70.サーロインの必殺技

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
元接近戦最強の少女。現在は盗賊。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約10分



──── ギルガメッシュの酒場 早朝

ロース 「おはよぉ~」
サーロイン 「あぁ………、おはよう………」
ロース 「…………あの2人、また特訓してるのね?」
サーロイン 「ん?…………あぁ……、そうだな………」


──── 酒場のバックヤード.....

「盾は腕に固定して、村正を両手で持ったらどうだ?」 
三洲次 「こうか?」
「そうだな。
 ところで、柄を両手で持つ時は、両手を放して持つのと
 ピッタリ合わせて持つのだと、どっちが正解だと思う?」
三洲次 「え?……う~ん………。
 ……これまでずっと短剣を片手持ちだったから……どっちとも………。
 時々両手で持っている人がいるけど、手は少し放して持ってたような……」
「ま、村正の場合は逆で、両手はひっつけた方がいいな」
三洲次 「なぜ?」
「両手を放す持ち方は、敵の反撃に備えて、自在に剣の方向を変えやすくするためだ。
 でも、村正は一撃で相手を倒す武器だから、一発に全ての力を込める
 ピッタリ合わせた持ち方の方が向いてるぜ」
三洲次 「ふ~~ん……」


ロース 「………この前と違って、なんか静かな特訓ね」
サーロイン 「ん?………あぁ……、まぁ……そういう時もあるだろ」
ロース 「ちょっと?!
 さっきからずーっと剣ばかり見て、人の話しに上の空で応えないでよ!」
サーロイン 「え?………あ………あぁ、悪い。
 いや、前衛になったので、実は……必殺技をあみ出したのだが……」
ブリスケット 「マジっすか!?
 そいつぁはカッコいいっすね!!」
ロース 「はあ?!
 な~にが必殺技よ!
 男の人って、そういうの好きね」
サーロイン 「でも、まだ名前を決めてなくて………」
ロース 「そんなしょ~もないことで上の空だったの?」
ブリスケット 「よし! あっしも何か必殺技をあみ出しやすぜ!」
サーロイン 「何かイイ名前は……」
ブリスケット (……もちろん、あっしは日本流のカッコイイ名前の……)
ランプ 「頼みますから『斬鉄剣!』とか叫びながら攻撃するの、止めてくださいよ」
ロース 「うわっ!! ダサダサッ!!
 チョーありがちっ!!」
ブリスケット (……あっしは 考えるのをやめた……)
サーロイン 「ま、今日の冒険を楽しみにしていてくれ」
ランプ 「むしろ不安になってきましたよ……」



今日も地下3階の固定戦闘ポイントを主軸に、経験値稼ぎをします。


──── 地下3階 固定戦闘ポイント



三洲次 「ぎゃあっ!」


ブリスケット 「ぐほっ!!」


ロース 「相変わらずあっさりやられるわね、あの2人……」
サーロイン 「初っ端から運が悪いな……」


ま、キラーウルフぐらい、楽勝ですねけどね。


三洲次 「どうだ?」
「紐とかゴムは無ぇし……金属板も無ぇし……、
 ブラスター系じゃねぇのか?」
三洲次 「この階でプリーストブラスターは聞いたことが無いから……」


「メイジブラスターだな」
三洲次 「じゃ、解除してみようか」
「うっし」




ぐほぉっ!!
三洲次 「……………………」

ダメだ!!
桃、こいつ、マジでダメだっ! ! !

「いってぇ~……んだよぉ……」
三洲次 「大丈夫か?
 罠が箱の奥にあるタイプは、気付き難いからな。
 次からその点は、もっと時間をかけて丹念に調べよう」
「うぃ」


次。



「う~~………、む~~………」
三洲次 「どうだ?」


「ん~~…………!!
 奥に紐 発見!」
三洲次 「よし、そのまま切ってしまえ」
「うぃ、………えいっ!」


「うっし!」
三洲次 「よし!いいぞっ!!
 桃?」
「うぃ?」
三洲次 「へ~~い!」       ←ハイタッチ
「ぅい~~!(パーンッ!」 ←ハイタッチ

ランプ 「あの2人………あんなことする間柄でしたっけ……?」
サーロイン 「珍しいこともあるもんだな」
ロース 「天変地異の前触れかしら……」

次、固定戦闘ポイント。




また奇襲っ!!
しかも怒涛のブレス!!

が......、



....なんとランプが、いずれのブレスもレジスト(ダメージ半減)をした。
(画面写真が同じにしか見えないけどさ……)

今、もっとも優秀なのは、間違いなくランプだな!


しかし、この構成での奇襲.....。
以前、救助隊を全滅させられた時の、イヤな思い出がよみがえる。

ま、ここまで成長したローラーレンジャーズなら、
この程度で絶滅なんてしないがな!!


うざいだけだった。

で......、宝箱だが......、


三洲次 (……こいつ……本当に「無い」が多いよな……)
「う~~ん…………」
三洲次 「さっきの反省はしたか?
 ちゃんと奥もしっかり確認したか?」
「あぁ……石弓の矢とかは無ぇはず………」


「じゃ、開けてみる」



おおおぉぉぉぉいっっ! ! ! !

こいつ、マジでありえねぇ! ! !

どんだけ調べるの間違えりゃ気が済むんだ!!!!


ロース 「………ちょ………また………」
「あ……、ロース………悪ぃ……」
三洲次 「罠を見つけだすとこが、どうもダメだなぁ……。
 もっと1つ1つ時間をかけて、漏らさず検証するようにしないと」
「うぃ」
三洲次 「桃は、罠の解除の腕は一流なんだから、
 あとは調べる技術さえ磨けば、超が付く優秀な盗賊になれるぞ!」
「うぃっす!」
ロース 「……はや………く………、なお……し………」
サーロイン 「おーい、ランプ!頼むよ」


ロース 「ふぅ………ひどい目にあったわ……」
サーロイン 「じゃ、一度階段に戻ろう」

.....と、階段へ戻るその途中!


??? 「動くなっっ!!」
サーロイン 「!?」

シュルルル........シュタッ!!!


ニンジャA 「お前ら……なかなかイイ装備をしてるじゃないか」
ニンジャB 「しかも、金もたんまり持ってそうな感じだなぁ?」
ニンジャC 「てめぇらの命と持ち物……拙者らがいただこう!」
サーロイン 「お前ら……!
 命を奪った挙句に金品まで奪うとは、
 極悪非道な行いにもほどがあるぞ!!」
ニンジャD 「ふん!この迷宮じゃぁ、それが流儀ってやつだぜ?」
ニンジャE 「拙者らは流儀に従ってるだけだ!」
ニンジャF 「へへっ…、一瞬にして首をかっ斬ってやるぜ!!」
サーロイン 「お前らのような極悪人を許すわけにはいかないっ!!
 今こそ、必殺技を使う時!!
 一瞬にして殺されるのは、お前らの方だっ!!!」
ニンジャA 「なにぃ?!」
サーロイン 「喰らうがいいっ!!!
 必っっ殺………っ!!!」
ランプ 「あの……とりあえず、カティノで寝かせときますね」


サーロイン ロイン・ストラッシュ!!!


ニンジャA 「が?!……ぐぅほおおおぉぉぉっっ!!!
サーロイン どうだぁ!?
 これが、俺の新しい必殺技だ!!」
ブリスケット 「おぉっ!なんと!!
 クリティカルが使えるようになったっすか!?」
三洲次 「今の名前……何かパクってません?」
サーロイン 「ふ………首をかっ斬られたのは………、
 お前らの方だったなっ!!
ランプ 「カティノで全員寝ちゃってますから、
 聞こえてませんよ………」
サーロイン 「まさに、文字通り必殺の一撃!!
 パーティーのリーダーとして、俺は最高の攻撃手段を繰り出せるまでに成長したぞ!!」
ロース 「えぇ~~……寝てる相手に必殺技って、ダサくなぁ~い?」
サーロイン 「う…! …うるさいなっ!
 生きるか死ぬかの世界なんだ!!!
 寝る方が悪いっ!!!」
ロース 「それに、そもそも40ダメージなら、首を刎ねる必要無いでしょぉ?」
サーロイン 「い…いちいち、うるさいなっ!
 これは男のロマンなんだ!!!
 『必殺技』と書いて、『男のロマン』と読むんだ!!」
三洲次 「読まねぇよ」


とりあえず、残りはマハリト(グループ攻撃の火炎呪文)などで倒す。
楽勝!

で、階段でフロアをリセットして、再び同じ玄室へ......。




ニンジャA 「死体は………まだ、温かい!」
ニンジャB 「おい!仲間を殺した奴らは、まだ近くにいるぞ!」
ニンジャC 「探せ!探しだすんだ!」
   
ブリスケット 「さっきの奴らの仲間っぽいっすよ…」
ロース 「まだ、こっちに気付いてないわね」
サーロイン 「よし!チャンスだ!」


サーロイン 「とりあえず普通に倒したけど、
 こっちの方がいいか?」
ロース 「どっちでもいいわ」
サーロイン 「お前……、本当にかわいくないな………」
ロース 「余計なお世話ですぅ~!」
ランプ 「とりあえず、残りも倒してしまいましょう」


ま、問題無く勝利。

そして、問題ありまくりの....


.....宝箱


三洲次 また?!!
「む~………………」
三洲次 「……だ……、大丈夫なのか………??」
「ぅ~~…………、無ぇと思うぜ………」


「じゃ、普通に開けるぜ」
三洲次 (………南無三………!)


「うっし! やっぱ無かったぜ!」
三洲次 「はぁ…はぁ……、し……心臓に悪いなぁ………」
ブリスケット 「なして息切れしてやすか?」


ランプ 「治療薬ですね。
 ブリ助のH.P.が93に減ってるので、これで治しますか?」
ブリスケット 「お願いしやす」



ランプ 「………1しか回復しなかった………」
ブリスケット 「………………」
サーロイン 「ま、拾い物なんて、そんなものだろう。
 次、行くぞ」



サーロイン 「ふふ、俺の必殺技を試すのに、絶好の敵だな!」
ランプ 「え?またやるんですか?」
サーロイン 「喰らえっ!!!
 必殺!!
 ロイン・ストラッシュ・クロス!!!


サーロイン 「はははっ!どうだ?!」
三洲次 「名前は、絶対になにかパクッてますよね?」
ランプ 「恥ずかしいので、そういうの止めてほしのいのですが……」
サーロイン 「む?名前がダメだったか?
 では、もっと別のカッコいい名前を……」
ランプ 「………そういう問題じゃないのですが………」



「メイジブラスター………だな」
三洲次 「まぁ……だいぶ丁寧に調べるようになったし、
 もう大丈夫………かな…?」
ランプ 「若干、疑問形ですよ?」
「………む~…………これか……?
 ……うりゃ!」


「うっし!」
三洲次 「おぉ!やったな!」
「ぅい~~っ!」       ←ハイタッチ
三洲次 「へ~~いっ!(パーンッ! ←ハイタッチ

ランプ 「やっぱりあの2人……なんか変ですよ?」
ロース 「何かあったのかしら……?」
サーロイン 「昨日、夜遅くに2人で酒場に居たから、
 そこで何かあったのだろう」
ロース 「え?!
 なんでそんなこと知ってるのよ?!」
サーロイン 「必殺技を身に付けるため、実は夜な夜な特訓をしててな……、
 で、その帰り道になんとなしに酒場を覗いたら、あの2人が居たんだ」
ロース 「え!じゃぁ、やっぱりあの2人、何かあったってこと?!」
ブリスケット 「マジっすか?!
 夜に男女が2人だけってぇことは……!?」
ランプ 「ま、まさか?!
 酔った勢いで、そのまま冒険者の宿まで行ったとか?!」
ロース 「きゃー!きゃー!!
 もしかして 『あなたは恋の能力が 1 上がった』 ぁあ?!」
サーロイン 「いや、別々に帰っていたから、皆が期待するようなことは………」
ランプ 「よし!ブリ助!!
 今晩、酒場で三洲次を問い詰めましょう!」
ブリスケット 「合点承知!!」
ロース 「ねぇ!ねぇ!結果は絶対に私にも教えてよ!!」
サーロイン 「…………人の話し聞けよ………」


その後も、淡々と戦闘をこなしていく......。





ブリスケット 「ぐほぉっ!」
サーロイン 「やったなっ!?
 必殺!!
 ロイン柔破斬!!
 あたたたたたたっ!!


サーロイン 「ふ………お前はもう……死んでいる!」
ロース 「見りゃ分かるわよ」
三洲次 「……また、どっかから名前パクってきました?」
ランプ 「聞いてるこっちが恥ずかしいから、
 技名を叫びながらやるの、止めてもらえません?」
サーロイン 「黙って斬ったって、必殺技かどうか分からないじゃないか!」
ランプ 「そういう問題では……」
ロース 「蛙に必殺技って、子供じゃないんだから……」
サーロイン 「何を言う!俺のはお遊びじゃなく、本当の必殺だ!」
ロース 「そういう問題では……」
ブリスケット 「個人的にゃぁ、3発当てても9ダメージしか与えてねぇ方が問題な気もしやすが?」
サーロイン 「一撃必殺だから、そこはどうでもいいんだよ!!」
ブリスケット 「そういう問題では……」

いや、なんか......、


....急にサーロインが、クリティカルヒットをバシバシ出し始めたんだけど......。

調べたけど、特定レベルで急に確率が上がるような閾(しきい)値は無いようだが、なんだろう?これ?


参考までに。
今のサーロインのレベル(Lv7)だと、クリティカルヒットを出す確率は......、

(1) 判定1回目
(自分のLv) / 50 = 14(%) で成功
 (*) 自分のLvが25以上は25固定

(2) 判定2回目
(24 - (相手のLv)) / 35 ≒ 48.6(%) で成功
 (*) キラーウルフの場合

....である。
やはり1回目の判定の変動の影響が大きそうだが、まだそんなに確率高くないよなぁ....。


まぁ、確率が分かったところで、どうなる話しでもないから、
とりあえずゲームの記録を続けます。



「………中にある紐を切れば………」


「うっし!」
三洲次 「桃も大分腕が上がってきたな」
Vサイン!


ランプ 「お!これは『真っ二つの剣』ですね。
 ここでこれが手に入るとは、なかなか珍しいですよ」
サーロイン 「うむ。
 では、上々な結果となったところで、ここでの修業は一旦終えて、
 修行場所を地下4階へと移すとするか」




経験値稼ぎの場所を、地下4階のコントロールセンターに移す。



マカニト(Lv7以下の魔物を消す呪文)を使えるキャラが4人もいるので、
全然危なげなく、かつ効率的に経験値を稼ぐことが出来る。

余談だが....、


....首刎ねの代名詞キャラとも言うべきボーパルバニーの首を逆に刎ねてやると、
なんか快感ですな!!!


まぁ、そんなこんなで経験値を稼ぎ、回復呪文が乏しくなってきたところで、
コントロールセンターを後にする。

だけど、そういう時に限って....、




....大群に奇襲されたりするから、ウィザードリィは本当に油断がならねぇ.....。
H.P.の低いランプがヤバいから、勘弁してほしい。


やはり、ある程度戦力に余力がある状態で戻るのが、
ウィザードリィの世界で生き抜くための秘訣ですな。


そんなこんなで城へと帰還へ。




転職組は全員、1つずつレベルアップ

回復魔法を使いたいので、今回はまず元僧侶のロースから宿へ......


■ロース(魔法使い)


相変わらずの素晴らしい能力の上昇ぶり!


しかも転職組の中では、初の能力値18到達!
それも、魔法使いに重要な知恵で。

おまけに....、


....マダルト、マカニトを一発習得!

彼女は転職しても、相変わらず優秀である!!


■サーロイン(君主)


彼も、今回は絶好調な感じの能力上昇。

何か呪文も覚えたけどさ....、実は呪文を全然使ってないから、
なんかもうどうでもいい感じ。

それより、転職組で能力18に到達した人がいるのに、
こつはいまだ最大が13なんだが、大丈夫だろうか.....?


■三洲次(侍)


うほっ!
絶好調な成長なんて、三洲次らしくねぇ大歓迎ですよ!


■桃(盗賊)


おほっ!
なんか今回はみんな能力の上昇具合が調子いいな!


......なんて思っていたら......、

■ブリスケット(僧侶)


失いすぎだろ!!!

どんだけ能力減るねん!!!!

こんな酷いレベルアップ、本プレイでは初めてじゃないかっ?!!
お前、転職してから、いちいちひどすぎだろっ?!


でも、レベル5僧侶呪文を一発で全部習得したよ!!!
6つもあるのに一発習得って、すげぇなぁ、おい!!
おかげで、めっちゃディアルマ(上級の回復呪文)使えるじゃん!!

ダメダメなんだか優秀なんだか、分からんレベルアップだな。



■ランプ(司教)

割愛




「71.戦士たちの訓練所」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 8 109 13 12 12 12 13 11 0 0 とうとうクリティカルヒットを使いだした。
三洲次 8 160 13 10 10 12 13 13 1 3 この能力……やっぱり盗賊向きなんじゃ…?
9 149 13 15 12 12 14 14 0 0 いまだ正しい罠の解除は成功率100%を維持。
ロース 9 150 13 18 16 12 16 9 0 2 転職組の中では初の能力18到達。優秀だよ。
ランプ 17 81 18 18 17 16 18 12 0 8 最速のマカニト、カティノなどが超助かってる。
ブリスケット 9 141 10 14 13 9 10 9 1 4 今回ダメダメな成長で、能力も一番ダメダメに。

 


【更新履歴】
2021年 7月 3日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年 4月27日:次ページへのリンクを設定。
2020年 4月19日:新規公開。