55.ドラゴンと盗賊団の頭領

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約6分



今回も、地下10階の第二玄室までを回って、
ひたすらアイテム経験値を稼ぎます。

まぁ、いつまで続けるんだ....? という疑問もありますが......。

とりあえずは、どんな敵が来ても戦えるようになるまで....かな。


──── 地下10階 某所....

??? 「協会を壊滅された恨み!!」
??? 「ハイマスターを殺された恨み!!」
??? 「ローラーレンジャーズめっ!!」
??? 「絶対に許さんぞっ!!」
??? 「必ず殺してやるっ!!」
??? 「お互い、頑張ろうぞっ!!」
??? 「「「おぉっ!!」」」

…………


……………………


………………………………


──── 地下10階 第一玄室


ビショップ 「来たな!! ローラーレ……


ビショップ達 「「ぐぅおおおぉぉっ!!!」」
ロイン 「余裕だな」


ランプ 「『銅鎧』ですか…」
ロイン 「まぁ、レベル8ビショップだったしな」


──── 第二玄室

ビショップ 「来た……


ビショップ達 ((ほぉごっ!ふぉごっ…!))
   
ブリスケット 「懲りずに数増やして、また現れやしたぜ」
三洲次 「1人2人増えたところで……」
ロース 「呪文は封じておいたわ」
ロイン 「なら、またマダルトで楽勝だな」
ランプ 「何人来ようと、結果は同じですね」


ビショップ達 ((ほぅぐぅぅっっ!!))
ロイン 「うむ」


ランプ 「『中立の鎧』がありましたよ」
ブリスケット 「意外とイイモノ持ってるじゃねぇっすか」
三洲次 「装備できないくせして…」
ロース 「でも、これって、私たちは2個目ね」
ランプ 「一度出たアイテムは何回も出るのに、
 出ないアイテムは全然出ませんね……」
ロイン 「粘り強く頑張るしかないだろ」



──── 地下10階 某所....

??? 「ビショップたちが殺られたらしいぞ!!」
??? 「そいつらの分まで、ワシらが…!!」
??? 「拙者らが…!!」
??? 「「「恨みを晴らしてやろうっ!!」」」

…………

………………

………………………


2周目。


──── 地下10階 第一玄室


??? 「「死ねええぇぇっっ!!!
  ローラーレンジャーズっ!!!」」


ちょ?!


ロース 「きゃああぁぁあっ!!」


「ちっ!!」


ブリスケット 「いででででっっ!!」


ニンジャA 「くそっ! 一人も死ななかったかっ!?」
メイジA 「なぁに!! ここからが本番じゃっ!!」
   
ロース 「はぁ…はぁ……」
ロイン 「なんとか耐えきったか……」
ランプ 「今回も首刎ねは回避できて、良かったですよ」
ロイン 「よし! 反撃開始だ!!」
ロース 「よくもやってくれたわねっ!!!
 喰らいなさいっっ!!!」


ニンジャ達 「「「ぐわあああぁぁっっ!!」」」


メイジ達 「「「ひぃえええぇぇっっ!!!」」」


ワイバーン達 「「「ギョエエエェェッッ!!!」」」

なんとか死者を出さずに勝利!

三洲次 「無事に勝ちましたね」
ランプ 「それでは、奇襲でやられた借りは、
 アイテムで返してもらいましょうっ!!
ロース 「カルフォ!!」



ランプ 「………………………………」
三洲次 「サイテーだな……」
ロイン 「しょうがない……次、行くか……」




──── 第二玄室


ブリスケット 「じゃ、入りやすぜ?」
三洲次 「第一玄室がひどかったから、こっちは楽だと良いですね」
ロイン 「そうだな」






三洲次 マロール!!マロールっ!!
ロイン 「えぇと…えぇっと?!」
ロース 「早くしてっっ!!!」



………ブウゥン………ブウゥン………


………………………………


……………………


…………



三洲次 「はぁ…はぁ……」
ブリスケット 「ぜぇ…ぜぇ…、今回はひどかったっす……」
ロイン 「一旦地上に戻り、態勢を立て直すか…」
ロース 「そうね……」


どんな敵が来ても戦える日なんて、
本当に来るのだろか.......?


………


………………


………………………



おおっと! 三洲次がレベルアップ!


って!!

前回に続いて、今回もH.P.が大幅アーーープッ!!!

まるで、これまでの低かった分を取り戻すかのようだ!!!

これは大助かりだ!!




では!!
成長したけど特にやることは変わらない三洲次を連れて、
再び地下10階へGo!


──── 地下10階 第一玄室


ブリスケット 「また、バンパイアが出てきやしたぜ?」
三洲次 「2回目でしたかね?」
ロース 「奇襲じゃなかったのはラッキーね」
ロイン 「魔法で一気に殲滅しよう」



問題無く、勝利


アイテムは「銅の籠手」と「病めるメイス」。


──── 第二玄室


ロイン 「よし、入ろう」
ブリスケット 「へい…」


ギイイィィ......ッ



マスターシーフ 「やい!! てめぇらっっ!!
 有り金を全部置いてきなっ!!」
ロイン 「おっと!
 唐突に無作法な奴だな…。
 誰だ?お前は?」
マスターシーフ 「俺はこの迷宮にいるシーフたちを束ねる、
 マスターシーフだっ!!!」
三洲次 「盗賊団のボス、ってとこですかね?」
ロース 「マスターシーフって、地下9階にたくさん居なかった?」
マスターシーフ 「けっ!
 そいつらは、勝手に同じ名前を名乗ってるだけだ!
 まぁ、大した実力も無ぇから、いつも群れてやがるけどな」
ブリスケット 「大した実力も無ぇってとこは、合意できやすぜ」
マスターシーフ 「真のマスターシーフは、俺1人だ!!」
ランプ 「見た目、強さとか変わらなそうですけどね…」
マスターシーフ 「けっ!なんとでも言えっ!
 つぅか、地下9階の奴らを知ってるってぇことは……、
 もしかして……しばらく前に地下9階を荒らし回ってた奴らって、
 テメェらなのか…?
 ……ふふふ……なら、よく知ってるぜ。
 いろいろと噂は聞いてたからなぁ」
ロース 「私たち、ここでは有名人なのかしら?」
マスターシーフ 「お前らが、例の『ローター』レンジャーズだな?」
ロイン 誰が『ローター』レンジャーズだ!!
ランプ 「なんでそんなエロい名前に…」
ブリスケット 「あっしら、エロいパーティーって勘違いされてねぇっすか…?」
マスターシーフ 「ま…てめぇらが誰だろうと、どうでもいいけどな。
 とりあえず、さっさと有り金を全部出すんだっ!!
 さもねぇと、俺のボディガードのファイターたちが、黙っちゃいねぇぜ!」
ロイン 「俺たちがレベル8ファイターをどれだけ倒してきたかは、聞いていないのか?」
ロース 「そもそも ボディガードより前に居るって……この人、バカなの?」
マスターシーフ 「なにぃ?!」


マスターシーフ 「ぐはっ!!」
ロース 「ほら、バカじゃない」
マスターシーフ 「て、てめぇっ!! よくも…
ブリスケット 「とやっ!!」


マスターシーフ 「ぐほおっ!!」
ロース 「ほら見なさい!
 自分がどれだけバカか、理解できたかしら?」
マスターシーフ 「ぐっ……はぁ……はぁ……、
 くそっ……今日のところは見逃してやるぜ!!
 ありがたく思いなっ!!!」
ロイン 「え?!」
マスターシーフ あばよっ!!


ブリスケット 「逃げやがったっす!!」
ファイターA 「ちょっ!ボスっ!!」
ファイターB 「どこ行くんですかぁっ??!」
「おっと!待ちな!
 てめぇらの相手は、このあたいだぜ!!」
ファイターC 「え?!」


ファイターA ぐばばぁばあばぁばあああぁぁぁっっ!!!
ファイターD 「ひぃぃいいっっ!!!」



「へっ!」
ロイン 「余裕だったな」
三洲次 「お? あいつ、宝箱を置いて逃げてますよ」
ランプ 「盗賊団のボスのお宝ともなると、
 これは期待できそうですよ!!」
ロイン 「よし、ロース?
 僧侶の出番だ。
 カルフォを頼む」
ロース 「カルフォっ!!」


三洲次 「どれどれ……、そうですね、
 プリーストブラスターです」
ロイン 「よし、開けてくれ」
三洲次 「では………えぇと………、
 ん~~………(パカッ!)
 お、フタが開きました」
ロース 「あいつ、何を持ってたのかしら?。
 あら…、鎧と杖と、2個も入ってるわよ」
三洲次 「フタが勝手に開いただけで、
 罠を外したとは言ってないけど…?」
ロース 「……………?!





ロース 「あ………ぁは………く………」(※ 全身麻痺して声も出せない)
ブリスケット 「喘がないでくだせぇよ……」
ランプ 「本当にエロいパーティーだって思われますよ」
ロース 「ぃ……ぃや………」
ロイン 「ランプ、治療と鑑定を頼む」
ランプ 「では、まずは鑑定から!」
三洲次 「そっちかよ……」


ランプ 「『錆びた鎖帷子』と『捻じれた杖』です……」
ブリスケット 「あやつ、盗賊団のボスってぇのに、ロクな物盗ってねぇっすね」
ランプ 「でも『捻じれた杖』は、何気に我々には初アイテムです」
三洲次 「もしかして、実はレアなアイテムとか?」
ランプ 「まさか…。
 でも、そこそこな値で売れるかと」
ロース 「はぁん………ぃやん………くぅ………」
ブリスケット 「なんでエロく喘ぐんすか?」
ロイン 「多分、『早く』…って言ってるんじゃないのかな?
 ランプ、頼むよ」



3周目も、大した収穫無しで終わってしまった。




その後も、ひたすら地下10階を回るが........、







....3連続で先制できたりと、戦闘は安定してきたが......、


.... いかんせん、ロクなアイテムが出てこない

いや、出てこないどころか......、


.... そもそも取れないことも。

アイテムの方が、ちょっと停滞気味だなぁ......。


………

………………

………………………


──── 第二玄室


ロイン 「さて、今日はここまでにするか」
ブリスケット 「じゃ、入りやすぜ」


ギイイィィ......ッ


ブリスケット 「む…! なんかやたら暑ぃっすね…」
三洲次 「なんでこんなに暑いんですかね…?」
!!……横から何か来るぜっ!?」
ロイン 「え?」


ロイン なにっ!?


ブリスケット 「いででででぇっ!!」
ロイン 「ぅわっっ!!」
三洲次 「ド、ドラゴンだっ!!!」
ランプ 「あれは、ファイアードラゴンです!!」」
ロース 「え?! ドラゴンの奇襲って…!?」

ファイアードラゴンの姿が見えた瞬間、
奇襲ブレスは避けられないと覚悟!!!


「いでっ!」

......したが、2匹ともブレスは吐かず



んざけんなあああぁぁっっ!!!
ドラゴンA ギャバィバァバィバアアアァァァッッ!!
   
ロイン 「ふぅ……奇襲ブレスが無かったんだから、
 安堵の会話ぐらいさせろよ…」
三洲次 「ま、あと1匹になったので、楽勝でしょ」
ランプ 「注意して下さい!!
 こいつらもガスドラゴンと同じで、
 魔法を使ってきますから!」
ロース 「じゃぁ、モンティノっ!!」


ロース 「え?!」
ロイン 「ランプ、とりあえず眠らせろ!!
 そうすれば、ブレスも魔法も来ないからなっ!」
ランプ 「では、カティノっ!!」


ランプ 「え?!」
三洲次 「こ…これって……ヤバくない…?」
ロイン 「いや! 倒せば結果は同じ!!
 喰らえぇっっ!! マダルトォッッ!!


ロイン 「え?!」
ランプ 「せ、せっかく奇襲ブレスが無かったのに、
 これでは…?!」
ロース 「か、覚悟しないと…ダメなの?!」
ドラゴンB 「シュウウゥゥ……フォゴォォオオオ……ッ
ロイン 「…あれはっ?!」
ランプ 「ブレスを吐くため、思いっきり息を吸ってますっ!!」
三洲次 「うわああぁぁ…」
ロース 「も…もうダメよっ!!」
ブリスケット 「ふっふっふっ………、
 皆の衆……、
 誰か……お忘れぇじゃぁねぇっすか?」
ロイン 「え?」
   
ブリスケット 天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!
 竜を倒せと、あっしを呼…
ロイン いけんなら早く行けえぇっ!!!(ドンッ!!
ブリスケット 「ふぉごっ!!」



ブリスケット 「倒したっす…」
ロイン 「喋ってる間にブレス吐かれたら、どうすんだよ……」
三洲次 「お!宝箱がありましたよ!!」
ランプ 「ドラゴンは宝の護り神でもありますからね。
 これは期待できますよぉ!」
ロース 「じゃ…、カルフォっ!!」


ロース 「後は任せたわ(スタスタスタ……」
三洲次 露骨に逃げるなっ!!!
ロイン 「いいから、お前も確認してくれ」
三洲次 「えぇと……確かにプリーストブラスターですね。
 では……、ん~と……」


三洲次 「開きました」
ロイン 「うむ…、お! 鎧が入ってたぞ」


ランプ 「おぉ!
 『悪の鎖帷子』ですよ!!
 レアなアイテムがありましたねっ!!」
ロース 「ドラゴンが宝の護り神って、本当だったのね!!」
ブリスケット 「さっきのマスターシーフに、
 こいつの爪の垢でも煎じて飲ませてやりてぇっすね」
ロイン 「ん?こいつの爪のカスを取ればいいのか?」
三洲次 「日本のことわざですよ……。
 真に受けないで下さい……」
ロース 「でも、ドラゴンの爪とかって、売れないのかしらね…?」
ロイン 「ところで、この鎖帷子を装備できるのは……」
ランプ 「ご想像通り、悪の戒律の人だけです」
ロイン 「やっぱり、そうか…。
 ま、アイテム全種類入手に向けて、これで一歩前進だな!」



本日は、ここまで


ところで、今回でマスターシーフファイアードラゴンが出てきたけど、
まだ出てきていない敵って、他に誰がいたっけ?

で、調べてみたら......、


ポイゾンジャイアント
レイバーロード
マイルフィック


.....の3体だった。

うん、いかにも満を持して登場するのに相応しい面々が揃っているな!

しかし、レイバーロードぐらいなら普通に戦って勝てそうだけど、
後の2体は、はたしてどうなるだろう........?


…………


……………………


………………………………


──── 地上 ボルタック商店


ランプ 「見てくださいっ!!!
 『悪の鎖帷子』をゲットしましたよっ!!
 どうです?! レアでしょぉ!!」
店員(女) 「4,000」
ランプ 「え…………?」
店員(女) 「4,000
ランプ 「さっきの『捻じれた杖』や……それこそ、この前の『中立の鎧』と、
 まったく同じ値段じゃないですか……?」
店員(女) 一律4,000!
ランプ 「あのクソ役に立たない上に、大量に出てくる『ドラゴンスレイヤー』より安いですよ!
 それに比べれば、これって全然レアでしょ?!」
店員(女) 一律4,000!!!
ランプ 「『早業の短刀』の件……トラウマ過ぎでしょ……」

 

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名前 LV H.P. コメント
ロイン 14 84 18 18 13 18 18 14 0 マダルトって、地下10階だと意外と微妙かも。
三洲次 17 96 18 18 12 17 18 18 3 一人だけレベルが頭抜きん出てきた。
13 104 18 18 18 18 18 18 0 昔に比べ、奇襲でやられやすくなったなぁ…。
ロース 14 109 18 18 18 18 18 15 2 最近、ボケ役にシフトしてきてね?
ランプ 14 51 15 18 18 15 17 11 4 お前…三洲次と一緒に経験値稼ぎしてたよな?!
ブリスケット 13 115 18 18 16 18 18 11 2 ラストの戦闘、最後に来てヒーローぽかった。

 


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2021年 7月10日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
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2019年12月15日:新規公開。