31.宿敵!上級魔術師協会現る!

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約10分



──── ギルガメッシュの酒場 早朝

「ぅい~す……」
ロース 「おはよう。
 でも、また遅刻よ」
ランプ 「相変わらず、目覚めが悪そうですね」
ロース 「今日もバナナとミルクでいいの?」
「ぅい~……」
ブリスケット 「毎朝それで、栄養は偏らねぇっすか?」
ロイン 「バナナは栄養が豊富だって、聞いたことがあるぞ。
 エネルギーへの転換も早いらしいし」
ロース 「それに、美容効果もあるらしいから、女性にはイイんじゃないかしら?」
ブリスケット 「へぇ……、にしても、それだけってぇのは…」
ランプ 「あと、神経を落ち着けて、心を穏やかにする効果もあるらしいですよ」
ロ&&ブ ( 本… )
三洲次 「おはよぉ……ふぁあ~~…」
ロイン 「キング・オブ・遅刻 が来たところで、今日の計画を話そう」
三洲次 「誰が何のキングだって?」
ロイン 「今日も地下9階へ向かう。
 今回の探索先は、前回見つけた広間の横にある通路の先だ」


今回も地下9階へ降りて、マッピングを続けます。

なお、マロールはまだ1回しか使えないので、万が一に備えて温存するため、
しばらくはプライベートエレベーターで地下へ向かいます。


プライベートエレベーター前の玄室は「友好的なソードマン」だったので、素直に通してもらい、再び地下9階へ。
って言うか、ソードマン初登場だったかも。



ブリスケット 「では、まずはこの扉に入りやすぜ」
ロイン 「うむ」

バンッ!   ← 扉を蹴破った音



メイジ 「………ブツブツ……、
 ………なんでわしが見張り役なんじゃ……、
 ………面倒くさい………」
ブリスケット 「なんか、メイジが一人でブツブツ言ってやすぜ?」
三洲次 「こっちに気付いてないですね…」
メイジ 「………まぁ、よい。
 気持ちを切り替えて、見張っておくか……」
ロイン 「よし、ブリ助、やってしまえ!」
ブリスケット 「へい!」
   
メイジ 「さぁ!いつでも、どこからでも来いっ!
 ローラーレンジャーズよ!!」
ブリスケット 「じゃ、お言葉に甘えて、たった今、お隣から!」
メイジ へ?!


メイジ 「ぎゃああぁぁぁっっ!!!」
ブリスケット 「あっけねぇっす」
三洲次 「なんか俺たちを 待ち構えていたようですね」
ロース 「昨日の件、まだ引きずってるのかしら…?」
ランプ 「ってことは、この先にもまだ仲間が居そうですね」
ロイン 「まぁ、この様子だと、居ても大したことないだろ」

レベル7メイジを軽くひねり倒し、玄室内を一歩進んだ途端……



いきなり登場っ!!

こちらのレベルを下げてくる「エナジードレイン(レベルドレイン)」の使い手!!!

ライフスティーラー!!!

三洲次 「うわっ!! なんだ、こいつ?!」
ロース 「どう見てもゾンビだけど…」
ブリスケット 「な、なんか雰囲気が、他のゾンビと違いやすな……」
ランプ 「あれは…、こちらのレベルを奪う、エナジードレインの使い手…」
ロイン 「知っているのか ランプ?!」
ランプ 「うむ……」


はるか昔、アジア大陸のある地方に、奴隷を働かせ、
自分たちは贅沢の限りを愉しむ僧侶たちが住む寺があった。

だが、その寺が建つ恵那(えな)と呼ばれる地方に飢饉が訪れ、
奴隷たちの食事が塩のスープだけになると、
奴隷たちの不満は限界となり、とうとう反乱が勃発した。
すると、僧侶たちは食糧と酒・水を持って寺を出た挙句、
外から鍵を掛け、奴隷たちを寺の中に閉じ込めてしまった。
食糧も水も無い寺院に閉じ込められた奴隷たちは、
餓えと渇きに苦しみながら、最後には全員が餓死することとなった。

暫くして、修行を積んだ ある高僧が、恵那にあるその寺を訪れた。
するとそこには、多くの人骨と、かつての奴隷であった餓鬼の霊たちが徘徊していた。
その奴隷の霊たちは、血肉に餓え、訪れる旅人の肉を喰らい、血をすすっていたのだ。
高僧は、まじないで霊を退けて寺院を去ると、そのことを国中に伝えて回った。

それ以降、その寺院に現れるかつての奴隷の霊たちは「恵那にある寺院の奴隷」、
通称「恵那寺院奴隷」と呼ばれ、
旅する者の精気・血肉を奪い取る霊として、広く知られることとなった。

なお、アンデッドモンスターが冒険者の生命力を吸い取る行動を
一般的に「エナジードレイン」と言うが、
エナジーを「吸収する」のに、逆の意味の「ドレイン(排出する)」は不自然であることから、
この呼び名は「恵那寺院奴隷」が語源であったとする説が、
今では専門家たちの公式見解となっている。

 ─── オールドシティ文書館刊行 『世界の有名な死に方 100連発』



三洲次 「…………うそつけ
ランプ 「えっ!? いきなり全否定ですかっ?!」
三洲次 「どこのエセ専門家たちの見解だよ…」
ランプ 「どうしてエセと言えるんですかっ?!」
三洲次 「喰らう側の視点なら、排出でも合ってるだろ…」
ロース 「ねぇ、後衛のお二人さん。
 戦闘中だから、言い争いは後にしてくれない…?」

さて......、どうするか?
一歩間違えると、1週間という時間をかけたレベルアップが、一瞬で帳消しになるからな......。

逃げても、運悪く回り込まれたら逆にやばいし、
1体だけなら、なんとかなるかな......?

ブリスケット 「どうしやす…?」
ロイン 「攻撃こそ最大の防御!!
 戦おう!!」
ランプ 「相手に触れられたら、アウトですからね。
 慎重に……」
ブリスケット 「ごく……っ!」


いざっ!!


まず動いたのは、ブリスケット!!
実は最近、彼は大変素早いのだが、ここでも見事に一番手で動く!!

だが、まだ倒せない。


次に動いたのは、桃!!

これで撃破!!

よし!
被害なし、だ!!

素早い前衛が居ると、こういう時は非常に心強いです。


ブリスケット 「ふぅ…、あぶなかったっす……」
ロイン 「見事だ」
三洲次 「初めてのタイプの敵でしたね」
ロース 「今後、このタイプの敵との戦闘が、増えていくのかしら?」
ランプ 「まぁ、他にも敵は大勢居ますし、増えるとしても、少しずつでしょう」
ブリスケット 「そうだといいっすが…」
ランプ 「大丈夫ですよ。
 まぁ、たまには遭遇するでしょうから、少しずつ慣れていきましょう」
ブリスケット 「後衛は……」
ロース 「気楽よね……」

とりあえず奥の扉 から、次の大広間(玄室)へと向います。


ブリスケット 「次の扉へ入りやすか?」
ロイン 「もちろんだ」
ブリスケット 「では、失礼しや~すっ!!」

バンッ!!   ← 扉を蹴破った音




ブリスケット 「失礼しやしたっ!!!」

バンッ!!   ← 扉を閉めた音


ブリスケット 「どこが少しずつっすか?!!」
ロース 「いきなり3匹に増えたわよっ!!」
ランプ 「いや、そう言われても……」

今回はビビッて、思わず反射的に「逃げる」をしちゃったけど....、
逃げ損なったらヤバかったら、ちょっと軽率だったかも....。

とりあえず、改めて部屋に入り直します。

バンッ!!   ← 扉を蹴破った音


三洲次 「お? 新しい敵ですよ!」
ランプ 「ほら、そうそう同じ敵なんて、出ないですよ」
ブリスケット 「……………………」
ロース 「……………………」
ランプ 「……………………」
ブリスケット 「一番奥にいる『ナイトストーカー』って、なんすか?」
ロース 「5匹もいるわよ?」
ランプ 「エナジードレインをしてくる敵です」
ブリスケット 「……………………」
ロース 「……………………」
ランプ 「……………………」
ブリスケット もう5匹に増えたっすっっ!!
ロース どこが少しずつよっっ!!
ランプ 別に私のせいじゃないでしょっっ?!!

それ以前に、4グループの敵との戦闘は、本記録では初めてかも(記憶違いの場合、ゴメンなさい)
(※ボス戦のモンスター配備センターは除く)

しかも全ての敵が、初顔合わせ。

ブリスケット 「もう一度、逃げやすか?」
ロイン 「この数では、失敗した時の被害が尋常じゃない」
三洲次 「では?」
ロイン 「攻撃こそ最大の防御!!
 戦おう!!」

どういう作戦でいくか?

一番の問題は、5体もいるナイトストーカーでしょう。
レベルを下げられたら、ゲーム内のキャラも痛いが、リアル世界の俺のダメージもでかい!!
とにかく、こいつらをなんとかするのが最優先かと。

もちろん、クリティカルヒットのレベル8ニンジャと、魔法を使うレッサーデーモンも侮れない。

ファイヤージャイアントは脳筋バカなので、放っておく


さて、これらを踏まえ、全体攻撃の魔法「マリクト」を中心に戦術を立てます。


パーティの攻撃は、上記の通りに。


さぁ、(通常戦では) 初の4グループの敵との戦闘!!


いざ、戦闘開始!

最初に動いたのは......、


いきなりマリクト、きたああぁぁっ!!!

素晴らしい!! ロース!!
マスターレベルになってから、彼女のスピードには目を見張るものがある!!

いけえええぇぇぇっっ!!!


倒れない......けど、まぁ、こいつは、どうでもいい


ちょ....!


よしっ! 驚異の1つが消えた!!


やばい!!
生き残る奴が出やがった!!!!


....が、邪魔したのは1匹だけで済んだ!!!
ナイトストーカーは、4匹がマリクトで消滅!!!

次は......?


最近、やたら素早くなったブリスケットが動く!!

ってか、グッジョブだああぁぁ!!!!

ブリスケット 「よし!!」
ランプ 「これで敵の脅威は、ほぼ抑えましたね!」
ロイン 「見事だっ!2人とも!
 よし! リーダーとして、負けてられんっ!
 喰らえええぇぇっ!!


ロイン 「………………」
ロース 「負けてられないって、何が?」
ロイン 「えぇと……」
デーモン 「キシュワアアアァァッ!!!」


ブリスケット 「ふおおぉぉっっ!!」
三洲次 「めっちゃやり返されてるしぃぃっ!!」
ロース 「役立たずっ!!」
ロイン 「ええぇぇ…………」

最後は、残っていたファイアージャイアントが、桃を攻撃する!!!

ジャイアント 「ウガアアアァァッッ!!!」


(ひょい!)
ジャイアント 「ガ??」
三洲次 「あ……、さすが……」


2ターン目
一応、こちらが優勢だな。

三洲次 「ナイトストーカーは、寝たままですよ!」
ロイン 「よし!
 今の内に片づけてしまおう!!」
ランプ 「私に任せて下さい!」


ロース 「誰に何を任せるですって?」
ランプ 「えぇと……」
ロース 「こういうのは、本職の僧侶に任せるべきよ」


ロース 「うそ?!」
ロイン&ランプ 「「本職に何を任せるってぇ?!」」
ロース 「ここぞとやり返す男て、根暗よね……」
三洲次 「もう寝てる敵はいいから、
 レッサーデーモンの方をなんとかして下さいよ」
ロイン 「よし!
 今度こそ、リーダーのすごさを見せてやる!!
 喰らええぇぇっっ!!


ロイン 「………………」
ロース 「だから、何を見せるんですって?」
ロイン 「えぇと……」
三洲次 「あんたら魔法職は、何しに来てるんですか……」
ブリスケット 「もう魔法に頼らず、実力行使でいきやしょう!!
 でやあああぁぁっっ!!」


デーモン 「グハッ!! …クッ!!」
ブリスケット 「ち! 一撃じゃぁ死ねぇんすか?!」
三洲次 「地下9階の敵ともなると、体力があるな…」
死ねえええぇぇっっ!!!


デーモン 「ガハアアアァァ……ッ!!」
ロイン 「お!倒したぞ!」
ロース 「さすがね!」
「けっ…、やっぱ手応えのねぇ奴らばかゴホッ!!


「いでで…!」
三洲次 「油断するからだ……」


3ターン目

てめえええぇぇっっ!!
 あたいを攻撃するってぇのがどういうことか
 今すぐ思い知らせてやるっっ!!!


ジャイアント 「グォハアアァァッッ!!!」
三洲次 「あ…、さすが……」
ロイン 「よし、これで残るはナイトストーカーだけだな!」

まぁ、そのナイトストーカーは、この騒がしい中でも、まだ寝てるけど。
お前は電車の中で寝潰れてる、疲れた中年サラリーマンか?

ランプ 「後は…!」
ロース 「任せて!」



ランプ 「………………」
ロース 「………………」
三洲次 「あんたら聖職者は、何しに来てるんですか……」


お~い....、もうちょっと頑張ってくれぇ......。



4ターン目
さすがに、目が覚めたようだ。

ブリスケット 「おりゃあああぁぁっっ!!」


ブリスケット 「くっ! やはり一撃で死なねぇっす!」
三洲次 「これが地下9階の体力か…」
とっと死ねぇっっ!!


ナイトストーカー 「ホゲォペロッ!」
三洲次 「やっとか……」


なんとか勝利

長い戦いとなったが、大きな被害が出なかったのは、
ナイトストーカーが爆睡してたことだと思うな。うん。


三洲次 「罠は…『警報』ですね」
ロース 「で、実はまた『爆弾』だったりしないでしょうね?」
三洲次 「それ、大分前の話しですよね……、よく覚えてますね……」
ロイン 「とりあえず、解除に挑戦してくれ」

今回はちゃんと「警報」で、三洲次は初の警報の解除に成功。

で....、


....あれだけ苦労して、中身は「鉄の杖」か......。

やれやれ......。


さて、例の細い通路を奥まで行き......、


.... 一番奥にあった扉に入っていきます。


ここから、いよいよ未知のエリアです。




ブリスケット 「コの字形の通路っす」
三洲次 「手前にちょろっと見えてる扉は、今 入って来た扉だから……」
ロイン 「残る扉は、あの一番奥に見えてるやつだけか」
ブリスケット 「では、あの扉に入っていきやしょう」

バンッ!!



ブリスケット 「うわああぁぁっ!
 また舐められるっす!!」
ロース 「待って! 様子が変だわ……」
ランプ 「全員、こっちを睨みにつけてますよ?」
ロイン 「中央エリアと違い、ここら辺のワイバーンは好戦的なようだな」
ブリスケット 「ほっ…」
ロース 「敵が居るのに、なにホッとしているのよ…」



大した攻撃をする敵でもないので、ひたすら殴り続けて....、


....特に問題なく 倒す。

途中でを喰らってた人が見えた気もするが、気にしない。


三洲次 「う~んと……お、『石弓の矢』ですね」
ロイン 「それなら、手慣れたものだろ?」
三洲次 「えぇ、余裕ですよ」
   
ランプ 「この会話は……」
ロース 「失敗するケースね……」


ロース 「ほら……」

まぁ、しょせん「石弓の矢」なので、そんなに......


ダメージでかっ!!!

ほぼ瀕死だろっ?!!

さすがに地下9階ともなると、石弓の矢でさえ、油断がならない
三洲次の低いH.P.は、やはりネックだなぁ......。


なお、宝箱の中には、お金しか入ってなかったです。

ショボ......。


ブリスケット 「ここは小部屋っすね」
ランプ 「奥に扉があるだけですか」
ロイン 「では、奥の扉に入ろう」

バンッ!


ナイトストーカー 「ほごぉ♪…ほごぉ♪…」
ブリスケット 「……また、アンデッドっすよ……」
ロース 「意外とよく出るじゃないのよ!」
ランプ 「だから、別に私のせいでは……」
ナイトストーカー 「フンゴォ♪…フンゴォ♪…」
ブリスケット 「こっち見て、ずっと踊ってやすけど…?」
三洲次 「アンデッドの踊りって、なんか不思議な感じですね」
ランプ 「M.P.を吸い取られてたりしないですか…?」
ロース 「何よ、それ?」
ロイン 「彼らとは戦いたくないから、このまま通らせてもらおう」
ブリスケット 「そうっすね」


ブリスケット 「次も小部屋ですが…」
ランプ 「今度は扉が2つですね」
ロース 「どっちから行く?」
ロイン 「右手の方から行ってみるか」

が…、入ろうとした瞬間っ!!



ロイン 「む!また、ワイバーンが現れたぞ!」
ブリスケット 「え?!」
三洲次 「今度も好戦的ですね」
ブリスケット 「おぉ、良かったっす…」
ロース 「良くないでしょ…」


ブリスケット 「てやああぁぁっっ!!」
ロイン 「やはり、一撃じゃ倒れないか…」
ロース 「どいて、ブリ助!
 ここは私に任せて!」


ロース 「まだダメ?!」
死ねえええぇぇっっ!!


三洲次 「お、倒した。さすが…」

2ターン目


ブリスケット 「く…またっすか…」


ロース 「え? また…?」
死ねえええぇぇっっ!!


三洲次 「お、また倒した。さすが…」

3ターン目


ブリスケット 「………………」
三洲次 「この後の展開が見え見えですね……」
ロース 「じゃぁ、もう私は攻撃しなくていい?」
「じゃぁ、あたいが攻撃していいか?」
三洲次 「桃、戦闘中に よそ見するなって…」


「ぐほっ!!」
三洲次 「よそ見するからだ……」
てめえええぇぇっっ!!!
 ざけんじゃねええぇぇっ!!!


ワイバーン 「ギョエエェェーーッッ!!!!」
ランプ 「お、さすがですね」
ロイン 「なんか、桃が一人で全部倒してないか…?」
ブリスケット 「………………」
ロース 「………………」

で、やっと右側の扉に入れたが....、、


.... 行き止まりの小部屋でした。


ブリスケット 「では、もう1つの扉へ」
ロイン 「うむ」

バンッ!


??? 「フフフ……来たか……」
ロイン 「ん?」




レベル10メイジ 「待っておったぞ!!
 ローラーレンジャーズ!!」
ロイン 「え? どちら様で?」
レベル10メイジ 「耳の穴をかっぽじって、よく聞け!!
 ワシこそは、上級魔術師協会 四天王の一人、
 レベル10メイジじゃ!!」
ロイン 「上級魔術師協会?」
ランプ 「前回来た時に、なんか協会がどうとか言っていましたが…」
三洲次 「メイジマッシャーを埋めようとしていた奴らですね」
ロイン 「ふ~ん…。
 まだ取り返そうとしているのか?」
ロース 「一人で来るなんて、無謀ね…」
ロイン 「身のほどを思い知らせてやるか」


ロイン くらえ レベル10メイジ!
 新必殺強力凍結魔法!
レベル10メイジ 「さあ来い ローラーレンジャーズ!
 ワシは実は1回攻撃魔法を喰らっただけで死ぬぞオオ!
   
ロイン 「 まそっぷ 」


レベル10メイジ グアアアア!
 こ このザ・メイジと呼ばれる
 四天王のレベル10メイジが
 …こんな小僧に…
 バ…バカなアア アアアア
   
   
三洲次 「『まそっぷ』って何ですか?」
ロイン 「マダルト を噛んだだけだ、気にするな…」

…………………

………


──── 隣の玄室……

レベル10メイジ グアアアア
   
レベル8ビショップ 「レベル10メイジが
 やられたようだな…」
ハイウィザード 「フフフ…
 奴は四天王の中でも最弱…」
アーチメイジ 「トレボーの犬ごときに負けるとは
 上級魔術師協会の面汚しよ…」


ロース 「くらええええ!」




上級魔術師協会 「「「グアアアアアアア」」」
ロース 「やったわ…
 ついに四天王を倒したわ…」
ロイン 「展開が早すぎるだろ…」
ロース 「これでワードナのいる
 地下10階へのシュートが開かれる!!」
ランプ 「勝手に設定を作らないで下さい」
三洲次 「ビショップは3人居たから、実は六天王では…?」
ブリスケット 「細けぇことツッこむ男は、モテねぇっすよ」
ロイン 「で…、結局 なんだったんだ、上級魔術師協会って…?」
ランプ 「さぁ……」



宿敵!上級魔術師協会、敗れる......。



ロース 「ねぇ、今のでマリクトの使用回数が0回になったわ」
ロイン 「他の魔法はまだまだ使えるが、
 万が一の時に威力を発揮するマリクトが切れたのなら、
 これ以上の探索は危険だろうな」
ランプ 「『まだいける』は『もう危ない』、ですね」
ロイン 「うむ。
 今日は、ここまでとしよう」



と、言う訳で、本日はここまで

ちなみに、今回の戦利品で目ぼしいものは、「戒めの指輪」ぐらいでした。


………………………


………………


………




──── 地下10階 上級魔術師協会 本部

レベル10メイジ 「新会長となられる、
 2代目アーチメイジ様の、
 おなああぁぁりいぃぃいぃ!!」
アーチメイジ 「うむ、ご苦労じゃ」
ハイウィザード 「ご着任、お待ちしておりました。
 あ、わたくしめも2代目です」
アーチメイジ 「そうか。
 ときに、副会長のハイウィザードよ。
 我ら上級魔術師協会の目的とは?」
ハイウィザード 「はい。
 最高栄誉会長であられるワードナ様を頂点とし、
 ワードナ様の世界制覇の野望を実現するため、
 各種任務を遂行するのが、我が協会の目的です」
アーチメイジ 「その通り!
 そのために、この迷宮の中でも、特に優れた魔法使いばかりを集めて結成したのが、
 我が協会なのだ!
 そこで、新しい任務を伝える!」
ハイウィザード 「はっ!」
アーチメイジ 「メイジマッシャーを奪い、さらには先代会長を殺すなど、
 我が協会の邪魔をする『ローラーレンジャーズ』とかいう奴らを、
 この世から葬り去るのじゃ!」
ハイウィザード 「はっ!
 必ずや我が手で奴らを葬り、その首を持ってまいります!」
アーチメイジ 「待て、待て」
ハイウィザード 「え?」
アーチメイジ 「あのな…、そんなんだから、ダメなのじゃ。
 初代会長を見ろ。
 ロクに相手も知らないまま自分が出向き、
 その結果、どうなった?」
ハイウィザード 「………………」
アーチメイジ 「あれもこれも自分でやっていては、とても身が持たない。
 任務や仕事というものは、任せるべき者に任せるのじゃ」
ハイウィザード 「では、どうすれば…?」
アーチメイジ 「地下9階に布令を出せ!!!
 ゴロツキどもを叩き起こせ!!!
 ローラーレンジャーズとやらの首に懸賞金を賭けろ!!!
 さすれば……、
 地下9階のならず者たちが、奴らを付け狙い、その首を斬り落とすであろう!!!」
ハイウィザード 「なるほど!
 では、さっそく!!」
   
レベル10メイジ (……なんか、2代目はまともそうだな………)

 

「32.お前の名は?」へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 13 77 17 18 12 18 17 15 0 今はマダルトがメインの攻撃手段。
三洲次 13 49 17 16 9 13 18 16 3 当面H.P.の伸びは期待できないか…。
12 94 18 18 18 18 17 17 0 接近戦は、ほぼ一人で敵を倒してる。
ロース 13 104 17 18 18 18 18 14 2 マリクト、何気に超強ぇっす!!
ランプ 13 46 14 18 18 14 16 10 3 全然ディスペルが通用しない…。
ブリスケット 12 100 17 17 15 18 18 12 2 なんかダメージが小さいんだよなぁ…。

 


【更新履歴】
2021年 7月31日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2019年 8月18日:全体的に文章を推敲。
2019年 7月28日:一部セリフを見直し。
2019年 7月 8日:誤字を修正。次ページへのリンクを設定。
2019年 7月 1日:新規公開。