10.魔物の餌やり場…その名は処刑室

【登場人物】  
サーロイン ロイヤルレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一。でも細かい事は大嫌い。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ 財宝一筋なエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約10分(動画無)約13分(動画込)
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前回の冒険を終えて、忍者もやっとレベルアップ必要な経験値を獲得!!


うん、まぁ......桃にしてはすげぇ普通な内容だ。

しかもH.P.しか上がってないし........、

肝心の「素早さ」はアップしてねぇし..........。


シナリオ1の頃は成長のスタートダッシュに驚かされていただけに、
普通過ぎてコメントに困る内容だ。


まぁ、仕方ない........。




【目次】

1巡目:魔物の餌やり場




1巡目:魔物の餌やり場




━━━━ 地下迷宮 入り口.....


今回も迷宮入り口の真正面にある扉に入り、その先を探索しようと思います。



前回、左側(南側)の扉の中の調査が三洲次の死亡で途中になったので、
再度挑戦します。


サーロイン 「今回こそ、この部屋の奥へ進むぞ」
三洲次 「いいですけど……ちょっとトラウマ………」
ブリスケット 「ま、慎重にいきやしょうや」
三洲次 「やれやれ………」


ギィィィィ......ッ        ← 扉を開けた音

三洲次が扉をゆっくり開けると、6人は慎重に部屋の中へと足を踏み入れる........

サーロイン 「どうだ? 何かいるか?」
三洲次 「えぇと………、
 とりあえず例のドロドロした奴は居なさそうですね」
ロース 「アナコンダもこの前片付けたし、もう大丈夫じゃないかしら?」


これまでと打って変わり、部屋の中は閑散としていた。

ランプがランタンを部屋の中にかざすと、壊れた木製のテーブルやイス、
割れた瓶の破片や布切れなどが床に転がっているのが見えた。

ブリスケット 「なんすかね、この部屋?」
サーロイン 「何かに使っていたようだが………なんだろう?」
ランプ 「探索の役に立つと思って酒場で情報収集をしてきましたが、
 ここら辺は昔……昔といっても相当前ですが、闇市だったそうです」
ロース 「闇市?」
ランプ 「えぇ、ご禁制の品々を扱う闇商人たちの市場だったとか」
ロース 「へぇ……でも、薄暗い洞窟で商売するなんて、後ろ暗い奴らのやりそうなことね」
ランプ 「しかもですね……ガサ入れが入った時に逃げやすくするために、
 部屋同士が入り組んだ通路で繋がった構造をしているそうです」
三洲次 「なんか探索が大変そうだな」
サーロイン 「ま、まずはこの部屋の中を調べてみよう」
ブリスケット 「そうっすね」
「待ちな!」
サーロイン 「え?」


桃は部屋の天井の方を指差した。


三洲次 「え?
 また天井に、あのドロドロした奴がいるの?!」
ランプ 「いえ! 違います!
 あれは……」


ランプ 「…ポルターガイストです!!」
ブリスケット 「まさか先日倒したアナコンダの霊だったりしねぇっすか……?」
サーロイン 「どっちにせよ、襲って来るなら戦うしかないな。
 よし、ランプ、こいつらを寝かせてくれ」
ランプ 「分かりました」



では、いってみましょう!!

サーロイン 「眠ったら攻撃するか」
ブリスケット 「ロイン殿、部屋の中央っす!!」
サーロイン 「え?」


部屋の中央付近を見ると、テーブルの脚だった尖った木片や、瓶の鋭い欠片が次々と浮上を始めた......。

サーロイン 「悠長に詠唱が終わるのを待ってはくれないか……」
三洲次 「まぁ、それはそうかと」
サーロイン 「では、今の内に数を減らしておこう!
 でやあああぁぁっ!!


サーロイン 「…………………………………(汗)
ロース 「ねぇ? 何を減らすって?」
サーロイン 「えぇと………(汗)
三洲次 「じゃ、桃、俺たちがいくぞ!!」
「任せなっ!!」



三洲次 「おっけぃ!」 ← ハイタッチ
「うーす!!」 ← ハイタッチ
ブリスケット 「このお2人は、相変わらずさすがっすな」
ロース 「前衛は実質2人ね」
サーロイン おまえらっ!!
 ゴチャゴチャ話してる暇があるなら、早く行動してくれっ!!


ブリスケット 「ありゃ? ディスペルできなかったっす」


ロース 「あら? 寝なかったわ」
サーロイン おまえらっ、人のこと言えた立場かあああぁぁっ!!!
ランプ 「ロイン、ロインっ!」
サーロイン 「え?」
ランプ 「あれ、あれ!」
サーロイン 「へ?」


先ほど浮いた鋭い硝子の破片や、尖った椅子の脚の欠片が飛んで来て......



サーロイン くほぉっ!!
三洲次 ぬおっ!!


...あっさり前衛が攻撃を喰らう。

ランプ 「せっかく教えたのに……」
ロース 「ダメねぇ……」

─── 2ターン目


三洲次 ロインっ!!
 やり返してやりましょう!!
サーロイン あぁっ!!
 俺達の怒りの反撃を喰らうがいいっ!!
 てりゃあああぁぁっ!!


スカッ!

三洲次 とやあああぁぁっ!!


スカッ!

死ねえええぇぇっ!!


ポルターガイストC  シィパパパパパパパパッ!

サーロイン まだまだあああぁぁっ!!


スカッ!

三洲次 うりゃあああぁぁっ!!


スカッ!

おら!おら!おら!おらぁっ!!


ポルターガイストD  シュパパパパパパパパッ!


楽勝ぉっ!!
   
ロース 「前衛は実質1人ね!」
サーロイン (;TT)…………………………………
三洲次 (;TT)…………………………………




もうちょっと頑張ってくれ......、


  前衛男性2名よ........


   
ランプ 「では、邪魔者も片付いたところで、宝箱を探しましょう!!」


ブリスケット 「宝箱は全然見当たらねぇっすぜ」
三洲次 「前回のアナコンダが守っていたのが全てだったのかも」
ロース 「でも、土ボコリの中に結構コインが落ちてるわよ。
 前回これは見落としていたわね」
サーロイン 「これで我慢するしかないな」
ランプ 「そうですか……、しゅん………」


サーロイン 「さて、この部屋の中はこんなものか?」
三洲次 「左側がまだ未確認です」


ブリスケット 「まぁ、壁で行き止まりっすが……」
ランプ 「そっちの方にも金貨とか落ちてないですか?」
三洲次 「見てみますが………、う~ん………」
ロース 「ダメね、特に見当たらないわ。
 こっちも割れた木片や瓶の破片ばかりよ」
ランプ 「そうですか……、残念………」
サーロイン 「では……」


サーロイン 「…残るは、目の前の扉だけだな」


三洲次 「開けますよ」
サーロイン 「慎重にな……」


ギィィィ……ッ


中に入ると、通路が奥まで続いているのが見えた。
この通路も使われなくなって長いようで、床も壁も土ボコリで薄汚れている......。

三洲次 「奥へつづいてますね」
サーロイン 「進んでみよう」


6人がランタンの灯りを頼りにゆっくりと前進を始めると......、


...すぐに行き止まりに突き当たった。


サーロイン 「ここ、これだけ?」
ランプ 「これだけっぽいですね」
ロース 「何のために作った通路なのかしら?」
ブリスケット 「もしや扉とか隠されてたりしねぇっすか?」
サーロイン 「なるほど、その可能性はあるな。
 探してみよう」
三洲次 「どれどれ………」




三洲次 「いててて……ダメですね、3方向とも壁で先に進めません」
ロース 「なんでぶつかりながら確認するのよ……?」
サーロイン 「じゃ、本当にこれだけなのか」
ランプ 「戻りますか?」
サーロイン 「そうだな、戻るしかないな」


行き止まりの通路を引き返し......、


...先ほどの部屋を出て......、


...3方向に扉のある地点まで戻りました。
今度は反対側の扉に入ります。

ガチャッ...!        ← 扉を開けた音


中は先ほどと同じく壊れたテーブルの破片や瓶の欠片が辺りに転がっているが、
物静かで動くモノの姿は見えなかった。

三洲次 「こっちはもぬけの殻っぽいですよ」
ブリスケット 「誰かおらぬかぁ~~?」


声をかけるが、返事は無かった。
本当にモンスター1匹居ないようだ。


ブリスケット 「空っぽっすね」
ランプ 「床に転がってる物も、どれもガラクタばかりです」
ロース 「さっきと違って、コインが埋まってる様子も無いわ」
サーロイン 「じゃ、通路に戻るか」


特に敵とエンカウントしなかったので、部屋の形状だけ確認したら出て......、


...いよいよ残った真西の扉へ入ることに。

三洲次 「では、開けますよ」


ガチャッ...!


三洲次 「お……!
 こっちは通路ですね」
サーロイン 「周囲はどんな様子だ?」


ロース 「左側(南側)はすぐに行き止まりだわ」


ブリスケット 「右側(北側)はT字路っぽいですぜ」
サーロイン 「じゃ、北側に進んでみよう」


まずは目の前に見えるT字路まで進むと.....


ランプ 「直進方向に扉が現れましたよ」
三洲次 「左側(西側)は……」


三洲次 「…さらに通路が奥へとつづいてます」
ロース 「2つの扉と通路……、実質3択ね」
サーロイン 「扉の中は後回しにして、まずは通路全体を確認しよう。
 この奥へと進むぞ」


この辺りの通路も使われなくなって大分経っているせいか、壁も床も大量の土ボコリが堆積していた。

ランプが掲げるランタンの薄明りを頼りに、6人はゆっくりと通路を進んで行く........。


こういう通路を歩いている時の独特の緊張感......、

 どこに繋がっているのか......?

 このまま進んで大丈夫なのか......?

 何かアクシデントが起きたりしないだろうか......?

......こういう感覚は、やはりダンジョン探索系ゲームで味わえる醍醐味の1つであろう。


ランプ 「道が左に折れて、さらに先へ続いてますね」
サーロイン 「この道の形状は……」
ロース 「あら、何か知っているの?」
サーロイン 「聞いた話しだが……この先の通路に異変があれば引き返し、
 異変が無ければそのまま進むと抜けれる場所……に似ている……」
ブリスケット 「何すか、それ?」


三洲次 「また扉です」
サーロイン 「よし、そこを右に曲がってからが肝心の通路のはずだ」
ランプ 「肝心の通路…?」


ブリスケット 「もひとつ扉がありやしたぜ」
ロース 「これで扉は4つ目ね」
サーロイン 「何か異変は無いか?」
三洲次 「異変って何です?」
サーロイン 「いつもと異なる状態だ」
ロース 「ここ、初めて通る場所よ?
 そもそもいつもの状態を知らないわよ」
ランプ 「ちなみに、例えばどんなのですか?」
サーロイン 「中年のおやじはどうだ?」
ブリスケット 「え?…誰っすか?
 誰もいねぇっすぜ?」
サーロイン 「そこのドアが少しだけ開いて、誰かが覗いてないか?」
三洲次 「普通に閉まってますよ」
サーロイン 「あるいは扉の内側から誰かがドンドンと叩いてるとか?」
「叩いてたら、あたいが叩き返してやるぜ!!」
サーロイン 「天井のシミが顔になってるとか?」
ロース 「恐いこと言うわね……、いつもの岩肌だけど」
サーロイン 「奥から血の川が流れて来るとか?」
ランプ 「来てないですし、水の音も聞こえないです」
サーロイン 「よし、異変は無さそうだから、先へ進もう」


前進すると........、



ランプ 「L字の角を曲がった先に、さらに扉が2つ」
ブリスケット 「これで6つですな」
ロース 「しかも、まだ先があるわ」
サーロイン 「ダメなら無限ループだが、無事に抜けれれば、ここで終着のはず……」
三洲次 「…??」


2つの扉に挟まれた通路をさらに奥へ進むと........


...ここで行き止まりであった。

サーロイン 「うむ、抜けたようだな」
ロース 「さっきから何の話しよ?」
三洲次 「なんにしろ、ほぼ一本道でしたね」
ブリスケット 「じゃ、次は扉の中を調べるっすか?」
サーロイン 「そうだな」
ロース 「扉は全部で6つもあったわよ。
 どこから調べるの?」
サーロイン 「入り口に近い方から順番に調べよう。
 なので、また入り口付近まで戻ろう」


とりあえず、来た道を引き返します。

ランプ 「また何か異変を探すんですか?」
サーロイン 「帰り道は別にいいんじゃないかな?」
ブリスケット 「なんかテキトーっすな……」


そして......、


...先ほどのT字路まで戻って来ました。


今度は、ここにある扉へと入っていきます。

ランプ 「どちらの扉に入りますか?」
サーロイン 「とりあえず正面の扉からだな」


ブリスケット 「この扉っすね」
サーロイン 「中が分かる様な看板とか付いていないか?」
ロース 「えぇと………ザッと見た限り、特に無いわ」
サーロイン 「じゃ、一応慎重に入ろう」
三洲次 「では、開けますよ…」


ギィィィッ......

扉を開けて中へ入ると........、


うわぁぁぁ......、

これは面倒くさくなってきたぁ......。

サーロイン 「いきなり全方位に扉か……」
ブリスケット 「こいつを調べるんは、ちぃと手間ですぜ」
ロース 「扉に違いとか無いかしら?」
ランプ 「そうですね、入る順番を決める手掛かりがあるかも知れません。
 1つ1つチェックしてみましょう」
三洲次 「どれどれ……」


ランタンの明かりを頼りに、ランプが東側、三洲次が北側
そしてブリスケットが西側をそれぞれチェックする。

ランプ 「右側(東側)の扉は取っ手の付近の板に凹みがたくさん付いています。
 多分、鍵を使っていて付いた跡ではないでしょうか?」
サーロイン 「このエリアが闇市だったことを考えると、何か重要な物をしまっていた倉庫かも知れないな」
三洲次 「正面(北側)の扉は特に目立った特徴は無いですね。
 入って来た扉と同じ感じです」
サーロイン 「ふむ………通路が続いているのかな?」
ブリスケット 「左側(西側)の扉は、ここら辺じゃぁ比較的小奇麗なんで、あんまり使ってねぇ感じっすね。
 ただ……」
サーロイン 「ただ……?」
ブリスケット 「扉のアチコチに剣か何かで傷付けた跡がたくさんありやす」
サーロイン 「ふ~~ん………、
 ガサ入れの時に逃げるのに使っていた裏道かもな」
ロース 「それで、どこから入るの?」
ランプ 「それはもちろん、倉庫だった扉でしょう!!」
三洲次 「……だと思った」
サーロイン 「まぁ、入り口の方向だし、しらみ潰しに調べるなら、まずは東側だろうな」
ランプ 「ですよね!
 さぁ、何が入っているのか?!」
ロース 「これまでを考えると、期待なんか出来ないわよ」
ブリスケット 「ま、入ってみやしょう」
三洲次 「じゃ……」


三洲次 「…入りますよ?」
サーロイン 「うむ」


ガチャッ...!


サーロイン 「中の様子はどうだ?」
ランプ 「アイテムが入っていそうな箱とか棚はないですか?」
三洲次 「えぇと…………げ!?」


辺りを見渡すと、すでに白骨化した死体が幾つも転がっているのが見えた......。

ロース 「ちょっと、死体ばかりじゃない!!」
ブリスケット 「ここ、倉庫じゃねぇっすよ!!
 囚人とかを閉じ込めておく部屋ですぜ!!」
サーロイン 「だから鍵をかけていたのか……」
ランプ 「ロイン!!
 部屋の中央に何かいます!!
サーロイン 「なに!?」


部屋にはランタンの灯りを隔てる物が無く、そのモンスターランタンの明かりをモロに受けて......、


...その姿ハッキリと現した!!

ロース 「あれは……?」
ブリスケット 「なにか見たことある気がしやすぜ……」
三洲次 「しかも、何かイヤな感じが………」
ランプ 「あれは……『ジャイアントスラグ(巨大なナメクジ)です!!
サーロイン 「ちょくちょく戦っていた『ドロドロしたモノ』にそっくりだが、もしかして……」
ロース 「毎回倒すと潰れてよく分からなくなっていたけど、
 正体は巨大なナメクジだったのね……」
ランプ 「こいつなら、かつて遠征の途中でも戦ったことがありましたね」
三洲次 「そんな昔に戦ったことあったっけ??」
ブリスケット 「また何か似たモンと勘違いしてんすよ」
三洲次 「だよな…」
ランプ 「いえ、戦ったことありますって!!」
サーロイン 「俺がパーティーを外れた後の話しか?
 どこに生息している、どんな奴だ?」
ランプ 「ローレシ○という王国に生息していた……」


(※) 諸事情により、一部隠しています。


ランプ 「…こいつです!」
三洲次 「あぁ~~……、まぁ、確かに………」
ブリスケット 「大きなナメクジだったすね………」
ランプ 「でしょ?!
 今回は合ってますよね!?」
ロース 「でも、ちょっと形が違わない?」
三洲次 「主に目とか……」
ブリスケット 「あとは目とか……」
ロース 「その他に目とか……」
ランプ 「あっちは明るい外でしたけど、こっちは暗い迷宮ですから、
 きっと目よりも他の器官が発達したんですよ!」
サーロイン 「あのぉ…………とりあえず戦闘準備、してくれない……?」


スラグA 「……シュイイィィィ……ッ」
   
サーロイン 「さて、噛む力は尋常じゃないから、噛まれないように戦わないとな」
ロース 「誰かさんが噛まれて、一撃で死んでるしね」
三洲次 「トラウマだから、そういうの止めて……」
ブリスケット 「ん? そう言われやすと……」
サーロイン 「え?」
ブリスケット 「あやつ………口の周りがやたら赤黒くねぇっすか?」
サーロイン 「え~と……あぁ、確かに……」
ロース 「あれって血じゃないの?」
サーロイン 「ここの囚人を栄養にしていたんだろ」
三洲次 「じゃぁ、ここにある死体は、あいつを養うために入れられた人たちってこと?」
ランプ 「そう言われると、幾つかの死体は比較的新しい様にも見えますね」
ロース 「それ……今でもここを使ってる人たちが居るってこと?」
サーロイン 「ここに住んでる奴らと言えば、もう海賊しかいないだろ。
 逆らった奴などを、ここで処刑していたのだろう」
   
スラグA フシャアアアァァッ!!
   
サーロイン 「…へ?!」
三洲次 「うわぁあっ?!
 こっちに来たぁあ!!」


三洲次 「ひぃぃいっ!!(ひょいっ!)
   
ランプ 「またナメクジに襲われてますよ……」
ブリスケット 「あのナメクジ、久しぶりに食事にありつけるとか思ってんじゃねぇっすか?」
ロース 「三洲次って、絶対にナメクジには美味しそうに見えるのよ」
サーロイン 「ま、お喋りはここまでだ。
 熟練の冒険パーティーを襲ったらどうなるか、思い知らせてやろう!!


サーロイン 「う~~む………」
   
ブリスケット 「いまいちっすなぁ……」
ロース 「相変わらず一撃で倒せないのね……」
   
三洲次 「ぜぇ…ぜぇ……、こいつに喰い殺されるなんて、二度とご免だ!!
 逆に殺り返して、雪辱を晴らしてやるっ!!


三洲次 「う~~ん………」
   
ブリスケット 「ダメっすなぁ……」
ロース 「どうしてウチの男たちって、こうも頼りないのかしら?」
サーロイン うるさいっ!!
 いいから早く寝かせてくれっ!!!


ロース 「あら?」
サーロイン 「ロォ~~スゥ~~?」
ロース 「あらあらあらぁ~…」
サーロイン 「おまえ、人のこと言えた立場かぁ~~?」
ロース 「こ、このナメクジ、お昼寝直後で、きっと眠たくなかったのよ!」
「じゃ、代わりにあたいが寝かせてやるぜっ!!」


永遠に、だがなっ!!
   
ランプ 「この差は何ですかね……?」
ロース 「当然実力よ!」
ブリスケット 「与えてるダメージ量を見るに、攻撃順の気もしやすが……」


ま、勝利です。


ランプ 「………………………………」
サーロイン 「どうした、ランプ?」
ランプ 「いえ………宝箱が無いのはもう仕方ないとして………、
 せめて金貨ぐらいないかと……」
サーロイン 「こいつが囚人を喰っていたとしても、そもそも囚人が金を持って投獄される訳ないだろ」
ブリスケット 「まぁ、ワイロ用に隠し持ってたりするケースもあるんでは?」
三洲次 「そういうのって、牢主とかが居る場合じゃないの?」
ロース 「死体の方は………どれも白骨化してて、何も無いわね」
サーロイン 「これは金貨も期待できないな」
ランプ 「ええぇぇぇ………」


おい、また金さえ無しかよ。

このフロアの敵って、ホントにいろいろ醜いな........。



サーロイン 「さすがにこんな場所では何も無いか」
ロース 「期待外れね」
三洲次 「じゃ、もう出ますか」
サーロイン 「うむ」


ここは行き止まりだったので、先ほどの扉だらけの部屋へ戻ることに。


ランプ 「で、ここに戻ってきましたが……」
三洲次 「…扉だらけの光景を見ると、気が萎えますね」
ブリスケット 「通路の方にも扉が仰山ありやしたし、先は長そうっすな」
ロース 「次はどの扉に入るの?」
サーロイン 「そうだなぁ………このエリアを探索するのはちょっと大変そうだから、
 一旦ここまでにするか」
ランプ 「え? 探索を止めるんですか?」
サーロイン 「俺たち、まだレベル2だぞ?
 奥へ行くにはまだ実力不足だろ」
三洲次 「まぁ、奥の方で誰かさんがガス爆弾なんて暴発させたら、全滅は避けられないですしね」
「誰かって誰だっ!?」
三洲次 「さぁ………」
ロース 「でも、ここで止めてどうするの?」
サーロイン 「行動範囲を広げるために、そろそろレベルアップに専念するのが良いだろうな」
ブリスケット 「じゃ、今日はもう町に戻って、飲みやしょう!!」
サーロイン 「うむ。
 英気を養って、明日から修行を開始だ!!」



本日の探索は、ここまで。


とりあえず今時点でのマップは......、


...こんな感じです。


では、次回から経験値稼ぎの修行を始めます!!

 

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ところで..........


━━━━ 町外れの小道

「モグモグモグ……」
   
三洲次 「なぁ、ロイン?」
サーロイン 「ん?」
三洲次 「ずーーっと気になってるんだけどさぁ……」
サーロイン 「なんだ?」
三洲次 「この迷宮って『友好的な敵』って居るの?」
サーロイン 「え?」
三洲次 「桃の性格を『悪』から『善』に治したいのに、全然『友好的な敵』が出て来ないんだけど……」
ロース 「そう言えば友好的な敵って、1回も遭遇したことないわね」
サーロイン 「まぁ、『友好的なクローリングケルプ』とか、
 『友好的なポルターガイスト』とか出て来られてもイヤだけど」
三洲次 「そうですけど、だとしてもちょっと居なさ過ぎじゃないですか?」
サーロイン 「う~~ん………、
 まぁ、今のところ困ってないから、しばらくはこのままでもいいかなぁ……」
   
「モグモグ……」
旅の人 「すいません、道をお訊ねしたいのですが……」
「ぁあ~?
 あたいも最近来たばっかだから、よく知らねぇよ。
 他の奴に聞いてくれ」
旅の人 「でも、冒険者っぽい恰好をされているので、訓練所への…」
「てめぇに道を教えて、あたいに何の得があるってんだ?!」
旅の人 「え?
 それは……、そのぉ………」
   
ロース 「桃が道を訊かれてるわよ」
ブリスケット 「にしちゃぁ、冷てぇ対応っすな」
サーロイン 「さすが『悪』の性格……」
三洲次 「道ぐらい教えてあげればいいのに、減るもんじゃないし」
   
「てめぇに関わってたら、あたいが美味いモン食う時間が減るだろ!」
旅の人 「えぇ……」
   
三洲次 「減るもんなんだ……」
   
旅の人 「あの……道を教えて頂ければいいだけですので………」
あたいが美味いモン食ってイイ気分でいるのに、
 それを邪魔する気かぁあ??!
旅の人 「いや、別にそんなつもりは……」
あたいの邪魔をする奴ぁっ、誰だろうと許さねええぇぇっ!!
旅の人 「いやいやいやいや、私はただ道を…」
覚悟しろぉぉぉっっ!!!
旅の人 うわああぁっ!!!
 なんかすいませんんんっっ!!!
   
ブリスケット 「ロイン殿ぉっ!!
 桃っちが暴れだしやしたぁぁっ!!」
ランプ 「三洲次ぃっ!!
 早く取り押さえてっっ!!」
   
三洲次 「やれやれ…(ダダダダダダ…ッ)
   
サーロイン 「………………………………(汗)
ロース 「早く性格治した方がいいわよ」
サーロイン 「そだね………」

 


「11.武者修行開始!」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 2 17 15 16 16 14 16 13 0 1 レベル1→2になったぐらいでは大差無いか…。
三洲次 2 14 16 16 16 16 16 15 0 1 おまえ、いっつもジャイアントスラグに狙われるな…。
2 13 16 16 15 16 15 16 0 0 迷宮に2回入る操作も慣れたので、困ってはいないが……。
ロース 2 13 14 16 16 16 16 12 0 0 最近呪文が効かないことが多いぞ…。
ランプ 2 13 13 16 16 14 16 16 0 0 なんか全然アイテムが手に入らないんだけど…。
ブリスケット 2 13 16 16 15 16 16 11 0 0 おまえ、ロースより運の強さが低いのかよ…。

アイテム入手:5/109


【更新履歴】
2024年 5月 4日:次ページへのリンクを設定。
2024年 4月20日:本公開。
2024年 4月13日:プレ公開。