27.BANANA WISH

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



引き続き、地下3階の固定戦闘ポイントを中心に、ロイン(魔法使い)マスターレベル(レベル13)にするまで、経験値稼ぎを続けます。


ロイン 「これは、いきなりラッキーだ!
 前衛よ!腕の見せ所だぞ!!」

「おりゃよ!」


ブリスケット 「うりゃあああぁぁっ!!」


ランプ 「お? ブリ助の方が、大きいダメージを与えましたね」
ロイン 「最近、ブリ助は頑張ってるな」
三洲次 「と言うより、桃にやる気が見えない気が…」
ロイン 「やはり、まだダメか?」
   
三洲次 「なぁ、
 もうちょっとダメージを与えられない?」
「はぁ?」


「これで、いいか?」
三洲次 「うん……まぁ……」
   
ブリスケット 「おりゃあああぁぁっっ!!」


ロイン 「お? ブリ助は、もっとデカいダメージを与えたぞ?」
ロース 「桃が低調な分、頑張ってるんじゃない?」
ランプ 「同じ侍がゆえに、ずーっと桃の陰に隠れてましたからね。
 たまには前衛として日の目を見ても、良いのではないでしょうか?」
三洲次 「どっちか1人じゃなく、2人とも頑張ってほしいですけどね……」

前回に続き、どうも桃の調子がよくない。

桃の方が「力」は2つ上だし、武器も良いはずである。
なのに今は、ブリ助の方が大きいダメージを与える傾向にある。
こんなことって、あるのだろうか?

気になったので、調べてみた。

で…、とりあえず結果だけ、下記に纏めます。

区分 項目 ブリスケット
パラメータ 職業
  レベル 11 11
  18 16
武器 名前 切り裂きの剣 ドラゴンスレイヤー
  ST値
  AT値
  ダイス個数
  ダイス面数 10
ダメージ 攻撃回数 3(回) 3(回)
  命中率 85(%) 55(%)
  最小値
  最大値 36 36

(*) 敵は第1グループで、ACは5と仮定。


なんと!
与えられる最大ダメージは、36で同じなんだ!

むしろ、ブリスケットの「力」が18なら、「ドラゴンスレイヤー」の方が最大ダメージは大きくなるのだ!
てっきり、「切り裂きの剣」>「ドラゴンスレイヤー」と勘違いしていた。

ただ、「命中率」は「切り裂きの剣」の方が全然良いな。
「ドラゴンスレイヤー」は、大雑把には2回に1回しかヒットしないようだ。


そこで、総合評価するには、「期待値」を導入する必要があるだろう。
「期待値」とは統計学の用語で、ここでは名前通り「期待できるダメージ量」と思って下さい。

で、細かい解説は統計学の教科書や解説サイトに譲るとして、
私なりの理解で計算をすると....、

区分 項目 ブリスケット
パラメータ 職業
  レベル 11 11
  18 16
武器 名前 切り裂きの剣 ドラゴンスレイヤー
  ST値
  AT値
  ダイス個数
  ダイス面数 10
ダメージ 攻撃回数 3(回) 3(回)
  命中率 85(%) 55(%)
  最小値
  最大値 36 36
  期待値 22 12

....こうなった。
もし計算が間違っていた場合は、ゴメンナサイ....。

結果は、命中率の影響が大きく、「切り裂きの剣」の方が期待できるダメージは大きい、という訳だ。
つまり、総合的には「切り裂きの剣」の方が強い、と言える。


以上から、「ドラゴンスレイヤー」を持つブリスケットの方がダメージが大きいのは、上述の通り「ブリスケットが頑張っている」と想像しても、充分しっくり来るだろう。

そして、いつも期待以上のダメージを与えるほど強い桃は、今は調子が悪い...と想像することもできる。


ロイン 「やはり、のやる気が落ちたままだな」
ロース 「弱ったわね」
ランプ 「前にも話しがありましたが、このままでは奇襲で首を刎ねられるのも、時間の問題ですよ?」
ロイン 「う~ん……。
 のモチベーションを上げる、何か良いアイデアはないかな?」
ロース 「って言われてもねぇ……」
三洲次 なら、やっぱり食べ物ですかね」
ロイン 「食べ物?」


──── ギルガメッシュの酒場 翌日

「ぅぃぃすっ……」
ロース 「おはよう、
 相変わらず、眠そうね」
「ぁ~……?」
ロース 「朝食は何にする?」
「ぃ~……バナナとぉ……ミルクでぇ……」
ロース 「桃って、毎朝バナナとミルクね。
 はい、どうぞ」
「ぅ~……好物だからぁ………」
三洲次 「なぁ、?」
「ぇ~……?」
三洲次 「どうせなら、アホ山で取れたの食べるか?」
「ぉ~………食う!!食うっ!!!
ブリスケット 「え? そんな名前の山、あるんすか?」
ランプ 「アホが居る山ですか?」
三洲次 「違いますよ。
 西太平洋の方にある山で、超が付くほど高級なバナナの採れる山です。
 でも、そこのバナナ、超が付くほど美味いっすよ」(※1)
ロース 「よく知ってるわね、そんなこと」
三洲次 「日本にも、出島経由で入ってましてね。
 金になるから、盗んで闇商人とかに横流ししてました」(※2)
ロイン 「さすが盗賊……」
どこだっ?!
 どこにある??!
ランプ 「す、すごい変わりようですね……」
三洲次 「今日、ブリ助より活躍したら、買ってやるよ」
ブリスケット 「あっしをダシに使わねぇでくだせぇよ…」
「よぉおしっっ!!!
 武士に 二言は無ぇなっ?!」
三洲次 「武士は、むしろ侍のお前だろ…」
   
  … … … …
   
三洲次 「どうです?」
ロイン 「桃を取り押さえる役を押し付けられてきただけあり、手慣れたもんだな」
三洲次 「ロインだって、俺に押し付けてましたよね?」
ロイン 「おお?そうだっけ?(棒」
ブリスケット 「これは、負けてられませんな!」
ロース 「あら、ライバル心燃やしちゃって」
ブリスケット 「今のあっしでも、桃っちと同じダメージを出せると分かりゃぁ、勝機はありやすぜ!」
ランプ 「最近、調子いいですしね」
ブリスケット 「うむ!」
三洲次 「実は、俺でもイイ勝負できたかな?
 『最強の短剣』も手にしたし」
ロース 「え~? しょせん盗賊でしょぉ?」

区分 項目 三洲次
パラメータ 職業 盗賊
  レベル 11 13
  18 17
武器 名前 切り裂きの剣 最強の短剣
  ST値
  AT値
  ダイス個数
  ダイス面数
ダメージ 攻撃回数 3(回) 3(回)
  命中率 85(%) 65(%)
  最小値
  最大値 36 30
  期待値 22 15

ロース 「30ダメージも出るの?
 意外だわ……」
三洲次 「力が18だと、最大33ダメージまで出せるようですね」
ブリスケット 「しかも命中率と期待値は、今のあっしより良いんすか…」
ランプ 「実は、侍と比べても遜色ないんですね」
ロイン 「もしかして、三洲次が前衛で全然良かった…?」

……と、いうことを、これを書きつつ 調べて、今 知った


(※1) 元ネタは最高級バナナの産地アポ山です。なんか、ゴメンなさい。

(※2) 日本にバナナが入って来たのは、実際は明治時代のようです。創作なので、許して下さい。




ロイン 「さぁ!モブの敵も出てきたし…」
メイジ 「誰がモブじゃっ!!」
ロイン 「今日も頑張って戦おう!」
ブリスケット 「負けやせんぜっ!」


メイジ 「ぎゃあああぁぁっ!!」
三洲次 「モブそのものじゃん…」
ブリスケット 「どうっすか?
 手始めとしては、なかなかのダメージでやしょ?」
ロイン 「うむ!」
バナナのために、
 てめぇは死ねえええぇぇ!!!
シーフ えっ?!!


シーフ なんか不条理だああぁぁっ!!
   
ブリスケット え?! えっ?!
ランプ 「さ、さっき最大で36ダメージ、とか言ってませんでしたっけ?!」
ロース 「また、倍打で倒したのね……」
ランプ 「倍打って、武器と敵のタイプが一致しないとダメなはずなのに……」
三洲次 「え? お前?
 なんでそんな簡単に倍打を出せるの?」
「あたいが本気になったら、こんなもんだ…って、前に言っただろ?」
三洲次 「ええぇぇ………」
ブリスケット 「なぁ……、三洲次っち?」
三洲次 「え?」
ブリスケット 「あんなん…、誰も勝てねぇっすよ……」
三洲次 「いきなり白旗かよ……」

(※3) 解説はこちら




キラーウルフ 「ゴァルルルッッ!!」
ロース 「きゃああぁっ!!」


キラーウルフ 「ガォルルルッッ!!」
(ひょいっ!)
キラーウルフ 「ガ??」




シーフ 「きえええぇぇっっ!!」
ブリスケット 「ほぉごおっ!!」


シーフ 「きゃぃあああっっ!!」
(ささっ!!)
シーフ 「へ??」
   
ランプ 「いつもの桃が戻ってきましたね」
ロイン 「食い物の力って、すごいな…」




三洲次 「えぇと……」
ロイン 「あとは、三洲次の調子が戻ってくれば、いつも通りだな」
ランプ 「前回、ガス爆弾で全員 毒になったのは、ヒドかったですね…」
三洲次 「もう大丈夫ですよ。
 よし! 罠は『石弓の矢』だ!!」


三洲次 「………………」
ロイン 「もうしばらく、かかりそうだな……」

この頃になると、桃の調子が戻って来た感じである。
与えるダメージも大きくなり、奇襲での回避も多くなってきた。

一方、三洲次も、上みたいなことはあるものの、こちらも復調傾向である。

そして、三洲次の復調に合わせて、新しいアイテムを続々とゲットし始めた。


………………


………


(※3)桃の倍打攻撃について、調べてみました。その結果、倍打のバグの影響で、桃自身のレベルの値が倍打判定に使われ、そこでAND関係が成り立ち、倍打となったようです。

  桃のレベル  0000011
  敵のタイプ  0000000
             ↑ここが一致

こう考えると、直近だとレベル15=「00001111」の時は、倍打しまくりそうだな....。
レベル255=「11111111」の時なんて....、そこまで上げれば、通常ダメージで十分か....。


まず......、


.... レベル5メイジたちを倒したら......、




.... 宝箱からアイテムが3個も出てきて......、


.... 初の「豪華な皮鎧」をゲット!!


これは、ただの「皮の鎧」だったランプに装備させた。

また....、


.... 別のレベル5メイジから......、


....今度は「固い皮鎧」をゲット!

レベル5メイジたちの間で、皮鎧を集めるのが流行ってるのか?

ともかく、こちらもただの「皮の鎧」だった三洲次に装備させた。

いや、今思うと、防御力は「豪華な皮鎧」>「固い皮鎧」なので、装備先は逆の方が良かったな。
だって......、


.... 三洲次(盗賊)とランプ(司教)のAC(≒防御力、低いほど良い)が、あきらかにだし....。

でも、ファミコン版はバグでACが機能していないので、この時は全然気にも留めていなかった

さらには......、


.... レベル4シーフどもから......、




.... 今回2回目のアイテム3個入り!!


そして、初の「極上の鎧」をゲット!!


現在、ブリスケットより桃の方がACが悪いので、これは桃に装備をさせてみた。

この他にも、2個目の「銅の籠手」、「最強の短剣」、「ますらおの鎧」、「エルフの鎖帷子」などもゲット。
ただ、これらはもう持っているので、どれもボルタックに売り飛ばしたけど。


なかなか良い調子である。


いや、調子の良いことばかりでもなかったか。

ランプ 「新しい装備を身に着けると、改めて頑張ろう、って気になりますね」
三洲次 「なんで前衛の補欠の俺より、ランプの方がいい防具なんだ?」
ランプ 「ゴテゴテした豪華な装備より、堅実に固い防具の方が、接近戦には向いてますよ」
三洲次 「お前…、豪華なものが好きなだけだろ?」
「!? …何か大勢 来るぜっ!」
ロイン 「えっ?!」



ガスドラゴン 「ゴアアァァァッッ!!」
ブリスケット 「ぬほおおぉぉっ!!」
三洲次 「先制ブレスだぁっ!!」


ドラゴンフライ 「コォオオォォッッ!!」
ランプ 「ひいいぃぃっ!!」
ロイン 「くそぉっ!!」
   
プリーステスA 「今だぁあっ!やっちめえぇぇ!!」
「…!!


プリスーテスB 「きいやああぁあぁっ!!」
(さっ!!)
プリーステスB 「っ?!」
プリーステスC 「いぃああぁぁぁっっ!!」


(ささっ!!)
プリーステスC 「えっ??
 なにっ?! こいつ!?」


プリーステスD 「ふぉがああぁぁっっ!!」
ブリスケット 「いででで(笑」
   
三洲次 「女に噛まれて、また喜んでますよ?」
ロース 「ドMの上に変態よね……」
   
ブリスケット 「あ! 腕が勝手に前に(棒
 また噛まれそうでやすう(棒
 ほらほら!」


ガスドラゴン 「ガブウウゥゥッッ!!!」
ブリスケット 「だだだぁだだあだだあぁっ!!」
   
三洲次 「…………………」
ロース 「ただのバカね……」


ブリスケット 「ふぉごおおっ!!」
ロイン 「………………」

………


ブリスケット 「ぃでででで………」
ロース 「あんた、バカぁ?」

ブリスケットが集中攻撃を受けて、危うく死にそうになった。
あぶない、あぶない。

ロイン 「さぁ!ここから反撃だ!!」
ブリスケット 「よ…よし!」


ブリスケット 「え………?」
三洲次 「なんか、前にもあったな……」


「ほいよ」
ブリスケット 「………………」


ロイン 「やれやれ……」



三洲次 「活躍度は、もう桃の圧勝ですかね?」
ロイン 「誰の目にも、明らかだろ」
ランプ 「ところで、その高級なバナナを買うメドはあるのですか?」
三洲次 「いやぁ~、まさかすぐに桃の調子が戻るなんて思わなくて……。
 どうしようかなぁ…って、思ってて…」
ランプ 「え?! アテは無いんですかっ?!」
「!? …何か また来たぜっ!」
ロイン 「へ?!」



ロース 「きゃああぁっっ!!」


ロース 「いやああぁぁっっ!!」


ロースが集中攻撃を受けて、危うく死にそうになった。
あぶない、あぶない。

三洲次 「ロースが麻痺です!」
ロイン 、ロースを引き戻して、最後尾へ!!」
(ズルズルズル……)
ランプ 「私がディアルコ(麻痺治癒の魔法)を覚えた意義が、やっと出てきましたね」
ロイン 「よし、三洲次!
 代わりに行ってこい!!」
三洲次 え?!
ロイン 「最大30ダメージまで与えらるれんだから、十分活躍できるだろ?」
三洲次 「えぇぇ!?」


三洲次 「うりゃああぁっっ!!」
ブリスケット 「お?一撃で倒しやしたぜ!」
ロイン 「やるじゃないか」

せっかくの登場機会なんだから、攻撃を外すとか、メチャクチャ弱いとか、ネタを提供してくれよ!!
すげぇ普通じゃん!!
なかなか良いダメージ量だ。


「最強の短剣」を手にした盗賊なら、戦士に匹敵する活躍ができるんだな。

三洲次(盗賊)を前衛にしておけば良かったなぁ......今さら、だけど。



さて、かなりの戦闘をこなしたので、ここで侍の2人がレベルアップ!!



ブリスケットは、本戦記でH.P. 100の大台達成っ!!
やったぜ!!

昔からH.P.の伸びの良さには定評があったが、さすがである!


一方、能力のパーフェクトが現実味を帯びてきた桃は....、


....痛いことに、重要な「素早さ」が落ちてしまった

とは言え、桃の能力値は、もう18と17だけなので、
あと1回のレベルアップで、うまくいけばパーフェクト達成も夢ではない!!


──── ギルガメッシュの酒場 夕刻…

「バナナ」
三洲次 「あ!
 えぇと…すごいな!桃!」
「バナナ…」
三洲次 「次で、もしかしたらパーフェクトかもな!!」
バナナ!
三洲次 「いやぁ、次のレベルアップが楽しみだねぇ」
バナナっ!!
三洲次 「ひいいっ!!」 
ロース 「買ってあげなさいよ。
 約束でしょ?」
三洲次 「えぇと…、どこに行けば買えるかなぁ…」
ロース 「え?!
 見込みも無いのに、喋ってたの?!」
ロイン 「アテも無いのに約束するなよ…」
「OKッ!!
 三洲次の丸焼きでガマンしてやるっ!!」
三洲次 「うわあああぁぁっっ!!
 ラ…ランプっ!!
 お前、いろんな商人とコネがあったよねっ?!
 なんとかしてええぇぇっ??!」
ランプ 「しょうがないですねぇ……当たってみますか……」
三洲次 「恩にき…グフッ!!
さぁ、調理場に行くぞっ!!!
三洲次 いやああぁぁぁっっ!!
 助けてえええぇぇっっ!!
ロイン 「………………」



ガンバレ....、三洲次.....。


「28.*誰でも間違いはしますよ*」 へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 12 67 16 18 11 18 16 15 0 最近はマカニトよりラハリトの使用回数が多い。
三洲次 13 49 17 16 9 13 18 16 3 こんなだが、実は「調べる」での暴発は未だ0回。
12 94 18 18 18 18 17 17 0 パーフェクトまであと少し!次に期待してるぞ!
ロース 12 75 16 17 18 18 18 13 2 マディは4回までだが、十分大助かりである。
ランプ 12 45 14 18 18 13 17 9 3 最近はロインのラハリト後のダメ押しのマハリト役。
ブリスケット 12 100 17 17 15 18 18 12 1 とうとうH.P.が3桁の100に到達!さすがだぜ!

 


【更新履歴】
2021年 8月 7日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年 6月16日:一部文章を推敲。
2019年 6月 9日:次ページへのリンクを設定。
2019年 6月 3日:新規公開。