36.大は小を兼ねる

【登場人物】  
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
トライチップ 悪パーティーのリーダーを務める悪徳神官。
テール 金の為にはあらゆる悪事を躊躇わない悪徳司教。
心々 人々を護ることを志す用心棒チームのリーダー。
沙賀里 用心棒チームの1人。心々の幼馴染の変な巫女。
ネック 冒険に巻き込まれた気弱な呪文マニアのエルフ。

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━━━━ ギルガメッシュの酒場
     店の片隅で...

テール 「ご神官様、新しい悪事を考えて参りました」
トライチップ 先に釘を刺しておくが、わしらの所持金はもう後が無い状態なんだっ!!
 もし今回大金を稼げない悪事だったら、打ち首の刑にしてやるからなっ!!
テール 「ご安心ください。
 これまでの失敗を反省して、今回は確実に大金を稼げる悪事に致しました」
トライチップ それなら最初に何を反省したのか、それを聞かせてもらおうか!
テール 「はい。
 ここ最近、我らは『カツアゲ』や『オヤジ狩り』などのショボい悪事や、
 『盗掘』などと言う稼げるかどうか怪しい悪事をしてきました」
トライチップ 全ておまえのせいだああぁっ!!!
テール 「大金を手にするならば、やはり奇をてらわず、王道の悪事でいくべきなのです。
 そこで今回は、いよいよ悪事の中の悪事に手を染めたいと思います」
トライチップ 「悪事の中の悪事……?」
テール 「はい」
トライチップ 「それは……?」
テール 「『横流し』でございます」
トライチップ 「むぅ……確かに代表的な悪事の1つと言えるな………」
テール 「はい。
 横流しは、上は官民から下は平民まで、あらゆる地位・階級の人々が行っている悪事でございます。
 戦時には軍需物資の売買から闇市での配給品の密売……、
 平時でも嗜好品や高級品の不正転売、押収した武器や麻薬の裏取引……、
 ……多くの時代・地域・組織の下で行われてきた、まさに悪事の中の悪事と言える行為でございます」
トライチップ 「確かに………」
テール 「この様に多くの人たちが横流しに手を染めてきたのは、それが大金を稼げる悪事だからでございます」
トライチップ 「そうだな……」
テール 「もはや『横流し』を知らぬ者は悪事を知らず…とさえ言えるのではないでしょうか?」
トライチップ 「たまに賛同してるからって、ちょっと説明が調子こいてないか…?」
テール 「いえいえ、『横流し』は全ての悪人がやっているほどの悪事ですので」
トライチップ 「なんかそういうデータでもあるの?」
テール 何を仰います!!
 悪事で身を立てるには、何を置いても先立つ物はコレでございます!!
 だからこそ、少ない投資で莫大な財産を得る『横流し』は、
 誰もが最初にやる悪事と言えるのではないでしょうか?!
トライチップ 「それって、おまえの感想だよね?」
テール 違います!!
 全ての悪人は『横流し』で悪事に手を染め、
 『横流し』で悪事を身に付け、『横流し』で一人前になるのです!!
 ゆえに『横流し』は全ての悪人がやる、まさに悪事の中の悪事!!
 別名『チャンピオン・オブ・悪事』とさえ言われておるのです!!
トライチップ 「なんだろう……ウソつくの止めてもらっていいですか?」
テール 「ともかく、今回は『横流し』に挑戦し、大金を手に入れようと思います」
トライチップ 「相変わらず都合が悪くなると人の発言を無視するな……。
 まぁ、いい。
 とりあえず段取りを教えてもらえるか?」
テール 「ご説明致しましょう。
 まず最初に、商品を仕入れるために迷宮へ入ります」
トライチップ 「あ……(察し…)
テール 「迷宮内には、あちらこちらに色々な品物が入った宝箱があります。
 それらを手に入れて、商店へ売り飛ばすのです」
トライチップ 以前やった『盗品の転売』と完全に同じじゃんっ!!!
テール 違います!!
トライチップ どこがだよ?!
テール 「よろしいですか?
 転売とは『入手した品を他人に売ること』であり、
 横流しとは『正規の販路を通さずに秘密裏に売ること』であります。
 つまり、販売経路 及び 秘匿性の有無が相違点となっているのです!」
トライチップ 「思った以上にちゃんとした解説が返ってきちゃった……」
テール 「ご理解頂けましたら、さっそく迷宮の方に…」
トライチップ 待て、待て!
テール 「何でしょう?」
トライチップ 結局やることって、魔物を倒して宝箱からアイテムをゲットして、
 それをボルタック商店へ売るんだろ?!
 それは迷宮に行く冒険者がみんなやってるって、何度言えば分かるんだ?!
テール 「なんかそういうデータでもあるんですか?」
トライチップ だから別に悪事でもなんでもないだろ?!
テール 「それって、あなたの感想ですよね?」
トライチップ いちいちはぐらかすなぁっ!!!
テール 「なんだろう………怒るの止めてもらっていいですか?」

 



【目次】

1.三洲次と邂逅の品物

2.三洲次と解除の指導

3.三洲次と解呪の調べ

4.三洲次と鎌倉の事変




1.三洲次と邂逅の品物


━━━━ 迷宮 入り口......


三洲次 「今度は何すんの?」
テール 「今回は『横流し』を致します」
三洲次 「横流し……?
 何を横流しするの?」
テール 「分かりません」
三洲次 「その回答が分かりません」
テール 「何か分からないことを言いましたかな?」
トライチップ 「むしろ分からないことしか言ってない」
三洲次 「横流しする物が決まってなかったら、どこへ何しに行くか決まらないだろ?」
テール 「それは決まっております。
 迷宮に隠された宝箱を探しに行くのです」
三洲次 「はあ…?
 つまり前回と同じってこと?」
トライチップ 「むしろ毎回同じ」
テール 「全然違います」
三洲次 「どこが?」
テール 「よろしいですか?
 前回は……騙されていたとは言え……特定の宝箱が目的でした。
 今回は不特定多数の宝箱が目的です。
 つまり目的が全く違うのでございます!」
三洲次 「結局やることは一緒だろ?」
テール 「それは結果論でございます。
 大先生を相手に失礼とは存じますが、男子たるもの、
 ちゃんと『違い』というものが分からなければなりません」
三洲次 「そうなの?」
テール 「もちろんでございます。
 有名な歌があるではありませんか」
三洲次 「どんな…?」
沙賀里 「♪ダバダ~~~ダ~~ダ~
  ダバダ~~ ダバダ~~~」
テール 「迷宮が舞台……、テールは知っている。
 他のどの悪事にも似ていないこと、それが上質」
沙賀里 「♪ダバダ~~ダ~~ダ~~
  ダバダ~~~」
テール 「違いの分かる男……テール」
沙賀里 ♪ダバダ~~ ダバダァァ~~
  ダバダァァァァ~~~!!
テール 「違いを知る人のリルガミン、ル'ケブレスの迷宮」
三洲次 「…………………………………………」
テール 「こんな歌、ご存知ですよね?」
三洲次 「出発しよっか………」



今回もバラックへ向かいます。
ここが敵とエンカウントしやすいので。


三洲次 「じゃ、また1部屋ずつチェックしていくか」
テール 「はい」
トライチップ 「違いの分からない男、トライチップ、
 今回もやってることが同じに見える……」


ガチャッ...!        ← 扉を開けた音


三洲次 「む……!」
トライチップ 「どうされました?」
三洲次 「この気配は……」


三洲次 「ポルターガイストだ」
ネック  ((\(;>w<)/)) わたわたわた……
テール 「以前、心々が殺された相手ですな」
トライチップ 「おまえがオヤジ狩りとか言って、無駄に話しかけていたせいでな」
テール 「また人のせいになさる」
トライチップ むしろおまえの下らん悪事以外が原因だったことがあったか?!!
テール いくらでもあったと思いますが?!
三洲次 「ねぇ、それよりも先に敵を倒さない……?」
トライチップ 「え……?
 あれを倒すのですか?」
三洲次 「そう。
 なんかダメな理由でもあった?」
トライチップ 「いや、わしら横流しする商品を手に入れに来たのですよね?
 別に魔物を倒しに来た訳では……」
三洲次 「でも、部屋の奥に宝箱があるよ?」
トライチップ 「へ?
 ………あぁ、ホントですな」
三洲次 「あれを取ろうとすると、絶対にこいつらが邪魔するだろうから、
 先に排除しないとダメだよ」
トライチップ 「なるほど……さすが大先生。
 どっかの誰かと違い、ちゃんと筋の通った説明でございます」
テール 「世の中には説明のヘタな奴もおるのですな」
トライチップ
& 三洲次
「「自覚無しか?!」」


とりあえず戦術を決めましょう。



三洲次 「まず俺と心々は直接攻撃だな」



三洲次 「ちょうど僧侶が2人いるから、
 それぞれ敵の前列・後列をディスペルだ」



三洲次 「カティノ使いも2人いるから、
 敵の前列・後列へカティノだな」


三洲次、実はおまえも唱えられるんだぞ。

三洲次 「これでイケると思うんだけど……」
ネック  ((\(;><)/)) ヒャアアアアア
三洲次 「君、そんなにお化けが苦手なの……?」
ネック  ((\(><;)/)) ワタワタワタ…
三洲次 「この子、何なら大丈夫なの?」
心々 「こっちが聞きてぇよ……」


三洲次 「しかし、うまい具合に2グループの敵にも対応できるんだな」


それを狙ったパーティー構成だからね。

ともかく、戦闘を開始しましょう!!


三洲次 「よっと!」


一番手は三洲次
高い能力を活かしての素早い攻撃は大変助かる。


心々 「ありゃ……?」


二番手は心々
いまだ低い能力を活かしてのヘボい攻撃は大変困る。

三洲次 「まぁ、外れたものはしょうがない。
 残りはカティノで一旦寝かそう」
トライチップ 「え……?
 あれを寝かせるのですか?」
三洲次 「そう。
 なんかダメな理由でもあった?」
トライチップ 「いや……ポルターガイストって幽霊ですよね?
 幽霊が寝るのですか?」
心々 「その話しは以前もしたし、実際に寝てるのを見ただろ?」
テール 「ご神官様、有名な唄があるではないですか」
トライチップ 「なに?」
テール 「♪グッ グッ グググのグー、
  朝は寝床で、グーグーグー」
三洲次 「それは幽霊じゃなくて妖怪の話しでは……?」
トライチップ じゃあ、ポルターガイストも寝るってこと?!
 マジで!?
 どこで寝るの?!
 どうやって寝てるの?!
 寝不足だとやっぱりうつ病とか生活習慣病とかになっちゃうの?!
三洲次 「糖尿病のポルターガイストとかヤダな……」
テール 「ご神官様、何を仰ってるのですか。
 有名な歌があるではないですか」
トライチップ 今度はなに?!
テール 「♪楽しいな、楽しいな、
  お化けは死な~~ない~~、
  病気も何にもない!!」
トライチップ さっき『15のダメージ ポルターガイストは死んだ』よ!?
テール 「とりあえず眠らせますぞ」
トライチップ おまえ、都合が悪くなると、すぐ無視するよね!?


トライチップ 寝ないじゃんっ!!!
三洲次 「いや…その……まだ2匹おりますから……」


ポルターガイスト達  ……ZZZzzz……

テール 「ほらほら、残りは寝ましたぞ!!」
トライチップ 口も喉も無いのに、どっからイビキが出てるのっ?!
テール 「いえ、口はありますぞ」
トライチップ どこに??!
テール 「その証拠に……」


沙賀里 おほほほほほほっ!(ぴょんっ!)
   
テール 「…噛みついてきております」
トライチップ あの見た目で無理がない?!!
テール 「そういうものだと受け入れて下さい」
三洲次 「ウィルオーウィスプを思い出すな……」
   
沙賀里 幽霊の分際で、聖職者たる巫女に敵うと思うのが間違いですわ!!
 神聖にして敬虔な巫女であるわららが、そなたらを昇天させてみせますわ!!
   
トライチップ 日頃の言動から神聖とか無理がない?!!
テール 「そういうものだと諦めて下さい」

 

 

トライチップ
& 三洲次
「「は…?」」

 




三洲次 「あれってディスペルなの……?」
テール 「ちゃんと昇天しましたぞ」
三洲次 「昇天の意味が違くない?」
テール 「そういうものだと受け入れて下さい」
トライチップ 「投げキッスで昇天とか、純朴過ぎだな……」
三洲次 「ちょっと待ってくれ」
トライチップ 「はい?」
三洲次 「あれがこのパーティーのディスペルだとすると……」
トライチップ 「…………………………………………」
三洲次 「…………………………………………」
トライチップ 「…………………………………………」
三洲次 「…………え?!
 おまえも……まさか……!?
トライチップ あんなのと一緒にしないでくれますかっ!!!
三洲次 「あ~~……ビビッたぁ~~……、
 まぁ、そうだよな。
 じゃ、ちゃんとしたディスペルを見せてくれ」
トライチップ 「では………」
三洲次 「…………………………………………」
トライチップ 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!


三洲次 うるせぇだけじゃんっ!!!
トライチップ 「いや、実はディスペルのやり方を知らなくて、テキトーに叫んでるだけで……」
三洲次 このパーティー、不死系とまともに戦う奴、
 1人もいないのかよっ?!!
ネック  わたわたわたわた…… ((\(;><)/))
三洲次 おまえもだああぁっ!!!
ネック  ((\(><;)/)) わたわたわたわた……
三洲次 いいから早くカティノ唱えろよっ!!!
ネック  (;/>Д<)/)))カティノカティノカティノカティノカティノっ!!!
三洲次 連射するなああぁっ!!!
テール 「ですが……」



─── 2ターン目


テール 「…全て寝かせましたぞ」
三洲次 「マジか……、
 ってか、今のでカティノを全部使い切ってない?」
心々 「連続なら何回叫んでも1カウントっぽいぜ」
三洲次 「はじめて知った……」
トライチップ 「それで大先生、この後はどうされるので?」
三洲次 「なんか疲れるだけだから、後は俺が1人で片付けるよ。
 全部寝ちゃったし」
沙賀里 「チュッ♥ チュッ♥ チュッ♥」
三洲次 「ディスペルし足りないの……?(汗)


まぁ、そんなこんなで......、




...敵は爆睡モードに入ったので、
後は三洲次の打撃沙賀里の投げキッスディスペルで片付け......、


...とりあえず勝利です!!


テール 「では、この宝箱を頂いてしまいましょう。
 ささ、心々、こちらへ」
心々 「うぃ~す」
三洲次 「桃そっくりの返事だな……」


トライチップ
& 三洲次
「「テキトーに判断するなっ!!!」」
心々 なんで間違ってる前提なんだよっ?!
三洲次 じゃぁ、間違いじゃないって言うんだな?!
心々 「まぁ、1階にメイジブラスターは無ぇっぽいんで、間違いだとは思う」
トライチップ
& 三洲次
「「ふざけてんのかっ?!!」」
心々 「心配すんなって」
三洲次 「なんでだよ?」
心々 「うち、こういうケースは経験豊富だから」
三洲次 それはダメだろ
心々 「だから対応方法も確立してんだ」
三洲次 「カルフォも無いのに??」


俺はこういうケースの経験が豊富だから、こういう場合は被害の大きい......


...「ガス爆弾」の暴発を防げば、大きな被害を抑えることが可能だと知っているのだ!

心々 「これで解除すればオーケーだ」
三洲次 オーケーじゃねぇよ!!!
心々 「最悪なパターンは回避できっから、大丈夫だって」
三洲次 何が??!


いけ、心々!!!

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心々 「…………………………………(汗)
トライチップ
& テール
& 三洲次
& 沙賀里
& ネック



このパターンって何度目だよ......。

 

いや......ちょっと待てくれ........。

 

このパターン多過ぎない......?

 

もしかして......罠を間違えた暴発しなかったケースも、
実はこのメッセージだったりしない?


仮にそうだとすると、これまで...、

・罠の判定失敗
・罠の解除失敗
・明らかな判定ミス

...した時の、心々の罠の不発率42%(5/12回)

おおよそ2回に1回は不発


いや......これって......、
実は心々がものスゴイ幸運の持ち主ってことでは…?!


実は心々ってメッチャ盗賊の素質があるのでは...!?



まぁ、本当に罠が無いケースとの区別がつかないので、
実際のところは分からないが......どうなのだろう......?




トライチップ 「まったく……ビビらせるな……」
テール 「ま、被害無ければ全て良し!!
 さっそく横流しできる品が無いか確認致しましょう」
三洲次 「えぇと………『オノ』が入ってるな」
テール 「では、鑑定致しましょう」
三洲次 「それじゃ頼むよ」


テール 「ふむ……比較的長い木製の柄に、
 扇型の形をした鉄製の刃……」
三洲次 「ま、このフロアで手に入るオノって、普通の『オノ』しかないけどね」


テール 「これは『いくさオノ』でございます」
三洲次 ??!
テール 「ど、どうされました……?」
三洲次 「え………?
 そんなアイテム出るの……?」
テール 「えぇ、出ます」
心々 「しかも、うちらもう4個目だぜ、これ」
三洲次 うそおおぉっ?!!
 あれだけ長い間アイテムの収集をしてたのに、
 俺たち1度も出たことないんだけどっ!!?
テール 「まぁ……そう言われましても、
 そうですか……としか………」
三洲次 「こんな事って………あるの………?」
テール 「ま、当たるも八卦、当たらぬも八卦でございます」
トライチップ 「その表現合ってる……?」
テール 「これはなかなか高く売れますからな。
 幸先の良い滑り出しでございます」
三洲次 「ちなみに、その武器って強いの?」
テール 「大先生がお持ちの『段平』よりも最低ダメージは大きいので、若干ですが強いかと」
三洲次 「マジか……」
心々 「せっかくだから、ここで装備していくかい?」
三洲次 え?



三洲次 (ズシッ!)重っ…!!」
心々 「どうだ?」
三洲次 「いや……段平の方が慣れてるから、いいよ」
テール 「そもそもこれは横流しする品でございますぞ。
 売る以外の選択肢はあり得ませぬ」
トライチップ 「それは強い装備が出ても強化しない、って言ってる……?
 それこそあり得なくね……?」



ま、売りに戻りましょ。



 



━━━━ ボルタック商店


店員の男 いらっしゃいませっ!!
 お薬から日本刀まで、幅広い品揃えの『ボルタック商店』へようこそっ!!
テール 「しっ…!
 店主、声がデカいぞ……」
店員の男 「え…?」
テール 「人に聞かれたら、どうするんだ?」
店員の男 「挨拶を…?
 なんで?」
テール 「いいから、耳を貸しなされ」
店員の男 「はぁ…」
テール 「今日はなかなか手に入らぬ上物を仕入れて来ましてな。
 そこで、お目の高いお主にだけ、こっそり特別にお売りしようと思い、はせ参じた次第で……」
店員の男 「え?
 上物…?」
テール 「へい」
店員の男 「も……、もももも……もしかして!?
 『村正』ですかっ!?
テール 「なんか前も同じ反応しませんでしたかな……?
 ってか、全然違います……」
店員の男 「あぁ、ビビッたぁ~~…。
 いや、まぁ、そうですよね!
 ちゃんと現実的な品だってのは分かってますよ、ダンナ!
 その品は…」
テール 「『カシナートのつるぎ』でもないです」
店員の男 なんで私の考えてることが分かったのですか?!
テール 「最初の時とまるっきり同じなので……」
店員の男 「じゃ、何ですか?」


いくさオノ

店員の男 「最初の時とまるっきり同じじゃん……」
テール 「歴史は繰り返すのです」
店員の男 「進歩してないだけでは…?」
テール 「とりあえず、査定をお願いできますかな?」
店員の男 「いいですけど……これのどこが秘密だったので……?」
テール 「横流しの雰囲気だけでも…と思いまして」
店員の男 「何言ってんですか……?」


70G.P.で売却。





2.三洲次と解除の指導


━━━━ 迷宮 入り口......


テール 「さぁ、今宵も横流しをする品を見付けに行きましょう」
三洲次 「横流しをする品って、見付けに行くものだっけ?」
トライチップ 「普通は安く仕入れるものだろ?
 なんで探すことが前提なんだ?」
テール 「それはタダで品物を手に入れるためです。
 よって『安く仕入れる』という目的は達成できております」
トライチップ 「それは横流しじゃなくて、使えるゴミを拾って換金するってやつでは?」
テール その通り!!
 それこそが横流しの究極形でございます!!
トライチップ 「なんでだよ?」
テール 「よろしいですか?
 迷宮内ではタダ……つまり0G.P.の投資で品物を入手できます。
 そしてそれを商店に売るので、利益率は100%!!
 最小限の投資で最大限の利益を得る……これこそが商いでございます!
トライチップ 「ゴミ拾いがまさかの究極形……」
三洲次 「商いじゃなくて悪事をしに来たのでは?」
テール 「横流しとは、いわば裏の商売。
 悪事に変わりはございません」
三洲次 「いや、そうかも知れないけどさぁ……」
テール 「では、納得頂けましたのなら、
 さっそくゴミ拾いに行きましょう」
三洲次 「ゴミ拾いだったんだ、これ……」


ま、1階にはゴミ・アイテムしかないからね。

とりあえず出発しましょう。


今回もバラックに入っていきます。


そして、今回は通路に出る前に......、


...敵に遭遇!!


それは宝箱を運んでいる最中の海賊たちであった。

テール 「これはこれは……実におあつらえ向きな」
   
海賊A 「む?
 なんだ、おまえら?!」
海賊B 「通行の邪魔だ!
 とっととどきな!!」
   
テール 「ささ、大先生、さっそく奴らを片付けて下され」
トライチップ 「待て、待て」
テール 「はい?」
トライチップ 「わしらはゴミ拾いをしに来たんだろ?
 なんで海賊を襲おうとしてるんだよ?」
テール 「ゴミとは持ち主が不明な品物のこと。
 海賊を消してしまえば、あの宝箱は持ち主不明になるのです」
トライチップ 「サイテーな理論だ……」
テール 「では、大先生、頼みますぞ」
トライチップ
& 三洲次
「「とりえあず、いつもと同じってことね」」


海賊A ぐはああぁっ!!


海賊B うごおおぉっ!!
   
トライチップ 「アッと言うまに半分に……」
心々 「よ~~し!
 うちの腕前も見せてやるぜ!」
   
海賊C 「くそっ!!」
海賊D 「てめぇら、タダで済むと思うなよっ!!」
   
心々 でけぇ口を叩くのは、それぐらいにしときなっ!!
   
海賊C 「あれ……?」
海賊D 「あれって……?」
   
心々 覚えててくれたか?!
 そうさ!!
 うちはまた迷宮に戻ってきたんだっ!!
   
海賊C お、おばけだぁぁぁーーー!!!
海賊D た、助けてくれええぇぇ~~!!
   
心々 「へ……??」




心々 「は……??」
トライチップ 「おまえ、いつの間にか死んだことにされてない……?」
心々 「え……?
 なんで……??」


テール 「おやおや、こんな所に持ち主不明の宝箱が」
トライチップ 「白々しい……」
テール 「誰の物かは知りませんが、さっそく頂いてしまいましょう」
トライチップ
& 三洲次
「「とりえあず、いつもと同じってことね」」
テール 「ささ、心々、こちらへ」
心々 「うぃ~す」
三洲次 「ちょっと待ってくれ」
心々 「え?」
三洲次 「罠の解除の失敗が目に余るようになってきたから、
 ここらでちゃんと指導してやる」
心々 「え……?
 罠の知識があるのか?」
三洲次 「こう見えて、元盗賊だ」
心々 うそ?!
 マジで!?
三洲次 「あぁ」


三洲次 「じゃ、まずは罠を見極めよう。
 蓋と本体の隙間に薄い板か棒を入れて、中の機構を調べるんだ」
心々 「えぇと……」
三洲次 「このフロアだと、罠も限られている。
 ゴム紐があるなら石弓の矢、普通の紐なら爆弾タイプ、金属の機構があるならスタナーか警報だ」
心々 「ん~~………お?
 金属っぽい物があるぜ。
 つまり罠はスタナーか警報って訳だな」
三洲次 「不正解」
心々 「え?
 言ってることが違くねぇか?」
三洲次 「金属っぽい物を見付けたところで調べるのを止めたのが間違いだ。
 判断が早過ぎる」
心々 「へ?」
三洲次 「爆弾の外殻の可能性だってある。
 金属の近くに紐が無いか、ちゃんとチェックするんだ」
心々 「う~~んと…………あ?
 中に紐が張ってある」
三洲次 「じゃあ、爆弾かガス爆弾だろう」
心々 「ほへ~……」
三洲次 「爆弾とガス爆弾の区別の仕方は訓練場で習ってるな?」
心々 「固体の爆薬と気体のガスでは重さが違う…って習った」
三洲次 「後は臭いも違うし、毒ガスの方はガラス瓶に入ってることも多い。
 そういったポイントを総合的に見て判断するんだ」
心々 「えぇと……中にガラスっぽいのは無さそうだし……、
 うんしょっと……箱もいつもより重いかも……」
三洲次 「つまり……」


心々 「…爆弾ってことか」
三洲次 「まぁ、妥当なところだろう。
 じゃ、次は罠を外そう」


三洲次 「罠の突破の仕方は2つ。
 何と何だ?」
心々 「罠の機構の破壊か、鍵の機構の突破」
三洲次 「そうだ。
 ちなみに、この宝箱の鍵は?」
心々 「えぇと……ウォード錠だな」
三洲次 「このフロアのウォード錠はそこまで複雑じゃないだろうから、もう鍵を開けてしまおう。
 スケルトンキー(*)は?」
   (*)ウォード錠用の万能鍵のこと。
心々 「持ってるぜ。
 うちの家系って侍・盗賊・忍者系だったからな。
 イイのが何本かあるんだ」
三洲次 「いいぞ。
 じゃ、今回は鍵を突破しよう」
心々 「うぃ」
三洲次 「ところで爆弾の解除の経験は?」
心々 「何回かある」
三洲次 「じゃあ、多少は分かってるな。
 プレートの中には爆弾を発動させるモノが絶対にあるから、
 間違って動かしたりするなよ」
心々 「うぃ~す」
   
トライチップ 「なんか小難しそうだな……」
テール 「それよりも、ご神官様?」
トライチップ 「ん?」
テール 「爆弾だそうです」
   
三洲次 「じゃ、開錠に挑戦だ」
心々 「うぃ」
   
   
トライチップ
& テール
& 沙賀里
   
   
三洲次 「な……なんでみんな一瞬にして離れたの……?」
心々 「爆弾の解除って1回も成功したことねぇからな」
   
   
三洲次 「頑張れ~」
   
   
心々 「ヒドくね……?」



心々 うっしゃーーーっ!!
 爆弾、初の解除だぜっ!!


テール 「金しか入っておりませんぞ」
トライチップ 「しけてんな」
沙賀里 「しかも端た金ですし」
心々 初めて解除に成功したんだから、
 ちょっとは褒めてくれても良くねぇか?!
三洲次 「ま、ここが盗賊のつらいところだな……、
 昔を思い出すよ……」


...と、宝箱のシーンが終わって、次へ進もうとした途端に!!


敵と連続エンカウント!!



トライチップ おばけだぁぁぁーーー!!!
ネックプ 「う~~ん…」 ┓┓⌒3 バタンッ!
心々 「なんだよ……さっきの奴らが逃げたのって、これだったんじゃん……」
テール 「幽霊の正体見たり枯れ尾花…ですな」
心々 「幽霊の正体見てもやっぱり幽霊だろ、これ……」
三洲次 「しかも不確定だから、実は正体分かってないよ……」


心々 「どうすっかな……」
三洲次 「ま、カティノで寝かしつつ、ディスペルと直接攻撃で片付けよう」
テール 「ネックは気絶してしいましたぞ」
トライチップ 「じゃあ、カティノはおまえが唱えろ」
テール 「え?」
トライチップ 「『え?』じゃねぇよ、たまには働け」
三洲次 「ディスペルは当然沙賀里だ」
トライチップ 「当然……?」 ← この人も僧侶
三洲次 「そこが疑問形はおかしいだろ」


ま、こんなところでしょう。

沙賀里 「では、わらわの魅力をもって、あれらを昇天させてみせましょう!!」
トライチップ 「魅力……?」
三洲次 「そこが疑問形は同意する」
   
沙賀里 チュッ~~♥


見えざるモノA オオォォ!!
   
沙賀里 「あら……1人しか昇天しませんでしたわ」
三洲次 「むしろしてるだけスゴイだろ……」
トライチップ 「じゃ、テール、残りを眠らせろ」
テール 「承知致しました」


テール 「あや…?」
トライチップ 役立たずっ!!!
心々 「しょうがねぇ、さっき働けなかったから、
 こいつはうちが倒そう」


心々 うっし!!


ま、2匹だったし、楽勝です。


テール 「では、邪魔者も片付いたところで、
 次なる横流し品を探しましょう」


ガチャッ...!


再びバラックの部屋を1つ1つ入っていきますが、しばらく敵が出て来ず。


結局、一番奥まで来てしまった。


心々 「またこの部屋に来たな」
三洲次 「あぁ、桃を改心し…」
沙賀里 ちょっと!!
 桃って誰ですか?!
三洲次 「なんでおまえが怒り出すんだよ……?(汗)」
沙賀里 まさか彼女がいることを隠して、
 わらら達と浮気しようとしてたんではないでしょうね!?
三洲次 「色々と事実無根の因縁付けるの止めてくれる?
 ってか、そもそもわらわ『達』って何だよ?」
沙賀里 まさかわらわや心々を誘惑しておいて、知らぬと仰られるんですか?!
三洲次 俺がいつ誘惑した!??
沙賀里 「そんな………、
 酒場であれほど恋人モードで接していらっしゃったのに……」
三洲次 あれはおまえに無理やりやらされただけだっ!!!
トライチップ 「あの………そんな事より、さっさと中に入らない……?」


ガチャッ...!


三洲次 「ここは全然変わってないな」
心々 「あぁ。
 この部屋に居ると、あの日のことが蘇ってくるようだぜ」
三洲次 「そうだな。
 確か、あそこの壁際に…」
テール 宝箱が置かれてないですか?!
 ちゃんと隅々まで探してますか?!
トライチップ 「空気の読めない奴……」


とりあえず何も無かったので、ここは出ることに。


心々 「次は倉庫の方でも見てみるか?」
テール 「そう言えば以前、地上げの視察中に引き上げて、
 まだ入っておりませんでしたな」
三洲次 「地上げって何だよ……(汗)
心々 「気にすんなって。
 ま、たまには倉庫の方に行ってみようぜ」


で、移動を始めたら、その直後...

??? 「やつらを見付けたぞっ!!」
   
三洲次 「ん…?」


??? 「こっちだっ!!」
   
三洲次 「なんだ……?」


海賊A てめぇら、俺たちが運んでいた宝箱から金貨を取っていっただろっ!!
   
三洲次 「暗くて分かりにくいが……」
心々 「多分、さっき幽霊にビビッて逃げた海賊どもだな」
   
海賊B 戻って来たら箱が空っぽだったからなっ!!
テール 「誰の物か分からぬ落とし物でしたので」
海賊C バレバレなとぼけ方をするなっ!!
海賊D あれは俺たちの物だっ!!
 さっさと返すんだっ!!
テール 「人が拾った物をネコババするつもりですかな?」
海賊A ふざけやがって!!
海賊B 野郎どもっ!!
 実力行使だっ!!
   
テール 「では、大先生方、よろしく頼みますぞ」
トライチップ 「だから挑発するだけ挑発して、人に引き継ぐなって……」


ま、4人なら楽勝でしょう。

三洲次 「テール、ネック、カティノで眠らせてくれ」
テール 「大先生のご指示とあらば」
ネック 「は……はいっ…!」



テール 「いかがですかな?」
三洲次 「いいぞ!」






あっさりと勝利!


テール 「むしろお小遣いを持ってきていただけるとは、
 いや、ありがたいですな」
三洲次 「じゃ、進もう」


バラックの南側へ進みます。



心々 「ここが倉庫の入り口だ」
テール 「倉庫なら横流しする品の1つや2つはありそうですな」
三洲次 「何も無いよ」
テール 「え?」
三洲次 「もう散々荒らされた後だから、何も残ってないよ」
テール 「そうですか……それは残念ですな」
心々 「だが、海賊どもが新たに何か隠してるかも知れねぇからな。
 ま、見るだけ見てみようぜ」


ガチャッ...!


??? 「「シャーーーッ!!」」
三洲次 「ん…?」


三洲次 「アナコンダだ。
 側の布の下に宝箱も見えるぞ」
心々 「見込み通りだな!」
テール 「今度こそ横流しする品を手に入れましょうぞ!」


戦術はいつも通り!

レッツ、ファイッ!!


トップバッターは沙賀里で、まずは1匹倒す!


そしてカティノで敵を眠らせて...、


...三洲次さらに1匹倒す!


.........あれ?


─── 2ターン目


三洲次 「ま、どうせ2ターンかかる見込みだったんだ。
 このターンで2匹とも片付けるぞ」


.........あれ?


心々 ふごぉっ!!


あれれれ???

三洲次 「悪化してやがる……」
トライチップ 「最近、心々の攻撃が下振れしてる気がする」



この2人はキッチリ仕事をこなして助かる。


─── 3ターン目


心々 「まったく役に立たねぇままじゃ、終わらねぇぞ…(ふらふら…)
三洲次 「デカいダメージ喰らってるから、無理するなって。
 誰か治療してやってくれ」
沙賀里 「では、わらわが真心のこもった介抱をして差し上げますわぁ!!」
三洲次 「なんで嬉しそうなんだよ……?」
心々 「だ……大丈夫だ……(ふらふら…)


心々 「あれ……?(ふらふら…)
三洲次 「無理しないで、休めって」
沙賀里 「さぁ、心々、わらわが癒して差し上げますわ!!」
心々 「おめぇだと、不安しかねぇんだけど……(ふらふら…)
沙賀里 「まぁ、なんて酷い怪我ですこと!
 これは呪文ではなく、物理的に治すべきですわ!!」
トライチップ 「呪文で治せよ……」
心々 「物理的って何だよ……?(ふらふら…)
 外科の技術なんて無ぇだろ……」
沙賀里 「いえ、マッサージを」
トライチップ
& 三洲次
「「怪我は治らないよね?!」」
沙賀里 「シンプルにタイ古式マッサージはいかがでしょうか?
 それともバリニーズマッサージがお好みかしら?」
トライチップ
& 三洲次
「「絶対怪我は治らないだろ!!!」」
沙賀里 「特別コースとして性感マッサ…」
トライチップ
& 三洲次
「「ディオスで治せっ!!!」」
沙賀里 「性感ディオス…?」
トライチップ
& 三洲次
「「どんなディオスだ?!!」」



いいから、早く治療しろや。



三洲次 「意外と回復したな」
沙賀里 「わらわの愛情の成せる技ですわ!!」
三洲次 「全快まであと少しだな」
トライチップ 「では、残りはわしが……」


三洲次 「意外と回復しなかったな」
トライチップ 「回復呪文は苦手で……」
三洲次 「君、僧侶として色々致命的じゃない……?」


三洲次 「とりあえず片しておいた」
トライチップ 「色々すんません、大先生……」


勝利!

テール 「では、宝箱を開けましょう」


テール 「ささ、心々、こちらへ」
心々 「うぃ~す」
トライチップ 「大先生、今回も指導を頼めますか?」
三洲次 「そうだな」


心々 「えぇと……紐もゴム紐も無ぇし……、
 金属やガラスっぽい物も無ぇなぁ………」
三洲次 「…………………………………………」
心々 「これは罠が無いタイプだな!」
三洲次 「不正解」
心々 「え?
 また……??
 なんでだよ……?」
三洲次 「宝箱の蓋や錠と一体化している罠があるだろ?」
心々 「そういや毒針とかあったな……」
三洲次 「そうだ。
 蓋や錠自体がストッパーになっているから、見付けにくい。
 蓋の裏側やウォードの周辺をもっと慎重に調べるんだ」
心々 「えぇと………」


心々 「……お!
 錠のすぐ上に細い針がある」
三洲次 「鍵が外れた瞬間に蓋が軽く浮き、その時にできる隙間を縫って飛んで来るタイプだろ」
心々 「こんなの、普通分からねぇだろぉ……」
三洲次 「罠というのはそういう物だ。
 そして、それを見破るのが君の仕事なんだ」
心々 「うぜぇ………」
三洲次 「君、うちのパーティにいる誰かさんに本当ソックリだな……」


心々 「む~~……(カチャカチャ…)
三洲次 「針を仕掛けから落とすだけでいいぞ」
心々 「そう言われても、小さいからさぁ……(カチャカチャ…)


心々 「うっし!
 外れたぜ!」
三洲次 「見事だ」
   
テール 「大先生様様ですなぁ」
トライチップ 「ずっとわしらのパーティーにいてくれないかなぁ……」
   
心々 「もう普通に開けて大丈夫だぜ」
沙賀里 「では、わららが…(ガチャ…)
心々 「おめぇは毎回いつの間に側に来るんだよ……」
沙賀里 「あら、せっかくのお2人のイチャイチャの邪魔をしなかっただけ、
 褒めていただきたいですこと(ごそごそ…)
三洲次&心々
沙賀里 「あら……これは………」
トライチップ 「どうした?」
沙賀里 「海賊たち……こんな違法な物を………」
トライチップ な、何が入ってたんだ?!
沙賀里 「ヤクですわ」
トライチップ 「ヤク…??」


トライチップ
& 三洲次
「「表現がおかしい」」
テール 「確認致しましょう」


テール 「間違いなくヤクですぜ、ダンナ」
トライチップ 「誰がダンナだ」
テール 「まさに横流しに相応しい一品」
トライチップ 「高く売れるんだっけ?」
テール 「こいつなら末端価格は600G.P.はします」
トライチップ 「希望小売価格」
テール 「さっそく密売へ行きましょう」
沙賀里 「いえ、三洲次殿がヤクのコレクターでございますから、
 これは是非とも三洲次殿へ」
三洲次 ヤクなんてコレクションしてねぇよっ!!!
トライチップ 「沙賀里、いいから、おまえが持てって」


沙賀里 「そんな……ヤクの所持は違法でございますのに」
三洲次 おまえ、今、俺に持たそうとしてたよね!!?



もう、いいから、帰ろうぜ。







 




さて、町に戻ったら、悪のパーティーメンバーが続々とレベルアップ!!


━━━━ 沙賀里(僧侶)


僧侶として、なかなか良い能力の上昇かと。


呪文はカルフォ(罠の識別)を習得。
心々の判定がいまだ頼りないので、これは助かる。



━━━━ トライチップ(僧侶)


同じ僧侶のトライチップもレベルアップ。
相変わらずH.P.の伸びがイイ奴だ。


おまえもカルフォを覚えたのか。
みんなして、心々の罠の判定を信用してないな。



━━━━ ネック(魔法使い)


よしよし、必要な能力が軒並みアップしており、大変頼もしい!
なお彼は、ここまでのレベルの呪文は全て習得済みである。

トライチップ 「ネックも順調に成長しているな」
ネック 「はい!」
三洲次 「ちょっと待ってくれ」
ネック 「え?」
三洲次 「それで気付いたんだが、
 ネックのパラメータで1ヶ所おかしいところがある」


ネック 「あ……あの……、どこがでしょう……?」
三洲次 「防具を装備しているのに、なんでACが10なんだよ?」
ネック 「あれ……?」


......ってことに、プレイヤーが今さら気付いた



いつの間にこんなコトに......?



(再掲)

ACに影響を与えるのは装備品だから、怪しいのは「たんとう」か...?

最悪のケースとして、彼も直接攻撃せざるを得ないケースを想定し、
魔法使いでも装備できる中で一番強そうな武器を選んだのだがまずかったのか?

三洲次 「魔法使いなんだから、普通に『つえ』でいいだろ。
 ボルタックで買い替えてくるんだ」
ネック 「はい」



「たんとう」は売却。


装備品を売ろうとすると、こんなメッセージが出るのか。
親切設計だな。


ほ~ら、ACになったぁ!!


調べたら、『たんとう』って誰が装備してもACが+1になるようだ。
つまり、一番最初からこの状態だったってことか。
全然気付かなかった.....。

しかもこの『たんとう』、出せるダメージが『つえ(杖)』と同じらしい。

何が嬉しいんだ、この武器??


とりあえず、代わりに『つえ(杖)』を購入。


ネック 「せっかくだから、新品の杖を買って来ました」
三洲次 「へぇ~、良いの見つけたな」
ネック 「えへへ…(照)



ネック 「ちゃんとACが下がったままです」
三洲次 「よし」
心々 「でも、なんで短刀を装備すると、ACが上がるんだ?」
三洲次 「めっちゃ短いから、どうしても相手の間合いに入らざるを得ないからでは?」
沙賀里 「杖の方が距離を取って撲殺できるので、ACが上がらないのですね!」
三洲次 「撲殺って言うな……」


 

 



3.三洲次と解呪の調べ




━━━━ 迷宮 入り口......


テール 「さぁ、今宵も横流しをする品を奪いに行きましょう」
トライチップ
& 三洲次
「「要はいつも通りだろ!?」」


いつも通りバラックへ。


今回は入ってすぐに......、


...と遭遇。


三洲次 「ポルターガイストだ」
心々 「部屋の隅に宝箱があるぜ。
 あれに寄り集まってるんだろ」
三洲次 「3匹なら、直接攻撃とディスペルであっさり片が付くだろう」
沙賀里 「では……」
トライチップ 「では……」
テール 「では……」
三洲次 待った!待った!!
三洲次 「沙賀里はともかく、他の2人は解呪できるのか?」
トライチップ 「大先生!!
 お祓いの言葉を見直しました!!
 今度こそきっと退けてみせます!!
 ですので、今一度チャンスをっ!!」
三洲次 「まぁ、いいけど……で、君はできるの?」
テール 「はい。
 ご神官様と違い、ちゃんと講義を受けておりましたので、やり方は心得ております」
三洲次 「…………ちなみに、どんなやり方?」
テール 「古来より東方の国々に伝わる伝統的な方法に感銘を受けまして、
 お経とやらを一生懸命覚えました」
三洲次 「へぇ~~……お経なら大丈夫そうだな。
 じゃあ、君にも挑戦してもらおう」
テール 「お任せ下され」


と、言う訳で......、




...ディスペル3重掛けという贅沢な構成。

ってか、今ごろテールがディスペル可能だと気付いたので、
せっかくだから挑戦してもらう。


これなら1ターンでいけるでしょう。

三洲次 「じゃ、3人のディスペルの腕前を見せてもらおうかな」


では、戦闘開始!!

トライチップ 「それでは、さっそくわしが!!」
三洲次 「大丈夫…?」
トライチップ 悪霊退散っ!!!
 怨霊退散っ!!!
 亡霊退散っ!!!
 死霊退散っ!!!
 幽霊退散っ!!!
 生霊退散っ!!!
 英霊退散っ!!!
三洲次 それは実質同じって言うんだっ!!!
 ってか、最後の1つはむしろダメだったりしない??!
テール 「やはり、ここはこのテールの出番でございますな」
三洲次 「頼むよ」
テール 「では……」
三洲次 「お経なんて久しぶりだな」
   
テール 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、
 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す
   
三洲次 「それ、お経じゃないよ……?」
   
テール 奢ってくれる人も久しからず。
 ただ腹の減りの飢えの如し
   
三洲次 「なんの話し……?」
   
テール 南部貴族も遂には滅びぬ、
 ひとへに風と共に去りぬ
   
三洲次 「……………そういや、沙賀里は?」
   
沙賀里 ♪幽霊バスターズ!!
  ズチャンジャ ジャンジャン!
  ズチャンジャ ジャンジャン!
   
三洲次 「……………………………………(汗)
   
沙賀里 ♪幽霊なんて恐くないっ!
  イエィ!イエィ!イエィ!イエィ!
   
三洲次 「時間がかかりそうだから、今の内に倒すか……」


さっそく1匹撃破!!

さすが三洲次である。

三洲次 「で、あと2匹だけど……」
   
トライチップ 浮遊霊退散っ!!!
 地縛霊退散っ!!!
 背後霊退散っ!!!
 守護霊退散っ!!!
   
三洲次 自分を護ってくれる精霊はダメだろっ!!!
   
トライチップ ジェイソン退散っ!!!
 フレディ退散っ!!!
 ミーガン退散っ!!!
 ……」
   
三洲次 もう止めろっ!!!
   
テール 近く本国をうかがうに、
 王子のアラビク、王女のマルグダ、魔人のダパルプス、
 これらは驕れる心も猛き心も、皆とりどりにこそ有りしかども…」
   
三洲次 「平家はどこに行ったの……?」



トライチップ 「………………………………(汗)
テール 「………………………………(汗)
三洲次 「君たち、訓練場で何を学んできたんだ……?」


ってか、後衛2人1度もディスペルに成功したことないんだけど……。

沙賀里 出力最大っ!!
 上弦に流して撃てっ!!!
三洲次 「出力最大……?
 撃て………??」


沙賀里 どう?!
 見ましたか!?
 幽霊バスターズ復活ですわっ!!
三洲次 「どうなってんだ……?」


テール 「終わり良ければ全て良し。
 横流しする品が手に入れば万々歳です」
三洲次 「おまえにそれを言う資格はない」
心々 「じゃ、罠を解除するぜ」
三洲次 「今回は1人で開けてみろ」
心々 「うぃーす」


心々 「えぇと……(カチャカチャ…)


三洲次 「~~……!(怒)



心々 「あ………がっ………」
三洲次 「おまえ、なんか桃に似てるな、色んな意味で……」
テール 「横流しする品が手に入ればノープロブレムです!」
三洲次 「治療代で帳消しだよ?」


テール 「おぉ!
 この大きな斧は……!」



テール 「『いくさ斧』でございます!」
三洲次 「え!?
 また手に入ったの?!」
テール 「はい」
三洲次 「俺たちの時は1度も出てこなかったのに……」
テール 「さっそく横流し致しましょう」
三洲次 「でも、麻痺の治療費を考えると赤字だよなぁ……」
トライチップ 「まさか、また今回も赤字なの……?(汗)
三洲次 「う~~ん……」



まいったなぁ......。




とりあえず町に戻りましょう。



 



━━━━ ボルタック商店


店員の男 いらっしゃいませっ!!
 多彩な凶器の品揃えで皆さまの暮らしに殺戮と戦闘をお届けする『ボルタック商店』へようこそっ!!
テール 「しっ…!
 店主、声がデカいぞ……」
店員の男 「え…?」
テール 「人に聞かれたら、どうするんだ?」
店員の男 「またですか?
 今度は何です?」
テール 「いいから、耳を貸しなされ」
店員の男 「はぁ…」
テール 「今日はなかなか手に入らぬ上物を仕入れて来ましてな。
 そこで、お目の高いお主にだけ、こっそり特別にお売りしようと思い、はせ参じた次第で……」
店員の男 「また『いくさ斧』ですか?」
テール 「…………なんで分かり申した?」
店員の男 「先日と同じセリフなので」


店員の男 「やっぱり」
テール 「…………………………(汗)
店員の男 「では、今回も70G.P.でお引き取りしましょう」
テール 「なぁ、店主や、少しぐらい色を付けてくれまんせかねぇ?」
店員の男 「うちは明朗会計がウリでして」
テール 「最近、ひいきにしてるじゃないですか」
店員の男 「しかも、これ、あなたがちょくちょく持って来るから、
 そろそろ在庫がダブ付いてきてるんですよ?」
テール 「そこを何とか……」
店員の男 「お客さんもしつこいねぇ。
 じゃあ、次、もし何か目新しいアイテムを持って来たら、
 特別に高値で買ってあげましょう」
テール 「おぉ!
 さすがハンサムな男は言うことが違いますなぁ!」
店員の男 「おだてても出来ることは限られてますよ」
テール 「では、次回の来訪を楽しみにしてて下され」
店員の男 「それじゃ、待ってますよ」




さて、テールがうまく交渉を纏めている一方で......、



━━━━ カント寺院


三洲次 「400G.P.か……」
トライチップ 「先生の蘇生費用を稼がなきゃならん大事な時に……」
ネック 「この出費はイタイですね……」



マジでこの出費イタイ......、イタ過ぎる......。


このゲーム、相変わらず序盤はすぐ金欠になるからキツイ......。


いや......宝箱を開けなければ、ここまで酷い状況にはならないんだろうけど......。


どちらにせよ、どうしたものか........?


三洲次 「ちょっと助けてもらうか……」
トライチップ 「助けてもらう……?
 誰にですか?」
三洲次 「俺のパーティーの僧侶。
 ディアルコ(麻痺治療の呪文)が使えるから……」



三洲次支援に入れてるなら、もう他のメンバーを支援に入れてもいいだろ!!

マイルールで禁止とかしてないし!!


━━━━ ギルガメッシュの酒場


善パーティーメンバを加えるため、まずは心々以外のメンバー(悪の性格のキャラ)を外す。


そして......


...ブリスケット(僧侶)と麻痺した心々を加える。


三洲次 「やぁ、ブリ助、ちょっと頼みがあるんだ」
ブリスケット 「どうしやした?」
三洲次 「麻痺した人がいるんだけど、今、ちょっと出費を抑えたいから、
 カント寺院に寄付をしたくないんだ。
 そこで、代わりに治療してくれないかな?」
ブリスケット 「よござんすぜ。
 誰っすか?」
三洲次 「この子」
心々 「いっ………ぎ………」
ブリスケット 「へ…?
 この子、桃っちの性格を治した子じゃねぇっすか」
三洲次 「そうなんだ。
 俺たちって、この子には借りがあるからさ。
 頼むよ」
ブリスケット 「お安い御用で」




ブリスケット 「どうっすか?」
心々 「すごい……あっさり動けるようになった……」
ブリスケット 「バッチリですな」
三洲次 「サンキュ」
心々 「な……なんか世話になってばかりで、申し訳ねぇ……」
ブリスケット 「お互い様でさぁ」


治療も終わったので、ブリスケットには外れてもらい...、


...また悪のメンバーに戻します。

ちょっと卑怯くさい気もしますが........。

 

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4.三洲次と鎌倉の事変


━━━━ 迷宮 入り口


トライチップ 「大先生には世話になってばかりで、なんか申し訳ないですな」
三洲次 「まぁ、これも支援の一環だ。
 気にしなくていいよ」
テール 「心々は完全復活ですかな?」
心々 「あぁ、もうバッチリだぜ!」
テール 「それは結構」
三洲次 「ブリ助の好意を無駄にしないよう、頑張ってくれ」
心々 「もちろんだ!」
テール 「では、出発致しましょう」


今回もバラックで経験値稼ぎです。


ガチャッ...!


??? 「「シャアアアァァーーーッ!!」」
   
三洲次 「へ……?」


三洲次 「なに…っ!?」


三洲次 「くっ…!(ばっ!)


心々 ふぎぃっ!?


心々 ほごぉっ!!


ちょ...?!

こいつら、心々を集中攻撃してきたぞ...!?


心々 ぐぎぃっ!?


待って!!!

待ってええぇぇ!!!



─── 通常1ターン目......


...あぶねえええぇぇっ!!!

ギリ耐えたあああぁぁっ!!!

いきなりブリ助の助けが無駄になるかと思ったぞっ!!!


ってか、ここでさらに死者が出たら、もう目も当てられなかったよ!!!


心々 「うぅ………ぐぐぐ……っ」
三洲次 ディオスを唱えられる者は、全員で心々を治療だっ!!!
トライチップ 「わしの出番だな」
沙賀里 「わらわの愛情で治して差し上げますわ!!」
三洲次 それ以外はカティノで少しでも敵の動きを止めるんだっ!!!
テール 「お任せを!」
ネック  ((\(>Д<;)/)) ワタワタワタ…
三洲次 「君………聞こえてた………?」


これで心々が殺されるのは防げるはず......だが、
以前敵の方が早く動いて死亡したケースもあるので、
いまだ油断禁物!!


戦闘続行!!



三洲次 「まず1匹っ!!」
ダスターB 「………!?


ダスターB シャアアアァァッ!!
三洲次 「ちっ…!(ささっ!)


なんと2番目に敵の方が動いたが......狙いが心々じゃなくて助かった!!

3番手は…!?



テールカティノ!!

なんとか2匹寝かせる!!!

そして......

沙賀里 「さぁ、心々、癒しのマッサージをして差し上げますから、こちらへ!」
心々 「な……なんだよ、それ……?!」
三洲次 「いいから早く呪文唱えろって!」


三洲次 「チップも治療できるか?」
トライチップ 「いつも護ってもらってる立場上、
 こういう時こそ全力で働いてみせます!!」


トライチップ 頑張った!!
 わしは頑張りましたぞ!!
三洲次 「6も治れば、もう大丈夫だろう」


心々 ふごおおおぉっ!!!
テール 「あっさり帳消しですな」
トライチップ 「わしの渾身の治療が……」
三洲次 「まぁ、事前にカバーできた、ってことで……」



やっとネックのカティノが来たが、1匹し寝なかった。

トライチップ 「やはり不死系はダメだなぁ……」
ネック  ((┗(; ◎+)┓)) ヒッハッホッ…?!
三洲次 「テンパり過ぎだよ……(汗)
テール 「これでこのターンは終わりですかな?」
心々 「う……うちが……残ってる……(ふらふら…)


心々 「く…!」
三洲次 「無理しなくていいから」



─── 2ターン目


まだ心々が危ない状況だな。
今回も心々の治療と防衛に集中しよう。


僧侶2人がかりで治療し、後衛は2人がかりでカティノ

戦闘続行っ!!


ダスターB グギィヤアアアァッ!!
三洲次 「2匹目っ!!」


さすが三洲次!!
いいぞ!!
そして2番手にネックがつづく!!

ネック  ((\(;◎□+)/))「カカカティノ!カティノ!カティノ!!」



なんと1匹も眠らせられず!?

ネック  ふひ~… ┓┓⌒3 パタンッ!
トライチップ 「限界っぽいよ……」
三洲次 「お化けに弱過ぎだろ……」
心々 「み……みんなが頑張ってるのに……うちだけ……(ふらふら…)


心々 「ぐ……!」
三洲次 「心々、無理するなっ!!
 僧侶2人は早く治療するんだっ!!」
トライチップ 「はっ!」


トライチップのディオスで4回復
まぁ、いいだろう。


沙賀里 「さぁ、心々!!
 わらわの心の籠った愛撫とマッサージで、そなたの心のキズを治して差し上げますわ!!」
三洲次 何から何まで全て間違ってるっ!!!
沙賀里 「わらわの心々への愛情を持ってすれば、
 心々の全て治癒することなど、造作も無いことっ!!!(もみもみ…)
心々 何すんだぁっ、このエロ巫女ぉ!!!


沙賀里 「完璧でございますわっ!!」
三洲次 マジかぁ?!!
心々 「か……代わりに……心に20ダメージぐらい喰らった気がする……」
   
ダスターC キィアアアァ!!
   
三洲次 「え…?」


沙賀里 ほぉんごおおぉっ!!!
   
三洲次 「にぎやかな奴………」
テール 「いちいち反応してますと、身が持ちませんぞ」
トライチップ  ポカッ!
テール 「いてっ!」
トライチップ おまえがとっとカティノ唱えないから、ああなるんだろうが!!
 いいから早く唱えろ!!
テール 「ははははいっ!!!」


トライチップ 遅い上に役立たずっ!!!
テール 「まだ2匹っ!!
 まだ2匹おりますからぁっ!!」


テール 「ほら!!
 寝かせました!!
 寝かせましたぞっ!!!」
トライチップ っていうのを、もっと早くやるんだああぁぁ!!!
   
三洲次 「戦闘より、こいつらの会話の方で疲れてきた……」



─── 3ターン目


トライチップ 「とりあえず危機は脱しましたな」
三洲次 「よし。
 ここからは通常通りの戦術でいこう。
 まず、君は沙賀里の治療に当たれ」
トライチップ 「承知しました」


三洲次 「次にディスペルだが、出来るのは沙賀里だけだから…」
テール そんなっ!!
 大先生、今一度このテールにもチャンスをっ!!
三洲次 「君、さっき全然ダメだったじゃん……」
テール いえ、思い出したのです!!
 先ほどのお経は途中から間違っておりました!!
三洲次 「最初から間違ってたよ……?」
テール 今度こそちゃんとやって見せます!!
 ですから、是非、お情けをぉぉっ…!!
三洲次 「そうなの……?
 じあ、もう1度ディスペルに挑戦する……?」
テール お任せ下され!!


後はいつも通り......


...ネックカティノを担当して、戦術決定!!!

ツファイ!!


ダスターC ギュワアアアァッ!!
三洲次 「3匹目っ!!」
ダスターD 「……!!
 フシャアアァァ!!


三洲次 「よっと!(ぱっ!)
ダスターD 「………?!


2番手はまたもダスター!?
今回のダスターは素早いな!!

三洲次 「残り2匹!!
 ディスペルで片付けるぞ!!」
テール 「では、このテールが見事成仏させてみせましょう!」
三洲次 「大丈夫……?」
   
テール 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、
 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す
   
三洲次 「だからそれは平家物語だって」
   
テール 滅びし平家の恨み、
 忘れたわけではあるまいなっ!!!
   
三洲次 「なんか俺の知らない物語が始まった……」
   
テール 行け!!
 そして頼朝を討つのだっ!!
   
三洲次 「平家物語ってそんなストーリーだっけ……?」


テール 「……………………………………(汗)」
三洲次 「だからそれはお経じゃないって……」
沙賀里 戯れは、終わりじゃ!!
三洲次 「は……??」


ダスターD 我ガ魂ハ不・滅・ジャ!!
沙賀里 ぶぁ~かめぇ~~
三洲次 「どしたの……?」


トライチップ 「とりあえず沙賀里は完治させました」
沙賀里 「ありがたや!」
三洲次 「じゃ、残った1匹は寝かせるか」


今回はキッチリ寝かせるのに成功。


─── 4ターン目


三洲次 「じゃ、後は俺が……」
沙賀里 殺して進ぜよう!!
三洲次 「はあ……??」


沙賀里 ほほほほほほほっ!!
ダスターD ギョエーーーッ!!
三洲次 「もう……何がどうなってんだよ……(汗)」


三洲次より沙賀里が早く動いてトドメをさしやがった、珍しい。


テール 「宝箱がありましたぞ」
三洲次 「じゃ、心々、もう1度自力解除に挑戦だ」
心々 「うぃ~す」



罠はまたもスタナー

三洲次 「なんかイヤな予感が……」



と思ったが、今回は解除に成功した。

心々 「うっし!!」
三洲次 「さすがに学習したか」


沙賀里 「見所のある奴じゃ」
三洲次 「さっきからどうした……?」
トライチップ 「ってか、また『オノ』か」
テール 「鑑定致しましょう」


Oh!! No!!

まさかの『いくさオノ』2連発!!!

ってか、この36話内だけで3本目だよっ!!


三洲次 「俺のパーティーの時は1度も出てこなかったくせに、
 こっちだと、なんでこんなに出てくるんだ……」



とりあえず、町に戻りますか。


━━━━ ボルタック商店


店員の男 いらっしゃいませっ!!
 豊富な品揃えの凶器をお求めやすい価格でご提供!!
 殺しの総合デパート『ボルタック商店』へようこそっ!!
テール 「どうも……」
店員の男 「おぉ!
 あなたですかっ!?
 新しいアイテムを持ってきたのですね!!
 買取価格に色を付けますよ!!


店員の男 「………………………………………(汗)」
テール 「………………………………………(汗)」
店員の男 「なんで……?」
テール 「こっちが聞きたいです……」

 




━━━━ 町中......


トライチップ 「ところで、横流しでどれだけ稼いだんだ?」
テール 「『いくさ斧』3本を横流しして、210G.P.の収益でございます」
トライチップ 「先生の蘇生代にはまだまだ全然足りんなぁ……」
心々 「でも金貨もゲットしたから、もっと稼いでるはずだぜ」
トライチップ 「確かに。
 では、ゴールドは幾らゲットした?」
テール 「ポルターガイストから計336G.P.、
 海賊どもから計126G.P.、
 その他の魔物から計180G.P.、
 締めて合計642G.P.でございます」
トライチップ 横流しより全然稼いでんじゃんっ!!!
テール 「えぇ……まぁ……」
トライチップ だいたい、前回の盗掘や以前の盗品の転売と大して稼ぎが変わらねぇし!!
 しかも今回で分かったけど、死者や麻痺とかで
 余計な出費を出さない事の方が重要なんじゃないかっ!?
テール 「まぁ、そう言われれば……」
トライチップ ぶっちゃけ大先生がいたから死者を出さずに勝ててるし、
 麻痺の治療代を払わずに済んでるんじゃん!!
 つまり今回稼げたのは、大先生のお陰なんじゃないかっ!!!
テール 「そこは否定はしませんが……」
トライチップ それ比べて、おまえが提案した横流しなんて、たかが知れた稼ぎじゃねぇかっ!!!
テール いやいやいやいや!!
 収入の1/4は稼いでるじゃないですか!?
トライチップ 黙れっ!!!
 今回の悪事が大金を稼げなかった以上、
 約束通りきさまを打ち首の刑にしてやるっ!!!
テール そんな御無体な…っ?!
トライチップ 今すぐそこに直れ!!!
 さっそく打ち首にしてくれるわああぁぁぁっ!!!
テール そそそそんな……、
 お…お許しおおおおぉぉ!!(だだだだ…)
トライチップ 打ち首の刑じゃああぁっ!!!(だだだだ…)
テール お許し下されぇぇぇぇぇ!!
トライチップ 待てえええぇぇ!!
テール お許しぉぉぉぉ!!
トライチップ 打ち首にしてくれるうぅぅっ!!
テール 「お許しをぉぉぉ……」
トライチップ 「待てええぇぇ……」
……… …………
……
   
   
三洲次 「あの2人、ホントに毎回あんなことしてんだ……」
心々 「仲良いだろ?」
三洲次 「仲良いか……?」

 

 

「37.青は藍より出でて藍より青いか?」へ



名前 LV H.P. コメント
三洲次 7 60 18 18 18 18 18 17 0 1 金銭的に厳しいので、ブリ助に頼るハメに。こっちに居ると貧乏になる。
心々 4 14 12 10 7 12 12 13 0 2 何気に罠の暴発を防ぎまくってたのでは?実は盗賊として超優秀なのでは?
沙賀里 4 20 11 11 13 10 11 11 0 2 呪文の習得は順調。ディスペルも彼女頼り。何気に優秀なんだよな。
羅無市 3 13 14 9 7 10 12 10 0 1 他とどんどんレベルに差ができていく。早く侍にしたいのにぃ…。
ネック 4 10 8 16 12 11 15 9 0 1 ACが10だと全然気付かなかった。後衛だから別に構わなかったけど。
トライチップ 4 24 8 10 13 13 11 15 0 0 レベル2呪文はいまだ2個。ディスペルも全然ダメ。沙賀里を見習え!
テール 3 9 6 13 14 11 12 9 0 0 まさかの「いくさオノ」3連発!!どんだけ出てくるねん!!

アイテム入手:10/109


【更新履歴】
2025年10月18日:次ページへのリンクを設定しました。
2025年10月11日:本公開しました。
2025年10月 4日:第2節まで公開。
2025年 9月27日:第1節まで公開。