63.?ぶき

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



──── 地下10階 某所....

そこには、かつての仲間をローラーレンジャーズに殺されて、
復讐に燃える集団が居た......。

??? 「傷つけられたら牙をむけ!!」
??? 「「…………………………」」
??? 「自分を失くさぬために!!」
??? 「「…………………………」」
??? 「今から一緒に、これから一緒に、
 殴りに行こうかっ!!!」
??? 「「YAH!YAH!YAH!!」」

…………


……………………


………………………………


場面は変わり、前回マイルフィック戦を終えたローラーレンジャーズは、
第二玄室まで歩を進めていた......。


──── 地下10階 第二玄室


ブリスケット 「第二玄室まで来やしたぜ」
ロイン 「では、こちらでもレアなアイテムを持ってる、という魔物を狙っていこう」
ロース 「ねぇ、ロイン?」
ロイン 「ん?」
ロース 「本当にこのやり方を続けるの?」 
ロイン 「ダメか?」
ロース 「このやり方、効率的に良いアイテムを入手できるか、疑問だわ。
 前回のアイテム、覚えてる?」
ロイン 「『腐った皮鎧』だったな!」
三洲次 「胸張って言うなよ」
ロース 「そう、『腐った皮鎧』よ。
 それと『早業の短刀』もね。
 どっちも何度も手にしてるものだったわ。
 玄室の出入りで奇襲されるリスクが高くなるだけで、
 別に良い結果が出るとは限らわないわ」
ブリスケット 「危険なだけ、って訳っすね。
 まぁ、あっしもそう思いやすぜ?」
ロイン 「どうせ奇襲は 喰らう時は喰らうから、
 そこのリスクは気にしなくていいと思う」
ランプ 「その通りです!
 それよりも、良いアイテムを持たない魔物と戦う方が、
 チャンスを100%逃してるデメリットがあります!」
ロース 「本当に大丈夫かしら……?」
ロイン 「とりあえず、入ろう」


ギイイィィ......ッ



ハイプリースト 「HANG IN THERE!」」
レイバーロード 「病まない心で!!」
ジャイアント達 「「HANG IN THERE!」」」
レイバーロード 「消えない心で!!」
   
ブリスケット 「また、この狂人っすか……」
ロース 「頭おかしいから、関わりたくないのよねぇ……」
ロイン 「まぁ、こいつらは良いアイテムを持ってるらしいから、
 さっそく戦うことにしよう!」
ランプ 「えぇ! そうしましょう!!
 どんなアイテムを持っているのか、今から楽しみです!!」
   
レイバーロード 「必ず手に入れたいものは、
 誰にも知られたくはない!」
   
ロイン 「なら、力づくで知るまでだ!!」


ロイン 「よし、いく……
   
レイバーロード 「今から一緒にっ!!」
ハイプリースト 「これから一緒にっ!!」
敵たち 「「殴りに行こうかっ!!」」
   
ロイン 「いや……もう来てるよね……?」
   
敵たち 「「YAH~!YAH!YAH~~!YAH!
  YAH!YAH!YAH~~~!!」」
レイバーロード (パタパタパタ……)
   
ロース 「なんでレイバーロードのマントが はためいてるのよ…?」
ブリスケット 「どっから風が吹いてんすか……?」
   
レイバーロード 「胸にしまった拳をツンと伸ばして!」
ハイプリースト 「強くぅ!強くっ!」
敵たち 「「AH!AH!AH!!」」
   
ロース 「もう、うるさいから黙ってて!!」
ランプ 「モンティノっっ!!」


ロース 「うそ?!
 私のモンティノの呪文が効かない!」
   
レイバーロード 「信じる言葉はないかい」
   
ロース 「……どういう意味よ………」



ランプ 「ハイプリーストの方は、黙らせました!!」
ロイン 「よし!」
   
ハイプリースト (フォオ~! フォ!フォオ~~?!)
レイバーロード 「言葉を失くしてないかい?!」
   
三洲次 「……なぜ、いちいち詩的な表現になる………」
ブリスケット 「ハイプリーストの野郎は、大したことなさそうっすね。
 あっしに任せてくだせぇ!!」


ブリスケット 「ちっ! 傷付けた程度っすか…!」
   
ハイプリースト (ふぉお!)
レイバーロード 「後に残る傷跡は、
 無理には隠せはしない!!」
   
ブリスケット 「なして隠そうとするっすか……」
あの訳の分かんねぇ野郎は
 もう片付けるっっっ!!!


レイバーロード 「丸い刃はなお痛い!!」
   
ロース 「どうして普通に『痛い』って言えないのよ……?」
   
ロイン 「しかし、今回もフルヒットしたが……」
ランプ 「一撃で倒れないとはっ!!」
   
レイバーロード 「今からそいつを、これからそいつを、
 殴りに行こうかっ!!」
   
やり返す気かぁ?!(サッ! 」←盾を前に


「ふぉごっ!」
三洲次 「……呪文じゃねぇか………」
ロース 「支離滅裂ね……」
ロイン 「ある意味、フェイント……」



2ターン目

あ、ロインのマダルトは、ファイアージャイアントを
1匹も倒せなかったので、詳細割愛。

レイバーロード わずかな力が沈まぬ限り!!」
ハイプリースト 「涙はいつも振り切れる!!」

ブリスケット 「今度こそ、あのハイプリーストに
 トドメを刺してやるっす!!」


ハイプリースト YAAAAAHH!!!
レイバーロード 「生きてることは、哀しいかい?!!」
   
三洲次 「お前と出会ったことが 哀しいわ」
   
レイバーロード いっそ激しく切ればいいっっ!!
   
望み通り、切ってやろうじゃねぇかあああぁぁっっ!!!


レイバーロード YAH!!YAH!!YAAAAHH!!!
   
ブリスケット 「やっとすか……」
ロース 「さすがAC10だけあって、
 攻撃が毎回フルヒットするわね……」
ロイン 「さて、これで残るはファイアージャイアントだけだな」


残ったファイアージャイアントは、マダルト2発目
ブリスケットの攻撃で倒す。

あ、ブリスケットがファイアージャイアントからフルボッコにされてますが、
いつもの事なので、詳細割愛。

とりあえず、以上で勝利
そして......

ランプ 「お待ちかねの
 お宝タアアアァァーーイムッ!!


三洲次 「えぇと……罠は『警報』ですね」
ロイン 「よし、開けてくれ」
三洲次 「せっかくだから、この前の検証をもう1度します?」
ロイン 「レイバーロードは良いアイテムを持ってるらしいから、
 もうこのまま開けて、宝をもらってしまおう」
三洲次 「了解。では……」


三洲次 「開きました」
ロイン 「ご苦労」
ロース 「あら? 『よろい』が入ってるわ」
ランプ 「おぉぉーーっ!!
 これは未だ出てない『希望の胸当て』か?!!
 それとも、今度こそ2個目の『聖なる鎧』かああぁぁっ?!!
ブリスケット 「強い敵だからって、良いアイテムが出るとは限らねぇっすよ?」
三洲次 「まぁ、でも、少しは期待しちゃいますよね。
 さすがに、また『腐った皮鎧』なんてことは……


三洲次 「…あるんだ」
ランプ 「ええぇぇええぇ………」
ブリスケット 「そりゃ 知られたくねぇっすよ……」
   
ロース 「ねぇ、ロイン?」
ロイン 「ん?」
ロース 「このやり方、本当に効率いいの?」
ロイン 「いい………はず……?」
ブリスケット 「なして疑問形っすか?」

レアなアイテムはそう簡単には出ないとは言え、
しばらく前にアイテムラッシュがあったことを考えると、
狙ってこの結果ではなぁ......。


これじゃぁ、ハイリスク・ローリターンだよ......。



…………


……………………


………………………………


──── 地上 ボルタック商店


店員(女) 「あら? 社長さんじゃない!
 聞いたわよ!
 レアなアイテムを持ってる敵だけを狙って、戦ってるんでしょ?
 どう? 何取ってきたの?!」
ランプ 「これと………」
店員(女) 「また『早業の短刀』なのっ?!」
ランプ 「これ…………」
店員(女) 「『腐った皮鎧』……、それも2個………」
ランプ 「…………………………」
店員(女) 「間違った敵と戦ってたりしない?」
ランプ 「…………ぐすん…………」
店員(女) 「別に……泣かなくても……」

 



とりあえず、もう1回レイアアイテムを出す敵だけを狙って、周ってみます。
今回はもう少しマシなアイテムが出ることを祈って......。


──── 地下10階 第一玄室


パス1っ!


いや、数増やして戻ってきてもパスだから...。



パス2っ!!


だから増えてもダメだって言ってんだろっ!!
パスっ!!!

その後も....



....ひたすら出入りするが、
ロクな敵が出てこねぇ........。

無駄に時間だけが過ぎ去っていく....。

そして、こんなことをしていれば、当然......、


....敵の奇襲も受けるよね........。



やれやれ......。



....で、誰が来たの?

 

 



うそおおおぉぉぉっ??!

ポイゾンジャイアントの奇襲っっっ!!!

しかも4匹もいるしぃぃっっっ!!!!



40ダメージ × 4匹160ダメージ....?



..........え?



これ.......、全滅コース..........?




いやああああああぁぁぁぁっっ!!!!




ロース 「きゃああああぁぁっっ!!!」
三洲次 「よ、4匹ってぇえっ!!」
ランプ 「ええぇぇええっっ!!!」


ランプ 「ふぅおおおぉぉおっっ!!!」


2匹目は........?




ブリスケット 「ぐほぉおおおぉぉおおっっ!!」
三洲次 「やばいよ!やばいよ!やばいよ!」


ランプ ぎゃあああぁぁぁっっ!!!

当然のごとく、H.P.の低い
司教のランプが死亡っ!!!



さ....、3匹目は........?




三洲次 「うわぁあっ! あっ、あぶねぇっ!!」


4匹目!?




「くっ!(サッ!)」


あ......あぶねぇぇぇ......。


ブレスを吐いてきたのが2匹で、
た....助かったあぁぁぁ........。


ロイン 「だ…、大丈夫かっ?!」
三洲次 「ランプが、また死にました!!」
ロイン 「…くそっ!!」
ブリスケット 「ま、まぁ…なんとか奇襲を耐えしの…


ブリスケット ぐはっ!!
三洲次 「油断大敵………」
ロイン 「そういや、そんな奴もいるな………」


いや......、マジで胃が縮まったよ.....。
あぶねぇ......。

やっぱり、このやり方....リスク高いよ.....。




緊張の2ターン目! ! !



....は、早速ロインのマカニトが炸裂し、
なんとかこれ以上の被害は防ぐ



残ったウィルオーウィスプも倒し、
なんとか勝利....。

ロース 「ちょっと!! ロイン!!!
 このやり方、やっぱり危険なだけだわっ!!!」
ブリスケット 「普通に戦って経験値を稼ぐやり方に、もう戻しましょうや……。
 こんなん続けてやすと、いずれ全滅しかねねぇっすよ………」
ロイン 「いや、でも、こういう苦難を乗り越えた時こそ、
 きっと素晴らしいアイテムが手に入るはず!!
 ほら!! この……


ロイン 「…………巻物……………」
ロース (ギロッ!)
ロイン 「…………え~と……………」
ロース 「それのどこが、
 素・晴・ら・し・い・の?!
ロイン 「あ~~………、まぁ…………。
 あ! ほら!ほら!
 もう1個入ってるぞ!!」
ロース 「へ~……これのことかしら?
 これのどこが素晴らしいのかしら?!」
ロイン 「……………………」
ロース 「何よ?これ?
 剣でもない、短刀でもない、杖でもない、この武器は?」
   
   
三洲次 「……………………え?
   
   
ロイン 「いま…………何て………言った………?」
   
   
ロース 「はぁ?!
 だからぁ、この剣でも、短刀でも、杖でもない『ぶき』って…」



ロイン 『ぶき』?!
ロース 「え?」
ブリスケット おおおぉぉぉっ!!
 もう3種の神器の1つなのは、確実じゃねぇっすかっ!!!
ロース 「え?……え?!」
ロイン おい!!
 ランプっ!!!
 起きろっ!!!!
 今すぐ鑑定だっ!!!
 まさに……まさにこの瞬間のために
 お前はこれまで生きてきたんだろっっ! ! !
三洲次 「さっき死にました」


ロイン 「くそっ…!
 こういう大事な時にっ!!
 おい!
 大至急、城に戻るぞっ!!!
ロース 「ちょっと……え?
 なに?……どうしたのよ?!」

ワープで一気にに戻り、
すぐさまカント寺院に飛び込む!!!!


そして、ランプを蘇生!!!!!




一発で蘇生!!!

ロイン 「おい!ランプ、鑑定だっ!!」
ランプ 「………う………む………ん~………、なんです?
 ここは………カント寺院………?
 あぁ……、私は……また………」
ロイン 「おい!鑑定だっ!!」
ランプ 「う~ん………、なんですか……?
 せめて『生き返れて良かったな』ってぐらい、言ってくれても……」
ロイン 「おっと、そうだな!
 生き返って良かったな!
 さ、鑑定だっ!!」
ランプ 「全然心がこもってないですよ……。
 で……、何です?
 鑑定するのはどれですか?
 あぁ……、これですか…………。
 これ……」


ランプ えええええええぇぇぇぇぇ!!?


ランプ これはああぁぁぁぁっっっ!!!






ランプ 『村正』ですっっっ!!!!


「村正」来たーーーーーっっ!!!


そのあまりの強力さから、多くのWizプレイヤーが手に入れようとする
ウィザードリィ#1の3種の神器の1つにして、
最強の武器!!!!

強さでは、1つ前に位置するカシナートの剣悪のサーベルと比較しても違い....
文字通り違いの最強の武器!!!!


とうとう手に入れたああああぁぁぁっっ!!!!


ロイン 「この武器は、もちろん桃に装備してもらおう!!」
「へ? あたいが?
 あたいはこのカシナートが気に入ってるから、いいよ」
ロイン 「そんなこと言わず、是非!!」
「……ん~……、まぁ……切れ味は良さそうだけどよ……」
ランプ 「良いどころじゃないですよ!!!
 そのカシナートが、オモチャに思えてきますよ!!!」
ロース 「そんなにすごいの…?」
三洲次 「これで後は素早さが18に戻れば、
 桃は名実ともに最強ですね!」
ロイン 「よし!
 早速、地下10階へ行き、『村正』の威力を見せてもらおうじゃないか!」
ブリスケット 「桃っちなら、その刀はすぐに使いこなせやすぜ!!」
「………ふ~~ん…………」








ってな訳で、早速「村正」の威力を楽しませてもらおうじゃないですかっ!!

ただし、良いアイテムを出す敵を狙っていく方針は、今回も堅持。

そりゃぁ、「村正」が手に入ったりしちゃぁ、
やっぱりこの方針は間違ってないでしょ!!


──── 地下10階

では、まずは第一玄室で.....、


....良いアイテムを落とす敵が出てくるまで、
出入りを繰り返す!!!


パス1っ!!


だから、増えてもパスって言ってんだろっ!!!



数の問題じゃねぇんだよ! ! !




その後も、シーフとかマーフィーズゴーストとか、
ロクなものが出ないので出入りを繰り返して行き....、


....フロストジャイアントが出てきたので、
ここで手を打つことに。



ブリスケットが、シーフを一撃 !
うむ、いいぞ!


そして......、


147ダメージ! ! ! !

きたっ!!!
コレっ!!!!

さすが村正っ!!!!

文字通り”桁”違いの威力っ! ! !


ランプ 「おおおぉぉーーっ!!」
三洲次 「すげぇ……」
ブリスケット 「さすが桃っち!!
 さっそく村正を使いこなせてますぜ!!」
ロイン 「カシナートが4回ヒットで最大60ダメージなのに、
 村正は同じ4回ヒットで、いきなり倍以上のダメージか……。
 本当にすごいな……」


──── 第二玄室


ドラゴンゾンビも一撃っっ!!!



強ぇ!!!!
強ぇぜ、村正!!!!

ロイン 「さすが村正だな。
 どんな敵も一撃だ」
ロース 「すごいわね」
ランプ 「これで桃は、もう魔物以上の存在ですね」
ロイン 「お前は、時々恐れを知らない発言をするな……」
ロース 「でも、桃はいいんだけど……」



ブリスケット 「ぐわぁっ!!」
三洲次 「ぎゃあっ!!」
   
ロース 「……他の前衛が、全然成長してないわよ?」
ロイン 「う~~ん……………………」

 

「64.グレーターデーモン撃破!」へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 17 93 18 18 14 18 18 16 0 0 素早くなってくれて、いろいろ助かっている。
三洲次 20 137 18 18 15 18 18 18 1 3 いろいろ中途半端で、目立つシーンが無い。
15 127 18 18 18 18 17 18 0 0 ついに村正をゲット!!
ロース 17 125 18 18 18 18 18 17 0 2 次で能力パーフェクトなるか?!
ランプ 16 55 17 18 18 15 18 11 0 8 1人だけ死亡回数が酷いことに……。
ブリスケット 15 132 18 18 18 17 18 15 1 4 村正もう1本出ないかな…。

 


【更新履歴】
2021年 7月 3日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年11月 7日:セリフを一部見直し。
2020年 8月 9日:セリフを一部見直し。
2020年 4月27日:セリフを一部見直し。
2020年 2月17日:台詞を一部見直し。次ページへのリンクを設定。
2020年 2月 9日:新規公開。