17.逆

【登場人物】  
サーロイン ロイヤルレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一。でも細かい事は大嫌い。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ 財宝一筋なエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

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━━━━ 海賊団の砦
     ハイコルセアの部屋.....

ハイコルセア ちくしょうめ! ! !


ガリアン海賊団を束ねる頭領ハイコルセア・レッドは、
砦中に響くかの様な大きな罵声を発し、手に持っていたグラスを床へと叩き付けた!!

グラスが砕ける乾いた音が部屋の中に響く......

ハイコルセア 「おのれぇぇっ…!!」
キャプテンA 「…………………………………………」


側に居た側近のガリアンキャプテンは、レッドの怒りが落ち着き、冷静に喋れるようになるのを辛抱強く待った。

ハイコルセア 「それで…………、
 …………脱走者どもを逃したと…?!」
キャプテンA 「残念ながら………」
ハイコルセア 「ぅうぅぅぬ……っ!」
キャプテンA 「現場も確認させましたが、逃げ来てたガードからの報告通り、
 脱走者を始末しに行った奴らは、全員死体となって転がっていたそうです」
ハイコルセア くそったれっ!!!
キャプテンA 「……………………………………」
ハイコルセア 「で………、そいつらは何て名乗ったって?!」
キャプテンA 「逃げて来たガードが言うには、『ロイヤルレンジャーズ』とか……」
ハイコルセア 「例の爆弾を次々と爆発させてた奴らかっ?!」
キャプテンA 「いえ、そこまでは……。
 ただ、最近迷宮に来るパーティーは限られてきたので、同じ可能性はあるかと」
ハイコルセア 「う~~………」
キャプテンA 「どちらにせよ、そいつらは国王の指示で動いている部隊だそうです」
ハイコルセア 「ちっ……!」


部屋の奥の赤い絨毯の上に立っていたハイコルセア・レッドは苦い顔をした後、何か思案していたが、
しばらくすると絨毯の上に座り込み、割ったグラスの代わりに新しいグラスを手に取った。
そして、空のグラスを手の中でいじりながら、再び何か考えだした......。

ハイコルセア 「…………………………………………」
キャプテンA 「どうしますか?
 相手は国の部隊のようですので、下手に手を出して国を刺激すると、事態は悪化しかねません」
ハイコルセア 「分かっている……。
 だが、仲間が大勢やられているのに黙っていては、俺たちのメンツと仲間の士気に関わる!」
キャプテンA 「しかし、幹部のガリアンキャプテンたちを返り討ちにするような奴らです。
 それに例の爆弾を次々と爆発させている奴らと同じなら、
 これまでも大勢の仲間が奴らに殺されているので、そう簡単に倒せるとは思えません」
ハイコルセア 「場当たり的にやっているから、そうなるんだ。
 逆でいけ」
キャプテンA 「逆?」
ハイコルセア 「場当たり的ではなく、計画的に倒すんだ」
キャプテンA 「計画的とは?」
ハイコルセア 「例えば、俺たちの中でも最高の腕っこきを集めて、そこにおびき寄せたりするんだ」
キャプテンA 「なるほど……では、まずはそれでいこうと思いますが………、
 う~~む………どうやっておびき寄せればいいか………?」
ハイコルセア 「そいつらは俺たちの財宝も目当てに巡り歩いているんだろ?
 財宝をチラつかせろ」
キャプテンA 「なるほど、それなら喰い付きそうですな。
 とは言え、さっきも言った様に国を刺激しては……」
ハイコルセア 「奴らを倒した後、死体はどっかに隠せばいい。
 死体が見つからなきゃ、奴らがいなくなったのが人の手によるものか魔物に襲われたものか、国も判断できんはずだ」
キャプテンA 「分かりました。
 では、交渉が得意な奴らも送り込み、さっそく餌に喰い付かせましょう」
ハイコルセア 「移動するコースが分かれば、途中で襲撃もできる。
 奇襲と待ち伏せの両面で奴らを迎え撃つんだ」
キャプテンA 「承知しました。
 すぐにでも手配します」
ハイコルセア 「うむ」


側近のガリアンキャプテンが部屋から出て行くのを見届けると、
ハイコルセア・レッドは新しいグラスにラム酒をなみなみと注ぎ、それを一気に飲み干した。

ハイコルセア 「ふぅ………」


そして、酒の力を借りて心を一度落ち着けると、遠くを見つめるように部屋の壁を睨みながら、独り言を口にした......。

ハイコルセア 「あいつら……、嫌がらせの様な活動ばかりしているが……、
 狙いは一体何なんだ………?」

 

…………………………………………


………………………………


……………………


…………


 




━━━━ 冒険者の宿.....

前回の冒険から戻ると、ランプ(司教)レベルアップ!!


が下がったのは後衛なのでどうでもいいが、知恵信仰心がアップしなかったのはイタイなぁ......。
...と、この時は思ったけど、確認したどちらも既にMAXの18だった。

でも呪文を覚えたのは吉報だな!!

何を覚えたのかなぁ~?


覚えたのはディルト(敵の防御力ダウン)ソピック(自分の防御力アップ)

どっちも全然使わないけど、まぁ、通過点だからいいか。


後は、上級職前衛3人レベル5になるのを楽しみに待ちましょう!!


ってな訳で、本日もバラック周辺経験値稼ぎです!!

 


【目次】

1.逆

2.修業、お疲れさま!




1.逆




━━━━ 迷宮1階 バラック.....


サーロイン 「………あれ?」
   


サーロイン うぐわぁっ!!
   


サーロイン 「おのれっ!!
 蛇ごとき、あっさりと返り討ちにしてやるっ!!」
   


サーロイン 「………あれれ??」
   




サーロイン (; ゚_゚) ………………………………
   
ランプ 「ロインって、来た頃から全然変わってないですよね?」
ロース 「あの人のレベルアップって、何がレベルアップしてるの?」


早く2回攻撃できるようにならないかなぁ........。








サーロイン 「じゃ、今度は倉庫の中を見てみよう」
三洲次 「開けますよ」


ガチャッ!        ← 扉を開けた音


??? 「オー! マイ・フレンド!!」
??? 「オ待チシテマーシタ!!」
サーロイン 「はあ??」


メイジA 「オ久シブリデース!!」
メイジB 「オ元気デシタカー?!」
サーロイン 「初対面だと思う」
メイジC 「イヤイヤ、ココデ会ッタノモ何カノ50円!」
三洲次 「それを言うなら『ご縁』だろ」
メイジA 「チョッート、オ喋リシテイキマショウ!」
ロース 「イヤよ」
ブリスケット 「あんさんら、海賊でっしゃろ?
 さんざん襲って来ておいて、今さら何言ってんすか」
メイジB 「イエイエ、コレマデノ事ハ肥溜メニ流シマショウ!」
ランプ 「『水に流す』でしょ?
 なんて所に流してくれるんですか……」
メイジC 「耳鳴リナ情報ガアリマスヨォ?!」
サーロイン 「『耳寄り』。
 耳鳴りするのはおまえらの話し方だ」
メイジA 「トーッテオキノ御宝ヲ、知リタクナーイデスカ~~?」
ランプ 知りたいです!!
三洲次 「ランプがなびいたぞ…」
ブリスケット 「まずいっすね……」
メイジB 「デハ特ダネ情報ヲ、オ教エシマショウ!」
メイジC 「ミンナニハ ナイショダヨ」
ランプ 「もちろんです!
 で、その特ダネ情報とは?!」
ロース 「ねぇ、ランプが勝手に話しをすすめてるわよ?」
サーロイン 「しょうがない。
 聞くだけ聞いてみよう」
メイジA 「迷宮ノ入リ口近クノ部屋ニ、私タチノ御宝ガ隠サレテマース!」
ランプ 「入り口近くの部屋?」
ブリスケット 「確かに入り口のエリアの隣に、部屋が2つありやしたぜ」
三洲次 「でも、そこってもう探索済みですよ」
メイジB 「トッテオキノ御宝デース!!
 ソウ簡単ニハ見ツカラナイヨウ、麻ノ布ヲ被セテ隠シテアリマース」
ランプ 「なるほど!
 ガラクタしか転がってないと思って素通りしましたが、それらの中に隠してあったのですね!!」
メイジC 「ソノ御宝ハ私タチノ友好ノ証デース!」
メイジA 「是非見ツケテ、受ケ取ッテ下サーイ!!」
メイジB 「デハ、今後トモヨロシクゥー!!」
メイジC 「サラバデース!!」




ランプ 「それでは、皆さん!!
 さっそく行きましょう!!」
ロース 「どうするの?
 本当に行くの?」
サーロイン 「罠に決まってる」
三洲次 「ですよね。
 あれだけ敵対してきて、あの対応は変ですよ」
ランプ 「何を言うのです!!
 人の好意は素直に受け取るべきです!!」
ロース 「どうせ行ったところで、待ってるのはアイテムじゃなくて海賊たちよ」
サーロイン 「う~~ん…………いや、せっかくだ、
 むしろ言われた通りに行ってみよう!」
ブリスケット 「え?
 行くんすか?」
ランプ 「そう来なくては!!」
ロース 「止めましょうよ。
 簡単に罠にハメられる奴らだとか思われたくないわ」
サーロイン 「どうせ無視したところで、第2第3の罠を仕掛けてくる。
 だったら、ここらで力の差を見せつけて、身の程を分からせてやろう」
ブリスケット 「ってぇことは……」
サーロイン 「逆に返り討ちにしてやるんだ。
 完膚なきまでに叩きのめせば、奴らもバカな真似は止めるさ」
ロース 「そんなうまくいくかしら……」
ランプ 「まぁ、まぁ。
 そうと決まれば、さっそくアイテムを目指して出発ーっ!!」
サーロイン 「いや、目的地が入り口の近くなら、ここで少し修業してから、
 帰りがてらに寄ろう」
三洲次 「海賊も、もう完全にザコ扱いですね」



………………………………

……………………

…………


━━━━ 海賊の砦 ハイコルセアの部屋.....

ハイコルセア 「なぁ……?」
キャプテンA 「はい?」
ハイコルセア 「あいつらのどこが『交渉が得意な奴ら』なんだ……?」
キャプテンA 「でも、報告ではうまくいったっぽいですよ」
ハイコルセア 「マジか………」


…………

……………………

………………………………


━━━━ 再びバラック.....


サーロイン 「改めて扉1つ1つをチェックしていくぞ」
三洲次 「面倒だなぁ……」
「~~♪」


と......、扉を開けようとした途端、突如横から........、



サーロイン 「へ?」


サーロイン 「うわっと!(ぱっ!)


三洲次 「ひえっ?!(ぴょんっ!)


ふぉごっ!!
   
ブリスケット 「また桃っちだけやられてまっせ……」
ロース 「すぐに油断するクセって、なんとかならないのかしら……?」


─── 通常ターン.....


ゴミの塊のくせして、
 ふざけんなあああぁぁっ!!!


ダスターA グシュワアアアァァッ!!
ゴミはゴミらしく消滅しろやああぁぁっ!!!
   
ランプ 「あっさりやり返しましたね」
サーロイン 「ブリ助、桃もあれでウサが晴れただろうから、治療してやれ」
ブリスケット 「へい」


サーロイン おまえ、絶対にウケると思ってやってるだろ?!!
ブリスケット 「違ぇっす!!!
 誤解っす!!!


とりあえず残りを叩っ切り......、


─── 2ターン目.....


...2ターン目へ。

サーロイン 「ブリ助では頼りにならん!
 ランプ、おまえが桃を治療してやれ!」
ランプ 「分かりました」
サーロイン 「1だけは止めろよ!!
 1だけは!!」
ランプ 「もちろんですよ」


サーロイン だと思ったわあああぁぁっ!!!
ランプ 「いやぁ~~……」
サーロイン おまえら絶対にウケると思ってやってるだろおおぉぉっ!!!
ランプ 「誤解です!!
 誤解ですって!!!
   
ロース 「このパターン、何度目よ……」
三洲次 「俺たち、全然進歩してないですね……」



三洲次 「とりあえず残りは片付けました」
サーロイン 「ご苦労。
 しかし、余計なところで無駄に呪文を消費してしまったな」
ランプ 「では、もう帰ることにしましょう!!
 海賊たちの財宝を回収してから!!」
ロース 「あなたも帰る原因になった1人よ?」


とりあえず......、


...バラックを出て......、

ガチャッ!


......え?


またぁ?!

??? 「ヤハーリ、ココヲ通リマシタネー!!」
??? 「飛ンデ火ヲ吹ク ドラゴンフライ デース!!」
サーロイン 「え…? この声は……」


ぎっ?!
   
ブリスケット 「また桃っちがやられてやすぜ」
ロース 「普段から油断し過ぎなのよ」
   
てめええぇぇらあああぁぁっ!!!
メイジたち 「「ヒィ?!」」
ふざけやがってっ!!!
 絶対ぇぶっ殺すっ!!!
メイジA 「ヒイイイィィィ!?」
メイジB 「イヤァァーーッ!!」
メイジC 「怖イイィ~~!!」



逃すかあああぁぁっ!!!


メイジC グヒャアアアァァッ!!
ふざけんのは格好だけにしやがれっ!!!


「けっ…!」
サーロイン 「やれやれ……」
三洲次 「完全に待ち伏せでしたね」
ロース 「ほら、やっぱり罠じゃない」
ランプ 「いや、でも、ほら、得物はちゃんと用意していないと誘い出せないですし、
 きっと財宝自体はあるんですよ!」
ブリスケット 「どうせ財宝もクズ物で代用してまっせ」
サーロイン 「とりあえず治療しよう」
ロース 「ところで、『飛んで火を吹くドラゴンフライ』って何のことだったのかしら?」
三洲次 「多分『飛んで火に入る夏の虫』って言いたかったんだろ……」



サーロイン 「じゃ、改めて出発だ。
 他にも待ち伏せが居るかも知れないから、注意しながら進むぞ」



入り口のエリアを通り......、


...その隣の部屋へと向かう。


三洲次 「部屋は左と右の2つあるけど、どっちのことかな?」
ブリスケット 「分からねぇっすね」
サーロイン 「じゃ、まずは左から入ってみるか」
三洲次 「いきなり襲ってくるかも知れませんから、
 慎重にいきましょう」


ギィィィィ...ッ        ← 扉を開けた音


扉を開けると、以前来た時と同じガラクタが転がっているだけの部屋であった。

物音一つしない......。

ロース 「誰もいないわね」
三洲次 「罠なら海賊が待ち受けているだろうから、
 反対側かも知れませんね」
サーロイン 「じゃ、反対側も見てみるか」


次は、反対側の部屋へ......。


ギィィィィ...ッ


三洲次 「えぇと………」


反対側の部屋も、以前来た時と同じく壊れたテーブルや瓶の欠片が辺りに転がっていたが、
1つだけ違うところがあった。
それは......、

ランプ 「あ!
 部屋の真ん中に麻の布を被せた箱がありますよ!!
 きっとあれです!!」
三洲次 「隠してあったんじゃないのかよ」
ランプ 「分かりやすいように出しておいてくれたんですよ!!」
ロース 「どう考えてもおかしいでしょ」
サーロイン 「それより、敵の姿はあるか?」
ブリスケット 「パッと見は居なさそうっすが……」
ランプ 「ではでは、遠慮なく頂いちゃいましょう!!」


そう言うと、ランプは1人でいそいそと宝箱の方へ向かいだした。

ブリスケット 「不用心っすな……」
ロース 「どうするの?」
サーロイン 「どうせどっかに海賊が隠れてるんだ。
 1人にする訳にもいかないだろう。
 追うぞ」
ロース 「あっさり罠にはまったようで、なんか癪だわ」
三洲次 「それなら………えぇと、桃?」
「ん?」


三洲次は桃に何か指示を出すと、サーロインに目で合図を送った。
それを見たサーロインは、承諾の意味で軽く頷くと、メンバーを引き連れてランプの後を追う。

そして、彼らが麻の布を被せてある宝箱の側まで来ると......、


バタンッ!!!


...突如、入って来た扉が勢いよく閉められた!!!

サーロイン 「おっと」
三洲次 「お出ましですね」


パーティーが部屋の中央を向いているので、扉の方......つまり背後から声が聞こえてくる。

??? バカどもが!!
??? あっさりと罠にハマッたな!!
??? 今日はこれまでの礼をタップリせてもらうぜ!!


サーロインは振り向かず、の方を向いたまま返事をした。

サーロイン 「逆だ」
   
??? は?
??? なんだって?!
   
サーロイン 「逆だと言ったんだ」
   
??? おい、何が逆なんだ?!
??? 逆なのは、てめぇらの向いている方向だろ!?
   
サーロイン 「おまえら、最初に何て言った?」
   
??? 「え?」
??? 「えぇと………『バカどもが!』だっけ?」
   
サーロイン 「つまりバカは………」


サーロイン1人だけ、ゆっくりとの方を向いた。


サーロイン 「…おまえらの方だ!!
   
ガードA なにぃ!?
ガードB なにイキってやがる!!
 てめぇら、俺たちの罠にハマったんだぜ!!
   
三洲次 「それも逆だな」
   
ガードC はあ…?!
ガードD どういう意味だ!?
   
三洲次 「罠にはまったのは……」


次に三洲次1人、ゆっくりとの方を向く。

三洲次 「…おまえらの方だよ」
   
ガードE 何言ってんだ、おまえ!?
ガードA どう見ても待ち伏せの罠にあってんのはてめぇらだろ!!
   
三洲次 「じゃ、証拠を見せてやる。
 桃っ! ! !


その瞬間!!

天井から黒い影が一瞬にして下まで降りてくると....!!


ガードA うぎゃあああぁぁぁっ!!!


一撃のもとにガリアンガードを仕留めた!!!

ガードB 「うわぁっ?!」
ガードC 「な、なんだっ!?」


そしてガリアンガードを蹴り倒した反動を使って、は空中を回転しつつパーティーの方へ着地し、
ガリアンガード達と相対した!!

「…………………………………………」
三洲次 「これで分かっただろ?」


一撃絶命したガリアンガードは、桃に蹴られた反動で床に倒され、仲間の傍に転がった

ガードD 「そ……そんな………?!」
ガードE 「マ……マジかよ…………」
ガードB 「ひ……ひるむんじゃないっ!!」
ガードC 「あぁ!!
 予定通り、こいつらを皆殺しにすればいいだけだっ!!」
   
ブリスケット 「そいつも逆ですぜ」
   
ガードD 「え…?」
   
ブリスケット 「皆殺しになんのは……」


今度はブリスケット1人、ゆっくりと海賊たちの方を向く。

ブリスケット 「…あんさんらの方でっせ」
   
ガードE 「なんだと!?」
ガードB てめぇ、なめんじゃねぇぞっ!!
   
ロース 「逆よ、逆」
   
ガードC 「あ…?」
   
ロース 「あなた達の方こそ……」


さらにロースもゆっくりと海賊の方を向く。

ロース 「…私たちをなめないことね」
   
ガードD 「なにぃ~!?」
   
ロース 「私たちがこれまで、あなた達の仲間をどれだけ返り討ちにしてきたか、
 分かってるの?」
   
ガードB 「へ……へへっ………、
 ……強がんのも……そ、それぐらいにしておくんだな」
ガードC 「い…、言いたいことはそれだけか?」
   
ランプ 「あぁ、それは逆です」
   
ガードD 「え…?」
   
ランプ 「言いたことじゃなく……」


そして最後に、ランプ海賊の方を向いた。

ランプ 「…聞きたいことがあります」
   
ガードB 「な……なんだよ……?」
   
ランプ 「箱の中には何が入っているんです?」
   
ガードC 「はぁ?」
ガードD 「へっ!!
 知りたきゃ力尽くで聞いてみなっ!!」
   
サーロイン 「そうか……、では……」


サーロインを引き抜くと......、


...全員が戦闘態勢に入った!!!


戦闘開始!!!

サーロイン 我々を甘く見たことを……」
三洲次 「…後悔させてやるぜっ!!
   
ガード達 「「うわああああぁぁっ?!」」


スカッ!


スカッ!

サーロイン (; ゚_゚) …………………………
三洲次 (; ゚_゚) …………………………
ガードB   (゚0゚;) …………………………
ガードC   (゚0゚;) …………………………
   
ブリスケット だから、なしてそこで外すんすかっ!!
ランプ これまでの空気が台無しになるって言ってるじゃないですかっ!!
ロース はぁぁああぁぁぁ……っ(怒)



いや........ちょっと攻撃外し過ぎじゃね......?


それとも、LoLって命中率が全体的に低いの......?


ガードD 「よ…よし!!
 こいつら、聞いてたより強くなさそうだ!!」
ガードE やり返せっ!!
   
ロース 「ランプ、足止めするわよ!!」
ランプ 「しょうがないですねぇ…」



後衛ばかり活躍しているな......。


─── 2ターン目.....


ガードB 「うぅ…っ!」
ガードC 「くそ…っ!!」
   
ランプ 「もう全員起きだしましたよ」
ロース 「一応海賊の中でも選抜された精鋭っぽいわね」


サーロイン 「さっきはちょっと相手の実力を測り損ねたが、もう大丈夫だ!!
 ましてや相手は寝起き!!
 今度は外さないぞっ!!


スカッ!

サーロイン (; ゚_゚) …………………………
ガードB   (゚0゚;) …………………………
   
ブリスケット 「ギャグっすか?」
ランプ 「コントですか?」
ロース 「この人、何しに来たの?」
   
三洲次 うりゃあああぁぁっ!!


ガードC うごっ!!
三洲次 「あ、当たった!!」
   
ブリスケット 「いや、確かに当たりやしたけど……」
ランプ 「ダメージがショボいですよ……」
ロース 「もしこいつらが選りすぐりの奴らなら、
 ロインや三洲次じゃ相手にならないんじゃないの……?」


ガードC この野郎ぉぉぉっ!!!
三洲次 ぅおわっ?!(ひょいっ!)
   
ブリスケット 「やり返されてやすぜ?」
ランプ 「敵の怒りが増しただけですね……」
ロース 「やっぱり三洲次たちじゃダメだわ!」
   
ガードC 「器用に避けやがって!!
 もう一発いくぞおおぉぉっ!!
三洲次 うわああぁあ?!
   
ロース 桃っ!!
任せなっ!!


ガードC ぐぎゃあああぁぁっ!!!
「ザコはザコらしく死ねってんだっ!!」
三洲次 「はぁ…はぁ……た、助かったよ、桃……」
   
ガードD 「お、おい、ヤバくなってきてねぇかっ?!」
ガードE 「あ、あのくノ一が強過ぎるんだっ!!」
ガードD 「このままじゃヤベェ!!
 逃げるぞ!!」
ガードE 「くそーっ!!
 てめぇら、覚えてろよっ!!!



ブリスケット 「あ!
 あやつら、逃げやしたぜ!!」
ランプ 「相手を扉側に立たせたままだったのは失敗でしたね」
ロース 「戦術ミスね。
 で、そのトンマな戦術を指示していた御本人は?」


サーロイン (; ゚_゚) …………………………
ガードB   (゚_゚;) …………………………
   
ブリスケット 「あっちで、まだ見つめ合ってやすぜ」
ランプ 「見つめられたら素直にお喋りできない、ってやつですか?」
ロース 「違うと思うわ」
   
   
   
サーロイン (; ゚_゚) …………………………
ガードB   (゚_゚;) …………………………
   
   
   
   
サーロイン (; ゚_゚) …………………………
ガードB   (゚_゚;) …………………………
   
   
   
   
サーロイン (; ゚_゚) …………………………
ガードB   (゚_゚;) …………………………
   
   
   
   
サーロイン (;`□´)「隙ありっ!!
ガードB   (◎◎;)「うわぁぁっ?!


ガードB ぐぼわっ!!
サーロイン 「あ……一撃で倒せなかった………」
ガードB 「ぐ……っ、き、きさまぁ~~~!!
   
ブリスケット 「倒し損ねてやすぜ?」
ランプ 「敵の怒りが増しただけですね……」
ロース 「なに同じこと繰り返してるのよ……」
   
ガードB 絶対に殺してやるううぅぅっ!!!
サーロイン うわあああぁぁっ!!」
   
しゃらくせええぇぇっ!!!


ガードC ふぃぎゃあああぁぁぁっ!!!



「……けっ!」
サーロイン 「はぁ…はぁ……た、助かったよ、桃……」
   
ブリスケット 「ロイン殿と三洲次っちって……」
ランプ 「…やる事成す事、そっくりですね」
ロース 「そして、やっぱり桃がいないとダメなのね……」


とりあえず、勝利!

ランプ 「それでは、待ち伏せも返り討ちにしたところで、
 この布の中を確認しましょう!!」


ってな訳で、ランプが先ほど見つけた麻の布を取ると......


ランプ 「ほら、ほら!
 宝箱がありましたよ~!!」
サーロイン 「じゃ、桃、調べてくれ」
「うぃっす」


「罠はスタナーだな、こりゃ」
サーロイン 「……どう思う?」
三洲次 「どう思うって?」
サーロイン 「スタナーだと思うか?」
三洲次 「まぁ、妥当な判定かと」
サーロイン 「じゃ、スタナーで開けてもらうか」




「ほら、開いたぜ」
三洲次 「おぉ、久々の金星!!」
ランプ 「素晴らしいです!!
 ではでは、期待の中身は何かなぁ~?」


ランプ 「これは……」
ブリスケット 「見たことあるっすね……」
ロース 「私でも何か分かるわ……」



メイス

ランプ 「……………………………………」
サーロイン 「だよな」
三洲次 「ですね」
ロース 「分かり切ってた結末よ」
ブリスケット 「むしろアイテムが入っていただけ、マシなんでは……?」
ランプ 「いや、実は普通のメイスと違って、何かすごい力が秘められているとか…!」


と、ランプがしつこく調べだすが......

ランプ 「えぇと………」
サーロイン 「往生際が悪いぞ」
ランプ 「あ! ほら!!
 このメイス、宙に浮く能力がありますよ!!」


....ランプがメイスを宙に浮かし始めた。

ブリスケット 「え? え?!」
ロース 「どういうこと?!」
ランプ 「これ、きっと触れずとも敵を攻撃できるんですよ!!」
サーロイン 「そんな武器が……」
ランプ 「では、試しに………、
 えぇと……、ほら、三洲次を攻撃して!!」
三洲次 は?!


その途端、メイスが宙を舞って三洲次を襲うっ!!!

三洲次 ひやあぁあっ!?


三洲次 うひゃぁっ?!(ぴょんっ!)
ブリスケット 「マジっすか?!」
サーロイン 「いや、これは……」


キャンプを閉じた途端、連続でエンカウント!!

サーロイン 「ほら、メイスが宙に浮いた正体は、あいつらだ」
三洲次 「ぜぇ…ぜぇ……お、驚かすなぁ………」
ロース 「変だと思ったわ」
ブリスケット 「幽霊の正体見たり枯れ尾花、ってやつっすな」
ランプ 「ええぇぇ……、
 すごい武器を見付けたと思ったのにぃ……」


サーロイン 「とは言え、こいつら、待ち伏せとは関係無さそうだし、どうするかな?」
三洲次 「決まってますよ!!
 悪ふざけをした以上、躾(しつけ)が必要です!!」
サーロイン 「じゃ、戦うか」


ポルターガイストA  …シュバアアアァァッ!!
   
三洲次 「冗談をする相手は選ぶことだなっ!!」
サーロイン 「では、もう1匹!!」


サーロイン (; ゚_゚) ………………………………
ブリスケット 「こっちでも倒し損ねてやすぜ?」
ランプ 「ロインって、やっぱり前衛のセンス無いですね……」
ロース 「はいはい、センスの無い人はどいて、どいて!」
サーロイン (;T_T) ………………………………



ロース 「ザッとこんなもんね!」
サーロイン (;TT) ………………………………

 




サーロイン 「帰ろ……」

 


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2.修業、お疲れさま!


まぁ、そんなこんなで、この後も......、



...ひたすら戦闘をこなしていきます。

このレベルまで成長すれば、1階での戦闘はもはや問題無く、
安定して経験値を稼いでいきます。

また、宝箱も......、



...安定して解除が成功し、全てが順調に進む。

ただ......、



...アイテムだけは店売りのショボい物ばかりで、収穫無し。

ま、さすがに1階では、これ以上のアイテムは期待できないでしょう。









おらおらおらおらおらぁっ!!


ダスターA ブシャアアアァァッ!!
   
ロース マハリトッ!!


ダスター達 「「ギュワアアアァァッ!!!」」


三洲次 「もう、このフロアの敵も楽勝ですね」
サーロイン 「そうだな」
ブリスケット 「敵を倒してんの、ほぼほぼ桃っちとロースはんですぜ?」
三洲次 (;>_<)………………………………
サーロイン (;>_<)………………………………
ランプ 「あ! あっちに宝箱がありますよ!!」


ランプ 「さてさて、中には何が入っているのかなぁ~」
サーロイン 「じゃ、桃、頼むぞ」
「うぃ~す」


「む~~………」
   
サーロイン 「ところで、これで経験値はどの位たまったかな?」
三洲次 「桃もレベルアップできる位にはたまりましたね」
サーロイン 「そんなに?
 なら、この宝箱を開けたら、さっそく帰ろう!」
ブリスケット 「しかし、これで桃っちは3回攻撃が可能になるたぁ、いや、スゲェっすな!」
ロース 「最近は罠の解除も順調だし、桃はどんどん優秀になっていくわね!」


「これは………ガス爆弾だな」
サーロイン 「そうか。
 じゃ、ガス爆弾で解除してくれ」
「うぃっす」





「あが……ぐ……ぎ………っ!」
三洲次 「優秀……?」
ロース 「桃もこれさえなければねぇ……」


とりあえず、これにてレベル5を目標とした修行は終了です!!!






━━━━━ 冒険者の宿.....


では最後に、前衛3名レベルアップの内容をご紹介しましょう!!


まずは、サーロイン

──── サーロイン(君主)


驚愕のH.P.15アップ!!!

能力の低下も無いし、素晴らしいレベルアップである!!



...では、次に三洲次


──── 三洲次(侍)


能力のアップ無し!!?

だが...! !

......H.P.は先ほどのサーロインをも超える18アップ!!!

パーティー最大のH.P.に返り咲き!!

素晴らしい! ! !



よ~~し、この調子で次はだっ!!


──── 桃(忍者)


なんて言うか......すごく普通だ。

能力の低下もあるし。
いや、忍者に知恵は関係ないから別にいいけど、能力パーフェクトからは遠ざかってるなぁ...と。

とりあえず素早さが改善傾向なのは助かります。




さて......、


...今回のレベルアップで前衛攻撃回数が全員+1回増えたことだし、
レベルアップの修行ここまでとしましょう!!



次回から、いよいよ1階マップの完全攻略へと向かいます!!!

 


「18.滅びし酒場が招く光と影の狂宴」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 5 37 18 17 18 16 18 15 0 1 力が最高の18!今後の直接攻撃は期待できると信じたい。
三洲次 5 49 18 18 18 18 18 15 0 1 H.P.も能力も申し分無し!むしろ桃より優秀なのでは?
5 33 18 16 18 18 16 18 0 0 後は肝心の素早さが上がってくれれば…。
ロース 5 27 16 17 18 18 18 11 0 0 相変わらず運の強さだけはヘボいんだよな…。
ランプ 5 20 12 18 18 13 18 16 0 0 生命力だけでなく力もドンドン落ちている…。
ブリスケット 5 40 17 18 15 18 18 14 0 0 信仰心が最低。いろんな意味でこいつ本当に僧侶か…?

アイテム入手: 8/109


【更新履歴】
2024年 8月10日:次ページへのリンクを設定しました。
2024年 7月27日:本公開。
2024年 7月20日:プレ公開。