4.食材がコックを料理する

【登場人物】  
サーロイン ロイヤルレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一。でも細かい事は大嫌い。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ 財宝一筋なエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

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前回、桃が罠を間違えて、全員が毒状態になってしまいました。
ただ、現場がギリギリで地上に戻れる場所であった為、無事に生還は出来ました。

今回はあんな被害無しに探索出来れば良いのですが......さて?



【目次】

1巡目:うるさいやつら

2巡目:食材がコックを料理する




━━━━ ギルガメッシュの酒場 早朝.....

ロイヤルレンジャーズの早起き4人組......サーロインエルフの3人......は、一つの丸テーブルを囲み、
野菜入り豚汁スープ、スクランブルエッグ、そしてソーセージの盛り合わせで朝食を採っていた。

ブリスケット 「ムシャムシャ……、
 いや、前回はヒデェ目に遭いやした」
ランプ 「えぇ、生きて戻れないかと思いましたよ」
ロース 「ここの宝箱の罠って、今の桃にはまだ早いんじゃない?」
サーロイン 「う~~ん……じゃぁ、しばらくは宝箱を諦め…」
ランプ それは無いですね!!
ブリスケット 「いや、ランプはん、今のレベルじゃぁ、まだ命懸けでっせ?」
ランプ 「経験を積まなければ、いつまで経っても腕が上がりません!
 桃には頑張ってもらいましょう!」
ロース 「命が幾つあったら足りるかしら……?」
サーロイン 「そういや前回の宝箱の中って、何だったんだ?」




ランプ 「一人頭15G.P.の金貨と『傷薬』でした」
サーロイン 「『傷薬』はいざという時に使えそうだな。
 売らずに持っておくか」
ロース 「そうね」


ここで、やっと寝坊助2人組が登場する。

三洲次 「ぅぃ~……、遅れましたぁ~……」
「ぅぃ~……、眠ぃ~………」
サーロイン 「おまえら、全然成長してないな」
三洲次 「すぃましぇ~ん………」
ロース 「朝食はどうするの?」
三洲次 「俺も同じ物でいいですぅ~…」
「肉ぅ~………」
ブリスケット 「肉食獣っすか……」
ランプ 「ま、2人とも同じ食事でいいのでは?」
「肉ぅ~……」
三洲次 「桃、おまえはそっちのテーブルだぞ」
「肉ぅ~~……(よろよろ…)
ブリスケット 「桃っち、まだ寝ぼけてるっすな……」
ロース 「それで、今日の予定は?」
サーロイン 「バラックの探索を続けよう。
 昨日は南側の5つの扉の内、一番右端の1つを見たから、今日は残りの4つの扉を見れるだけ見てみよう」
ランプ 「なにか目ぼしい物が一つでもあると良いのですが……」

 

朝食を済ませると、ロイヤルレンジャーズは......


...今回も迷宮へと足を運んだ........





1巡目:うるさいやつら




━━━━ バラック


バラックに入り......、


...メインの廊下まで進む。

ブリスケット 「来やしたね」
サーロイン 「では、今日は右から二番目の扉から調べていこう」


三洲次 「ノックは?」
サーロイン 「もう不要だろ」
三洲次 「じゃ、そのまま開けますね」


ガチャッ!        ← 扉を開けた音


中は住居用の相部屋だったようで、壊れたテーブルや椅子など多くの家具があちこちに散乱して砂ボコリを被っていた。
さらには巨大なネズミの屍骸が数匹、腐りかけて転がっている......

三洲次 「う……こりゃ、今までで一番酷い部屋だな」
ロース 「なんか腐った臭いが立ち込めてるわ……」
サーロイン 「だが、家具がこんなにある部屋は初めてだな。
 何か無いか調べてみよう」
ランプ 「そうですね!
 どれどれ……」


6人は部屋の中に散り、それぞれテーブルの裏を見たり、倒れた棚の引き出しを開けたりする......


ガタンッ! バタンッ! ガチャッ!


サーロイン 「おい、もうちょっと静かに調べてくれ。
 物音を聞きつけて、誰か来るかもしれないだろ」
三洲次 「分かってますって」
ロース 「なるべく音を立てないように扱ってるわ」
「おめぇがうるせぇよ」

ゴトッ! ドガッ! ガシャッ!


サーロイン 「だから、うるさいって言ってるだろ!!
 誰だ?! ランプか?!」
ランプ 「いえ、私は音を立ててないですよ」
ブリスケット 「あっしも注意してやすぜ」
サーロイン 「じゃ、誰なんだよ?
 音を立ててるのは?」

バンッ! ゴチッ! ズシャッ! 


6人が音の方を見ると、椅子テーブル勝手に立ち上がったり、ぶつかったりしていた。

三洲次 「家具が勝手に動いて音を立ててるだけですよ」
ロース 「ほら、私たちじゃないでしょ」
サーロイン 「そうか、それはすまなかった。
 じゃ、そこの家具たちに『静かにするよう』に言ってくれないか?」
ランプ 「え?」
ブリスケット 「え?」
サーロイン 「え?」
三洲次 「………………………………」
ロース 「………………………………」
「………………………………」
サーロイン 「………………………………」
   


三洲次 「いや、なんで家具が勝手に動いてるです?!」
ロース 「家具が勝手に動くわけないでしょ!!
 何か仕掛けがあるのよっ!!」
サーロイン 「いや、これは、もしかして……家具自体が敵だったりしないか?」
ブリスケット 「こりゃ、新しいタイプの敵っすな」
「壊しがいがあるな!!
 こういうのって爽快なんだぜっ!!」
三洲次 「おまえ、なんで嬉しそうなんだよ……」
ランプ 「ちょっと待って下さい。
 本当に敵ですか?」
サーロイン 「え?」
ランプ 「だって襲って来ませんよ」
サーロイン 「そう言われると……」
三洲次 「あるいは『出て行け』っていう警告かも」
ロース 「誰からの?」
三洲次 「いや、そこまでは……」
「あいつらじゃないのか?」
三洲次 「え?」
「天井のとこに何かいるぜ」
サーロイン なに?!


ブリスケット 「部屋が薄暗ぇから、なんかよく分からねぇっすが……、
 ボンヤリと何かが光ってやすな……」
ロース 「あれって……幽霊だったりしない?」
三洲次 「あ~~…幽霊っぽいですね。
 この部屋で死んだ人の魂かな?」
サーロイン 「ランプは何か分かるか?」
ランプ 「かつて戦った奴に似てますね」
ブリスケット 「戦ったことありやしたっけ?」
ランプ 「ほら、サマン○サという地方に行った時、
 『ラー○鏡』のあった洞窟にいた……」


(※) 諸事情により、一部隠しています。


ランプ 「…こんな奴です」
三&ロ&
ランプ 「違いましたかね……?」
三洲次 「パッと見は、もっと人間っぽい形に見えるけど」
ランプ 「そう言われると……」
ロース 「ほら、やっぱり幽霊なのよ」
「なぁ、おめぇらが話してる間に、あいつらどんどん迫って来てるぜ」
三洲次 「こっちを襲う気っぽいですね」
サーロイン 「ふん、ワードナの迷宮で慣らした俺達なら、幽霊の1匹や2匹、相手じゃないさ!!」
ブリスケット 「3匹いやすぜ」
サーロイン 「そこはどうでもいいだろ……」
三洲次 「幽霊って段平で斬れるかな……?」
サーロイン 「ウィルオーウィスプだって剣で斬れるんだ。
 大丈夫だろ」
ロース 「テキトーに言ってない?」
サーロイン 「心配するな!
 よし! 幽霊が相手なら、僧侶のブリ助の出番だ!
 ディスペルを頼むぞ!」


ブリスケット 「承知!」
サーロイン 「あと、念のため カティノ(催眠呪文)で眠らせてくれ」
ランプ 「いいですけど……」


ランプ 「……幽霊って寝ますかね?」
サーロイン 「ドラゴンゾンビだって寝るんだ。
 大丈夫だろ」
ロース 「テキトーに言ってるでしょ」
三洲次 「ところで、あっちのうるさい家具、どうします?」
サーロイン 「なんか勝手にお互いぶつかり合ってるだけだから、
 今は幽霊の方に集中しよう」
ブリスケット 「大丈夫っすかね……」


戦闘準備、完了!!

では、いってみましょう!!

三洲次 「なんか気持ち悪いから、とっと倒すか……、
 とりゃあああぁぁっ!!
見えざるモノA  ……サッ!!


スカッ!

三洲次 「くそっ!
 浮いてるから斬り難いぞ……」
サーロイン 「本当にウィルオーウィスプみたいだな……」
あたいに任せなっ!!バッ!


見えざるモノA  ……シュパパパパ……ッ!
   
「あたいの跳躍力なら、こんなの余裕だぜっ!」
ランプ 「レベルが下がっても、桃の身体能力はさすがですね」
ブリスケット 「やはり忍者っすな」
サーロイン 「ブリ助、感心してないで、ディスペルしてくれ」
ブリスケット 「お、そうでやした。
 では………………ふん!!


見えざるモノB  ……シュウウウウウウ……ッ!
   
ブリスケット 「1匹消えやしたぜ!」
サーロイン 「うむ、やはり幽霊だったな!」
三洲次 「残り1匹……」
サーロイン 「じゃ、次はランプだ」
ランプ 「挑戦してみますが………幽霊って寝ますかね?」


見えざるモノC  ………………………………
   
ランプ 「やっぱり寝る訳ないですよ」
サーロイン 「ダメかぁ~…」
ブリスケット 「まぁ、でも、これまでの感じでは、あやつら攻撃する能力が無さそうっすから、
 このままノーダメージで勝てるんでは?」
サーロイン 「うむ、久しぶりに楽に勝てそうだな」
「~~♪」


その時だった!!

床に転がっていた巨大なネズミの屍骸突如起き上がると
桃へ向かって噛み付いてきたっ!!!


「ぎぃっ!?」
サーロイン 「え?!」
三洲次 「しまった!
 屍骸だと思っていたネズミもゾンビ系の敵だったのか!?」


さらには、勝手に動いていた椅子テーブル徐々にパーティーの方へ迫って来る!!!

ロース 「ねぇ、ちょっと!!
 家具が…っ!?」
ブリスケット 「やっぱ家具も敵なんすか?!」
ランプ 「いえ! 違います!
 この部屋の現象を纏めると、敵の正体は一つしかありません!!」
サーロイン 「なに?!
 それは何だ?!」
ランプ 「あれは……」


───2ターン目


ランプ 「…『ポルターガイスト』です!!
ロース 「なに? ポルターガイストって?」
ランプ 「ドイツ語で『騒々しい霊』という意味です!
 大きな物音を立てて家具を動かしたりするので、そう呼ばれています!」
サーロイン 「なるほど、それが正解のようだな。
 と言うことは、あの薄っすらと光ってる奴がターゲットだ!!


サーロイン 「一気に倒して、勝負を決めるぞっ!!」
三洲次 「えぇ、剣で斬れると分かれば、こっちのものです!!
 でやあああぁぁっ!!


ポルターガイストC  ………サッ!
   
三洲次 「ぅ~……かすっただけかぁ……」
サーロイン 「俺に任せろ!!
 とおおおぉぉっ!!


ポルターガイストC  ………サッ!
   
サーロイン 「……………………………………」
ブリスケット 「相変わらず、攻撃が全然当たらねぇっすな……」
ロース 「本っっ当に、この男たちは頼りにならないわねっ!!
 頼れるのは桃だけだわ!!」
ランプ 「………あれ?
 その桃はどこに……?」
   
てめえええぇぇっ!!!
 ネズミのくせに生意気なんだよぉっっ!!!(バシュッ!バシュッ!)
   
ブリスケット 「あっちで、さっき飛んで来たネズミを相手にしてやすぜ……」
ロース 「死んでるネズミ斬って、どうするのよ……」
三洲次 お~~い、桃!!
 そっちじゃない、あっちだ!!
 あっちの光ってる方が本体だ!!
   
あ?!!
 なんだあっ??!
 てめぇがやりやがったのかあぁっ!!?


ポルターガイストC  ……シュバババババ……ッ!
   
あたいに喧嘩を売ったらどうなるかぁっ、
 分かったかあああぁぁっ!!!
ブリスケット 「ポルターガイスト相手に、てめぇ呼ばわりしている人、はじめて見やしたぜ……」
ロース 「ポルターガイスト自体、はじめて見たわよ……」
サーロイン 「とりえあえず、これで片付いたな。
 ランプ、桃を治療してやれ」


サーロイン 1ってなんだ? 1って?!
ランプ 「いや~…、レベルが下がり、まだ呪文の感覚が戻りきらなくて……」


とりあえず勝利!

そしてポルターガイストが全滅したのに合わせて、家具たちもバタッバタッと倒れて、動かくなった。

サーロイン 「やはりポルターガイストという奴だったか」
ロース 「いろんな敵がいるわね、ここ……」
ブリスケット 「お?
 こやつの経験値も、一応それなりでっせ」
ランプ 「やっぱり、あの昆布だけが異常なんですよ」
三洲次 「とは言え、せいぜい2桁か……」
ランプ 「まぁ、まだ浅い階ですし」
サーロイン 「さて、邪魔者も片付いたところで、改めて部屋の中を確認するか」
ブリスケット 「え~~と……」
ロース 「ねぇ!!
 こっちの壊れた木箱の中に、宝箱が入ってるわよ!!」
ランプ 「本当ですか?!
 やりましたね!!」


サーロイン 「よし、桃、調べてくれ」
「めんどくせぇから、イヤだ」
サーロイン 「いや、頼むよ、桃」
「やだ」
ランプ 「頼みますよ、桃!
 これを開けないと資金が稼げないんですから!」
「や」
三洲次 「今日の夜、ソーセージの盛り合わせを奢ってやる」
任せな!!


「えぇと……」
サーロイン 「さすが桃のお目付け役……」
ランプ 「手慣れてますね……」
三洲次 「悪の性格なら、あんなもんだろ」
ブリスケット 「奢ったら、資金がプラマイ0にならねぇっすか……?」
「む~~………」


罠は「ガス爆弾」。
前回のトラウマが蘇る........

サーロイン 「……どう思う?」
三洲次 「どう思うって?」
サーロイン 「元盗賊のおまえの見立てだと、桃の判定は合ってると思うか?」
三洲次 「前回『ガス爆弾』だったから、単にそう言ってるだけでは?」
サーロイン 「つまり、間違ってるのか?」
三洲次 「間違ってるって言うか、テキトーって言うか……」
サーロイン 「おい、桃、確証はあるのか?」
「めっちゃ毒物の香りがしてるぜ。
 間違いねぇよ」
サーロイン 「……だって」
三洲次 「じゃ、任せますか」


ってか、他になんの罠とも分からないので、もう信用していくしかない。


お?

今作は判定結果の罠最初からカーソルが合っているのか。

これは楽で良い!

ではでは、そのままAボタンをポチッ…とな


またかよ! ! !


また間違ってたのかよっ! ! !

いでえぇっ!!!
サーロイン 「なるほど、確かに毒を使った罠だ。
 合ってたな」
三洲次 「全然合ってねぇよ………」


「いぢぢぢぢ…っ!」
ロース 「大丈夫? 桃?」
ブリスケット 「こりゃ一度城に戻るしかねぇっすな……」
サーロイン 「やれやれ……」
ランプ 「毒消しの1個ぐらい常備しておかないとダメなのでは?」
サーロイン 「そうだなぁ……」
三洲次 「で、宝箱の中は何が入っていたんですか?」
サーロイン 「え~~と……」


サーロイン 「お、短剣が入ってるぞ」
ランプ 「やりましたね!
 さっそく鑑定を……」
サーロイン 「いや、桃の体調の問題もあるから、先に城に帰ろう」
ランプ 「えぇ~……」


とりあえず戦闘でH.P.が減った状態なので、まずは...、



...治療をして、H.P.をフルにした状態でUターンする。


前回と違い、今回は入り口に近い部屋だったので......、



...特に心配無く帰還

まったく......手間のかかる奴だ。



ランプ 「ちなみに、アイテムはただの『短剣』でした」
サーロイン 「まだ入り口に近い場所だし、そんなもんなんだろうな。
 特に使い道も無いから、売ってきて良いぞ」
ランプ 「了解です」

 


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━━━━ キャッスル


サーロイン 「じゃ、買い物してくる」
三洲次 「え? どこへ?」
サーロイン 「ボルタックだ。
 『毒消し』を買うんだよ」
三洲次 「あぁ、そうか。
 いってらっしゃい」




サーロイン 「ただいま」
三洲次 「お帰りなさい。
 早かったですね」
サーロイン 「ダメだった」
三洲次 「は?」
サーロイン 「600G.P.だった……」
三洲次 「高っ!!」
ランプ 「私たちの時代の毒消しが300G.P.でしたから、値段が倍ですよ」
ブリスケット 「物価が上がってやすな……」
ロース 「天災のせいで不況らしいから、その影響じゃない?」
三洲次 「だとしても倍かぁ……」
ブリスケット 「皆のお金を集めやすか?
 それなら買えやすぜ」
サーロイン 「しかし全財産の半分近くがふっ飛ぶってのもなぁ……」
ロース 「でも死んじゃったら、元も子もないわよ?」
ランプ 「いえ、むしろ死んだ方がお得かも」
ロース 「え?」
ランプ 「レベル1なら蘇生費用は250G.P.です。
 灰からの蘇生でさえ500G.P.で、そっちの方が安いです」
ブリスケット 「それ……命の値段の方が安いってことっすか……?」
三洲次 「むしろボルタックがぼったくり過ぎなんだよ……」
ランプ 「では、ボルタック7世に交渉してみるのはどうでしょう?」
ロース 「あ! 便宜を図ってくれるって言ってたから、安くしてくれるかも!」
サーロイン 「う~~ん……でもなぁ、この後幾つあったら足りるか分からないから、
 仮に安くなっても資金が持つかどうか……」
ブリスケット 「じゃ、どうすんすか?」
サーロイン 「しばらくは遠出を避けて、毒になったらディオスで回復しながら戻ろう。
 それなら費用もかからない」
三洲次 「貧乏臭いな……」
サーロイン 「まだ貧乏なんだよ、実際……」
ロース 「私たち、本当に国の依頼で活動してるのかしら?」
ランプ 「ケチなんですよ、この国って。
 だいたい支度金からしてですねぇ……」
三洲次 「まだ言ってる……」



結局、毒消しは買いませんでした......。




2巡目:食材がコックを料理する




さて、あまりに早い帰還だったので、今回はもう1回潜ります。


再びバラックに向かい......、


...今度は......、


...先ほどの隣の扉に入ります。

三洲次 「もう蹴破りますよ」
サーロイン 「うむ、いいぞ」


バンッ!        ← 扉を蹴破った音


次の部屋も住居用の相部屋で、大勢で寝泊まりができるほどの広さであった。

そして、ここも長く使われていない為、砂ぼこりが堆積した汚い部屋で、
床には衣類の切れ端割れた皿などが散乱し、壁にはクモの巣が張っていた。
隣の部屋との違いは臭いで、先ほどが腐臭なら、こちらは潮の臭いが漂っている......。

三洲次 「ん?! 部屋の隅に何か居ますよ!」
サーロイン 「ありゃ、ノックせずに失礼しちゃったかな」


三洲次 「いや、人間じゃないです!
 なんか背が低く、ウネウネしてて………あっ!」


三洲次 「また、こいつらですよぉ!!」
ロース 「えぇ~……またなのぉ………」
ブリスケット 「アチコチに生息してやすな、この植物……」
ランプ 「どこか潮の臭いがしていたのは、こいつらのせいですか」
サーロイン 「やっぱり100回ぐらい戦わないとダメかな、こりゃ……」
三洲次 「え? こいつらとも戦うんですか?」
サーロイン 「逃げ損なって袋叩きにあってもイヤだろ?」
三洲次 「まぁ………」


やれやれ、戦いますか........

サーロイン 「ランプ、一応カティノに挑戦してくれ」
ランプ 「大した成果が出なくても、怒らないで下さいよ」
サーロイン 「こいつらは呪文が効き難いから、ダメだった時はその時だ」
三洲次 「じゃ、いきますよ!」
草刈りなら任せなっっ!!


奇妙な植物A  バシュアアアァァッ…!!
   
「ほい!
 まず一ヶ所終わりっ!!


いきなり1匹片付ける
さすがである!
たった3ダメージだけど......

そして、ランプカティノが飛ぶ!!


4匹が邪魔したが......、


...3匹寝かせることに成功!!

ランプ 「3匹寝かせました!」
サーロイン 「いいぞ!!
 これまでの経験からみて、思った以上の成果だ!!」
   
奇妙な植物B  ……シャッ!!


三洲次 「く……っ!
 やりやがったなっ!!」


奇妙な植物A  シュビュアアアァァッ…!!


前衛が1人1匹ずつ倒していく。
悪くはない戦況だ!!



───2ターン目


三洲次 「やはりこいつら、大して強くないですよ!」
サーロイン 「次のターンも、一人一匹ずつ倒して、一気に数を減らすぞっ!!」
三洲次&桃




サーロイン 「あれ??」
   
ロース はあ~~ぁ……」
ランプ 「昔っから変わらないですね……、この展開………」
ブリスケット 「まぁ、ロイン殿らしいっちゃぁ、らしいっすけど……」


とりあえず......、


...三洲次H.P.は回復し......、


...敵の攻撃は全て外れ......、


───3ターン目


...嬉しいことにフルH.P.状態で3ターン目へ突入!

サーロイン 「残り3匹!!
 今度こそ一人一匹倒して、草刈りを終えるぞっ!!
   
ブリスケット 「あ~~……こりゃぁ………」
ランプ 「1匹残りますね………」
ロース 「戦う前から見えてるわ」


いざっ!!


サーロイン ぐわっ!!
   
ランプ 「しかも、敵にやられてますよ……」
ブリスケット 「まぁ、ロイン殿らしいっちゃぁ、らしいっすけど……」
ロース 「相変わらずダメダメね、この人……」
   
三洲次 桃、いくぞっ!!
しゃーっ!!



三洲次 「おっしゃ!!」 ← ハイタッチ!
「余裕ぅっ!!」 ← ハイタッチ!


サーロイン ほら!! 倒したよ!!
ロース 「えぇ~ぇ?!
 なんで倒すのぉお?!」
ランプ 「こっちが外すと予想すると、むしろ倒しますよね?
 なんでですか?」
ブリスケット 「ロイン殿らしくねぇっすよ!」
サーロイン おまえら、俺がどうしたら満足なんだよっ!!?
三洲次 「昔っから変わらないな……、このやりとり………」


とりあえず勝利


そして、ショボい経験値をゲット......

この経験値、悪ふざけにもホドがあるだろ........

サーロイン 「じゃ、雑草は全て抜いたから、何か目ぼしい物がないか探そう」
ブリスケット 「どれどれ………」
ランプ 「えぇと…………お!
 あいつらのいた辺りに、コインが転がってますよ!!」


ランプ 「しかも、けっこうな数、あるじゃないですか!!」
三洲次 「あいつら、本当に金貨のある所に生息するんだな」
ランプ 「いい趣味してますよ!」
ブリスケット 「誰かさんみたいっすね」
ランプ 「…………誰かさんって、誰ですか?」
ブリスケット 「ノーコメントっす」


サーロイン 「ここはこんなものかな?」
ロース 「そうね」
ランプ 「では、隣の部屋へ行ってみましょう!」


ってな訳で......、


...廊下に戻り......、


...隣の扉へ。

三洲次 「蹴破りますよ。
 っせぇ~の!


バンッ!


ここも住居用の大きな相部屋で、これまでと同様に砂ボコリを被ったガラクタが転がっていた。
ただ......、

三洲次 「ここら辺の部屋は、宿主の代わりに何かが生息していましたが、
 この部屋には何もいないですね」
サーロイン 「その分、目ぼしい物も無さそうだな」
ブリスケット 「まぁ、そんな感じっすね」
サーロイン 「じゃ、ここはもう引き揚げて、最後の扉に入ってみよう」


何も無かった1マスの部屋を出て......、



...南側の一番端の扉までやって来ました。

サーロイン 「ここで南側は最後だな」
三洲次 「えぇ。
 じゃ、ここも遠慮なくいかせてもらいますか。
 とりゃ!


バンッ!


三洲次 「………お?
 ここは、これまでとちょっと違いますね」


中はこれまでより広く、壊れた長机椅子が乱雑に倒されていた。
床には割れた皿の破片がいくつも散らばっており、壁にはコップをかけるフックが幾つも並んでいる。

ロース 「この感じだと、ここは食堂だったのかしら?」
ブリスケット 「その様っすね」
サーロイン 「倒れたテーブルの裏とかに、敵とか居たりしないか?」
三洲次 「えぇと………いえ、特に何もいません」
ランプ 「割れたお皿やコップばかりで、金目になりそうな物も無いですね」
ロース 「奥に扉が見えるわ」
サーロイン 「ついでに、そっちも見てみるか」


バラックも大分奥まで来たので、これ以上の侵攻はちょっと不安もあるが、
もう1枚ぐらいなら扉を抜けても大丈夫かな......?

サーロイン 「開けるだけ開けてみてくれ」
三洲次 「では……」


ガチャッ…!



扉の奥はこのバラックの厨房であった。

砂ボコリが積もった石造りの炉キッチン台が部屋の大部分を占めており、壁には調理器具を吊るすフックが幾つか並んでいる。
床にも砂ボコリが大量に溜まっており、その砂ボコリの上にはヒビ割れた鍋刃が欠けた包丁などのガラクタが転がっていた。
屋根に目をやると、この迷宮の中では珍しく通気口が設けられているのが見える......。

ブリスケット 「ここも砂ぼこりがヒデぇっすな」
ロース 「使われなくなって大分経つのね」
三洲次 「ただ、特に敵とかは居なさそうですね」
ランプ 「では、何か金目の物が無いか調べ…」
サーロイン 待て!
ランプ 「え?」


床を見続けていたサーロインが制した。

ロース 「どうしたの?」
ブリスケット 「床に何かありやすか…?」
サーロイン 「……………………………………」
三洲次 「割れた鍋や包丁ですね………何か気になります?」
サーロイン 「……………敵が居る!」
ランプ 「え?!」
サーロイン ここに侵入した者を料理する奴がいる!!
ランプ 「なんですって?!」
ロース 「どうして分かったの?!」
サーロイン 「どこかに隠れてるはずだっ!!
 探しだせっ!!


サーロインの指示を受け、残りの5人は部屋の中に散ると、
炉の中倒れたテーブルの裏側などを慎重にチェックし始めた!


だが........、


敵らしい者の姿は見当たらない........。


ロース 「ねぇ、敵なんて全然居ないわよ」
ランプ 「こっちもです」
サーロイン 「と、なると、敵の正体は………」
ブリスケット 「ロイン殿、なして敵が居ると……?」


サーロインは床に転がっている鍋や包丁を跨ぎ、キッチンの中央へ歩き始めた........

サーロイン 「このバラックに転がっている物は、どれも砂ぼこりを被っていた……」


すると、サーロインが通り過ぎた後に、床にあった包丁は小さく……カリッ……と動き、刃の先端をサーロインの方へ向けた。

サーロイン 「だが、ここの床にあった鍋や包丁は、砂ぼこりの『上』にあった……」


サーロインの背後で、包丁がゆっくりと宙へ浮いていく........

サーロイン 「つまり………」
ブリスケット 「つまり……?」


突如、サーロインは段平を鞘から抜き取ると...

サーロイン 最近も使われたということだ!!


...素早く振り返り、宙に浮いた包丁段平で叩き落とした!!


がぶつかる金属音と、包丁が床に叩き落とされたキッチンに響き渡る!!!


その音に反応してメンバー全員がサーロインの方に振り返った!!


サーロイン 「料理などもう出来なくなった場所で、包丁を別の目的で使うとすれば……」



サーロインはゆっくりと顔を上げると...、


サーロイン 「……その使い道は容易に想像できる!!


...天井を凝視した!!



サーロインに倣い残りの5人天井に顔を向ける!!


再び登場、ポルターガイスト! ! !

ランプ 「あれは、さっきも戦ったポルターガイストです!!」
ロース 「しかも、さっきより数が多いわ!!」
ブリスケット 「ロイン殿、よくぞ見抜きやしたぜ……」
サーロイン 全員、戦闘態勢!!


サーロインの指示に呼応し、全員が壁を背に立ち上がり、天井に向き合う!!

サーロイン 「ターゲットは天井付近にいる、あいつらだ!!
 だが、床に転がっている刃物などには注意しろ!!」
三洲次 「戦いづらいタイプの敵だな……」
サーロイン 「ブリ助は奴らをディスペルしてくれ!」
ブリスケット 「承知っ!!」


ロース 「こいつらが"霊"ってことは、
 ここで働いていたコックとかの成れの果てなのかしら?」
ランプ 「かも知れませんね」
サーロイン 「死してなお、料理をし続けていたのだろう。だが……」
ロース 「………………………………」
サーロイン 「…今回ばかりは自分たちが料理される番になるのだ!!


戦闘開始!!

「へっ!
 こいつらなら、もう楽勝だぜっっ!!」


トップバッターは!!!


ポルターガイストA  ……シュパパパパパパ……ッ!!
   
「けっ!
 ザコだなっ!!」
   
ポルターガイストB  ………!?


その瞬間、炉とキッチン台の隙間から包丁が飛び出し、高速で桃へ向かって飛んで来た!!


「くっ……!
 油断したぜ!」
ロース 「これって………床の包丁とかはブラフよ!」
サーロイン 「血糊が無いのが気になっていたが……そういうことか………」
ブリスケット 「囮とか使ってくるんすか?!」
ランプ 「先ほどの奴らと違い、けっこう知能がありますよ!」
三洲次 「知能……?
 ポルターガイストに……?」


さらに別のキッチンの隙間から、もう一つの包丁三洲次に向かい飛んで来た!!!


三洲次 「…うわっ!?(ばっ!)
サーロイン 「ロース!!
 奴らをカティノで眠らせるんだ!!」
ロース 「さっきダメだったじゃない!!」
サーロイン 「たまたまダメだった可能性もある!」
三洲次 「いや、ロイン!!
 ポルターガイストって何か分かってるんですか!?
 あれが寝るとでも!?


三洲次 寝るのかよっっ! ! !



ロース 「3体中、2体が寝たわ!」
ブリスケット 「マジっすか………」
ランプ 「カティノって万能ですね……」
サーロイン 「うむ、目論見通りだ」
三洲次 「これを自然と受け入れるロインの思考回路って、どうなってんだ?」
サーロイン 「冒険者を長くやっていた俺に、ポルターガイストなど敵ではない、ってだけだっ!!」


サーロイン 「この様に、な!」
三洲次 「マジか………」
ロース 「さっきは思いっ切り外してたくせに」
サーロイン (; ̄ ̄) ………………………………


だが、仲間を殺された腹いせに、砂ボコリの下に隠れていたネズミの屍骸サーロインへ、
さらにはキッチン台の上にあったナイフ三洲次に目掛けて飛ばして来た!!!


サーロイン うわぁっ?!(ひょいっ!)


三洲次 ひいぃっ?!(ぴょんっ!)
 く、くそ…っ!」


ポルターガイストC  ……シィパパパパパパ……ッ!!
   
三洲次 「よし!
 コツは掴めてきたぞ!」
ブリスケット 「後はあっしのディスペルの出番っすな」
三洲次 「いや、複数消せるんだから、先にやってほしかったんだけど……」


ブリスケットのディスペルで2匹消し去ることに成功!!!

これで、1ターン目終了


───2ターン目


ポルターガイストD  ……ZZZzzz……

三洲次 「あのぉ……ポルターガイストがイビキをかいてるんだけど………そんなことってある?」
ランプ 「ポルターガイストは『騒々しい霊』という意味ですから」
三洲次 「そーゆー問題……?」


ま、後は直接攻撃で片付けられるでしょう!

さっき、あたいに包丁を飛ばしてきたのは
 てめぇぇえかぁあっ!??

見えざるモノC  …………!?


見えざるモノC  ……シュボボボボボボッ……!!

あたいを攻撃してきて、生きていられると思うなよっっ!!!
   
三洲次 「生きてる………とは?」
ランプ 「でも死にましたよ」
三洲次 「死ぬ………とは?」


この後は、唯一ダメージを受けた傷も回復し......、


...三洲次残った一匹を倒して......、


...見事、勝利!!

サーロイン 「余裕だったな!」
三洲次 「俺の中の常識がいろいろと崩れ落ちた戦いだった……」


さて....、

ブリスケット 「まぁ、とりあえず邪魔者も片付けやしたし、キッチンを物色してみやせんか?」
サーロイン 「そうだな。
 あいつらが侵入者を撃退していたのなら、ここには目ぼしい物が残っている可能性があるぞ」
ロース 「えぇと………」


ロース 「ねぇ!
 キッチンの引き出しの中に、宝箱があったわ!!」
ランプ 「目論見通りですね!
 さっそく開けましょう!!」
ブリスケット 「ってか、引き出しの中にあったんすか……?」
サーロイン 「よし、桃、調べてくれ」
「メンドくせぇ~…」
三洲次 「骨付き肉1本」
任せな!(腕まくり!)



罠は「石弓の矢」。

サーロイン 「……どう思う?」
三洲次 「どう思うって?」
サーロイン 「罠は合ってると思うか?」
三洲次 「まぁ、この階層なら、妥当な罠ですけど……」
サーロイン 「……けど?」
三洲次 「桃だから……」
サーロイン 「そうか……桃だしな………」
三洲次 「えぇ、桃ですから……」
サーロイン 「桃だもんなぁ………」
てめぇら、なめてんのかぁあっっ!!?



かなりドキドキですが........意を決して........、

....いけ!!  桃!!



おおおおおお~~………

罠は外れなかったが、このメッセージが出たのなら、
とりあえず罠は石弓の矢で正しいことだけは分かった。

後は、無事に解除することを祈るのみ........


「む~~…………」
サーロイン (ドキドキ……)
三洲次 (ドキドキ……)


罠を外した!!

やった!!!

とうとう罠の解除に成功! ! !

「よしっ!!」
サーロイン 「おぉー!」
三洲次 「やっとかぁ~……」
ランプ 「開きましたか?!
 どれどれ!!」


ランプ 「お金だけ………」



初の罠の解除成功なのに、ちょっと残念........



サーロイン 「さてと……ここは、こんなものか?」
ブリスケット 「まぁ、そんな感じっすね……」
サーロイン 「じゃ、廊下に戻ろう」


カチャッ!



元の廊下に戻って来ました。

三洲次 「この後はどうします?」
サーロイン 「まだ呪文の回数に余裕があるから、もう少しだけ探索してみよう」
ブリスケット 「まだレベル1ってぇのに、数回戦えるってぇのは意外っすな」
ロース 「上級職が最初から呪文を使えるのが大きいわね」
ランプ 「で、どこを探索します?」
サーロイン 「そうだな……、前回アナコンダ達と戦った部屋の横に扉があったな。
 あの扉の中はまだ見てないから、そこにしよう」


バラックに入ってすぐ目の前にある扉の中は......



...2つの扉で分岐しており、前回は左側の扉を確認しました。

今回は真正面の扉に入り、いよいよバラックの最奥へと進みたいと思います。
朝方、サーロインが遠出は止めようとか言っていた気もするけど......


しかし........、


...この扉を抜けることが困難を極める事態になろうとは......



......この時は、まだメンバーの誰一人として知る由も無いのであった............

 


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名前 LV H.P. コメント
サーロイン 1 12 15 15 15 15 15 13 0 0 相変わらず前衛としてビミョ~な腕だな。
三洲次 1 12 15 15 15 15 15 15 0 0 ちょいちょい攻撃外すの、止めてくれない?
1 12 15 15 15 15 15 15 0 0 やっと罠の解除に成功した。
ロース 1 12 15 15 15 15 15 13 0 0 早くマカニト覚えないかなぁ~(気が早い)
ランプ 1 12 14 15 15 15 15 15 0 0 ロースよりも呪文の効果がよく出ているかも。
ブリスケット 1 12 15 15 15 15 15 12 0 0 初ディスペル!治療もしたし、今回は活躍したね。

アイテム入手: 2/109


【更新履歴】
2024年 4月22日:リンクの設定漏れを修正。
2024年 2月 3日:セリフを一部見直し。
2024年 1月27日:新規公開。
2024年 1月20日:プレ公開。