23.対決!モンスター配備センター!

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約6分




ロイン 「ここが『モンスター配備センター』か」
ランプ 「ここら辺一帯のモンスターを統括するだけあり、遥かに上位のレベルの敵が居るとか……」
ブリスケット 「しかし、そいつらを突破できる強さを示さねぇと……」
ロース 「最深層の階へ行く許可が、下りないのよね……確か」
三洲次 「今の俺たちで、突破できますかね?」
ロイン 「我々だって、ここらのモンスターを軽くひねり倒すだけの強さがある。
 大丈夫だろう」
ブリスケット 「いきやすか?」
ロイン 「うむ」


ロイン 「全員、準備はいいか?」
ロース 「大丈夫よ」
ブリスケット 「いつでもいけやすぜ」
ロイン 「よし!」

さぁ!
前半を代表するボス戦!!!

モンスター配備センターだ!!!


ロイン 突入っ!!!

ローラーレンジャーズは扉を蹴破り、中になだれ込む!!!!


薄暗い部屋の中で、闖入者たちに反応し、部屋の主たちが一斉に戦闘態勢に入るっ!!!


来たっ!!!
モンスター配備センターの主たちだっ!!!

ローラーレンジャーズ6名と、モンスター配備センターの精鋭7名が、正面から対峙する!!

そして、お互いに相手の正体・強さ・出方をうかがうように、ピクリとも動かず、睨み合う......。


ロイン 「敵は……、
 レベル7ファイター2人、
 レベル7メイジ2人………」
ロース 「レベル7なら、まだ私たちの方が上ね」
ロイン 「それからプリーストが2人……」
ランプ 「あれは……ハイプリーストです!!」
ロイン 「知っているのか、ランプ?!」
ランプ 「うむ。
 一発で相手を殺すバディの使い手です。
 ヤバイ奴が出てきましたね……」
三洲次 「マジかよ……」
ブリスケット 「一番奥にも、誰か1人居やすぜ?」
ランプ 「あれは……ハイニンジャですっ!!」
ロイン 「知っているのか、ランプ?!」
ランプ 「うむ。
 今までの忍者がかわいく思えるほどの奴です。
 まず、レベル自体が我々よりも上です。
 しかも攻撃力は、これまで戦ってきたレベル3ニンジャの3倍以上!
 弱点もありません。
 あ、あんな奴が居るとは……」
ブリスケット 「ってぇ、ことは……」
ランプ 「一番レベルの高いあいつこそが……、
 間違いなくここを統べるボスです!」
三洲次 「マジか……」
ロース 「それで、ロイン? 作戦は?」
ロイン 「よし!
 まず、ブリ助と桃はハイニンジャを狙え!」


ブリスケット 「承知!」
「…………………」
   
ロイン 「三洲次、『眠り』の巻物を持って来たな?
 念には念を押して、ハイニンジャの動きを封じろ!」
三洲次 「お、俺も戦闘に参加するの…?
 あいつ、そこまでの奴なの?!」
ランプ 「今までの敵の中で、おそらく一番最強です」
三洲次 「ごくっ……!」


ロイン 「ロースとランプは、メイジとプリーストの呪文を封じろ!」


ロース 「分かったわ」
ランプ 「了解です」
ロイン 「俺は、マカニトでレベル7のファイターとメイジを一掃する!」


ロイン 「準備はいいか?」
ロース 「えぇ……」
ブリスケット 「緊張しやすぜ………」
ランプ 「まぁ、やるしかないでしょう………」
ロイン 「よしっ……、いくぞっ!!!

ロインの最後の大きな一言で、ローラーレンジャーズはもとより、敵も一気に身構える!!!


戦闘開始っっ!!!




が!!!!


戦闘を開始した瞬間!!!


黒い影が一瞬にして、両者の間を走り抜けたっっ!!!


あまりの素早さに、誰もその動きに追随できず!!!


ロイン !?


瞬く間にその影が、相手の側まで走り寄った......、
その刹那!!!

刀の閃光が3回光ったっっ!!!





........空を舞う........血しぶき........。


それはを意味する光景だった......。


一瞬のできごとに、誰もがその顛末を、ただ見ていることしかできず......、


ロイン 「……………え?」


かろうじてロインが漏らした声が、他の人間が取れた...... 最初の行動だった........。


戦闘開始直後......、最初のできごとは........?


................................


................


........







ハイニンジャ 「ばっ……!!
 ばかなああぁぁぁっっっ……!!!
   
「…………………」
   
ブリスケット 「なんと……!!」
ランプ 「ア……アッと言う間に、相手の一番奥深くまで入り込んで.....」
三洲次 「しかも、一撃でボスを殺りやがった!!」
ロイン 「あ……あいつ……、
 本当にどこまでスゴイんだ……!!!」

ハイプリーストA 「ば………ばかなっ?!」
レベル7ファイターA 「…こ……こんなことがっ??!」

「…………………」

レベル7メイジB 「ハ……、ハイニンジャを一瞬で……」
レベル7ファイターB 「こ、この小娘めっ!!」」

ロース 「油断大敵ねっ!!!」

ハイプリーストB 「えっ?!」

ロース モンティノっっ!!!

レベル7メイジB 「し、しまったっっ!!!」



ロース 「え? うそっ?!」
三洲次 「モンティノがまったく効かないっ?!」

レベル7メイジA 「なんじゃ?
 ……ひ弱なモンティノじゃな?」
レベル7メイジB 「むぅっ!!
 もう一人の小娘は、たいして強くなさそうじゃっ!!」
ハイプリーストA 「よ…よしっ!!
 やり返してやるっっ!!
 我が最高の魔術でなっっ!!!
 喰らえっっ!!
 バディだああぁぁっっっ!!!

ロイン 「まずいっっ!!!」
ランプ 「バディが来るぞぉっっ!!」
ロース 「きゃあああぁぁっっ!!」


ハイプリーストA 「………………」

ロース 「……………………」
ロイン 「…………ど、どうした?」
ロース 「な、なんとも……ないわ………」

ハイプリーストA 「く……!!
 さ、さっきのに動揺して……、精神を集中しきれなかった……かっ?!」
ハイプリーストB 「くそっ!!
 だが、メイジたちよ!!!
 モンティノは不発であった!!
 思う存分、魔法で攻撃しろっ!!」 
レベル7メイジA 「うむっ!!」
レベル7メイジB 「わしらの攻撃魔法を喰らって、死ぬがいいっっ!!」
ハイプリーストA 「ファイターどもっ!!
 ボサッとしてないで、殺ってしまえっ!!」
レベル7ファイターA 「うおおおぉぉっっ!!!」
レベル7ファイターB 「我らの力を見せてやるっっ!!!」

おい!!

レベル7メイジA 「え?!」

「なんか試練とか山場とか、いろいろ言われてるようだけどよぉ……」

レベル7メイジB 「………?」

「ボスでさっきのザマじゃぁ……」

レベル7ファイターA 「………………」

「てめぇらごときが勝つチャンスなんて、万に一つもねぇぜ」

レベル7ファイターB 「なんだとっ??!」
レベル7メイジA 「ふんっ!! 小娘めっ!!」
レベル7メイジB 「そんな言葉で、わしらが怯むとでも思っておるのかっ?!」

「別に怯まなくたっていいぜ。
 あたいの話しをただ聞いてりゃぁ、それでいい」

レベル7ファイターA 「はぁあ??」
レベル7ファイターB 「どういう意味だ?!」

「てめぇら4人を攻撃させないための、ただの時間稼ぎだからな……」

レベル7メイジA 「??」

「ノロマ な ロインの……マカニトの詠唱が終わるまでのな」

レベル7メイジB 「…………はっ!!

ロイン 「詠唱完了…。
 桃、一言多いぞ……」

レベル7ファイターA し、しまったあああぁぁっっ!!!!


ロイン マカニトっっ!!!


レベル7ファイターA 「うわああああぁぁぁっっ!!!」
レベル7ファイターB 「ぐわああああぁぁぁっっ!!」


レベル7メイジA 「ほおおおぉぉぉっっ!!」
レベル7メイジB 「ぬおおおぉぉぉっっ!!」


ハイプリーストA 「ふんっ!!」
ハイプリーストB 「効かんなっ!!」

三洲次 「ハイプリーストには効かないのか…」
ランプ 「レベルが高いですからね」
ロイン 「ま、想定内だ」

ハイプリーストB 「今度は、こっちの番だっ!!」

ロイン 「ランプっ?!」
ランプ 「私の詠唱スピードの方が早いですよっ!!」


ランプ 「く……っ!!」
ロース 「私たちじゃぁ、こいつらにモンティノが全然通用しないのっ??!」
ランプ 「な、なんとか……っ!!」


三洲次 「1人封じたっっ!!」
ロイン 「どっちだ?!
 さっきのバディの奴か?!
 それとも、今度くる奴かっ?!」


ハイプリーストB (ほぉ……ほごぉっ……!!)

ランプ 「間に合ったっ!!」
ロイン 「さすがだっ!!」


1ターン目終了。

桃の活躍 と ロインのマカニト で、アッと言う間に敵はハイプリーストのみに。

ここまで来れば、勝利は見えたでしょう。


ハイプリーストA 「くそおおぉぉぉっ!!」
ハイプリーストB (絶対にやり返してやるっっ!!)

ロース 「追い詰められて、敵も死にもの狂いになってるわ!!」
ロイン 「『窮鼠、猫を噛む』という言葉もある!!
 全員、まだ油断はするなっ!!」

ハイプリーストA 「このままで終わると思うなよっ!!
 私は、まだ呪文が使える!!」
ロース 「まさかっ?!」
ハイプリーストA 「せめて1人は道連れにしてやるっっ!!
 今度は失敗せんぞっ!!」」
ロイン 「またバディを唱える気だっ!!」
ランプ 「くそっ!!」



ハイプリーストA (ふぉ……ふぉぐっ……!!)

三洲次 「さすが、ランプ!!
 相変わらず素早いっ!!」
ランプ 「間一髪、間に合いました!!
 しかし、2回目でやっととは……」
ロイン 「負けてられんっ!!」


ハイプリーストA (ぐわあああぁぁっっ!!!)


ハイプリーストB (くっ……!
 まだだっ!!
 まだ負けられんっ!!)

ロース 「1人耐えたわっ!!」
ロイン 「まだダメなのかっ??!」
ランプ 「ここまで追い詰められても諦めないのは、
 さすがモンスターどもを統べる精鋭ですね」
ブリスケット 「後はあっしに任せて下せぇっ!!」

ハイプリーストB (くそっ!!)

キンッ! …キィィンッ!!


ブリスケット 「くっ!」
三洲次 「ブリ助の攻撃を、かなりさばきやがった!!」
ロース 「敵も必死よっ!!!」

ハイプリーストB (ちくしょおおぉぉっっ!!!
 このまま負けられるかああぁぁっっ!!)

ブリスケット 「え?!」
ロース 「やり返す気だわっっ!!」
ロイン 「ブリ助っ、あぶないっっ!!!」
ブリスケット 「なっ?!」

ハイプリーストB (せめてっ!!
 せめて、貴様だけでも地獄に道づガハアァッ!!!




ハイプリーストB (……な…………っ?!)

「あたいらを相手に………、
 てめぇに、その『せめて』があるとでも?」

最後に残っていたハイプリーストも、自分の体に走った激痛から、何が起きたかを悟った。
そして、桃が敵の体から剣を抜くと、ハイプリーストはそのまま床に崩れ落ちた……。



戦闘終了。


終わってみれば......なんとノーダメージ!!!


モンスター配備センター戦、
見事に完全勝利で終了!!!


ランプ 「最後のとどめも、桃が見事に決めましたね」
ロイン 「本当にすごいな……、桃は……」
三洲次 「桃!! おまえ、おいしいところ、持っていき過ぎだろっ!!」
「…………………」
ブリスケット 「桃っち! あっしにも、イイところを残しておいて欲しかったっす!」
ロース 「なに言ってんのよ。
 あなた、とどめを刺せるチャンスあったじゃない?」
ブリスケット 「あ……、いや~……、まぁ……」
   
ランプ 「しかし、無傷で勝ちはしましたが、なんか圧勝という気がしませんね……」
ロイン 「あぁ。
 桃以外は、魔法も攻撃も、思ったように通用しなかったからな……」
ブリスケット 「あっし、8ポイントのダメージを与えるだけで終わりやした……」
ロース 「私なんて、結局魔法が全然通用しなかったわ……」
三洲次 「2人は、まだイイ方だよ。
 俺なんて、このパーティーでの戦闘は初参加なのに、『巻物の空撃ち』しただけだぜ?」
ロイン 「やはり強敵であった…、ということだな」
三洲次 「俺だけ、敵の強さ関係なくね?」


さて、戦った感想はこれぐらいにして、かの有名なアイテムが入っている宝箱を開けましょう!!


「24.騒動・オブ・ザ・リング」 へ


下記は、現在の状況です。

名前 LV H.P. コメント
ロイン 11 62 15 18 10 18 15 14 0 マカニトが先手で撃てて良かった。
三洲次 12 40 17 15 9 13 17 16 3 彼が真に必要なのは、次の宝箱ですよ!
10 81 18 18 16 18 18 15 0 プレイヤーの手さえも離れて動いてる気がする。
ロース 11 65 15 16 18 16 18 12 2 珍しく戦闘に貢献できなかった。
ランプ 11 36 13 18 17 12 18 8 3 Lv11での鑑定成功率は、65% らしい。
ブリスケット 10 88 17 18 14 18 17 11 1 強いはずなんですけどね…。

 


【更新履歴】
2021年 8月28日:表現を一部見直しました。
2021年 8月 7日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2021年 6月19日:台詞を一部見直し。
2020年 4月27日:台詞を一部見直し。
2019年 5月27日:台詞を一部見直し。誤字を修正。
2019年 5月12日:台詞を一部見直し。次ページへのリンクを設定。
2019年 5月 5日:新規公開。