56.三洲次の前衛デビュー

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約8分



──── ギルガメッシュの酒場 朝食

ロイン 「今日から、三洲次には前衛に立ってもらおう!」
三洲次 「は?! なに?! 何の話しっ?!」
ロイン 「僧侶と盗賊では、どちらを前衛にするか?…という話しだ」
三洲次 「え?」
ブリスケット 「時々、議論になるテーマっすね」
ロース 「僧侶が前衛だと、奇襲の麻痺で治療する人がいなくなって、
 パーティーの安全な帰還が危うくなるわね。
 だから、盗賊を前衛にするパーティーも多いわ」
ロイン 「しかし我々は、あえて三洲次(盗賊)を後衛にして、
 ロース(僧侶)を前衛にしてきた。
 いや、むしろ そうせざるを得なかった。
 それは、なぜだと思う?」
ランプ 「三洲次のH.P.がやたら低いから…ですね」
三洲次 「お前に言われたくないよ…」
ロイン 「その通り。
 H.P.が低いので、奇襲で殺される可能性が高かったからだ」
ブリスケット 「麻痺は確実に治療できやすし、後遺症も無ぇっすが……」
ロース 「死ぬ方は、灰やロストの危険性があるし、
 蘇生しても年をとるから、デメリットが大きいのね」
ロイン 「そうだ。
 だから三洲次が何度も死ぬのを避けるため、これまで後衛に置いてきたんだ」
三洲次 「ご配慮恐れ入ります(棒 」
ロイン 「しかし、ここ2回のレベルアップで、
 三洲次はH.P.が大幅にアップしたからな。
 もう前衛に立っても良いだろう、という訳だ!」
ロース 「大丈夫かしら?」
三洲次 「ま、こう見えて、救助隊では前衛を務めてましたからね。
 実戦経験は豊富です」
ロース 「でも、なんか与えるダメージ、低そう…」
三洲次 「お前に言われたくないよ…」
(キチッ!)
 ↑剣の刃を三洲次の首に当てて...
「足、引っ張るなよ……」
三洲次 「…………ふぁい………」



....と、言う訳で、今回から三洲次(盗賊)には前衛に立ってもらいましょう!

救助隊を支援していた時と同じく、こちらでの活躍も期待して!!


三洲次を3番目(前衛)に置いて......、


....新しい隊列の完成!

これで、やっと6名全員で戦闘をこなすことができる!


では、この新しい隊列のローラーレンジャーズで、
いざ地下10階へ!


………………………………


……………………


…………


──── 地下10階 第一玄室


....ってな訳で、やって来ました、第一玄室!

ブリスケット 「三洲次っちのデビュー戦っすね!」
三洲次 「俺、このパーティーでも、一応戦ったことあるぞ。
 お前が麻痺した時とか、お前が麻痺した時とか」
ブリスケット 「お、そうでやしたか?(棒」
ロイン 「ま、正式に前衛に立ったのだから、
 これが公式なデビュー戦と言っても、過言ではないだろ」
三洲次 「じゃ、華々しい成果で、デビュー戦を飾ってみせますか!」
ロース 「そう、うまくいくかしら?」
三洲次 「任せてください!
 俺、力は18ありますし、武器は『最強の短剣』ですよ?
 どんな敵が来ても、一撃で倒してやりますよっ!!」
ロイン 「期待しているぞ!」
ブリスケット 「じゃ、扉を蹴破りやすぜ?
 いいっすか?!」
三洲次 「もちろんっ!!」


バンッ!




三洲次 無理!無理!無理!無理!無理!無理!無理!無理っ!!!
ロイン 「おいっ!早くいけって!!」
ロース 「どんな敵でも一撃で倒すんでしょっ!?」
三洲次 無理です!無理です!無理です!無理ですっっ!!!
 許して下さい!許して下さいっ!!!



…………

……………………

………………………………


三洲次 「ぜぇ……ぜぇ……、
 デビュー戦がグレーターデーモンって、おかしいだろっ!!」
ロイン 「別に我々がモンスターを選んだ訳じゃないんだが…」
ロース 「最低のデビュー戦ね……」

まぁ、三洲次でなくても、今のローラーレンジャーズじゃ無理だよ...。

一旦城で態勢を立て直し、出直すことにした。




──── 地下10階 第一玄室(2回目)


三洲次 「グレーターデーモン以外にしてもらえません?」
ロイン 「だから、我々がモンスターを選んでる訳じゃないんだって…」
ブリスケット 「とりあえず、入りやすぜ?」


バンッ!



ブリケット 「おっと! いきなりの4グループでっせ?」
ランプ 「ま、こいつらでしたら、楽勝でしょう」
ロイン 「そうだな。
 よし!
 せっかくだから三洲次には、同じ盗賊のシーフと、
 タイマンで戦ってもらおう!」
三洲次 「2列目に居る奴ですね!
 任せてください!!」


三洲次 「おいっ!
 ジャイアントの後ろにコソコソ隠れてる、そこのシーフ!!」
シーフ 「ぁあ?!」
三洲次 「お前の相手は、俺だ!
 前に出なっ!!」
シーフ 「なんだぁ?てめぇは?!」
三洲次 「来なっ!!」
シーフ 「えらそうに…、ふざけんなっ!!!」

ビシッ!!

バシッ!!




三洲次 「いでえぇえっ!!!」
ランプ 「敵のシーフの方が、ヒット回数も
 与えてるダメージもデカいですよ……」
ロース 「ちょっとっ!! 三洲次っ!!
 負けてる!!負けてるわよっ!!!」
ロイン 「……やれやれ」



とりあえず、ロインのティルトウェイトがさく裂し、
フロストジャイアント以外は、一発で消し飛ぶ。


2ターン目も、ロインのマカニト
残ったフロストジャイアントを一発で消す。

結果、三洲次一人がダメージを喰らって戦闘終了。

ロイン 「とりあえず終わったが……」
ランプ 「初戦からこれで……、大丈夫ですかね……?」
三洲次 「…………………………」


ロース ま、だいたい予想してた通りね」
三洲次 「久しぶりだから、まだ勘が戻っていないだけだって!
 大丈夫!これからだって!」


ここでは「力のメイス」をゲット。
ま、もう要らないけど。


では、次の玄室へ......


....行こうと向きを変えた途端、
ランダム・エンカウント!!


ビショップA 「お? こいつらは…」
ブリスケット 「お? こやつらは…」
ビショップB 「上級魔術師協会を潰した奴らだな」
ロイン 「三洲次の腕前を試すには、ちょうど良い奴らだな」
ビショップC 「よし!!
 こいつらを倒せば、仲間の雪辱を果たせるぞ!」
三洲次 「よし!!
 こいつらを倒せば、前回の失態の雪辱を果たせるぞ!」
ビショップD 「野郎どもっ!!
 俺たちの実力を見せてやれ!!」
ロイン 「前衛たちよ!!
 こちらの力を見せてやれ!!」

さぁ!!

見せてもらおうか?!

三洲次の前衛の実力とやらを!?



ブリスケット 「ちょえええぇぇっ!!」
ビショップA 「ぎゃあああぁぁっっ!!」
ランプ 「ブリ助!!見事です!!」
ロイン 「うむ、一撃で倒したな!」


死ねええええぇぇっっ!!
ビショップB 「ぎゃびゃびょびゃびょびやおおぉぉっっ!!」
ロース 「さすが桃ね!!」
ロイン 「相変わらず一撃必殺だな」
   
三洲次 てやあああぁぁっっ!!!


三洲次 「いやいやいや!!
 33ダメージって、結構頑張ってる方だと思うけどっ?!」

盗賊には、地下10階での前衛キツいのかなぁ......。

ロイン 「さて、用は済んだから……」


ビショップ達 「「ふぉごおおおぉぉっ!!!」」
ロイン 「…消えてもらって結構だ」

ロインのマダルトで勝負を決め、
改めて 第二玄室へと向かう。

すると......、


.... 玄室の直前で、
またもやランダム・エンカウント!


ロイン 「これまた、三洲次の腕前を見せてもらうには、
 ちょうどいい敵が現れたな」
三洲次 「任せて下さい!!
 20ダメージ、33ダメージと、
 徐々に勘を取り戻してきてますからね!
 今度こそ!!」
ロイン 「よし、任せたぞ」
三洲次 「でやあああぁぁっっ!!!」


ランプ 「ぷっ…!」
ロース 「ダメダメね………」
三洲次 「あれ………?
 ちょっ!もう一度!もう一度戦わせて!!」



三洲次 「ほら! どうですっ?!」
ロース 「相手はマニフォで固めて動けないんだから、
 むしろ倒せて当たり前でしょ?」
三洲次 「お前……本当に、かわいくないなぁ……。
 お世辞でもいいから褒めろよ……」
ロース 「余計なお世話ですぅ~!」


ノーダメージで勝利

しかし、盗賊が地下10階で前衛ってのは、やっぱりキツいのかも知れない

三洲次を前に出すのが、ちょっと遅かったかなぁ......。
いや....、正確には「前に出せるのが...」....か。



とりあえず、やっと第二玄室に到着。

それでは、入りましょう。



ハタモトメイジの混成パーティー。

こいつらも、呪文を封じればメイジぐらいなら、
三洲次の実力を見るのには悪くないかな?

ま、こいつらとは、そこそこ戦っているし、余裕......


ダメージでかっ! ! !

なに?! これっ?!!

H.P.が一撃で半分 になったよ!!!

こいつ、こんなに強かった?!


桃でさえ、4回当ててやっと60ダメージなのに、
こいつ3回当てただけ60ダメージを叩き出しやがった!!!


ってかさぁ....、こいつ倒したらさぁ、
宝箱なんて無視して
こいつが持ってる薙刀みたいなモノを取った方が絶対イイよねっ??!


だって、その薙刀みたいなモノ、
あきらかにカシナートより強いよっ! ! !



「とりあえず、やり返しておいたぜ」
ブリスケット 「ぐふぅおおおぉぉおお……っ!」
ロース 「ブリ助の表情見てるだけで、こっちまで痛くなりそう…」
ランプ 「痛恨の一撃でしたね…」
三洲次 「おっと、俺も仕事しないと…!」


お?

今度こそ、普通に敵を一撃で倒したぞ!

三洲次 「どうだぁっ!!」
ロース 「相手はH.P.の低い魔法使いだけどね」
三洲次 「いちいち かわいくねぇなぁ!!
 いいから、さっさとモンティノ唱えてくれよっ!!」
ロース 「はいはい…、モンティノっ!!」


ロース 「あら?」
三洲次 お前えええぇぇっっ!!!
 人のこと散々ディスっておいて、どぉいうこったああぁぁいっ!!!
ロース 「あらららら(笑」
三洲次 笑ってごまかすなあああぁぁっ!!!
ロイン 「以前も、これでヒドイ目にあったな…。
 こいつら、意外とモンティノに強いのかも知れん……」


今回はロインのマダルトが早くに炸裂し、無事に勝利

しかし、今のレベルの盗賊だと、地下10階の敵はメイジぐらいしか
一撃で倒せないのだろうか…?

そうなると、前に出すのが、やっぱり少し遅かったなぁ......。


ここでは「隠れ身」の薬をゲット。
やっぱり要らねぇ......。


とりあえず第二玄室まで来たので、一旦に戻ります。


…………


……………………


………………………………


──── 冒険者の宿

さて、第一玄室のフロストジャイアントの経験値がでかかったせいか、
ここで.....と、言うか、

やっとランプ(司教)レベルアップっ!!!


本当に、久しぶりの司教のレベルアップだっ!!


さぁ!!!
新しく習得する呪文は何か?!

そして、H.P.?!
三洲次に続いて、低H.P.から脱却できるのかっ?!!!


...... 結果は?!



また1かよぉぉぉ......

ってか、肝心の生命力も上がってねぇよ......。

なんか、キャラごとに能力値に傾向が出るようプログラミングされているのでは?
...... と思いたくなるほど、こいつは生命力の伸びが悪すぎだろぉぉ......。

おまけに......、新しい呪文の習得も無ぇし......。


司教ってレベルアップに時間がかかるのに、
やっとやってきたレベルアップの結果がこれって......、
テンション下がるなぁ......。




今回、3周目。

──── 地下10階 第一玄室(3回目)




ロイン 「よし!
 協会の残党どもに先制できるとは、ラッキーだ!」
ロース 「前衛で1人ずつ倒して、一気に全員倒せ……、
 あ、2人までしか倒せないかしら?」
三洲次 「メイジぐらい、一撃で倒せるよっ!!!
 ってか、前回一撃で倒しただろっ!!!
ランプ 「大声出さないで下さい……、
 敵に気付かれますよ…」
ブリスケット 「いきやすぜっ!!!」
三洲次 「見ててくださいっ!!!」


ロイン 「よし!まず1人!」


ランプ 「そして、2人!!」


三洲次 「…………………………」
ロース 「あなた……誰だったら、安定して一撃で倒せるの?」


三洲次 「いいもん……、いいもん………、
 俺なんて……一人暗く………鍵だけ開けてれば、いいんだもん… (カチャカチャ…」
   
ランプ 「ロースがすぐ責めるから、イジケちゃいましたよ?」
ロース 「わ、私は……別に……ただ、見たままを言っただけで……」
   
ロイン 「俺のパーティーって、成長してるんだかしてないんだか……」


「57.ドラゴンと戦士団の護りし宝物」へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 14 84 18 18 13 18 18 14 0 最近ちょっとカッコ良くなってね?(らしくねぇ…)
三洲次 17 96 18 18 12 17 18 18 3 前衛に出すのが、ちょっと遅かったなぁ…。
13 104 18 18 18 18 18 18 0 相変わらず接近戦のプロとして活躍中。
ロース 14 109 18 18 18 18 18 15 2 たまにモンティの効きが悪いことがある。
ランプ 15 52 16 18 18 15 18 10 4 未だ低H.P.の境遇から抜け出せず。
ブリスケット 13 115 18 18 16 18 18 11 2 最近ネタがあまり無い。ネタが無いのが良い便り?

 


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2021年 7月10日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
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