98.マイルフィックの再臨
【登場人物】 | |
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サーロイン | ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。 |
三洲次 | 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。 |
桃 | 元接近戦最強の少女。現在は盗賊。すぐキレる。 |
ロース | こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。 |
ランプ | お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。 |
ブリスケット | 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。 |
読了時間 (目安):約10分
──── ギルガメッシュの酒場 早朝......
サーロイン | 「では、本日もアイテム全種類入手を目標に、地下10階を回って行こう!」 |
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ロース | 「ここ最近、新しいアイテムが出ていないから、そろそろ出てほしいわね」 |
サーロイン | 「そうだな。 できれば『回復の指輪』が出てほしいところだな」 |
ブリスケット | 「この前と言っていることが逆でっせ」 |
サーロイン | 「やはり治癒呪文を節約できるのは大きいからな!」 |
三洲次 | 「一緒に歩いて治す仲間が欲しくなっただけでは?」 |
サーロイン | 「いや、そんなことは………ちょっとはあるけど………」 |
とりあえず、まだ出ていないアイテムは、次の4種類です。
・守りの盾
・手裏剣
・回復の指輪
・破邪の指輪
──── 地下10階
4代目上級魔術師協会 本部
アーチメイジ | 「ハイウィザードよ!! なんとしてもローラーレンジャーズを倒すのじゃっ!!」 |
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ハイウィザード | 「は!お任せ下さい! これだけの数で奇襲すれば、奴らもただではすまないでしょう! なんとしても、奴らを倒してまいります!」 |
アーチメイジ | 「うむ! 任せたぞ!」 |
…………
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──── 地下10階 第一玄室(1周目)
初戦は、あっさり勝利。
でも、アイテムは「腐った皮鎧」だった。
残念。
──── 第二玄室(1周目)
バンッ! ← 扉を蹴破った音
??? | 「奴らが来たぞっ!!!」 |
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??? | 「殺ってしまえええぇっ!!」 |
サーロイン | 「え?!」 |
サーロイン | 「ふおおおおぉぉっっ!!?」 |
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いきなりブレスの波状攻撃っ!!!
ビショップA | 「きえええぇぇっっ!!」 |
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ブリスケット | 「ぐわああぁっ!!」 |
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ビショップB | 「ちょえええぇぇっっ!!」 |
ブリスケット | 「ぎひいぃっ!!」 |
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ハイウィザード | 「死ねえええぇぇっっ!!!」 |
ブリスケット | 「ぐふぅっ!!」 |
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....そして奇襲ターンが終了。
思ったよりダメージは大きい方か?
ってか、ブリスケットが集中攻撃を喰らい、特にダメージがデカイな。
ハイウィザード | 「思い知ったか、ローラーレンジャーズめっ!!!」 |
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サーロイン | 「ぐほっ………またか…っ!」 |
ハイウィザード | 「者どもっ!! 敵は弱ってるぞ!! 攻撃の手を休め…」 |
ロース | 「ティルトウェイトっ!!」 |
ハイウィザード | 「え?!」 |
敵たち | 「「ひぃぎゃああああぁぁっっ!!」」 |
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ロース | 「はい、一丁あがり!」 |
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サーロイン | 「まったく、しつこい奴らだ」 |
ブリスケット | 「敵も躍起っすね」 |
ランプ | 「では、宝箱を開けましょう!!」 |
三洲次 | 「せめて何か良いアイテムが出れば……」 |
三洲次 | 「金だけかよ……」 |
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ランプ | 「お金が手に入ったから、いいじゃないですか!」 |
ブリスケット | 「このやりとり、もう飽きたっす……」 |
ロース | 「しかも、ここ最近見ないぐらい額がショボイわね」 |
サーロイン | 「しけてるな、上級魔術師協会も」 |
1周目は成果無しで終了。
……………………
…………
──── 上級魔術師協会 本部
Lv10メイジ | 「ハイウィザード様がやられましたっ!!」 |
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アーチメイジ | 「くそっ! またかっ!?」 |
Lv10メイジ | 「こうなったら、外部の荒くれ者どもを雇いましょう!」 |
アーチメイジ | 「大丈夫なのか?」 |
…………
……………………
──── 地下10階 第一玄室(2周目)
ハイプリースト達 | 「「ふぎゃああああぁぁぁっっ!!!」」 |
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……………………
…………
──── 上級魔術師協会 本部
Lv10メイジ | 「ダメでした」 |
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アーチメイジ | 「早っ!!」 |
Lv10メイジ | 「では、速攻をウリにする傭兵を雇います!!」 |
アーチメイジ | 「今度こそ大丈夫なんじゃろうなっ?!」 |
…………
……………………
──── 第二玄室(2周目)
??? | 「てやあああぁぁぁっっ!!」 |
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三洲次 | (ひょい!) |
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サーロイン | 「撤退!」 |
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ファイター | 「え?」 |
バタンッ!!
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…………
──── 上級魔術師協会 本部
Lv10メイジ | 「傷1つ付けられなかった上に、相手にもされませんでした!!」 |
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アーチメイジ | 「なんじゃそりゃあっ?!」 |
Lv10メイジ | 「では、そこら辺にいるドラゴンゾンビにしましょう!!」 |
アーチメイジ | 「テキトー過ぎじゃろっ!!! ダメダメなのが見え見えじゃわっ!!」 |
…………
……………………
──── 第二玄室(2周目その2)
ドラゴンゾンビA | 「ゴゥオオオオォォォッッ!!」 |
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サーロイン | 「ぐわあああぁぁっ!!!」 |
ブリスケット | 「あじゃじゃじゃっっ!!」 |
ロース | 「テ、ティルトウェイトっっ!!」 |
三洲次 | 「はぁ…はぁ……先にブレスを吐かれるなんて……」 |
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サーロイン | 「ぜぇ…ぜぇ……まさか3匹ていどで苦戦するとは……」 |
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…………
──── 上級魔術師協会 本部
Lv10メイジ | 「意外と善戦しました」 |
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アーチメイジ | 「『意外と』の意味を説明しろ」 |
Lv10メイジ | 「では、次はそこら辺にいるマーフィーでも……」 |
アーチメイジ | 「やつらを倒す気無いじゃろっっ!!!」 |
Lv10メイジ | 「いやぁ~、もう何やっても無駄な気がして……」 |
アーチメイジ | 「またか………。 こんな失態ばかり繰り返しておったら、 いずれワードナ様のお耳に入り、叱責を受けるのは時間の問題じゃ……」 |
Lv10メイジ | 「今、対ローラーレンジャーズ専門の暗殺部隊を3チーム用意してるじゃないですか? もう彼らの特訓が終わるのを待った方がいいかと……」 |
アーチメイジ | 「いや………止むを得ん……!! その対ローラーレンジャーズ専門の暗殺チームの中から、 今すぐ"レベル10メイジ6人衆"を呼ぶんじゃっ!!」 |
Lv10メイジ | 「え? 今も言った通り、暗殺チームはどれも訓練中ですが…?」 |
アーチメイジ | 「もはや背に腹は代えられん!! ワードナ様に醜態を知られる前に、なんとしても結果を出すのじゃ!!!」 |
…………
……………………
──── 第二玄室 戦闘後......
ランプ | 「第一玄室は『最強の短剣』、 第二玄室は『歪んだ盾』でした」 |
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ロース | 「ここ最近、ロクなアイテムが出ないわね……」 |
ブリスケット | 「『歪んだ盾』って、けっこう仰山出てきやすね」 |
サーロイン | 「ここで戦闘に敗れると、装備はボロボロになるだろうから、 そういう全滅したパーティーの装備を頂いて、宝箱に入れてるのかもな」 |
三洲次 | 「ボロボロになった物なんて、取っても役に立たないだろうに」 |
ロース | 「ゾンビなんかが、そんな理性的な判断してるとは思えないわ」 |
ランプ | 「単純に気になったモノを取っていくだけなんでしょう」 |
サーロイン | 「とりあえず、城に戻ろう」 |
2周目も成果無しで帰還へ......。
──── 地下10階 第一玄室(3周目)
サーロイン | 「よし! 問題無し!」 |
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三洲次 | 「ランプは詠唱が早いから、安心して戦えますね」 |
サーロイン | 「うむ」 |
桃 | 「宝箱があったぜ」 |
アイテムは「古びた兜」。
いや、「古びた兜」って、未入手アイテムとして最初にリストアップしたので、
入手を目標にはしたけど、もう4個目だよ......。
もう要らないから、もっとまともな未入手アイテムが出てほしい......。
サーロイン | 「また『古びた兜』か……」 |
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ランプ | 「ま、高く売れるから良いじゃないですか」 |
ブリスケット | 「金だけ手に入って、今さら喜ぶのはランプはんだけでは…?」 |
三洲次 | 「……そのやりとり、もう飽きたんじゃなかったのか?」 |
サーロイン | 「次の玄室に希望を託そう」 |
──── 第二玄室(3周目)
ランプ | 「『極上の鎧』でした」 |
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三洲次 | 「ドラゴン達の間で、鎧を集めるのって流行ってますよね……」 |
ロース | 「最近、ロクなアイテムが出てこないわね」 |
サーロイン | 「じゃ、今日はもう1周だけ頑張ってみるかな」 |
3周目も、またまた成果無しで帰還に......。
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…………
……
──── 地下10階 ワードナ事務所
この地下迷宮は、ジャイアントやグレーターデーモンが暴れるのに十分な大きさを誇るが、
中でも地下10階は特に広い空間で造られており、それはワードナの事務所も例外ではなかった。
それゆえ、事務所の中には多くの燭台があるものの、灯りは床の辺りを照らすのが精いっぱいで、
上部はかろうじて天井が見える程度の薄暗い空間が広がっていた。
今、その広い事務所の中央には、扉を背にして玉座が鎮座しており、
その玉座には書物に目を通しているワードナが、身動き一つせず静かに座っていた。
しばらくして、バンパイアロードが事務所の中に音も無く入って来ると、
背を向けている玉座の側まで歩み寄って来た......。
バンパイアロード | 「ワードナ殿。 上級魔術師協会の動きが、最近また慌ただしくなってきました」 |
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ワードナ | 「………………………………」 |
バンパイアロード | 「どうも、以前来ていたローラーレンジャーズなるハエが、 また地下10階を飛び回っているようです」 |
ワードナ | 「………………………………」 |
バンパイアロード | 「これまでを見ていると、まぁ……協会の手には負えないでしょう」 |
ワードナ | 「………………………………」 |
バンパイアロード | 「今はまだ、第二玄室辺りをウロウロしているようですが、 放っておくと、その内ここまで飛んで来るかと」 |
ワードナ | 「………………………………」 |
バンパイアロード | 「………………………………」 |
ワードナ | 「………………………………」 |
バンパイアロード | 「…………どうされますか?」 |
ワードナ | 「そいつらが姿を見せなくなり、残念がってた奴がいる。 ちょうどいい、教えてやれ」 |
バンパイアロード | 「承知致しました。 マイルフィックなら既に肉体は蘇生し、近くで暇を持て余しているはずです。 声をかけておきます」 |
バンパイアロードは踵を返して部屋を出ようとしたが、踏み出そうとした足を止めると......
バンパイアロード | 「ワードナ殿………、 前から思っていたのですが………椅子の背を扉に向けて座らない方が良いかと………」 |
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ワードナ | 「………………………………」 |
バンパイアロード | 「闖入者が来た時に、良くないのでは……?」 |
ワードナ | 「この背もたれは魔法を通さぬ………」 |
バンパイアロード | 「ほぉ……盾になっていましたか…………」 |
ワードナ | 「だいたい………このオレ様が、背後の敵に気付かぬほど、鈍感だと……?」 |
バンパイアロード | 「失礼、口が過ぎましたな………」 |
ワードナ | 「………………………………」 |
バンパイアロード | 「………………………………」 |
バンパイアロードはさらに何か言いかけたが、思い直して口を閉じると、
そのまま部屋から出ていった。
バンパイアロードが部屋から出ていくと、事務所の中は再び静寂が戻り、
蝋燭の炎のゆらめきだけが部屋の中の変化を彩っていた........
……
…………
……………………
………………………………
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では、4周目です。
──── 地下10階 第一玄室(4周目)
引き続き、良いアイテムを持つ魔物が出るまで、玄室の出入りを繰り返します。
バンッ!
:
:
:
:
サーロイン | 「ザコのフルコースでも頼んだっけ?」 |
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ブリスケット | 「こげにザコばかりなんは、久しぶりっすね……」 |
ランプ | 「弱い魔物は貧弱なアイテムしか持ってませんからね。 もっと強い魔物を狙っていきましょう!」 |
サーロイン | 「じゃ、もう一度入ってみよう」 |
バンッ!
ジャイアントA | 「シャアアアアァァァッ!!」 |
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ジャイアントB | 「グウウウウゥゥッッ!!」 |
ジャイアントC | 「シュウウウウゥゥゥッ!!」 |
サーロイン | 「よし! 強い魔物が出てきたぞ!!」 |
ブリスケット | 「頑張ったかいがありやした!」 |
ランプ | 「では……」 |
サーロイン | 「うむ、さすがランプだ!」 |
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三洲次 | 「じゃ、残りは俺が(スラッ!)」 |
三洲次 | 「片付けました」 |
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ランプ | 「お! 宝箱がありましたよ!」 |
ランプ | 「『真っ二つの剣』………」 |
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ロース | 「微妙ね」 |
サーロイン | 「仕方ない。 次に希望を託して、第二玄室に向かうとしよう」 |
桃 | 「あの……先に、あたいの毒………治してくれねぇかな………」 |
三洲次 | 「……………………」 |
──── 第二玄室(4周目)
サーロイン | 「では、こちらでも、強い魔物を狙っていこう!」 |
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ブリスケット | 「強ぇ魔物、来いっす!!」 |
ガチャ!
三洲次 | 「(無理!無理!無理!)」 |
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ブリスケット | 「(逆に強過ぎっす!)」 |
サーロイン | 「(閉めろ!閉めろ!)」 |
......ソ~~..........パタン!
ブリスケット | 「………ふぅ…………」 |
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三洲次 | 「やれやれ………」 |
サーロイン | 「………………………………、 よし、もういいだろう」 |
ガチャ!
サーロイン | 「次は……?」 |
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??? | 「久しぶりだな………」 |
サーロイン | 「え?」 |
げっ?! マイルフィック!?
マイルフィック | 「元気だったかっ?! 腐った玉子どもよっ!!!」 |
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サーロイン | 「ぬおおおぉぉぉ!?」 |
三洲次 | 「マ……マイルフィック!!」 |
ブリスケット | 「や、やべぇっす!!」 |
ランプ | 「これは最高級のお宝ゲットのチャァーンスッ!!!」 |
ロース | 「ちょっと、ランプ! こんな時に、なんでそんなにポジティブなのよっ?!」 |
マイルフィック | 「ククク………賑やかだな………。 そんなお前らには、永遠に喋れなくなるという、 最高の体験をプレゼントしてやろうじゃないかっ!!!」 |
ランプ | 「………モンティノ?」 |
ロース | 「バカ!! 『死ね』って言われてるのよっ!!!」 |
マイルフィック | 「お前らとまた仕合えるこの瞬間を、 楽しみにしていたぞっっ!!!」 |
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三洲次 | 「な……南無三……っ」 |
サーロイン | 「マイルフィックだけに気を取られるなっ!! 後続のポイゾンジャイアントにも気を付けろっ!!」 |
ランプ | 「そいつらは私に任せて下さい!! 皆さん、マイルフィックに集中をっ!!」 |
ブリスケット | 「今のあっしらで、こやつに通用しやすか……」 |
マイルフィック | 「覚悟はいいかぁっ!!?」 |
ロース | 「やるしかないかわっ!!」 |
サーロイン | 「く……くるぞっっ!!」 |
マイルフィック | 「では最初に、口のきき方を知らない小僧おおぉぉっっ!!」 |
三洲次 | (…!?) |
マイルフィック | 「まずは盗賊のおまえからだあぁぁっっ!!!」 |
桃(盗賊) | 「………………………………」 |
マイルフィック | 「………………………………」 |
桃 | 「………………………………」 |
マイルフィック | 「……………ぇ…………?」 |
桃 | 「………………………………」 |
マイルフィック | 「…………小……僧…………?」 |
桃 | 「………………………………」 |
マイルフィック | 「ぁあ?! なんだっ?! おまえ、女になったのかっ??!」 |
桃 | 「はぁあ?!」 |
サーロイン | 「そっちかよ………」 |
三洲次(侍) | 「その口のきき方を知らない小僧ってのは、 この俺だあああぁぁっ!!」 |
マイルフィック | 「なにっ?!」 |
三洲次 | 「だあああああぁぁぁっっ!!!」 |
マイルフィック | 「ぐふぉおっ!!!」 |
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三洲次 | 「ゆ……油断大敵ぃぃっ!!!」 |
ロース | 「やったわ!!」 |
サーロイン | 「一撃で決めたかっ?!」 |
マイルフィック | 「く………くくく………っ」 |
三洲次 | 「……はぁ………はぁ………」 |
マイルフィック | 「まさか………入れ替わってフェイントをかけるとは………予想外だったぞ……っ!」 |
三洲次 | 「転職して、互いに職業を変わっただけだっ!!」 |
マイルフィック | 「ふふ……ふははは………、 そういう………ことか…………」 |
サーロイン | 「…………………………」 |
ランプ | 「マイルフィックの身体が……煙に包まれていく……」 |
マイルフィック | 「いいだろおっ!!! 今回は負けを認めてやるっ!!!」 |
桃 | 「…………………………」 |
マイルフィック | 「だが、我は不死身っ!!! 我は不滅っ!!!」 |
サーロイン | 「…………………………」 |
マイルフィック | 「我は死しても蘇る!!!!」 |
ランプ | 「…………………………」 |
マイルフィック | 「小僧おおぉぉぉっ!! これまでの借りは、いずれ3倍にして 返してもらうからなぁっっ!!!」 |
三洲次 | 「…………………………」 |
マイルフィック | 「また手合わせしようぞっ!!!」 |
ブリスケット | 「…………………………」 |
マイルフィック | 「はぁーーはっはっはっはっはっ…… ! ! ! 」 |
ロース | 「また……煙と共にかき消えていったわ……」 |
三洲次 | 「………勝った!! 勝ったぞぉっっ!!!」 |
サーロイン | 「見事だ!! 三洲次!!」 |
ランプ | 「ロイン、そこをどいて下さい!! まだ戦いは終わっていません!!」 |
サーロイン | 「おっと、忘れてた」 |
ジャイアント達 | 「「ギシャアアアァァァッ!!」」 |
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ランプ | 「これで脅威は取り除きました!!」 |
サーロイン | 「うむ。 では、後は………」 |
サーロイン | 「……余裕だな」 |
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ランプ | 「アイテム ターーーイムッ!!! さぁ、桃!! 宝箱オーーーーープンッ!!」 |
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桃 | 「うぃ……じゃ……」 |
桃 | 「開いたぜ」 |
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ランプ | 「どれどれどれどれ……!! おぉ!! 鎧が入ってますよ!!」 |
ブリスケット | 「お…、杖も入ってやすぜ」 |
ランプ | 「よぉーーーし!! それでは、鑑定を!!」 |
ロース | 「2個もあったのなら、期待できそうね!」 |
サーロイン | 「そうだな」 |
三洲次 | 「前回マイルフィックと戦った時は、何が出ましたっけ?」 |
サーロイン | 「『腐った皮鎧』だったな」 |
三洲次 | 「あぁ、そういやショボかったですね……。 それで、今回は?」 |
ランプ | 「『腐った皮鎧』………」 |
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三洲次 | 「はあ?!」 |
ブリスケット | 「またっすか……」 |
ロース | 「え? なに? あいつ、腐った皮鎧を集める趣味でもあるの?!」 |
ランプ | 「とんだ期待ハズレですよ………」 |
サーロイン | 「もう1つの『つえ』は?」 |
ランプ | 「『沈黙の杖』……」 |
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サーロイン | 「もしかして……」 |
三洲次 | 「『永遠に喋れなくなる』プレゼントって……」 |
ブリスケット | 「これのことっすか……?」 |
ロース | 「え? あいつ、こんなダジャレ言うために出てきたの?」 |
サーロイン | 「いや……違うと思うけど………ってか、そう思いたい………」 |
第二玄室まで来たし......、
.... 本日はここまで!
名前 | 職 | LV | H.P. | 力 | 知 | 信 | 生 | 早 | 運 | 吸 | 死 | コメント |
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サーロイン | 君 | 12 | 95 | 18 | 16 | 15 | 16 | 14 | 11 | 1 | 0 | このままH.P.2桁だと、地下10階は厳しいか? |
三洲次 | 侍 | 12 | 124 | 17 | 14 | 14 | 16 | 16 | 18 | 3 | 3 | やっと彼もレベル13が見えてきた。 |
桃 | 盗 | 15 | 155 | 18 | 18 | 17 | 17 | 15 | 17 | 0 | 0 | どう見ても、やっぱり侍が似合っている能力だ。 |
ロース | 魔 | 14 | 155 | 14 | 18 | 18 | 17 | 18 | 10 | 0 | 2 | 邪魔する奴はティルトウェイト一発でダウンさ♪ |
ランプ | 司 | 19 | 88 | 18 | 18 | 18 | 16 | 18 | 14 | 0 | 9 | アイテムの売却でひたすら金だけ溜まっていく。 |
ブリスケット | 僧 | 13 | 112 | 14 | 18 | 18 | 15 | 16 | 12 | 3 | 4 | 力が弱い。美濃と交代かな?美濃も力が弱いか… |
──── ギルガメッシュの酒場 夕食時....
今宵も酒場の片隅には、鎧を脱いで軽装になった屈強な肉体の戦士、
旅の時と同じローブに身を包んだままの長身の魔法使い、
アルバと呼ばれる内着だけになってくつろいだ司教......等々、
数多くの冒険者たちが、ブリスケットを取り囲んでいた。
彼らを前に、ブリスケットは手持ちの袋から「紙」と「ハサミ」を取り出すと......
ブリスケット | 「え~、こちらに取り出しましたるは、真っ白な紙と、 それを切るハサミでごぜぇやす」 |
---|---|
客たち | 「「…………………………」」 |
ブリスケット | 「今宵はこのハサミで紙を切りやして、皆さまのご希望の形をお作りいたしやす」 |
客たち | 「「ほぉ~……………」」 |
ブリスケット | 「では、何か切ってほしいご注文はありやすか?」 |
客A | 「グレーターデーモンっ!!」 |
ブリスケット | 「はい、お客様のご注文です。 『グレーターデーモン』でごぜぇやす。 では、さっそく切ってまいりやしょう」 |
チョキチョキチョキ…… | |
客たち | 「「…………………………」」 |
………
………………
ロース | 「今日もご盛況ね」 |
---|---|
ランプ | 「何ですか、あれ?」 |
三洲次 | 「『紙切り』っていう日本の芸です」 |
サーロイン | 「あれも日本の芸なのか?」 |
三洲次 | 「えぇ、神道の儀式から派生したらしいですよ」 |
ロース | 「ふ~ん……」 |
三洲次 | 「1回ハサミを入れるだけで形を作る、一筆書きみたいな切り方がウリです」 |
サーロイン | 「ほぉ~……リクエストを聞いてたが、リクエストに応えるのが難しそうだな」 |
三洲次 | 「あと、切ってる間お客を退屈させちゃいけないから、話術も無いとダメですね」 |
ロース | 「ブリ助って、そういうのどこで覚えてきたのかしらね……」 |
桃 | 「ガツガツガツガツガツッ!!」 |
…………………
………
ブリスケット | 「ところで、ここギルガメシュの酒場ってぇのは、いろんなお客さんがおりやすよねぇ……」 |
---|---|
チョキチョキチョキ…… | |
客たち | 「「…………………………」」 |
ブリスケット | 「酒を飲みながらカードで賭け事をする人とか、 店内で喧嘩を始める荒くれ者とか、 酔い潰れて寝てる旅人とか………」 |
チョキチョキチョキ…… | |
客たち | 「「…………………………」」 |
ブリスケット | 「で、まぁ、半年ほど前でしたかねぇ……、 あっしがいつものようにですねぇ、 『何か切ってほしいリクエストはありやすか? なんでも切りますよ!』 って聞いたんですわ……」 |
チョキチョキチョキ…… | |
ブリスケット | 「そうしたら、カードで賭け事をしていた人がこっちに来て、手を差し出すんすよ……」 |
チョキチョキチョキ…… | |
ブリスケット | 「『何すか?』と思い、そやつの手を見たら、カードの束が乗ってやしてねぇ……」 |
チョキチョキチョキ…… | |
ブリスケット | 「どうもカードをシャッフルして(きって)ほしいんだそうで………」 |
チョキチョキチョキ…… | |
ブリスケット | 「ハサミを持ったあっし相手に、勇気ありやすよねぇ」 |
客たち | 「ぷっ……」「はは……」 |
ブリスケット | 「で、また『他に切ってほしいものはありやすか?』って聞いたら、 今度は喧嘩をしていた荒くれ者の2人が、突然こっちに向かって来たんすよ………」 |
チョキチョキチョキ…… | |
ブリスケット | 「『な、なんすか?』とビビッてたら、突然2人揃って大声で………」 |
チョキチョキチョキ…… | |
ブリスケット | 「『『こいつとの縁を切ってくれっ!!』』って」 |
客たち | 「クク……」「ハハハ……」 |
ブリスケット | 「まぁ、ハサミじゃ切れねぇんで、 無視して『切れるのは紙だけでっせ、他に切ってほしいものはないっすか?』って聞いたら、 今度は酔い潰れて寝てた旅人が、ガバッ!と起きて……」 |
チョキチョキチョキ…… | |
ブリスケット | 「『長旅で伸びたから、頼むよ!』 いや、その髪じゃなくてですねぇ………」 |
客たち | 「ふはは……」「くっくっくっ……」 |
ブリスケット | 「なんて喋ってる内に、グレーターデーモンが出来上がりやした。 ………はいっ!!」 |
ブリスケットが差し出した切り絵は、
巨大な羽を持ったグレーターデーモンのシルエットであった。
客たち | 「「おおおぉぉ~~っ!!(パチパチパチ!)」」 |
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ブリスケット | 「さて、こちらはどなたのリクエストで?」 |
客A | 「俺だ!」 |
ブリスケット | 「では、このグレーターデーモンはお土産にお持ち帰りくだせぇ」 |
客A | 「お、サンキュー」 |
客は切り絵を受け取るのと同時に、ブリスケットの手に何かを手渡した......。
ブリスケット | 「いつもありがとうごぜぇやす」 |
---|
…………
……………………
ロース | 「あら……今、何か受け取った?」 |
---|---|
三洲次 | 「切り絵をもらったお礼のチップですよ」 |
ランプ | 「チップ………!」 |
桃 | 「ガツガツガツガツガツッ!!」 |
サーロイン | 「そう言えばブリ助は、パーティーに参加する前って、酒場で芸を見せて稼いでたな」 |
ロース | 「誘うとパーティーが一気に金持ちになるだろうからって、ランプが声をかけたけど、 毎日飲んで使ってたから、所持金がパーティーで一番低かったわね」 |
三洲次 | 「ありましたね、そんなこと」 |
サーロイン | 「冒険が終わっても、ブリ助ならあれで食っていけそうだな」 |
ランプ | 「そうか……よし! 私も何か芸を覚えますか!」 |
ロース | 「あなた、お店を開くんじゃなかったの?」 |
三洲次 | 「どうせ小遣いが欲しくなっただけなんだろ?」 |
ランプ | 「いや、そんなことは………ちょっとはあるけど………」 |
【更新履歴】
2021年 8月21日:一部の表現を見直しました。
2021年 6月 5日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年11月21日:次ページへのリンクを設定。
2020年11月14日:新規公開。