32.お前の名は?

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



──── ギルガメッシュの酒場 早朝

ロイン 「食事をしながらでいいから、
 本日の計画を聞いてもらいたい……
   
三洲次 「もぐもぐもぐ………」
「…………………」
三洲次 「もぐもぐ……、何やってんだ、
 食わないのか?」
「ん~……………」
三洲次 「なんだよ、それ?
 ミルクにバナナをひたして……?」
「朝からダルくてぇ……、バナナを食うのも面倒くせぇから……、
 ミルクにひたして、柔らかくしてるぅ……」
三洲次 「どんだけ無精だよ……。
 その内、息をするのも面倒でいやだ、とか言いださないだろうな……」
「ん~……………」
   
ロイン  ……と、言う訳で、
 本日は、昨日行った玄室の、さらに先を目指すぞ!
 では、出発だ!!」
「ふえっ?! まだ一口も食ってねぇ!?」
ランプ 「行きますよ」
「はぐはぐはぐはぐはぐ……うぐっ!!
 う、う、うっ!!(どんどんどん!)」
ロース 「なにやってるのよ……」
三洲次 「無精するからだ……」



引き続き、地下9階のマッピングを続けます。


プライベートエレベーター前の敵は、今回も友好的だったので、そのまま通過。

そして、地下9階へ降り、最初の玄室へ。



トロールなんて、ブン殴ってれば勝てるから、詳細省略!!


次の扉へ。


ゴーゴン 「ブルルル……ッ!」
ブリスケット 「お!新しいモンスターのご登場ですぜ!」
ランプ 「ゴーゴン…、ブレスを吐いてくる魔物ですね」
ロイン 「キメラもブレスを吐いてくるのでは?」
三洲次 「ブレスコンビですか…」

ブレスを吐く敵ばかりなので、戦い方を間違えると、チーム全体に被害が及んでしまう。
慎重にいかないと。


作戦は、まず数が多いキメラを、最近素早くなったブリスケットにカティノ(魔物を眠らせる魔法)で眠らさせよう。
そして、ロインのマダルト(グループ攻撃の強力な凍結魔法)で仕留める。

ゴーゴンも、マニフォ(敵を麻痺させる魔法)カティノで固めて、足止めしておくか。


いざ!

ブリスケット 「カティノ!!」

おぉ! ブリスケットは、マジで最近素早いな!!



ブリスケット 「ええぇ………」
三洲次 「全然ダメじゃん……」
ロース 「素早いのはいいけど、これじゃぁねぇ……」
「カティノ!!」


ブリスケット 「………………」
三洲次 「なんか、このパターンばかりだな…」



その後、キメラはマダルトで全滅
ゴーゴンにも、ダメージを与えた。


2ターン目

ロース 「ゴーゴンは寝たままね」
ロイン 「これなら、もう一撃だろ」
ブリスケット 「へい! 任せて下せぇ!
 てやああぁぁっっ!!」


ブリスケット 「ええぇ………」
三洲次 「寝てる相手ぐらい、一発で仕留めろよ…」
ロース 「素早いのはいいけど、これじゃぁねぇ……」
死ねえええぇぇ!!!


ブリスケット 「………………」
三洲次 「なんか、このパターンばかりだな…」


宝箱は問題無く開き、中から「?つえ」と「?かぶと」が出てきた。


ランプ 「お、『忍耐の兜』が入っていましたよ」
三洲次 「これで2個目ですね」
ロイン 「よし、こちらは桃に装備してもらおう」


これで、侍の装備は完全に揃ったな。



奥へと進み、玄室が連なるエリアへ。
そして、最初の玄室に入ります。


トロールなんて、ブン殴ってれば勝てるか(略

次の玄室へ。


??? 「フハハハ!獲物が来たぜぇ!!」
??? 「おー!カモだ!カモだ!!」
ロイン 「ん?なんだ?」


ブリスケット 「また、新しい敵ですな…」
シーフA 「おい!カモども!」
シーフB 「有り金を全部置いてきなっ!!」
ロイン 「誰がカモだ、失礼な」
シーフC 「カモは、カモだ!!」
シーフD 「グワッ!グワッ!!」
ロイン 「バカにしやがって……。
 おい!
 自己紹介してやるから、名前を覚えておけ。
 我々の名前は……
シーフE 「墓石に刻んでおきな!」
ロイン 「名乗ってる最中に失礼な……。
 そもそも、お前らこそ何者なんだ?」
シーフA 「なんだぁ?
 オレたちの名前を知りたい、ってか?」
シーフB 「へ!
 冥土の土産に覚えておきな!
 俺たちは レブルッ!…か、噛んだっ…!
 レベル7シーフだ!」
ロイン 「『レブル』7シーフの集団か」
シーフC 「レー・ベー・ルーっ!!
 ちょっと噛んだだけだろっ!!」
ロース 「分かったわ、レブル7シーフさんたち」
シーフD 「許さねぇ!!!
 ぶっ殺っブュギアァャッ!!


ゴチャゴチャうっせぇんだよっ!!!
シーフE 「な! こいつっ?!」
ランプ 「カティノっ!!」


ランプ 「後は、お任せします」
ロイン 「うむ、見事だ」


とりあえず、こいつらも殴り続けて、ノーダメージで勝利。



宝箱の中からは「災いのメイス」と「錆びた鎖帷子」。

錆びたものなんて、後生大事に宝箱に入れておくなよ....。


とりあえず、次の玄室。



メイジ 「がぶうぅぅっっ!!」
ロース 「いやあああぁぁっ!!
 変態ぃぃぃっ!!」


女の敵いぃぃっっ!!!
メイジ 「ふぉごおぉうっッ!!!!」」
三洲次 「あ…、一撃…」



ランプ 「『炎』の巻物ですね」
ロイン 「噛みついてないで、それで攻撃すりゃ良かったのに…」

次の玄室へ。


トロールなんて、ブン(略



宝箱から2個目の「豪華な皮鎧」が出てきたので、こちらは三洲次に装備させました。



ここまでは特にトラブルも無く、順調と言えます。


では、ここから、いよいよ新しい場所へと進みます......。




バンッ!    ← 扉を蹴破った音



??? 「来たっ!!懸賞金だっ!!」
??? 「殺っちめええぇぇ!!!」
ロイン 「!?」


ブリスケット 「ぐほっ!!」


ロース 「きゃああぁっ!!」


(※)豆知識。この敵は、名前と違って内部パラメータは「レベル7」です。

ブリスケット 「いちち……。
 なんすか、こいつら?」
プリーストA 「ちっ!
 1人も死ねぇのかよ!!」
三洲次 「なんか、懸賞金とか叫んでなかった?」
ロイン 「懸賞金?」
プリーストB 「おぉよ!!」
プリーストC 「てめぇらの首にはなぁ、懸賞金がかけられてんだよ!!」
ロイン なにっ?!
ロース 「なによ、それ!?」
プリーストD 「上級魔術師協会ってぇところがなぁ、
 てめぇらの首を持ってきたら、賞金を出すって言ってんだ!!」
ロイン 「なんだと…!」
三洲次 「うわぁ…、面倒くさいことに……」
ランプ 「そもそも、あの協会って、まだ消滅していなかったんですね…」
ブリスケット 「会長は倒したはずですぜ?」
ロイン 「後釜が居たんだろうな…」
プリーストE 「くくく、お前らがローラーレンジャーズって奴らだろ?
 おとなしく、オレたちに殺られなっ!!」
ロイン 「そういうお前らは、誰なんだよ?」
プリーストA 「フフフ、オレたちの名前を知りたいか?」
プリーストB 「なら、教えてやろう」
プリーストC 「オレたちはなぁ、レベルな…
プリーストD (待て!)
プリーストC (なんだよ?)
プリーストD (手配書に、こいつらマカニト(レベル7以下の敵を殺す魔法)が使える、ってあったぜ)
プリーストC (え?マジかよ…)
プリーストD (オレたちレベル7だから、正直に言うと、一発で殺されるぞ…)
プリーストC 「えぇと……レベルプリーストだっ!!」
三洲次 「今、サバ 読まなかった?」
プリーストD 「うるせえ!!
 オレたちが8と言ったら、8なんだよ!!!」
ロイン 「ふ~~ん……なるほど。
 とりあえず、マカニトでも唱えてみるかなあ(棒」
プリーストE 「へ?」
プリーストA 「いや……、ほら……オレたちレベル8だよぉ?」
プリーストB 「だから…、その…、マカニトは無駄打ちになりますよぉ?」
プリーストC 「よぉ~?」
ロイン 「俺が1ターン無駄に過ごしてやる、って言ってんだ。
 喜べよ」
プリーストD 「いや!本当にレベル8だからさ!!」 
プリーストE 「信じて! ね!ね! お願いっ!!」
ロイン 「うるさいっ!!
 マカニトッ!!!!」


プリースト達 「「「御無体なああぁぁっっ!!」」」

ロイン 「アホか…」
ランプ 「なんでサバなんて読んだんでしょうね…?」
ロース 「この階の敵って、なんか変な名前の奴が多いわね…」
ランプ 「お! こいつら、宝箱を持ってましたよ。」
三洲次 「じゃ、開けますね」


ランプ 「おぉ! 『けん』が2つも入っていましたよ」
ロイン 「よし、鑑定を頼む」
三洲次 「久しぶりに、新しい武器が期待できそうですね」


ランプ 「2つとも短剣でした」
ロイン 「あいつら、短剣を集めるのが趣味だったのかな?」
三洲次 「どっちも、もう持ってますね。残念」


ブリスケット 「お? 連続した小部屋が終わり、広いところに出やしたぜ」
ロイン 「すぐ近くに扉と…」
ランプ 「その扉の脇に、奥まで続く通路がありますね」
ロイン 「とりあえず、目の前にある扉に入ってみるか」


扉の中は、ただの1マスの小部屋でした。

部屋を出て、今入った扉の横を覗くと....、


奥の方に扉が見える。


奥に見えた扉に入ると....、


ブリスケット 「ここも広いっすね」
ロイン 「まっすぐに前へ伸びる通路と、左側は…」


ロイン 「…扉が1つ、か」
ランプ 「どうします?」
ロイン 「まずは、前へ伸びてる通路を進んでみるか」


が、まっすぐに伸びる通路の先は、行き止まりだった。


ロイン 「さっき見えたこの扉に入るしかないな」
ブリスケット 「じゃ、蹴破りやすぜ」


ブリスケット 「また扉っす」
ロイン 「まぁ、進むしかないだろ」


ブリスケット 「通路が伸びてやすぜ」
ロイン 「まぁ、進むしかないだろ」


ブリスケット 「ひたすら一本道っす」
ロイン 「まぁ、…
ロース 「進むしかないわね」
ロイン 「……………」
ランプ 「敵が全然出てこなくなりましたね」
「ふぁ~……、つまんねぇ……」
三洲次 「油断してるぞ、またやられるぞ」


ブリスケット 「ここで行き止まりでっせ」
ロイン 「まぁ、入るしかないだろう」
ブリスケット 「じゃ! (バンッ!)」



??? 「懸賞金が来たぞっ!!!」
??? 「殺せええぇぇっ!!」
ロイン 「なに?!」


「ぎぃ!!」
三洲次 「ほら、言わんこっちゃない」
てめえええぇっっ!!!
 ざけんなあああぁぁっっ!!!


ファイターA 「いぃごおおおぉぉっっ!!!」
三洲次 「あ…、一撃…」


ファイターB 「しょぎいいいぃぃっっ!!!」
ファイターC 「ちぇすうううぅぅっっ!!!」
三洲次 「あっけない…」
ロイン 「おっと、名前を聞くのを忘れたな」
ブリスケット 「名無しの戦士ってぇのも、カッコイイっすよ」
ランプ 「なに言っているんですか。
 思いっきり『レベル8ファイター』だったじゃないですか」
三洲次 「お!宝箱が出てきましたよ」


三洲次 「ほい!罠の解除、成功っ!」
ロイン 「なんか下の階の方が、罠の解除が安定してないか?」
ロース 「ふつう逆じゃないかしら…?」
ランプ 「中身は…『?けん』ですか」


ランプ 「『切り裂きの剣』でした」
三洲次 「もう見飽きましたね、この剣」
ロース 「最初に手に入れた頃、小躍りして喜んでいたのが懐かしいわね……」


三洲次 「ありゃ?」
ロイン 「どうした?」
三洲次 「作ってきたマップを見ると、
 ここ、エレベーター前の玄室ですよ」
ロイン 「え? じゃぁ…」
三洲次 「エレベーターから出発したから、グルッと一周して戻って来た、ってことです」
ロイン 「つまり…」


三洲次 「これで、地下9階のマップの完成です」
ロイン 「なんか、あっさり終わったな…」
ロース 「酒場で聞いてた話しでも、地下9階は簡単な構造って言ってたから、
 こんなものじゃないの?」
ロイン 「そうか。
 じゃ、これで一区切りついたし、今日は帰るか」
三洲次 「特に盛り上がりも、オチもなく終わりましたね…」
ランプ 「マッピングに、オチって必要ですか?」


ロイン ここの真上は、1マス南(下)へズレるだけで、迷宮の出入り口の脇だな。
 通路に出るけど、いいか?」
三洲次 「出口まで一気に飛んで下さいよ…」
ロイン 「この方が指定が楽だから、いいだろ?」
ランプ 「まぁ、お任せします」

マロールっ!!


ビュゥゥン……ビュゥゥン……


………………


…………


……





ロイン 「……………………」
ランプ 「…………真っ暗なんですけど?」
ロース 「どこよ? ここ?」
ロイン 「西にも1マスずらす必要あったかも………、てへ!」
ロース 「なにやってんのよ……」
三洲次 「無精するからだ……」

 

とりあえず、現在の状況です。

名前 LV H.P. コメント
ロイン 13 77 17 18 12 18 17 15 0 マカニトが効く敵が多く、結構活躍してるかも。
三洲次 13 49 17 16 9 13 18 16 3 なんか開錠成功が多いんだけど…?
12 94 18 18 18 18 17 17 0 直接攻撃で頼りになるのは彼女だけだな…。
ロース 13 104 17 18 18 18 18 14 2 マリクトに頼るケースって、意外と少ない。
ランプ 13 46 14 18 18 14 16 10 3 今のところブレスの洗礼も無く、なんとか大丈夫。
ブリスケット 12 100 17 17 15 18 18 12 2 素早い。マジで最近、最速で動くようになった。



──── 地下10階 上級魔術師協会 本部

アーチメイジ 「ローラーレンジャーズを倒したという報告は、まだかの?」
ハイウィザード 「申し訳ありません。
 ただ、ご安心を。
 懸賞金のお布令も、やっと広く伝わりはじめました。
 今では、奴らを倒そうと名乗り出る者が、続々と来ております」
アーチメイジ 「では?」
ハイウィザード 「いまや地下9階には、奴らを殺そうと身を潜め、不意打ち・奇襲を狙っている者が大勢おります。
 もちろん、ブレスを吐く魔物を連れた者もたくさん……」
アーチメイジ 「それは実に心強い!」
ハイウィザード 「『ローラーレンジャーズ全滅』の報告を、楽しみにお待ち下さい」
アーチメイジ 「うむ!」

 

「33.ブレス!ブレス!ブレス!」へ


【更新履歴】
2021年 7月31日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年 8月18日:全体的に文章と台詞を推敲。
2019年 7月14日:次ページへのリンクを設定。
2019年 7月 8日:新規公開。