40.学習する者、しない者

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分




前回の冒険で手に入れた『切り裂きの短刀』ですが、
魔法使いが装備できるので....、


.... 救助隊の魔法使いギアラにも持たせてみました。

すっかり忘れてたけど、救助隊の装備はいまだ貧弱だから、
強い装備が手に入った時は、救助隊に渡してこれば良かった....。

今度から良い装備が余分に手に入ったら、
売らずに救助隊にあげていこうと思います。




引き続き、ロイン(魔法使い)ティルトウェイト(核爆発による全体攻撃魔法)習得を目指し、
経験値稼ぎを続けます。

なので、今日もプライベートエレベーター経由で地下9階を目指しますが、
その前に........


──── 地下4階




三洲次 「宝箱ですね。開けますよ」
ロイン 「ここは大したものは出ないから、
 手早くな」


三洲次 「うわっ!! 失敗したっ!!」
ロイン 「お前っ!テレポータのミスが多過ぎだろっっ!!」


……ブウゥン……ブウゥン……



………………………



………………



………





ロース 「どこよ?ここ?」
ロイン 「確認するか」


ロイン 「東に 11、北に 17……か」
三洲次 「マップを見ると……、
 コントロールセンターと通路の間にある空間の中です」
ランプ 「来たことのない場所ですね」
三洲次 「外から見たら、周りが壁で囲まれているので、
 正確には『来れない場所』ですね」
ロース 「それって……、逆に『出れない場所』……ってこと?」
三洲次 「えぇ、まぁ…。
 なんせ、周囲が全て壁で閉じられてるので…」
ロイン 「最悪マロールで脱出できるが……、
 一応こちら側から出れる非常口があるか、探してみるか…」


ブリスケット 「なんか、ダダッ広い場所っすね…」
ロイン 「広すぎて……


ロイン  ……何も見えない場所さえあるな」
ランプ 「真っ暗闇じゃないのに、真っ暗闇ですよ…」
ロース 「こんな光景、はじめて見るわ…」
三洲次 「どこ歩いてるか、分からなくなりそう…」


ブリスケット 「向こうの方に、壁が見えやすぜ」
ロイン 「無闇に歩いてもダメだな。
 あの壁のところまで行き、後は壁伝いに探索しよう」

と、言う訳で、壁沿いに歩いていくと....、


ブリスケット 「扉がありやした!」
三洲次 「壁をくまなく調べましたが、
 扉はここだけですね」
ロース 「とりあえず、出口があって良かったわ」
ロイン 「で、この扉の向こう側は、どこだ?」
三洲次 「マップを見ると……、おぅ……、
 コントロールセンターです」
ロイン 「なんと……」

扉に入ってみると....、


三洲次 「今通ったところは、壁になりました。
 一方通行の非常口なのでしょう」
ロイン 「ここに出る出口を作るなんて、
 入らせたいのか、入らせたくないのか、
 どっちなんだ、この施設は……」
ブリスケット 「しかし、懐かしい風景っすね」
ランプ 「あの床の部分は、警報装置でしたね」
ロース 「戦闘は避けられないわね」


三洲次 「あぁ、はいはい、面倒なことになったね」
ロース 「あなたのせいでこうなったのよっ!!
 なに?!その態度?!」 

仕方ないので、アラームを鳴らしつつ、
そのまま出入り口を開けて、コントロールセンターの外へ

先の装置は、コントロールセンターへの侵入者を排除する警報装置ですが、
一度装置のアラームが鳴ると、例え施設の外へ出ても、必ず戦闘となります。

なので....、



ロイン 「今度こそ、番犬が出てきたな」
三洲次 「まぁ、ここ、コントロールセンターの外ですけどね…」
ランプ 「ここのアラームでやって来る警備って、人間以外ばかりですね」

軽く蹴散らし、再度プライベート エレベーターへ。


歩いてプライベート エレベーターに戻れたので、
テレポータにかかった被害は小さかったかも。


エレベーター前の玄室は、既に一度モンスターを倒しているので、エンカウントは無し。
やっと地下9階へ降りて行ける....。

………………

………



と、言う訳で、いつも通り地下9階を回って行くのですが、
しばらく戦っていると......、


ロイン 「これはラッキーだ!!」
三洲次 「しかも先制! これは余裕でしょう!」


ロース 「また『けん』が出てきたわ!!」
ロイン 「これは、もしや?!」

また、カシナートの剣が来たかああぁっっ??!





なまくらな剣


ロイン 「まぁ……」
ロース 「……そんなものよね」


つづく玄室では......、


ブリスケット 「ブレスを吐く魔物っす」
ロイン 「カティノで眠らせれば、余裕だろう」
ランプ 「では…」


ランプ 「あれ?!」
ロイン 「……まさか……」


ブリスケット 「ふぉごおおおぉぉっっ!!」
三洲次 「あぢっ! あぢいいぃっっ!!」


ブリスケット 「ひぃいいいぃぃっっ!!
三洲次 「あじゃじゃじゃっ!!」
うぜえええぇぇっ!!!



ロイン 「ふぅ…、ヒドイ目にあった……」
三洲次 「せめて、お宝ぐらは良いものを……」


ランプ 「『炎』の巻物……」
三洲次 「なんのジョークだよ……」

ここで治癒呪文を大量に消費したので、一度出直すことに。




再度、地下4階プライベートエレベーター前。



ブリスケット 「またっすかああぁぁっ!!!」
三洲次 「あぢゃっ! あぢゃぁっ!」


ブリスケット 「ひぃやあああぁぁっっ!!」
三洲次 「ちちちちちっっ!!」

今、ブレスの被害を治して来たばかりなのに......。

しかし、所詮は地下4階なので、それほどダメージは大きくないので、
もう そのまま地下9階へと向かいます。



シーフ 「ぐはあぁっ!!」
三洲次 「お!宝箱が出てきましたよ」



三洲次 「が………ぎ………ぐ………」
ロイン 「お前、最近調子悪いな……」
ブリスケット 「スタナー外すの、まだ上手くならねぇっすか?」


デーモン 「ぎゅしゅばぁばぁばぁああぁぁっっ!!」
ロイン 「余裕だな」
三洲次 「また、宝箱が出てきましたよ!」



三洲次 「げ………ご………が………」
ロイン 「学習しろよ………」
ロース 「スタナーにかかるの、本当に好きね」
三洲次 「ぢ……ぢが……っ!」
ランプ 「宝箱の中も、お金しかなかったですよ…」


??? 「死ねえええぇぇ!!!
 ローラーレンジャーズぅっっ!!」
ロイン 「え?」


ブリスケット 「ぐわあああぁぁっっ!!」
三洲次 「ちめてっ! ちめてぇっ!!」
ロース 「こいつら、最近 詠唱が早いわねぇっ!!」
ロイン 「ラ、ラハリトっ!!」


ブリスケット 「やれやれ、ヒドイ目に遭いやした」
ロイン 「このパターンは、もう学習したよ」
ロース 「じゃ、もうちょっと早く呪文を唱えてくれない?」
三洲次 「せめて、お宝ぐらいは良いものを……」



三洲次 「ぎ………ぐ………げ………」
ブリスケット 「学習能力 ゼロっすか?」
ロース 「もう冗談でやってるとしか思えないわ……」
ロイン 「で、肝心のアイテムは何だ?」


ランプ 「『苦痛』の巻物」



こっちが苦痛だ......。



……………………


…………


──── 地下10階 上級魔術師協会 本部

ハイウィザード 「会長?」
アーチメイジ 「あれ? お前、先日殺されなかったか?」
ハイウィザード 「余は3代目になります」
アーチメイジ 「おぉ、そうか。
 で、なんじゃ?」
ハイウィザード 「ローラーレンジャーズを倒すために、
 この地下10階を拠点にしている賞金稼ぎを雇いました。
 以前の地下9階を拠点にしていた賞金稼ぎより、断然期待できるかと」
アーチメイジ 「ふぅむ……。
 で、誰じゃ?」
ハイウィザード 「ハイプリーストです」
アーチメイジ 「なるほど…、今回は 知性派の賞金稼ぎじゃな?」
ハイプリースト ふぅうううぅぅんっっ!! (筋肉ムキムキッ!)」
アーチメイジ 「………………」
ハイウィザード 「肉体派のプリーストです」
アーチメイジ 「……うん……まぁ……、僧侶は接近戦も得意だしな……」
ハイウィザード 「きっと、ローラーレンジャーズを倒してくれることでしょう」
ハイプリースト 「フンッ!! ハァッ!! (ムキッ!!)」
アーチメイジ 「………なんか喋れよ………」

…………


……………………


──── 地下9階....


ロイン 「では、今日も地下9階を回っていこう!」
ブリスケット 「そろそろ新しい装備が欲しいっすね!」


トロール 「ふごぉおごぉおごぉおおおぉぉっっ!!」
三洲次 「宝箱がありましたよ」


ランプ 「『幻滅の短剣』です」
ロイン 「次に行くか……」

で、数回 戦っていくと....、


ワイバーン 「ギョワァアワァアワァアアアァァッッ!!」
三洲次 「お!宝箱がありましたよ」


ランプ 「『幻滅の短剣』です」
ロース 「ちょくちょく同じ物が手に入るわね…」
ブリスケット 「要らねぇ物に限って…すよね…」
ロイン 「ま、仕方ない。次へ行こう」

で、さらに数回 戦っていくと....、


トロール 「ぐわはああぁっっ!!」
三洲次 「また宝箱がありましたよ」


ランプ 「『幻滅の短剣』です」
ロイン 「また『幻滅の短剣』?!」
ブリスケット 「今日だけで3本目っすよ」
三洲次 「先日も、似たようなことあったな…」
ロース 「アイテム運が、上昇しないわね…」
ロイン 「次に期待するか」


ブリスケット 「敵が現れやした!」
ロイン 「今度はどいつだ?」
ブリスケット 「あれ? どっかで見やした記憶が……」
ロイン 「え?」
ランプ 「あれは……、
 モンスター配備センターにも居た、ハイプリーストです!!」
ロイン なにっ!?


ランプ 「バディ(即死魔法)を連発してきた奴です!」
ロース 「あまりイイ思い出じゃないわね…」
ブリスケット 「こんなところにも、同類が居やがるんすね」
ロイン 「肉弾戦よりも魔法の方が得意な……

ハイプリースト ふうううぅぅんっ!! (ムキムキッ!)」
ジャイアントA ほぉぉおおおっっ!! (ムキ!ムキ!)」
ジャイアントB しゃあああぁぁっ!! (ムキムキィ!)」
ジャイアントC ひょおおおぉぉっ!! (ムッキムキ!)」

ロイン  ……肉弾戦の方がお得意かな?」
ロース 「なによ…? この暑苦しい連中……」
三洲次 「後ろのファイアージャイアントに至っては、
 3人ともほぼ半裸だし……」

(参考画像)


ハイプリースト はあああぁぁっっ!! (ムキムキッ!)」
ジャイアントA 「おお! 今日も仕上がってるぜぇ!!」
ジャイアントB 「よっ! 筋肉のボルタック商店っ!!」
ジャイアントC 「今日の品揃えも充実してるぅっ!!」

ロイン 「……………………」
ロース 「……………………」

ハイプリースト ほおおおぉぉっっ!! (ムキムキィ!)」
ジャイアントA 「おおぉっ! 切れてる!切れてる!」
ジャイアントB 「肩にちっこいガスドラゴンのせてんのかい!」
ジャイアントC 「背中にポイゾンジャイアントが宿ってるぜ!」

三洲次 「……………………」
ブリスケット 「何しに来たんすか?…こいつら…?」
三洲次 「知るかよ………」



ハイプリースト 「ローラーレンジャーズよおおぉっっ!!
 今日が貴様らの最後の日だああぁぁ!!」
ロイン 「そう簡単にやられてたまるか!」
ハイプリースト ふぅううぅぅんんっ!!ムキムキィィィ!)」
ジャイアントA 「おおおぉぉ!!
 大筋肉時代の幕開けだああぁぁっ!!」
ジャイアントB 「ハイプリーストの旦那あっ!!」
ジャイアントC 「こんな華奢なガキの集団っ、
 ひねり潰してやってくだせええぇっ!!」
ハイプリースト うおおおおぉぉぉっっ!!
 死ねええええぇぇっっ!!
三洲次 「攻撃してきますよ!!」
ロイン 「前衛っ!!
 攻撃に備え、盾を前に!!」


ハイプリースト 「バディ」
!!!!


ロイン 「お!」
ランプ 「ポーズとってる時に隙だらけでしたので、
 念のため呪文を封じておきました」
ロイン 「さすが」

ハイプリースト 「むぅ…、こしゃくな…!」
ジャイアントB 「ならば、この鍛え上げた筋肉でっ!!」
ジャイアントC 「攻撃をするのみっ!!」」


「ごほっ!」
ジャイアントA 「やはり時代は、大筋肉時代いいぃっっ!!!」


時代は剣だあああぁぁぁ!!!
ジャイアントA ぎょばごばぁごばぁごばあああぁっっ!!
三洲次 「桃を攻撃するなんて、バカなやつ…」
ジャイアントB 「あぁ! 仲間があっ!!」
ハイプリースト 「ひるむな! 筋肉を信じるんだっ!!
 時代は筋肉だと、分からせてやれ!!」」


今ので学習しろおおおぉぉっっ!!!
ハイプリースト ぎょばごばぁごばぁごばあああぁっっ!!
ジャイアントC 「あぁ! 旦那もやられたぁっ!!」
ジャイアントB 「諦めるなっ! 筋肉は裏切らないっ!!」
ジャイアントC 「おぉ! 時代は筋肉っ!!!」


ロイン 「時代は魔法だっ!!!」
ジャイアント達 「「ぬおおおぉぉぉっっ!!」」
三洲次 「学習能力ゼロかよ…」
ロース 「あなたがそれ言う?」


勝利。


ロース 「暑苦しいだけの連中だったわね」
ロイン 「まぁ、筋肉も大切だが、剣に魔法と…、
 なんでもバランスが大切だ」
三洲次 「宝箱がありましたよ。開けますね」


ランプ 「あいつら、『ソウルスレイヤー』なんて持っていました」
ロース 「新しい武器ね!」
ロイン 「珍しい敵だけあり、いいモノを持ってたな」
三洲次 「名前からして、ちょっと強そうな剣ですね」
ランプ 「ただ、心が悪に染まってる人じゃないと、呪われます」
ブリスケット 「おう…、また悪人専用の装備っすか…」
ロイン 「だが、アイテム運が上向いてきたかも知れない!
 この勢いを維持して、先へ進んでいこう!!」





ブリスケット 「先制できやしたぜ!」
ロース 「ツイてるわね!」
ロイン 「よーし!
 やはり、運が上向いてきたぞ!」
三洲次 「宝箱がありましたよ」
ランプ 「さぁ!アイテムは何でしょうかぁっっ?!」


ランプ 「『幻滅の短剣』………」
三洲次 「……マジか………」


幻滅した....。



ロイン 「よし、今日はここまでだ」
三洲次 「ある意味、壮観ですね…その持ち物……」


……………………


…………


──── ボルタック商店

ロイン 「こんちわ~」
店員(女) 「あら、隊長さん!
 いらっしゃい!」


店員(女) 「観賞用と、保存用と、布教用と……、
 あと1本は何用?」
ロイン 売りに来てるんですっ!!
 何回言えば分かるんですかっ!!?


そんなことよりロインさぁ......、
早くティルトウェイトを学んでくれないかなぁ......。



「41.当たって砕けろ」 へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 13 77 17 18 12 18 17 15 0 レベルアップ、ま~~だ~~??
三洲次 14 53 18 16 9 14 18 17 3 本当にロクなアイテムが出ねぇなぁ…。
13 104 18 18 18 18 18 18 0 何気に よくダメージ喰らうようになった。
ロース 13 104 17 18 18 18 18 14 2 最近 無難すぎて、いつもコメントに困る…。
ランプ 13 46 14 18 18 14 16 10 3 鑑定に失敗したことがなく、そこは助かっている。
ブリスケット 13 115 18 18 16 18 18 11 2 『真っ二つの剣』のお陰で、前衛の戦力に復帰。

 


【更新履歴】
2021年 7月24日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年 9月 9日:次ページへのリンクを設定。
2019年 9月 2日:新規公開。