31.拾い物には福がある
【登場人物】 | |
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トライチップ | 悪パーティーのリーダーを務める悪徳神官。 |
テール | 金の為にはあらゆる悪事を躊躇わない悪徳司教。 |
心々 | 人々を護ることを志す用心棒チームのリーダー。 |
沙賀里 | 用心棒チームの1人。心々の幼馴染の変な巫女。 |
羅無市 | 用心棒チームの1人。剣の道に生きる男。 |
ネック | 冒険に巻き込まれた気弱な呪文マニアのエルフ。 |
読了時間 (目安):約10分(動画無)、約13分(動画込)
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━━━━ ギルガメッシュの酒場
店の片隅で...
テール | 「ご神官様、新しい悪事を考えて参りました」 |
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トライチップ | 「うむ、聞こうか」 |
テール | 「『盗品の転売』でございます」 |
トライチップ | 「なぁ、テールや?」 |
テール | 「はい?」 |
トライチップ | 「おまえの言う悪事ってさぁ、どっちかと言うと、ただの犯罪では?」 |
テール | 「何を仰います!! 悪事と犯罪は一心同体の関係!!」 |
トライチップ | 「そぉか…?」 |
テール | 「悪事とは、これすなわち犯罪であり、 犯罪とは、これすなわち悪事でございます!!」 |
トライチップ | 「後者は違うよね?」 |
テール | 「前者さえ合っていれば、先ほどの発言の正しさはご理解頂けるかと思います」 |
トライチップ | 「どこら辺が……?」 |
テール | 「ともかく、今回は盗品の転売で大金を稼ぎましょう」 |
トライチップ | 「無理やり話しを自分のペースに持っていくなよ」 |
テール | 「まぁまぁ、今回はそれほどリスクを伴わない悪事ですので」 |
トライチップ | 「待て、待て。 盗品の転売って、物を盗む点と、売り捌く点の2ヶ所でリスクを伴うよな? むしろ前回より難易度が上がってないか?」 |
テール | 「心配はいりません。 全て計算済みでございますので」 |
トライチップ | 「そうなの? じゃぁ、聞くけど、まず何を盗むの?」 |
テール | 「さぁ…?」 |
トライチップ | 「…………………………は?」 |
テール | 「特に決めていません」 |
トライチップ | 「待て!待て!待て! 言っている意味が分からない!!」 |
テール | 「そうでしょうか?」 |
トライチップ | 「そうだよ! だって、盗む物が決まってなかったら、まず最初に何をするかも決まらないだろ?! どうすんだよ?!」 |
テール | 「ご安心下さい。 このテールに抜かりはございません」 |
トライチップ | 「初手から抜かってる気がするけど?!」 |
テール | 「盗みをする場所は既に決めております」 |
トライチップ | 「どこだよ?!」 |
テール | 「迷宮でございます」 |
トライチップ | 「迷宮……?」 |
テール | 「はい。 迷宮内にはあちらこちらに海賊どもが宝箱を隠しており、 その中には様々な武器や防具が入っておるそうです」 |
トライチップ | 「それは有名な話しだな……」 |
テール | 「ですので、それらの財宝を盗み出し、それを売り捌くのでございます」 |
トライチップ | 「ってことは、売り捌く先は……」 |
テール | 「ボルタック商店でございます」 |
トライチップ | 「それって本当に悪事なの?」 |
テール | 「なぜですか?」 |
トライチップ | 「だって、迷宮に入って行く冒険者は、みんなやってるじゃん。 悪事でも何でもないだろ?」 |
テール | 「盗みとそれの転売……これは立派な悪事でございます。 つまり、今は国家総犯罪者の時代なのでございます!!」 |
トライチップ | 「なんかムチャクチャなこと言ってない…?」 |
テール | 「違いますか?」 |
トライチップ | 「違うと思う。 だって、それでパクられた奴、見たことないだろ?」 |
テール | 「はい。 つまり成功率100%の悪事と言うことです!」 |
トライチップ | 「前向きに捉え過ぎだろ………」 |
テール | 「ご神官様、よろしいですか? 盗品はダタで手に入れた物なので、 それを転売すれば、売り上げは丸々我らの利益となります。 つまり利益率100%!! しかも絶対にパクられないので成功率も100%!! これほど美味しい悪事、他にはございません。 だからこそ、全ての冒険パーティーが盗品の転売に手を染めているのでございます」 |
トライチップ | 「無理やり他のパーティーを悪人にするなよ……」 |
テール | 「ですので、今回こそ大金を手にすることをお約束致します」 |
トライチップ | 「おまえさぁ、迷宮内でどれだけの数の冒険パーティーが行方不明になってるか、知ってるの?」 |
テール | 「どの様な悪事にも失敗のリスクは伴います!! お覚悟をお決め下さい!!」 |
トライチップ | 「成功率100とは……?」 |
テール | 「心配はご無用。 このテールに抜かりはございません。 さっそく迷宮に向けて出発致しましょう!!」 |
トライチップ | 「どう考えても抜かりまくってる気がするけど……?」 |
【目次】
リンクは公開範囲まで
2.拾い物には苦心の決断がある
3.拾い物には福がある
4.拾い物のどころの騒ぎじゃない
1.拾い物には新しさがある
━━━━ 迷宮 入り口......

では、今回も悪パーティーでプレイしていきます。
心々 | 「で、今回は何をするんだ?」 |
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テール | 「盗品の転売でございます」 |
心々 | 「盗品の転売……? 何を盗むんだ?」 |
テール | 「さぁ……?」 |
心々 | 「……………………は?」 |
テール | 「特に決めておりません」 |
心々 | 「言ってる意味が分からねぇ……」 |
テール | 「ご神官様と同じ反応ではありませんか……」 |
トライチップ | 「それが普通なんだよ」 |
心々 | 「何がしてぇんだよ、おめぇ?」 |
テール | 「とりあえず迷宮内にある宝箱からアイテムを奪い、ボルタックに売り飛ばしたいのです」 |
心々 | 「それって、みんなやってんじゃん。 別に悪事って訳でもないだろ」 |
テール | 「片っ端からご神官様と同じ反応ですな……」 |
トライチップ | 「だからそれが普通なんだって……」 |
心々 | 「まぁ、いいや。 宝箱が隠されている場所に行けばいいんだな」 |
テール | 「はい」 |
心々 | 「なら、良い場所を知ってるぜ」 |
テール | 「それは頼もしい」 |
トライチップ | 「どこだ?」 |
心々 | 「バラックだ」 |
トライチップ | 「前回と同じじゃん……」 |
心々 | 「海賊どもは砦に入りきらない宝箱を迷宮のあちこちに隠していて、 中でもバラックは砦に近いから、一番たくさん隠しているんだ。 だからバラック内を漁れば、宝箱の1つや2つは簡単に見つかるぜ」 |
テール | 「それは願ったり叶ったりですな。 では、さっそくバラックへ向かいましょう」 |
トライチップ | 「簡単に…って言うけど、その割に前回は宝箱なんて1つも見なかったけど……?」 |

とりあえず出発です。


心々 | 「じゃ、入るぜ」 |
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ガチャッ...! ← 扉を開けた音

心々 | 「ロビーを抜けて……」 |
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ガチャッ..!

扉を開けると、部屋の中には......、


...宝箱を運んでいる海賊たちが居た。
海賊A | 「う…!? なんだ…?!」 |
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海賊B | 「誰だ、おまえら?!」 |
テール | 「これはこれは……おあつらえ向きですな。 そのお宝、こちらに渡してもらいましょうか?」 |
海賊C | 「はあ……?? いきなり何だよ?」 |
海賊A | 「これは俺たちの物だぞ! なんでてめぇらなんかに渡さなきゃならねぇんだよ?」 |
テール | 「よく言うではないですか。 『おまえのモノは俺のモノ、俺のモノも俺のモノ』」 |
トライチップ | 「特定の1人しか言ってない気がする」 |
海賊B | 「何言ってんだ、おまえ?」 |
海賊C | 「寝ぼけたこと言ってないで、 通行の邪魔だから、どいたどいた」 |
テール | 「そちらがその気なら………力づくで頂くまでですな!!」 |
海賊A | 「なんだとっ?! 大人しくしてりゃぁ、いい気になりやがって!!」 |
海賊B | 「そっちがその気なら、こっちは返り討ちにするだけだっ!!」 |
テール | 「では、先生方、お願い致します」 |
トライチップ | 「だから相手を挑発するだけ挑発して、他人に振るなって………」 |

海賊たちと2回目の戦闘です。
相手は3人なので、低いレベルでも勝てる範囲でしょう。
なので戦うのですが、まだ出来る事は限られているので...、

...前衛は全員で攻撃し...、

...後衛は魔法使いにカティノ(催眠呪文)を唱えさせる、というお馴染みのパターンで。
トライチップ | 「わしは見てればいい……?」 |
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テール | 「はい、雇い主なのですから、それで結構でございます」 |

それでは、いってみましょう!!!
心々 | 「これまでの恨み、たっぷり晴らしてやるぜっ!!」 |
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海賊A | 「え…?」 |
海賊B | 「あっ! こいつ、脱走した心々じゃねぇかっ!?」 |
心々 | 「死ねえええぇぇぇっ!!」 |
一番手は珍しく心々!!

海賊A | 「うおぉわっ!!」 |
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心々 | 「ちっ…! 避けやがった…!」 |
海賊B | 「おい!? 脱走した腰抜けのくせに、襲ってきやがったぞっ!!」 |
海賊C | 「なんだよ、あいつっ!?」 |

海賊A | 「うおぉわっ!!(ドガッ!)」 |
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沙賀里 | 「おほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)」 |
海賊B | 「おい……なんか変なのが襲ってきたぞ……(汗)」 |
海賊C | 「なんだよ、あいつ………(汗)」 |
トライチップ | 「おい、テールっ!! 前も聞いたけど、この用心棒たちで本当に大丈夫なのかっ?!」 |
テール | 「どうぞご安心下さい。 彼らに全て任せておけば、何の問題もございません」 |
トライチップ | 「今リアルタイムで問題が起きてるけど??!」 |
テール | 「心配はご無用です。 まだ先生がおられます」 |
…さっ…! | |
海賊A | 「ん…?」 |
羅無市 | 「無名流…………必殺っ!」 |

海賊A | 「ぐぎゃあああぁぁっっ!!」 |
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いちもんじ | |
羅無市 | 「一文字の太刀………!」 |
テール | 「いかがですか? 先生は頼りになりますぞ」 |
トライチップ | 「全員頼りになれよっ!!!」 |
海賊B | 「く……くそっ!! ふざけやがって!!」 |
海賊C | 「てめぇら、ただで済むと思うなよっ!!!」 |
心々 | 「おめぇらの思い通りにさせるかってんだっ!! おい、ネックっ!!」 |
ネック | (;つ_⊂)…………………………………… |
心々 | 「おおおぉぉぉいっ!!!」 |
ネック | (;つo⊂)「あの……僕……血が苦手で………」 |
心々 | 「分かったからっ!!! 目を瞑ったままでイイから、早くカティノ唱えてくれってっ!!!」 |
ネック | (つ>o<)つ)) エイッ! 「カティノっ!!」 |
心々 | 「あ…!? おいっ!! その方向はうちらも居るって…!?」 |


テール | 「見事、海賊を寝かせましたぞ」 |
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トライチップ | 「おいっ!! テールっ!!」 |
テール | 「はい?」 |
トライチップ | 「あの2人もカティノの余波を受けてるけど?!」 |
心々 | 「くっ……! うちらまで眠気が……(よろよろ…)」 |
羅無市 | 「むぅっ……(よろよろ…)」 |
トライチップ | 「あれで大丈夫なのかっ!?」 |
テール | 「どうかご安心下さい。 なぜなら、まだ……」 |
沙賀里 | 「おほほほほほほほっ!!(ブン!ブン!ブン!)」 |
テール | 「…沙賀里がおりますので」 |
トライチップ | 「あれはなんで大丈夫なの??!」 |
とりあえず相手が全員眠ったので、このターンはこれで終了。
─── 2ターン目

海賊B | 「うぅ……っ!」 |
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海賊C | 「くそ…っ!」 |
テール | 「海賊どもが、もう起きてきましたぞ。 やはりカティノの方向が悪く、十分に効かなかったのですな」 |
トライチップ | 「それよりさぁ…」 |
テール | 「はい?」 |
トライチップ | 「…戦闘の成り行きを見てて忘れてたけど、そもそも論として、 わしらって『盗品の転売』をしに迷宮へ来たんじゃなかったっけ?」 |
テール | 「その通りでございます」 |
トライチップ | 「これって『強盗』って言わない?」 |
テール | 「何を仰いますっ!! 『盗品の転売』と『強盗』は一心同体の関係!!」 |
トライチップ | 「絶対に違う」 |
テール | 「タダで品物を手に入れるためには、これは必要不可欠なことなのです!!」 |
トライチップ | 「隠された宝箱を探すだけにしない? それなら無益な殺生をしなくて済むだろ?」 |
テール | 「ご神官様、何を血迷っておるのですか?!」 |
トライチップ | 「血迷ってるの、おまえの方じゃね?」 |
テール | 「既に1人殺しておるのですぞ!! 口封じのためにも、ここは全員殺すべきです!!」 |
トライチップ | 「もっと早くツッコむべきだった………」 |

とりあえず2ターン目も、ネックのカティノで足止めしつつ、
前衛全員で敵の殲滅を狙う!!
では、いってみましょう!!
羅無市 | 「うぅむ……っ!(よろよろ…)」 |
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海賊B | 「うごぉっ!」 |
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羅無市 | 「くっ……! 力が入らぬ……っ!(よろよろ…)」 |
海賊B | 「いだだっ……! ぶ…分が悪くなってきたぞ…!」 |
海賊C | 「逃げようっ!」 |

心々 | 「に……逃げやがった……!(よろよろ…)」 |
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テール | 「ネック、足止めをっ!!」 |
トライチップ | 「財宝が目当てなら、別に逃がしても良くない……?」 |
テール | 「何を仰いますか、ご神官様!! 口封じをすべきと言ったではありませんか!?」 |
トライチップ | 「既に1人逃げてるけど……?」 |
ネック | (つ>o<)つ)) エイッ!「カティノっ!!」 |
テール | 「あ?! また微妙に先生方の方向に…!?」 |

海賊B | 「ZZZzz………」 |
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心々 | 「ちょ……っ(ふらふら…)」 |
羅無市 | 「うぬ……っ(ふらふら…)」 |
トライチップ | 「敵は寝たけど……先生たちも大分ヤバくないか?」 |
テール | 「ヤバいですな……」 |

沙賀里 | 「おほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)」 |
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トライチップ | 「あいつはあいつで、ヤバくないか……?(汗)」 |
テール | 「ヤバいですな……(汗)」 |
─── 3ターン目

海賊B | 「うぅぅ……(ふらふら…)」 |
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心々 | 「く…そ……っ(ふらふら…)」 |
羅無市 | 「ぬぅ……っ(ふらふら…)」 |
トライチップ | 「あいつら、あんなんで大丈夫なの……?」 |
テール | 「さぁ………」 |
沙賀里 | 「おほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)」 |
トライチップ | 「あいつは、なんで大丈夫なの……?(汗)」 |
テール | 「さぁ………(汗)」 |

羅無市 | 「ふぬっ…!(ふらふら…)」 |
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海賊B | 「おぉぉ…(ふらふら…)」 |

心々 | 「こんちくしょ…っ!(ふらふら…)」 |
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海賊B | 「ふぬぬ……(ふらふら…)」 |
トライチップ | 「グデグデだな……」 |
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テール | 「グデグデですね……」 |

沙賀里 | 「おほほほほほほほほっ!!(ブン!ブン!ドガッ!)」 |
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海賊B | 「ふぃぎゃああぁぁっ!!」 |
テール | 「元気な奴がいて助かりましたな」 |
トライチップ | 「あいつ、さっきから『おほほほほ』しか喋ってなくね……?」 |

ちょっと攻撃の空振りが目立ったが、なんとか勝利!!
ネック | (;>o<)「ど……どうなりました……?」 |
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トライチップ | 「おまえのせいで大分グデグデになったけど……」 |
テール | 「…とりあえず敵は全て撃退しましたぞ」 |
ネック | (;゚▽゚)パアッ!「ホントですか!?」 |
目の前に海賊たちの死体......
ネック | う~ん…… ┓┓⌒3 バタンッ! |
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トライチップ | 「もしかして、毎回このパターンなの……?」 |
テール | 「先が思いやられますな……」 |

テール | 「さてさて、兎にも角にも、これでこのお宝は我らのモノでございます」 |
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トライチップ | 「記念すべき初の宝箱だな」 |
テール | 「億万長者への第一歩ですぞ」 |
トライチップ | 「気が早いなぁ。 まぁ、いい。 では、さっそく開けてみよう!」 |
テール | 「ご神官様、訓練所で習ったではありませんか? 宝箱には罠が仕掛けられているかも知れないので、そのまま開けるのは大変危険でございます」 |
トライチップ | 「そう言えば、そう習った気もするな」 |
テール | 「気もする…?」 |
トライチップ | 「いや……、講義中はずっと寝てたから……」 |
テール | 「相変わらず不真面目ですなぁ。 ま、ここは盗賊の心々の出番でございます。 と言う訳で、心々、こちらへ」 |
心々 | 「うぃ~す……(よろよろ…)」 |
テール | 「目は覚めましたかな?」 |
心々 | 「ちょっと待ってくれ……。 (ぱんっ!ぱんっ!)」 ↑顔を叩いて目を覚ましている。 |
トライチップ | 「大丈夫か…?」 |
心々 | 「うっし! なんとか大丈夫だ」 |
テール | 「では、宝箱の解錠をお願いしますぞ」 |
心々 | 「えぇ~~と……」 |

心々 | 「まずは罠を調べないとな……」 |
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トライチップ | 「どんな罠があるんだ?」 |
心々 | 「全員がダメージを喰らう爆弾とか、 全員が毒になっちまうガス爆弾とか、 呪文を使う奴を狙い打ちにするブラスターとか……まぁ、そんなのだ」 |
トライチップ | 「わしらも巻き込まれるってこと?」 |
心々 | 「あぁ」 |
トライチップ | 「マジかぁぁ……」 |
心々 | 「マジさ。 だから罠の餌食になりたくなかったら、 罠を解除せずにバカッ!」 |
トライチップ | 「うひぃやぁっ?!」 |
心々 | 「…って開けたりしちゃぁ、絶対にダメなんだぜ」 |
トライチップ | 「び………びっくりさせるなって………。 と……とりあえず頼むよ……」 |
では、罠を調べるキャラを選んで、Aボタンを......

...ポチッとな!
バカッ! ! !
心々 | 「うわあああぁっっ!!!」 |
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トライチップ | 「ぎゃああああぁぁっっ!!!」 |
テール | 「爆弾がああぁぁっ!! 毒ガスがああぁぁっ!! ブラスターがああぁぁっ!!!」 |

心々 | 「ぅ…………?」 |
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トライチップ | 「ん…………?」 |
テール | 「ひ…………?」 |
心々 | 「あ………あれ………??」 |
トライチップ | 「ど………どうなったんだ………?」 |
心々 | 「ん~~………、 どうも罠が無かったっぽいな………」 |
トライチップ | 「なにぃぃぃぃ……」 |
テール | 「し………心臓に悪いですなぁぁぁぁ……」 |
なんと......調べるだけで罠が発動したが、
そもそもその罠が無かったので被害は出なかった.....ってことらしい。
いや........存在しない罠を発動させるとは........、
...さすが某ヘボヘボ盗賊2人の血を引く子孫だぜ!!
初っぱなっから見せてくれたよっ!!!

トライチップ | 「いや……その……本当に罠は無かったのか……?」 |
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心々 | 「…だと思うけど」 |
トライチップ | 「中を覗き込んだら、バネ付きのパンチが飛んできたりしない?」 |
心々 | 「そんな罠、聞いたことねぇよ……」 |
トライチップ | 「えぇと………、せ、先生? 確認してもらえますか……?」 |
羅無市 | すっ…… |
心々 | 「チップは臆病にもほどがあるだろ……」 |

宝箱の中身は「オノ」。
これまでの経験から、いつもの一番安い「オノ」ですね。
トライチップ | 「おぉ、先生、ご苦労様です。 じゃ、テールや、とりあえず確認してもらえるか?」 |
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テール | 「お任せ下さい」 |


テール | 「ふむ………木製の柄の長さはおよそ80cmほど……、 比較的長めの柄ですな……」 |
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トライチップ | 「……………………………………」 |
テール | 「刃の質はありきたりな鉄製ですが、 扇型の形をしており、こちらもかなりの大きさです……。 つまり、これは……」 |

テール | 「…『いくさオノ』でございます」 |
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は?
なに、これ...???
メインパーティーがあれだけ長い期間アイテム集めをしていたのに、
こんなアイテム1度も出てきたことなかったんだけどっ??!!
どういうこと...?!
しかも、それを1発目の宝箱で引き当てたの??!!
こんな事ってある??!
テール | 「ご神官様、なかなか良き武器をゲットしましたぞ」 |
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トライチップ | 「それ、もしかして強いの?」 |
テール | 「今の我らが装備している中で一番強いのは、先生が持っておられる『だんびら』でございますが、 その『だんびら』と同程度のダメージを、より安定的に出せる武器でございます」 |
トライチップ | 「つまり、わしらが持ってるどの武器よりも性能が良い、ってこと?」 |
テール | 「その通りでございます」 |
トライチップ | 「マジか………」 |
テール | 「これほどの品なら、きっと高く売れるに違いありません。 億万長者への道の第一歩にふさわしいアイテムでございます」 |
トライチップ | 「それって……売るより、装備して使った方が良くね?」 |
テール | 「え? 転売ならさないのですか? 金を手にできませんぞ?」 |
トライチップ | 「そこは今使ってる武器の方を売ればいいだろ?」 |
テール | 「ご神官様、何を仰います! 今使っている武器はボルタックで買ったものですぞ?! それは『転売』ではなく、ただの『売り戻し』になってしまいます!」 |
トライチップ | 「そこ、こだわる………?」 |
とは言え、誰に装備してもらうかなぁ...?
まず、俺の中で先生は剣以外はあり得ないので、先生は対象外である。
すると、他に装備でそうなのは......盗賊......?

心々(盗賊)に渡してみる。

アイテム名の前の「#」は装備不可のマーク。
ダメか......。
まぁ、心々は女性という設定だし、あんまりバトルアクスを振り回すイメージじゃないしな。
と、なれば、ここは沙賀里(僧侶)に持たせましょう!!
だって僧侶の武器と言ったら、やっぱり斧でしょ!!!

んな訳あるか。
じゃぁ、結局は......、

...先生(戦士)が装備する......?

俺的には無し!!!
先生の武器は、やはり剣以外はあり得ない!!
テール | 「ご神官様、どうなさりたいんですか?」 |
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トライチップ | 「しょうがない、売るか……」 |
テール | 「それが目的で、ここに来ておるのですぞ? なんでビミョ~に残念そうなのですか?」 |
トライチップ | 「だって、良い武器だって言うからさぁ……、 もったいないなぁ……と思って………」 |

ま、ボルタックへ売り飛ばしましょ!


町に帰還。
━━━━ ボルタック商店

店員の男 | 「いらっしゃいませっ!! あなたの近所の死の商人『ボルタック商店』へようこそっ!!」 |
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テール | 「なんてイヤなご近所さん……(汗)」 |
店員の男 | 「ここで素敵なサムシングを見付けていって下さい!!」 |
テール | 「なんですか、その謳い文句……? そんなんで客が来るんですか……?」 |
店員の男 | 「もちろん来ますとも! むしろ武器やアイテムの売買に関しては、まるで当店以外に選択肢が無いかのように、 皆さまここをご利用なさいます」 |
テール | 「実際、ここしか無いのでは……?」 |
店員の男 | 「さぁ、どうなんでしょうね?」 |
テール | 「独占禁止法の重要性を学べる貴重なお店ですな……」 |
店員の男 | 「ま、本題に入りましょう。 本日はどの様なご用件で?」 |
テール | 「そうそう、本日は貴重な上物を手に入れてきましてな」 |
店員の男 | 「え? 上物…?」 |
テール | 「へい」 |
店員の男 | 「も……、もももも……もしかして…!? 『村正』ですかっ!?」 |
テール | 「あ、いや……そこまでではないですが………」 |
店員の男 | 「あぁ、ビビッたぁ~~…。 いや、まぁ、そうですよね! ちゃんと現実的な品だってのは分かってますよ、ダンナ!」 |
テール | 「それなら結構」 |
店員の男 | 「『カシナートのつるぎ』なんでしょ!!」 |
テール | 「え~~と………ごめんなさい……、 変にハードルを上げたこっちが間違っておりました……」 |
店員の男 | 「はぁ…?、 ……じゃ、何ですか?」 |

店員の男 | 「ふむ……これは普通の『いくさオノ』ですね」 |
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テール | 「期待させてといて、そんな程度で申し訳ない」 |
店員の男 | 「別にいいですよ。 最近は、王国が雇った凄腕らしいパーティーがよく来ていたんですが、 まぁ、一番安い短刀とか盾とか、そんなのしか持って来なくて……」 |
テール | 「へぇ、そんなパーティーがおるのですか……」 |
店員の男 | 「あの程度しか手に入れられないのに、どこが凄腕なんだか、って感じですよ」 |
━━━━ とある街角......
サーロイン | 「へっくしょんっ…!」 |
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ロース | 「どうしたの? 風邪?」 |
サーロイン | 「さぁ……?(グズッ…)」 |
━━━━ 再びボルタック商店
テール | 「で、幾らで買い取りますかな?」 |
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店員の男 | 「ウチは明朗会計、明瞭清算!! 全ての商品が一律店頭価格の半額!! と言う訳で、これは70G.P.になります!!」 |
テール | 「ん………? え……? これ、売ってるのですか…!?」 |

実はゲットした直後「初の非売品か?!」と勝手に思ってしまったのだが、
フツーーーに売っていたわ。
ま、いいけど......。

とりあえず70G.P.で売却です!!
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つづきは2025年5月3日(土)公開予定。
【更新履歴】
2025年 4月26日:第1節まで公開。