35.迷宮に海賊、国に盗人

【登場人物】  
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」
トライチップ 悪パーティーのリーダーを務める悪徳神官。
テール 金の為にはあらゆる悪事を躊躇わない悪徳司教。
心々 人々を護ることを志す用心棒チームのリーダー。
沙賀里 用心棒チームの1人。心々の幼馴染の変な巫女。
ネック 冒険に巻き込まれた気弱な呪文マニアのエルフ。

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━━━━ ギルガメッシュの酒場
     店の片隅で...

テール 「ご神官様、新しい悪事を考えて参りました」
トライチップ 先に言っておくが、わしらは今、実質一文無しなんだっ!!
 今回の悪事がダメだったら、もはやただでは済まさんぞっ!!
テール 「ご安心下さい。
 しかと心得ております。
 灰になった先生を蘇らせるためにも、すぐにでも大金が必要であることは、重々承知しております」
トライチップ そこまで理解できているなら、今回の悪事は確実に稼げるんだろうな?!
テール 「はい。
 確実どころか、一気に億万長者にしてさし上げます」
トライチップ はあ……??
 そんな都合のいい悪事があるなら、みんなやってるだろっ!!
 調子のいいコトを言うんじゃない!!
テール 「いえ、今回の悪事はやろうと思っても、そもそも前提が存在しないと出来ない悪事でございます。
 つまり、誰でもやりたい時にやれる……という類の悪事ではございません」
トライチップ 「前提……?」
テール 「はい」
トライチップ 「どんな悪事なんだ?」
テール 「今回の悪事は『盗掘』でございます」
トライチップ 「『盗掘』だと……?」
テール 「はい」
トライチップ 「おまえのことだから、どうせ何を盗掘するか考えてないんだろ?」
テール 「どうかご安心下さい。
 先ほども言いました様に、今回の悪事はそもそもの前提があってこそ……、
 ……つまり、盗掘する財宝のアテがあってこその悪事でございます」
トライチップ 「なんだと?!
 で……では………高価なお宝を手に入れるアテがあると言うのか?」
テール 「左様にございます」
トライチップ 「よし、テールや、近こう寄れ……」


トライチップはそう言って顔をテールに近付けると、
テールにも顔を近付けるように指図した。

トライチップ 「ここからは周りに聞こえぬよう、小声で話せよ」
テール 「承知しております」
トライチップ 「では、詳しく聞こうか」
テール 「ご説明致しましょう。
 実は昨夜、とある噂を入手致しました」
トライチップ 「噂……?」
テール 「はい。
 なんでも最近、バラックの中に莫大な金銀財宝が入った宝箱が隠されたそうです」
トライチップ 「ほぉ……」
テール 「そこで、誰の物かは知りませんが、我らがそれをコッソリと頂いてしまおうという所存です」
トライチップ 「ふむふむ……」
テール 「そしてボルタックで盗品を処分すれば……」
トライチップ 「わしらは一夜にして大金持ち……ということか……」
テール 「その通りでございます」
トライチップ 「ふふふふ……」
テール 「くくくく……」
2人 「「ふはははははははっ!!!」」
トライチップ 「いいぞ!
 テールや、好機逸すべからず…だ!!」
テール 「もちろんでございます」
トライチップ 「今回はその財宝の盗掘といこうではないか!!」
テール 「はい、すぐにでも迷宮に出発致しましょう!」
トライチップ 「あ、いや、ちょっと待て」
テール 「はい?」
トライチップ 「その前に、気掛かりなことが1つある……」
テール 「それは……?」



………………………………


……………………


…………


━━━━ 海賊の砦
     ハイコルセアの部屋......

レイダーA 「ご指示通り、財宝が入った宝箱の噂を酒場に流してきました」
キャプテンA 「よし。
 これで心々たちが噂に喰い付いてバラックに現れたら、これまでの雪辱をタップリと晴らしてやれるぞ!」
レイダーB 「しかも良いニュースがございます」
キャプテンA 「何だ?」
レイダーC 「酒場に行ったついでに奴らの情報収集をしたのですが、
 どうやら前衛の1人が死亡し、しかもカントでの蘇生に失敗したようです」
レイダーA 「そして灰になったまま、金欠で蘇生ができない状況だとか」
キャプテンA 「では奴らは、今は1人少ない5人パーティーということか?!」
レイダーB 「その通りです」
キャプテンA 「いいぞ!
 運はこっちに向いている!!」
レイダーC 「はい。
 しかも金欠ならば、きっと噂にも喰い付いて来るでしょう」
キャプテンA 「よし、よし!
 こちらは凄腕のガードを奴らの3倍も用意した。
 3倍もの人数が居れば、長期戦で奴らは息切れし、最後は容易に袋叩きにできるだろう」
レイダーA 「はい」
キャプテンA 「後は餌にする宝箱をバラックに配置するだけだな。
 表にガード達を待機させているから、今すぐ作戦を実行しろと伝えに行け」
レイダーB 「分かりました」
レイダーC 「では、さっそく」


指示を受けたガリアンレイダーたちは、小走りにハイコルセアの部屋を後にした。

キャプテンA 「心々のやつめ!
 ここから脱走した罰を、今度こそタップリと与えてやるっ!!」



…………


……………………


………………………………



━━━━ 再び ギルガメッシュの酒場

テール 「気掛かりなこととは……?」
トライチップ 「迷宮に入るのは良いが、魔物や海賊に遭遇する可能性は否定できない。
 その時に、一番頼りになる先生が居ないのは、ちと不安ではないか?」
テール 「その点については、心々に考えがあるそうです」
トライチップ 「心々に…?
 どんな……?」
テール 「詳しくは聞いておりませんが、何かアイデアがあるそうです」
トライチップ 「ふ~~む………」
   
心々 おーーい!
 みんなーーっ!!
 集まれーーーっ!!
   
テール 「お?
 噂をすれば何とやら……心々が戻って参りましたぞ」
トライチップ 「行ってみよう」


トライチップテール、そして店内の別の場所で飲んでいた沙賀里ネックが、心々の所に集まって来た。

トライチップ 「どうした、心々?」
心々 「先生が抜けた穴を埋めるために、
 助っ人を連れて来たぞっ!!」
トライチップ 「助っ人……?」
心々 「この方だっ!!
 自己紹介を頼むぜっ!!」
三洲次 「どうも、三洲次と申します」
トライチップ 「あ、どうも、トライチップと申します。
 ってか、心々や?
 この方、どこのどなた?」
心々 「以前、海賊団から脱走したうちを救ってくれたパーティーの話しをしたことがあったろ?
 そのパーティーで前衛を務めてる方だ!!」
トライチップ 「前衛だと!?
 それは助かる!!」
テール 「すると、ご職業の方は?」
三洲次 「侍です」
トライチップ
& テール
「「?!」」
三洲次 「なにか驚くこと言いました……?」
トライチップ 「いや……先生ほどの人が目指していて成れなかった職業なので……」
三洲次 「はぁ…」
テール 「ちなみにレベルの方は?」
三洲次 「レベル7です」
トライチップ
& テール
「「レベル7!?」」
三洲次 「えぇ、まぁ……」
トライチップ
& テール
「「『大先生』と呼ばせて下さい!!!」」
三洲次 「はあ??」
トライチップ 「これは思わぬ助っ人っ!!」
テール 「はい、穴が空いたと思ったら、むしろその穴に砦が立ちましたなっ!!」
トライチップ 「大先生殿っ!!
 これからどうぞ宜しくお願い申し上げますぞっ!!」
三洲次 「いや、その、こちらこそ……」
テール 「それよりもご神官様、こちらも自己紹介をした方がよろしいのでは?」
トライチップ 「おぉ! そうだったな!」
心々 「大丈夫だよ。
 うちが先に教えておいたから」
トライチップ 「え……?
 いや……どんな説明をしたのかすごい気になるが、
 まぁ、これほどの助っ人を連れて来た功績に免じて、そこは不問にしておこう」
テール 「いやいや、ご神官様、
 さっそく懸念が払拭致しましたな」
トライチップ 「うむ」
テール 「これならば、今回の悪事は絶対に成功間違いなしでございます」
三洲次 「悪事……?」
トライチップ 「そこは分からんが、この方ならどんな魔物が来ても怖くはないぞっ!
 ってか、テールや、用心棒を雇う時は、本来はこういう方を連れて来るもんだぞ。
 心々の方がよっぽど使えるわい」
テール 「その心々を連れて来たのは、他ならぬこのテールでございます。
 このテールの人選が無ければ、この方も来なかったこと、間違いございません」
トライチップ おまえ、マジで何を言っても前向きに捉えるよなぁっ!?
   
三洲次 (なんか賑やで、ちょっと変わったメンバーだなぁ。
 まぁ、美濃みたいに妙な巫女がいないだけマシ…)
   
沙賀里 「あらぁ~、こちら、わらわの好みの殿方でございますわぁ~(そっ…)
三洲次 歴史は繰り返すってかああぁぁ!!!
沙賀里 「そなたが心々の運命の殿方でいらっしゃいますか?」
三洲次 なに?!
 いきなり何の話し?!
心々 沙賀里いいぃぃ!!
 誤解を招く言い方をするなああぁぁ!!
沙賀里 「あら、以前心々が死ぬ運命を変えて下さった、と仰ってたじゃないですか?」
三洲次 「紛らわしい……(汗)
沙賀里 「でも、これほどのイケメンでいらっしゃいましたら、
 別の運命を変えても、おかしくはございませんわ……」
三洲次 ってか、なに?!
 なんなの、この人!?
沙賀里 「そなたの手腕がどれほどのものか、わらわが確認して差し上げます」
三洲次 何の手腕?!
沙賀里 「では、さっそく冒険者の宿の方へ……」
三洲次 H.P.も呪文もフルなんですけどっ!?
沙賀里 「それは実に好都合。
 それならば馬小屋もロイヤルスイートも同じ効果ですから、
 ここは素敵な臥所(ふしど)の方で……」
心々 沙賀里いいいぃぃっ!!!
 せっかく来てくださったのに、いきなり失礼なことをするなああぁぁ!!!
沙賀里 「あらあら、わらわったら、配慮の欠けたことを……」
三洲次 「………………(汗)
沙賀里 「心々、あなたを差し置くなんて無粋なことは致しませんわ。
 わらわが指導して差し上げますので、3人で…」
三洲次&心々
沙賀里 「では、来るべき時に備えて、わらわがしっかりと指導を…」
心々 黙れええぇぇ!!!
 この変態巫女がああぁぁぁっ!!!
トライチップ 「…………………………………………(汗)
テール 「…………………………………………(汗)
ネック 「…………………………………………(汗)
   
   
三洲次 (なんか……今回もすごい疲れそうな気がしてきた………)


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さて、パーティー間でのキャラクターのやり取りに関する自己ルールは特に設けていないので、
灰になった羅無市の代わりに、善パーティーから一時的に支援を入れます。

支援するのは、悪パーティーにも参加可能な性格「中立」の......


...三洲次です。

どうせ支援に入れるなら、レベルアップに多くの経験値が必要の方が望ましいのですが、
桃は性格が「善」になってしまい、悪パーティーに参加できないので。
いや、迷宮内で合流させても良いのですが、それはそれで面倒くさいですし...。

そう考えると、実は桃の性格は「悪」のままでいてくれた方が良かったのかなぁ......。



新たに三洲次が加わり、今回はこのメンバーで冒険です!!




【目次】
リンクは公開範囲まで

1.ヒット・アンド・カティノ

2.ミスヒット・アンド・ラン

3.ヒット・アンド・カティノ崩し




1.ヒット・アンド・カティノ




━━━━ 迷宮 入り口......


テール 「新メンバーでの初の冒険ですな」
心々 「それで、今日はどんな悪事をするんだ?」
三洲次 「悪事……?
 さっきも話してたけど、悪事って何?」
心々 「こいつら、迷宮内でいろいろな悪事を働いているんだ」
三洲次 「はぁ…??
 それって俺も加担することになるじゃん!!
 そんな話し、聞いてないんだけど!?」
心々 「ま、大したことしてる訳じゃねぇから、気にしなくていいよ」
三洲次 「いや、気になるって……、
 ちなみに、例えばどんな悪事をするの?」
テール 「今回は『盗掘』でございます」
三洲次 「盗掘……?
 何を盗掘するの?」
テール 「どうやら最近、大量の金銀財宝が入った宝箱がバラックの中に隠されたそうです」
三洲次 マジで?!
テール 「はい。
 誰の物かは知りませんが、その宝箱を探し出し、我らのモノにしてしまおう……という所存です」
三洲次 「俺のパーティーもまだ金銭的に厳しいから、
 もし見つけたら、ちょっとは分けてほしいなぁ……」
テール 「ご安心下さい。
 手に入れた収入は全員で平等に分配するのが我らの方針。
 大先生にも、ちゃんとお分け致します」
三洲次 「本当!?
 よーーし、それならいっちょ頑張るかな!!」
テール 「では、善は急げ。
 さっそくバラックへ行きましょう」
トライチップ 「珍しくスムーズな出発だな」
三洲次 「あ、でも、ちょっと待って。
 それって本当に悪事なの?」
トライチップ 「雲行きが怪しくなってきた……」
三洲次 「宝箱を探しだして手に入れるって、みんなやってるじゃん」
テール 「はい。
 ほぼ全てのパーティーが海賊などを殺し、宝箱を強奪し、盗品を商店に売り捌いております」
三洲次 「だよね」
テール 「殺生……、強盗……、盗品の転売……これらはいずれも悪事であり、犯罪でございます。
 つまり、今は国家総犯罪者の時代なのでございます!!
三洲次 「なんかムチャクチャなこと言ってない?」
トライチップ 「デジャヴが……」(第31話)
テール 「違いますか?」
三洲次 「違うと思う。
 だって、それでパクられた奴はいないよ?」
テール 「はい。
 つまり成功率100%の悪事と言うことです!!
トライチップ 「激しくデジャヴが……」(第31話)
三洲次 「地上と迷宮じゃ世界や文化が違うってだけだろ?
 何が悪事なのかサッパリなんだが……?」
心々 「だから言ったろ?
 大したことはしてねぇって」
三洲次 「まぁ、そうだけど……」
テール 「では、納得して頂けましたのなら……」
三洲次 「してないけど…?」
トライチップ デジャヴしまくり!!
テール 「…さっそく出発致しましょう」
三洲次 「まぁ……いつもと同じってことね」
トライチップ 「そうなんだよ……いつも同じんなんだよ………なぜか……」
三洲次 「さっきから何をブツブツ言ってるの……?」


とりあえず出発しましょう!


━━━━ バラック......




いつも通り、部屋を1つ1つ回って行きます。

テール 「それでは、今回も部屋を巡って行きましょう。
 大先生殿、準備はよろしいでしょうか?」
三洲次 「あぁ。
 このフロアにいる奴はどれも楽勝だからな。
 何が出て来ようと、逃げずに戦ってみせるさ」
テール 「それは頼もしい!
 では、さっそく最初の部屋へ参りましょう!」


ガチャッ...!        ← 扉を開けた音




三洲次 はい、逃げるよーー!!
テール 「へ…??」


バタンッ!!

テール 「あの……大先生を相手に失礼とは存じますが、
 何が出てこようと、逃げずに戦ってみせるのでは……?」
三洲次 「ゴメン、あれだけは例外にさせて。
 戦うメリットが皆無なんで……」
心々 「それに、あいつは宝箱を持ってねぇからな」
トライチップ 「昆布が宝箱なんか持っててたまるか」
心々 「あいつは無視してイイだろ」
テール 「では、この後はどうしましょう?」
三洲次 「そこら辺で時間を潰して、あいつらがどっか行くまで待つかな」


ま、入り直しましょう。

ガチャッ!



2連続で先制!!
これはラッキーだ!!

??? 「早く宝箱を埋めるんだ」
??? 「餌なんだから、少しだけ見えるようにしろよ」
   
三洲次 「…ん?」
心々 「誰かいるな……」


三洲次 「海賊達だ……」
心々 「かなりの数だぜ……」
トライチップ 「いつの間に入ったんだよ……」
三洲次 「えぇと………14人か」
トライチップ じゅ…14人!?」
心々 「こっちの倍以上だな……」
トライチップ 「おいおい、いくらなんでも数で不利過ぎるだろ……、
 幸い気付いてないし、今回も一度退いて…」
三洲次 「だけど、あいつらなんか宝箱を相手にしてるぞ。
 例の宝箱だったら、先を越されたのかも」
テール 「なんとっ?!
 それは由々しき事態!!
 すぐにでも蹴散らして、あれを奪いましょう!!」
トライチップ 「待て、待て!
 相手は14人もいるんだぞ?
 いくらなんでも無謀過ぎるだろ!!」
三洲次 「なぁ~に、海賊なんか何十人いようと敵じゃないさ。
 先制のチャンスを生かして流れをこちらに引き込み、一気に片付けよう!!」
トライチップ 「マジっすか、大先生……(汗)


さて、現在のレベルだと人数的に不利なので「にげる」一択なのですが、
今はレベル7の三洲次がいるし、どうせ何人かは逃げるだろうから、
今回は戦ってみることにします。

三洲次 「君たちのレベルが低いなら、低レベルパーティー向けの基本戦術でいこう。
 『ヒット・アンド・カティノ』だ!
トライチップ 「何ですか、それ……?」
三洲次 「あれ?
 今は訓練場で教えてないの?」
トライチップ 「いや、講義中はず~っと寝てたので……」
三洲次 「不真面目だなぁ……」
トライチップ 「いやぁ~……」
三洲次 「まぁ、いいや。
 簡単に説明すると、まず前衛が敵を叩き、敵が反撃して来たら寝かせ、また敵を叩いて……の繰り返しだ」
トライチップ 「いつも心々がやってる戦術じゃん」
心々 「訓練場で習ったからな」
トライチップ 「口を開く度にわしの評価が地に落ちていくので、もう黙ってます」
三洲次 「それで、カティノ(催眠呪文)が唱えられる人は?」
テール 「こちらに」
ネック 「あ…あの……、僕も一応……」
三洲次 「よし、丁度2人いるな。
 よく聞いてくれ。
 今から前衛で敵を奇襲する。
 すると敵が反撃してくるから、そいつらにカティノを浴びせるんだ。
 その後は、敵が起きる毎にカティノで眠らせ続けてくれ」
テール 「どうぞお任せを」
ネック 「は……はいっ!」
トライチップ 「テールや、おまえ大丈夫なのか?」
テール 「膨大な金銀財宝が懸かってるとなれば、全力でいかない理由はありません」
トライチップ 「毎回全力でいけよ……」


とりあえず先制ターン前衛全員攻撃

いってみましょう!!


海賊A ぐはあああぁぁぁっ!!
海賊達 「「え…?!」」


いきなり三洲次1人倒す!!
さすがレベル7!!

海賊B 敵襲だっ!!
心々 死ねええぇっ!!


海賊B うわぉっ!?(バッ!)
心々 「ちっ…!」


沙賀里 おほほほほほほほっ!(ぶん!ぶん!)
海賊C うわぁっ?!(ピョンッ!)

三洲次 「なに……? あいつ………?」
トライチップ 「気にしないで下さい」
テール 「気にしてると身が持ちませんから」



ってか、1人しか倒せなかった......。



─── 通常1ターン目......


海賊D てめぇら!!
 こんな事をして、ただじゃ済まさねぇぞっ!!
海賊E 野郎どもっ!!
 ぶっ殺せっ!!!
   
三洲次 後衛、カティノだっ!!!



三洲次 敵が全員寝たぞっ!!
 この隙に攻撃だっ!!




心々 「あれ……?」



このターンも1人しか倒せなかった......。



─── 2ターン目


三洲次 後衛っ!!
 カティノの手を緩めるなっ!!!



三洲次 突撃ぃーーっ!!!




心々 「おりょ……?」



また1人だけ......?!



─── 3ターン目


三洲次 ストップっ!!
 ストップっ!!!
 ストーーーープっ!!!
心々 「あ…?」
沙賀里 「なんでございましょう?」
三洲次 俺しか敵を倒してないんだけどっ?!!
心々 「まぁ……」
沙賀里 「さすが大先生でございますわ」
三洲次 おだてて誤魔化すなっ!!
 おまえら敵を倒す気あるのかっ?!!
心々 ぁあ?!
 あるに決まってんだろっ!!
三洲次 じゃあ、なんでかすりもしないんだよっ!?
 相手、寝てるんだよっ?!
心々 手元がちょっと狂っただけだろっ?!
三洲次 ちょっととかいうレベルじゃないよねっ?!
沙賀里 ちょっと!
三洲次 は…??
沙賀里 わらわの心々を泣かせたら、ただでは済みませんわよ!!
心々 誰がおまえのだっ!!?
三洲次 「さっきの『ちょっと!』って掛け声だった……?」
沙賀里 もし心々を泣かせでもしたら、
 わらわが今出せる最大の12ダメージを喰らわせてあげますわっ!!
三洲次 俺に喰らわせてどうするんだよっ!!?
 敵に喰らわせろよっ!!!
   
トライチップ 「なぁ、テールや……?」
テール 「はい?」
トライチップ 「やっぱり心々たちってさぁ、第三者から見てもダメな用心棒なのでは……?」
テール 「心配はいりません。
 能ある鷹は爪を隠すでございます」
トライチップ 「肝心な時に爪を出さないのは能無しだろ……」
   
三洲次 ってか、メイスは最大6ダメージだろ?
沙賀里 「はい。
 ですので、12ダメージは寝かせた時でございます」
三洲次 俺も寝かせて攻撃するつもりだったのか?!
沙賀里 「そんな、まさか……、
 三洲次殿が『寝た』時は、攻撃するのではなく、馬乗りになって体力を奪うのですわ!!」
三洲次 なんか別の意味になってない、それ?!
沙賀里 文字通りの意味でございますわ!
三洲次 だからだよっ!!
 ってか、12ダメージ出せるもんなら、出してくれっ!!!
沙賀里 「出したらご褒美を頂けますか?」
三洲次 あぁ!!
 もし出したら、褒美を出してやるよ!!
 あんな攻撃で12ダメージを出せるもんなら出してみろっ!!!
沙賀里 約束でございますわよ!!
 さぁ!!
 ついにわらわが、真の力を出す時が来たのですね!!!
   
トライチップ 「毎回出せ」



このターンもカティノで敵を眠らせつつ、前衛が敵を攻撃する。

ガードI ぅぬ…っ!」
ガードH 「く…くそっ…!」
ガードG 「あぁっ!?
 仲間が殺されているっ?!」
   
テール 「6人も起きてきましたぞ」
三洲次 後衛っ!!
 カティノを畳み掛けろっ!!



今回の後衛は優秀で、片っ端から敵を眠らせていく。
敵の数が多いので、大助かりだ。

トライチップ 「今日は絶好調だな」
テール 「大金が懸かっておりますので」
トライチップ 「ゲンキンな奴……」
ネック (;-o+) ふひぃ~~……


...なんて褒めてたら、いつも優秀なネックが寝かせるのに失敗した。

トライチップ 「ありゃ……1人寝なかったぞ」
ネック  (;◎◎) はひぃ~~…
トライチップ 「どうした、ネック?」
ネック  血がぁぁぁ…… ┓┓⌒3 バタンッ!
トライチップ 「………………………………(汗)
三洲次 「どうしたんだ?!」
トライチップ 「こいつ、血が苦手なんで、もう限界っぽいです」
三洲次 なんでそんな奴が冒険に来てんだよ?!
トライチップ 「どっかのバカがロクに調べもせずに引っ張って来たので」
テール 「ダメな奴がいますな」
トライチップ おまえのことだあああぁぁっ!!!
   
ガードH 「な…?!
 俺以外、戦闘不能じゃねぇかっ?!」
三洲次 「状況が飲み込めたようだな」
ガードH 「く…くそっ!」
三洲次 「どうした?
 さっきの威勢は何だったんだ?」
ガードH 「ち…ちくしょうっ!!
 この借りは絶対に返してやるからなっ!!」


ガードH 覚えてろよっ!!(ばっ!)
   
テール 大先生っ!!
 なぜ見逃すのですかっ!?
三洲次 「宝が目当てだから、別にいいだろ」
テール 『目撃者は全て消せ』!!
 これは犯罪者の鉄則でございます!!
 よって、敵を逃してはならぬのです!!
三洲次 「これ、犯罪なの……?」
テール もちろんでございます!
 今やっていることは強盗致傷罪でございます!!
 凶悪かつ重大な犯罪行為でございますぞ!!
三洲次 「そんな事言い出したら、海賊のカモにされて終わるだけだよ……?」


とりあえず戦闘を続けます。



ガードE ぅほごぉっ!
心々 「あ……当たった!」
   
三洲次 「やっとかよ……」
沙賀里 さあ!!
 わらわらの真の力を、とくと見よおおおぉぉっ!!


ガードE ぎひゃあああぁぁっ!!!
沙賀里 おほほほほほほっ!!!
   
三洲次 「マジで12ダメージ出しやがった……(汗)
トライチップ 「出せるなら毎回出してよ……」
沙賀里 「さぁ、三洲次殿っ!
 ご褒美の時間でございますわ!!」
三洲次 「えぇと………」
沙賀里 「ご褒美は三洲次殿ご自身でございますか?!」
三洲次 「言ってる意味が分かるけど、分からない……」
沙賀里 「婚約指輪でも構いませんわ!!」
三洲次 「俺が構うよ……」
沙賀里 「さぁ、ご褒美は何でしょう?!」
三洲次 「じゃあ……今の君たちには貴重な物でいいかな……?」
沙賀里 「貴重品ですか?!
 宝石とかでしょうか?!」
三洲次 「『毒消し』」
沙賀里 「は…??」
三洲次 「まだ買いたくても買えないだろうし、
 いざと言う時には命を救うことができるからね。
 結構良いモノだろ?」
沙賀里 はあ??
三洲次 「え゛…?」


──── 4ターン目


沙賀里 「やってられませんわ…(ドガッ!)
ガードG ふぎゃっ!
   
三洲次 &
トライチップ
「「八つ当たりで攻撃すんなっ!!
  真面目にやってくれっ!!!
   
ガードG 「いぢぢぢ……。
 ってか、今、八つ当たりで切られたの……??」
ガードI ぅっ…!」
ガードJ 「ぬぅぅっ…!」
   
テール 「2人起きてきて、これで3人が気付きましたぞ」
三洲次 「カティノ、いけるか?!」
ネック  ┓┓~・゚。 う~~ん……
トライチップ 「ネックはダメだ」
三洲次 「その子、なんで冒険に付いて来たの……?(汗)
トライチップ 「どっかのバカが無理やり引っ張ってきたので」
テール 「ロクでもない奴がおりますな」
トライチップ おまえだあああぁぁっ!!!
   
ガードG お、おいっ!
 みんな寝ちまってるぞ!?
ガードI 「なに?!」
ガードJ しかも5人も殺されちまってる?!
ガードG 「な、なんでこんな低レベルな奴らに…?!」
三洲次 「俺が想定外だったかな?」
ガードI 「え?」
ガードJ 「そういや、こいつら6人居るぞ。
 聞いてた話しじゃ、5人のはずだが……?」
ガードG 「てめぇ、何者だ?!」
三洲次 「助っ人さ」
ガードI 「助っ人……?」
三洲次 「あぁ、他のパーティーから助っ人で入っているんだ」
ガードJ 「仲間を平気で裏切る心々の助っ人なんて、
 よく引き受ける気になったな!」
ガードG 「まぁ、いい。
 てめぇは運が無かったんだ!!
 まとめてぶっ殺してやるぜっ!!」
三洲次 「それより、レッドやブルーの葬式は終わったのかい?」
ガードI 「え?」
三洲次 「最近、おまえらのボスが立て続けに3人殺されただろ?」
ガードJ 「な……なんで知ってるんだ……?」
ガードG 「しかも人数も合ってるし………」
三洲次 「俺のいるパーティーが片付けたからな」
ガード達 「「!!?」」
ガードI ……こいつ……!!
 例の王国が雇ったパーティーの奴だっ!!!
ガードJ や、やべぇっ!!!
 逃げろっ!!!


テール あぁっ?!
 大先生、だから目撃者を逃してはなりませんっ!!
三洲次 「宝が目当てなんだから、別にいいだろ?」
テール 何を仰います!!
 『目撃者は全て消せ』!!
 このテールが、それを実践してご覧に入れますぞ!!


テール 逃がしはしまいっ!!



ガードG あばよっ!!
   
テール 「………………………………………(汗)
三洲次 「…………………………………………」
テール 「………………………………………(汗)」
トライチップ 「おい……?」
テール 「えぇと………」
トライチップ 「今、目撃者を逃したよね?」
テール 「ご神官様、どうかご安心下さい」
トライチップ 「何を?」
テール 「なぜなら、あいつはこの場の関係者ではないからです」
トライチップ 「なんでそうなる?」
テール 「よろしいですか?
 あいつは殺しの瞬間には起きていませんでした。
 よって奴は、この現場の真実をを知らないので、関係者には成らないのです」
トライチップ 「さっき八つ当たりで切られてたよ?」
テール 殺人の瞬間を見ていないのなら、それは目撃者にはならないのです!!
 故にあいつを部外者や第三者と言わずに、他に何と呼びましょうか?!
トライチップ 「被害者」


三洲次 「もう1人片付けておいた」
トライチップ 「大先生、ご苦労様です」



───そろそろ疲れてきた5ターン目


ほぼ三洲次しか敵を倒しておらず、長期戦になってますが、なんとか1グループまで減らしました。

ガードK 「うぅ………なっ?!
 ほとんど殺られてんじゃねぇかっ!?」
ガードL 「くそっ!!
 このままじゃ終わらせねぇぞっ!!!」
   
三洲次 「もっとカティノが必要だっ!!
 そろそろその子を起こしてくれ!!」
トライチップ 「ネック!!(パシッ!パシッ!)
 おら、起きろっ!!(パシッ!)
 ↑ネックの顔を叩いている
ネック ぅ゙ぅ゙……な……なんですかぁ~……?」
トライチップ 「カティノだっ!カティノっ!!!」
ネック  (;つ-o-)つ)) カティノォォ~~…
三洲次 「そんなんで大丈夫なの……?」




三洲次 「すげぇ……全員寝かせた……」
トライチップ 「ネックは呪文にかけては凄腕だからな」
ネック  (;-w-)~・゚。 う~……
三洲次 「こんなのが……?」
トライチップ 「こんなのが……」


まぁ、敵も全て寝たので、とりあえず攻撃しましょう。



沙賀里 「なんかもう、どうでもいいですわ…(ドガッ!)
ガードI ごはっ!!
   
三洲次 &
トライチップ
「「テキトーに攻撃すんなっ!!!
  遊んでんじゃねぇんだぞっ!!!」」


心々 「ありゃりゃ……?」
三洲次 &
トライチップ
「「おまえ、寝てる敵相手に外し過ぎだろっ!!!」」



また1人しか倒せなかった......。



───マジで疲れてきた6ターン目


三洲次 「心々、沙賀里、ちょっと来てくれ」
心々 「なんだい?」
沙賀里 「なぁんでござぁ~ましょう?」
三洲次 「このターンでちゃんと敵を倒したら、今日の晩飯奢ってやるから。
 だから頼むから頑張ってくれ」
心々 「マジ?!」
沙賀里 「プラスで三洲次殿が『ア~~ン』して下さるなら」
三洲次 「なんでそんなこと……(汗)
沙賀里 「やってられませんわ(ブン!ブン!)
三洲次 分かったよ!
 それぐらいならやってやるから!!
沙賀里 さぁ!!
 再びわらわの本気を見せる時が来ましたわっ!!!
トライチップ 「毎回来いや」
心々 「うちは奢ってもらうだけでいいけど、
 ま、ここ一番の本気を出してみせるぜ!!」
三洲次 「(あぁ、おまえらの本気を見せてくれ
 俺1人であと4ターンもかけるのがメンドくせぇんだよ……」
トライチップ 「多分ですが、大先生、心の声と発言が逆になってませんかね……?」


1人起きて来たけど、1人ぐらいなら、もうカティノはいいや。
いちいち唱えていたら呪文の回数が持たない。


心々 死ねえええぇぇぇっ!!
ガードK ぐほわあああぁぁっ!!!


沙賀里 逝かして差し上げますわ~~っ!!(ブン!ドガッ!)
ガードL ひぃぎゃあああぁぁぁっ!!!
   
三洲次 「やりゃあ、できんじゃん……」


そして、三洲次も1人殺す。

やっと1ターンで3人倒すことに成功した。
レベルが低いと、やっぱつらいわ......。

ガードM 「ひ?!
 ぜ、全員殺られたぁっ!!?」
三洲次 「ありゃ……起きてる奴を倒すの忘れてた」
ガードM た、助けてくれえええぇぇ!!!


テール 大先生っ!!
 なぜ目撃者を見逃したのですかっ?!
三洲次 「まぁ、そういう時もあるよ」


なぜなら、攻撃する個体を選べないからです。
ってか、4人の内の誰が起きてるのか、このインターフェースだと全然分からねぇよ。

ま、そんなこんなで......


...やっと勝利です!!

テール 「14人もおりましたが、なんとか戦い抜きましたな!!」
トライチップ 「大先生のお陰だな」
テール 「では、さっそくあの宝箱を確認致しましょう!!」


テール 「さ、さ、心々、さっそく!!」
心々 「うぃ~す」
三洲次 「なんか桃にそっくりな返事だな……」



心々 「ふ~~ん………ま、毒針だな」
三洲次 「解除できそうか?」
心々 「任せな」


心々 「え~~と……(カチャカチャ…)


心々 「うっし!
 罠を外したぜ!」
三洲次 「お!
 優秀だな」
心々  ( `゚v゚´)v ピース!
三洲次 (マジで桃そっくりな子だな……)
テール 「さぁ、さぁ、心々!!
 蓋を開けて!開けて!!」
心々 「どれどれ…(ギィ~…)



沙賀里 「『くすり』が1つに……」
テール 「ちょこっとの金貨……」
三洲次 「これ、いつもの海賊が隠している宝箱だよ」
テール 「はぁ……、残念………」
沙賀里 「まだ分かりませんわ!
 この薬が『不老不死の薬』の可能性もありますわよ!」
トライチップ 「テール、見るだけ見てくれ」
テール 「はい……」



テール 「ただの『毒消し』でございます」
トライチップ 「なんだ……」
心々 「でも『毒消し』は高値で売れるからな。
 これだけで普段の何十倍もの金になるぜ!」
トライチップ 「そうか、そう考えると、まぁ、悪くはないな」
沙賀里 「いえ、これは売ってはなりません」
トライチップ 「え?
 どうして…?」
三洲次 「俺も同じ意見だ」
トライチップ 「は…?
 大先生まで、なぜ…?!」
三洲次 「理由は簡単だ」
沙賀里 「えぇ、簡単ですわ」
三洲次 「じゃあ、君、みんなに説明してくれ」
沙賀里 「なぜならば『毒消しコレクター』である三洲次殿が、それをコレクションに加えるからです」
三洲次 「え゛…??」
沙賀里 「ですわよね?」
三洲次 「俺は毒消しコレクターじゃねぇよっ!!」
沙賀里 「あら、だって、三洲次殿は『毒消し』を……


沙賀里  …集めていらっしゃいますわ」
三洲次 これは集めてる訳じゃないっ!!!
沙賀里 「こんなにコレクションされているのに?」
三洲次 無理やり持たされてるだけだっ!!!
トライチップ 「あの……大先生……?
 もしコレクションされていないなら、なぜ売らないので?」
三洲次 「レベルの低いパーティーにとって、毒は死に直結するほどの脅威だ。
 だから常備しておくことで、万が一に備えるんだよ」
トライチップ 「そう言えば『毒消し』のお陰で、ネックが死ぬのを免れた時があったな」
三洲次 「だろ?
 だから持っておく方が得策なんだよ」
トライチップ 「なるほど。
 さすが大先生ですな。
 じゃ、沙賀里、これはおまえが持っててくれ」
沙賀里 「いえ、これは、コレクターの三洲次殿に…」
三洲次 「俺は持ち物がいっぱいなんだよっ!!」
沙賀里 「仕方ありませんわね。
 では、わらわが預かりましょう」



三洲次 「非常時に必要なアイテムだから、大切に持ってろよ」
沙賀里 「もちろんでございますわ。
 これは三洲次殿の大切なコレクションの1つですから」
三洲次 違う!!!
心々 「とりあえず、町へ回復しに戻ろうぜ」



三洲次 「しかし、君って、桃にソックリだな」
心々 「桃って、うちと口論した人?」
三洲次 「そう」
心々 「似てるかなぁ?」
トライチップ 「わしは、むしろ大先生の方が心々にソックリかと」
三洲次 「え?!
 俺がこの子と!?
 どこが…??」
トライチップ 「お顔が」
三洲次&心々
トライチップ 「兄妹と言われたら、普通に信じるレベルですぞ」
テール 「確かに、そのぐらいお顔の雰囲気が似ております」
三洲次 「そうかなぁ~…?」
心々 「たまたまだろ……」
沙賀里 「実はわらわともソックリだったり…」
トライチップ 「しない!」
テール 「親戚と言われても信じませんぞ」
沙賀里 「すると、わらわとの兄妹プレイは無理がありますか……」


 


----------------------------------------


━━━━ ギルガメッシュの酒場
     その日の夜......

トライチップ 「いやぁ~~!
 今日も食ったし、飲んだなっ!!」
テール 「働いた後の酒は別格ですな!!」
トライチップ 「おまえは何もしてないだろ……」
男性店員 「はいよ、本日のデザートお待ち」
テール 「ほぉ、今日はプリンでございますか。
 良いですな」
沙賀里 「さぁ、三洲次殿!
 約束を守っていただきますわ!」
三洲次 「分かったよ……。
 じゃ、このプリンを食べさせてやるから、口を開けな」
沙賀里 「賑やかで明るい酒場の片隅のテーブル……、
 そこで見つめ合う男女……、
 男は食後のデザートのプリンをそっとスプーンですくうと……、
 匙の上で微かに揺れるプリンをゆっくりと……、
 慕情で赤く染まった女の顔の前まで運び……、
 甘く優しく『ア~~ン』とささきながら……、
 女の艶やかに濡れた口の中に…」
三洲次 「変なナレーション、止めてくれる……(汗)

 


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2.ミスヒット・アンド・ラン




━━━━ 迷宮......


テール 「それでは、今宵も金銀財宝を目指して出発致しましょう」
心々 「目的地はバラックだったな」



いつもの通路へ。

心々 「じゃ、部屋の中を1つ1つチェックして行こうぜ」


ガチャッ...!


心々 「ん~……ここには何も無ぇな」
テール 「では、次へ行きましょう」


ガチャッ...!


心々 「え~~と……ここにも何も無ぇか……」
テール 「では、次です」


ガチャッ...!


??? 「「シャァーーッ!!」」
   
三洲次 「ん……?」
心々 「この声はアナコンダだな」


心々 「部屋の隅に3匹いるぜ」
三洲次 「3匹なら楽勝だ。
 ちゃっちゃと片付けよう」
心々 「うぃっす」
三洲次 「よし、ネック、あいつらにカティノを…」
   
ネック  (((>_<;))) ヒィ~~!
   
三洲次 「…………どうしたの?」
心々 「こいつ、蛇が苦手らしいんだ。
 ニョロニョロした動きがダメらしくて」
三洲次 「はあ…??
 じゃあ、クローリングケルプもダメってこと?」
心々 「あぁ。
 あと、ヌルヌルしたモノも苦手らしい」
三洲次 「すると、ジャイアントスラグも?!」
心々 「ダメだ。
 あと、幽霊も嫌いらしい」
三洲次 このフロアに居る魔物全部ダメじゃんっ!!!
心々 「だから困ってんだよ……」
三洲次 今までどうしてたの?!
心々 「目を瞑ったまま呪文を唱えてもらってる」
三洲次 どうやって?!
 間違って仲間に呪文をかけたりしないの?!
心々 「しねぇように、少し離れた場所へ誘導すんだよ。
 チップ、手本を見せてやれるか?」
トライチップ 「はい、ネック、オーライ!オーライ!」
ネック  ((((;つ_⊂) すたすたすた…
トライチップ 「ネックが通りますので、前衛の皆様は少々お待ち下さーい!!
 はーい、オーライ!オーライ!」
ネック  ((((;つ_⊂) すたすたすた…
トライチップ 「ご迷惑をお掛けしており、申し訳ございませーん!!
 オーライ!オーライ!」
ネック   ((((;つ_⊂) すたすたすた…
トライチップ 「はい、ストーーープっ!!」
ネック    (;つ_⊂) ピタッ!
トライチップ 「ご協力ありがとうございましたー!!
 足もとにお気を付けて攻撃して下さーい!!」
三洲次 「工事現場……?」


アナコンダ達 「「ZZZzz……」」
   
三洲次 「すげぇ……あんなので全部眠らせた……」
心々 「ま、こんな感じだ」
三洲次 「じゃ……じゃあ、攻撃するか……。
 心々、沙賀里、いけるか?」
沙賀里 「あら、まさかご褒美無しで働けとおっしゃるので?」
三洲次 倒した敵から奪った金を貰ってるだろっ!!!
 用心棒なら金で動けよっ!!!
沙賀里 「今回も御飯を奢っていただき、
 そして三洲次殿が『ア~~ン』して下さるのなら、
 わらわは全力で働いてみせますわ!」
三洲次 しなくても働け!!
トライチップ 「毎回働け」
沙賀里 「今回も三洲次殿の妖艶な手の動きで、わらわの欲望と渇望で湿った口の中に…」
三洲次 あのアナコンダを突っ込んでやろうかっ?!!
沙賀里 やってられませんわ!(ブン!ブン!ブン!)
三洲次 分かったよ!!
 じゃあ、もし最大の12ダメージで敵を倒したら、やってやるよっ!!


沙賀里 おほほほほほほっ!(ドガッ!)
アナコンダA フォギュワアアアァッ!!
   
三洲次 「マ……マジでまた12ダメージ出しやがった………」
トライチップ 「沙賀里がこんなに働いてるの、初めて見た気がする……」
テール 「沙賀里の扱いも大分分かってきましたな」
トライチップ 「ってぇことは………あのぉ、大先生?」
三洲次 「ん?」
トライチップ 「わしらのパーティーにずっと居るというのは…」
三洲次 ないっ!!!


三洲次 「もう1匹片付けた」
トライチップ 「さすが大先生」


心々 「おりょ…?」
トライチップ& 三洲次 「「なんで敵が寝ると当たらなくなるんだよ!!?」」



いや、マジで、なんで......?



─── 2ターン目


三洲次 「もう、俺が倒す!!」


三洲次 「やれやれ……」
トライチップ 「大先生、お疲れ様です」
三洲次 「色々な意味でね……」



テール 「部屋の隅に宝箱がありましたぞっ!」
心々 「アナコンダの側にあったってことは、
 いつもの海賊どもの宝箱だろ」
テール 「万が一ということもございます!
 さ、さ、心々、さっそく開錠を!!」
心々 「分かったよ」


心々 「こいつはスタナーだ」
三洲次 「解除できそうか?」
心々 「任せな」



心々 「……よっと!
 オーケー、罠が外れたぜ!」
三洲次 「次々と罠の解除を成功させて、すごいな。
 この子、盗賊として優秀なんだね」
トライチップ 「ノーコメント」
三洲次 「…………なんで?(汗)」
トライチップ 「気にせんで下さい」


トライチップ 「『たんけん』が入ってたぞ」
テール 「中は短剣だけですか?」


トライチップ 「そのようだな」
テール 「すると、この箱も違うのですか……残念」



テール 「しかも、一番安い『短剣』でございました」
トライチップ 「完全にハズレだな。
 他を探そう」



呪文をほとんど消費しなかったので、引き続きバラックで経験値とお金稼ぎを続けます。


が、その後はしばらく敵と遭遇せず。


そして、廊下の一番奥まで到着。


三洲次 「確かこの部屋の中で君と会ったんだよな」
心々 「あぁ」
三洲次 「懐かしいな……」
心々 「あの時のことは、昨日のように覚えてるぜ」
沙賀里 「運命に導かれた2人が想い出の地に戻ると……、
 過去の淡い想いが2人の胸に再来する……。
 この出逢いは奇跡? それとも運命のいたずら?!
 その答えを相手の瞳に求めるように見つめ合う……、
 あぁ!!なんて素敵な雰囲気でしょう!!
三洲次 「雰囲気を台無しにする奴がいるから、もう入ろう……」
心々 「だな……」
沙賀里 さぁ、お2人の思い出の場所は、今はどうなっているのでしょうか!?


ガチャッ...!


バタンッ!!!


三洲次 「ロクでもない場所になっていやがった……」
沙賀里 「想い出を邪魔するなんて、なんてヒドイ奴らでしょう!!」
三洲次 「すぐ側にいるどっかの巫女に聞かせたい言葉だ……」


ま、入り直します。

ガチャッ...!



また「大きな蛇」=アナコンダ

しかも、また3匹


三洲次 「今度こそ、1ターンで片付けよう!!」


三洲次 「まず1匹っ!!」
トライチップ 早っ!?
テール 「まだ眠らせてもおりませんのに……」
三洲次 「こんな敵、もう余裕だからな」
テール 「さすがでございます」
三洲次 「後の2人は、眠らせてから攻撃でいいかな」
テール 「それでよろしいかと」
心々 「じゃ、チップ、今回も頼むぜ」
トライチップ 「前衛の皆様、お待たせ致しました。
 まもなくネックが通りまーす。
 危険ですので、前衛のラインの内側までお下がり下さーーい!!」
ネック  ((((;つ_⊂) すたすたすた…
トライチップ 「ネックが止まるまで、並んでお待ち下さーい!!」
ネック   ((((;つ_⊂) すたすたすた…
トライチップ 「はい、オーーケーー!!」
ネック    (;つ_⊂) ピタッ!
トライチップ 「本日もネックをご利用下さいまして、誠にありがとうございます。
 カティノが済みましたら、先頭の方から順番にご攻撃下さい。
 スムーズな戦闘にご協力をお願い致しまーす!」
三洲次 「何かのアナウンス……?」


三洲次 「すげぇ……また全部眠らせた……」
テール 「ネックの呪文の腕は一流でございますからな」
三洲次 「すごいね……」
トライチップ ま、これで楽勝だなっ!!


沙賀里 おほほほほほほっ!!(ドガッ!)
   
トライチップ 残り1匹っ!!


心々 「ありゃりゃ……?」
トライチップ& 三洲次 「「またかよっ!!!」」



いや、マジで.........マジでなぜ?!




───まさかの2ターン目


三洲次 「心々、ちょっと来い」
心々 「うぃ~す」
沙賀里 「告白でございますか?!」
三洲次
&心々
 ドガッ!!!
沙賀里 ほおおぉ(キラン!)
三洲次 「心々、寝てる敵に襲いかかる時に、目を瞑ってるだろ。
 それで的が不正確になるんだ」
心々 「え…?
 相手は寝てんだし、別にビビッちゃいねぇよ」
三洲次 「分かってる。
 戦闘には慣れただろうし、生き物を殺傷する行為への恐怖心からじゃない。
 相手が寝てる時は全力で攻撃できるが、逆に全力になるが故に自然と目を瞑ってるんだ。
 全身で力む時に目を瞑ってしまう人っているからな」
心々 「そう言われると……」
三洲次 「相手に一撃を与えるインパクトの瞬間まで、一切力を入れるな。
 力を抜くために、心の中も無心になるんだ。
 心身一体で無になり、ただ標的だけを意識して狙っていけ」
心々 「むぅ……」
三洲次 「そしてインパクトの瞬間に、全身のパワーを100%にする。
 もし力んだ時に無意識に目を瞑る癖があっても、これならダメージを与えられる」
心々 「なんとなく分かったけど……できっかな」
三洲次 「今言ったことを意識して、最後に残った1匹を倒してみろ」
心々 「うぃっす」


アナコンダC グワギャアアアァァッ!!
心々 「うっし!」
   
三洲次 「やっとだな」
トライチップ 「さすが大先生、見事な指導です」


勝利!!

テール 「では、宝箱を探しましょうぞ!」
三洲次 「えぇと……」
トライチップ 「あそこの壁際にあるのがそうかな?」


テール 「さすがご神官様!!
 まさにこれでございます!!」
三洲次 「アナコンダの側にあるのなら、これも海賊のだろ」
テール 「ひょっとするかも知れませぬ!
 さ、さ、心々、さっそく解除を!!」
心々 「うぃ~す」


心々 「えぇと……(カチャカチャ…)


心々  ズダダダダダダダダダダダダダッ!!



ズバァァァァーーーーンッ!!!

ネック  バタンッ! ┓┓⌒3 εε==


三洲次 &
トライチップ
「「心々ーーーーっ!!!」」
心々 「なははは……(汗)」


失敗した肝心の本人だけ助かりやがった......。

トライチップ 「自分だけ逃げるとか、ヒド過ぎるだろ……」
三洲次 「あいつ、マジで桃にソックリだな……」
テール 「まぁ、まぁ、財宝が手に入れば全て帳消しでございます。
 さっそく中を確認致しましょう」
トライチップ 「ってか、ネックが箱の側で倒れたままだぞ……。
 おい、ネック、大丈夫か?」
ネック  ┓┓ < ふぁ~い……
トライチップ 「大丈夫そうだな」
テール 「では、ネック、箱の中を確認して下され」
トライチップ 「人使いの荒い奴………」
ネック  ムクッ!(;/-_-)/


ネック 「短刀が入ってましたぁ~」
テール 「短刀だけですか?」
ネック 「ん~~……」


ネック 「後は金貨がちょっとだけぇ~」
三洲次 「やっぱり、いつもの海賊の持ち物だったな」
テール 「いや、まだ分かりませんぞ!
 あの短刀が、実はかの伝説に聞く『盗賊の短刀』かも知れませぬ!!」


んな訳ねぇだろ。

テール 「残念……」
三洲次 「とりあえず治療しよう」


三洲次 「ラツモフィスは?」
トライチップ 「まだ誰も習得しておらず…」
三洲次 「じゃあ『毒消し』で治療するしかないな。
 俺が持ってる4個と、さっき手に入れた1個で、ちょうど人数分あるし」
沙賀里 そんなっ!?
 三洲次殿!!
 大切なコレクションを使ってしまわれると言うのですかっ?!
三洲次 コレクションじゃねぇよっ!!!
沙賀里 コレクションとは個々の価値にではなく、集まることで具象化された世界に
 愉悦と快感を覚えるフェティシズム!!
 その集合体を崩すなどコレクターにあるまじき…
三洲次 違うって言ってんだろっ!!!
沙賀里 三洲次殿は毒消しにフェティシズムを感じておられるのでは?!
三洲次 そんな奴この世にいねぇよっ!!!
沙賀里 では女性の身体のどこにフェティシズムを感じ…
三洲次 どさくさに紛れて変なこと聞くなっ!!!
沙賀里 お互いのことをよりよく知るためにも…
三洲次 話しが前に進まないから、これ以上は無視するからなっ!!!


とりあえず治療を始めます。


まず、一番H.P.が低いネックを治療する。



1回使っただけで無くなってしまった。
残念。


次に2番目にH.P.の低いテールを治療する。


また1回で無くなってしまった。

毒消しの破損率50%だったはずが、
実質90%ぐらいで破損してる気がする。


次に......


沙賀里を......


....................................


三洲次 「…………………………………………」
トライチップ 「どうされたのです、大先生?」
三洲次 「いや……残りの人はH.P.が2桁あるから、
 もう歩いて戻った方が早いかなぁ~…と思って」
トライチップ 「沙賀里は『治す価値無し』かと思いました」
三洲次 「一応合ってる」
沙賀里 「それは『毒消しで…』という意味でしょうか?」
三洲次 「まぁ、そう」
沙賀里 「では、三洲次殿!!
 どうぞ口付けで毒を吸い出して下さ…」
三洲次 残りの人は歩いて戻るぞぉ~!!
沙賀里 「三洲次殿!!
 さあっ!! さあっ!!
三洲次 さあさあ、出発だぁ~!!


残りの人はこれだけH.P.があれば、歩いて戻れるだろう。
高価な『毒消し』は温存しておきたい。




途中、ディオス(治癒呪文)で回復しつつ......、



...無事に町まで帰還しました。

 



…………………………………………


………………………………


……………………


…………


━━━━ ガリアン海賊団の砦
     ハイコルセアの部屋......

キャプテンA なに?!
 一方的にやられただとっ?!
ガードG 「はい……」
キャプテンA 14人もいて、なんという体たらくだっ!!
ガードH 「いや、それがですねぇ、奴らの中に例の王国が雇ったパーティーのメンバーの1人がいたんですよ」
キャプテンA は…??
 あのロイヤルレンジャーズとかいうパーティーのか?!
ガードJ 「はい」
キャプテンA なぜ?!
ガードG 「あいつら、空いたメンバーの穴を埋めるために、
 助っ人としてそいつを呼んだっぽいです」
キャプテンA くそぉっ!!
 なんてことだっ!!
ガードH 「それで、そいつが、まぁ、やっぱり強くて、強くて……」
キャプテンA うぅ~~ぬ……」
ガードJ 「あいつらを片付けるのは、ちょっと諦めた方がいいかと……」
キャプテンA 「むぅ……、
 と…とりあえず、ボスの指示を仰ごう」


ガリアンキャプテンは後ろを向くと、部屋の奥に座っている4代目ハイコルセア・パープルに声をかけた。

キャプテンA 「パープル、お聞きの通りです。
 いかが致しましょう?」
ハイコルセア 「パァーーーーーーーー!」
キャプテンA 「ほぉ…!」
ハイコルセア 「プゥーーーーーーーー!」
キャプテンA 「おぉ!!」
ハイコルセア 「ルゥーーーーーーーー!」
キャプテンA 「なるほど!!
 さすがボスです!!」


ハイコルセア・パープルとの会話を終えると、ガリアンキャプテンは再びガード達の方を向いた。

キャプテンA 「おまえら、分かったな!?」
ガードG 「えぇと………(汗)
ガードH 「その………(汗)
ガードJ 「何をですか……?(汗)
キャプテンA 「仕方ない、ボスの意見を反芻してやろう!
 いいか?
 前衛1人が攻撃できるのは、1ターンにせいぜい1人だ。
 だから残った奴らで反撃すれば、相手の10倍以上の打撃を与えられたはずだ。
 むしろそれが出来なかったことを敗因として考えるべきだ……と」
ガードG 「パ と プ と ルの3文字のどこに、それだけの文字数が含まれてました……?」
キャプテンA 「そう考えると、低レベルパーティーがよく使う戦術、
 『ヒット・アンド・カティノ』を使われたに違いない!!
 よって問題視するべきはカティノなのだ!!」
ガードH 「なんでそこまで聞き取れるのかを問題視したいです……」
キャプテンA 「ゆえに最優先で狙うべきは、カティノを使う奴だ!
 ……が、ボスの意見である!」
ガードJ 「もはや反芻じゃなくて翻訳ですよ……」
キャプテンA 「さて……先日、酒場で情報収集してきた奴らによると、
 隊列の一番後ろにいる魔法使いがカティノを担当しているそうだ」
ガードG 「一番後ろですか……」
キャプテンA 「つまり最優先で狙うべきは、その魔法使いだ!」
ガードH 「しかし一番後ろだと、我々では手が出せませんぜ」
キャプテンA 「ならば……ここは奴らの出番だな!!
ガードJ 「奴ら……?」



…………


……………………


………………………………


…………………………………………



━━━━ ギルガメッシュの酒場
     その日の夜......

トライチップ 「ひどい目にあった後の憂さ晴らしは、
 酒で流し去るに限るな!!」
テール 「毒されながらの帰還のキツさは、
 この酒で帳消しですぞ!!」
トライチップ 「おまえは治療して、普通に歩いてただろ……」
男性店員 「はいよ、本日のデザートお待ち」
テール 「今日はフルーツのパイでございますか。
 良いですな」
沙賀里 「さぁ、三洲次殿!
 約束を守っていただきますわ!」
三洲次 「分かったよ。
 とりあえずパイを切るから、そこで待ってろ」
沙賀里 「楽しみにお待ちしておりますわ」
三洲次 「じゃあ、まず半分に切って……(シャクシャク…)
沙賀里 「まぁ……流れる様なその手の動き……、
 その動きを見ているだけで……、
 手の動きに酔ってきましたわ……」
三洲次 「これで4等分……(シャクシャク…)
沙賀里 「三洲次殿のその手……、
 ピアニストのような繊細さと剣闘士の様な力強さ……、
 見ているだけで身体が火照ってまいります……」
三洲次 「これで6等分だ……(シャクシャク…)
沙賀里 「その情熱的な手の動き、もう立っていられないくらい……、
 わらわはもう耐えられませんっ!!
三洲次 耐えられないのはこっちだ!!!
沙賀里 もう、どうしたらいいのでしょう?!!




書いてる俺が聞きたいよ......





ってか、これがゴルゴのネタだと分かる人はいるのか......?

 



3.ヒット・アンド・カティノ崩し




━━━━ 迷宮 入り口......


テール 「くじけずに金銀財宝探しを続けましょう」
三洲次 「俺、別の理由でくじけそう……」


今回はバラックに入ると、通路に出る前に......、


ガチャッ...!


...敵と遭遇。

??? 待っておったぞ!!
??? 今日がおまえらの命日となるのだっ!!
   
三洲次 「え…?」


トライチップ 「お、おい!
 なんか変なのが現れたぞ?!」
テール 「どこの占い師の集団ですかな?」
トライチップ 「会った途端、今日が命日とか言い出す占い師って、すげぇイヤなんだけど……」
三洲次 「あいつらはガリアンメイジだ。
 あいつらも海賊団だよ」
トライチップ 「え?
 あれ、海賊なの?!」
三洲次 「あぁ」
   
メイジA きさまらはこの部屋から生きて出ることはできん!!
メイジB おのれらの愚かさと無力さを痛感しながら、地獄へ落ちるがよい!!
   
トライチップ 「な……なんか、すごい強気だな……」
三洲次 「口だけのザコだよ。
 心配するな」
テール 「どっちにせよ、財宝探しの邪魔ですな。
 とっとどいて頂きましょう」
   
メイジC ふん!
 その嘘の財宝話しに簡単に引っ掛かるほどのバカのくせしおって!
メイジD 戦闘でも貴様らはバカということを、タップリと分からせてやる!!
   
トライチップ 「今、なんか、サラッとすごいこと暴露してなかった……?」
テール 「我々がバカという下りですか?」
トライチップ バカはおまえだああぁぁっっ!!!
   
メイジE さぁ、おまえらの旅をここで終わらせてやろう!!



ま、楽勝な相手なので、戦います。



戦い方はこれまで通り。
魔法使いがカティノで相手を眠らせつつ、前衛が敵をたたっ斬ります。


では、戦闘開始!!

三洲次 ネックっ!!
 カティノで相手の動きを封じろっ!!
ネック 「は…はいっ!」
メイジA 愚か者っ!!
 その手はお見通しだっ!!
三洲次 「え…?」
メイジB カティノの使い手さえいなくなれば、
 おまえらなどモノの数ではないわっ!!
三洲次 「なにっ…!?」


ネック くはぁぁっ!!!
三洲次 !?
トライチップ 「ネ、ネックが…っ!?」
メイジA もう1発っ!!
 これで決まりだっ!!
三洲次 「ちっ…!(さっ!)


メイジA うがあああぁっ!!!
三洲次 「間一髪っ!!」
   
メイジB 「なっ…!
 なんというスピード…!?」
メイジC 「こ、こいつだっ…!!
 こいつが例の助っ人だっ!!」
   
ネック 「こふぉっ…!」
トライチップ 「ネック!!
 大丈夫かっ?!」
沙賀里 「ネック…!!
 大丈夫ですか…!?」
ネック 「うぅ……
沙賀里 「もはや……手遅れ………、
 せめて最後に……別れのキスを………」
ネック 「キス…?!」
トライチップ 「勝手に殺すな……」
心々 沙賀里いぃっ!!!
 バカなこと言ってないで、
 さっさと攻撃しろおおおぉっ!!!
沙賀里 分かりましたわっ!!
 ネック!!!
 あなたの死を無駄には致しませんっ!!!
ネック 「あの……まだ……生きて……ます………」
沙賀里 あなた達っ!!!
 覚悟しなさいっ!!!


沙賀里 許しはしませんわぁっ!!(ドガッ!)
メイジB ぐはぁっ!!
   
メイジC 「なんだ、こいつ!?」
メイジD 「排除しろっ!!」


沙賀里 おほほほほほほっ!(ぴょん!)
メイジC 「く…くそっ……!」


沙賀里 お~~ほほほっ!!(ひょいっ!)
メイジC 「ち…ちくしょうっ……!!」

三洲次 「なんなの……あの人……?」
トライチップ 「早く慣れてください……」
心々 「ってか、今が攻撃のチャンスだな!」


心々 「あれ……?」

三洲次 「君たち……今までよく戦闘で勝ってこれたね……(汗)
トライチップ わしの心労、分かっていただけますか?!
テール 「まぁ、今の内に敵の動きを封じるのが良いかと」
三洲次 「ネック、カティノいけそうか?」
ネック 「はぁ…はぁ……、な……なんとか……」


いきなりのハリトに驚いたのか、
珍しくネックの動きが一番遅くなった。


が、さすがである。
見事に敵を全員眠らせた

三洲次 「負傷しながらでスゴイね……」
テール 「ネックは呪文の腕は一流ですから」
トライチップ 「ぶっちゃけ、ネックがいるから今までやってこれたと思うぞ……」



─── 2ターン目


ネックH.P.がヤバイので、ディオスで治療。


後はいつも通りでいく。

テール 「1人起きてきましたぞ」
三洲次 「もう1度眠らせればいいよ。
 ただ、その前に彼を治療しないと」
沙賀里 「どうぞお任せ下さい」


沙賀里 あぁ、ネック!!
 なぜ、死んでしまったのっ?!
ネック 「あの……生きてます………」
トライチップ 「そんなに殺したいの?」
沙賀里 でも、心配はいりませんわっ!!
 わらわの口付けで、そなたを蘇らせてみせましょう!!
ネック 「口付け…?!」
三洲次 「カドルトの存在意義とは……?」
沙賀里 「愛する男を失った女は、その傷心に打ち震えながらも、
 柔かくふくよかな唇を徐々に男の顔に近付け…」
三洲次 「変なナレーション好きだね……」
沙賀里 「やがて薄く濡れた2つの口が長旅を終えた舟が岸に付くかの様に…」
心々 ふざてる場合じゃねぇよっ!!(ボカッ!)
沙賀里 ふぉごぉっ!!
心々 とっとディオスを唱えろやっ!!!
沙賀里 わらわが殿方に浮気をしたからと言って、
 嫉妬心から殴ることないではありませんかっ!!?
心々 違うっ!!!
沙賀里 わらわはいついかなる時でも、本命である心々のことを…
三洲次 &
トライチップ
「「早くしてくんないかなぁ?!!」」


ネック、完全復活!!

ネック 「あ、すごい……治った……」
沙賀里 わらわが愛情を持って、雨の日も晴れの日も傍で看病をしてきた結果でございますわっ!!
三洲次 「今、一瞬で終わったよ」
   
メイジD 「くっ……くそっ……!」
   
三洲次 ネックっ!!
 あいつの動きを封じろっ!!」
ネック 「は…はいっ!!」


さすがネック、バッチリ眠らせる!!

三洲次 よしっ!!
 心々、片付けるぞっ!!
心々 任せなっ!!



トライチップ 「心々が寝てる敵を倒せるようになってきたな」
沙賀里 「あぁ……女の嫉妬心は……かようにも人を狂暴にする……!」
心々 「………もう1発いくか?」



─── 3ターン目


三洲次 「このターンで仕上げよう!!」
沙賀里 ネック!!
 あなたの仇は絶対にとってご覧にいれますわっ!!
ネック 「あの……だから生きてます………」



沙賀里 ネック!!
 仇討ちを見事にやり遂げてみせました!!
 遠く天国から見ていてくれましたか?!
ネック 「隣で見てました」
   
三洲次 「あいつ、いちいちウザいんだけど……?」
トライチップ 「スルー力を身に付けてくだされ……」


勝利っ!!


テール 「あやつら、宝箱を持ってましたぞっ!!
 もしや、例の財宝を見付けてネコババしようと…」
トライチップ テェェェルゥゥっ!!
テール 「はい?」
トライチップ あいつらの言葉を聞いてなかったのかっ?!
テール 「ご神官様がバカという下りですか?」
トライチップ バカはおまえだあああぁぁぁっ!!!
テール 「まったく失礼な奴らですな」
トライチップ その言葉、フルスイングでおまえに叩き付けてやるっ!!!
テール 「ま、赤の他人の暴言など忘れて、
 金銀財宝が入ってるかも知れない宝箱を…」
トライチップ その金銀財宝の話しは、わしらを釣るための餌だあああぁぁぁっ!!!
テール 「え?
 あ……いや、今のは「餌」と「え」をかけた高度なギャグではなくて…」
トライチップ 高度なのはおまえの知能の低さだあああぁっ!!!
テール 「なにを禅問答みたいなことを……」
トライチップ ってか、きさま、まんまと海賊どもの罠に引っ掛かりやがってっ!!!


心々 「罠に引っ掛かっちまった……」
トライチップ バカなのかっ!?
 揃いも揃ってバカなのかっ!!?


心々 「ほへ…?」


心々 「あ……が……ぎ………」
トライチップ 「………………………………………(汗)
三洲次 「とりあえず、キャンプを開いて一旦落ち着こうか……」



━━━━ キャンプ


三洲次 「レベル3ってことは、ディアルコはまだ覚えてないか」
沙賀里 「はい」
ネック 「町に戻って寺院で治すしかないと思います」
トライチップ 「まさか……また金が飛ぶのか………」
テール 「それよりも、宝箱の中は何でしたか?
 金銀財宝がザックザックでは…?!」


沙賀里 兜がザックザックと!!
三洲次 「1個だよ」
テール 「では、金貨の方は…?」


沙賀里 金貨がザックザックと!!
三洲次 「チョロっとだよ」
テール 「すると、いつもの海賊の宝箱だったのですか?
 残念……」
トライチップ ってか、その話しは作り話だと確定してんだろっ!!!
 出る訳ないわっ!!!
テール 「そんな……」
トライチップ と言うか、テェルゥ…!!
テール はい……?
トライチップ きさま、また下らん悪事を提案してきやがってぇぇぇぇ!!!
テール 「いや……その………(汗)
トライチップ 覚悟はいいだろうなああぁぁっ!!!
テール 「ひぃ……(汗)
三洲次 「ウダウダしてると別の魔物が来るし、
 治療のためにも早く町に戻ろう」
トライチップ 「ぬぅ………仕方ない………」
テール 「ほっ………」








━━━━ カント寺院


トライチップ 「300G.P.も寄付を要求してきやがった……。
 わしらほぼ一文無しなのに……」
三洲次 「しょうがない。
 俺が多少は持ってるから、ここは払っておこう」
トライチップ 「大先生、世話になってばかりで申し訳ないです……」


三洲次に支払ってもらい、心々を治療する。

まぁ、三洲次も500G.P.強しか持ってないので、手痛い出費なのだが......。


麻痺は確実に治るので、これにて治療は完了

心々 「いやぁ~、面目ねぇ」
トライチップ 「大先生にちゃんと礼を言っておけよ」
心々 「助けてもらってばかりで、申し訳ねぇ」
三洲次 「まぁ、いいよ。
 それより罠の解除が目立ってきたから、気を引き締めてくれよ」
心々 「うぃ」
トライチップ 「ってか、解除の腕が落ちてきたんじゃないのか?」
心々 「それはねぇよ」
トライチップ 「どうして?」
心々 「だって…」



心々 「…レベルアップしたから」
トライチップ あんな結果しか出してないのに、
 何をもってレベルアップしたって言うんだぁぁっ!!?
心々 「なはははははは…」
テール 「今後の為にも、是非腕を上げていただかないと、我らの被害が増えるばかりですぞ」
トライチップ ぁあ?!
 テェーーールッ!!!
テール はい……?
トライチップ 元はと言えば、おまえが海賊どもの罠に、
 あっさり乗っかったのが全ての元凶だろぉがぁぁっ!!!
テール 「いや、でも、ご神官様も乗り気でしたし……」
トライチップ 口応えするなああああぁぁぁっ!!!
 もはや今度という今度は許さんっ!!!
テール 「ひぃ…っ!?」
トライチップ そこに直れえぇぇっ!!!
 このメイスの錆びにしてくれるわああぁぁぁっ!!!
テール ……そんな……、
 お…お許しおおおおぉぉ!!(だだだだ…)
トライチップ メイスの錆びじゃああぁっ!!!(だだだだ…)
テール お許し下されぇぇぇぇぇ!!
トライチップ 待てえええぇぇ!!
テール お許しぉぉぉぉ!!
トライチップ メイスの錆びにしてくれるうぅぅっ!!
テール 「お許しをぉぉぉ……」
トライチップ 「待てええぇぇ……」
……… …………
……
   
   
三洲次 「何……? あれ……?(汗)
心々 「いつものことだよ」
三洲次 「いつもあんな事してるの……?」
沙賀里 「はい。
 早く慣れて下さい」
三洲次 「このパーティーに慣れるのに、時間がかかりそう……」

 

 

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名前 LV H.P. コメント
三洲次 7 60 18 18 18 18 18 17 0 1 今回も他パーティーの支援に入る。頼りにしてますよ。
心々 4 14 12 10 7 12 12 13 0 2 何気に今回全能力がアップしている。今後の活躍に期待だな。
沙賀里 3 16 10 10 12 10 10 11 0 2 おまえ心々よりボーナスポイント高かったはずなのに色々抜かれてるぞ。
羅無市 3 13 14 9 7 10 12 10 0 1 あぁ!兜装備できる人いないから売っちゃったけど、先生が未装備だった!
ネック 3 7 8 15 11 10 14 8 0 1 何気に素早さがパーティー1番なんだな。まぁ、重要ですよね。
トライチップ 3 19 7 9 13 12 10 15 0 0 絶対前衛の方が向いている…と思ってたけど、力が弱すぎるな。
テール 3 9 6 13 14 11 12 9 0 0 おまえがパーティートップの信仰心ってホントかよ…。

アイテム入手:10/109


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2025年 9月13日:第2節まで公開。
2025年 9月 6日:第1節まで公開。