33.ブレス!ブレス!ブレス!

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約6分



──── ギルガメッシュの酒場 早朝

ロイン 「さて、地下9階のマッピングが完了したので、次だが……」
   
「なぁ……、三洲次ぃ……?」
三洲次 「ん?」
「おめぇの短剣……、貸してくれねぇかぁ…?」
三洲次 「いいけど……ほら…」
「サンキュ……」
三洲次 「相変わらず 朝は眠そうだな、桃は…」
   
ロイン 「次の目的地は、もちろん地下10階だ。
 しかし、今の我々の戦力では、地下10階はまだ厳しいだろう」
   
三洲次 「でも、何に使うんだ?」
「バナナぁ……刻むぅ…(トントントン…)」
三洲次 「それ、魔物を切る剣だぞ?
 それで食いものを…?」
   
ロイン 「言い換えると、地下10階に降りるには、もっと強い武器と魔法が必要だと思う」
   
「どうせ、おめぇ……大して これ使ってねぇだろぉ…(トントントン…)」
三洲次 「まぁ……そうだけど……」
「うっしぃ…、微塵切りだぁ……」
   
ロイン 「そこで、引き続き地下9階で戦おうと思う。
 目的はもちろん、経験値稼ぎとアイテムの収集だ!」
   
「これをぉ……ミルクにぃ…(ドボドボ…)」
三洲次 「バナナの微塵切り入りミルク……?」
「これならぁ……、ダルくてもぉ……バナナが食えるぅ…」
三洲次 「それ以前に、微塵切りがダルくねぇか…?」
   
ロイン 「アイテム収集のゴールは、『切り裂きの剣』より強い武器の入手。
 経験値稼ぎは、私自身のティルトウェイト習得を目標とする!」
   
「ゴクゴク……」
三洲次 「『食う』というか『飲む』だな…、それ…」
   
ロイン 「ひとまず、それらを達成するまでは……」
   
ブハッ!! …ゴホッゴホッ!!」
三洲次 「うわっ! 何してんだよ!!」
「の、喉に……バナナがつかえた…っ!」
   
ロイン そこの2人いいぃぃっっ!!!
 人の話しを聞けえええぇぇっっ!!!


……………………

今回からしばらく、地下9階で経験値とアイテムを稼ぎます

ただ、その前に、前回の冒険を終えて......、


三洲次(盗賊)がレベルアップ!!!

おぉ!!

なんと、H.P.がアップ!
三洲次にしては



さて、では地下9階へ向かいます。

いつも通り、プライベートエレベーターへ向かうと....、


エレベーター前で、ドラゴンパピー3匹と遭遇。

ドラゴンパピー 「シュウウゥゥ…ッ!!」
ブリスケット 「お、久しぶりの魔物っすね」
ロース 「ま、もう私たちの敵じゃないわね」



ブリスケット 「うっしゃああぁ!!」
ロース 「まず1匹っ!!」

この2人、最近ほんとうに素早くなった

が!!!

直後に、ドラゴンパピーのブレスがっ!!!







ブリスケット 「アチチチッ!!」
ロース 「きゃああぁっ!!」


ちょっと ストップ、ストップ!!


いや......、ダメージに 幅があり過ぎじゃね?


17ダメージ喰らってる奴がいる一方で、
三洲次が4ダメージって、小さ過ぎないか?

どうなってんだ?


気になったので、以前参考にさせていただいた、ファミコンの内部ロジックを解説しているサイトを、改めて確認してみました。

で、ブレスのダメージ式ですが......


(ブレスのダメージ) = [ (敵のH.P.) ÷ 2]


まぁ、これは有名なので、いいでしょう。
(※) [ ] はガウス記号で、要は「切り捨て」です。


そして「運が良い」と、ブレスのダメージは半減するとのこと。
....そう言えば、ここまでの冒険でも、ちょくちょくあったな。


では、半減の確率は......?


(半減確率)= [ (20 - (セービングポイント)) ÷ 20 ]
[ (20 - ((19 - (レベル)÷5 - (運の良さ)÷6 - (職業補正) - (種族補正)) + 1)) ÷ 20 ]
   
  (職業補正) … 盗賊 と 忍者 は3、他は0
  (種族補正) … ドワーフ は4、他は0


なんか複雑ですね....。

とりあえず「盗賊 (と忍者) はブレスに強い」だけ理解すればOKです。


で、具体的な半減率は......、

ブリスケット  = 0.22 = 22(%)
 = 0.26166... = 26(%)
ロース  = 0.24666... = 24(%)
三洲次  = 0.43166... = 43(%)
ランプ  = 0.21333... = 21(%)
ロイン  = 0.255 = 25(%)

....でした。
なるほど、こうして具体的な数値を見てみると、
本当に 盗賊(=三洲次)のブレスの半減率だけ、突出しているな。


で、ここに属性抵抗のあるアイテムがあれば、
さらに1/2となり、計1/4となるのか....。

でも、三洲次って盗賊だろ?
そんな特別な防具とか、装備してたっけ?

(注)先ほどのレベルアップ時点のステータス。


あ!「炎の杖」がある。
これか?!

調べてみたら、「炎の杖」は「冷気」に抵抗があるらしく、
ドラゴンパピーのブレスは「冷気」系だそうです。

なるほど。


以上から、「盗賊」の特性と 「炎の杖」で、
ダメージ17のブレスが....、

倍率ドン!   
さらに半分!  


....こういうことだったんですね


ロイン 「なるほど」
ブリスケット 「三洲次っちはH.P.が低いから、丁度良かったすね」
三洲次 「でも、ランプもH.P.が低いので、
 俺がブレスに強いなら、
 『炎の杖』はランプに持たせた方が良いのでは?」
ロイン 「あー、確かにそうだな…」

…と、いうことを、これを書きつつ 調べて、今 気付いた (2回目)。


本題に戻りましょう。

ロイン 「『炎の杖』はランプに渡すかな?」
ブリスケット 「まぁ、その方が…
ドラゴンパピー 「……ガゥガゥ?(ツンツン…)」
ブリスケット 「へい?」


ドラゴンパピー グォオオオォォォッッ!!!!
ブリスケット 「ひえええぇぇっっ!!!」
ロース 「のんきに喋ってるからよぉっ!!!」
ロイン 「く…くそ!
 カ、カティノ!!!」


遅い! 遅いよ! カティノ!!

やりやがったなああぁぁっっ!!!



とりあえず、寝かしながら叩きまくって、倒す。


ロイン 「やれやれ…」
ランプ 「いきなり出鼻をくじかれましたね…」
ロース 「いきなり治療呪文を大量に使っちゃったし、
 一旦仕切り直さない?」
ロイン 「そうだな…」

と、言う訳で、一度城に戻って回復し、出直すことにしました。



今度は友好的なワーベアだったので、そのまま通してもらい、地下9階へ。


地下9階では、今回から反時計回りに回りながら、経験値とアイテムを稼いでいきます。


ってな訳で、まずは最初の玄室へ。


ブリスケット 「では、経験値とアイテム稼ぎを始めやしょう」
ロイン 「うむ」
ブリスケット 「でやっ! (バンッ!)」


ビショップ 「来たな!! 懸賞金!!!
 いけーーっ!!!キメラ!!!」


キメラ ゴォオオォォオオォォ!!!
ブリスケット 「アヂヂヂヂッ!!!」
三洲次 「ぢょっ!まだがよっ!!」
ロース 「きゃあぁぁっ!!!何すんのよっ!!!
 マリクトォォッ!!!」



一瞬で、敵が全滅。

ロイン 「はぁ…はぁ…。
 いきなり出鼻をくじかれたな……」
三洲次 「と、とりあえず宝箱を……」


三洲次 「テレポータですね。
 では、解除をし…!!!


ロイン 三洲次ぃぃぃっっ!!!

いきなり解除に失敗しやがったああぁぁっっ!!!!


ブウゥン....ブウゥン.........


………………………


………………


………



ロイン 「ふぅ……。
 とりあえず、石の中じゃなくて良かった……」
ロース 「でも、どこよ?ここ?」
ランプ 「地下9階で細い通路があったのは、
 南西のエリアですね」
ブリスケット 「エレベーター近くだったのは、不幸中の幸いっすね」
ロイン 「念のため、デュマピック(現在位置調査の呪文)で確認するか…」


え?!

ロイン 「ここ………地下1階だって………」
ロース 「え!? なんでよ?!」
ブリスケット 「あっしら、地下9階に居たっすよ?!」
ロイン 「………お、俺にも………、
 何が起きたのか………分からん…………」


あ!
そう言えば、地下9階って、歩けるエリアの壁の向こう側は、
地下1階へのワープポイントが敷き詰められていたっけ?


とりあえず....、潜った途端、また地下1階に逆戻り....、ってことか......。


ランプ 「ブレスで、そこそこの被害が出ていますし…」
ロイン 「ちょうど迷宮の出口の側だから、一旦地上に戻るか…」
ロース 「そうね……」

と、言う訳で、またもや城に戻って回復し、出直すことにしました。


本日、3度目の冒険。

まずは、プライベートエレベーター前。


三洲次 「またブレスを吐くモンスターかよっ!」
ロイン 「もう同じ過ちは繰り返さないぞ!!
 カティノ!!」


さすがリーダー。
先ほどのことを反省したのか、素早いカティノを繰り出してくれた。


お陰で、無傷で撃破。

エレベーターで地下9階へ降り、再び最初の玄室へ。


ブリスケット 「ほんじゃ、改めて入りやすぜ」
ロイン 「うむ」

バンッ!!


ビショップ 「待ってたぞ!!懸賞金!!!
 いけーーっ!!ゴーゴン!!!」


ブリスケット 「アジィジィジィジィィッ!!!」
三洲次 「まだでずがああぁぁっっ!!!」
ランプ 「熱っ!熱っ!!!」
ロイン 「だ、大丈夫だっ! もう学習した!
 素早いカティノが大事だ!!」



ロイン へ?




ブリスケット アジャジャジャジャ!!!
三洲次 学習がいぎでねえええぇぇっっ!!!

......どんだけブレスを喰らえば、気が済むんだ?
このパーティー......?



とりあえず前衛が1体ずつ攻撃し、なんとか倒す。


ロイン 「はぁ…はぁ…、散々な目に遭ったな……」
三洲次 「せ、せめて宝箱からは、良いものを……」


ジリリリリリリリッ!!!!!

三洲次 だああぁぁっ!!!しくじったああぁっ!!


ランプ 「しかも先制されてるしいいぃぃっ!!」
??? 「居たぞおぉっっ!!懸賞金だああぁっ!!」


プリースト 「ごりゃあああぁぁっ!!」
ロース 「きぃゃあぁぁっっ!!
 もう イヤあああぁぁっ!!!」
ロイン 「マ、マカニトォーーッ!!!」」




………………


………




三洲次 「はぁ…はぁ……今日は厄日かよ?!」
ブリスケット 「ぜぇ…ぜえ……罠の解除の失敗が、
 ちょっと多過ぎじゃねぇっすか……?」
ランプ 「ふぅ…はぁ……ブレスも次から次へと……」
ロース 「もぉ~ぉ……。
 ねぇ…、今日は冒険は止めない?」
ロイン 「そうだな……、今日は宿で大人しくしているか……」
三洲次 「賛成……」


と、言う訳で、この日は厄日かと思うほど内容がヒドかったので、
大事が起きる前に、切り上げることにしました。

キリが良いので、話しが短くなってしまうが、今回はここまで。
ゲーム展開次第なところもあるので、お許し下さい。

 

経験値とアイテム稼ぎ.....、
初日は散々な結果であった........。

 


とりあえず、現在の状況です。

名前 LV H.P. コメント
ロイン 13 77 17 18 12 18 17 15 0 マカニトがもう少し早ければなぁ…。
三洲次 14 53 18 16 9 14 18 17 3 罠の解除ミスが目立ちだしたぞ……
12 94 18 18 18 18 17 17 0 安定した高いダメージが頼もしい。
ロース 13 104 17 18 18 18 18 14 2 マディで魔法の回数がすぐ消えてく…。
ランプ 13 46 14 18 18 14 16 10 3 先制ブレスばかりだったが、なんとか無事。
ブリスケット 12 100 17 17 15 18 18 12 2 素早いけど、いまいちダメージが頼りない…。


………………


………


──── 地下10階 上級魔術師協会 本部

ハイウィザード 「会長、賞金稼ぎが来ました」
アーチメイジ 「賞金稼ぎじゃと?」
???A 「お布令を見て来たのだが…」
???B 「上級魔術師協会とは、ここか?」
アーチメイジ 「そうじゃが……、
 お前らが 賞金稼ぎ か?」
???C 「あぁ、そうだ。
 俺たちは賞金稼ぎ一筋……」
???D 「信頼と実績のベテラン賞金稼ぎだ!」
アーチメイジ 「宣伝文句など、どうでもよい。
 本当に勝てるのか?」
???E 「既に、ある程度の下調べはしている…」
???F 「奴らの前衛のダメージ量は、3人がかかりでも、
 1ターンで俺たち1人をやっと倒せるかどうかという、
 実に貧弱なもの…」
???G 「後は長年の経験で得たノウハウと戦術で、奴らを倒してみせる!」
アーチメイジ 「ふぅむ…。
 ま、もし倒して来たら、約束通り懸賞金はそなたらに与えよう」
???A 「我らの手にかかれば、そいつらは死んだも同然!!」
???B 「懸賞金の準備をして、俺たちの帰りを待っているのだなっ!!」

 

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【更新履歴】
2021年 7月31日:誤字を修正。台詞を一部見直し。読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年 9月 2日:台詞と文章を一部見直し。
2019年 8月18日:全体的に文章と台詞を推敲。
2019年 7月15日:一部表現を見直し。
2019年 7月14日:新規公開。