7.無い無い尽くし

【登場人物】  
サーロイン ロイヤルレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一。でも細かい事は大嫌い。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ 財宝一筋なエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約10分(動画無)約13分(動画込)
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──── 前回までのあらすじ

バラックの廊下に出てすぐ目の前の扉の先には...、


...さらに奥へと続く扉がありました。

現在、この扉の先へ進もうとしています......
既に6回挑戦しているのに、未だに扉の先へ行くことが出来ません

まぁ、原因の9割は桃が罠の解除に失敗して毎回甚大な被害が出ているからで、

要は自滅なんですが........。


さすがに今回は先へ進みたいけど.....果たして?



【目次】

1巡目:無い無い尽くし




1.無い無い尽くし




━━━━ バラック 南にある扉.....


サーロイン 今回こそ……今回こそは、この扉の奥へ入るぞぉっ!!


バンッ!        ← 扉を蹴破った音


三洲次が扉を蹴破って突入すると、残りのメンバーも続き、
壊れた木箱やホコリにまみれた棚が散乱している倉庫に突入した!!

そして、全員が敵の襲撃に備えるが........、

サーロイン 「何か居るか……?」
三洲次 「いえ……特に敵の姿は見えないです」


...どうやら動くモノの姿は見て取れなかった。

ロース 「やっと入れたのかしら?」
ランプ 「そのようですね」
「…………待ちな!
サーロイン 「ん?」


桃が何かに気付いた........。


サーロイン 「どうした?」
「………………………………」
三洲次 「…?」


「……………………………………」

 

 

 


ズルリ........ ズルリ........ ズルリ........

 

 

 


「奥に……………何かいる」
ロース 「え!?」
ブリスケット 「な、なんすか?!」
「しかも………こっちに来るぜ………」
サーロイン 「なに!?」


全員が倉庫の奥に意識を集中する!!


倉庫の奥は左側に延びており、その左側の奥から......


...なにか......


......大きく柔らかい物を引きずるようなが........


.........少しずつ近付いて来る............

   
三洲次 「本当だ………」
ロース 「この音は……何の音………?」
ブリスケット 「分からねぇっす………」



さらに音が近付くにつれて.........


........シュゥゥゥゥ…ッ........という......、


......昆虫とも獣とも違う、かつて聞いたことが無い声も漏れ聞こえてきた........。


ロース 「な……なにが来るの………?」



そして目の前の通路に薄暗く丸い影が出て来ると.........、


サーロイン 「……………来たぞっ!」




倉庫の奥に姿を現したのは........



...高さにして優に2メートル前後はあろうかと思われる......、

......巨大なドロドロした塊であった!!!

ロース 「な……なに?!
 あれ……?!」
サーロイン 「ランプ……?」
ランプ 「わ……分かりません………」


その巨大な柔らかい塊は、近くに何かが居るのを察知すると、
突如それまでの緩慢な動きが噓だったかのように素早い動きで巨体の向きを変え、
パーティーと対峙した!!!

ドロドロしたモノ 「……シュォォ……ォォ……!」
   
ロース 「あれ………動物なの………?」
ブリスケット 「分からねぇっすが………こっちに向かって来る気なのは分かりますぜ…………」
サーロイン 「先手必勝といくか……。
 よし!
 前衛は全員で攻撃だっ!!


ランプ 「あれだけデカいと、相当体力があるんじゃないでしょうか…?」
三洲次 「倒すのに時間がかかるかも」
サーロイン 「それはやってみなければ分からん」
「………………………………」
サーロイン 「ランプはカティノ(催眠呪文)で援護を頼む!!」
ランプ 「了解です」



サーロイン 「いくぞっ!!
 先手必勝だっ!!


戦闘開始!!

......と、ともに、前衛が一斉に敵に突き進んだっ!!!

サーロイン てやあああぁぁっっ!!
三洲次 うりゃあああぁぁっ!!



サーロイン 「やったぞっ!!」
三洲次 「い……いや、これ………」


......剣は刺した時と同じように、ヌルリ...と容易に引き抜くことも出来た。

三洲次 「……剣じゃロクに致命傷を与えられないですよ!!」
サーロイン 「なっ………そんな……っ!?」


剣を刺した部分から、何か液体のようなものが流れだし、
それが激痛となったのか、ドロドロしたようなモノから......

ドロドロしたモノ 「ギィイィィ……シャアアアアッ!!!


...この世とは思えぬ金切り声が漏れた!!

三洲次 「…うおっ!?」
サーロイン 「な、なんだ…?!」


さらに、その巨大なドロドロした塊は......、

ドロドロしたモノ シュアアアァァァ…ッ!!


...後ろに下がったサーロイン三洲次に向かい突進して来たっ!!!

サーロイン 「ま、まずいっ!!
三洲次 「こ、こんな巨体に乗っかられたらっ!?」
   
ブリスケット 「あぶねぇっすっ!!」
ロース 「ロインっ!! 三洲次っ!!」



が!


...その瞬間、サーロインと三洲次の頭の上を......


サーロイン 「え?」
三洲次 「は?」



...一つのが飛び越え、塊の頭上へ向かって跳躍したっ!!!


ランプ 「あれは…?!」
ロース 桃よっ!!



...ドロドロしたモノの先端にある丸っぽい部分の真上まで跳ぶと......、


「どう見ても、ここが脳天だろ」



...と言った途端、段平を......



...垂直落下しながら敵の頭頂部ぶっ刺した!!!

ドロドロしたモノ ギィシャアァァ……アアァァア……ァアアァァ……! ! !


巨大なその物体は、しばらくのたうち回った後......、


...ゆっくりと動きが無くなり、最後は倒れると......



...地面の上で潰れて動かくなった........。

「ま、こんなもんだろ」
   
ブリスケット 「さすがっす……」
ロース 「でも、結局どんな奴かよく分からないまま倒しちゃったわね……」
ランプ 「さすが桃です!!
 カティノなんて、かける必要はなかったって訳ですね!!」
三洲次 「さりげなくカティノが遅かったフォローを自分でしてねぇか……?」


そう言いながら、ランプはドロドロに潰れた死体まで近づくと......

ランプ 「ではでは、宝箱とか隠し持ってないか調べましょう!」


...その物体の上を歩きながら物色をし始めた。

ブリスケット 「あんな気色悪ィ死体の上なんて、よく歩きやすな……」
ロース 「私、遠慮するわ」
   
ランプ 「えぇと、なにか箱とか(ガキッ!)……ん?」


ドロドロになった物体の上を歩いていたランプが何かを踏んだようで、足を上げてみると......、

ランプ 「お? 金貨ですね」
   
三洲次 「マジ?」
サーロイン 「どれどれ……」


全員が死体の周囲に集まると、金貨金属片、そして布切れなどがドロドロの物体の中にあるのが見て取れた。

ロース 「この金貨とか金属片って、あの魔物の体内にあった……ってこと?」
ブリスケット 「冒険者たちを食って、消化出来なかった物じゃねぇっすか?」
ランプ 「そう言えば、このフロアには死体を掃除するモンスターが2種類いるそうです。
 掃除と言っても、要はブリ助の言う通り死体を喰べる、ってことですが」
サーロイン 「なるほど………迷宮内で倒した死体が消えるのは、
 こういう掃除をする生き物が居るからなのか」
ブリスケット 「じゃ、この金属片や布切れはもともと誰かしらの装備だったんすね」
三洲次 「そう言われると、これって先日倒したガリアンレイダーが着ていた服っぽいな……」
ロース 「いろいろ気持ち悪過ぎだわ……」
ランプ 「するとこの金属片は、あのガリアンレイダーが持っていたサーベルかも知れません」
サーロイン 「金属を粉々にするとは、噛み砕く力は相当強かったようだな」
三洲次 「そんなのに噛まれる前に倒せて、良かった……」
ランプ 「とりあえず、金貨は拾って頂いちゃいましょう!」
ロース 「えぇ~……、
 こんな体液まみれの金貨なんて、触るのヤダぁ!」
ランプ 「じゃ、ロースの分は私が貰っていいですか?」
ロース 「……………それもヤダ」
三洲次 「どうしろと………」
ブリスケット 「ま、拭き取れば、なんとか(ゴシゴシゴシ…)
 ほれ、これでどうっすか?」
ロース 「心象悪いけど………仕方ないわねぇ……」
ランプ 「あ、金貨ばかりにとらわれず、宝箱があれば言ってくださいよ!」
サーロイン 「この感じでは、箱ほどの大きさの物があるとは思えないが……」
ブリスケット 「えぇと………」


宝箱は無しかぁ........ちょっと残念。
(*) 後で知りましたが、この敵は宝箱を持ってないそうです。

三洲次 「金貨はこれで全部かな……」
ブリスケット 「宝箱は無かったですぜ」
ランプ 「そうですか……ま、アイテムは倉庫の中に期待しますか」
サーロイン 「そうだな。
 これでやっと倉庫の中を探索出来るという訳だ」
ロース 「長かったわね」
ランプ 「それでは、バンバン宝箱を見付けましょう!!」
サーロイン 「その前に、倉庫の構造を調べてしまおう。
 他に敵がいるかも知れないしな」
ブリスケット 「そうっすね」


サーロイン 「周囲はどんな感じだ?」
三洲次 「左手側に2股に分かれてる構造です」
サーロイン 「手前の左側は?」


ブリスケット 「すぐに行き止まりっす」
ロース 「壊れた棚や木箱が散らばってて、入り口付近と大差ないわ」
サーロイン 「では、奥の方……つまり、さっきの怪物がやって来た方は?」
三洲次 「見てもいいですが………覗き込んだら他にも魔物が居て、襲われたりしないですかね?」
サーロイン 「う~~む……、
 じゃ、桃、おまえが見てくれるか?」
「うぃ」


は壁を背にし、壁の向こう側から見えないギリギリの位置に立つと、
物音の有無、壁に伝わる振動、敵の気配などを感じ取りだした。

そして問題が無いと判断すると、床にしゃがんでから顔を少し出し、通路を覗き込む......


「別に何もいねぇぜ」
サーロイン 「そうか。
 じゃ、奥へ進んでみよう」


倉庫の奥は細長く、両側の壁際に棚はあるものの、どの棚も空っぽで、
木片や布切れ、そして砂ボコリだけしか見当たらなかった。

ランプ 「アイテムも何も無いですね………」
サーロイン 「もうあらかた荒らされた後なんだろう」
ランプ 「しゅん……」


そして倉庫の奥へ進んで行くと........


...が見えて来た。


三洲次 「こんなところに扉が……」
サーロイン 「倉庫の奥の扉か………、
 反対側の入り口ってことかな?」
ブリスケット 「いや、重要な物をしまうエリアっぽいっすぜ」
サーロイン 「なんで分かる?」
ブリスケット 「これっす(コンッ)


そう言ってブリスケットは、床に転がっているパドロック(南京錠)を足で軽く蹴った。

サーロイン 「鍵が掛かっていた……ってことか」
ランプ 「と、言う事は、もしかて何か貴重な物が入っている可能性が…!?」
ロース 「鍵が壊されているから、それは無いわね」
ランプ 「ですかね、やっぱり……」


サーロイン 「とりあえず、入ってみよう。
 開けてくれ」
三洲次 「はい」


ギイイイィィ……ィィ……


扉を開けると、パーティーの予想通り、そこも倉庫であった。

中は砂ぼこりで汚れており、周囲を見渡すと、壁際にはこれまでと同じくがあり、それらは左手向かって並んでいた。
棚の各段を軽く見てみると、幾つかの金属片が転がっているのが見える......。

サーロイン 「さっき倒した敵の中から出て来た金属片と同じ感じだな」
ブリスケット 「つまり、ここは武器や防具をしまっていた場所、ってことっすな」
ロース 「施錠されていたのも納得できるわね」
ランプ 「じゃぁ、荒らされる前に来ていれば、武器とかがタダで手に入っていたかと思うと……、
 あぁ、悔しいなぁ………」
三洲次 「一応、何か残ってないか、見てみません?」
サーロイン 「そうだな。
 じゃ、棚を上から一段一段チェックするか」
   
ブリスケット 「一番上の棚には……えぇと……金属片しか無ぇっす」
サーロイン 「無視だな」
ロース 「上から二段目は………布切れしかないわ」
サーロイン 「使い道が無い。
 無視だ」
ランプ 「三段目は………何かを縛っていた紐があります」
サーロイン 「紐なんて街でも買える。
 無視」
三洲次 「一番下は床の上ですが、床には……


三洲次  …奇妙な植物が生えてます」
サーロイン 「植物なんて興味が無い。
 無視、無視」
三洲次 「でも……」


サーロイン ぬおぉわぁあっ??!(ぴょんっ!)
三洲次 「それ、襲って来ますよ?」
サーロイン そういうことは先に言えええぇぇっ!!!


サーロイン ってか、また、こいつらかぁあっ!!?
ブリスケット 「こやつら、どこにでも居やがりますな……」


いや、マジでこいつ、ちょっと出過ぎじゃね?

経験値もアイテムも出ねぇのに、そういう奴に限ってたくさん出るって、嫌がらせかよ......

ランプ 「どうします?」
サーロイン 探索の邪魔だから、根こそぎ刈り取る!!!


魔法が効き難いとは言え、8匹も攻撃させ放題にするのはちょっと危ないので、
カティノで少しでも動きを封じよう。


では、いってみましょう!

三洲次 「桃、いくぞっ!!」
根こそぎ刈り切ってやるぜっ!!



奇妙な植物A  グシュワアアアァァ…ッ!!
奇妙な植物B  シュバアアアァァッ…!!
   
三洲次 「オッケィ!!」 ← ハイタッチ
「ぅいっす!!」 ← ハイタッチ



三洲次 おごぉっ!!
ぎゃにゃっ!
   
ブリスケット 「やり返されてやすぜ……」
ロース 「ちょっと油断すると、すぐこれね……」
サーロイン 「ランプ、数が多いんだ、早く寝かせてくれ!!」
ランプ 「では……」



残り6匹中、なんとか2匹寝かせることに成功。

ランプ 「こんなところでしょうか…?」
サーロイン 「よし!!」


サーロイン 「まずは3匹撃破っ!!」

───2ターン目


サーロイン 「まだ数が多い!
 今度はロースがカティノを頼む!」
ロース 「分かったわ!」



戦闘続行!!

三洲次 「桃、さっきの奴らにやり返してやるぞ!!」
ぶっ殺すっっ!!



三洲次 「やったぜ!!」 ← ハイタッチ
「楽勝ぅっ!!」 ← ハイタッチ


サーロイン 「ぅおわっ?!(ぱっ!)


サーロイン 「そう簡単にやられてたまるかっ!!」


この後は......



...治療呪文が飛び......、



...なんとロースのカティノは残った2匹とも寝かせ付けること成功!!

ロース 「残りは寝たわ!!」
サーロイン 「こいつら相手に、見事だ!!!」


───3ターン目


残り2匹!!

ここまでくれば、楽勝でしょう!!



サーロイン 「よし!!」
三洲次 「片付きましたね!!」


ブリスケット 「相変わらず少ねぇ経験値っすな」
ロース 「ドッと疲れが出るわね……」


サーロイン 「………………ん?」
ブリスケット 「…………おや?」
三洲次 「なんか……あるべきはずのモノが無いような……?」
ロース 「そうね………」
ランプ 「何でしょう……?」
「………………………………」


............あれ?


何かすっ飛ばした感じだけど..........宝箱?


いや、あいつらは宝箱を持ってないから........そうなると......、


ランプ お金が無いぃっっ!!



ランプ 「ちょっと!!
 どこにも金貨もコインも無いですよっ!!」
ブリスケット 「あやつら、いつも金貨のある所に集まってたんで、
 棚の下にあるんじゃねぇっすか?」
ランプ 「えぇと……えぇと………いえ、無いですっ!!」
三洲次 「マジか………」
サーロイン 「そういや、モンスターを倒した後って、最低でもお金は手に入っていたけど……」
ロース 「今回、そのお金さえ手に入らなかったってこと?」
ランプ 「そ……、そんな………」

え?

これって、バグではなくて??


で、ちょっと調べたら........あの敵、25%の確率でお金を持ってないことがあるそうで........。


ちょっとヒド過ぎね?!!


サーロイン 「呪文無効化能力があって……」
三洲次 「3回攻撃までするような強敵が……」
ブリスケット 「経験値が全然無ぇってだけでもヒデェのに……」
ロース 「アイテムを絶対持ってない上に……」
ランプ 「お金さえも持ってないことがあるなんて………」


いや........あの敵..........倒して............何か嬉しいの............??



三洲次 「もう、あの植物、無視しません?」
ロース 「戦ったところで、何一つ見返りが無いわよ?」
サーロイン 「いや、そうだけど………こっちの希望と関係無しに出て来る上に、
 逃げ損なってもアレだから……えぇと………どうすりゃいいんだ……?」
ランプ 「まぁ、考えてもよい解があるとは思えませんし、先に倉庫の中を見てみません?」
ブリスケット 「そうっすね……」



この倉庫は北側に向かってのびる細長い構造をしており、
右側の壁沿いには棚が続いていた......。

ロース 「棚の奥の方も、目ぼしい物が全然無いわ」
ランプ 「完全に荒らされた後ですね……」
三洲次 「俺たちがこの地に呼ばれたのが遅過ぎたんだよ」
ブリスケット 「奥の方に扉が見えやすぜ」
サーロイン 「じゃ、奥の扉を見てみよう」


サーロイン 「壊されていたとは言え、鍵のかかっていたエリアの、さらに奥の扉か……」
三洲次 「武器や防具より重要な物がしまってあった……ということですかね?」
ロース 「扉に……薄っすらと文字が残ってるわ……、
 大分かすれちゃってるけど………」
サーロイン 「なんて書いてある?」
ロース 「えぇと……『宝物庫』………かしら?」
ランプ え?!
三洲次 「もう荒らされた後だから、期待するなって」
ブリスケット 「どうせワードナの迷宮にあった『宝物庫』と同じでっせ」
ランプ 「しかし、万が一ということも……!」
サーロイン 「ま、見るだけ見てみるか」


ガチャッ!        ← 扉を開けた音


扉の中は、先ほどまであった木片や金属片さえ落ちていない、完璧な空き部屋であった。

サーロイン 「空っぽだな」
ランプ 「えぇ…………」
三洲次 「だから期待するなって言っただろ」
ランプ しゅん…………」
ブリスケット 「ここが一番奥っすかね?」
サーロイン 「そのようだな」
ロース 「今日は何も手に入らなかったわね……」
三洲次 「一応、あのドロドロした奴から24G.P.だけ手に入れたけど……」
ランプ 「倉庫にはアイテムは皆無………、
 敵からは宝箱どころかお金さえ無い時まで……、
 もう今日は厄日ですよ………」
ブリスケット 「じゃ、もう戻りやすか」
サーロイン 「そうだな」


かくして........、


...来た道を......、


...戻ることにしました。

ロース 「この倉庫、あれだけ苦労して入ったのに、何も得るものが無かったわね………」
ブリスケット 「苦労しても得るものが少なく、あっさり出来た方が得るものが多い………、
 人生ではよくあることですぜ」
三洲次 「なに悟ってんだよ……」
ブリスケット 「あっしは僧侶ですぜ」
ランプ 「その割に、ブリ助って神とか仏を崇めてるイメージは皆無ですよね」
ブリスケット 「ランプはんだけには言われたくねぇっすよ」


ま、今日はここまで....ですね。


三洲次 「う~~ん………」
サーロイン 「どうした、三洲次?」
三洲次 「いえ………、
 この倉庫ですが……」
サーロイン 「…?」
三洲次 「何かを調べ忘れている気が………」
サーロイン 「調べ忘れ……?」
三洲次 「えぇ……」
サーロイン 「誰か心当たりはあるか?」
ブリスケット 「あっしは特に……」
ロース 「私も別に無いわ」
三洲次 「う~~ん………」
サーロイン 「ま、もし忘れてることに気付いたら、もう一度ここに調べに来ればいいさ」
ランプ 「また、ここに……?
 もう何度も挑戦するのは勘弁ですよ……」
ブリスケット 「そいつぁ、桃っちが罠の………あれ?
 その桃っちはどこに?」
サーロイン 「え?」


5人が辺りを見渡すと、桃は後ろの方に離れて立ち止まっていた。

「……………………………………」
   
三洲次 「どうした、桃?」


桃はゆっくりと、たった今戻って来た道の方に顔を向けて睨みつけた........

「……………………………………」
   
ブリスケット 「桃っち、帰りやすぜ」
ロース 「どうしたのよ?」
   
「何か………動いた…………」
   
サーロイン なに?!
ランプ 「敵ですか!?」


「……………………………………」
三洲次 「何かいるのか?」
ブリスケット 「どこっすか?!」
「いや………、気のせいだったかも………、
 悪ぃ……」
サーロイン 「ま、迷宮の中では、それぐらい慎重な方が助かる。
 気にするな、桃」
ロース 「じゃ、帰りましょ」


パタン......ッ


 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 


ずるり..........ずるり..............

 

 

 

 

 

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名前 LV H.P. コメント
サーロイン 1 12 15 15 15 15 15 13 0 0 何気に器用に避けるよね?
三洲次 1 12 15 15 15 15 15 15 0 0 剣が当たるようになったが、敵からの攻撃もよく当たる。
1 12 15 15 15 15 15 15 0 0 #1の時には敵の攻撃をよく避けていたのになぁ…
ロース 1 12 15 15 15 15 15 13 0 0 ケルプ相手に呪文の成功率100%はスゴい。2匹だけだが…
ランプ 1 12 14 15 15 15 15 15 0 0 序盤でお金が手に入らないって、ヒド過ぎね??
ブリスケット 1 12 15 15 15 15 15 12 0 0 まぁ、昆布がお金を持っているのもおかしな話しだけど。

アイテム入手: 5/109


【更新履歴】
2024年 4月22日:リンクの設定漏れを修正。
2024年 3月 9日:新規公開。
2024年 3月 2日:プレ公開。