30.メイジマッシャーを奪え!

【登場人物】  
ロイン 「ローラーレンジャーズ」リーダーの魔法使い。
三洲次 密航してきた日本男児の盗賊。発音は「みすじ」。
訓練所を首席で卒業した侍の少女。すぐ暴れる。
ロース こんな名前だが細身の美人僧侶。エルフだしね。
ランプ お金一筋のエルフの司教。自分の店を持つのが夢。
ブリスケット 日本オタクのエルフ。侍で、あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約12分



いよいよ今回から、地下9階へと向かいます。

その前に、これまで通り、まず地下9階について、私自身が覚えていることを、酒場での会話で整理します。


──── ギルガメッシュの酒場 早朝

「ぅい~………」
ロース 「おはよう、桃。
 でも、また遅刻よ」
「ぅい~……?」
ロース 「本当に朝に弱いわね……。
 いつも通りバナナとミルクでいい?」
「ぅい~………」
ブリスケット 「起きてやすか?大丈夫っすか?」
三洲次 「ぅい~………」
ランプ 「もう一人の遅刻常習犯が来ましたよ」
三洲次 「ぅい~……?」
ロース 「日本の人って、みんな 朝はこんななのかしら?」
ロイン 「さて、全員揃ったところで、本日の計画を話そう。
 今日は、いよいよ地下9階へ降りるぞ」
ランプ 「地下9階へ行く冒険者は多いですね。
 噂はたくさん聞いてます」
ブリスケット 「ワープも、ダークゾーンも、落とし穴も、回転床も無いらしいっすね」
三洲次 「じゃぁ……マッピングはぁ……手ぇ抜いてぃい……?」
ロース 「いい訳ないでしょ」
ロイン 「エレベーターで降りてすぐ左隣の玄室に、地下10階へ降りる『シュート』があるらしいな。
 そこだけは、まだ踏み込まないように気を付けよう」
ロース 「注意するポイントは、それぐらいかしら?」
ロイン 「そのようだ」
ランプ 「では、出発しますか?」
「モグモグモグ……」
三洲次 「もぐもぐもぐ……」
ロイン 「まだ食ってる奴がいるから、先に装備の見直しをしておこう」

出発する前に、まずは装備を整えます。


地下9階は、地下3~4階ほどドラゴンが出てこないので、
ここでブリスケットも武器を「切り裂きの剣」に切り替えます。



そして、ロース(僧侶)と三洲次(盗賊)にも、より防御力の高い「鉄の盾」を買い与えました。

って言うか、「鉄の盾」って、意外といろんな職業で装備できるんだな。

まぁ、バグでACは機能していないけど…、そこは雰囲気、雰囲気!



装備を揃えたら、いよいよ地下9階へ向けて出発です。

ロイン 「では、いよいよ地下9階へ向けて出発しよう」
ロース 「まだ一番下の階じゃないけど、それでも敵の懐に入っていく感じがあるわね」
ブリスケット 「いやぁ、やはり緊張しやすな」
三洲次 「どんなモンスターが待っているのか…?」
ランプ 「どんなアイテムが待っているのか!?」

まずは、地下1階からエレベーターで地下4階へ。


そして、地下9階へ通じる、かの有名な「プライベートエレベータ」へ。


ロイン 「許可証の『ブルーリボン』はあるな?」
三洲次 「えぇ」
ロイン 「では、いよいよ入ろう」

ドアを開けると......、




オーガが2匹出てきたが、軽くひねり倒して、奥のエレベーターへと進む。


ロイン 「ボタンが6つ」
ロース 「地下4階から地下9階までの、6つの階に対応しいてるのね」
ロイン 「では、一番下の『F』を押すぞ」
ランプ 「いよいよ、ですね」



プライベートエレベータで行ける一番最下層、地下9階に到着


ロイン 「着いたな」
ロース 「ドアが無いわ」
三洲次 「えぇと……」


三洲次 「……背後にありますよ」
ロイン 「では、エレベーターから降りてみよう」

ドアを開けると....、


ドアの外は、両サイドに扉と、横に伸びる通路が一本。

パーティー(キャラクター)には初めての光景だが、
プレイヤーには懐かしい光景です。



そうか....また、俺はここに戻って来たのか。
感慨深いな。



ランプ 「とうとう来ましたね」
ロイン 「まだワードナの膝元ではないが、それに近い場所だ。
 魔物もそれなりのやつらが出てくるだろう。
 全員、油断せずに、全力でかかるように」
ブリスケット 「承知!」
ランプ 「左手の扉が、さっき話していた『シュート』のある玄室ですね」
ロース 「それで、どうするの?」
ロイン 「とりあえず、この通路を歩いてみるか。
 では、マッピングの開始だ」
三洲次 「へいへい、地図を書くのは、俺の仕事ですよね」
ロース 「あなた戦闘中は楽してるんだから、その程度は働きなさいよ」




ロイン 「若干入り組んでいるが……」
ロース 「基本的に一本道ね」
三洲次 「そして一番奥は、袋小路か」
ブリスケット 「途中にあった扉を含め、扉は全部で3つ」
ランプ 「どうします?」
ロイン 「エレベーターに近い扉から探索していこう」


三洲次 「エレベーター前の左手側の扉は避けるとすると…」
ブリスケット 「自然と右手側の扉から…になりやすな」
ロース 「いよいよ、地下9階での戦闘かしら?」
ロイン 「まぁ、戦闘準備をしておいて、損はないだろう。
 みんな、準備はいいな?」
ランプ 「えぇ、大丈夫です」
ロイン 「よし! ブリ助、蹴破れ!」
ブリスケット 「では…(バンッ!)」


ブリスケット 「玄室じゃなく、通路ですぜ」
三洲次 「右手に見えるT字路へ行くしかないですね」
ロイン 「では、T字路へ行ってみよう」



ブリスケット 「T字路の左側は、行き止まりですぜ」
ロース 「右側は、通路が続いてるわ」
ロイン 「よし、右側の通路を進もう」


ブリスケット 「扉がありやす」
三洲次 「ありゃ?
 作ってるマップを見ると、あの扉の向こう側は、エレベーター前の左手側の玄室ですよ」
ロイン 「なに?
 じゃぁ、エレベーター前の左右の扉は、つながっているのか」
ランプ 「入るのは避けますか?」
ロイン 「『シュート』は部屋の隅らしいから、入るだけならいいだろう」
ブリスケット 「では、いよいよ玄室に突入しやすぜ」
ロイン 「うむ。 ブリ助、いけ!」
ブリスケット 「では…(バンッ!)」



ブリスケット 「敵が現れやしたぜ!!」
三洲次 「地下9階、最初の戦闘か…」
ロース 「いかにも脳筋バカそうな顔ね」
ロイン 「これなら、カティノと打撃だけで倒せそうだな」
「ちっ…、手ごたえなさそうだな」

戦闘開始!!


トロール 「ゥガアアァァッ!!(ドカッ!!)」
「いでっ!!」
三洲次 「油断するからだ……」
てめええぇぇっ!!
 ぶっ殺すっ!!!!!


トロール 「グギャアアアァァッッ!!!」
三洲次 「あ、一撃……さすが」



いきなり桃がダメージを喰らう不安な滑り出しではあったが、後はカティノで眠らせつつ、余裕で勝利。


さぁ、地下9階最初の宝箱だ。

三洲次 「これは……罠は、ガス爆弾ですね」


三洲次、罠を一発で解除する。
意外とすんなりと開いたな。

そして中からは......、


....「フレイル」と「銅鎧」が出てきた。

なんて言うか....、地下9階最初の宝なのに、
コメントに困る地味な中身だ......。

まぁ、しょうがない....。


ランプ 「一旦、エレベーター前に戻りますか?」
ロイン 「そうだな。今度は、通路の奥にあった扉へ行こう」


エレベーター前の左手の玄室から出たら、今度は通路の奥にあったドアに向かいます。


ロイン 「いよいよ、このフロアの奥地へと入っていくぞ!」
ランプ 「緊張しますね…」
ブリスケット 「では、扉を開けやすぜ…?」
ロイン 「うむ」



バンッ!!



ああああぁぁぁぁ!!!!

大量経験値のチャンスがあああぁぁぁ!!!


......く....くそっ......!

.... 惜しみつつも、「立ち去る」を選択。


そして、部屋の奥に見えた扉へ。


ブリスケット 「では、奥にある扉に入りやしょう」
ロイン 「よし、蹴破れ!」

バンッ!!



ワイバーン 「キュ?」
ワイバーン 「キュ~~!ペロペロペロッ!!」
ブリスケット 「ちょ!…え?!
 か…、顔を舐め…くすぐった…!」
ワイバーン 「ベロベロベロッ!」
ブリスケット 「うわ…、や…やめ…!」
三洲次 「ワイバーンが、ブリ助にじゃれついてますよ…」
ランプ 「ブリ助のどこが気に入ったのでしょう?」
ロイン 「よし、奥に行くぞ」
ロース 「ほら、ブリ助! 行くわよ」
ワイバーン 「キュ~!ペロペロペロ!!」
ブリスケット 「ちょ…待って……は、離せって…!」


ランプ 「けっこう広い部屋ですね」
ロイン 「とりあえず、部屋の形状を調べるか」
ロース 「じゃ、奥に進んでみる?」
ロイン 「うむ」

と、歩きだし、2歩先の角を曲がった途端....、


....壁の陰から敵が飛び出してきたっ!!


シーフA 「おりゃーっ!!!」
シーフB 「獲物だぜえぇぇーっ!!!」
シーフC 「殺っちめええぇぇっっ!!」
シーフD 「金目のモノはいただきだぁぁっ!!」
三洲次 「うわ!!」
ロイン 「なんだ?!」
シーフA 「ん?!」
シーフB 「ちょっと待て……」
シーフC 「えぇと……、ひー…、ふー…、みぃー……」
シーフD 「よー…、いつ…、むー……」
シーフA 「……6人?」
シーフB 「オレたちは?」
シーフC 「4人」
シーフD 「……………」


シーフA 「うわあああぁぁ!!!」
シーフB 「人数が多いぞおおおぉぉ!!」
シーフC 「逃げろおおぉぉ!!!」
シーフD 「ちょ…お前ら…!」
「あぁぁああ?
 なんだぁ?てめぇら?」
シーフD 「え……?……あ…?
 だあああぁぁぁ!!!」


(ひょい!)
シーフD 「へ?」
てめええぇぇっっ!!
 あたいらを襲おうなんて、いい度胸じゃねぇかああぁぁっっ!!!
シーフD 「ひいいぃいいぃぃっっ!!!」


シーフD ぎゃあああぁぁぁっ!!!
「あ


ロイン 「なんだったんだ……今の……」
三洲次 「勝手に襲ってきて、勝手に逃げていきましたね…」
ロース 「とりあえず、探索を続けない?」
ロイン 「うむ」

部屋の形状の確認を続けます。


探索していくと、L字形の広間の横に、東 (右側) へ延びる細い通路が見える....。

ブリスケット 「なんすかね?この通路?」
ロイン 「ちょっと奥まで行ってみるか」

通路を進んでいくと......、


??? 「待てえええぇぇぇっ!!!」
ロイン 「ん?」
ロース 「何かしら?」


三洲次 「あ! さっきの盗賊!!」
ブリスケット 「なんと!助っ人を連れてきやしたぜ!」
   
シーフA 「へっへっへっ...、今度こそ逃がさねぇぞ!」
ロース 「逃がさねぇぞ…って、そっちが勝手に逃げたんじゃない…」
シーフB 「こっちは8人も居るんだぜぇ!!」
シーフA 「へへへ! びびろ、びびろ!」
ランプ 「9人ですよね?」
三洲次 「数も数えられないのかよ」
ロイン 「それ以前に、戦いは数じゃないことを、教えてやらないとな」
ブリスケット 「しかし、アーチメイジとかチャンプサムライとか、
 あっしらが見たこともねぇ、強そうな奴らを引き連れてやすぜ?」
ロース 「こんな奴らに付いてくるようじゃ、きっと大したことないわよ」


戦闘開始!!


サムライA 「グー……」
サムライB 「ZZzz……」
サムライC 「スピー……すぴー……」
サムライD 「ゴォ~……ガァ~……」
シーフA 「うわあああぁっ!お、お前らああぁっっ!?」
シーフB 「寝るな!! 寝るなよっ!!!」


メイジA (ふご……ふごっ……!)
メイジB (ほぉごっ…ほご……!)
メイジC (こ……、声が…っ!!)
シーフA 「おおぉぉいっっ!! 魔法で こいつらを蹴散らすんじゃなかったのかよっっ?!」
シーフB 「なぁ!! 頼むよっ!! それでもお前らアーチメイジかよっっ!!」

三洲次 「なんなんだよ…こいつら……」
ランプ 「アーチメイジって、こんな弱いんですか…?」
ブリスケット 「どう考えても、名前を騙ってるだけっすね」
ロース 「ほら、大したことないじゃない」
ロイン 「では、いくら数が居ても無駄なことを、教えてやるとするか…」
シーフA 「へ?」


シーフA 「うわああぁぁぁっっ!!」
シーフB 「ぐわああぁぁぁっっ!!」



ロイン 「おや?」
ロース 「あら?さすがに地下9階だと、マカニトが通用しない敵がいるのね」
三洲次 「バカな盗賊だけ 死にましたね……」
ランプ 「どうします?
 こんな奴らに攻撃魔法を何発も使うのはもったいないですし、
 打撃で1人ずつ倒しますか?」
ロイン 「時間がかかりそうだな…」
ロース 「だったらぁ!」




ロース 「余裕ぅ♪」
ランプ 「一瞬にして、全員倒しましたね…」
三洲次 「すげぇ……」

あっさりと勝利した後は....、


.... 通路の一番奥に扉があることを確認する。

ただ、この扉は迷宮の奥へと行きそうなので、一旦広間に引き返すことにしました。



広間に戻ったら、もう1つの扉に入ってみることに。

ブリスケット 「入りやすか?」
ロイン 「あぁ」
ブリスケット 「では! (バンッ!)」



??? 「む?!」
??? 「強奪する奴が現れおったか?!」
ロイン 「え?」
??? 「先手必勝じゃ!」
??? 「やってしまえ!!」
ランプ 「え?!」


メイジA 「がぶううぅぅっっ!!」
ブリスケット 「いででででっ!!」


メイジB 「きぃやあああぁぁっっ!!」
ロース (ひょい!)
メイジB 「へ?」


メイジC 「ちょえええぇぇっっ!!」
「つっ!」


メイジD 「ぃやあああぁぁっっ!!」
ロース (さっ!)
メイジD 「ほ?」
   
三洲次 「ロースが、全て避けましたよ」
ランプ 「なんか、ロースの動きが良くなってますね」
ロイン 「敵を一度に殲滅できるようになったし…。
 マスターレベルになり、一流の冒険家になった感じだな」


メイジA 「まさか、運んでいるところを、強奪しようとする奴らが現れるとはな……」
ロース 「運んでる……って、何を?」
三洲次 「さぁ…?」
メイジB 「ワードナ様の命に従い、絶対に渡しはせんぞ!!」
ランプ 「何をですかね?」
ブリスケット 「知らねぇっす」
メイジC 「運搬中を狙うとは、姑息なコソ泥どもめ!!」
メイジD 「返り討ちにしてくれる!!」
ロース 「失礼ね!コソ泥なんて野蛮な言い方しないでよっ!!」
三洲次 「俺、一応 盗賊だけど…?」
ロイン 「何だか分からんが、教えてもらえそうにないなら、
 力づくで手に取らせてもらうぞ!」
ブリスケット 「それ、もう強奪と同じっすよね…?」
三洲次 「そもそも何を運んでるか、どうでもよくないですか…?」
ロース 「なに言ってんのよ!
 こっちは一度やられてるんだから、やり返すのよ!
 見てなさい!!」


ロイン 「はい!さっそく一丁あがりね!!」
三洲次 「早っ! いきなりかよっ!!」
ロイン 「ロース、動きが本当に素晴らしいな」
ランプ 「これがマスターレベルの貫禄ですかね…」
メイジE (ふ…ふご……)
メイジF (こ…声が……)


ロイン 「ラハリトっ!!」
メイジA (がはあぁぁ!!)
メイジB (ぎはあぁぁ!!)
メイジC (ぐはあぁぁ!!)
メイジD (げはあぁぁ!!)
メイジE (ごはあぁぁ!!)
メイジF え?!…えぇと……う~んと…)


ブリスケット 「いいから、早く死ねっす!!」
メイジF (ごはあぁぁんっ!!)


ロイン 「これが、奴らが運んでいたものだな」
三洲次 「えぇと……罠とかは無いですね。
 ごく普通の箱ですよ」
ロース 「じゃぁ、本当にただ運んでいただけなのね」
ランプ 「で、肝心の運搬物は何でしょう?」


ロイン 「『剣』が一本だけ……か。
 ランプ、鑑定を頼む」
ランプ 「どれどれ…」


ランプ 「これは『メイジマッシャー』ですね。
 短剣の一つです」
三洲次 「へぇ……じゃ、俺でも装備できるの?」
ランプ 「『最強の短剣』が最強だから、装備はそのままがいいですよ」
三洲次 「本当に最強なんだ……」
ブリスケット 「しかし、メイジ(魔法使い)をマッシャー(すり潰す)ってぇことは…?」
ランプ 「魔法使い系の敵に、倍打の効果があります」
ロイン 「なるほど、ワードナがどうとか言ってたが、見えてきたな…」
ロース 「ワードナは魔法使いだから、これを使われないために、部下に隠させようとしたのね」
ブリスケット 「そういうことっすか…」
三洲次 「でも、そもそもの威力が『最強の短剣』未満なら、別に恐れなくていいのでは?」
ランプ 「いや、『メイジマッシャー』には特殊な力が秘められてましてね…」
ロイン 「ん?」
ランプ 「パーティーの先陣の者がこれを持つと、敵を率いている魔法使いには、味方全員が倍打できる力があるのです」
ロイン 「つまり?」
ランプ 「例えば、仲間の一人が『村正』で攻撃しても、倍打になります」
ブリスケット 「そりゃ脅威っすね」

お!
これで、バグの現象にムリヤリ説明がついたぞ!

ロイン 「なるほど。
 では、これはありがたく頂いていくか」
三洲次 「どう考えても、やってることは強盗だ…」
ロイン 「今さら何を言ってる。
 よし、ブリ助、持っててくれ」
ブリスケット 「承知」


ブリスケット 「では、次に行きやしょう」



ブリスケット 「右側と正面に、それぞれ扉がありやすぜ?」
ロース 「どっちから行く?」
ロイン 「右側から調べていくか」
ブリスケット 「では…」


扉に入ると、そこは1マスの小部屋であった。


そこを抜けると、今度はコの字になった通路が続いていた。
そして、通路の一番奥には扉がある。


扉の中は、またもや1マスの小部屋。
扉を開けて、さらに奥へ進む....、

ガチャ!



メイジA 「ん? やっと、『メイジマッシャー』が届いたか?」
メイジB 「では、埋めるとするか……」
ワイバーンA 「キュ?」
メイジC 「待て! こやつら、運び役のメイジではないぞ?!
 なんじゃ、お前ら?」
ロイン 「なんだと…と言われても……」
メイジA 「あ! こやつら『メイジマ…
ワイバーンB キィーーーッ!!!
メイジB 「まさか運び役を…
ワイバーンC キョーーーッ!!!
メイジC 「貴様ら、ただで済…
ワイバーンD ギョーーーッ!!!
メイジA~C 「「「うるせえええぇっ!!!」」」
ロイン 「マカニト!」


メイジA~C 「「「ぎゃあああぁぁ!!!」」」
ロイン 「なんだったんだ……こいつら……」


三洲次 「あ! こいつらも『けん』を持ってましたよ」
ロイン 「もしかして、それもメイジマッシャーか?」
ランプ 「確認しますね」


ランプ 「『幻滅の短剣』でした」
ロイン 「なんだ、ショボいな…」
ロース 「先に進みましょ」


ロイン 「……と、思ったが、行き止まりか……。
 ここが一番奥なのか…」
三洲次 「あいつら、迷宮の一番奥に剣を隠そうとしていたんですね…」
ランプ 「では、引き返しましょう」

と、戻りだした途端!!



ワイバーン 「キューーッ!!」
ワイバーン 「ペロペロペロッ!!」
ブリスケット 「うわ! なっ……舐めるな!」
三洲次 「あ、さっきのワイバーンたちのこと、すっかり忘れてた…」
ロース 「まだ残っていたのね……」
ロイン (マカニトって、ワイバーンにも通用しなかったっけ…?)
ワイバーン 「ベロベロベロッ!!」
ブリスケット 「ちょ!か、顔が……ベトベトに…っ!!」
三洲次 「あ! あっちから……」


三洲次 「キメラがやって来た……」


キメラ 「グッハアアァァッッ!!」
ブリスケット 「うわぁっ!! 乗っかるなあぁっ!!」
キメラ 「ペロペロッ!! ベロベロっ!!」
ブリスケット 「お……重いいぃっ……!!」
ワイバーン 「ペロペロペロッ!!」
キメラ 「ベロベロベロッ!!」
ブリスケット 「ちょ……や、やめろっ……!!」
ランプ 「良かったですね、ブリ助。
 久々の動物たちとの触れ合いですよ」
三洲次 「キメラもワイバーンも、動物とはちょっと違う気が……」
ロイン 「ま、とりあえず戻ろう」
ロース 「ほら、ブリ助! 遊んでないで、行くわよ」
ブリスケット 「お…重っ……、あ…待って……、ど、どけって!!」


部屋を出たら、先ほどのコの字形の通路を戻っていく。

が、その途中......、


??? 「待てえええぇぇ!!」
ロース 「え?またぁ?」
三洲次 「ん? 盗賊ではないですよ?」


ロース 「え?! またレベル7メイジなの?!」
メイジA 「おぬしらじゃな!!」
メイジB 「メイジマッシャーを奪っていったのは!!」
ロイン 「あぁ、確かに俺たちがメイジマッシャーをもらったよ」
メイジC 「くそっ! 連絡は本当じゃったか!!」
ブリスケット 「だとすると、どうするっすかね?」
メイジC 「決まっておるじゃろっ!!」
メイジB 「こんなことがワードナ様に知れては、我らはタダでは済まんからな!!」
メイジA 「力づくで奪い返しガハァッ!!!


ゴチャゴチャうっせぇんだよっ!!
ロース 「モンティノ!!!」


メイジB (え…?……こ、声が……)
メイジC (マ…マハリト!)


メイジC (で、出ない…!!)
死ねええぇぇっ!!
メイジB (ぐはああぁぁっっ!!))


メイジC 「ひぃ、ひはまらぁ!(き、貴様ら!)
 はぱひょうはぁいにはぁふぁらっへ(我が協会に逆らって)
 はばべしゅふとおぬふはほぉっ!(タダで済むと思うなよっ!)」
ロイン 「?? なんて言ってる?」
ランプ 「協会がどうとか…?」
ロース 「よく聞き取れるわね……」
ブリスケット 「おりゃ!」


メイジC くぱああぁぁっ!ぐはああぁぁっ!)」
   
ロイン 「なんだったんだ…」
ランプ 「なんか気になる単語がありましたね。
 協会とかなんとか……」
三洲次 「なんのことだろうな…?」
ロース 「考えたって分からないんだし、先に進みましょ」


通路を引き返し、先ほど扉が2つあった玄室に戻る。


ブリスケット 「では、もう1つの、正面にあった扉に入るっすよ」
ロイン 「うむ」

バンッ!



ワイバーン 「キューーーッ!!」
ワイバーン 「ペロペロペロペロっ!!」
ブリスケット 「え! またっ?!
 わ!…コラ!…な、…舐めるな…っ!!」
ロース 「ブリ助って、ワイバーンに好かれやすいわね」
ロイン 「実はさっきの奴らが、ただ移動しているだけでは?」

とりあえず、さらに奥にある扉に入る。


バンッ!



キメラ 「ギイイィィ!!!
 ベロベロベロベロベロ!!!!」
ブリスケット 「マジで!!
 ちょ!舐め…なっ!」
キメラ 「ゥハ! ハッ!ハッ!!」
ブリスケット 「こ、こら! 上に乗る…!
 う…うわあああぁぁぁ!!!」
ロース 「ここら辺のワイバーンとキメラって、こんなのばかりなの?」
ロイン 「さぁ……」


三洲次 「ここは、地下9階のちょうど中央付近です」
   
ブリスケット 「お…重いって!!」
   
ロース 「こっちも、ここで行き止まりね」
ロイン 「そろそろいい時間だな。
 今日は、ここまでにしよう」
   
ブリスケット 「な…舐め……こ、こら……や、やめっ!!」
   
ランプ 「では、エレベーターまで戻りますか?」
ロイン 「せっかくマロールを覚えたんだ。
 マロールで戻ろう」

と、言うわけで、マロールに初挑戦!


まず、宝石の指輪でデュマピック(現在位置調査の呪文)し、現在の座標を確認。



そして、ワープする移動を指定!

ロイン 「よし!では、地上に戻るぞ!」
ロース 「ブリ助! 戻るわよ!」
ブリスケット 「ど…どいてくれな……お、重っ!!
 ちょ…どけっすっ!!」
ロース 「置いてくわよぉ~!」
ブリスケット 「ま、待ってえええぇぇ!!」


マロール!!!


ビュゥゥン……ビュゥゥン……



マロール、成功!!

地下9階の初探索は、無事に帰還して完了!!


………………


………




──── 地下10階 某所……

??? 「報告致します。
 メイジマッシャーの奪還は、失敗に終わったようです」
??? 「なんということだ……」
??? 「申し訳ありません」
??? 「それで、我が協会から奪っていった奴らの名前は、分かったのか?」
??? 「密偵を送り調べましたが、なんでも『ローラーレンジャーズ』とかいうパーティーで…」
??? 「くそっ!
 いまいましい『ロールケーキ』めっ!!」
??? 「いや、それ食い物ですよ…」
??? 「だんだん腹が立ってきたわ!!!」
??? 「むしろ腹が減ってるのでは?」
??? 「よおぉぉぉしっ!!!
 こうなったら、ワシを含む『四天王』自らが、
 その『ロールケーキ』の相手をしてやるわっっ!!!」
??? 「それ、ただスイーツを食べに行くだけじゃないでしょうね……」


「31.宿敵!上級魔術師協会現る!」へ



名前 LV H.P. コメント
ロイン 13 77 17 18 12 18 17 15 0 マロールって便利だな。
三洲次 13 49 17 16 9 13 18 16 3 今のところ、目立った解除ミスなどは無し。
12 94 18 18 18 18 17 17 0 力18の攻撃力、頼りにしてますよ!
ロース 13 104 17 18 18 18 18 14 2 全体攻撃って便利だな。
ランプ 13 46 14 18 18 14 16 10 3 またもやカティノ・モンティノ要員に戻りそう。
ブリスケット 12 100 17 17 15 18 18 12 2 今の武器でも、地下9階では通用しそうかな?

 


【更新履歴】
2021年 7月31日:読むのにかかる所要時間(目安)を掲載しました。
2020年11月 1日:台詞を一部見直し。
2019年 8月18日:全体的に文章と台詞を推敲。
2019年 7月 1日:台詞を一部見直し。ステータス表のコメントを一部見直し。次ページへのリンクを設定。
2019年 6月24日:新規公開。