が読めない戦況があるなんて……」
「後は直接攻撃のやり合いなら、
 あたいの出番だな……」



なんとか勝利!

ローラーレンジャーズにとって、
最も全滅と隣り合わせの戦いであった........。


…………


……………………


………………………………


──── 地上 カント寺院



無事に蘇生。

ロース 「良かった、一発で蘇生ね」
ランプ 「うぅ……、ここは……?」
ロイン 「カント寺院だ」
ランプ 「……え?
 じゃぁ、私はまた、ブレスでやられたんですね……」
ロイン 「そう、まただ」
三洲次 「またです、また」
ロース 「またよ、また」
ブリスケット 「またっすよ、またっす」
ランプ 何か私に恨みでも??!

 

「62.魔神マイルフィック」へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 16 87 18 18 14 18 18 15 0 0 レジスト2回でギリギリ生き延びる。
三洲次 19 136 18 18 14 18 18 17 1 3 生命力とH.P.がアップしてくれて、助かった…。
15 127 18 18 18 18 17 18 0 0 パーフェクト解消。しかも素早さが低下とは…。
ロース 17 127 18 18 18 18 18 17 0 2 どうでもいいけど、桃と同じH.P.なんだな。
ランプ 16 55 17 18 18 15 18 11 0 7 お前、最近死に過ぎだろ。
ブリスケット 15 132 18 18 18 17 18 15 1 4 お前もだ!

 


【更新履歴】
2021年 7月 3日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年 3月22日:文章を一部推敲。
2020年 2月 2日:次ページへのリンクを設定。
2020年 1月25日:新規公開。