26.ガンバレ!ニッポン!

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約6分



今回から、ロイン(魔法使い)マスターレベル(レベル13)になるまで、地下3階でひたすら経験値稼ぎを続けます。

ロイン 「では、地下3階へ向かおう!」
ロース 「はい、はい」
ランプ 「ま、慣れた場所ですし、焦らず行きましょう」
ロイン 「何を言ってる!
 タイムアタックの時と同じスピードで戦うぞ!」
ブリスケット 「え?!
 あの時、めちゃくちゃハイスピードで戦ってやしたぜ?」
ロイン 「そのペースを維持しないと、目標日数でレベルアップできないだろ?
 分かったら、スピード重視でいくぞっ!!」

という訳で、まずは地下3階へと向かい.....、

 バタバタバタ


固定戦闘ポイントへと向かう!!!

 ドタドタドタ
 (バンッ!!) ← 扉を蹴破った音



ロース 「きゃあっ!!あぶないっ!!」


「ほぉごっ!!」

ロイン 「いきなり運が悪かったが、怖気づくなっ!!
 ガンガン行くぞっ!!」
   
 ダダダダダダ
 (バンッ!)



ブリスケット 「いでででっっ!!」


「ぬわっ!!」

ロイン 「ひるむなっ!!
 スピード重視だっ!!
 どんどん行くぞっ!!」
   
 
 (バンッ!)



ロース 「いやああぁぁっ!!」


「ぐはっ!!」

ロイン 「これで二の足を踏んではいけないっ!!
 まだまだ行くぞっ!!」
   
 
 (バンッ!)



ブリスケット 「うごぉっっ!!」


「ぎっ!!」

ロイン 「まだだっ!!
 ひたすら……」
   





ロース 「明らかにおかしいでしょ!!」
ブリスケット 「奇襲され過ぎっす!!!」
ロイン 「いや…、まぁ…、なんとなく、そんな気はしていたけど……」
ランプ 「”気”がするんじゃなくて、明らかに奇襲が多いです!」
ロイン 「なんでだろう?」
三洲次 「分かりきってますよ。
 バタバタと音立てて走り過ぎですよ」
ロース 「あんなに音を立ててたら、敵にすぐ気付かれるわよ」
ランプ 「もっと静かに行動しましょうよ」
ロイン 「歩け、ってこと?
 でも、それじゃぁスピード出ないしなぁ…」
ブリスケット 「前衛の苦労も考えて下せぇ!!」
ロイン 「しょうがない。
 では、通路はいつものペースで移動するか」
   
三洲次 「それと、もう1つ問題が…」
ロイン 「ん?」
三洲次 が、奇襲でやられ過ぎですよ」
ロース 「そう言えば、ほぼ毎回やられているわね」
ブリスケット 「桃っちらしくねぇっすね」
ロイン 「どうしたんだろう…?
 なぁ、ロース?
 女性同士の方が会話しやすいだろうから、それとなく聞いてみてくれないか?」
ロース 「しょうがないわねぇ…」



バニー 「キィイイィィッ!!」
「ぶほっ!」
三洲次 「あ、また…」
てめえええぇぇっっ!!
 やられたらやり返すっ!!
三洲次 「倍返しするんだ?」


倍打だっっ!!!
ボーパルバニー 「フギォピィッッッ!!」
三洲次 「そっちなのっ?!」
   
ロイン 「……………」
ブリスケット 「2倍以上のダメージでやり返す冒険者は数多く居れど……」
ランプ 「同じ2倍でも、倍打の方で返す冒険者は……」
ロース 「世界広しと言えど、桃一人ね……」
三洲次 「あいつの武器、本当に『切り裂きの剣』か…?」

(※1) 解説はこちら


三洲次 「うーん………」
   
ロース 「ねぇ、桃?
 最近調子悪そうだけど、大丈夫?」
「別に……、やる気がねぇだけだ」
ロース 「どうして?」
「とっと下の階に行って、もっと強ぇ敵と戦いてぇよ。
 ここは飽きた」
ロース 「あぁ、そういうことなのね…」


ロース 「……だって」
ロイン 「そうか……、モチベーションが落ちてるのか……」
ランプ 「桃らしい回答ですね」
   
三洲次 「……こっちをこうして……」
   
ロイン 「桃は重要なメンバーだから、希望はなるべく聞いてやりたいが、
 パーティーの方針にも従ってもらいたいし……」
ロース 「悩ましいわね」


三洲次 「えぇと……こうかな……?」
   
ロイン 「………………」


三洲次 「くそっ……」
ロイン 「三洲次?! まだなのか?!」
三洲次 「へ? なんすか?」
ロイン 「早く開けるんだっ!
 スピード重視と言っただろ?!」
三洲次 「罠の解除は、繊細な作業なんですよ?
 無理ですよ……」
ロイン 「チャッチャとやってくれ!
 チャッチャと!!」
三洲次 「えぇぇ……、チャッチャとですか?」
ロイン 「そう!チャチャッと!!」
三洲次 「そう言うんでしたら……」


…………

……



三洲次 「えぇと……ガス爆弾っ!!」


ブリスケット 「ほぉごおおぉぉっ!!!」
ロース 「きゃああぁぁっっ!!」


三洲次 「じゃぁ、今回も爆弾っ!!」


ブリスケット 「ごぁぎぎぎぎっっ!!」
ロイン 「ぐぉばばばばっっ!!」


三洲次 「今回は見抜いたっ! スタナーだっ!!」


三洲次 「ぬぼぼぼぼぼぉぉっ!!!」
   



ロース 「はい、ディアルコ よ!」
三洲次 「ふぅ…、すいません……」
ロイン 「三洲次っ!」
三洲次 「へ?」
ロイン 「解除の失敗が多過ぎだろっ?!」
ランプ 「それに罠の判定間違いも、ちょっと多過ぎません?」
三洲次 「繊細な罠の調査・解除を、スピード重視でやりゃぁ、ああもなりますよ…?」


ロイン 「なんとかならないのか?」
三洲次 「なりませんよ。
 はい!スタナーね!(パカッ!)


三洲次 ふぉごおっっ!!!
ロイン 「……………………」
ランプ 「ダメだ、こりゃ……」

三洲次 「いででで…、16ダメージも喰らっちまった……」
ロース 「もぉ…、治療してあげるから、こっちに来なさいよ」
三洲次 「へいへい…」
   
ランプ 「なぁ、ロイン。
 治療呪文を大量に消費すると、潜ってる時間が減るから、むしろ効率が悪いですよ?」
ロイン 「思うようにいかないもんだな……」

……………………


さて、地下3階で経験値稼ぎをしているのだが....、

・敵の奇襲がやたら多い
・奇襲で桃がやられやすい
・三洲次の罠の判定・解除ミスが多い

....が、異様に多発するようになった

そう、パーティーの日本人2人が、とにかく調子が悪いのである。

レベルも上がり、能力値も向上しているので、むしろ逆になってないとおかしいはずだが....。


どうしたんだ、日本人2人?!
もっと頑張ってくれよっ!!


とりあえず調子の悪い理由を「想像」すると、上記の通りである。
実際のところは、どうなんだろう?

ただ運気が低下していただけ、なのか......?




ロイン 「いつも通りに開けていいぞ」
ランプ 「そっちの方が、結果的には効率が良いですからね」
三洲次 「分かってもらえました?」


三洲次 「えぇと……、スタナーだな」


三洲次 「ほいっ!解除成功っ!」
ロイン 「ほっ………」
三洲次 「普通にやらせてもらえれば、こんなもんですって」
ロース 「あら!『指輪』が入ってるわよ!」


ロイン 「指輪なんて、初めてだな」
ロース 「なに言ってるのよ?2回目じゃない」
ブリスケット 「あっしがどれだけ苦労したか、もうお忘れですか?」
ロイン 「あぁ!そう言えば……。
 いや、普通の戦闘で手に入れたアイテムでは初めて…って、意味で」
ランプ 「えぇと……」


ランプ 「これはっ! 『宝石の指輪』ですよ!!」
ロイン 「おぉ! デュマピック(現在位置調査の呪文)が使える指輪かっ!!」」
ロース 「しかも、どんなに使っても、壊れないのよね?!」
ランプ 「えぇ、そうです」
ブリスケット 「つまり、デュマピック使いたい放題!!」
三洲次 「マッピングの最良の友じゃないですか!!」」
ロイン 「これは、あれか?
 もう、さっさと下のフロアへ行き、バンバン探索しろ…との、運命の神のお告げか?!」
ロース 「桃のモチベーションも回復するし、ちょうどイイんじゃないかしら?」
ブリスケット 「行きやすか? 行っちゃいやすか?!」
ロイン 「うぅぅ……行きたい衝動が……」


....いやいや、落ち着け、落ち着け、俺。

確かに、このレベルまで成長したら、新しいフロア、新しい敵、そして新しいアイテムを求めて、サッサと下の階に行きたい衝動にはかられる!!


だが!!

ノーリセットなので、石橋を叩いて叩いて叩きまくって渡るのが、今回のプレーの大方針

こういう甘い誘惑に負けて深い階層へ行き、そして何度か戦っている内に壊滅・全滅して泣きを見るのが、Wizの常!!!

せめてマスターレベルまで上げ、ティルトウェイト(核爆発による全体攻撃魔法)などを覚えるまでは、地下9階へ降りないのが、安全・安心な冒険の秘訣!!

こんな誘惑に負ける俺ではないぜ!!


あ~.....でも、新しいフロアかぁ.....、
惹かれるなぁ......、負けそうだなぁ......。


なお、今回の探索で「宝石の指輪」以外にも、いろいろと新しいアイテムをゲットすることができた。


実は、今回一番最初の冒険で、いきなり「エルフの鎖帷子」をゲット。

ランプ 「『エルフの鎖帷子』ですね」
三洲次 「へぇ、エルフ専用の防具ですか?」
ランプ 「いえ、エルフ以外でも装備できますよ」
三洲次 「誰が名付けたんすか、そんな誤解を招く名前……」
ロイン 「だが、我々のパーティーで鎖帷子なら、僧侶のロースが装備するのが一番良いだろう。
 ちょうどエルフだしな」
ロース 「光って目立つこの鎖帷子とも、やっとお別れできるのね」


と言う訳で、ロース(僧侶)に装備させた。
これにより、ACが1つ良くなった。

さらには....、




一度にアイテムが3個も出てきた宝箱が1回。

ランプ 「『剣』が2つに…」
ロース 「『鎧』が1つ!
 アイテムが3つも入っていたわ!」
ロイン 「おぉ!収穫だなっ!」


そして、その内の1つが「最強の短剣」であった。

ランプ 「お!『最強の短剣』ですよ!」
ロイン 「おぉ!短剣の中で最強のやつじゃないか!」
三洲次 「誰が名付けたんすか…、まんまじゃないですか…」
ロイン 「よし!これは三洲次に装備してもらおう」


ロイン 「これで、三洲次も攻撃力アップだな」
三洲次 「俺、後衛ですけどね」

さらには....、


....「忍耐の兜」もゲット。

ランプ 「『忍耐の兜』。善のパーティーにとって、兜系では一番良いACの1つです」
ロース 「なんか、防御力があるんじゃなくて、痛みに耐えて自力でACを良くする感じね…」
三洲次 「誰が名付けたんすか、そんなドMな名前…」
ロイン 「じゃぁ、これは一番ドMのブリ助に装備してもらおう」
ブリスケット 「誰が一番ドMっすか!?」
ロース 「あら、奇襲で痛い目に遭うのが好きでしょ?」
ブリスケット 「好きでダメージを喰らってる訳じゃねぇっす!!」
ランプ 「好きで喰らってるのかと思ってた…」


ともかく、ブリ助に装備してもらった。


さて、とにかく戦闘を数こなしたこともあり、まずロース(僧侶)レベルアップ!


なかなか良いレベルアップである。
相変わらずロースは優秀だ!


覚えた呪文は「マバディ」。
6レベルまでの僧侶呪文で覚えていないのは、これで「バディ」だけとなった。


続けて、ロイン(魔法使い)レベルアップ!!


彼も、なかなか良いレベルアップである。
新しい呪文は特に覚えなかったが、そもそも6レベルまでの魔法使い呪文は全て習得済みなので、当然である。

この2人は、本当に優秀だ!!


ロイン 「やっと調子が上向いてきたな!」
ランプ 「新しいアイテムも続々と手に入ってますし!」
ブリスケット 「この調子で、ガンガンいきやしょう!!」

………………



ロイン 「本当に調子は上向いてるのかああぁっ??!」


「ほぉごっ!!」


「はぉごっ!!」


「ぃちち……」
ロース 「やっぱり桃がダメね……」
三洲次 「お前、人のこと言えないだろ…」
ブリスケット 「このままじゃぁ、首を刎ねられたりすんのも、時間の問題でっせ?」
ロイン 「う~ん、弱ったなぁ……」

………………

………


三洲次 「お!新しい宝箱が出てきましたよ!」
ロイン 「また新しいアイテムが出てくるといいな!」
ランプ 「三洲次! レッツ・オープンっ!!」










!!!
三洲次 「ごめんなさいいいっっ!!!」



がんばれ!桃!
がんばれ!三洲次!

 

名前 LV H.P. コメント
ロイン 12 67 16 18 11 18 16 15 0 最近は可も無く不可も無く。
三洲次 13 49 17 16 9 13 18 16 3 素早さが最高の18とは思えない失態続き…。
11 89 18 18 17 18 18 16 0 どうした?!最近調子が悪いぞ!!
ロース 12 75 16 17 18 17 18 13 2 力がボーナスの付く16に。前衛らしくなった。
ランプ 12 45 14 18 18 13 17 9 3 アッと言う間に基本職にレベルが追いつかれた。
ブリスケット 11 93 16 18 14 18 18 12 1 実は最近大活躍。とにかく素早くて大助かりだ!

 

(※1)桃の倍打攻撃について、調べてみました。その結果、倍打のバグの影響で、ロイン(隊列6番目)のレベルの値が倍打判定に使われ、2グループ目3番目の敵のタイプとAND関係が成立し、倍打になったようです。

 ロインのレベル 0000101
 敵のタイプ   0000000
           ここが一致


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【更新履歴】
2021年 8月 7日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年 6月 3日:次ページへのリンクを設定。
2019年 5月27日:新規公開。