77.地下迷宮の経済事情

【登場人物】  
サーロイン ローラーレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
元接近戦最強の少女。現在は盗賊。すぐキレる。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ お金一筋のエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約18分



前回で地下6階での探索と経験値稼ぎが終了し、
地上に戻ってきました。

その結果、ここで3人レベルアップ!


■サーロイン(君主)


ボチボチな成長ぶり。
素早さが なかなか上がってくれないのが、悩みの種だな。
まぁ、こいつ、昔からノロマだしな....。


ただ、レベル4呪文を一発で全て習得
特にラツモフィス(解毒の呪文)が使えるようになったので、
探索の安全性が増したのは大きい。

ってか、君主の呪文習得って、体感的に早い気がする。
基本職の僧侶(ブリスケット)の背中を追って成長してるので。


■三洲次(侍)


うぉい!
素早さが下がった!!

前回のレベルアップでも素早さは上がってないし、
彼も徐々に素早さが悩みの種になりつつある......。

しかも、力も上がってないし......。


男性陣のレベルアップって、どこかイマイチなんだよなぁ.....。


(盗賊)


前回下がった素早さが、復活!

良かった....。
こいつまで素早さが成長しなかったら、どうしてくれようか....と思ってたところだ。

しかし、さすが盗賊
1人だけレベルアップのサイクルが早くなってきたな。



さて、一通りレベルアップも終えたところで、
今回は地下7階へと降りていきます。





──── ギルガメッシュの酒場
       朝食のテーブル......

「……………………」
ロース 「おはよぉ~…あら?」
サーロイン 「あぁ、おはよう。どうした?」
ロース 「また三洲次は来てないの?
 最近、早朝特訓できてないんじゃない?」
ブリスケット 「三洲次っちの寝坊癖は、もう治らねぇんじゃねぇっすか?」
ランプ 「それに比べて、桃はしっかりと来るようになりましたから、偉いですよね。
 彼女の方は、もう大丈夫じゃないでしょうか?」
サーロイン 「そうだな」
ロース 「バカねぇ、彼女がちゃんと来ている理由は違うでしょ」
ブリスケット 「ほ?」
ランプ 「へ?」
サーロイン 「は?」
ロース 「なに?気付いてないの?」
サ&ブ&ラ 「「??」」
   
三洲次 「ふわぁ~…、すいましぇ~ん………、
 また寝坊を…っと、うおっ!」
   
(じ~~~………っ)
三洲次 「あ……ごめん………はは……そんな睨まないで……」
ブリスケット 「三洲次っち、最近朝錬をサボり気味じゃねぇっすか?」
サーロイン 「そんなんだから、力 は伸びないわ、素早さ は落ちるわと、
 前衛として散々なレベルアップをするんだ。
 反省をしてくれ」
三洲次 「す……すいません………」
ロース 「桃が毎朝早くちゃんと来て待ってるんだから、
 あなたも早く来なさいよ」
三洲次 「すいません……明日からは、ちゃんと練習をします」
ロース 「バカね、私のはそういう意味じゃないわよ」
三洲次 「は?」


さて、脇道のお話しはこれぐらいにして、
本題の地下7階へと出発しましょう!


──── 地下迷宮の入り口

サーロイン 「今回もこれまでと同じように、まずは階段から探索を開始し、
 階段とエレベーターを結ぶルートを確保するぞ」
ロース 「地下7階へ降りる階段までは、どう行くの?」
サーロイン 「マロール(瞬間移動の魔法)で目の前まで飛ぼう!」
ブリスケット 「貴重なレベル7呪文を、いきなり1つ消費するんすか?」
サーロイン 「だって、階段から行くと複数の玄室を通るし、
 エレベーターから行くと回転床が邪魔だし……」
三洲次 「まぁ、リーダーの方針なので従いますが……、
 ただ……」
!!!
サーロイン 「……分かってるって………」


自作のマップを見ながら、慎重に座標を指定し......、
マロール!!


………ブウゥン………ブウゥン………



オッケー! ピッタリ!



では、地下7階へと、降りていきます........。



………………………………


……………………


…………






──── 地下7階


サーロイン 「全員、降りたか?」
ランプ 「はい。 最後尾の私も、ちゃんと居ますよ」
サーロイン 「では、まずは座標を確認しよう」


三洲次 「地下5階は左下端スタート、地下6階は右上端スタートと来て…」
ランプ 「地下7階はド真ん中からスタートですか」
サーロイン 「とりあえず、周囲を確認しよう」
ブリスケット 「えぇと……2x2の大きさの部屋で……」



ブリスケット 「…東側と西側の壁に、それぞれ扉が1つありやす」
ロース 「どっちの扉から出る?」
サーロイン 「どっちがどっちとも分からんが、
 とりあえず南方にあるエレベーターに近い方からいってみよう」
三洲次 「じゃ、階段の南側にある東向きの扉ですね」
 (*) 下側の画面写真


サーロイン 「いきなり戦闘になるかも知れん。
 全員、戦闘準備を」
三洲次 「オーケーです」
ロース 「いつでもいいわよ」
サーロイン 「よし、入るぞ!」

バンッ!        ← 扉を蹴破った音


サーロイン 「と……通路だったか」
三洲次 「今右手に見えてる扉が出てきた扉なので、
 とりあえず道なりに進むしかなさそうですね」
サーロイン 「そうだな」



ランプ 「けっこう長い通路ですね」
ロース 「でも、ずーっと一本道だから、迷わなくて済むわね」
ブリスケット 「お…!」


ブリスケット 「一番奥に扉がありやすぜ」
サーロイン 「今度こそ玄室かも知れん。
 全員、改めて戦闘準備を」
三洲次 「いつでも」
サーロイン 「では、入るぞ!」

バンッ!


サーロイン 「……敵はいなかったが……」
ブリスケット 「ここ……玄室か 通路か、よく分かんねぇっすね……」
ランプ 「なんか広いような、狭苦しいような……」
ロース 「何かしらね……この妙な感じ……」
三洲次 「あ! これ、両サイドが…」



三洲次 「…ダークゾーンなんですよ、きっと!」
サーロイン 「狭苦しく感じた原因はそ…ん?!


ロース 「ちょっと!? ワープしてたりしない?!」
サーロイン 「い、今、確認する……」


サーロイン 「東に0、北に9……」
三洲次 「作ってる地図と突き合わせると、
 ワープはしていないようです」
ランプ 「すると、一方通行の扉で……」
ブリスケット 「締め出されたって訳っすか……」
ロース 「そして、ダークゾーンに入るしかないのね……」
サーロイン 「地下6階にもあったな……こんな構造……」
三洲次 「さっきダークゾーンって言っちゃいましたが、両サイドって、
 実はダダッ広いだけだったりしないかな…?」
ランプ 「一縷の望みをかけて、一歩踏み出してみますか?」


ブリスケット 「まぁ……」
ロース 「そうよね………」
サーロイン 「ダークゾーンは最後に探索する方針だからな……。
 一旦マロールで階段まで戻ろう」


....と、言う訳で、一度階段まで戻ることにしました。


………………………


………………


………



サーロイン 「最初の部屋に戻ってきたぞ」
三洲次 「右側に見えてる扉がさっき出た扉なので…」
ブリスケット 「次は反対側にある扉っすね」
サーロイン 「じゃ、階段を迂回して、部屋の左側へ行こう」
ランプ 「左へ……」


?!


サーロイン 「…え?!
ロース 「どこなの?! ここ?!」
三洲次 「俺たち……部屋に居たよね…?!」
サーロイン 「えぇと……つまり……」


サーロイン 「……やはりワープしているのか」
ロース 「部屋の片隅にワープ地点があったのね……」
ブリスケット 「まぁ、ワープしちまったのは仕方ねぇとして……」



ブリスケット 「こいつぁはどう見ても、ダークゾーンで囲まれてやすぜ?」
三洲次 「しかも背後が全て壁ってことは……」
ロース 「ここもダークゾーンに入るしかないのね……」

いや~、地下7階まで降りて来て、いよいよ難易度が上がってきた印象である。

それも、小学生が考える「僕が考えた宇宙一難しいマップ!!」みたいな、言うなれば...、


(a) 部屋の中が全部回転床

とか、

(b) 部屋の中が全部ダークゾーン

とか、

(c) マップ一面に地雷を敷き詰める

とか、

(d) 「一生遊んでても飽きない面白さ!」とかほざいた挙句、
回転床・ダークゾーン・地雷・ワープゾーンのオンパレード

とか....そういうトチ狂ったマップ......ではなくて
ちゃんと大人が考えて造った、
マッピングしないと解けない難易度....という趣きである。


まぁ、上の(a)~(d)も、全部公式ナバリングのウィザードリィのマップだけどさ。
暴言言って、ごめんなさい。


ランプ 「どうしますか?」
サーロイン 「ダークゾーンを一番最後に調べる方針は堅持だ。
 階段の側にまだ入っていない扉が1つあるから、そっちを先に探索しよう」
ロース 「じゃ、またマロールで戻るね」
サーロイン 「ただ、レベル7呪文は3回までなので、このマロールで最後だ。
 だから一旦地上に戻り、回復をしてしよう」






 



回復を済ませたら、改めて地下7階の階段までやってきました。


──── 地下7階 階段


サーロイン 「では今度こそ、あの西側の扉に入ろう」




バンッ!


サーロイン 「こ……ここは………」
三洲次 「なんか既視感がありますね……」
サーロイン 「まさか………」


サーロイン 「やっぱり…………」
ロース 「つまり、どっちの扉から出ても、同じ場所に出る…ってことね」
ブリスケット 「もうどこかのダークゾーンに入るしかねぇ…、ってことでもありやすね」
サーロイン 「う~~ん………」
三洲次 「どうでもいいですけど、この階に来てから、
 1回もモンスターと遭遇してないですね……」


さて......どうしたものか........。

もうどこかのダークゾーンに入るしかないとすると、
とりあえず階段に近いところから攻めてみるか......。
階段に近いワープポイントのワープ先が、一番エレベーターに近いこともあるし。


....と、いう訳で......、


....一度階段まで戻り、先ほどのワープポイントを確認する。


ランプ 「本来なら部屋の隅が見えるはずですが……」
ロース 「そうじゃないってことは、やっぱりワープポイントなのね」
サーロイン 「じゃ、改めてワープするか」



サーロイン 「では、覚悟を決めて…… ダークゾーンに入るぞ!!」



サーロイン 「あ……あっさり明るい所に出たな……」
三洲次 「扉がありますね。入りますか?」
サーロイン 「せっかくだから、先にここのダークゾーンを一通り調べてみよう」

が......、


....先ほどの扉以外には行けなかった。

なので......、


....先ほどのに入ることに。


バンッ!




地下7階、初戦闘!


が......、余裕で勝利
宝箱からは金しか出なかった。

どうでもいいが、三洲次って、なぜか「突く」動作が多いな。
どうでもいいが。

で......、


....目の前の扉に入ると......、



....隠し扉を発見し、ダークゾーンでロミルワが切れてることを思い出す。

ただ、またダークゾーンがあるとイヤなので....、


....今回はミルワ(短期間の照明魔法)で再度通路を照らす。

そして、無限デュマピック(現在位置調査の呪文)が使える宝石の指輪
小まめに座標を確認しながら、先へ先へと進んでいく。





バンッ!




サーロイン 「フロアの最も東端 (右端) 、やや北寄りの部屋か……」
ブリスケット 「扉が4つもありやすぜ……」
サーロイン 「エレベーターは南側だから、南向きの扉に入ろう」
三洲次 「じゃ、L字に並んだ扉の、右側の扉ですね」

バンッ!


サーロイン 「通路がのびて……」
ランプ またですっ!!
サーロイン 「え? …何が?」


ランプ 「今通ってきた扉が消えてます!」
サーロイン 「う~む……」
ブリスケット 「こりゃぁ、しっかりマッピングしてねぇと、
 迷っちまう造りですぜ」
三洲次 「一応マッピングはちゃんとやってますよ」
サーロイン 「塞がってしまったものは、仕方ない。
 とにかく、目の前の通路を進んでいこう」

通路を進み、南西エリア (左下方面)の奥地へと入っていく。


バンッ!



本戦記初登場!
メイジャーダイミョウ!!

サーロイン 「なんか……」
ランプ 「どこかのよく噛み付く人たちと……」
ロース 「そっくりね……」
ブリスケット 「違ぇは………えぇと………あ! 兜が違ぇっす!」
三洲次 「間違い探しかよ………」
ランプ 「見るからに余裕そうな感じですね………」
サーロイン 「ま、戦意丸出しだし、相手をしてやるか」
ロース 「じゃ、先手必勝よ!」




ロース 「うそっ?!
 なに、こいつらっ?!」
ランプ 「こ……こっちの呪文が全然通用しません!!」
サーロイン 「なんと…!」
ダイミョウA 「なんだぁ~今のはぁ?!」
ダイミョウB 「さっきから黙って聞いてりゃぁ、
 言いたい放題ぬかしてたくせに……」
ダイミョウC 「大したことねぇない奴ほど大口を叩くってぇのは、
 このことだなぁっ!!」
三洲次 「倒してしまえば、同じことっ!!」


ダイミョウA (ささっ!)
三洲次 「えっ?!」
ダイミョウA 「弱い、弱い!」
ダイミョウB 「相手を斬る時はぁ、こうやんだよっ!!」


三洲次 「ぐはっ!!」
ダイミョウC 「ひょおおおぉぉっっ!!」


ブリスケット 「ぐほぉおっ!!
 こ…こやつらっ?! 普通に強ぇっす!」

ロース 「こいつらはちゃんと薙刀使うのね」
ランプ 「意外ですね」
ロース 「………そこが意外って、変よね……」
ランプ 「まぁ……前例が前例ですから……」

サーロイン 「やれやれ…、久しぶりに本気で相手してやるか!」
ブリスケット 「やり返してやるっす!!」


サーロイン 「まず1人…!」
三洲次 「くそっ!
 同じ侍でも、どっちが上か、しっかり分からせてやる!!」


ダイミョウB 「ぐはあああぁぁっ!!」


ダイミョウC 「ぐぉおおおおぉぉっ!!」
三洲次 「村正の威力、思い知ったか!!」


ま、直接攻撃のやり合いでは、負けないですけどね。

ブリスケット 「メジャーとマイナーじゃぁ、全然強さが違いやしたね」
サーロイン 「きっとマイナーの中から、優秀と認められたごく一部の大名だけが、
 メジャーに昇格して活躍しているのだろう」
ランプ 「それなら、あの戦士らしい強さも理解できますね」
ロース 「でも、昇格したところで、何か変わるのかしら?」
サーロイン 「そうだな……例えば仕事の報酬とか。
 メジャーに昇格すれば、多額の報酬の仕事ができるのかも知れない。
 一方で、マイナーだと安い仕事ばかりで、アルバイトとかしないとやっていけないのでは?」
三洲次 「あ~……それで大名のくせして、
 ファイターの指導とか、猛獣の飼育とかしてるのかなぁ…」
サーロイン 「あるいはメジャー昇格が見込めない者が、コーチに転身してるとか」
ロース 「噛んだり引っ掻いたりしてるんじゃ、ま、メジャー昇格なんて無理な話しね」
三洲次 「でも、そもそも大名って、そんな制度だっけ…?」
ブリスケット 「この迷宮じゃぁ、世襲制じゃなくて昇格制かも知れやせんぜ?
 そもそも大名が多過ぎっすよ」
三洲次 「大名たちの戦国時代だな……」
「なぁ、宝箱は無かったけど、金なら持ってたぜ」


ランプ 「まぁ、ここら辺の敵の中では、お金は持ってる方ですかね……。
 たかが知れてますけど……」
サーロイン 「今はこの迷宮に挑戦する冒険者がやや下火らしいから、
 あまり稼げてないのかもな」
ロース 「それにしても、アイテムが全然出ないわね、このフロア……」
サーロイン 「そればっかりはしょうがない。
 とりあえず、このエリアの探索を続けよう」

そして......、




....南西エリア(左下方面)を調べていると......、



....謎の回廊を発見。


1マスの部屋をグルッと回る形で、通路がループしている。


三洲次 「なんでしょうね? このこじんまりとした部屋?」
サーロイン 「入ってみよう」

ガチャッ!




サムライA 「おりゃっ!」
   
  ちんちろりーん♪
   
サムライB 「ひっふーみ!!」
サムライA 「ええええ?」
サムライC 「あんたはサイコロの目にまで
 みはなされたバカだな!」
サムライB 「次はオレだな!
 魔力……シゴロ賽っ…!」
   
  チン… チロ… チン…
   
サムライA 「ひっふーみ!!」
サムライB 「そんなっ…!」
サムライC 「本当に博奕は恐ろしいっ…!」
サムライB 「こうなりゃ秘技倍々プーシュ!」
   
ロース 「何してんの?こいつら?」
ブリスケット 「賭け事っすね。
 日本の賭博で『チンチロリン』って言いやす。
 サイコロを振って、出た目で勝負するんす」
三洲次 「お前……本当に日本のこと詳しいな……」
   
サムライA 「ん?!」
サムライB 「げっ?! てめぇら、警備の衛兵かっ?!」
サムライC 「だ、旦那っ!!
 これはチンチロじゃなく、ただのサイコロ占いで…っ!」
サーロイン 「我々は警備とかじゃなく、たまたま通りかかった通行人なんで、
 お気になさらず」
サムライA 「な、なんでぇ……、驚かせやがる……」
ランプ 「なんで賭け事をしてるんです?」
サムライC 「日銭稼ぎだ」
サムライA 「好戦的なパーティーとか来たら、返り討ちにして稼げるんだが、
 最近この迷宮に来るパーティー自体が下火でさ……」
サムライB 「…おかげで収入が減ってんだ」
サムライC 「ここいらの地下5階~地下8階って、
 ただでさえ冒険パーティーが来ねぇっていうのに……」
サムライA 「仲間にゃぁ、上の階で警備のバイトをして稼いでる奴もいるが……、
 チャンプにもなって……バイトってのもなぁ……」
ロース 「そう言えばチャンプサムライって何度か遭ってるけど、
 大名とは違うの?」
ランプ 「メジャーダイミョウよりもさらに上です。
 メジャー級の中でも特に秀でて強い 、タイトル保持者たちですよ。
 なんと言っても、チャンプですから」
三洲次 「タイトル? 例えば…?」
サムライB 「シーズンMVSとか、最多カティノ賞とか」
三洲次 「MVS?」
サムライC 「Most Valuable Samurai だ」
ロース 「じゃぁ、地下6階で戦った時、ちょっと手こずったけど、
 あれってダテじゃなかった……ってことね」
ブリスケット 「そんだけ強けりゃぁ、いい収入がありそうっすのに……」
サムライA 「最近はそうでもねぇんだよ」
サムライB 「だからこうして、日銭を増やしに来てんだ」
サムライC 「おめぇは減らしに来てんだろ!
 はーーはっはっはっ!!」
サムライB 「なにぃい?!」
サーロイン 「ま、気にせずに、そのまま続けて下さい。
 我々は他へ行きますんで」
   
ランプ 「それで、この後はどうしますか?」
サーロイン 「とりあえず、道なりに進もう」
三洲次 「しかし、まさか賭場の部屋とは……」
ブリスケット 「じゃ……」

 

パタン……ッ!

 

サムライA 「…………………………」
サムライB 「…………おい?」
サムライC 「あぁ……、今の奴ら………」
サムライA 「見たこともねぇ鎧や剣を身に付けてたな……」
サムライB 「ありゃあ……きっと、金もタンマリ持ってるぜ……」
サムライC 「あぁ……、あいつらを殺りゃぁ……、
 こんなしけた小銭稼ぎじゃねぇ……大金が手に入る!
 久々のカモだ…!!」
サムライA 「でも、なんかやたら強そうだったぞ?」
サムライB 「俺れらの仲間も、一度殺ってるような言いっぷりだったな……」
サムライC 「だが、『手こずった』とも言っていたぜ。
 不意打ちで一気に形勢をこっちに引き寄せれば、チャンスはありそうだ!」
サムライA 「いっちょ、やるか?」
サムライB 「よし! 久しぶりに、この腕を振るう時がきたな!」
サムライC 「この地下7階は、俺たちの庭も同然!
 先回りして、待ち受けるぞ!!」

………


………………


………………………


さて、今いる南西エリアは....、





....行き止まりの小部屋に突き当たって、終わりである。

なので、次は......、




....L字路を通り、北西エリア(左上方面)へ。




その後も、一方通行の扉とL字の通路を淡々と通っていくと、
北東エリア(右上方面)を通過して......、


.... 結局、南東南西北西北東南東 と、グルッとマップの外周を一周してしまった。


とりあえず、これまでの探索状況を整理する。

南東(右下)エリア: ワープ先。半分だけ探索済み。
南西(左下)エリア: 探索完了。
北東(右上)エリア: 外周のL字を通っただけ。
北西(左上)エリア: 外周のL字を通っただけ。

こういう状況である。
なお、この四隅のエリア以外はダークゾーンを通らないといけないため、後回しにしている。




さて、せっかく南東(右下方面)エリアへ戻ってきたので、
このエリアを探索しきってしまおう。

途中、いくつかの戦闘をこなしつつ....、


....探索を続けていくと......、





....結局......、


....ここは、南西エリア(左下方面)に出るだけだと判明した。

現状は次の通り。

南東(右下)エリア: 探索完了。ワープ先だった。
南西(左下)エリア: 探索完了。
北東(右上)エリア: 外周のL字を通っただけ。
北西(左上)エリア: 外周のL字を通っただけ。

今度は南西エリアから、北西エリアへ行ってみる。




北西エリア(左上方面)では......、



.....2回ほど戦闘をこなしただけで......、


....ここも特に何も無し

しかし、三洲次はマジで突く攻撃が多いな。

ブリスケット 「なして突いてばかりっすか?」
三洲次 「いや……、斬り方とか教わってるけど……、
 実際の戦闘だと、突いた方が安全というか……」
「日本刀で斬って致命傷を与えようと思ったら、
 相手の間合いに入る必要があるから、自信が無いとできねぇんだろ。
 でも突きなら、多少離れてても攻撃できるからな。
 ま、鎖帷子を着たニンジャが相手なら、斬るよりも突いた方が貫通すっけど」
ランプ 「それなら、突きの練習からしたらどうです?」
「日本刀の切れ味の神髄は、やっぱ刀筋を当てての攻撃だぜ!
 今の内に慣れておかないと、変なクセが付いちまうからな!」
ロース 「私たちのチームは、三洲次が直接攻撃担当だしね!
 期待してるわよ、三洲次!」
サーロイン 「あの~……」
ブリスケット 「あっしらは……?」



宝箱もボチボチ出始めてきたが....、


....中は銅鎧とか普通の剣とか、しょうもないものしか出ない。

本当に、何もねぇ........。


南東(右下)エリア: 探索完了。ワープ先だった。
南西(左下)エリア: 探索完了。
北東(右上)エリア: 外周のL字を通っただけ。
北西(左上)エリア: 探索完了。



残るは、北東エリア(右上方面)

まぁ、北東エリアも何も無いんだろ、と思っていたら......、





意外や意外......何やら怪しいイベント床を発見....。


サーロイン 「…………………………」
三洲次 「やっぱり……落とし穴ですかね?」
ランプ 「それにしては、中途半端な場所にありますね」
ブリスケット 「するってぇと、下に降りる階段っすかね?」
ロース 「分からないわ……。
 とにかく不自然なのよねぇ……」
サーロイン 「まぁ、調べるのは後でもできるだろうから、
 一旦このエリアを回ってみよう」
三洲次 「扉は、目の前と 左手側の2ヶ所にあります」
サーロイン 「左手の扉から入ってみるか」


バタン........ッ!!


  ………
  ………………
サムライA 「おい、おい、おい、おい!
 あいつら、落とし穴を無視して、行っちまったぞ!!」
サムライB 「落とし穴に落ちて弱ったところに、さらに奇襲で叩きこんで、
 一気にカタを付けるって作戦が、これじゃぁパーじゃねぇか!!」
サムライC 「おかしい………。
 ああいうパーティーってのは、床をくまなく歩くはずなんだが……」
サムライA 「せっかく頑張って掘ったのに………」
サムライB 「おい、どうすんだよ?!」
サムライC 「う~む………」

………

………………


サーロイン 「なんだ、個室で行き止まりだ」
ロース 「じゃ、引き返しましょ」
サーロイン 「うむ」

ガチャッ!




サーロイン 「おい」
サムライA ひっ?!
 い、いつの間にっ?!」
サムライB 「こ…これはこれは、お日柄も良く!」
三洲次 「ここ地下だろ……」
サムライC 「いやいや、今日の地下迷宮は、絶好の迷宮日和じゃねぇっすか!」
ブリスケット 「何してんすか、こげなとこで?」
ランプ 「賭け事をしてたんじゃないんですか?」
サムライA 「い、いや~、せっかくの迷宮日和なんで、3人でちょっと散歩を」
サムライB 「ここら辺は、俺たちがいつも通る散歩コースなんで」
サーロイン 「そうか。
 それより、ちょっと教えてほしんだが?」
サムライC 「ん?」
サーロイン 「すぐそこに怪しい床があるんだが、何か知らないか?」
サムライA 「え?! こ、この横にある床ですか?」
サーロイン 「うむ」
サムライA 「さ、さあ~~……なんでしょうねぇ(棒」
サムライB 「ここら辺って、あんまり来ないんでぇ(棒」
ロース 「さっき、いつも通る散歩コースだって言ったじゃない」
サムライC 「いやいやいや……、えぇと……
 ……その……こ、こんな変な状態なのは、初めて見まして!」
サムライA 「本当に知らないんです!」
サーロイン 「そうか、なら仕方ない。
 おい、とりあえず隣の部屋に行くぞ」
ブリスケット 「了解っす」
サムライB 「それでは、ご機嫌よお~」
サムライC 「罠にはお気をつけてえ~」



パタンッ!


サムライA 「あ~…ビビッたぁ~…」
サムライB 「おい、どうすんだよ?
 行っちまったぜ?」
サムライC 「あいつらがどこに行こうとしてるのか、
 ちょっと尾行してみるか……」
サムライA 「じゃ、俺らも隣の部屋に行くか」

…………

……………………

………………………………



サーロイン 「で…………」




サーロイン 「こっちにもあるんだけど…?」
ロース 「本当に、なんなのかしらね……」
サーロイン 「とりあえず放っておいて、残りの場所を探索するか……」


三洲次 「扉は、奥に1つだけですね」
サーロイン 「じゃ、そこに入ろう」


パタン......ッ!


サムライA 「……奥の扉に入ったぞ!」
サムライB 「よし、後を追うか」
サムライC 「おい……なんでここにも落とし穴があるんだ…?」
サムライA 「さぁ…? 誰が掘ったんだろ?」
サムライB 「分かんねぇけど、それより あいつらを見失うといけねぇから、
 とにかく追いかけようぜ」

…………

……………………




サーロイン 「さらに奥に扉か……」

バンッ!


サーロイン 「さらに右手に扉……」
三洲次 「あ、待って下さい。
 この右側は、南東エリアに戻るだけです」
サーロイン 「ほぉ……」


サーロイン 「なるほど……右手(北側)へ出て、
 2歩も進むと、南東エリアに出るのか」
三洲次 「4つのエリアは、とりあえずこれで全てです」
ブリスケット 「するってぇと、残りはあの怪しい床2つだけっすか」
サーロイン 「じゃ、戻るか」

バンッ!


サムライA 「うわぁ! 戻ってきたっ!!」
サムライB 「そっち!そっちに隠れろっ!!」

………………

………


バタン....ッ!


サムライC 「……俺たちに気付かず、行ったか?」
サムライA 「あぁ……。 ビビッたなぁ……」
サムライB 「あいつら、落とし穴のある部屋に戻って行ったぜ?」
サムライC 「う~む……いよいよ落とし穴を調べだすのかも知れない。
 少し待って間隔を空けてから、俺たちも戻るか……」


………

………………

………………………


さて、いよいよ2つのイベント床を調べようと思いますが、
とりあえず近くまで行ってみたら......、



....なんか勢いあまって
心の準備ができる前に落ちちゃったよっ! ! !

サーロイン うわぁあっ!!
三洲次 ぐぎゃぁあっ!!
ブリスケット どわぁああっ!!
ランプ がはぁあっ!!
  (↑)男たちだけ落下……。


おまけに...、


ビックリして、思わずキャンプ開いちゃったよっ!!!



やっちまったあぁっっ! ! ! !

サーロイン ぐはああぁっ!!!
三洲次 ぎゃああぁっ!!!
ランプ ぐほおおぉっ!!!
   
「…………………………」
ロース 「……バカなのかしら、この人たち…………」
  (↑)女性2人は1度も落ちなかった。
   多分、穴の上から愚行を眺めてる....。


這う這うの体で、なんとか落とし穴から這い出た
その途端!!!


なんだよっっ!!!

この踏んだり蹴ったりな展開っ! ! ! !

 





おぅ……………。


プリーストA 「いやぁ!! みなさん!!
 落とし穴に落ちて、大怪我を負ってますね!!」
プリーストB 「でも、我々ハイプリーストが来たからには、
 もうご安心を!!!」
サーロイン 「い、いででで……っ!」
三洲次 「はぁ…はぁ……い、いきなり……な、なんだよ?」
プリーストC 「1回1,500GOLDで、
 我々がディオス(初級の治癒魔法)をかけて、治療をしてあげます!!」
ランプ 「高っ!!」
ブリスケット 「あででっ……、ボ……ボルタックの治療薬の500GOLDより高いっすぜ………」
サーロイン 「そんな高いのは結構だ………」
プリーストA 「お坊っちゃまたちには、かないませんなぁ!」
サーロイン 「誰がお坊っちゃまだ……」
プリーストB 「じゃぁ、こっちも500GOLDでどうだ?!」
三洲次 「そもそも、なんでディオスなんだよ……。
 もっと効率的な治療呪文使えねぇのかよ?」
プリーストC 「我々ハイプリーストはレベル5僧侶呪文まで使えるので、
 ディアルマ(上級の治癒呪文)でもオッケーです!!」
プリーストA 「ディアルマは通常価格1回5,000GOLDとお高いのですが、
 本日は特別価格2,500GOLDでかけてあげましょう!!」
ロース 「そもそも私がマディ(全快する魔法)を使えるから、別に要らないわよ」
プリーストB 「えー!?  そんなぁ……」
サーロイン 「じゃあな」
プリーストC 「…ちっ………、久しぶりのカモだと思ったのによぉ………」
ロース 「………カモ?」



サーロイン 「…………………………」
ロース 「ねぇ、もしかして今の落とし穴って、
 あのハイプリーストたちが掘ったんじゃないの?」
ランプ 「落とし穴に落ちた奴を相手に、治療と称して金をボッタくってるんですね」
三洲次 「新しいタイプの敵だなぁ、おい……」
ブリスケット 「金を稼ぐために、あの手この手と考えやすね……」

まぁ、グデグデだったが、とりあえず死者は出なかったので、一安心。


ロース 「マディの使用回数が限られているから、
 治すのはランプと三洲次とブリ助の3人ね」
サーロイン 「……俺、2番目にH.P.が減ってるんだけど?」
ロース 「ドジだからでしょ」
サーロイン 「いや、そういう話しじゃなくて、治療を……」
ロース 「あなたは歩いてるだけで治るんだから、
 そこら辺ほっつき歩いて治してよ」
サーロイン 「ここ玄室だから、歩き回るの危険なんだけど……」
ブリスケット 「あっしがディアルマをまだ数回使えやすから、それで我慢して下せぇ」

………………………………

………………

………


サムライA 「そろそろ尾行を再開するか?」
サムライB 「あぁ、俺たちもあいつらの入った部屋に行こう」
サムライC 「もう1つの落とし穴があった部屋だな」

カチャ......ッ




………………

………………………………


さて、これで残すは......、


.... 最初に見つけた方のイベント床のみに。


サーロイン 「ここも、どうせ落とし穴だろうから、全員H.P.を確認!」
ランプ 「マディで治してもらったばかりですので…」
ブリスケット 「…H.P.は完璧でっせ」
ロース 「私と桃は、そもそも落ちてないし」
サーロイン 「H.P.が中途半端なのって、俺だけなの……?
 なぁ……やっぱりリーダーの扱いが、一番ヒドくね…?」
三洲次 「部下のために耐えるのも、リーダーの務めです。
 とりあえず、サッサと済ませましょう」
サーロイン 「オーケー……分かったよ。
 よし!!
 全員、前進するぞ!!

前進!!


だよね!

サーロイン ぐわああぁっ!!
三洲次 ふごおおぉっ!!
ブリスケット ぐはああぁっ!!


………………………………

………………




サムライA 「!?」
サムライB 「今の叫び声はっ?!」
サムライC 「やったぞっ!!!
 俺たちの作った落とし穴に、奴らが落ちたんだ!!」
サムライ達 「「よっしゃあああぁぁっ!!
  奴らを襲う絶好のチャンスッッ!!ダッ!!)」」



  おとしあな!





サムライ達 「「へ?!」」


………………

………………………………


サーロイン 「いででで……っ!」
ブリスケット 「あだだ……、や……やはり……」
三洲次 「落とし穴でしたね………いちち…っ!」
ロース 「いったぁ~~……っ」
サーロイン 「と……とりあえず……よじ登ろう……っ!」
ブリスケット 「よっしょ…っと!」

サムライA 「ぐわあああぁぁっ!!」
サムライB 「ぐぃひいいいぃぃっ!!」
サムライC 「ぎゃああああぁぁっ!!」

三洲次 「…………ん?」
ブリスケット 「なんか……隣の部屋が 騒がしいっすね……」
サーロイン 「よし!! この床も調べ終わった!!
 回復呪文もほぼ無いし、今日はこれまでにしよう!」
ロース 「賛成~!」
ランプ 「今日は疲れました……」

サムライA 「うわああぁぁっ!!
 1人死んだあああぁぁっ!!」
サムライB 「おおぉぉいっ!!
 しっかりしろおおおぉっっ!!」
プリーストA 「やあ!やあ!やあ!!」
プリーストB 「落とし穴に落ちて、大変ですね!!」
プリーストC 「でも、我々ハイプリーストが来たからには、もう安心ですっ!!」

三洲次 「……………」
サーロイン 「で……結局、今日はどこを調べ終わったんだ?」
ランプ 「ここ地下7階の、ちょうど四隅を探索し終わりました」

サムライA 「ちょうど良かった!!
 死者を蘇らせられないか?!」
プリーストA 「もちろん、できます!
 我々はレベル5僧侶呪文が使えますから!」
プリーストB 「ディ(死者蘇生の呪文)が使えます!!」
サムライB 「良かった………」
プリーストC 「1回25万GOLDです!!!」
サムライ達 「「高えええぇぇっ!!」」

三洲次 「……………………」
ブリスケット 「するってぇと、残るエリアは?」
ロース 「ちょうど中央のエリアね」
ランプ 「探索し終わった四隅のエリアの形から、
 中央はキレイな菱形になっているようです」
サーロイン 「では、次回は中央エリアを探索するとして、
 今日はもう帰ろう!!」
三洲次 「あのぉ………」

サムライA 「くそっ! 仕方ないっ!!
 ほら、25万GOLDだ!」
サムライB 「くうぅ~……俺たちの全財産がぁ~……」
プリーストA 「ありがとうございます!」
プリーストB 「では、さっそく!!」
プリーストC 「…………………ディ!!
サムライ達 「「うわああぁぁ!!
  灰になったあああぁぁっ!!!」」

三洲次 「……なんか、また隣でボッタクってるっぽいですけど………助けてあげます?」
サーロイン 「ほっとけ、帰るぞ」

 




 

南東(右下)エリア: 探索完了
南西(左下)エリア: 探索完了
北東(右上)エリア: 探索完了
北西(左上)エリア: 探索完了

 

「78.死者の殿堂」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 10 111 14 13 13 14 12 9 0 0 H.P.がピンゾロ。
三洲次 10 162 14 12 10 14 12 15 1 3 力は上がらないわ、素早さは落ちるわ...大丈夫か?
11 151 14 17 14 14 14 15 0 0 さすが盗賊。レベルアップが早くなってきたぞ。
ロース 10 151 13 18 17 13 17 10 0 2 戦闘で一番目に動くことも多く、超助かってる。
ランプ 17 81 18 18 17 16 18 12 0 8 次のレベルアップは、マジでいつなんだ?
ブリスケット 10 142 10 15 14 10 11 9 1 4 少しずつ僧侶としての活躍度が上がってきた。


下記は、今回までで作成できたマップになります。


 


【更新履歴】
2021年 6月19日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2021年 2月 7日:誤字を修正。
2020年 6月14日:台詞を一部見直し。誤字を修正。次ページへのリンクを設定。
2020年 6月 7日:新規公開。