58.エナジードレインの恩恵

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。
美濃 いろいろミステリアスな救助隊の巫女(僧侶)。
ギアラ 救助隊リーダーを務める病弱なエルフの魔法使い。

読了時間 (目安):約10分



新年明けましておめでとうございます


まぁ、全然めでたくもないキーワードが入ったタイトルから始めておいて、なんですが......。

とりあえず、お時間のある時で結構ですので、
本年もお付き合いいただけますと、嬉しく存じます。


では、さっそく本編を始めましょう。


──── 地下10階 第二玄室


ロース 「ファイアードラゴンの奇襲よっっ!!!」
ロイン 「なにぃっ?!!」


ブリスケット 「ふほぉほおほぉほおおおおぉぉっっ!!」

新年早々、地下10階で奇襲ブレスの洗礼からスタートっ!!


ランプ 「ぐわちゃぁちゃあちゃぁちゃあああぁぁっっ!!!」
ロース 「し…しかも4匹もいるわっ!!」
ロイン 「よ、4匹って……ランプ?!
 耐えられるかっ?!!」


ランプ ぎゃああああぁぁぁっっ!!!
三洲次 「2匹目でダメでしたっ!!」
ロイン 「早っ!!!」

おおおおぉぉぉいぃぃっっっ!!!



三洲次 「ぐほおおぉっ!!!」

....ただ、4匹目は攻撃してこず。


いきなりランプ死亡! ! !

もう、いろいろ縁起の悪い立ち上がりだなぁ! ! !


しかし、やっぱりランプのH.P.って、低いってぇぇ......。


とりあえず反撃開始っ!!


ロインのティルトウェイトが炸裂し、
なんとか被害は死者1名で食い止める!!

そして......


…………


……………………


………………………………


──── カント寺院



無事に一発で蘇生

ランプ 「うぅ………、ここは?」
ロイン 「カント寺院だ」
ランプ 「え…?
 じゃぁ、私は……また死んだのですか?」
ロイン 「まぁ、運が悪かっただけだ。
 とりあえず、鑑定を頼む」
ランプ 「蘇生したばかりと言うのに、
 相変わらず人使いが荒いですね……」
ロイン 「ファイアードラゴンの護っていた宝箱から
 『?よろい』が出てきたのだが…」


ランプ 「これは『悪魔の胸当て』ですね」
ロース 「初入手のアイテムだけど、なんか不吉な名前ね…」
ブリスケット 「こいつも悪人専用の装備っすか?」
ランプ 「いえ、誰が装備しても呪われます」
三洲次 「いずれにせよ、ドラゴンって、
 やっぱりレアなアイテムを持ってますね」
ロイン 「とりあえず、ボルタックに売るか」


店員(女) 「4,000ね」
ランプ 相変わらず4,000なんですかっ??!
店員(女) 「なんの話し?
 市場価格よ、4,000って」
ランプ 「あ………そうなんですか……」



さて........、


新年早々奇襲ブレスを喰らうわ
パーティーメンバーは死ぬわ
新しいアイテムは呪われてるわで、
ロクでもない内容で日記が始まりましたが、
めげずにプレイ記録を続けていきたいと思います。



とは言ったものの........、



....敵は変わり映えしないわ........、



....アイテムも変わり映えしないわで......、


.... なんの進歩も無い日々が続いておりました。

新年早々、テンションの低い日記になったなぁ........。



──── 地下10階 第一玄室

三洲次 「で……………」




三洲次 「……また、こいつらか………」
ブリーブA 「ゲェロッ!ゲェロッ!」
ブリーブB 「グゥワッ!グゥワッ!」



ブリスケット 「いきなり増えたっす……」
三洲次 「まかたよ……」
ブリーブC 「ゴゥエッ!ゴゥエッ!ゴゥエッ!」
ブリーブD 「ガゥワッ!ガゥワッ!ガゥワッ!」
じゃかあぁしぃいっっ!!!
ブリーブC 「ゴ……?!」
ブリーブD 「ガ……?!」
「……………………」



ブリーブC 「ゴワッ!ゴワッ!(ピョン!ピョンッ!」
ブリーブD 「グワッ!グワッ!(ビタビタビタッ!!」
ブリスケット 「いきなり減ったっす……」
ランプ 「仲間を呼ぶだけ呼んで、逃げましたね……」
あーーーっ!!!
 逃げやがったぁっっ! ! !
三洲次 「ほっとけって……」
ロース 「残った奴だけど、もう魔法で倒してよ」
ロイン 「分かった、分かった…」



三洲次 「あんな騒がしいだけの奴らの宝なんて、
 あまり期待できませんが、開けますね」
ロイン 「うむ」


ランプ 『沈黙の杖』です!!」
ロース 「新しいアイテムね!!」
三洲次 「……すげぇ似合わねぇモノが出てきたな………」
ブリスケット 「で、こいつはぁどんな効果があるんでぃ?」
ランプ 「使うとモンティノの効果があります」
ロイン 「先制できた時に便利そうだな」
ロース 「とりあえず、もらっていきましょ!」
三洲次 「じゃ、次へ行きますか……」




…………

……


──── 第二玄室


三洲次 「で……………」




ブリーブA 「グエッ!グエッ!」
ブリーブB 「ゲロッ!ゲロッ!」
   
三洲次 「こっちに逃げ込んでいたと……」
見つけたああぁっ!!!


ブリーブA プゲロォッ!!
ブリーブB グワ…?!
ブリーブC 「ガアッ!ガアッ!(パタパタパタッ!!」
だああああぁぁっ!!
 また逃げやがったああぁぁっ!!!
三洲次 「だから、放っとけって……」


三洲次 「また宝箱がありましたよ」
ランプ 「もしかして、また『沈黙の杖』ですかね?!」
ロイン 「よし! カルフォだ!」
ロース 「カルフォッ!!」


ランプ 「…………………………」
三洲次 「ブリーブって、こんな高度な罠を
 どうやって宝箱に仕掛けてるんですかね…?」
ロイン 「さぁ……」
ロース 「とりあえず、地上に戻りましょ」

………………………

………………

………




その後も......、



ひたすら地下10階で戦いますが、目新しい出来事も特に....


無く......


無..........


なああああああああぁぁぁぁっっっ??!!

とうとう来ちまったああぁあっっ!!!!

エナジードレインっっ ! ! !


ブリスケット 「ぐほぉぉ……おぉ……っ」
ロイン 「大丈夫かっ?! ブリ助?!」
ブリスケット 「……ぐっ………ほぉっ……!!」
三洲次 「麻痺して、喋れませんよ…」
ロイン 「くそっ!!」

さて、歓喜に沸く読者諸氏には大変申し訳ないですが、
実はあまり慌てていません


なぜなら、第54話「親と上司と宝箱は選べない」で書いたように、
しばらく前に「マロール逃げ」なるものをネットで知ったので!!

第54話では触れませんでしたが、マロール(瞬間移動の魔法)で戦闘から離脱すると、
経験値の処理が行われず(つまり減らず)に終了するから、
宿に泊まればすぐに元のレベルに戻れるとのこと!!

要は、「エナジードレインを無かったことにできる」と!!


使わない手はないっ!!!



ワープ先の風景が....壁の形状は違うけど....地下10階第一玄室と同じ風景だったので、
一瞬「あれ?マロール失敗した?」と勘違いしましたが、
無事に地下1階に到着。


ブリスケットのステータスを見ると、
見事にレベルが14→12に下がり、
H.P.も116→98に下がっていますが、
確かに経験値はそのまま

なので....、


城に戻って宿に泊まり、失った2レベル分を元に戻します。



復活!


....................。


エナジードレイン前より、むしろ強くなってる件について。


えぇと........。



これ、ちょっと卑怯じゃね?!



いや....、仕様として「実装されている」と解釈したので、
個人的に「マロール逃げ」をOKにして実行したけど........、
これはどうなんだ?

う~む......「マロール逃げ」は禁止にする....か?
せめて、ドレインを喰らった時限定でも?


....と、思ったが、次の点において
別に良いことばかりでもないので、
とりあえず禁止にはしないことにします。

今回はたまたま強くなったが、必ずしも強くなるとは限らない
なぜなら、能力値は下がることもあるので。
「マロール逃げ」で安全な場所に飛ぶとは限らない、というリスクは残存する。
特に地下9階のように、リスクが高過ぎて使えない時も。
俺サラリーマンだから、仕事しながらレベルを上げ直すのはつらいので(本音)。

と、いう訳で、(まだしばらくは)エナジードレインを喰らった時の
マロール逃げはOKとします。


【お断り】 まだ先の話しですが、エナジードレインを喰らった場合に限り、
途中から自己ルールで「マロール逃げ」を禁止にしています。
この後もちょくちょくエナジードレインを喰らうことになるのですが、
その度にキャラクターが強くなるので、
「マロール逃げ」があまりにも卑怯なテクに感じてしまい......。
なので、途中から自己ルールで「禁止」になります。



さて、強くなってしまったブリスケットを連れ、
再び地下10階を回ります。


ブリーブA 「グワッ!グワッ!(ピョン!ピョンッ!」
ブリーブB 「ゲロッ!ゲロッ!(ペタペタペタッ!!」
逃げるなあああぁぁっっ!!!
三洲次 「だから、放っておけって……」
ランプ 「宝箱がありましたから、罠の方をお願いしますよ」
三洲次 「へいへい……」


ブリスケット 「ま…またっすか………」
ランプ 「本当に、どうやって仕掛けてるんですかね……」
ロイン 「仕方ない。次へ行くか……」

....地下10階を回ってはいますが、やはり変わり映えしない宝箱、
変わり映えしない魔物たち.......



....魔物た........



とうとう来たーーーーっっ!!!

地下10階の名物モンスターーーッ!!!

ポイゾンジャイアントォォォ!!!


ブリスケット 「こやつらはっ?!」
ランプ 「あの肌の色....、そして巨人.....、
 間違いなくポイゾンジャイアントですっ!!」
ロイン 「こいつらが、そうかっ?!」
ロース 「大ダメージのブレスを吐く魔物ねっ!!」
三洲次 「その慈悲の無い大ダメージで、
 酒場でも噂になっていたモンスターですよ!」
ブリスケット 「どうしやすかっ?!」


ロイン 「こうする」
!!!

ブレスでの全滅を期待してた読者諸氏には申し訳ないですが、
あっさりと勝利!

あまりに有名なモンスターにも関わらず、登場まで長くじらしておきながら、
これといったネタにもならず倒れやがった......。


う~~ん......、ちょっと拍子抜け......。


ま、後はウィルオーウィスプ1匹ですが......、



こいつの方が手強い件について.....。


ウィルオーウィスプってさぁ、
もしかして桃しか倒してなくね?!

ブリスケット 「…………………………」
三洲次 「…………………………」
ロイン 「とりあえず、宝箱を開けよう」


三洲次 「開きました」
ロース 「あんなジャイアントが、何を持ってるのかしら…?」



ロース 「『鎧』と『短刀』が入っていたわ」
ロイン 「2個か…。
 期待できるかな…?」
三洲次 「『短刀』が何かは、なんとなく
 鑑定しなくても分かる気がします……」
ロイン 「ランプ、とりあえず頼むよ」


ランプ 「おぉ!
 短刀は『盗賊の短刀』ですよ!」
三洲次 「え?! 早業の短刀じゃないのっ?!」
ロース 「初入手のアイテムね!!」
ブリスケット 「盗賊専用の装備っすか?」
ランプ 「もちろん!
 厳密には、盗賊と忍者ですけどね。
 ただ、盗賊だけに効果があるスペシャルパワーが秘められています」
ロイン 「それは?」
ランプ 「スペシャルパワーを解放すると、
 『盗賊』が『忍者』になれます」
ロース 「それって……!!」

....これは?!


これは、H.P.が大幅にアップし、前衛に立った三洲次(盗賊)に使い
彼を忍者にして、ますます前衛として働かせろ......
......との啓示に違いないっ!!!!

しかも、三洲次は日本人(という設定)なので、日本由来の職業である「忍者」は、
まっさにうってつけの職業!!!

彼を忍者に転職させない理由など、ないっ! ! !

 



だが断る

 



まだ使わない。

ボルタックにも売らない。

このアイテムは、しかるべき時が来るまで、持っておくことにする。


しかるべき時....とは?



それは......また後でな(ニヤリ)



知らない人が見たらアレな表現に思われそうですが、
最後の(ニヤリ)は ウィザードリィIV からのネタです。




ロイン 「今日は、この一周で終えるとしよう」
ブリスケット 「じゃ、いきやしょう!」


──── 地下10階 第一玄室


余裕だったので、詳細割愛。


アイテムは「切り裂きの剣」。

右手に持ってた剣かな....?(違う)


──── 第二玄室



ギイイィィ......ッ



ブリーブ 「ゲロッ! ゲ…
まだ残ってたかああぁぁっ?!!


ブリーブ 「プゲロッ!!!」
これだけかぁあっ??!
 まだ、どっかに隠れてねぇえかぁあっ??!
三洲次 「別に無理に倒さなくてもいいだろ、こんな奴……」
ロイン 「とりあえず、宝箱を確認してくれないか?」
三洲次 「へい…」
ランプ 「前に『沈黙の杖』を持ってましたからね。
 何気にあなどれないかも……」


ランプ 「おぉ!
 『窒息の指輪』がありましたよ!!」
ロイン 「ブリーブって、意外とあなどれないな…」
ロース 「またまた新しいアイテムね!!」
三洲次 「いや、2個目ですよ」
ロース 「え? …そうだったかしら?」
三洲次 「ほら……」

(※) 城に戻った後の画面写真ですが...。

三洲次 「俺が装備してます」
ロース 「あら…本当ね……。
 どこで手に入れたかしら?」
ランプ 「地下9階で、ハイプリーストから手に入れましたよ」
ロース 「大分前ね……。
 すっかり忘れてたわ…」
ブリスケット 「で、こいつはどうしやす?
 売りやすか?」
ロイン 「救助隊に渡そう。
 救助活動中に、ポイゾンジャイアントとかに先制したら、
 こいつが役に立つだろうから」
三洲次 「…!!
 じゃ、これを渡すのは…
ランプ 「三洲次にお願いします」
三洲次 「……苦手な奴がいるから……、イヤなんだけど……」

…………


……………………


………………………………


──── ギルガメッシュの酒場

三洲次 「こんにちは!」
ギアラ 「お久しぶりです、三洲次さん!」
三洲次 「今日も、君たちにプレゼントを持ってきました!
 このマカニトの効果がある指輪です!」


ギアラ 「いつもありがとうございます」
三洲次 「で、誰が装…
美濃 まぁ、三洲次殿!
 懲りずに、また指輪を持ってプロポーズをしに来られましたのね!」
三洲次 「へ?」
美濃 「でも、その熱心さに、美濃は心が動かされましたわ!
 では……」


美濃 「どう? あなた、似合ってる?」
三洲次 誰が『あなた』だ!!
美濃 「あら、三洲次殿も同じ指輪を装備されてましてよ」
三洲次 「………だから何だよ?」
美濃 「ほら、二人でお揃いの指輪……」



美濃 「これが結婚指輪でなくて、他になんと申しましょうか?」
三洲次 「結婚指輪が『窒息の指輪』って、
 家庭が息詰まりそうですげぇイヤ なんだけど……」
美濃 「では、さっそく使ってみましょう」
三洲次 「俺はレベル17だから、マカニトは効かないぞ」
美濃 「…………ちぇ………」
三洲次 「なんだ? その『ちぇ』は?」


………

…………

……………


──── ギルガメッシュの酒場 夕食時...

三洲次 「やれやれ……。
 指輪は、ちゃんと救助隊に渡してきましたよ」
ロイン 「ご苦労」
三洲次 「それで気付いたんだけど、俺はもう前衛だから、
 この『窒息の指輪』は、後衛が持ってた方がいいんじゃないかな?」
ロイン 「おっと、確かにそうだな。
 その方が、先制できた時に無駄がない。
 よし!ロースに持っててもらおうか?
 指輪なら、やはり女性だろ」
ロース 「あら?嬉しいわ!
 『窒息...』ってところが気になるけど」
三洲次 「じゃ、ほら、ロース…」
ロース 「うふ、ありがとう」
美濃 ひどいっ!!!
 三洲次殿っ! ! !
 二股をかけていらっしゃったのねっ!!!
三洲次 へっ?!
 いつの間にっ??!」
美濃 「そうやっていろんな女性に指輪を渡して、次々とたぶかせていらっしゃったなんて……
 最低っ!!!(ダッ!)
三洲次 「…………………………」
ロース 「ねぇ……これ、返す?」
三洲次 「……いいよ。
 あいつは、ああやって俺をいじるのが好きなだけだから……」




少しずつですが、装備が良い方向に揃ってきました。

 

「59.謎を呼ぶ警報」へ


今回から、エナジードレインを喰らった回数も記録していきます。

名前 LV H.P. コメント
ロイン 15 85 18 18 14 18 18 14 0 0 最近素早いな(ネタにならねぇじゃん…)。
三洲次 17 96 18 18 12 17 18 18 0 3 前衛にしたけど、戦闘で全然目立たない…。
14 117 18 18 18 18 18 18 0 0 侍である意味が無いほど、攻撃しかしてない。
ロース 15 118 18 18 18 18 18 15 0 2 時々無難過ぎて、本当にコメントに困る。
ランプ 15 52 16 18 18 15 18 10 0 5 死亡回数が、とうとう単独トップに……。
ブリスケット 14 123 18 18 17 18 18 14 1 2 ドレイン喰らったらむしろ強くなってしまった。

 


【更新履歴】
2021年 7月 3日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年 7月12日:セリフを一部見直し。
2020年 1月12日:次ページへのリンクを設定。
2020年 1月 5日:新規公開。