33.悪銭身に付かず

【登場人物】  
トライチップ 悪パーティーのリーダーを務める悪徳神官。
テール 金の為にはあらゆる悪事を躊躇わない悪徳司教。
心々 人々を護ることを志す用心棒チームのリーダー。
沙賀里 用心棒チームの1人。心々の幼馴染の変な巫女。
羅無市 用心棒チームの1人。剣の道に生きる男。
ネック 冒険に巻き込まれた気弱な呪文マニアのエルフ。

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━━━━ ギルガメッシュの酒場
     店の片隅で...

テール 「ご神官様、新しい悪事を考えて参りました」
トライチップ 「今度は大丈夫なんだろうな?」
テール 「はい。
 前回の失敗を反省して、今回は現実的な悪事にしております」
トライチップ 「ほぉ……珍しく殊勝な態度だな。
 それなら大丈夫そうだ。
 ちなみに、どんな反省を?」
テール 「我らは数々の悪事に手を染めているとは言え、まだまだレベル1のヒヨッコ。
 にも関わらず、前回は『地上げ』などと言う難易度の高い悪事をしようとしました」
トライチップ 「うん、おまえのせいでな」
テール 「しかし、スキルも実力も不足していたので、失敗して当たり前だったのです」
トライチップ そういう問題じゃなかったよね?!
テール 「世の中には順序というものがあります。
 小さな悪事から実績を積み重ね、少しずつスキルアップして、それから大きな悪事に取り組むべきなのです」
トライチップ 「まぁ、その考え方自体は悪くないと思うぞ」
テール 「ですので、今回は身の丈に合った悪事を考えてまいりました」
トライチップ 「なるほど。
 して、その身の丈にあった悪事とは?」
テール 「『カツアゲ』です」
トライチップ しょぼ!!
テール 「やはり我らはまだまだ小物。
 小物は小物らしい悪事をするべきかと」
トライチップ 「悪事のレベルの落差が大き過ぎて、耳鳴りがしてくるな……」
テール 「大丈夫ですか?
 耳鼻科に行かれますか?」
トライチップ バカ!! モノの喩えだと言ってるだろ!!」
テール 「これは失礼を」
トライチップ 「ってか、そもそもカツアゲは悪事じゃなくて、ただの軽犯罪だろ!!」
テール 何を仰られます!!
 悪事と犯罪は紙一重の関係!!
トライチップ 「表現おかしくね?」
テール 悪事とはほぼ犯罪であり、犯罪とはほぼ悪事なのです!!
トライチップ 「何言ってんの……?」
テール ゆえに犯罪ならば、それはもはや悪事と同義なのです!!!
トライチップ 「無理やり悪事にしようとしてない?」
テール 「ご神官様はカツアゲの神髄を知らぬから、その様な発言をなさるのです!!」
トライチップ 「神髄って何?」
テール 「よろしいですか、ご神官様?
 カツアゲには悪事の基礎が全て詰まっております」
トライチップ 「どこら辺に?」
テール 「ご説明致しましょう。
 まず、カツアゲをする場合、相手にナメられてはいけません。
 ですので、
 相手を威圧する態度、
 相手を委縮させる睨み、
 相手を震え上がらせる声、
 そして相手を意のままに操る話術……、
 ……これらが求められます。
 これらはどの様な悪事においても求められるスキルなのです」
トライチップ 「そうかなぁ…?」
テール 「よってカツアゲを通して、悪事の基礎を習得することが出来るのです!
 これこそが、カツアゲが『トレーニング・オブ・悪事』と言われてる所以でもあるのです!!」
トライチップ 「『トレーニング・オブ・悪事』って、今、初めて誕生した言葉だと思う」
テール 「カツアゲが如何に重要な悪事か、ご理解いただけましたか?」
トライチップ 「全然」
テール 「そうですか。
 まぁ、百聞は一見に如かず。
 実践してみれば分かります。
 と、言う訳で、さっそく迷宮に…」
トライチップ 「やだ」
テール 「え?」
トライチップ 「カツアゲなんてショボ過ぎる。
 それにそんな悪事、すぐにバレて、オヤジに叱られて終わるのが関の山だ」
テール 「そこは心配ご無用です。
 このテールに抜かりはございません」
トライチップ 「これまで全部抜かってるけど?」
テール 「ちゃんと対策を考えてあります。
 悪事がバレることは絶対にあり得ません」
トライチップ 「そうなの?
 どんな対策するの?」
テール 「死人に口無し、相手を殺すのです」
トライチップ いきなり悪事のレベルを爆上げしないでくれるっ?!
 しかも金品を奪って殺すって、以前やった『辻斬り』と大して変わらないじゃん!?
テール 何を仰られますか?!
 全然違うではありませんかっ!!
トライチップ どこがだよ?!
 説明してみせろよ!!
テール 「よろしいですか?
 辻斬りは、まず相手を殺し、その後に死体から金品を奪います。
 今回のカツアゲはまず金品を奪い、それから口封じで相手を殺すのです。
 順序が違います」
トライチップ そういう問題?!
テール 「ご神官様、『結果より過程が大切』です」
トライチップ その言葉の使いどころって合ってる?!
テール 「まぁまぁ、相手を殺すのはほんのおまけですので…」
トライチップ おまけの方が明らかに重いんだけど?!
 ってか、バレたら縛り首だよ?!
 それならオヤジに怒られた方が何百倍もマシだわ!!
テール 「な~に、抵抗したから殺したと言えば、正当防衛になりますって」
トライチップ どう考えても正当防衛は相手の方だろ?!
 カツアゲしなけりゃいいじゃん!!
 そうすりゃ相手は抵抗しないんだからっ!!
テール 「なんか話しがおかしくなってきてませんか?」
トライチップ なってねぇよっ!!
 わしが何か間違ってるとでも!?
テール 「あのですねぇ、そもそも悪事で金を稼ぎたいと言い出したのは、ご神官様ですよ?」
トライチップ ……
 いや……まぁ、そうだけど………」
テール 「カツアゲでしたら、基礎的なスキルだけで金を稼げますので」
トライチップ 「なんか……うまく言いくるめられてる気がする………」
テール 「ともかく、今回はカツアゲで一財産稼ぎましょう」
トライチップ 「カツアゲだけで一財産築いたら、それはそれでスゴイけどさ……」
テール 「では、さっそく迷宮へ出発ですぞ」
トライチップ 「迷宮内にカツアゲする相手なんているか?
 海賊ぐらいしかいないだろ?」
テール 「何を仰っているのです。
 昆布やらアナコンダやら、いっぱいいるではありませんか?」
トライチップ 「おまえ、カツアゲが何か、分かってる……?」

 



【目次】

1.金を出しな

2.宝箱を出しな

3.飛んでみな

4.跳んでみな

5.むしろ金が出ていく




1.金を出しな


━━━━ 迷宮 入り口......


心々 「今度は何をしに行くんだ?」
テール 「『カツアゲ』でございます」
心々 「しょぼ………」
テール 「毎回ご神官様と同じ反応でございますなぁ」
トライチップ 「だから、それが普通なんだって」
心々 「いい歳してカツアゲって、情けなくねぇか?」
テール 何を仰います!
 カツアゲは悪事の基礎!!
 カツアゲを知らずして悪事を知ること無し!!
トライチップ 「テキトーな格言をデッチ上げるの好きだよな」
テール 「この迷宮で片っ端からカツアゲをして、大金をせしめるのです」
心々 「迷宮の1階って、海賊ぐらいしかいねぇけど?
 あいつらがカツアゲに応じる訳ねぇだろ」
テール 「なぁ~に、命がかかっていると分かれば、素直に金を差し出しましょう」
心々 「命がかかってる……って、誰が脅かすんだ?」
テール 「もちろん心々たちでございます」
心々 「うちらはボディガードだぜ?
 ボディガードの仕事を何だと思ってんだ?」
トライチップ 「至極真っ当な反論だ」
テール 「雇い主の指示に従い、相手を脅すのも用心棒の仕事では?」
心々 「ギャングの下っ端とゴッチャになってねぇか?」
テール 「まぁまぁ、本当に斬り付けたりする必要はございません。
 刃物をチラつかせるだけで十分でございますから」
心々 「じゃぁ、相手が金を出したら、そのまま逃がしていいんだな?」
テール 「金を出した後は、口封じのために殺して下さい」
心々 「意味が分かんね」
トライチップ 「わしもそう思う」
心々 「それだと以前やった辻斬りと変わらねぇし」
トライチップ 「わしもそう思う」
心々 「ってか、うちらの仕事を何だと思ってんだ?」
トライチップ 「わしもそう思う」
テール 「さっきから、ご神官様はどちらの味方でございますか?」
トライチップ 「どっちでもなく、ただ思ったままを口にしているだけだ」
心々 「まぁ、海賊どもなら、喜んでぶっ倒すけどな」
トライチップ 「いきなり異論派をわし1人だけにしないでくれる?」
テール 「では、話しもまとまったところで、出発でございますぞ」
トライチップ 「出発前って、いつもわしだけ孤立するのは、気のせい……?」



━━━━ バラック......


トライチップ 「結局、今回もバラックかよ」
心々 「ここが入り口に近く、しかも海賊どもに遭いやすいからな」


心々 「じゃ、また部屋を1つ1つ回って行くか」
トライチップ 「なぁ、テールや?」
テール 「はい?」
トライチップ 「これって『カツアゲ』じゃなくて、やっぱり『押し込み強盗』って言わない?」
テール 「前回の地上げで、ここら辺の部屋は誰のモノでもなく、国の所有地と分かりました。
 いわば公道と同じございます」
トライチップ 「同じ……か?」
テール 「公道ですので、『押し込み強盗』とは違うのでございます」
トライチップ 「なんか腑に落ちないけど……まぁ、一旦分かったよ」
テール 「では、さっそく入りましょう」


ガチャッ...!        ← 扉を開けた音



海賊A 「む?!
 誰だ!?」
海賊B 「え…?」
   
テール 「さっそくカモを見つけましたぞ」
トライチップ 「マジでやるの?」
テール 「まぁ、ここはこのテールめにお任せを」
   
海賊C 「なんだ、てめぇら?!」
テール 「よぉよぉ、兄ちゃんたち、いいところで会ったな」
海賊D 「は…?」
テール 「なぁなぁ、金を持ってねぇかなぁ?」
海賊E 「はあ??」
テール 「ちょっとでいいからよぉ~、金を貸してほしんだけどよぉ~」
海賊A 「なんだ、てめぇ?」
海賊B 「ふざけたこと言ってんじゃねぇよ」
テール 「いいから早く財布ごと寄越しなって!」
海賊C 「なんだ? こいつ…?」
海賊D 「頭がおかしいんじゃねぇのか?」
   
心々 「まともに取り合ってもらえてねぇんだけど……?」
トライチップ 「あれのどこに悪事の基礎が詰まってるんだ……?」
   
海賊E 「うぜぇから、どっか行きなっ!!」
テール 「おいおい、そんなこと言っていいのかなぁ~?」
海賊A 「あ?」
テール 「素直に金を出さねぇと、イタイ目を見ることになるぞ」
海賊B 「はぁ…?」
海賊C 「いつまでもふざてると、てめぇの方こそイタイ目を見るぞ!」
テール 「後悔しても、後の祭りだぜ?」
海賊D 「いいから早くどっか行けって!!」
海賊E 「しっ、しっ!」
   
心々 「全然相手にされなかったな……」
トライチップ 「そして、何の成果も出さずに戻って来やがった」
テール 「まったくもって聞き分けの悪い奴らですな」
トライチップ 「悪事の基礎はどうした?」
テール 「とは言え、ここまでは計算内」
トライチップ 「どんな計算だよ……」
テール 「カツアゲというのは、拒否されてからが本番でございます」
トライチップ 「もうエンディングにしない?」
テール 「この状態から如何に金を巻き上げるか……そこが腕の見せ所なのです」
トライチップ 「おまえにそんな腕あるの?」
テール 「それでは、心々、あいつらを痛めつけてやって下さい」
トライチップ 「まさかの他人任せ」
心々 「仕方ねぇなぁ……」
トライチップ 「仕方ないか…?」


海賊A うごぉっ!!
海賊たち 「「え…?」」
心々 「へっ…!」
テール 「素直に金を出さないとイタイ目を見ると言っただろ?」
海賊B こいつらふざけやがって!!
海賊C 殺っちめぇっ!!!


心々 ふぎぃっ!!
テール ぃっ!!?


羅無市 「むっ…!?ばっ!


羅無市 「くっ…!?」


羅無市 「無名流…………裏・扇風斬りっ!!」
海賊B ぐほわあああぁぁっ!!
   
ネック 「ひい?!


沙賀里 おほほほほほほほっ!!(ドガッ!)
海賊C ぐほわあああぁぁっ!!
ネック  ((\(>皿<;)/)) ワタワタ「ひぃ
沙賀里 素直に金タ○を出さないと、イタイ目を見るわよぉ~~!
海賊たち 「「な、なんだ、こいつ?!」」
   
トライチップ 「なぁ、テールや?」
テール 「はい?」
トライチップ 「カツアゲって、こういうものだっけ……?」
テール 「ちょっとイメージしていたのと違いますな」
トライチップ 「これ、ただの乱闘になってない……?」
テール 「なってますな」
トライチップ 「なんで他人事なんだよ……?」
ネック  ((\(;>O<)/)) ワタワタワタワタ
トライチップ 「わたわたしていないで、早くカティノ(催眠呪文)で場を鎮めてくれないかな?」


最後の最後にやっとカティノが飛ぶ。

珍しく遅かったな。


─── 2ターン目


海賊A 「うぅ……
海賊D 「むぅ……
   
トライチップ 「もう2人も起きてきたぞ……」
テール 「では、またカティノで眠らせるだけですな」
トライチップ 「カツアゲってそういうのだっけ?」
テール 「その方が口封じがしやすいですので。
 では、ネック、頼みますぞ」
ネック 「カティノ!カティノ?!カティノっ!?カティノ!!(わたわた…)


トライチップ 「ネックがテンパってて、全然ダメなんだけど……?」



海賊A 「く……くそっ!! 引き揚げろっ!!」
海賊D 「て、てめぇらっ!!
 覚えてろよっ!!」
   
トライチップ 「しかも逃げ出しちゃった……」
テール 「これがカツアゲの神髄でございます」
トライチップ 「どこが…?」
テール 「あれだけ強がっていた奴らが、運んでいた宝箱を置いて逃げましたからな」
トライチップ 「おまえ……物事を前向きに捉え過ぎだろ………」
心々 「ちっ! 逃すかってんだっ!!」


心々 「ありゃ…?」
トライチップ 「完全に相手を逃しちゃってるよ……」
テール 「ま、品物は頂いたので、あんな奴らにもう用はありません」
トライチップ 「口封じはどこ行った……?」



─── 3ターン目


テール 「先生、もう片付けてしまって下さい」


羅無市 「寝ている者を襲うなど、悪党のやること………」
トライチップ それはもういいって!!!
テール 「カツアゲしている時点で、我らは立派な悪党でございますぞ?」
トライチップ 悪党と言うよりただのチンケな不良だわっ!!!
心々 「ま、あいつはうちが片付けてやる」
テール 「頼みますぞ」
心々 海賊達には払っても払いきれねぇほどの借りがあるからなっ!!


海賊E ふぎゃああぁっ!!
心々 正義は勝つ!!!
   
トライチップ 「正義だってよ?」
テール 「海賊を退治する正義のパーティーとは仮の姿、
 その正体はカツアゲで小銭を稼ぐ小悪党の集団……」
トライチップ フツー逆だろっ!!!


ま、勝利です。



テール 「さて、カツアゲで手に入れたお宝を頂いてしまいましょう」
トライチップ 「カツアゲじゃなくて、先生たちの活躍のおかげだと思う」
テール 「心々、頼みますぞ?」
心々 「うぃ~す」


心々 「ふ~~ん……毒針が仕掛けてあるな」
沙賀里 「毒針……?」
トライチップ 「何、それ?」
心々 「うかつに開けると、開けた者に毒が塗られた針が飛んで来るんだ」
沙賀里 「その毒は媚薬ですか?」
心々 全然違うっ!!
トライチップ 「針は開けた人だけに……?」
心々 「あぁ」
トライチップ 「じゃ、今回は安心して見てられるな」
沙賀里 「ここで応援しておりますわ!」
心々 「まぁ、判定が間違ってて、爆弾だったりするかも知れねぇけど」
   
   
トライチップ 「頑張れー!」
沙賀里 「信じてますわよー!」
   
   
心々 逃げ足早いなぁっ!?
 ってか、信じてる人間の取る距離じゃねぇだろっ!!



心々 「む~~………(カチャカチャ…)
   
   
トライチップ 「…………………………………………」
沙賀里 「…………………………………………」
   
   
心々 うぉっと
   
   
トライチップ  ビクゥ…
   


   
トライチップ 「どうしたんだー!?」
   
心々 「罠を外し損ねただけだ、心配すんな」



まぁ、これが出たってことは、罠は「毒針」で合っているってことだ。

さぁ、2連続での成功を目指して頑張ろう!!




心々 よっしゃぁっ!!


お見事!!
2連続罠の解除に成功!!!

最初の頃がボロボロだったから、ビクビクだったよ。


心々 「さてと、中身は……」
トライチップ 「えぇと……(ごそごそ…)
沙賀里 「まぁ……わたしが取ろうとしましたのに……」
心々 おめぇら、いつの間に戻って来た?!
トライチップ 「お!
 なんか武器が入っているぞ。
 おい、テール、鑑定してくれ」
テール 「お任せ下さい」


テール 「ふむ……見た目は脱穀用の農具の様ですな……。
 長いこん棒の先端に、鉄製の棒がぶら下がっております。
 つまり、これは……」


テール 「…フレイルでございます」
トライチップ 「強いのか?」
テール 「僧侶や司教向けの武器で、メイスよりも若干ですが強いです。
 ただ、振り回して使う分、打撃力に安定性が無く、メイスよりもダメージが不安定でございます」
(※) フレイルの方が最大ダメージは1大きいが、ダメージの振れ幅がメイスよりも2大きい。
トライチップ 「つまり長所短所があるってことか……」
テール 「ちなみに、ボルタックでの買取価格は150G.P.でございます」
トライチップ 「お、なかなか高値で売れるではないか」
テール 「今使っているメイスと戦力的に大差が無いのでしたら、
 売って資金にする方が良いかと存じます」
トライチップ 「そうか。
 じゃ、それは売って、金にしよう」
テール 「かしこまりました」
トライチップ 「150G.P.は、今の我々には大金だしな」
テール 「如何にカツアゲが稼げる悪事か、これでご理解頂けましたでしょうか?」
トライチップ 「カツアゲは全然効果無かった気がするけど…?」



ま、戦利品を手に、町へと帰還しましょう。




━━━━ ボルタック商店


けっこうイイ値段で売却

まぁ、でも、前衛沙賀里(僧侶)に装備させた方が良かったのかも知れないけどさ。
今さらだが......。

 




━━━━ 冒険者の宿......

さて、前回の心々、先生のレベルアップにつづき、
今回は僧侶2人レベルアップしました!!


─── 沙賀里(僧侶)


おぉっ!!!

続々と能力アップし......ちょっと待てっ!!!

一番肝心な信仰心だけ下がってるじゃないかっ!!!

さすがエセ巫女!!!


呪文はカルキ(パーティーのACダウン)ミルワ(短時間の照明)習得!!

どちらもほぼ使わないが、2つも覚えたことで、
ディオス(治癒呪文)使用回数+2回増えたことが大きい。


─── トライチップ(僧侶)


一瞬全能力アップかと思ったが、運の強さだけダウンしていた。
とは言え、悪くはないレベルアップであろう。
さすが一応リーダーである。


呪文はバディオス(攻撃呪文)を習得。

まぁ、今はディオスが生死を別ける重要な呪文なので、
バディオスを使う余裕はまだ無いけどね。




相変わらずトライチップパーティー最大のH.P.キープ
さすが武闘派の僧侶である。





2.宝箱を出しな


━━━━ 迷宮 入り口......


テール 「では、この調子でどんどんカツアゲして、
 バリバリと金を稼ぎましょう」
心々 「じゃ、今日もバラックへ向かうか」



ガチャッ...!


ガチャッ...!





心々 バック!! バックだっ!!
トライチップ 「え?」


バタンッ...!

逃走成功。

トライチップ 「どうしたんだ…?」
心々 「クローリングケルプが居やがった」
トライチップ 「例の昆布?」
心々 「あぁ。
 戦ったって何のメリットも無ぇからな」
トライチップ 「まぁ、1回誰か死んでるし」
心々 「うっせぇよ」


心々 「そろそろどっか行ったろうから、もう1度入ろう」


ガチャッ...!



心々 「ん~~………」
トライチップ 「どうした?」
心々 「さっきの奴らはどっか行ったけど、
 今度は蛇が大勢たむろしてるぞ。
 まぁ、さっきもケルプたちと一緒に居たのかも知れねぇけど」
テール 「つまり新しいカモって訳ですな」
心々 「え?」
テール 「では、さっそく……」
心々 「…??」
   
大きな蛇たち 「「シュゥゥゥ……ッ」」
テール やいやい、てめぇら!
大きな蛇たち 「「シュ…?」」
テール 大人しく金を出しなっ!!
大きな蛇たち 「「シュゥ??」」
   
心々 「あいつ、蛇を相手に何を始めたんだ?」
トライチップ 「カツアゲじゃね?」
心々 「蛇だぜ?」
トライチップ 「知ってる」
心々 「できんの?」
トライチップ 「知らん」
   
テール 痛い目を見たくなかったら、素直に金を出しなって言ってんだよ!
大きな蛇たち 「「シュゥ???」」
   
心々 「何がしてぇんだ、あいつ……(汗)
トライチップ 「前からバカだとは思ってたけど、あそこまでバカだったとは……」
   
大きな蛇たち 「「シャアアアァァァッ!!」」
テール 「ちっ…!
 そうやって反抗的な態度をとってるとどうなるか、タップリと分からせてやるからなっ!!
   
トライチップ 「あいつのバカさ加減をタップリ分からされたな……」
心々 「戻ってきたぜ」
テール 「それでは先生方、軽く痛めつけてやって下さい」
トライチップ 「アホか」
テール 「え?」
トライチップ 「あいつらを痛めつけたところで、金なんて出て来るかよ」
テール 「それは分かりませんぞ」
トライチップ 「分かれよ」
心々 「だけど蛇が居るってことは、海賊どもが宝箱を隠してあるってことだ。
 だから宝箱を探せば、きっとそこに金があるぜ」
テール 「なんですと?!
 それでは、あらためて……」
トライチップ 「また蛇の方へ行っちゃった……」
   
テール やいやい、てめぇら!!
 大人しく宝箱をこっちに寄越しなっ!!
大きな蛇たち 「「キシャアアアァァッ!!」」
   
心々 「あいつ、蛇をなんだと思ってんだ……?」
トライチップ 「さぁ……」
心々 「ってか、もう戻ってきやがった」
   
テール 「まったく話しになりませんな」
トライチップ 「おまえがだろ」
テール 「やはり軽く痛めつけてやりましょう」
トライチップ アホ!ボカッ!
テール いてっ!
 ご……ご神官様……?
 あの……痛めつける相手を間違えてませんか?」
トライチップ 「寝ぼけたこと言ってないで、2グループいるんだから、おまえもカティノを唱えるだよ」
テール 「え……?
 ま、まぁ、ご神官様のご指示とあらば……」


戦闘開始!!


いきなりテールカティノが飛ぶ!!

テール 「とりあえず寝かせました」
トライチップ 「やればできんじゃん」
テール 「お宝がかかっていますからな」
トライチップ 「ゲンキンな奴……」
心々 「じゃあ、ネック、おめぇも…」
ネック  (((;>m<))) ガクガクガク…
心々 それでいいから、早く唱えてくれっ!!


オーケー!
これで6匹とも寝たぞ!

心々 「よし!
 これで楽勝だな!」
トライチップ 「ちょっと待て」
心々 「え?」
トライチップ 「他も寝かせたの?」
心々 「あぁ。
 まずかったか?」
トライチップ 「まずかったと思うぞ」
心々 「なんでだよ?」
トライチップ 「だって、心々、おまえってさぁ……」


トライチップ 「…相手が寝ると、むしろ攻撃が当たらないだろ」
心々 「…………………………………(汗)
トライチップ 「しかもさぁ……」


羅無市 「寝ている相手に剣を立てるなど、卑劣漢のやること……」
   
トライチップ 「先生が攻撃してくれなくなるんだよ?」
心々 「う~~ん……」


沙賀里 おほほほほほほほっ!!(ドガッ!)
   
トライチップ 「あいつは寝てる寝てない関係無いから、どうでもいいや」
心々 「う~~ん………(汗)



とりあえず、ノーダメージ1ターンを過ごせたのは良かったが......


─── 2ターン目


...1匹も倒せてないんだけど?!

レベル1~2って、マジで弱え!!!

トライチップ 先生っ!!!
 毎回言ってるけど、生きるか死ぬかの世界なんだから、
 敵が寝てる内に勝負を決めてくれっ!!!
羅無市 「…………………………………………」
トライチップ あと、心々!!
 頼むからおまえはちゃんと狙って倒してくれっ!!!
心々 「ベストは尽くすよ」
   
沙賀里 おほほほほほほほっ!!(ぶん!ぶん!)
   
トライチップ 「…………………………………………」
テール 「…………………………………………」
トライチップ 「…………………………………………」
テール 「沙賀里は指導しないのですか?」
トライチップ 「あいつはいい、放っとけ」



戦闘続行っ!!!

羅無市 「無名流………」


羅無市 「必殺……突風刺しっ!!」
   
トライチップ 「前回から気になってたんだけど、
 先生の必殺技の名前が文字数じゃなくなってない?」
テール 「レベルが上がって、必殺技のレベルも上がられたのでは?」
トライチップ 「で、どこら辺が突風なんだ?」
テール 「勢いよく刺しておりましたので、それでは……?」
トライチップ 「それだけ聞くと、なんか誰でも出来そうな気がするな………」


心々 「よーーーしっ!!
 倒せたぜっ!!」
   
トライチップ 「喝を入れないと働かないって、世話の焼ける用心棒たちだな……」
テール 「ホントですな」
トライチップ あいつらを雇ったの、おまえだからなっ!!?


沙賀里 おほほほほほほほっ!!(ドガッ!)
   
トライチップ 「喝を入れなくても働く点は良いけど……」
テール 「テキトーなのは何とかならんもんですかねぇ」
トライチップ あいつを雇ったのもおまえだあ!!!



─── 4ターン目


最初ちょっと敵の数が多いけど大丈夫か...?...と思っていたが、
まぁ、ここまで減らせれば、なんとかなるでしょう。



大きな蛇A シャアアァァ(スカッ…)
羅無市 「くっ……!?(すかっ!)
   
トライチップ 「先生がアナコンダ相手に苦戦してるぞ……」
テール 「やはり人間以外との戦闘は、まだ慣れていないのでしょう」
トライチップ 「ってか、ネック、あいつが攻撃する前に寝かせてくれよ」
ネック  ((\(;>m<)/)) ワタワタワタ…
トライチップ 「わたわたしてないでさぁ……」
ネック (/;>Д<)/)) 「カカカカティノノノノ…ッ!!」


トライチップ 「ネックも、やればできる奴なんだけどなぁ……」
テール 「あの苦手なモノが多い性格はなんとかなりませんかねぇ……」


トライチップ おまえは、なんで寝てる敵を満足に倒せないのだ?!
心々 なははははははっ!!
トライチップ 最近、笑ってごまかす様になったな!!


沙賀里 おほほほほほほほっ!!(ボガッ!)
大きな蛇B フィギャアァッ!!
   
トライチップ 「何気に沙賀里が一番魔物を倒してね?」
テール 「一番テキトーそうなんですがね……」
ネック  ┓┓⌒3 バタンッ! < う~~ん……
トライチップ 「…………大丈夫か、こいつ?」
テール 「苦手な蛇が苦手な血を出したら、まぁ、もう限界なのでは……?」



─── 5ターン目......


トライチップ 「残り2匹か……」
テール 「このターンで終わらせたいですな」
トライチップ 「先生、マジで頼んますよ……」
羅無市 (チャキッ!) 無名流………」


羅無市 疾風斬り……っ!!
   
テール 「おぉ!
 なかなかカッコイイ名前の技ですな!!」
トライチップ 「どこら辺が疾風だったんだ?」
テール 「勢いよく斬り付けていたからでは?」
トライチップ 「やっぱりそこなんだ………」


沙賀里 おほほほほほほほっ!!(ズボッ!)
大きな蛇C シュブァアァッ!!
   
テール 「やはり沙賀里が一番魔物を倒してますな」
トライチップ 「あいつ、『おほほほ』しか喋ってなくない……?」



まぁ、なんとか2グループ相手勝利ですよ。



心々 「見込み通り、宝箱があったぜ」
テール 「やはりカツアゲは実入りが良いですなぁ」
トライチップ 「あのカツアゲに何か意味あったか……?」
   
ネック  ┓┓ ~・。゚ < む~~……
   
心々 「じゃ、開けるぜ」


心々 「えぇと……(カチャカチャ…)
   
   
トライチップ 「頑張れー!」
テール 「応援してますぞ!」
沙賀里 「期待してますわー!」
羅無市 「……………………………………」
   
   
心々 部屋の反対側に逃げるって、
 おめぇら、どんだけ信用してねぇんだよっ!!!
   
ネック  ┓┓ ~・゚。 < う~~……


心々 「ふ~~む………(カチャカチャ…)
 あれ…?」
   
   
トライチップ 「どうしたー?」
沙賀里 「開きましたかー?」
   
   
心々 「ん~~………」
   
   
トライチップ 「どうしたんだよー?」
   
   
心々 「なんかよぉ、箱から導線が出てるんだけどよぉ……」
   
   
トライチップ 「え?」
   
   
心々 「その導線がよぉ……、
 なんかおめぇらのいる場所まで延びてるっぽいぜぇ」
   
   
トライチップ 「は…?」



トライチップ 「何を言ってるんだ……??」
テール 「ご神官様?」
トライチップ 「なんだ?」
テール 「すぐ後ろに箱がございます」
トライチップ 「へ?」
テール 「そして心々の言った導線が、その箱に繋がっております」
トライチップ 「はあ??」
   
   
心々 「あぁ、そうだ、言い忘れてたー!」
   
   
トライチップ 「なに?」
   
   
心々 「なんか解除にしくっちまって、スイッチを押しちまったんだ!」
   
   
トライチップ 「ほへ……?」
テール 「ご神官様?」
トライチップ 「なに…?」
テール 「火花が導線を走っておりますぞ」
トライチップ 「つまり………」


ズガアアアアァァンンンッ!!!



調べただけで爆弾が爆発しやがったあああぁぁぁっ!!!


心々って、やっぱり罠解除の素質無えええぇぇぇっ!!!!




なぜか離れていた先生、沙賀里、トライチップ、テールの方がダメージ

テール 「あががが……」
トライチップ ななな………なんでこっちに爆薬があんだよ!!
沙賀里 「凝った罠でございますわぁ……」
羅無市 「くっ………」
   
   
心々 「避ける様なビビリを狙った罠なんて、珍しい仕掛けだな!!」
   
   
トライチップ 解除に失敗しといて、なに感心してんだーーっ!!
   
   
ネック  ┓┓ ~・。゚ ~~……



一瞬またネックが死んだかと思ったが、ノーダメージで良かった.......。

トライチップ 「H.P.の低いネックは無事だったのか……?」
沙賀里 「あっちで気絶したままなのが功を奏しておりますわ」
テール 「世の中、何が幸いするか分かりませんな」
トライチップ 「こんな展開、読めるかってんだ……」



死者ゼロで良かったよ......。




テール 「ふむ……胸から背中にかけて革製の布で作られた胴鎧ですな。
 つまり、こちらは『かわのよろい』でございます」
トライチップ 「それよりも、治療してくれないかな?」



爆弾でダメージを喰らった面々のH.P.を回復する。


心々 「呪文を大量に消費したから、町に戻るぞ」
トライチップ 「半分はおまえのせいだからな……」





 




さて、ここでテール(司教)ネック(魔法使い)2人レベルアップ!!!


──── テール(司教)


司教としてはなかなか良いレベルアップかと。
欲を言えば、知恵も上がってほしかったところ。


──── ネック(魔法使い)


こちらも魔法使いとしては良い感じに能力が上がってくれた。
H.P.3アップし、まずは妥当な範囲に近付いたでしょう。

 



3.飛んでみな


━━━━ 迷宮 入り口......


テール 「カツアゲもだいぶ板に付いてきた感じですな」
トライチップ 「おまえのカツアゲ、まったく役に立ってないけど……?」
心々 「ま、出発しようぜ」



心々 「じゃ、また順番に回っていくか」


ガチャッ...!



心々 「お?
 何か空中に浮いてるぜ」
トライチップ 「なんか見たことあるな……」
テール 「ほぉ、幽霊ではございませんか」
ネック  (((;>Д<)))「ぼぼぼぼ僕、かかかか帰って、いいいいですか……?」
トライチップ 「ダメ」
ネック  (((;><)))「ひゃあ……」
心々 「さて、どうすっかな?」
テール 「ま、ここはこのテールにお任せ下さい」
心々 「え?」
   
テール 「よぉよぉ、ちょうどいい所で会ったぜ。
 ちょっと頼みがあるんだけどよぉ~」
見えざるモノ  ヒョォォォ…??
テール 「金を貸してくんねぇ~かなぁ~?
 返すつもりはねぇけどよぉ~」
見えざるモノ  ホォォォ…??
   
心々 「幽霊をカツアゲする奴って初めて見た」
トライチップ 「全世界の人類が多分そうだと思う」
   
テール 「なぁ、金を持ってんだろ?
 分かってんだからな」
見えざるモノ  ヒュォォォ…??
テール 「いいから、ちょっと飛んでみなって」
見えざるモノ  フォォォ…???
   
心々 「最初から飛んでね?」
トライチップ 「飛んでるのはあいつの頭のネジだ」
   
テール 「とぼけたフリしてねぇで、
 早く飛べってんだよっ!!」
見えざるモノ  フィィィ…????
   
心々 「あいつ、アタマ大丈夫か……?」
トライチップ 「アタマより心に問題を抱えてる気がしてきた………」
   
テール ラチがあかねぇなぁ!!
 もうなんでもいいから金目の物を出しなっ!!!
見えざるモノ  フシィィイ…!?


突如、見えざるモノたちは床に転がっていた金属の棒を飛ばしてきたっ!!


    シャッ…!
   
心々 「ぬわぁっ?!(さっ!)
   
テール 「ひいぃ…!?」
ネック  \(;>Д<)/「ひいぃぃ…!!」
テール 「"金"物って意味じゃなくてぇ?!」
   
見えざるモノ  ヒョオオオォォォ…ッ!!


羅無市 「むっ…!(さっ!)
   
ネック  ((\(>O<;)/)) ワタワタ…「ひいいぃぃぃ…!」
トライチップ わたわたしてないで、早くカティノを唱えてくれよっ!!
ネック  (;/>O<)/)))カカカティノッ!! カティノっ!! カティノォォォ!!!
トライチップ たった2匹相手に連発するなあぁっ!!!



トライチップ 「しかも1匹しか寝かせられなかった……」
心々 「やっぱお化けが相手だとダメだな、ネックは……」
トライチップ 「どうするんだよ、あの起きてる奴……?」
沙賀里 「真夜中の奇妙な魔物でお悩みですか?」
トライチップ 「は…?」
沙賀里 「地下室やバラックで見えざるモノに襲われたご経験は?」
トライチップ 「…??」
沙賀里 「あなたやパーティーが幽霊やダスターを見たことは?」
トライチップ 「…???」
沙賀里 「答えが“イエス”なら、じっとしてないで、神聖なる巫女にご相談を!」
トライチップ 「…………………………………………」
沙賀里  ニコニコ…
トライチップ 「心々、おまえが倒してくれる?」
心々 「うぃっす」


見えざるモノ  ササッ…!
心々 「ちっ…!
 すばしっこいな……」
   
トライチップ 「ダメかぁ………」
沙賀里 幽霊バスターズっ!!
トライチップ 「はい…??」
沙賀里 「礼儀正しく有能な巫女が、24時間いつでも幽霊を退治致します!」
トライチップ 誰が有能だ?! 誰が!?
沙賀里 「ご依頼を受ける準備はできておりますわ!」
トライチップ 「そうなの……?
 じゃぁ、退治してくれる……?」
沙賀里 「お任せ下さいっ!!」
トライチップ 「…………………………………………」
   
沙賀里 「こんにちわ、わららは沙賀里と申します」
見えざるモノ 「…………………………………………」
沙賀里 「どこから来たのかしら?
 ……ヨーロッパ?」
見えざるモノ 「しーー!」


沙賀里 「ダメ、ダメダメ、てんで取り合ってくれませんわ」
トライチップ 無能!!!
テール 「こうなると、最後に頼れるのは先生だけですな……」
トライチップ 先生っ!!
 マジで頼みますってっ!!
羅無市 「無名流………必殺っ!!」


見えざるモノ  ……シィパパパパ……ッ
羅無市 「神風払い……っ!!」
   
トライチップ 「やっぱり頼れるのは先生だなぁ…」
テール 「さすがでございますな」
トライチップ 「ところで、最初が突風で、次が疾風、今回は神風ってことは……」
テール 「レベル2は『風』で統一されてるっぽいですな」
トライチップ 「で、なにが『神風』だったんだ…?」
テール 「不死系を斬るのに人知を超えた力を使うのかも知れません。
 それで『風』系でそれっぽいのが『神風』なのでは?」
トライチップ 「あと、払ってたか、今の?」
テール 「厄払いとか悪魔祓いとか、そういう意味では?」



─── 2ターン目


1ターン1匹しか倒せなかった......。

2回攻撃が可能になるレベル5までは、この調子が続くのだろうか......?


トライチップ 「ネック、とりあえず寝かせてくれないか?」


ネック  ((\(;><)/)) ワタワタ…「カティノ!!カティノ!!カティノ!!」
トライチップ 「あちこち乱射するの、止めてくれる……?
 敵に届いてないし……」
   
羅無市 「む……!」
心々 「ふぁ~~……」
   
テール 「むしろ味方に影響がでておりますが?」
トライチップ 「ダメじゃん……」



羅無市 「ぬぅっ……!(よろよろ…)
心々 「く……!(ふらふら…)
   
テール 「睡魔に襲われて、攻撃の威力が落ちてますな……」
トライチップ 「当てただけでも褒めてやった方がいいかな……?」


ってか、前衛2人がかりで当てて、倒せないんかい......。

沙賀里 「やはりここはわらわの出番ですわね!」
トライチップ 「おまえはなんで平気なの……?」
沙賀里 「では、下がってください。
 わらわは聖職者です!」
トライチップ 「はぁ……」
   
沙賀里 覚悟するがいいわ、このデブ野郎!!
 とっ捕まえて、動物園の檻にぶち込んでやりますわよっ!!
   
トライチップ 「さっきと態度が180度違わない……?」


沙賀里 「任務完了! 勝負ありましたわね!!
 わらわの勝ちぃ!!」
トライチップ 「どこの動物園に送り込んだの……?
 今頃そこがパニックに陥ってたりしない……?」


たった2匹相手にこの調子では、先が思いやられる......。


テール 「おぉ!
 ご神官様!
 奴らのいた辺りに宝箱がございましたぞ!」
トライチップ 「そう言えば、この迷宮にいる幽霊は死後も財宝を求めて彷徨ってる、って言ってたな」
テール 「カツアゲの成果でございます!」
トライチップ 「カツアゲは相手を挑発しただけだったけど……?」
テール 「ささ、心々、頼みますぞ」
心々 「うぃ~す……(よろよろ…)
テール 「まだ目が覚めていないのでは?」
心々 「ちょっと待ってくれ……。
 (パシッ!パシッ!)
 ↑顔を叩いて目を覚ましている
トライチップ 「大丈夫なのか…?」
心々 「うっし!
 なんとか大丈夫だ」
トライチップ 「ホント……?
 以前、その状態で、調べただけで罠を発動させてなかったっけ……?」
心々 「レベルが上がってるから心配すんなって」
トライチップ 「全然信用できないんだけど……?」



心々 「ふ~ん……毒針っぽいな……」


心々 「これは簡単な罠だ。
 いけるぜ」
トライチップ 「マジ……?」


心々 「うっし!」
トライチップ 「マジだ……」
心々 「もう大丈夫だぜ」
トライチップ 「じゃ、中を見てみるか……」


トライチップ 「なんかオノが入ってるぞ」
テール 「さっそく鑑定致しましょう」



「いくさオノ」2本目!!

メインパーティーがあれだけ長くプレイしていて1度も出なかったアイテムなのに、
もう2個目を手に入れやがった!!!!

テール 「ほぉ、これまた高く売れる品ですな。
 やはりカツアゲは美味しい悪事でございます」
トライチップ 「カツアゲはまったく関係無くね……?」
テール 「さ、さ、さっそく換金しに参りましょう」
トライチップ 「それ、やっぱり『盗品の転売』と同じじゃない……?
 わしら、結局どんな悪事をしてるの……?」


カツアゲだろ。

ま、それはともかく、に戻りましょう。


 


━━━━ ボルタック商店


70G.P.で売却。

今のところ順調かな。

 



4.跳んでみな



━━━━ 迷宮 バラック......


テール 「我らのカツアゲもプロのレベルになってきましたな」
トライチップ 「カツアゲは全部失敗してるだろ……」
テール 「いえいえ、これはもうカツアゲのノウハウ本が書けるほど、スキルが磨かれてきているかと」
トライチップ 「むしろダメさが露呈していた気がするけど……?」
テール 「何を仰います。
 所持金がガンガン増えているではありませんか?
 これこそがカツアゲが成功している証拠でございます」
トライチップ 「カツアゲしなくても、所持金は増えてると思うよ?」
テール 「この調子でドンドン金や品物を巻き上げていきましょう!!」
トライチップ 「要は魔物を倒すんだろ?
 カツアゲはどうでも良くね……?」


ガチャッ...!


心々 「むっ……!」
トライチップ 「どうした?」


心々 「何かいる………」
トライチップ 「え…?」
テール 「新しいカモですな」
トライチップ 「またやるの?」
テール 「はい。
 どうぞ、お任せを」
トライチップ 「あんまり任せたくないんだけど……」
   
テール 「よぉよぉ!
 ちょっと頼みがあんだけどよぉ!」
???  …………………………………………
   
心々 「ってか、敵の姿が全然見えねぇんだけど……、
 あいつ、誰に話しかけてんだ?」
トライチップ 「やっぱり心の病気なのでは…?」
   
???  …………………………………………
テール 「金を貸してくんねぇかなぁ~?!
 返すつもりは無ぇけどよぉ~!」
???  …………………………………………
   
心々 「『貸して』ってのはカツアゲの常套句かなんかか?」
トライチップ 「『おまえのモノは俺のモノ』の派生語だろ」
   
テール 「お~い、何とか言えよぉ~!」
???  …………………………………………
   
心々 「そもそも会話が通じない相手では?」
トライチップ 「あいつ、会話の通じない奴ばかりカツアゲしてるよな……」
   
テール 「おい!
 無視してたって、金を持ってんのは分かってんだからな!!
 ちょっと飛んでみろよ!!
???  バッ!!バッ!!バッ!!
テール 「え……?」


敵の奇襲っ!!!

突如、床に転がっていたネズミのゾンビや古びた刃物が飛び上がると、
襲い掛かって来たっ!!!

心々 「なっ…!?」
テール 「ひいぃっ…!!」


心々 ぎっ!?
テール 「と……とと飛べって……そういう意味では……(汗)


心々 「く…くそっ…!ぱっ!


おいおいおい!!

こいつら、心々に集中攻撃をはじめたぞ?!


心々 ふぉごっ!!


ちょっと待って!!!!


心々 うぐわあああぁぁぁっ!!!



心々ーーーーーっ!!!



─── 通常ターン......


心々、まさかの死亡2回目っ!!!

悪パーティーの方で一応主役級のキャラなのに、
死亡回数が1人頭抜け出すとか、
なんてこった!!!

トライチップ おいおいおいおい!!
 心々が死んでしまったぞっ!?
テール 「まさかのまさかですな……」
トライチップ おまえが呑気に喋ってたからだろっ!!?
テール 「え…?」
トライチップ おまえが効きもしない脅しでチンタラやってるから、
 相手に攻撃する時間を与えて、こうなたんだろっ?!
 違うか?!!
テール 「いや……そんな………」
沙賀里 「そんなことよりも重要なことがございますわ」
トライチップ なんだ?!
沙賀里 「心々が死んだので、チップが前衛を務めることになりましてよ?」
トライチップ ええぇぇぇぇ……(汗)


トライチップ 「………………………………………(汗)
テール 「…………………………………………」
沙賀里 「…………………………………………」
トライチップ 「整いました………」
テール 「は?」
トライチップ 「今のわしの置かれた状況と掛けまして、テールのカツアゲと説きます」
沙賀里 「その心は?」
トライチップ 聞いてない(効いてない)!!
テール カツアゲのどこが効いてなかったのですかっ!!?
トライチップ むしろどこが効いていたんだよっ!!!
沙賀里 「その様なことはどちらでも良いですから、あのポルターガイストの方を何とかするのが先ですわよ」
トライチップ
& テール
「「おまえがまともな事言うなぁぁっ!!!」」


さて、僧侶2人とも前衛となったが、相手は不死系なので、
ディスペルで敵をまとめて解呪するのが良いであろう。



と、言う訳で、トライチップ(僧侶)にもディスペルで働いてもらう。
頼むから1匹ぐらいディスペルしてくれ、マジで!



残ったテール(司教)ネック(魔法使い)カティノで敵の動きを封じる。


これで、運が良ければ1ターンで片が付くだろう。

戦闘開始っ!!!

トライチップ 「ネック、奴らを眠らせるんだっ!!」
ネック  ((\(;>Д<)/)) ワタワタ…「おおお化けぇ……」
トライチップ 「………………………………………(汗)
ネック  ((\(><;)/)) ワタワタ…「ひぃ……」
トライチップ 「ここはわしが頑張らねばならぬか……」
テール 「ご神官様……?」
トライチップ 得体の知れぬ力で人間を襲い、人々の生命を脅かす悪霊どもめ!!!
 このわし自らが除霊してやるわっ!!!
 覚悟をするがよいっ!!!
テール 「おぉ!
 さすがご神官様!!
 カッコいいですぞっ!!」


1番手はトライチップのディスペル!!

トライチップ 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!


トライチップ 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!
 悪霊退散っ!!!
   
沙賀里 「あれって、これまで1匹もディスペルできたことないですのに……」
テール 「ダサいですな………」


こいつ、ディスペルが1度たりとも成功したことねえええ!!!

トライチップ 「はぁ…はぁ……」
沙賀里 幽霊バスターズっ!!
トライチップ 「はい…??」
沙賀里 「わらわがディスペルのお手本をお見せ致しましょう!!」
トライチップ 「おまえのディスペルって、手本になるの……?」
   
沙賀里 「こんばんわ。
 リルガミン王国、及びリルガミン国民の代表として、あなた方に命令します。
 いますぐこの部屋での超自然活動を停止し、最寄りの天国までお帰り下さい」


トライチップ 「まさかの根こそぎ……」
沙賀里 「意外とチョロいこと」
トライチップ 「いいよ……分かったよ……、
 おまえの才能とガッツの勝利だよ………」
   
???  ……ホォ……
   
トライチップ 「……ん?」
テール 「ちょいとお待ち下さい。
 何か様子が変です……」

ポルターガイスト  …ホシュウオワォォッ!!


沙賀里が脅威と見て、ポルターガイストが攻撃をしてくるっ!!!


沙賀里 あぶないですわっ!!(ぴょんっ!)
トライチップ ネックっ!!
 早くやつらを眠らせろっ!!
 これ以上被害が出たらヤバイんだっ!!!
ネック  ((\(;>O<)/))「カティノ!カティノ!! カティノォ!!!」
トライチップ 「無差別にカティノするなって……」



トライチップ 「ビビッてると、やはり力を出し切れんのだな……」
テール 「慣れてもらわぬと、今後が困りますな……」
トライチップ おい!!
テール 「はい……?」
トライチップ おまえもカティノを唱えろと言っただろ?!
テール 「前列は沙賀里が全てディスペルしてしまいまして……」


テール 「…眠らせる相手がおらず………」
トライチップ 役立たずっ!!!



─── 2ターン目......


沙賀里が一気に3匹もディスペルしてくれたお陰で、なんとか残り2匹まで減らす。
これならなんとかなるだろう。


残りも一気に消してくれることを期待して、沙賀里は今回もディスペル

もう1人の僧侶のトライチップにもディスペルさせたいが、
こいつ全然ディスペル成功しないからなぁ....。


攻撃した方が確実っぽそうだから、攻撃させよう。


あとはネックカティノで、できる限り敵を足止めする!!

いけっ!!
このターンで終わらせろっ!!

羅無市  (ばっ!)「無名流………必殺っ!!」


ポルターガイスト  …シュパパパパパパ!!
羅無市 「旋風裂斬っ……!!」
   
トライチップ 「今、剣から竜巻が飛び出さなかった……?」
テール 「レベルが上がり、必殺技も派手になったのでしょう」
トライチップ 「だからって剣から竜巻なんて出るか……?」
沙賀里 1,2,3……焼くわよっ!!
トライチップ 「『焼くわよ』……?」


テール 「残った1匹をあっさりディスペルしましたな。
 これで勝利ですぞ」
トライチップ 「整いました………」
テール 「今度は何ですか?」
トライチップ 「テールのカツアゲと掛けて、わしのパーティーの戦い方と解きます」
テール 「その心は……?」
トライチップ 「意味が分からない(意味が分からない)」
テール 「それは『掛かってる』とは言わないのでは?」



最後は用心棒チームがきっちり仕事をこなし、
無事に勝利!!

トライチップ 「よし!!
 すぐにでも町に戻って、心々を蘇生させよう!!」
テール 「あの、ご神官様?」
トライチップ 「なんだ?!」


テール 「あの幽霊どもが居た場所に、宝箱がございましたぞ」
トライチップ 「唯一開けられる心々は死んだんだぞ?」
テール 「いや、でも、せっかくカツアゲでゲットしたお宝を…」
トライチップ 心々がいないと罠を解除できないだろっ!!!
 ……いても解除できないかも知れんが………」
テール 「まぁ、その……」


しょうがない。

蘇生資金を少しでも稼いでおきたところだが、変な被害を喰らって余計な出費が増えたら裏目なので、
今回は宝箱は見送ることにする。


トライチップ さっそくUターンだっ!!


町に戻ります。


ガチャッ!!



おおおおぉぉ!!!

こういう時に限って敵が出て来るかああぁぁぁっ!!??


トライチップ 「くっ…!
 なんて運が悪い……」
テール 「いえ、これはむしろ幸運ですぞ」
トライチップ 「え?
 どこが?!」
テール 「こいつらをカツアゲして、蘇生資金を稼ぎましょう」
トライチップ 「は…?」
テール 「ここはこのテールにお任せを」
トライチップ 「このタイミングで、マジでやるの……?」
   
ガードA 「よぉよぉ!」
テール 「兄ちゃんたち!」
ガードB 「いい所であったなぁ!」
テール 「ちょうどいい!」
ガードC 「ちょっと金貸してくんねぇかなぁ~?」
テール 「ちょっとでいいんだよ、金貸してくれよ!」
ガード達 「「……………………………………」」
テール 「…………………………………………」
ガードD なんだ、てめぇ、ふざけてんのかっ?!
テール 先にふざけたのはそっちだろっ!?
   
トライチップ 「なんかあっちもカツアゲをしてきてね?」
沙賀里 「カツアゲのデュエル開始…ですわ」
   
ガードA 別にふざけてねぇよっ!!
テール こっちも大真面目だよっ!!
   
トライチップ 「真面目だからタチが悪い……」
   
ガードB 俺らをカツアゲするなんて、ふざけてる以外の何モノでもねぇだろっ!!!
テール てめぇらこそ、カツアゲなんてセコいことしてんじゃねぇよっ!!
   
トライチップ 「おまえが言うな」
   
ガードC いいから、早く金を出せって!!
テール そっちこそ、早く金を出せやっ!!
ガードD てめぇにやる金なんて無ぇよっ!!!
テール こっちも今すぐ金が要るんで、てめぇらに渡す余裕なんて無ぇよ!!
ガードA じゃぁ、少しは持ってんじゃねぇのか?!
テール てめぇらには関係ねぇだろっ!!
ガードB いいから、ちょっと飛んでみろよっ!!
テール そっちこそ飛んでみな!!
 どうせてめぇらも金を持ってんだろ?!
ガードC うっせぇなぁっ!!
 (ピョン!)ほら、金の音なんてしねぇだろっ!!
テール そんな2~3cm程度飛んだぐらいじゃ、音なんてしねぇに決まってんだろっ!!
 それともデブ過ぎて、てめぇは飛べないブタか?!
 飛べないブタは、ただのブタだっ!!
ガードD なぁにぃ…!!
テール (ピョン!) ほら、普通は5cmぐらいいくんだよっ!!
ガードA なんだ、たかが5cm!!
 (ピョン!) ほら、10cmだぜっ!?
テール なんの!!
 (ピョン!) こっちは15cmだぞっ!!
ガードB (ピョン!) 20cmだっ!!
テール (ピョン!) 25cmだっ!!
ガードC (ピョン!) 30cm!!!
テール (ピョン!) 35cmぃっ!!!
   
トライチップ 「何やってんだ、あいつら……?」
沙賀里 「戻って来ましたわ」
テール 「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ……、
 は……話しにならないので……ぜぇ…ぜぇ……もう実力行使といきましょう!!」
沙賀里 「カツアゲとは体力が必要な悪事なのですね」
トライチップ 「体力を使ってたのって、どうでもいいところだったぞ……」



いいから、とっと戦闘に入ろうぜ。



さて、1人少ない状態ですが、4人程度なら、まぁ、なんとか戦える範囲でしょう。


前衛2人直接攻撃



そして前衛なんて本来やりたくないキャラトライチップは、
前衛になっても呪文で遠隔攻撃をする。


テール(司教)は特段任せることも無いので、身を守っているだけ
ってか、こいつ、戦闘では全然役に立ってない。


ネック(魔法使い)は、お得意のカティノで敵の動きを封じる。


戦闘開始っ!!!

沙賀里 おほほほほほほほっ!(ぶん!ぶん!)


トップバッターは沙賀里っ!!!


沙賀里 おほほほほほほほっ!!(ドガッ!)
ガードA うごぉっ!!
   
ガードB 「な…なんだ、こいつ?!
 無差別にメイス振り回して……!?」
ガードC 「あ、頭おかしいんじゃねぇのか…?!」
ガードD 「さっきの司教といい、こいつらキチガイの集団かも知れねぇ!?」



ガードA 「関わらねぇ方がいいぞっ!!」
ガードB 「逃げるんだっ!!」
   
トライチップ ちっ!
 わしらを襲って来て、ただで済ませる訳にはいかんなっ!!!


トライチップ このわしの怒りの呪文を喰らうがいいっ!!!


ガードC 「いて」
   
沙賀里 「1………」
トライチップ 「…………………………………(汗)



普通に攻撃した方が良かったかな......?


テール 「ご神官様、どうされたのですか?!」
トライチップ 「いや………わし……まともに呪文を練習したことなくって………、
 その……攻撃呪文って難しいんだな………」
テール 「ご神官様、訓練でサボってたにもホドがありますぞっ!!」
トライチップ 「いやぁ~~……」
沙賀里 「ネック、呪文のお手本をお見せしてあげなさい」
ネック 「え……?
 あ……は、はい………」


沙賀里 「さすがでございますわ」
トライチップ 「うん……まぁ……ネックの実力は認めるけどさ………」


敵が動けなくなったので、これで1ターン目は終了。



─── 2ターン目


1人起きてきたけど、まぁ、後は2人だし、もう打撃だけでいいでしょう。


羅無市 「寝ている者を襲うなど、言語道断………」
   
トライチップ それはもういいってっ!!!


沙賀里 おほほほほほほほっ!(ぶん!ぶん!)
   
トライチップ おまえはちゃんと狙えぇぇっ!!!


ガードC 覚えてろよっ!!
   
トライチップ 「あ~~!!
 ほらぁ~~!!
 逃したぁ~~!!!」


2ターン目は、敵を1人逃しただけで終わってしまった......。



─── 3ターン目


ガードD 「く……くそっ……!」
   
テール 「もう1人も起きて来ましたぞ」
トライチップ もういい!!
 おまえらでは頼りにならんっ!!
テール 「え…?」
トライチップ このわし自らが始末を付けてやるっ!!!
   
ガードD 「こ……こいつら……っ!」
トライチップ きさまっ!!
ガードD 「え…?」
トライチップ わしらに刃向かうとどうなるか、ハッキリと分からせてくれるわっ!!!


ガードD ぐぎゃああぁぁっ!!!
トライチップ 思い知ったかっ!!!


さすが武闘派の僧侶......やっぱり直接戦った方が強いんだな、トライチップは......。



無事に撃退っ!!!



テール 「では、カツアゲの成果として、金を巻き上げておきましょう」
トライチップ 「ピョンピョン跳んでただけじゃねぇか、おまえは………」



邪魔者も退け、とにかくへと戻ります。



 


━━━━ カント寺院


蘇生費用500G.P.に対し、1人当たりの所持金は......、


...約260G.P.

ほぼ半額......。

トライチップ 「しょうがない……」


トライチップ 「また、みんなの所持金を集めよう」


金がドンドン飛んでいく.........。


改めて蘇生を依頼します。




















無事に復活っ!!!




1歳加齢してしまった。


まぁ、仕方がない......。

 

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5.むしろ金が出ていく




━━━━ 迷宮 入り口......


テール 「では、引き続きカツアゲをして参りますぞ!」
トライチップ 「ちょっと待て」
テール 「はい?」
トライチップ 「これまでカツアゲで得た収入は幾らだ?」
テール 「宝箱からの収入が合計216G.P.。
 強奪したアイテムを売った収入が合計270G.P.。
 先ほどの海賊どもから192G.P.。
 総計678G.P.の収入でございます」
トライチップ 「心々の蘇生費用が500G.P.だから……」
テール 「しめて178G.P.の黒字でございます」
トライチップ 「むぅ……、
 一応儲かってはいるのか………」
テール 「はい。
 やはり身の丈にあった悪事を選んだことが、今回の悪事の成功要因でございましょう」
トライチップ 「違うと思う」
テール 「このままカツアゲを続けて、今回こそ一財産稼ぎますぞ!」
トライチップ 「こんな調子だと、一財産稼ぐのにどんだけかかるんだ……」
テール 「いえいえ、この調子なら確実に大金を稼げること請け合い。
 と言う訳で、次なるカモを探しに出発でございますぞ」



ガチャッ...!


ガチャッ...!



心々 バックっ!! バックっ!!!



バタンッ!!

トライチップ 「あいつら、ちょいちょい出てくるな……」
心々 「あちこちに生息してるからな。
 ま、どっか行くまで待つか」


入り直します。


ガチャッ...!


テール 「お!
 ご神官様、新しいカモでございます」
トライチップ 「またやるの?」
テール 「はい。
 どうぞお任せ下さい」


テール 「よぉよぉ、そこの兄ちゃんたち!!」
   
トライチップ 「おぼろげで、男かどうかさえ分からないんだけど……?」
心々 「それ以前に、多分生きてる人間ですらねぇぜ」
ネック  (((;>m<))) ヒィィィ...!
   
テール 「いい所で会った!!
 ちょっと金を貸してくれねぇかな?!」
おぼろな姿A 「イイ……トコロ……デ……アッタ………」
おぼろな姿B 「金ヲ……貸シテ……クレ………」
テール 「え?
 なんだって…?」
おぼろな姿C 「金ヲ……貸セト……言ッタノダ………」
おぼろな姿D 「返ス……ツモリハ……無イガナ………」
   
トライチップ 「なんかあっちもカツアゲをしてきてね?」
沙賀里 「最近流行ってますわね」
ネック  ((\(>m<;)/)) ワタワタワタ…
   
テール 「おいおい、何をふざけたことぬかしてんでぇ!
 イタイ目に遭いたくねぇだろ?!」
おぼろな姿A 「オマエノ方コソ……痛イメニ……アイタク……ナイナラ……」
おぼろな姿B 「トットト……金ヲ……出セ………」
   
心々 「カツアゲしてくる幽霊とか初めて見たな」
トライチップ 「全世界の人類が多分そうだと思う」
   
テール 「いいからそっちこそ早く金を出しな!!」
おぼろな姿C 「金ヲ……出サナイ……ノ……ナラ……」
おぼろな姿D 「ドウナルカ……見セテ……ヤルッ……!!」
テール 「へ?」


羅無市 ぐほっ!!
   
テール 「ひぃっ…!!」
   
心々 先に襲ってきやがったっ!!
トライチップ ネックっ!!
ネック  ((\(;>O<)/))カティノ!!カティノ!!カティノ!!カティノォォッ!!



トライチップ おお!!!
 1匹も寝かせられねぇぞっ!!!
ネック  ((\(-O+;)/)) ワタワタワタ…
心々 「マジで幽霊が出てくると、力を発揮できなくなるな……」
トライチップ おい!!
 どうすんだよっ?!
心々 しょうがねぇっ!!
 先生っ!! 沙賀里っ!!
 実力行使だっ!!!
羅無市  ……さっ……!


おぼろな姿A  ……シャーーーッ……!
羅無市 「むっ…!?」


だああぁぁぁっ!!!

先生が攻撃を外したあぁぁぁっ!!!

トライチップ おいおいおい!!
 先生が攻撃を外しちまったぞっ!?
心々 「やっぱ人間以外が相手だと、手慣れてねぇんだな……」
沙賀里 「やたら身の軽い幽霊ですこと」
トライチップ のんきに観想述べてないで、僧侶なら早くなんとかしろっ!!
沙賀里 「あの不良幽霊に、カツアゲしてきたことを後悔させてやりましょう」


心々 「よし!!
 とりあえず半分消したなっ!!」
   
おぼろな姿C 「オノレェ………」
おぼろな姿D 「ヤッテ……シマエ!!」



沙賀里 ふぉんごおおぉぉっ!!
   
トライチップ 「おいっ!!
 あいつら、沙賀里を脅威と見て、集中攻撃してきたぞっ!!!」
心々 「しゃらくせぇっ!!!」


おぼろな姿C  ……サーーーッ……!
心々 「なっ…?!
 こいつらすばしっこい…!?」
   
トライチップ 「おいおい……、前衛の攻撃が全然当たらんぞ……。
 ちょっとマズいんじゃないのか……?」



─── 2ターン目......


おぼろな姿C 「カネヲ……出サナイト……ドウナル……カ………」
おぼろな姿D 「コレデ……分カッタ……ダロウ………」
   
心々 「ちくしょう…っ!」
沙賀里 「ぅ……!」
トライチップ 「沙賀里の状態がまずいぞっ?!
 どうするんだよ!?」
心々 「治療を優先するしかねぇな」



僧侶2人沙賀里ディオスを唱える。
いや、沙賀里は自分自身にだけど...。

そして、これでディスペルができなくなったので、
攻撃は頼りない前衛の直接攻撃に任せることになる。


では、いってみよう!!

心々 ちょえええぇぇぇっ!!


トップバッターは心々!!
いいぞっ!!!


おぼろな姿C  ……ササササササッ……!
心々 「……くっ?!」
   
トライチップ 「あ……あいつら、やたら素早いぞ……!?」
   
おぼろな姿D  …シャァァァァーーッ!!
   
トライチップ 「こ……攻撃まで素早い……!?」
   
沙賀里 「………え?」


沙賀里 ぃんごおおぉぉぉぉ!!!



沙賀里いいぃっ!!!


2連続で死亡者を出してしまったぁ!!!


なお......、


...次がトライチップディオスだった。


一手遅い!!!


心々 「く……くそっ!」
   
おぼろな姿C 「大人シク……金ヲ……出サナイ……カラ……」
おぼろな姿D 「コウナル………ノダ………」
   
羅無市  ……さっ……!


敵が喋ってる隙を突いて、先生が敵に襲いかかるっ!!!


おぼろな姿C  ……シャシャシャーー……!
羅無市 「なぬっ……?!」


肝心の先生が2ターン連続で攻撃を外したああぁっ!!!

ちょっと待てええぇぇぇっ!!!

トライチップ 「あいつら、動きが素早過ぎるだろ……」
テール 「ひ……!」
トライチップ おめぇはビビッてんじゃねぇよっ!!!
テール 「ししししかし……っ!?」
トライチップ ネックは早くカティノを唱えてくれっ!!!
ネック  ((\(; ゚□。)/))カティノ!!カテェノ!!カチィノォォッ!!



トライチップ 「なんとか1匹は寝かせたが……」



どっちだ?!

起きてるのはさっき攻撃した奴か?!

それとも、まだ攻撃していない方か?!


おぼろな姿D 「マダ……テイコウ……スルノカ……?」
心々 うっせぇっ!!
 誰がてめぇらなんかに金を出すかっ!!!
おぼろな姿D  …シャシャシャッ!!
心々 「…!?


心々 ぐほぉっ!!


まだ攻撃していない奴だったぁーーー!!!


トライチップ おいおいおいおい!!
 どうなってんだよっ!!?
テール 「ここここれって……ままままずいのでは………?!」
   
おぼろな姿D 「言ッタダロウ……イタイ目ヲ……見ルノダト………」
心々 「くっ…?!」
おぼろな姿D 「金ヲ出ス気ニ……ナッタカ……?」


─── 3ターン目......


テール 申し訳ございませんっ!!!
 お金はお渡ししますので、どうか命ばかりは……命ばかりはっ!!!
トライチップ テェーーールゥゥッ!!!
テール は、はい
トライチップ なに脅しに屈しようとしてんだあああぁぁぁっ!!!
テール ししししかし命あっての物ダネですから!!?
トライチップ カツアゲしまくってた奴が、いざ他人にカツアゲされたら、
 あっさり屈するって、サイテーだろおおおぉっっ!!!!
テール そそそそうは言われましても……このままでは……(汗)
   
おぼろな姿C 「……ムゥ…ゥゥ……」
   
心々 「さっき寝た奴が、もう起きてきやがった……、
 こりゃ手強いぞ、こいつら………」
トライチップ おい、心々!!
 大丈夫なのかっ??!
心々 人の心配より自分の心配をするんだっ!!
トライチップ
心々 「沙賀里が死んだから、おめぇも前衛なんだよ」


トライチップ この隊列おかしくない??!
心々 「おかしくねぇよ。
 むしろ概ね教科書通りだ」
トライチップ ちょっとトラブっただけで、
 雇い主のわしが前に出るのは間違ってるだろ!??
心々 「文句は戻ってから酒場で聞いてやる。
 今はこいつらをどうにかするのが先だ」
トライチップ 戻れるんだろうなぁっ?!!


頑張って勝って、戻りましょう。

その為には、このターンはどうすべきか...?


とりあえず前衛2人直接攻撃


唯一残った僧侶のトライチップにはディスペルで頑張ってほしいところが、
負傷者がいるので治療に回ってもらう。



残った司教テールと魔法使いネックには、2人がかりでカティノを唱える。

たった2匹カティノダブル掛けは無駄遣いにも思えるが、
これ以上の被害は出したくないので、可能な限り万全の戦術でいくっ!!


みんな、頑張ってくれっ!!!

戦闘続行っ!!!

心々 ネックっ!!
 とにかく奴らの動きを封じるんだっ!!
ネック  ((\(;◎□+)/))カティノ!カティノ!!カティノォォッ!!!



なんとか1匹寝かせるっ!!

心々 テールっ!!
 畳み掛けろっ!!!


トライチップ
& 心々
テール 「いやややや………そのののの………(汗)」
トライチップ テールはネック以上にビビッて、役に立たんわっ!!!
心々 先生っ!!
 もう頼れるのは先生だけだっ!!!
羅無市  ……チャキッ……!


おぼろな姿D  ……ササササーー……!
羅無市 「くっ…?!
 またも……!?」


頼みの綱の先生が、まさかの3連続攻撃ミス!!!

マジかああぁぁぁっ!!!

おぼろな姿D 「マダ……分カッテナイ……ヨウダナ………」
羅無市 「…………………………………………」
おぼろな姿D  …シュシャシャシャッ!!
羅無市 「……!?」


羅無市 ぐぅおぉっ
   
テール 「ひぃっ…!!
 せせせ先生でさえ全く歯が立たないなんて、
 ここここいつら強過ぎます!!!」
トライチップ 「ぬぅ……!」
テール 「ごごごごご神官様!!!
 ややややはり金を渡して、たたた助けてもらいましょう!!!」
トライチップ 金を受け取った途端、わしらみたいに口封じをしてきたらどうするんだっ!!?
テール 「そそそその時は因果応報だと思って、あああ諦めるしかかか……」
トライチップ ふざけんなああぁぁ!!!
心々 「とにかく、まずは奴らの正体をはっきりさせねぇとな……」
トライチップ 何か策はあるのかっ?!
心々 「チップ、おめぇは奴の気を引き付けてくれ」
トライチップ どうやって?!
心々 「やり方は任せる。
 おめぇが奴の気を引き付けてる間に、うちが接近して攻撃する」
トライチップ そんな丸投げされても…?!
心々 「任せたぞ!」
トライチップ 「え……」


それだけ言うと、心々は身体を低くして、目立たぬよう敵のサイドに回り始めた......。

トライチップ 「えぇと………1番っ、トライチップ!!
 一発ギャグをやりますっ!!
おぼろな姿D 「……??
トライチップ 「布団が屋根に吹っ飛んだ、やーねー」
おぼろな姿D 「ハア…?」


...おぼろな姿があっけにとられた瞬間、心々は敵へ襲い掛かったっ!!


おぼろな姿D グボワッ
心々 「うっし!!」
   
トライチップ 「あんなんで敵の気が引けたの……?
 逆になんか気が引けるな……」



─── 4ターン目


ダスターD 「…グフォ…」
   
心々 「接近して正体が分かったぜ!
 あいつらはダスターだ!」
トライチップ 「やっと状況が前進したか……」
心々 「敵の正体が分かれば、こっちのものだ。
 このターンで決めるぜ!!」
トライチップ 「どうするんだ?」
心々 「先生は寝ている1匹を狙ってくれ。
 動かない相手なら、なんとかなるだろ?」
羅無市 「承知………」
心々 「ネック、テール、こっちに来い」
テール
& ネック
「「ななななんでしょう……?」」
心々 「カティノは、今度はテールが唱えろ」
テール 「ごごごご指示とあらばばばば………」
心々 「その代わり、ネックはうちの背後に立て」
ネック 「ななななぜでしょう……?」
心々 「奴に動きを悟られないためだ」
ネック 「ううう後ろで、ななな何をすればよいでしょう……?」
心々 「ハリトだ」
ネック 「ほへ…?」
心々 「やつの反応速度を考えると、詠唱に気付いたら極力避けようとするだろう。
 だが、不意に撃たれれば、モロに喰らうはずだ。
 そして……」
ネック 「そそそそして……?」
心々 あいつは塵やゴミでできてるから、よく燃えるんだぜっ!!
ネック 「わわわ分かりました……」


あまりに攻撃が当たらないので、このターンは少し戦術を変える


まず、カティノ担当はネックからテールに切り替える。


その代わり、ネックにはハリト(単発の攻撃呪文)を唱えてもらう。


直接攻撃の方がダメージは大きいのかも知れないが、そもそも外れては元も子もない

一方で、ハリトなら絶対にダメージを与えることが可能!!

新規パーティーで今のレベルなら、実はハリトが有用な攻撃手段なのでは?!…と気付いたからだっ!!



戦闘続行っ!!

羅無市  (ばっ!)「無名流…………必殺っ!!」


ダスターC グィギャアアァァァッ!!
羅無市 「……疾風突きっ!!」
   
ダスターD 「……!?
   
トライチップ 「倒したぞっ!!!」
心々 「よ~~しっ!!」
   
テール カカカカティノぉ~!!


トライチップ この木偶の棒ぉぉっ!!!
テール 「いいいや……その……あああの……(汗)
   
ネック えええ詠唱終了!!
心々 いけっ!!!
 ネックっ!!!


心々が一気に身を屈めると、
その背後からネックがハリトを撃ち出すっ!!!

ネック ハリトォォォォーーーっ!!!


ダスターD ?!


ダスターD フィギャワァッ!!!


目論み通りいいぃっ!!!



勝った!!!

やや苦戦を強いられたが、勝ったぞ!!!


ネック 「や……やった!!」
心々 「ザマァ見ろっ!!」
トライチップ 「ふぅ……一時はどうなるかと思ったわ……」



テール 「さぁさぁ、カツアゲの成果を分け合いましょう!」
トライチップ テェェェェェェェル!!!
テール はい……
トライチップ 何がカツアゲの成果だぁぁっ!!!
 その金はどう考えても心々たちの成果だろ!!!
テール えぇと……あの………(汗)
トライチップ むしろおまえはカツアゲされかけてたじゃねぇかぁぁっ!!!
テール いや……その………(汗)
トライチップ しかも戦闘で全く役立たなかったくせして、
 何をいけしゃあしゃあとぉぉっ!!!
テール しぃましぇん………(汗)
トライチップ もはや勘弁ならん!!!
テール 「ひっ…!?」
トライチップ そこに直れええぇぇっ!!!
 このメイスの錆びにしてくれるわあああぁっ!!!
テール 「ひぃぃぃ……!!」
心々 「そんな事より、沙賀里を蘇生するのが先だ。
 こんな所でウダウダしていたら、また敵が来るかも知れねぇし」
トライチップ 「むぅ……しょうがない」
テール 「ほっ………」


町へ帰還します!!




今回はエンカウント無しで町まで帰還

良かった......。



━━━━ カント寺院


トライチップ 「また500G.P.飛んでいくのか……」
心々 「うちら1人当たり約300G.P.しか持ってねぇぜ」
トライチップ 「しょうがない……また皆の金を集めよう……」



総計1,525G.P.

ま、金銭的には問題無し


では、蘇生を依頼しましょう。











ぬわああああぁぁぁぁっっっ!!!

ビビッた!!!

マジでビビッた!!!


ってか、これまで蘇生の失敗が1度も無かったから、
完全に不意を突かれたっ!!!!




司祭A 「カドルトでの蘇生には1,000G.P.のご寄付を頂きます」
トライチップ どういうこったいぃぃぃっ!!?
心々 「おいおい……」
トライチップ なんで寄付金が倍になってるんだあああぁっ!!?
司祭B 「難度の高い儀式を求めるのならば、それ相応の信心を示して頂く必要があります」
トライチップ ふざけるなあぁっ!!!
 沙賀里が灰になったのは、完全にてめぇらの落ち度じゃねぇかっ!!!
 契約不履行で、むしろてめぇらが慰謝料を払うべきだろっっ!!!
 なんでこっちがさらに金を出さなけりゃならんのだっっ!!!
司祭C 「死者の蘇生には失敗のリスクがあると最初に説明しております。
 よって契約不履行ではありません」
トライチップ あり得ね……
心々 「それより、残額は幾らなんだ?」


さっき全員の金を集めた時の総額は1,525G.P.
沙賀里の蘇生で500G.P.支払ったので...、


...残りは1,025G.P.

ギリ支払える額である......。

トライチップ 「これ支払ったら、全員の資産総額がたった25G.P.になるぞ……?
 超極貧生活じゃん……」
心々 「金はまた迷宮で手に入れればいいだろ。
 背に腹は代えられねぇよ」
トライチップ 「なんか納得できねぇ……」



仕方ない、貴重な前衛にして回復役の僧侶だ。

支払うことが出来る以上、蘇生を依頼しよう。



でも.....これ失敗したら......初のロスト者だろ?



マジで怖ぇよぉ........

 



運命の瞬間!!!

































セーーーーーフっ!!!


セーーーーーーーフっ!!!



良かった!!!


マジで良かったあああぁぁ!!!


沙賀里 「あら?
 ここはいつ?
 私はどこ?
 今は誰?」
トライチップ 「支離滅裂だぞ……」
心々 「ここはいつもと同じ時代で、
 私は酒場に居て、
 今はと言うか今も沙賀里のままだ」
トライチップ 「なんで返答ができるんだよ……」
心々 「長い付き合いだからな」
沙賀里 「了解ですわ」
トライチップ 「マジで会話が成り立ってやがる……」
心々 「長い付き合いだからな」
テール 「なんにしろ、これで丸く収まりましたな」
トライチップ ぁあ?!
テール 「え?」
トライチップ テェェェェルゥゥゥゥ……!!
テール はい……?
トライチップ 今のわしらの持ち金が幾らか分かってるのかあ!!?
テール いや……その………」
トライチップ なにが『一財産稼ぎます』だ!!!
 むしろ無一文になったじゃないか!!!
テール いやいやいや!!
 それはカントの坊主どもが悪いのであって……」
トライチップ 言い訳は聞かんっ!!!
テール 「ひぃ…?!」
トライチップ しかもダスター相手に金を差し出そうとしたなっ?!!
テール 「いや……それは……あの……(汗)
トライチップ 酷いにもほどがあるわああぁぁっっ!!!
テール ひぃ……!?」
トライチップ 死罪じゃっ!!!
 死罪じゃあああぁぁっっ!!!
テール えぇ……(汗)」
トライチップ 覚悟おおおぉぉっっ!!!
テール お…お許しおおおおぉぉ!!(だだだだ…)
トライチップ 待てええぇぇぇぇ!!(だだだだ…)
テール お許し下されぇぇぇぇぇ!!
トライチップ 覚悟しろおおおぉぉぉっ!!
テール お許しぉぉぉぉ!!
トライチップ 死罪じゃああぁぁっ!!
テール 「お許しをぉぉぉ……」
トライチップ 「待てええぇぇ……
……… …………
……
   
   
沙賀里 「いつも通りでございますわね」
心々 「本当に……全ていつも通りに戻って、何よりだよ……」

 

 

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名前 LV H.P. コメント
心々 2 9 10 8 5 10 12 12 0 2 今回まさかの2連続死者発生。蘇生に成功しているのが不幸中の幸い。
沙賀里 2 11 9 9 11 9 10 10 0 2 とりあえずロスト回避。ってか「カドルトを…」はマジでビビッた!
羅無市 2 10 13 8 6 11 11 10 0 0 いまだに攻撃の空振りが目立つ。これもWizの低レベルの特徴か…。
ネック 2 5 7 14 10 9 13 7 0 1 低レベルだとハリトって実は使い勝手が良い呪文だと気付いた。
トライチップ 2 14 7 8 12 11 11 14 0 0 少しは敵をディスペルしてくれ。今はそれだけでも戦況が変わるんだ。
テール 2 8 6 12 13 10 11 8 0 0 金がドンドン飛んでいく……。この序盤の展開もWizらしいけど……。

アイテム入手:10/109


【更新履歴】
2025年 7月 5日:次ページへのリンクを設定しました。
2025年 6月28日:本公開しました。
2025年 6月21日:第4節まで公開。
2025年 6月14日:第3節まで公開。
2025年 6月 7日:第1節まで公開。