27.クリスマスソングは死を招く

【登場人物】  
サーロイン ロイヤルレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一。でも細かい事は大嫌い。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ 財宝一筋なエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

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━━━━ リルガミン 某所.....

サーロインブリスケットが肩を並べて同じ場所を睨んでいる......。

サーロイン 「どれがいけるか、分かるか?」
ブリスケット 「いや、全然分かりませんぜ」
サーロイン 「これって……選択を間違えたら、俺たちは終わりなんだよな?」
ブリスケット 「そうっす」
サーロイン 「まいったな………、
 どれがいけるのか、全然分からない……」
ブリスケット 「もう、しょうがねぇっすよ。
 決断の時ですぜ」
サーロイン 「うぅぅぅむ………」
ブリスケット 「ロイン殿?」
サーロイン 「よし、分かった!
 決めたっ!!


サーロインは意を決して手を出すと、
皿の上に山盛りに積まれた丸いパンの1つを人差し指で抑えて、それを手前に引っ張った!!

が...!!

その途端にパンの山はバラバラと崩れて、幾つものパンが皿からこぼれてテーブルに散らばった。

サーロイン 「あぁぁ……」


早朝のギルガメッシュの酒場サーロインの声が響く........

三洲次 「はい!
 ロインとブリ助チームの負け!!」
ランプ 「私たちの勝ちですね!」
サーロイン 「やっぱりダメだったかぁ……」
ブリスケット 「あぁ~~……」
ロース 「何やってるのよ?」
三洲次 「将棋崩しです」
ロース 「ショーギ崩し…?」
ブリスケット 「指1本のみで山が崩れないように1つ1つ取っていく日本のゲームっす」
ロース 「何かと思ったら、食べ物で遊ばないでよ」
三洲次 「ま、とりあえず俺たちの勝ちですので、
 今日の夜、ビール1杯ご馳走になります」
ランプ 「やりましたね!」
サーロイン 「しょうがないな……」
ブリスケット 「やれやれっす……」
   
「うぃ~す……、眠ぃ~……」
   
ランプ 「やっと来ましたよ」
サーロイン 「三洲次より遅いとは、珍しいな」
三洲次 「そうだ、桃。
 眠気覚ましに勝負でもするか?」
「ほ?」


勝負という単語に反応し、の目が一気に覚めたようだ。

三洲次 「今夜のビール代を賭けて勝負をするんだ」
「やるやるっ!!」
サーロイン 「じゃ俺が抜けよう」


がテーブルに付くのを横目に見つつ、三洲次は崩れたパンの山を元に戻し始めた。

三洲次 「勝負は将棋崩し。
 崩れないようにパンを1つ1つ取っていく。
 山が崩れたチームが負けで、冒険から戻ったらビールを1杯奢るんだ」
「なんだ、簡単じゃねぇかっ!!
 上から取ってきゃ、楽勝だぜっ!!
三洲次 「じゃ、桃からどうぞ」
ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!!
三洲次 鷲掴みで食うなあぁっ!!!
 『取っていく』って『取って食べる』って意味じゃないっ!!
ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!!
ブリスケット 指1本で取るんすよっ!!
 日本人なのに将棋崩しを知らねぇっすかっ?!
ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!!
ランプ ちょっと、私たちの分まで食べないで下さいっ!!
ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!!
ブリスケット 誰か止めるっすっ!!
三洲次 桃、待てって!!
ぼぉぶぁだぁっ!邪魔だぁっ!ドガッ!
三洲次 ぐほおおおぉぉっ!!!
ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!!
ランプ 待ってええぇぇぇ!!
 全部食べないでぇぇっ!!!
ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!ガツッ!!
ブリスケット あっしらの朝食があああぁぁっ!!!
   
サーロイン 「カオスだな………」
ロース 「カオスね………」

 



【目次】

1.面倒くさがりはパニックを招く

2.クリスマスソングは死を招く

3.過ちと偽りは虚無を招く




1.面倒くさがりはパニックを招く




━━━━ 迷宮 入り口.....


サーロイン 「では、今日も海賊の砦を探索しに出発だ」




固定敵のモートモンスターはもう楽勝なので......、



...ちゃっちゃと倒して......、




...特にトラブルも無く......、


...海賊の砦入り口まで到達しました。

サーロイン 「前回の探索で手前の扉の方は調べ終わったから、
 今度は奥の方の扉に…」


サーロイン 「…入ってみよう」
三洲次 「では……」


ガチャッ...!        ← 扉を開けた音


扉に入ると、中には小さな木製の机と椅子があり、
もう1つの入り口と同じ受付と思われる小奇麗な部屋になっていた。

サーロイン 「こっちも受付があるのか」
三洲次 「そして、やっぱり見張りが居ないんだ」
ブリスケット 「鍵を掛けてる訳でもねぇし、相変わらず不用心っすな」
ロース 「そのくせして侵入すると文句を言ってくるって、おかしいと思わない?」
ランプ 「まぁ、こんな所に入る人なんて、普通はいないんでしょう」
サーロイン 「隣の扉から奥へ行けるな」


ガチャッ...!


扉の中は奥まで続く通路があり、これまでと同じく天井は高いものの、窓が一切無いため、
ここも薄暗い雰囲気を漂わせた廊下になっていた。



サーロイン 「3方向に扉か……」
ランプ 「反対側の通路も同じ造りでした」
ブリスケット 「こいつぁは砦全体で左右対称になってんでは?」
ロース 「そんな感じね」
サーロイン 「すると、ここも居住用の個室が並んでそうだな」


サーロイン 「では、こちら側もまずは外周を回って調べよう」
三洲次 「開けますね」


ガチャッ...!


扉の中の部屋は、以前入った瞑想室と同じぐらいの大きさで、
壁際に様々な衣類やら私物などが寄せて置かれていた。
そして床には、茶色に薄汚れてクシャクシャになった絨毯や布団が敷かれていた。

サーロイン 「先日と同じ様な室内だな」
ブリスケット 「ガリアンガードどもが生活している部屋でっせ、これ」
ロース 「相変わらず小汚い部屋ね」


部屋の中にはロクな物が無かったので、さっさと隣の部屋へ向かう。


ガチャッ...!



部屋の中には8人ものガリアンガードが居たが、
全員壁の方を見て何か会話をしていた。

ガードA 「おまえならどれを選ぶ?」
ガードB 「そうだなぁ……」
   
サーロイン 「何をやっているんだ?」
ランプ 「壁に何か掛かってますね」
三洲次 「見てみましょう」
ブリスケット 「どれどれ………」


6人ガリアンガードたちの背後に付くと、壁に掛かった黒板を一緒に眺めた。
そこには幾つかの標語が書かれていた。



一瞬で 消える命 テレポータ


せまい迷宮 そんなに急いで どこへ行く


まだ行ける まだ戦えるは もう危ない


信じるな 「行けたら行く」と 成功率95%


1ダメージでもいいじゃない ハリトだもの



ガードC 「どれが大賞かなぁ?」
ガードD 「今回はありがちなネタばかりで、目新しさに欠けるんだよなぁ~」
サーロイン 「なんだ、これ?」
ランプ 「標語ですね」
ブリスケット 「レベル1呪文でも1はダメっしょ」
ロース 「あなたがそれを言う?」
三洲次 「95%のやつは合意しかないですね」
ガードE 「え?」
ガードF 「なんだ?」
ガードG 「うわあっ?!
 誰だ、おまえらっ!?」
サーロイン 「あ、どうも、お邪魔してます」
ガードH 「これはご丁寧に……って、そうじゃなくてっ!!」
ガードA 「いつの間に来たんだ?!」
ランプ 「それより、何をしてるんですか?」
ガードB 「年に1回のガリアン標語選考会だ」
三洲次 「何のための標語なんだよ、これ……」
ロース 「テーマに統一性が無いわよねぇ」
ガードC 「なぁ?
 おまえらなら、どれを大賞に選ぶ?」
サーロイン 「そうだなぁ………」
ブリスケット 「まぁ、成功率95%のやつじゃねぇっすか。
 あっしらも肝に銘じるべき内容でっせ」
ランプ 「確かに」
ガードD 「じゃぁ、今年はこれにするか?」
ガードE 「そうだなぁ………」
サーロイン 「……………………………………」
ガードF 「……………………………………」
「……………………………………」
ガードG 「……………………………………」
三洲次 「……………………………………」
ガードH 「……………………………………」


ガード達 「「おめぇら敵じゃねぇかあぁっ!!!」」
ブリスケット 「今さら何言ってんすか……」
ガードA 返り討ちにしろっ!!
ランプ 「おっと、そうは問屋が卸しませんよ」


ガードB 「くそっ!!
 後列が3人とも寝てしまった!!」
ガードC 「これはやばいぞっ!?」
ガードD 「逃げるか?!」
ガードE 「大丈夫だっ!!
 前列の5人が まだ戦える!!」
ロース 「あなたたち、さっきの標語で何も学ばなかったの?」


ガード達 「「ぐひゃあああぁぁぁっ!!」」
ロース 「『まだ戦える』は、『もう危ない』のよ!」
サーロイン 「ま、これで勝負あったな」





見事、1ターンで勝利!!

サーロイン 「敵が部屋に来てもボケっとしていたのが、おまえらの敗因だ!」
ランプ 「注意一秒、勝敗一瞬……ですね」


ロース 「部屋の隅に宝箱が置いてあったわ」
ブリスケット 「あちこちに移動した箱の1つっすね」
サーロイン 「じゃ、桃、頼むぞ」
「メンドくせぇなぁ……」
三洲次 「面倒くさい その気持ちが 事故のもと」
うるせえよっ! 言うだけなら ガキでもできるっ!!
三洲次 口うるさい そういうおまえが 口うるさい!!
じゃかぁしぃっ!! 文句があるなら てめぇでやれやっ!!!
サーロイン 「……………早く開けてくれない?」
ランプ 「ってか、桃のって、字数がそれっぽいだけで、ただの罵声ですよね……」



「スタナーだな……」




三洲次 おおぉぉいっ!!
「三洲次………」
三洲次 「なんだよ?!」
「今回の経験を活かして、あたいも標語を1つ作った……」
三洲次 「ちゃんと反省を活かした標語だろうな?!」
発表するぜ!!



ガス爆弾 みんなで喰らえば 怖くない!!



みんなで喰らったら、むしろ一番怖いだろ。




サーロイン 「しょうがない、治療をしよう。
 『毒消し』の薬と『ラツモフィス(解毒の呪文)』は何人分ある?」
三洲次 「『毒消し』の薬は……」


三洲次 「3人分です」
ブリスケット 「ラツモフィスは……」


ブリスケット 「2人分っす」
サーロイン 「合計すると5人分か……」
ランプ 「つまり……」
ロース 「助からない人が1人………」
三洲次 「……………………………………」
「……………………………………」
サーロイン 「……………………………………」
   
ブリスケット 回復が出来なきゃ危険なんで、あっしは絶対に治療するべきですぜ!!
ロース 大量の敵に備えて、唯一グループ攻撃が出来る私は治療するべきよ!!
三洲次 ここは呪文が効かない敵もいるから、前衛の攻撃能力は維持するべきだっ!!
ランプ レベル1呪文があれば充分ですから、両系統使える私は効率面から残すのが得策です!!
サーロイン 指示を出すリーダーは絶対居なきゃならんから、俺は治療しておくべきだ!!
ブリスケット 回復役は必要っす!!
ロース グループ攻撃は絶対役に立つわっ!!
三洲次 前衛の戦力は残すべきだ!!
ランプ こういう時こそ回復と補助の1人2役が活きます!!
サーロイン 指示役無くして帰還無し!!
   
(モンスター配備センターでもあったな……こんな事………)
   
ブリスケット あっしは治療すべきっす!!
ロース 私もよ!!
三洲次 前衛も治すべきだ!!
ランプ 私もです!!
サーロイン OK、OK!
 ちょっと落ち着こう」
「……………………………………」
サーロイン 「こういう時は、もうシンプルに決めよう」
ロース 「シンプルって…?」
サーロイン 「とにかく1度地上に戻らなくてはならない。
 すると治療出来ない人は、H.P.を減らしながら戻ることになる」 
三洲次 「当たり前です」
サーロイン 「そうなると、それは1番H.P.がある人が最も安全だろう」


ブリスケット また、あっしっすか?!
 『死の指輪』の時もそう言って、あっしだったじゃねぇっすかっ!?
三洲次 「おまえ、昔からH.P.の伸びだけは良いからな……」
ブリスケット 昔一度引き受けたんすから、むしろ別の人にすんのがマナーってもんでしょ!!
ロース 「でも、H.P.が少ない人だと危険だから、私もロインの判断が普通だと思うわよ」
ブリスケット 「またっすかぁ……」


まぁ、しょうがない。

今回もブリスケットには頑張って地上まで耐えてもらいましょう。


とりあえず、出発前に上から順番に治療をします。



まずは毒消しを使って、サーロインから治します。



あれ?


「毒消し」を使ったのに、消費していない........。


え?


今回「毒消し」って何回も使えるの?!


マジで?!


全然知らなかった!!!



いやいや、ちょと待てよ。

以前も1度「毒消し」を使ったことあったけど、普通に使った途端に消費してなかったっけ......?



..........あれ?


三洲次 「とりあえず、これ1個で複数人の治療が出来るよ」
ブリスケット 「良かったっす……ほんに良かったっす……(嬉泣)」


じゃ、次は......


...三洲次を治療する。



あれ??


無くなった!?
(正確には「壊れたアイテム」になった...だが)


三洲次 「使い切っちゃった……」
ランプ 「毒消しって、1個で2人分なんですね」
サーロイン 「じゃ、2つ目の薬で桃とブリ助を治療しよう」





三洲次 「あれ?
 1人治したら終わっちゃった!?」
ブリスケット 「どうなってんすか……?」
ロース 「あ!
 それって当然よ!!」
三洲次 「なんで?」
ロース 「だって、桃は冒険者として一人前だから1人分要るけど、
 ロインと三洲次は半人前だから、半人分で良かったってことよ!!
サーロイン
& 三洲次
「「殴るぞっ!!!」」


どうやら今作は、にも破損率が適用されたようだ。

なんだよ......そのランダム要素のある薬は........。

信用していいのか......?


まぁ、でも、そのおかげで全員の治療が可能になったので、あまり文句は言えないけど。





ブリスケットの治療でも一発で破損

ま、仕方無い。

残りはラツモフィスで治療する。






無事に全員が完治!!!

破損率の設定に助けられた。

サーロイン 「毒を治療する手段が無くなったので、これ以上奥へ行くのは危険だ。
 一旦戻ろう」




 

仕方なく、地上へ退却しました。

 

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━━━━ ボルタック商店.....


さて、毒消しが無くなったので、お店で補充をします。

なお、調べたら、毒消しは50%の確率『壊れたアイテム』になるようです。

50%ならまぁまぁ壊れなさそうな印象ですが、
ウィザードリィの世界では成功率95%でも信用できないので、
毎回破損するぐらいの覚悟じゃないとダメでしょう。


信じるな 「先っちょだけ」と 成功率95%



先ほどは運が良かったので助かりましたが、
今回は最悪のケースを想定して、4個補充します。




今でも600G.P.十分高額なので、
みんなで分担して購入。


サーロイン 「これで万全だろ」
三洲次 「でも、またすぐにガス爆弾を喰らいそうな気がする……」
ブリスケット 「ありがちっすな………」

 

まぁ、ウィザードリィってそういうゲームだし。

 



2.クリスマスソングは死を招く


(※) 動画は2.~3.までノンストップです。


━━━━ 迷宮.....


再出発です。




三洲次 「お?
 前方に何か居ますよ?」
サーロイン 「なんだ?」
ランプ 「海賊なら軽く蹴散らして、稼ぎましょう!」



サーロイン バック!! バックっ!!



サーロイン 「あいつら、どこにでも現れるな……」
三洲次 「どっか行くまで待って、前進しましょう」


百害あって一利無しの敵をやり過ごし......、


...モートモンスター戦へ。

サーロイン 「ま、もうザコだから……」
三洲次 「ちゃちゃっと倒しましょう」



サーロイン (; ゚_゚) ………………………………
三洲次 (; ゚_゚) ………………………………
ロース 「やっぱり半人前ね!」
サーロイン (; TT) ………………………………
三洲次 (; TT) ………………………………


このレベルにもなって、1ターンで1匹しか倒せないって......



ただ、この後は順調に倒していき、問題無く突破




三洲次 「ん?
 また、前方に何か居ますよ?」
サーロイン 「なんだ?」
ランプ 「今度こそ海賊なら、ぶっ倒して稼ぎましょう!」



サーロイン 退却!! 退却っ!!



サーロイン 「あいつら、本当にどこにでも現れるな……」
ブリスケット 「さっきの奴らに追い付いただけなんでは……?」


改めてやり過ごし......、


...2回目のモートモンスター戦へ。
って、今度は7匹か......。

三洲次 「打撃だけで倒すには、ちょっと面倒くさい数ですね」
サーロイン 「よし、ロース!
 ラハリトの威力を試してみてくれ!」
ロース 「やっと使えるのね!」


モートモンスターのH.P.を考えるとマハリトでは若干不安なので、
思い切ってラハリトで殲滅する!!

どうせこのフロアの他の敵はマハリトで充分なので、
ここで使ってしまっても大丈夫でしょう!!


ラハリトの性能とやらを見せてもらおうか!!

あ、いや、#1のプレイで知ってるけど......



いきなりラハリトが炸裂!!

そしてキッチリと前列の4匹を殲滅!!

素晴らしい!!

ロース 「余裕ね!!」




その後も順調に敵を倒し、問題無く勝利!



サーロイン 「では、先ほど途中になった奥側の扉の探索を継続しよう」



前回は3つある扉右側から入り、真正面に見える扉から出て来ました。


なので、今回は左側にある扉の中に入って行きます。

ガチャッ...!


サーロイン 「通路が続いているな」


奥の扉からさらに奥へ......。

ガチャッ...!


三洲次 「二手に分かれてます」
ロース 「反対側も、ここで二手に分かれていたわ」
ランプ 「完全に左右対称の造りですね」
サーロイン 「すると奥の方はグルッと回って戻って来る構造だろうから、
 まずは奥の方から探索してしまおう」


奥の扉の方から入っていきます。

ガチャッ...!


ロース 「あの2つの扉が、きっと繋がっているのね」
ランプ 「砦の構造的に、あそこも海賊達の居住区でしょう」


サーロイン 「どっちに入っても同じなら、もうテキトーに入ってみよう」


ガチャッ...!


中は予想通り海賊たちの寝具や私物が散乱した居住区であった。

そして、このエリアは......、



...どうやらガリアンレイダー達が生活する区域のようだった。

そして彼らは、部屋の中でクリスマスツリーの飾り付けをしていた。

レイダーA 「♪あなたから~ メリークリスマス」
レイダーB 「♪海賊か~ら メリークリスマス」
レイダーC 「♪サンタクロース イズ カミ~ング」
レイダーD 「♪トゥ フォ~ト」
   
ロース 「そう言えば、そろそろクリスマス・シーズンね」
サーロイン 「海賊にもそういう文化があるんだな」
三洲次 「お楽しみ中に大変申し訳ないですが、
 片付けさせてもらいましょう(シャキーン!)
   
レイダーA 「♪聞こえ~て~ くる~でしょ」
レイダーB 「♪剣を抜く音 すぐそこに」
レイダーC 「え? ……剣を抜く音?」
レイダーD 「……すぐそこに?」
   
ズ 
   
レイダー達 「「へ?!」」


レイダーA ぐぼわおぉっ!!
三洲次 ♪カミ~ング!!


レイダーB ひぎゃあぁっ!!
♪トゥ~!!


レイダーD ふぎゃあぁっ!!
サーロイン ♪ユ~~!!


ま、あっさりと勝利です。


ランプ 「宝箱がありましたよ!」
ブリスケット 「一足早いクリスマスプレゼントっすね!」
サーロイン 「よし、桃、頼むぞ」





罠も問題無く解除

順調、順調~♪


「防具が入ってたぜ」
ランプ 「さぁ、クリスマスプレゼントを見せて下さい!」


ランプ 「ただの『胸当て』……」
ブリスケット 「あんま嬉しくねぇプレゼントっすな」
三洲次 「クリスマスならトリの胸肉の方が良かったな」
ロース 「そんなのが入っていたら、腐ってるわよ」



サーロイン 「では、隣の部屋へ移動しよう」


ガチャッ...!




こっちの部屋でもガリアンガードクリスマスツリーを飾り付けていた。

ガードA 「♪ジングルデ~ブ ジングルデ~ブ
 ♪腹が~鳴る~」
ガードB 「♪メシを~かき込み 太れや太れ」
   
ブリスケット 「なんちゅ~歌っすか……」
ロース 「クリスマス一色なのね」
   
ガードA 「え?」


ガードA 侵入者だっ!!
ガードB 撃退しろっ!!
サーロイン 「♪剣を振り裂き~」
三洲次 「♪いざ倒せっ!」



ガード達 「「ふぃぎゃあああぁぁっっ!!」」
サーロイン
& 三洲次
「「♪ヘイッ!!」」


ランプ 「新しいクリスマスプレゼントです!!」



なんで失敗する前提なんだぁあっ!!?
てめぇらにいい事を教えてやるっっ!!!
失敗する可能性のあるものは失敗するっ!!
あれ………



いいから、早く開けろよ。






「ま……」


「金しか入ってなかったけどな」



サーロイン 「この部屋は、こんなものか」
三洲次 「じゃ、次の部屋へ進みましょう」


ガチャッ...!


三洲次 「この部屋には誰も居ないです」
ランプ 「そしてクリスマスツリーの飾り付けが終わってます」
ブリスケット 「すげぇどうでもいい情報っす」
ロース 「このエリアは、構造的にこの部屋で終わりね」
サーロイン 「では、元の通路に戻ろう」


ガチャッ...!


元の通路に戻りました。


次は先ほどスルーした右側の扉の中に入って行きます。


ガチャッ...!



三洲次 「右手に扉と……」
ブリスケット 「…左手も奥に扉がありやす」
ロース 「予想通り、反対側と対称の構造をしているわね」
サーロイン 「じゃ、こっちも近い方の扉から入ってみるか」
ランプ 「反対側は生物を飼っていたエリアでしたけど、
 こっちは何でしょう?」


ガチャッ...!


扉の先は1マスの大きさの部屋だったが、床も壁も石壁の上に木の板が覆われおり、
部屋の隅には木桶が置いてあった。
その様子から、どうやらここは風呂場として使っているようだった。


ガチャッ...!


サーロイン 「隣は蒸し風呂か……」


ガチャッ...!


ブリスケット 「ここはトイレっすね」
ロース 「使ってる人が居なくて良かった」


ガチャッ...!


三洲次 「ここにはデカい窯がありますよ」
ランプ 「お風呂のお湯や、蒸し風呂に送る蒸気を作ってるんですね」
サーロイン 「砦の浴場エリアなんだな」
ロース 「その分、何にも無いわね」
ブリスケット 「じゃ、引き返しやしょう」


行き止まりだったので、また個室を順番に通って通路まで戻る。






次は奥の扉に向かいます。


ロース 「あら……」


通路の途中で、右手の壁にが掛かってるのが見えた。

ロース 「こっちの通路にも黒板があるわ」
ランプ 「反対側には占いがありましたね。
 こっちは何ですか?」
ロース 「『ガリアンプリーストによる本日のお言葉』だって」
三洲次 「これまた僧侶らしいものを……」
サーロイン 「どんな言葉が書いてある?」
ロース 「えぇと……」



聖書の言葉を贈ります。

         『海賊約聖書』

        「メカブの手紙」
           第5章

聞きなさい、盗人たちよ。
あなた方の身に迫って来る混沌(カオス)を思って泣きわめきなさい。

あなた方の両目は濁っており、
あなた方の言霊は偽りに満ちており、
あなた方の過ちには精霊が来て、
その精霊が、あなた方を責める虚無を生み、
あなた方の収穫を食い尽くすでしょう。


サーロイン 「海賊ってキリスト教なのか?」
ブリスケット 「それ以前に、新約でも旧約でもねぇ紛い物でっせ、これ……」
三洲次 「しかもメカブって誰だよ……」
ランプ 「ヤコブのパクリでは?」
ロース 「それで、この言葉ってどういう意味なの?」
三洲次 「じゃ、ブリ助、僧侶だろ?」
ブリスケット 「ヤコブの手紙に似てはいやすが、こげなパチもんの文の意味なんて分からねぇっすよ……」


三洲次 「なんかリアクションに困る内容でしたね……」
ブリスケット 「占いの方が楽しかったすな……」
サーロイン 「先へ進もう」


ロース 「あら、こっちにも扉に看板が掛かってるわよ」
ランプ 「反対側には『光の輝き食堂』がありましたね。
 こっちは何ですか?」
ロース 「えぇと……『酒場「船歌」』だって」
サーロイン 「こっちは酒場か」
ブリスケット 「一応は海賊にちなんだ名前っぽいっすね」
三洲次 「でも、食堂にしろこの酒場にしろ、ここに居る奴らには似合わない名前の店ばかりだな」
ブリスケット 「ま、こういう酒場の扱いなら、あっしに任せてくだせぇ」
サーロイン 「そうか。
 じゃ、入ってみよう」


ガチャッ...!




中は北側の食堂と同じ鉄製のテーブルが幾つか並んでおり、一番奥には石造りのカウンターが設えてあった。
テーブルには数人のガリアンガードが座って談笑をしていたが、パーティーが入って来ると喋るのを止め、
全員が異質なモノを見る様な目で6人を凝視した。

ブリスケット 「では、あっしがこういう店で飲むときのお手本をお見せしやす」


そう言うと、ブリスケットはガードたちの視線を気にも留めず、カウンターまで進み、
バーテンを務めるガリアンガードの前に立った。

ガードA 「らっしゃい。
 何にします?」
ブリスケット 「お酒はぬるめの燗がいい」
ガードA 「日本の酒なんて置いてねぇですぜ」
ブリスケット 「肴はあぶったイカでいい」
ガードA 「よく焼いた方がいいとおもいますが…?」
ブリスケット 「女は無口な人がいい」
ガードA 「売春宿にあるバーと勘違いしてます?」
ブリスケット 「灯りはぼんやり灯りゃいい」
ガードA 「えぇと……店内の照明に不満でも?」
ブリスケット 「しみじみ飲めば、しみじみと、
 想い出だけが行き過ぎる」
ガードA 「酒はまだ出してませんが?」
ブリスケット 「涙がポロリとこぼれたら、
 歌いだすのさ、船歌を」
ガードA 「あのぉ………頭、大丈夫ですか?」
   
ランプ 「まったく相手にされてないのですが……?」
ロース 「それ以前に会話が成立してないわよ……」
サーロイン 「あれは手本にしたくないなぁ……」
   
ガードB 「この頭のおかしい奴ら……」
ガードC 「あぁ……例の盗賊パーティーだぜ……」
   
サーロイン 「え…?」


ガード達 「「殺っちめええぇっ!!!」」
サーロイン 「し……しまった……!?」


サーロイン 「うおっ?!(ひょいっ!)
ガードB 「ちっ…!」


「ほっと!(さっ!)
ガードC 「むっ…!」


サーロイン 「うおっと?!(ぱっ!)
ガードD 「き、器用に避けやがるっ…!」


奇襲はなんとかノーダメージで切り抜ける。


サーロイン 「ロース、根こそぎにしろ!!」
ロース 「カウンターのところに居るブリ助が邪魔よっ!!
 巻き添えになるわ!!」
サーロイン 「仕方ない、ロース、一瞬だけ待て。
 ブリ助、戻るんだっ!!
   
ブリスケット 「ダンチョネーーッ!!(ずだだだ…)
   
ガードE 「5人の動きがまた止まったぞ!!」
ガードF いまだっ!!(バッ!)
   
「こっちに来たら来たで…」


ガードF ぐひぃやあああぁぁっ!!
「…剣で殺されるだけだぜっ!
   
ロース マハリトォォ!!


ガード達 「「ひぎぃいいぃぃっっ!!」」


ロース 「余裕ねっ!」
三洲次 「毎回飯屋で火炎をぶっ放すのもどうかと思うが……」
ランプ 「ガリアンガードの丸焼きばかり出来上がってますね」


ブリスケット 「皆の衆、カウンターの裏に宝箱がありやしたぜ!」
三洲次 「こっちもそこに隠してあるんだ」
ランプ 「ワンパターンですね」
サーロイン 「桃、頼むぞ」
「うぃ~す」


「これは爆弾だな」
サーロイン 「爆弾って……」
三洲次 「失敗ばかりの罠じゃん」
ぁああ?!
 なんだって!?
三洲次 「いや、だって事実だろ……」
「前回のあたいの芸術的な腕前を見てなかったのかっ?!」
三洲次 「えぇと……」
ロース 「三洲次が解除の成否を賭けて負けた時よ」
三洲次 「そのぉ……」
「なんなら、もう1回飯代を賭けてもいいんだぜ?」
三洲次 「いや……、まぁ……頑張って…………」
ランプ 「食い物が賭かると強いですからね、桃は……」



「余裕だぜっ!!」
三洲次 (賭けなくて良かった……)


サーロイン 「コブの付いた杖……」
ブリスケット 「鑑定する前から、もう何か丸分かりっすね……」


ランプ 「『メイス』」
ブリスケット 「……っすよね」


サーロイン 「ここはこんなものか」
ロース 「じゃ、もう先へ行きましょ」
「ここのカウンターの裏にも食材が……(ごそごそ…)
三洲次 「ほら、桃、行くぞ(ずるずる…)
「お肉ぅ(ずるずるずる…)


ガチャッ...!


三洲次 「扉が2つ」
ランプ 「北側と完全に同じ構造ですね」
ブリスケット 「つまり奥の扉は、例のハイコルセアの部屋へ繋がってやすぜ、きっと」
サーロイン 「じゃ、手前の扉から調べよう」


ガチャッ...!


中は北側と同じ倉庫になっており......、



...ガリアンガード達が棚の箱から......、

サーロイン 「またアイテムを運び出しているのかな?」


...クリスマスの飾りを取り出して、ツリーの飾り付けをしていた。

サーロイン 「こっちもか……」
   
ガードA 「♪真っ赤な体の 海賊さんは」
ガードB 「♪いつ~もみんなの 人気者」
ガードC 「♪でも、そのっ年の クリスマスの日」
ガードD 「♪ハイコルセアさんは 言いました」
   
ブリスケット 「なんすか、この唄……(汗)
   
ガードE 「♪暗い砦は ピカピカの~」
ガードF 「♪おまえのハゲが 役に立つのさ」
   
ロース 光るの?! その頭!?
   
ガードG 「む?! 誰だっ!?」
ガードA 「こいつら、例の盗賊パーティーだっ!!」
   
サーロイン 「大声出すなよ……」
ロース 「だってぇ~……」


ガードB ♪いつも負けてた 海賊さんは!!
ガードC ♪今度こそはとっ!!
ガードD ♪攻撃しましたっ!!!


サーロイン 「おっと!(ばっ!)
ガードE 「なにっ…?!」


サーロイン 「♪真っ赤な炎の マハリトさんは!」


サーロイン 「♪いつ~もガードを 倒してる!!」
ロース 「横で変な唄を歌わないでよ……」


勝利!!

ランプ 「♪でも、その部屋の 宝箱には」



「警報だな……」
ランプ 「♪警報があると 言いました」


ランプ 「♪罠の解除は ピカピカの 桃の技術が 役に立つのさ!」
「おめぇ、うっせぇよ……」


ランプ 「♪いつもミスてった 桃…ぶほぉわっ!!
(ボガッ!)ミスってただけ余計だあああぁぁっっ!!!
()



ランプ 「いててて……っ、
 えぇ……と……『皮の鎧』です」
三洲次 「やっぱり、その程度なんだな」


アイテムの鑑定まで終えたパーティーは、倉庫の中を物色し始めた。

ロース 「ここの倉庫の箱の中、小物ばかりよ」
ブリスケット 「小物ってぇ言うか、ツリーの飾りばかりっすな」
ランプ 「こっちは……靴下に……小物の杖に……ガーランドに……」
三洲次 「ガーランド?」
ランプ 「植物で作った飾りのことです」
三洲次 「あれ、そんな名前なんだ」
ロース 「大した物は無いわね」
ランプ 「残念……」
サーロイン 「ま、奥の方も見てみよう」


ガチャッ...!



バタンッ!!


サーロイン 「見るの止めようか?」
ランプ いやいや、あいつらがどっか行ったら再開しましょう!!
三洲次 「ってか、こんな閉鎖空間で、あいつらどっから来て、どこに行くんだ……?」


とりあえず入り直す。

ガチャッ...!


2つ目の部屋は工具置き場になっており、砦の修繕をするための道具や材料が棚に並んでいた。

三洲次 「修繕道具とか、木の板とか、まぁ、そんなのばかりです」
ロース 「ハシゴとかもあるわ」
ランプ 「持ち帰るほどの物は無いですか……」
ブリスケット 「トンカチとか武器として使えそうですぜ」
三洲次 「柄が短か過ぎるよ。
 剣の方が戦いやすいって」
サーロイン 「大した物が無いなら、次の部屋へ行こう」


ガチャッ...!


隣も倉庫になっており、ここには寝具や古着が大量に積んであった。

三洲次 「ここは布類ばかりだな」
ランプ 「ちょっとは豪華な服とか無いですかね?」
ロース 「そうねぇ………う~~ん、どれもボロいわねぇ」
ブリスケット 「このタオルとか、相手の首に巻き付けて殺せそうですぜ」
三洲次 「タオルなんて町でも買えるって」
サーロイン 「ここも収穫は無しだな」


ガチャッ...!


最後も倉庫で、ここには使われなくなった家具が積まれていた。

ランプ 「多少良さげなテーブルやイスとかありますが……」
三洲次 「さすがに持って移動する訳にはいかないでしょ」
ランプ 「ですよね……」
ブリスケット 「イスとか敵を殴るのに使えそうっすけど?」
ロース 「すぐ壊れてお終いよ」
サーロイン 「この部屋で最後か。
 じゃ、引き返そう」


特に収穫は無かったので、通った部屋を引き返して行く。

ガチャッ...!



プリーストA 「む?」
プリーストB 「誰だ、おまえら?!」
サーロイン 「おっと、鉢合わせだ」
三洲次 「ま、ここは殺られる前に…」
ブリスケット 「あいや、ちぃとお待ちを」
三洲次 「え?」
ブリスケット 「ちょうどプリーストが居りやすな。
 壁に掛かっていた言葉の解説を頼みやすか」
三洲次 「まぁ、いいけど……」
ブリスケット 「すいやせん!
 ちぃとお尋ねしやす」
プリーストA 「なんだ?」
プリーストB 「まさか迷ったから帰り道を教えろとか言わないだろうな?」
ブリスケット 「いんや、違いやす。
 壁に掛かっていた『本日のお言葉』の解説をお願ぇしやす」
プリーストA 「海賊訳聖書の言葉か?」
ブリスケット 「えぇ、そのパチモ……聖書の言葉っす」
プリーストB 「ほぉ、聖書を学ぶ気があるのは良い心掛けだ」
プリーストA 「その敬虔な態度に免じて、おまえらの質問に答えてやろう」
ブリスケット 「ありがとうごぜぇやす」
プリーストB 「では、解説しよう。
 あの言葉はメカブの手紙の一節である。
 手紙そのものは敬虔なるガリアンビショップが同胞のガリアン海賊団に送ったもので、極めてガリアン的な物である。
 よって、ガリアン的観点で読む必要がある」
ロース 「何を言ってるか分かる?」
サーロイン 「分からん」
プリーストB 「かつてガリアン海賊団は各国海軍の迫害を受けて離散したので、メカブは彼らを叱咤する目的で手紙を書いたのだ。
 それ故、あの手紙は『君たちはいかに生きるか』という視点で見る必要がある」
三洲次 「前置きが長ぇよ……」
「ふぁ~~……」
ブリスケット 「あの、話してる途中に申し訳ねぇっすが、壁にあった言葉の部分だけでお願ぇしやす」
プリーストA 「何を言う!
 言葉を正しく理解するには、まず背景を理解しなければならない!」
ブリスケット 「そこをなんとか……」
プリーストB 「むぅ……、まぁ、そこまで言うなら……」
ランプ 「とは言っても、壁の言葉だけでも数行ありましたからねぇ……」
ロース 「長くなりそう……」
プリーストA 「では、説明しよう」
サーロイン 「……………………………………」
プリーストA バカな盗っ人にはバチが当たる!!
 以上!!
ブリスケット 「今のは解説じゃなくて要約っすよね?」
プリーストB 「何を言う。
 アレはそれを言いたいだけだ」
ロース 「そんな言葉を掲示して、何が言いたいのよ?」
プリーストA 「最近、この砦には盗賊パーティーが頻繁に訪れており、被害が広がっているのだ」
三洲次 「それはそれは…(棒)」
ランプ 「大変ですねえ(棒)」
プリーストB 「だが、そんなバカ者共にはバチが当たると伝え、仲間を激励する為にあの言葉を選んだのだ」
サーロイン 「あっちで見た時は意味不明だったが、真意を聞くと理解はできるな」
ロース 「理解できるって、あなた、自分が盗賊という自覚があるってこと?」
プリーストA 「人の富を盗むバカ者共はバカだから、罪を重ね続けるだろう」
「……………………………………」
プリーストB 「だからバカ者共にバカと教える為に精霊が来て……うんたら……」
ブリスケット 「……………………………………」
プリーストA 「バカ者共は富を精霊に喰われてバカ面を晒し……かんたら……」
サーロイン 「……………………………………」
プリーストB 「バカ者共はバカのバカによるバカだから……」


サーロイン バカバカバカバカうるさいわっ!!!
プリーストA ふぎゃあああぁぁっ!!!


三洲次 バカで悪かったなぁっ!!!
プリーストA ぐぃぎゃあああぁぁっ!!!
   
レイダーA 「き、きさまらっ!?」
レイダーB 「何をする?!」
サーロイン 俺たちがそのバカな盗賊パーティだっ!!
ロース 「自覚ありね」
レイダーC 「なんだとっ!?」
レイダーD 「おのれ!!
 天罰を喰らわせてやるっ!!」


サーロイン 天罰をっ!!
レイダーA ぅほごぉっ!!


三洲次 喰らうのはっ!!
レイダーB ぐぎゃぁっ!!


てめぇらの方だぁっ!!!
レイダーC ぐふぉっ!!


サーロイン 「やれやれ………」
三洲次 「無駄な時間を過ごしましたね」


ランプ 「死人にお金は不要だから、貰っておきましょう」
ブリスケット 「完全に盗賊っすね……」
ロース 「さっさと先へ進みましょ」


とりあえず元の通路まで戻って来ました。

サーロイン 「次は奥の扉に入ろう」


ガチャッ...!


北側と同じく、扉の中は守衛室になっており、ここにも......、


...大勢のガリアンガードが詰めていた。

しかも......、

ガードA やつらが来たぞっ!!
ガードB 返り討ちにしろっ!!
サーロイン 「え?」


サーロイン 「な?!」


三洲次 ひゃあぁっ?!(ぴょんっ!)


「おっと!(さっ!)


三洲次 ひえっ?!(ばっ!)
   
ブリスケット 「待ち構えてやしたぜっ!!」
サーロイン 「我々と戦う気概で来るとは、
 勇ましい奴らが現れたなっ!!
   
ガードA 「奴らが来たと、ボスに伝えに行け!!」
ガードB 「よし!
 俺が行こう!!」


ガードC 「俺も戦わずに助か……じゃなくて、ボスに伝えに行くぞっ!!」


三洲次 「まさか………」




ガードD 「俺も逃げ……行くぞ!!」
ガードE 「俺も! 俺も!!」
ガードF 「俺だって!!」
   
ロース 「全然勇ましくないわよ?」
サーロイン 「…………………………………(汗)
三洲次 「まぁ、しょせんこの程度だろ」


ガードA うるせぇわっ!!
三洲次 おごぉっ!!
   
ロース 「『この程度』に、なにやられてるのよ……」
ブリスケット 「油断大敵っすな」



─── 通常ターン.....


最初12人居たけど、5人も逃げちゃった。

ただ、被害も三洲次の5ダメージだけで済んで良かった。


ロース 「勇ましいのはごく一部だった訳ね」
サーロイン 「ま、勇ましいのは結構だが……」


ガードA ふぎゃぁっ!!


ガードG ごはぁっ!!
三洲次 「勇ましいだけじゃ…」


ガードH うぎゃぁっ!!
勝てないぜっ!!


ガードI ひいいぃぃいぃっ!!
   
ブリスケット 「また逃げやした」
ロース 「やっぱりこの程度なのね」
ランプ 「残りは寝かし付けましょう」


残った敵はカティノで寝てしまったので......、





...あっさりと勝利!!


ブリスケット 「ここにも宝箱を運び込んでますぜ」
ランプ 「さっそく開けましょう!」



「これなら楽勝だな」
三洲次 「間違ってなければ……だけど」
ぁああ?!
 何か言ったか!?



「天才に間違いはねぇよ!」
三洲次 「『毒消し』を大量に買うハメになったの、誰のせいだと思ってるんだ?」
ランプ 「まぁ、まぁ。
 さてさて、中は何かな?」



ランプ 「普通の『鉄の盾』……」
サーロイン 「ここら辺は、もうその程度しか無いだろ」


ロース 「ここの壁にも担当表があるわ。
 ここも守衛室なのね」
ブリスケット 「完全に南北で対象っすね」
サーロイン 「では、やはりこの奥は、例のハイコルセアって奴の部屋だな」
三洲次 「進みましょう」


ガチャッ...!


バタバタバタバタバタバタッ....!!

サーロイン 「む?」



ガードA 「報告通り、奴らが来たぞっ!!」
ガードB 「王国の犬どもめっ!!」
ガードC 「だが、これ以上先には行かせないぞっ!!」


サーロイン 「今度こそ、勇ましい奴らのご登場のようだな。
 だが……!!」


ガードA ぐはあああぁぁっっ!!!
サーロイン 勇ましいだけでは……」


ガードB ぐひゃあああぁぁっっ!!!
「…勝てねぇぜっ!!
三洲次 しょせん、おまえらは…」


ガードC げほぉっ!
三洲次 この程度………あれ?」
   
ロース 「『この程度』なんか、きっちり倒してよ」
ブリスケット 「5ダメージってレベル1が出す値でっせ……」
   
ガードC 野郎ぉぉっ!!!
三洲次 「うわっ…!?」
   
ロース マハリトォォォッ!!


ガード達 「「ふぉがあああぁぁぁっ!!!」」


ロース 「ま、この程度ね!」
三洲次 「……………………………………」


ランプ 「ここにも宝箱を運び込んでますよ!」
サーロイン 「桃、ここも頼む」
「うぃ」



「警報か………」



「ま、この程度だなっ!!」
三洲次 「もういいって………」


「短剣が入ってたぜ」
ランプ 「どれどれ、見せて下さい」


ランプ 「一番安い『短剣』……」
ロース 「やっぱり、もうそんな物しか無いのよ」
サーロイン 「さて……」


サーロイン 「後はあのハイコルセアが居た部屋だが……」
ブリスケット 「前回倒したので、もうもぬけの殻では?」
ロース 「でも、海賊達は活動し続けてるし、さっき『ボスに』って言ってたし、
 新しい首領が居るんじゃない?」
ランプ 「2代目ハイコルセアって訳ですか……」
三洲次 「なんとなく上級魔術師協会を思い出すな」
ブリスケット 「あの協会も、会長を倒すとすぐ次が就任するんで、うざかったすな」
サーロイン 「ま、あの部屋まで行ってみよう」
三洲次 「でも、2代目はどんな奴なんだろ……」
ランプ 「そればかりは会ってみないと分からないですね」



サーロイン 「じゃ、改めてお邪魔するか」
三洲次 「一気に突入して倒しますか?」
サーロイン 「そうだな。
 逃げたガリアンガードから報告を受けて、待ち構えているだろうし」
三洲次 「じゃ、蹴破りますよ」
サーロイン 「全員、扉を開けたら一気に突入するぞ!」
ランプ 「分かりました」
ブリスケット 「承知」


三洲次 おりゃっ!!


バンッ


扉を蹴破ると同時に、6人ハイコルセアの部屋になだれ込んだっ!!



だが......

 



3.過ちと偽りは虚無を招く


━━━━ ハイコルセアの部屋.....


...入ってすぐの場所には誰も居なかった。

サーロイン 「おや?」
三洲次 「逃げたのかな?」
「左側にいるぜ」
サーロイン 「なに?!」


??? メリークリスマス!!
 ようこそ、王国の飼い犬の諸君っ!!
   
サーロイン 「む?!」


ハイコルセア 「いや……メリークリスマスは少し早かったですかな?」
   
サーロイン 「…………………………………………」


左側の壁際に、6人ガリアンガードを従えた存在感のある海賊が立っていた。
その男は前回のハイコルセアと同じ純白のターバンを巻き、濃い灰銀色のロングベストを羽織っていた。

サーロイン 「前回倒したハイコルセアと同じ服装の男が居るが、もしや……?」
ランプ 「中東などでは、ターバンは色や巻き方で身分を表す役割があります。
 あのターバンは、ここでは海賊の首領を意味するのでしょう」
サーロイン 「すると、あいつが2代目ハイコルセアか……」


そのハイコルセアは1歩前に出ると、再びパーティーに話しかけてきた。

ハイコルセア 「自己紹介を致しましょう。
 私の名前はブルー………プルシャン・ブルー。
 この海賊団の新しいトップであるハイコルセアです」
サーロイン 「そうか。
 では、礼儀として、こちらも名乗ろう。
 我々はロイヤルレンジャーズ。
 そして俺はリーダーを務める君主のロインだ。
 もっともこの国での爵位は準男爵だがね」
ハイコルセア 「それは、それは……、
 わざわざ人の寝首を掻きにここまで来られるとは、お暇な男爵様ですなぁ」
サーロイン 「有名な諺がある」
ハイコルセア 「何でしょう?」
サーロイン 「暇人ほど、相手を暇人扱いする」
ハイコルセア 「初耳ですな。
 私めの無知をお許し下さい、サー。
 しかし皮肉を込めた返しの様ですが、剣では敵わないと見て、言葉だけでも勝とうと?」
サーロイン 「有名な諺がある」
ハイコルセア 「今度は何です?」
サーロイン 「弱い奴ほど、相手を下げることで自分の強さをアピールする」
ハイコルセア 「つまり、私が弱いと?
 それはちょっと甘く見過ぎではないですかな?」
サーロイン 「コソコソと奥に隠れている時点で、おまえの程度など知れてるさ」
ハイコルセア 「いやいや、これは護身ですよ。
 むざむざと寝首を掻かれるのは、ご免こうむりますからね」
サーロイン 「有名な諺がある」
ハイコルセア 「またですか?」
サーロイン 「寝首を掻かれることを恐れる者は、
 寝首を掻かれて終わる」
ハイコルセア 「………さっきからテキトーにでっち上げてません?」
サーロイン 「そうでない事は、すぐに分かるさ」
ハイコルセア 言葉遊びはもうたくさん!!
 真に強き者は、言葉ではなく実力で強さを示すのだ!!
サーロイン 「…………………………………………」
ハイコルセア とくと見よ!!
 鋭い攻撃で敵を葬る剣術『鋭葬(えいぞう)』をっ!!
サーロイン 「ん?!
 あれは……」
ランプ 「サイト教官の剣術ですね」
三洲次 「またかよ……」
ブリスケット 「あやつのは『クリスタル鋭葬』か?『ダイヤモンド鋭葬』か?」
ハイコルセア 「ほぉ……よく知ってますな。
 だが、私の剣はさらに上をいく鋭さっ!!
ロース 「ダイヤモンドより上?」
ブリスケット 「ちょいと興味が……」
ハイコルセア 全ての宝石の鋭さを兼ね備えた『鋭葬(えいぞう)!!
 その名も『タカラ鋭葬(えいぞう)』っ!!
ロース 「上?」
ブリスケット 「あっしに聞かれても……」
ハイコルセア ひょおおおおぉぉぉっ!!!
サーロイン 「鋭く突くというのは……」


サーロイン …こうやるんだっ!!
ハイコルセア ぐはあぁっ!!
   
ロース 「あの剣術って、毎回やり返されてない?」
ブリスケット 「相変わらず役に立たねぇ技っすな……」
   
キャプテンA 「『タカラ鋭葬』が破られただとっ!?」
キャプテンB 「こ、こんな奴ら……、敵いっこねぇっ!!」


キャプテンA 「おい! 逃げるなっ!!」
キャプテンC 「まだ反撃の手数は残ってるっ!!」
キャプテンD 「あぁ!
 こうなればさらに上のバージョンだっ!!
   
ロース 「まだ上があるの?!」
ブリスケット 「改めてちょいと興味が……」
   
キャプテンD 大宇宙とシンクロした『鋭葬(えいぞう)』!!
   
ロース 「上?」
ブリスケット 「一応頭の上っす……」
ロース 「そっち?!」
   
キャプテンD 『コスモス鋭葬(えいぞう)』!!
 ひょおおおおぉぉおぉぉっ!!


三洲次 ぅおわっ?!(ひょいっ!)
   
ロース 「反撃されないだけ、やっぱり上位なのかしら?」
ブリスケット 「相変わらずダメージは与えられてねぇっすけど……」
サーロイン 「ブリ助!!
 お喋りはいいから、後ろの奴らの動きをとめろっ!!」
ブリスケット 「へい!」


キャプテンC 「あ……が………!」
キャプテンD 「ぐ………ぎ……?」
ハイコルセア 「なっ…!?」
サーロイン 「さて、後はおまえだけだな」
ハイコルセア 「く、くそっ!!」
「こいつは、あたいに任せな!」
サーロイン 待て、桃!!
「え?」
サーロイン 「ランプ、こいつを寝かせて、動きを封じろ」
ランプ 「桃にその必要はないのでは?」
サーロイン 「いいから」
ランプ 「では……」


サーロイン 「よし、寝かしつけたな。
 桃、トドメを刺してくれ」
「なんだよ、張り合いがねぇなぁ……」


ハイコルセア ぐぅぼわああああぁぁぁっ!!!
サーロイン だから言っただろ!!
 寝首を掻かれることを恐れる者は、
 寝首を掻かれて終わるのだと!!
それが言いたかっただけかよっ!!
三洲次 「しょ~もな………」
   
キャプテンE 「ぐっ……くそ……っ!」
キャプテンF 「こっ……この……っ!!」
   
サーロイン 「ロース、残りは一気に消してくれ」
ロース 「はいはい」


キャプテン達 「「うぎゃああああぁぁぁっ!!!」」


サーロイン 部屋の奥に隠れる様な臆病者だから、俺たちの敵にさえならないのさっ!!
ブリスケット 「結局、ロイン殿は敵を倒せてねぇっすよね?」
ロース 「弱い人ほど、相手を下げることで自分の強さをアピールするらしいわよ」



ランプ 「お!
 部屋の壁際に宝箱が置いてありますよ!」
ブリスケット 「海賊どものボスのお宝なら、期待できやすぜ!!」
ロース 「前回は逃したけど、これでリベンジができるわね!!」
サーロイン 「よし、桃!
 さっそく調べてくれ!」
「うぃ~す」



「『は??』ってなんだよ?」
ブリスケット 「いや、ここ、まだ1階でっせ?
 そげな難しい罠が、もう出て来るんすか?」
ロース 「でも、ボスの宝箱だから、可能性はあるかも……」
三洲次 「いやいや、絶対におかしい。
 おい、桃、ちゃんと見たのか?!」
天才盗賊だったあたいの目利きが間違ってるとでも?!
三洲次 間違ってるとも!!
サーロイン 「待て、待て!
 ブリ助、カルフォで確認してくれ」
ブリスケット 「へい」



サーロイン 「…………どう思う?」
三洲次 「どう思うって?」
サーロイン 「罠が無い………って、信じられるか?」
三洲次 「桃の判定より全然マシでは?」
ぁああ?!
サーロイン 「う~~ん……」
ランプ 「まぁ、カルフォの成功率は95%ですし、
 プリーストブラスターよりは信用して良いのでは?」
サーロイン 「そうだな……二重に調べてこの結果なら、さすがにどちらかは合っているだろうし、
 プリーストブラスターで開ければ、一応は安全かな?」
「任せな!」


「~~~♪(カチャカチャ…)
三洲次 「なんだろ………」
ブリスケット 「一抹の………」
ランプ 「不安を………」
ロース 「感じるわね………」


ふぁっ?!


ジリリリリリリリリリリッッ!!!

サーロイン 「な?!」
ロース 「罠が全然違うじゃないっ!!」


三洲次 「これ、絶対にガードかキャプテンが来ますよ!!」
サーロイン 全員、周囲に注意っ!!


サーロイン 「…………………………………………」
三洲次 「…………………………………………」
「…………………………………………」
ブリスケット 「…………………………………………」
ランプ 「…………………………………………」
ロース 「…………………………………………」


三洲次 「……………あれ?」
ランプ 「来ないですね………」
ブリスケット 「どうなってんすか?」
ロース 上だわっ!!
サーロイン 「え?!」


三洲次 「なにか……薄っすらと………」
ランプ 「3つほど………」
ブリスケット 「上空で光ってやすが………」


突如、上空に現れた3つの光りの中心に、
渦巻状の穴が現れた!!

サーロイン 「な……なんだ、あれ……?!」
ランプ 「この現象を総合すると………あいつらはポルターガイストです!!
ロース 「あの穴は何っ?!」
ランプ あれは『虚無の穴』です!!
三洲次 「『虚無の穴』…?!」
ランプ ポルターガイストの中には『虚無の穴』を生み出し、
 何もかもを虚無空間に吸い込む力を持っている奴がいるとか!?
ブリスケット 「吸い込む…?!」
サーロイン ならば、先制攻撃あるのみっ!!


ポルターガイストA フゥハェホォッ(邪魔するな!)
サーロイン うわっ?!(ぴょんっ!)


その直後、『虚無の穴』宝箱の中にあったアイテム次々と吸い込みだしたっ!!

虚無の穴  …ズオオオオォォォッッ!!
三洲次 あっ!?
 ア、アイテムを吸い込みだしたっ!!
虚無の穴  …ズオオオオォォォッッ!!
ランプ あああぁぁっ?!
 なにか見た事もない剣や鎧がっ!!!
虚無の穴  …ズオオオオォォォッッ!!
ブリスケット おぬしら、そんな能力どこに持ってんねんっ!!
虚無の穴  …ズオオオオォォォッッ!!
三洲次 ってか、おまえら警報で駆け付けるタイプじゃないだろっ!!
虚無の穴  …ズオオオオォォォッッ!!
ランプ アイテムがーーーーっ!!!
虚無の穴  …ズオオオオォォォッッ!!
ブリスケット 誰か止めるっすっ!!
三洲次 待てえええぇぇっ!!!バッ!
ポルターガイストC ホォフォホォッ!邪魔だドガッ!


三洲次 ぐほおおおぉぉっ!!!
虚無の穴  …ズオオオオォォォッッ!!
ランプ 待ってええぇぇぇ!!
 全部持ってかないでぇぇっ!!!
虚無の穴  …ズオオオオォォォッッ!!!
ブリスケット あっしらのアイテムがあああぁぁっ!!!
   
サーロイン 「カオスだな………」
ロース 「カオスね………」








虚無の穴  …シュォォォォォォォォォ...
   
ブリスケット 「穴が閉じていくっす……」
ランプ 「ああぁぁ……せっかくの新しいアイテムがぁぁぁ………」
三洲次 「く……くそっ!」
サーロイン 「壁にあった言葉通りだな」
ロース 「そうね」
ブリスケット 「へ?」
サーロイン 「桃の目は濁ってて……」
ロース 「カルフォは偽りに満ちていて……」
サーロイン 「罠の識別の過ちに霊が来て……」
ロース 「その霊が虚無を生んで……」
サーロイン 「収穫を食い尽くす……」
サーロイン
ロース
ポルターガイスト達 「「ホォォォォ!!(笑)」」

 


サーロイン 「さて……、アイテムを横取りした挙句、我々にも危害を加えようとしているなら、
 もはやただで済ます訳にはいかんな!」
ランプ もちろんです!
 こんなドロボーガイストこの世から消滅するべきですっ!!


ランプ 「くっ……!!
 1匹しか消せなかった……!」
残った奴らは任せなっ!!


ポルターガイストB ヒョゥオオォゥウォォ…ッ!!
けっ!
サーロイン 「残り1匹っ!!」


ポルターガイストC オオゥウォォオ…ッ!!
サーロイン 「もしあっちの世界でメカブとかいう奴にあったら、
 手紙に追伸を書くように言ってくれ!!
 『しかし、あなた方は虚無の主を打ち破り、面目を保ちます』となっ!!



サーロイン 「で、あの虚無の穴ってやつは、宝箱からどれだけアイテムを吸い取ったんだ?」
ランプ 「空っぽ………(泣)
サーロイン 「は?」
ランプ 「全部吸い取っていきました………(泣)
ブリスケット 「ってぇ、ことは……」
ランプ 「アイテム無しです………(泣)




ロース 「ねぇ、ハイコルセア達の財布に幾らかお金があったから、
 これだけでも持って行く?」
ランプ 「どっちでもいいです………」
三洲次 「それにしても、桃はともかく、カルフォまであっさり間違えるって……」



サーロイン 「しょうがない。
 気持ちを切り替えていこう」
三洲次 「では、この部屋の中を調べましょう」
ロース 「この部屋には扉が6個あって、まだ入っていない扉は右手に見えている2つね」
ブリスケット 「じゃ、今回は右側の2つの扉の中を調べやしょう」
サーロイン 「いや、先に奥へ進もう」
ブリスケット 「へ?
 なぜっすか?」


なぜなら、プレイヤー扉の中を調べるのを忘れたから。

いや......これ書いてて、今まさにスッぽかした事に気付いた......。

サーロイン 「ここは何度も通る様だから、先に2階へ上がる階段を見つけてしまおう。
 いくぞ」
ブリスケット 「ローラー作戦はどうしたんすか?」
サーロイン 「たまにはそういう作戦から離れるのも良いさ」
ロース 「相変わらずテキトーね……」


サーロイン 「では、またこの扉の先に行こう」


ガチャッ...!

扉を開けて廊下に出ようとしたところで、サーロインはフと...立ち止まった。

サーロイン 「……………………………………」
三洲次 「どうしたんですか?」
サーロイン 「そう言えば、最初にもらった挨拶に返し忘れていたな」
三洲次 「え?」


サーロインは部屋の方に振り返ると、床に倒れているハイコルセアたちに向かって声をかけた。

サーロイン 皆さまも素敵なクリスマスを!


それだけ言うと...、

サーロイン 「ま、地獄にクリスマスがあればな……」


...と付け足しながら、部屋から出て行った.........。






 




━━━━ ハイコルセアの部屋の裏の通路.....


パーティーが廊下に出た途端、
通路全体にが響き渡った ! ! !

 



ル'ケブレスが言葉、しかと聞くがよい

  この先、良き者のみにても、
  悪し(略


サーロイン 「この前と同じ声だな………」
ランプ 「ここに人が来ると声が響く仕掛けかと」
ロース 「ワードナの迷宮の地下10階で聞いた警告と同じね」
ブリスケット 「つまり、来る度に聞くことになるんすね……」
三洲次 「うぜぇ………」



サーロイン 「さて、今回はどの扉に入るかな……」
ブリスケット 「扉は全部で4つ」
ロース 「前回は一番奥にある扉に入って、町に戻されたわね」
三洲次 「残りは3択か……」


サーロイン 「どれがいけるか、分かるか?」
ブリスケット 「いや、全然分かりませんぜ」
サーロイン 「これって……選択を間違えたら、ここまで来たのが、また水の泡になるんだよな?」
ブリスケット 「多分」
サーロイン 「まいったな………、
 どれがいけるのか、全然分からない……」
ブリスケット 「もう、しょうがねぇっすよ。
 決断の時ですぜ」
サーロイン 「うぅぅぅむ………」
ブリスケット 「ロイン殿?」
サーロイン 「よし、分かった!
 決めたっ!!


サーロイン 前回の扉の隣にしよう!!
三洲次 「悩んだ割に、ただ順番に選んだだけじゃん」
サーロイン 「何を言う!!
 1つずつ順番に調べるのが、我々の探索方針だろ!?
 ローラー作戦だっ!!」
ロース 「たまにはローラー作戦から離れるんじゃなかったの?」
ランプ 「本当にテキトーですね……」


さぁ、今度こそ2階に上がる階段であることを祈って!!!


いざっ!!!


ガチャッ!!




ビンゴオオオォォォッ!!!


とうとう引き当てたあああぁぁっ!!!


三洲次 「やりましたね!!
 階段ですよ!!」
ロース 「やっと見つけたわね!」
サーロイン 「長かったな……」



いや、本当に長かった.........。

でも、これでやっと苦労が報われたよ。


せっかくなので......チョロッと2階を見てみようかな。

今のレベルでどこまで戦えるかも確認したいし。



サーロイン では、諸君っ!!
 2階へ上がってみるぞ!!



はい」をポチッとな!




は?



はあ???


三洲次 「………え゙?」
ブリスケット 「なして……」
ロース 「また町に戻ってるの……?」



まさか......


まさか............


......悪パーティー用の階段だった?!!


サーロイン 「つまり………」
   

 


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名前 LV H.P. コメント
サーロイン 6 47 18 18 18 16 18 16 0 1 最後の4択を外しまくるなぁ…。まぁ、攻撃もだけど。
三洲次 6 50 18 18 18 18 18 16 0 1 彼用の鎧が出て来ない。商店で買った方が早いかな?
6 42 18 17 18 18 17 18 0 0 罠の判定を外しまくるなぁ…。まぁ、解除もだけど。
ロース 7 40 18 18 18 18 18 12 0 0 クリスマスにはまだ早かったけど、次が12/28だから。
ランプ 6 22 13 18 18 13 18 17 0 0 ハイコルセアの宝箱は良いのが入ってるんだって!!
ブリスケット 7 56 18 18 16 18 18 16 0 0 ってか、盗賊とカルフォの両方ダメってヒドいだろ…

アイテム入手: 9/109


【更新履歴】
2024年12月28日:次ページへのリンクを設定しました。
2024年12月14日:本公開。
2024年12月 7日:プレ公開。