48.グレーターデーモン襲来!

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



──── 地下10階 ワードナの事務所

仄暗い部屋の一角で、ローブを纏った老魔術師が、壁の方を向き、
テーブルの上にある数々の呪術品を見定めている......。

その老魔術師こそ、トレボーから魔除けを奪った張本人にして、
この事務所の主、かのワードナその人である......。


その彼のところに、1人の煌びやかな服を着たバンパイアロードが、
音も無く近づいてきた......。


バンパイアロード 「ワードナ殿……」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「レベル8ファイター警備隊が壊滅したようです」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「まぁ、すぐに補充されるでしょうが……」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「それより………私の見立てでは、久々にトレボーのところから、ハエが飛んできてるかと……」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「例の協会に任せても良いですが、あそこはどうも頼りないですから……」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「……………………」
ワードナ 「……………………」
バンパイアロード 「いかが致しますか?」
ワードナ 「…………………いつも通りだ」
バンパイアロード 「かしこまりました。
 今回もグレーターデーモンが、完膚なきまでにハエを叩き潰してくれるでしょう」

 


……


……………


……………………


……………………………



──── 場面変わって、地下4階


今回も経験値とアイテムを獲得するため、プライベートエレベーター経由で
地下10階へと向かうローラーレンジャーズ。

が....!!


いきなりワーベアの奇襲を受け、ロースが麻痺!!

てめえええぇぇっ!!!


ワーベア 「ぐぎゅわあああぁぁっ!!」


ランプ 「ディアルコッ!!」
ロース 「はぁはぁ…、ありがとう、ランプ」
ロイン 「いきなり出足をくじかれたな……」
三洲次 「なんか今回の探索は、嫌な胸騒ぎがしますね」
ロース 「ちょっと!不吉なこと言わないでよ!」
三洲次 「杞憂ならいいんだけど……」


とりあえず......、


.... 地下9階へ降り、シュートの玄室の敵を倒し......、


.... 地下10階へ。

通路の途中で......、


.... またもや遭遇したゴーゴンを仕留めつつ......、


.... 第一玄室へ。



ギイイィィ......ッ



三洲次 奇襲だあああぁぁっっ!!!
ロース きゃああぁっっ!!
 なにっ?! なにっ?!!
 今度こそバンパイアなのっっ??!」
ブリスケット いやあああぁぁっ!!!
 ド、ドレインされたくないっすうううぅぅっ!!!
ロイン 「やっぱり、ポイゾンジャイアントなのかああぁっ?!!
ランプ 「止めてぇぇ!!!やめてええぇぇ!!
 私には無理ですうううぅぅっっ!!!
三洲次 ぎゃあああぁぁっ!!!
 助けてええええぇぇっっ!!!
「………………………」
ブリスケット 「……ガクガク……ブルブル………」
ロイン 「………………ん?……………」
ランプ 「…………あ………あれ………?」
ロース 「………え?………どうなったの……?」
「なんか仲間を呼んでるだけだぜ」
三洲次 「あ! 例のブリーブって奴か!?」
「いや、なんかデケぇの」
ロイン 「デケぇの?」
「1匹増えたぜ」





グレーターデーモンっっ!!!

ってか、いきなり増量してるしいいいぃぃっっ!!!


わああああぁぁぁぁぁっっ!!!


....と、思ったが、奇襲の場合は呪文が来ないし、
グレーターデーモンは仲間を呼びまくっていただけなので....、


.... 忍者の攻撃でちょっとダメージを喰らっただけで、奇襲はとりあえず凌げた。

いや......、忍者の攻撃も、十分危険だけどさ。



ブリスケット 「こ……こやつらは……、もしや……」
ランプ 「グレーターデーモンです!!」
   
デーモンA ゴォオオアアアアァァッ!!!
デーモンB シュゥゥゥウウ…ゥゥ……ッ…
ニンジャA 「ふははははははっ!!!」
ニンジャB 「貴様らが、トレボーのハエだな?!
 そうだろ?!」
   
ロイン 「さ……酒場で噂だけは聞いていたが……」
ロース 「実物は……初めて見るわね……」
三洲次 「で……でけぇな………」
ランプ 「直接攻撃、呪文……いずれにも秀でた、この迷宮でも屈指の最強・最悪の悪魔です!!」
   
デーモンC ギィシャアアァァァ……ッ…
デーモンD ギュルルルルルル……ッ…
ニンジャA 「今まで数多くのパーティーが、こいつらに殺されてきたのだっ!!」
ニンジャB 「貴様らも戦ったところで、一瞬にして捻り潰されるのがオチだぞ!!!」
   
ロイン 「よし! 腕試しに、ここはひとつ戦ってみるか!!」
三洲次 「マジっすか……」
ブリスケット 「今のあっしらの実力で、どこまで通用しやすか……?」
   
ニンジャA 「………お、おい!
 なんか会話が噛み合ってないけど、こっちの話し…、ちゃんと聞いてるかっ?!」
ニンジャB 「戦うだけ無駄だ、って言ってんだろっ!!!」
   
ロイン 「今できる、最大の攻撃を叩き込むぞ!!!」
   
忍者A&B 「「俺たちの話しも聞けってぇっっ!!」」


ウィザードリィにおける凶悪な敵のシンボル
グレーターデーモン!!!

ここは腕試しに、戦ってみるぞ!!!


とりあえず、侍の2人は直接攻撃
僧侶のロースは....、


....全体攻撃のマリクト

(補足) この時はまだ、グレーターデーモンの呪文無効化率をナメてました......。


そして、魔法使いのロインは....、


....ティルトウェイト(核爆発による全体攻撃魔法)を、とうとう実戦投入!!!

あ...、厳密には2回目かな?



いざ......、戦闘開始っ!!!

ブリスケット 「ちょえええぇぇっっ!!!」


最近とにかく素早いブリスケットが、一番手で攻撃を与える!!!

勇猛果敢さは見事だが、やはり一発では倒せず!!

デーモンA 「ギィィ……、ガガァァアアアッッ!!!
ブリスケット 「ちょ!やっぱ、一撃じゃ無理っすか?!」
「あたいに任せなっ!!!」


次は、桃!!!

見事1匹にトドメを刺す!!!

本当に頼りがいのあるキャラだっ!!!

デーモンA ギャバババアバアアアァァッッ!!!(ドシャアアァァ…ッ! ! !)」
三洲次 「1匹倒したっ!!」
ロース 「さすがねっ!」
ロイン 「よし!! どうにか、いけそうだな!!」
   
ニンジャA 「てめぇらっっ!!」
ニンジャB 「1匹倒したぐらいで、いい気になるなよっ!!」
   
ロース 「今度は私よっ!!
 マリクトっっ!!!」


が....マリクト、まったく通用せず ! ! !


ニンジャA 「ぎゃあああぁぁっっ!!!」
ニンジャB 「ぎょおおおぉぉっっ!!!」
   
ロース 「ダメ!! 全然通用しないわ!!」
三洲次 「なんかゴチャゴチャ言ってた忍者は死にましたけど…」
ロイン 「ザコなんてほおっておけ!
 今はグレーターデーモンに集中しろ!!」
ブリスケット 「残る頼りは、ティルトウェイトっす!!」
ロイン いくぞっ!!


ロイン 「ティルトウェイトオオォォッッ!!」


ティルトウェイトもまったく通用せず ! ! !

ロイン 「げっ?!」
ロース 「な、なによっ!! こいつらっっ??!」
三洲次 「まだ3匹も居ますよっ!!!」
ランプ 「こ…、これ………、やばくないですか?」

デーモンB マァダァルゥトオオォォッッ!!!
ブリスケット 「えええぇぇっ??!」


ブリスケット 「ぐほおおぉぉっっ!!」


ロイン 「ぐわああぁぁっっ!!」
三洲次 「ロインが50ダメージってっ!!」
ランプ 「まずいですよっ!!」

デーモンC ラァハァリィトオオォォッッ!!
ロース 「立て続けに来るわっっ!!」


ブリスケット 「ふごおおぉぉっっ!!」


ロイン 「ぐぎゃあああぁぁっっ!!」

ブリスケット 「全員、2発目も耐えやしたかっ?!」
ロース 「状況はっ??!」
三洲次 「ランプとロインが、残りH.P.わずかですっ!」
ロイン 「ぐほ……っ」
ランプ 「ぐふ……っ」
ブリスケット 「つまり……」
三洲次 「もう1発攻撃呪文が来たら、マハリトでも死亡ですっ!!」
ロース 「なのに……」
ブリスケット 「まだ1匹、攻撃が残ってるっす!!」


万事休すかっ??!


残る1匹の攻撃はっ??!




三洲次 「ギ……ギリ、助かったっ!!」
ロース 「で、でも………」



わずか1ターンで壊滅寸前 ! ! !


グレーターデーモン....、強すぎるっ! ! !


ロイン 「ぐほ…っ」
三洲次 「こ……これが噂に聞いていた、グレーターデーモン……」
ブリスケット 「あっしらだって……、それなりに強くなったはずでっせ……」
ロース 「なのに、まったく勝ち目が無いなんて……っ!!」
ロイン 「くそ……っ!」
ブリスケット 「大丈夫っすか?ロイン殿?!」
ロイン 「たった……1ターンで……ごほっ!」
ロース 「……………………」
ロイン 「まさか……、こんな命令を………出すことになるとは………」
「…………………」
三洲次 「…………………」


ロイン 撤っ退ぃぃぃっっ! ! !



逃走成功!!!

もし失敗していたら.....、と考えると、
心臓バクバクでしたわ........。


いや、確実に戦闘から離脱するなら、マロール(瞬間移動の魔法)の呪文で戦闘から離脱する
いわゆる「マロール逃げ」があると思うのですが、
この回の時点では、実はまだ知りませんでした......。
ネットで「マロール逃げ」を知るのは、しばらく後でして......。

でも、ロインはノロいから、マロールを唱える前に潰されていた可能性もあり、
あながち「逃げる」の方が、今回は正解だったのかも知れません。


とりあえず、初のグレーターデーモン戦は、
敗走という結果に終わりました。



ここまで手塩にかけて強くしたメインパーティーが、
まさか1ターンでズタボロにされるなんて........。


く......、悔しい........。





残念ながら、被害も甚大だったので、今回は即刻帰還としました。


…………………………


…………………


…………






翌日........。


──── 地下10階 上級魔術師協会 本部

アーチメイジ 「おい! レベル10メイジ!!」
レベル10メイジ 「はい?」
アーチメイジ 「先日入会させたビショップどもは、いつまで代休を取っておるのじゃ?!」
レベル10メイジ 「そう言えば、戻ってきませんね」
アーチメイジ 「代休の日数は、とっくに過ぎてるはずじゃ!!
 探し出して、連れて帰ってこい!!!」
レベル10メイジ 「えぇ~…、私がですかぁ?」
アーチメイジ 「そうじゃ!
 さっさと探して来い!!」
レベル10メイジ 「へいへい、分かりました……」


………


………………


………………………


──── 地下4階 プライベートエレベーター


ブリスケット 「また奇襲っすかっ?!」


ブリスケット 「いでででっっ!!」

プライベートエレベーター前、2回連続で奇襲......。


とりあえずやり返して、地下9階へ。

そして、シュートの玄室。


ブリスケット 「こっちもっすかっ?!」


ブリスケット 「ぐほぉっっ!!」


今回は、まさかの2連続の奇襲........。

三洲次 「なんか今回の探索も、嫌な胸騒ぎがするな…」
ロース 「ちょっと!
 変な敵が また出てきそうだから、そういうこと言うの止めてよっ!!」
ロイン 「まさか、またグレーターデーモンが出てこないだろうな…」
ランプ 「早く武器・防具を充実させないと、厳しいですね!」
三洲次 「話しを無理やりアイテムに結び付けようとしてない…?」



とりあえず、地下10階へ........。


...... 第一玄室。


ブリスケット 「………………………………」
ロイン 「おい……、早く開けろよ」
ブリスケット 「え?! は……入るっすか?」
ロイン 「何しに来たんだよ?」
ブリスケット 「いや……あのグレーターデーモンたちが、
 まだ待ち構えてたりしねぇっすか?」
ロース 「男のくせに、怖気ついてるのね」
ブリスケット 「そういうこと言いやすか?
 じゃ、遠慮なくロースはんから、どうぞ!」
ロース 「わ……私は、いいわ!
 いつも通り、後から入るから!」
ブリスケット 「ロースはんも怖気ついてるじゃねぇっすか!!」
ロース 「べ、別に怖気ついてなんかないわよっ!!」
ブリスケット 「レディファーストっすよ!!
 さぁ!!」
ロース 「ちょっと!!
 こういう時だけ、レディ扱いしないでよっ!!」
ガチャ、ギイイィィ......ッ)
ブリスケット 「ちょっ! っちぃぃっっ!!」
ロース 「ま、待ってよっっ!!
 まだ心の準備が…っ!!」
「………なんかまた、アレが浮いてるぜ」
ブリスケット 「へ?」
ロース 「へ?」



..........ほっ。

ロイン 「心配し過ぎだぞ、みんな」
三洲次 「この玄室で出たってことは、
 もしかして、桃が倒したグレーターデーモンの人魂かな?」
ランプ 「ちょうど倒した1匹分ですね……」
ブリスケット 「やはり桃っちに倒された怨念で現れた、っすかね…?」
ロース 「この敵って、本当にそういう敵なの…?」



ふごぉっ ! !
   
てめえええぇぇっっ!!!
 魂ごと存在を消してやるっっっ!!!



「けっ!」

とりあえず、今回も桃がぶっ倒してくれた。


宝箱からは「良い短剣」をゲット。

そして、第二玄室へ......。


ブリスケット 「どれ……」

ギイイィィ......ッ




レベル10メイジ 「ん? ビショップたちか?」
ブリスケット あーーーーーーっ!!!
 上級魔術師協会っ!!!
レベル10メイジ あーーーーーーっ!!!
 ローラーレンジャーズっ!!!
三洲次 「嫌な胸騒ぎがしてたけど、まさかこいつらとは……」
レベル10メイジ 「なんで、ここに……?
 まぁ、いい。
 ちょうど良かった。
 お前ら、レベル8ビショップの奴らを知らないか?
 確か、この玄室に居るはずなんだが……」
ロイン 「この前、倒した」
レベル10メイジ 「おぉ!なるほど!
 そりゃ、居るはずないな!
 なっとく、なっと………なにいいいいぃぃぃっっ?!!
三洲次 「納得するか驚くか、どっちかにしろよ…」
レベル10メイジ 「お前らっっ!!!
 ここでも狼藉を働くかっ!!?
 ゴーゴン!! やってしまえ!!!」


ブリスケット 「あじゃじゃっじゃあっ!!」
レベル10メイジ 「まだまだぁっ!!!
 ラハリトぉぉおっっ!!!」


ブリスケット 「ひゃばあああぁぁっっ!!」
うぜえええぇぇっっ!!!



ロース 「倒したわ」
ロイン 「ご苦労。
 しかし、こちらもちょっと油断したな」
三洲次 「やっぱ、ロクな目に遭わなかった……」
ランプ 「さぁ、さぁ!! 終わったことは忘れて、
 お宝タアアァァーーイムッ!!!
ロース 「カルフォ!!」


三洲次 「どれどれ………。
 あぁ…そうですね、ガス爆弾ですね」
ランプ 「さぁ!! 三洲次!!!
 宝箱、オーーーープッぶほおぉっ!!


ランプ ぐはっ!げはっ!!
ロイン 三洲次いいぃぃっっ!!
三洲次 「いや~……嫌な胸騒ぎの正体って、こっちだったのかも…」
ロース 「もう…、なにやってんのよ……。
 ほら、治療するから、キャンプを…


??? 「てやあああぁぁっ!!!」
ロース 「え?!」

宝箱のシーンが終わった途端、いきなり連戦!!


しかも、敵の奇襲!!!


「ちっ!(ひょいっ!)」
ファイターA 「へ?」
三洲次 「な、なんだっ?!」
てめえええぇぇっ!!!


あたいを狙ってくるなんざぁ
 いい度胸じゃねええぇぇかああぁぁっっ!!!
ファイターA ぐぎゃぎゃぎゃびゃびゃびゃゃゃぁぁっっ!!!
ロイン 「やれやれ……」

レベル8ファイターごときで、しかも1匹で助かった。


しかし今回は、なんかいろいろ疲れる冒険だったな......。


なお、今回の冒険の戦果は....、


「良い短剣」「幻滅の短剣」であった。


探検ばっかりしてるから、短剣ばっかり。


お後がよろしいようで。



「49.またかよ……」へ


とりあえず、現在の状況です。

名前 LV H.P. コメント
ロイン 14 84 18 18 13 18 18 14 0 危うく死にかけた。高H.P.でも油断できないとは…。
三洲次 16 72 18 18 11 16 18 18 3 前回あんなこと書いたから、ネタ提供しやがった。
13 104 18 18 18 18 18 18 0 あまり書かなかったけど、今回攻撃喰らいまくり。
ロース 14 109 18 18 18 18 18 15 2 前回あんなこと書いたから、やっと敵を倒した。
ランプ 14 51 15 18 18 15 17 11 3 今回も「炎の杖」に助けられた。
ブリスケット 13 115 18 18 16 18 18 11 2 目立つ活躍が無いから、やられシーンの方が多い。

 


【更新履歴】
2021年 7月17日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年11月10日:リンク切れを修正。
2019年11月 4日:次ページへのリンクを設定。
2019年10月27日:新規公開。