30.斬り捨て御免

【登場人物】  
トライチップ 悪パーティーのリーダーを務める悪徳神官。
テール 金の為にはあらゆる悪事を躊躇わない悪徳司教。
心々 人々を護ることを志す用心棒チームのリーダー。
沙賀里 用心棒チームの1人。心々の幼馴染の変な巫女。
羅無市 用心棒チームの1人。剣の道に生きる男。
ネック 冒険に巻き込まれた気弱な呪文マニアのエルフ。

読了時間 (目安):約20分(動画無)約25分(動画込)
※ページが正しく表示されない場合はこちら



━━━━ ギルガメッシュの酒場
     店の片隅で...

テール 「ご神官様、新しい悪事を考えて参りました」
トライチップ 「うむ、聞かせてもらおうか」
テール 「『辻斬り』でございます」
トライチップ 「『辻斬り』……?
 何だ、それは……?」
テール 「道往く人々を斬り捨てて、金品を強奪する行為です」
トライチップ 「ふ~~む………」
テール 「相手を殺してしまうので、身銭を奪い放題でございます」
トライチップ 「なぁ、テールや?」
テール 「はい?」
トライチップ 「それは悪事と言うより、ただの犯罪では?」
テール 何を仰います!!
 悪事と犯罪は表裏一体の関係!!
トライチップ 「『表裏一体』って表現で合ってる……?
 どっちも裏な気がするけど……?」
テール 悪事の影に犯罪あり!!
 犯罪の影に悪事ありです!!
トライチップ 「影と言うより、イコールじゃね?」
テール 「違います!
 それでは表裏になりませぬ」
トライチップ 「そこ、こだわる…?」
テール 「いずれにしても、ご神官様ともあろうお方が犯罪ごときでビビられて、どうなさいます!!」
トライチップ 「犯罪は"ごとき"じゃないと思うけど……?」
テール 「悪事を遂行する以上、犯罪は避けては通れぬのです!
 お覚悟をお決め下さい!!」
トライチップ 「待て、待て。
 いいか?
 どちらにせよ、その辻斬りとやらは殺人ではないのか?
 だとすると、それは重罪だ。
 もし捕まってしまったら、わしらはギロチン刑かも知れん。
 割に合わんだろ?」
テール 「ご安心下さい。
 このテールに抜かりはございません。
 完全犯罪が可能です」
トライチップ 「なんだと?!
 本当か?」
テール 「はい」
トライチップ 「詳しく聞かせてもらおうか」
テール 「ご説明致しましょう。
 まず、辻斬りは迷宮内で行います」
トライチップ 「事件が発覚しにくいからか?」
テール 「いえ、違います」
トライチップ 「では、なぜ…?」
テール 「迷宮内には色々な者がおります」
トライチップ 「ふむ…」
テール 「そこで、迷宮内で叩っ斬る相手を選ぶのです」
トライチップ 「ほぉ…」
テール 「例えば………」
トライチップ 「例えば……?」
テール 「ナメクジや…」
トライチップ ナメクジ??!
テール 「昆布や…」
トライチップ 昆布を斬ってどうするの?!
テール 「ポルターガイストや…」
トライチップ それ斬る前から死んでない??
テール 「…つまり生きた人間以外を殺すので、そもそも殺人にならないのです!!
トライチップ 論点おかしくね?!
テール これぞ完全犯罪!!
トライチップ 完全犯罪の定義ズレてない??!
テール 「いかがですか?」
トライチップ 待て、待て、待て、待て!!
 斬る対象がおかしい!!
 ナメクジや昆布が金を持ってるとでも言うのか?!
テール 「持っているそうです」
トライチップ 「……………………は?
テール 「迷宮内では、動物や植物がお金を持っているそうです」
トライチップ 「……………………マジで?
テール 「はい」
トライチップ 「…………動物や植物が金貨とか財産を持ってるの?」
テール 「はい」
トライチップ 「じゃあ、所得税も払ってるの?」
テール 「いや、そこまでは知りませんが……、
 魔物だから払ってないんじゃないでしょうか?」
トライチップ 「脱税じゃん」
テール 「そういう次元の話しではないと思いますが……」
トライチップ 「そんな悪どい奴らなら、まぁ、斬ってもいいけどさぁ……、
 もう1度聞くけど、本当にお金なんて持ってるの?」
テール 「はい。
 そして辻斬りならば、元手ゼロでそれらの金を頂くことができます」
トライチップ 「いや、そうかも知れんけど……本当に大丈夫?」
テール 「このテールめを信じて下さい。
 必ずや大金を手に入れることをお約束致します」
トライチップ 「迷宮って変テコな所だな………」
テール 「では、納得をして頂けましたのなら、
 すぐにでも出発致しましょう」
トライチップ 「いや……まだ納得はしていないんだけど………、
 まぁ……じゃあ、ものは試しってことで……」

 



【目次】

1.帰ってきたぜ!

2.汚い金…

3.常識が通用しない迷宮




1.帰ってきたぜ!




━━━━ 迷宮 入り口......

トライチップ 「ほんで……」


トライチップ 「…迷宮には来たけれど、これからどうするんだ?」
テール 「どうするんでしょう?」
トライチップ は…??
 何を言ってるんだ?!
 おぬしが迷宮で辻斬りをすると言うから来たんだろ!?
 とっとと案内をするんだ!!」
テール 「いや、確かにそうは言いましたが、実は迷宮は初めてでして、
 どこに何があるのかサッパリ分からず……」
トライチップ いきなり企画倒れかよっ!!
テール 「いやぁ~~……」
心々 「なんだよ、おめぇら、どこに行きてぇんだ?」
トライチップ 「いや、別にどこって訳でもないが……」
テール 「心々は迷宮の中のことをご存知で?」
心々 「海賊に居た時にあっちこっちで作業をしていたからな。
 1階なら詳しいぜ」
トライチップ 「本当か?!」
心々 「あぁ」
トライチップ 「それは心強い!!
 おぬしを雇って正解だったのぉ!!」
テール 「ご神官様、このテールの人選はいかがでございますか?」
トライチップ 「テキトーに選んどいて、なにをここぞとばかりにアピールしてんだよっ!?」
テール 「いえいえ、このテールの人選に間違いはございません」
トライチップ 「おまえ自身が最大の間違いだっ!!」
テール 「そんなことより、せっかくですので案内をしてもらいましょう」
トライチップ だから会話のキャッチボールをしろって!!
テール 「それでは、心々、案内をお願いできますかな?」
心々 「オーケー」
トライチップ あと、無視すんな!!


心々 「で、どこに行きてぇんだ?」
テール 「金を持っていそうな生き物が居る場所をお願い致します」
トライチップ 「生き物って表現に不安を感じるんだが……?」
テール 「金さえ持っていれば生き物じゃなくても構いませぬ」
トライチップ 「もう条件が無茶苦茶だろ……」
心々 「じゃ、あそこにするか」
トライチップ 「そしてなんで話しが通じるんだよ……」
心々 「すぐ近くに『バラック』だった場所があるんだ。
 そこはよく魔物がうろついてるから、そこにしよう」
テール 「では、案内をよろしく頼みますぞ」
心々 「任せな」
トライチップ 「わし、なんか会話に置いてきぼりな感じ……」
心々 「じゃ、出発するぜ。
 トロトロしてると置いて行くからな」
トライチップ 「置いてきぼりは会話だけで充分だ……」
心々 「付いて来な」


と、言う訳で......


...バラックに向けて出発です!!


......が!


1歩進んだだけでエンカウント!!

マジか?!

心々 「……ん?」


いきなり目の前のが開かれると......、


...海賊たちが部屋の中へと入って来た!!

海賊A 「おい、なんか冒険野郎どもがいるぜ」
海賊B 「さっそくカモを見付けたな」
   
トライチップ 「おい、なんか海賊が現れたぞ?」
テール 「さっそく辻斬りのカモを見付けましたな」
   
海賊C やいやい、てめぇら!!
 痛い目に遭いたくなかったら、金目の物を置いていきな!!
   
テール やいやい、てめぇら!!
 痛い目に遭わせてやるから、金目の物を置いていきな!!
トライチップ 「言ってること、おかしくね…?」
   
海賊D 「何言ってんだ、このノームの司教?」
海賊E 「なんの交換条件にもなってねぇじゃねぇか……」
海賊F 「おい、おまえ!
 何が言いたいんだよ!?」
   
テール ここで会ったが100年目、おまえら、運が悪かったな!!
トライチップ 「100年目の使い方、それで合ってる…?」
テール 身ぐるみはいでやるぜ!!
   
海賊A 「なにぃ~!?」
海賊B なめやがって!!
海賊C むしろ身ぐるみはがし返してやるぜ!!
海賊D 覚悟しなっ!!
 ぶっ殺してやるっ!!
   
テール 「では、心々たち、よろしく頼みますぞ」
トライチップ 「挑発するだけ挑発しといてそれって、おまえサイテーだぞ……」
心々 「なぁ~に、うちらに任せな」
トライチップ 「おまえ、心が広いな……」
心々 「この台詞を言ってみたかっただけだ」
トライチップ 「……??」


心々をはじめ、前衛の3人が1歩前に進み出る。

心々 「迷宮に入って最初の相手がおめぇらってのは、
 これも何かの因縁だな」
海賊E 「…え?」
海賊F 「………ん?
 おまえ、心々じゃねぇか!?」
心々 「なんだ、覚えててくれたのか?
 そりゃ、光栄だな!」
海賊A 「てめぇ、逃げたんじゃねぇのか?!」
海賊B 「負け犬のくせして、懲りずに迷宮に戻ってきたのか!?」
心々 あぁ!
 うちは戻って来たんだ!!
 またこの迷宮になっ!!
海賊C 「けっ!
 脱走しといて何をえらそうに!!」
海賊D 「まぁ、いい!!
 これこそまさに『ここで会ったが100年目』だ!!」
   
トライチップ 「あの言葉って、ああ使うものじゃないの…?」
テール 「五十歩百歩でございます」
トライチップ 「百人百様だな………」
   
海賊E 脱走した罰を、この機会にキッチリ与えてやるぜ!!
心々 何を言ってやがんでぇ!!
 これまで散々こき使ってきやがって!!
 むしろ死んでいった仲間の分まで、逆にキッチリと償わせてやるぜっ!!!
海賊F 「こいつ…!!」


さて......、


...悪パーティー最初の戦闘です。

とりあえず前衛3人は...、



...敵を直接攻撃
まぁ、それぐらいしか出来ること無いし。

そして後衛の内、リーダー2名は...

トライチップ 「えぇと……、わしらはどうすればいい?」
テール 「ご神官様は何もせず、先生たちに任せておけば大丈夫でございます」
トライチップ 「本当に…?
 なぁ、心々、大丈夫なのか?」
心々 「用心棒チームを作って初の戦闘だけど、心配すんなって!」
トライチップ ぅう?!
 いや……その……それで心配すんなって言われても……?!」
心々 「いいから、邪魔にならねぇように、そっちにいろって!!」
トライチップ 「マジか………」



...後ろで、ただ見ているだけ

そして最後の魔法使いネックは......、

心々 「おい、ネック!!
 おまえ、カティノ使えんだろ?!
 こいつらを寝かせてくれ!!」
ネック 「は……はい………、や……ややや……やってみます」
心々 「なんだ、おまえ?
 ビビッてんのか?」
ネック 「じ……じじじ……実戦なんて………ははは…初めてで………」
沙賀里 「あらあら、小さく怯えちゃって、かわいいお坊ちゃまね」
ネック 「お坊ちゃま?!」
心々 おおぉいっ、沙賀里!!
 勝手に後ろに行くなぁっ!!!
沙賀里 「あのね……知ってる?
 恐い想いをしたままで1日を終えると、それはトラウマになってしまうのよ?」
ネック 「ト……トラウマ……!?」
沙賀里 「そうなの。
 でもね……心配しないで。
 そういう時は、心地良い想い出で上書きすれば大丈夫なのよ」
ネック 「心地良い…?!」
沙賀里 「町に戻ったら、わらわと一緒に想い出作りをしましょう」
ネック 「想い出作り…?!」
心々 沙賀里ぃっ!!
 敵が目の前にいるのに、何をやってんだあぁっ!!!
 とっと持ち場に戻れええぇっ!!!


...カティノで敵の動きを封じます。



戦闘準備完了!!

心々 沙賀里っ!! 先生っ!!
 いくぞっ!!
沙賀里 いきますわよぉぉぉっ!!!
心々 「は…??」


トップバッターはメイスで戦う僧侶沙賀里!!!


沙賀里 おほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)
   
海賊C 「うわぁっ!!(ピョンッ!)
海賊D 「あぶねぇっ!!(ヒョイッ!)
   
沙賀里 おほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)
   
海賊E 「な、なんだよ、こいつっ?!」
海賊F 「怖ぇなぁっ!!」
   
心々 「あいつ、訓練場で何を学んで来たんだよ………」
   
トライチップ 「なぁ、テールや…?」
テール 「はい?」
トライチップ 「本当に大丈夫なの?」
テール 「ご安心下さい。
 この3人に任せておけば、なんの問題もございません」
トライチップ 「既に問題が起きてる気もするけど……?」
   
心々 「ちぇっ、沙賀里じゃ頼りにならねぇな……。
 しょうがない、先生、頼むぜ!!」
羅無市 「…………………………………………」


羅無市海賊たちの方へ1歩踏み出した。

海賊A 「お? なんだ、こいつ?」
海賊B 「へっ! 俺らとやる気かぁ?」
羅無市 「…………………………………………」
海賊A ザコはすっこんでなっ!!


その途端、海賊が1人、カットラス(海賊刀)を突き立てながら羅無市突っ込んで来た!!


...が!!
羅無市はそれを軽くかわすと、素早く抜刀して反撃する!!

羅無市 「無名流………必殺っ!」


海賊A うがあああぁぁぁっっ!!!
     いちもんじ
羅無市 「裏・一文字突き……!!」
   
海賊達 「「…!?」」
   
トライチップ 「おぉ!!
 さすが先生っ!!」
テール 「ね? 大丈夫でございましょう?」
トライチップ 「おまえ、見ているだけのくせして、何を偉そうに……」
テール 「何を仰います!
 彼らを見出したのは、他ならぬこのテールでございますぞ!」
トライチップ 「ウソつけ。
 テキトーに選んだろ」
   
海賊B 「あ……あいつ、できるぞ!」
海賊C 「思ったよりヤバい奴がいるな………」
   
沙賀里 おほほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)
   
海賊B 「あいつはできないけど……(汗)
海賊C 「違う意味でヤバい奴がいるな……(汗)
海賊D 「どっちにせよ、剣では敵いそうにないなぁ……」
海賊E 「よし!
 エロ・サイト教官から習った攻撃方法で反撃だっ!!」
   
トライチップ 「エロ……?」



トライチップ 「おい……、なんか噛んで来たぞ、あいつら……?」
テール 「どう考えても剣で戦った方が強いと思うのですが……」
トライチップ 「エロ教官って人、無能なんじゃねぇの……?」
テール 「名前からしてダメそうですし……」


羅無市 「くおっ…!」
   
テール 「でも、先生がやられておりますな……」
トライチップ 「未知の体験で不慣れなんだろ、あんな攻撃………」
心々 「ってか、カティノはまだかよっ?!
   
ネック (;つ_⊂)………………………………
   
心々 「………?」
   
ネック (;つ_⊂)………………………………
   
心々 「な……なんで、手で目を覆ってんだ……??」
   
ネック (;つ_⊂)………………………………
   
心々 「な……なぁ……、何やってんだよ、おまえ?」
ネック (;つo⊂)「僕………血を見るのがダメで………」
心々 なにいぃっ!?
 じゃ、なんで訓練場に入ったんだ?!!
ネック (;つo⊂)「ぼ…僕……魔法や呪文を学ぶのが好きだっただけで………」
心々 これから生死を賭けた戦いばかりになるんだぞ!?
 そんなこと言ってる場合じゃないだろ!?
ネック (;つo⊂)「で……でも、ダメなものはダメで…………」
心々 今も先生たちがヤバいんだよっ!!
 とりあえず目を瞑ったままでいいから、
 早くカティノを唱えてくれ!!
ネック (;つo⊂)「じゃ……じゃあ………」


ネック目を瞑ったままカティノを唱えた。


ネック (つ>o<)つ)エイッ! 「カティノっ!!」
心々 「うちが提案したとはいえ、向きを間違えたら、うちらが眠りそうだな………(汗)


が、なんと!!
いきなり敵を全員寝かせることに成功しやがった!!

ネック、これは期待の新星では!?

海賊達 「「ZZZzz………」」
   
心々 「…お?!」
ネック (;>o<)「ど……どうなりました……?」
心々 「全員寝たよっ!!
 おめぇ、魔法使いのセンスがあるじゃねぇかっ!!」
ネック (;゚▽゚)パァッ!「ホントですかっ?!」


目の前に羅無市が倒した海賊の死体......

ネック  う~ん……  ┓┓バタンッ!
   
トライチップ (; ゚_゚)………………………………
テール (; ゚_゚)………………………………
トライチップ 「血に弱過ぎだろ………」
テール 「あんなので、この先、やっていけるのでしょうか……?」
トライチップ 「じゃあ、なんであんなのを雇ったんだ……?」
テール 「そこらに居たので……」
トライチップ だから『徹底した調査』はどこに行ったんだ?!
テール 「調査対象が1人でしたので、即決でして……」
沙賀里 「即イキでして…?」
トライチップ いきなりなんだっ?!!
 ってか、言ってねぇよっ!!!
 そんなことより、僧侶ならサッサとネックを介抱しろっ!!!
沙賀里 「あらあら……えぇと……これは熱中症かしら?」
トライチップ 「今まで何を見ていたんだ……?(汗)
ネック  ┓┓ ~・゚。 <う~~ん………
沙賀里 「こういう時は服を緩めて……、せっかくですから下着も緩めて……」
心々 沙賀里いぃっ!!!
 戦闘中に何をやってんだああぁぁっ!!
トライチップ 「おい!!
 なんであんな奴を雇ったっ?!
テール 「用心棒を雇ったら、漏れなく付いてきまして……」
トライチップ 抱き合わせ商品じゃねぇんだぞっ!
沙賀里 「抱き合う娼婦じゃねぇんだぞ…?」
トライチップ 言ってねええぇぇぇっ!!!
心々 沙賀里ぃぃっ!!!
 ふざけてねぇで、早くネックを介抱しろやあああぁぁっ!!!
トライチップ 「いや、心々、おまえも怒鳴ってばかりいないで、
 早く敵を倒してくれよ………」
心々 「おっと、そうだったな!」


海賊B ぐはあああぁぁぁっ!!
心々 これまで散々コキ使ってきやがって!!
 うちの恨み、思い知ったかっ!!!
沙賀里 「散々手コキしやがって…?」
心々 ウゼェからいちいち反応するなっ!!!
   
トライチップ 「よくよく考えるとさぁ……」
テール 「はい?」
トライチップ 「敵を寝かせてから攻撃するのって、かなり卑劣じゃない……?」
テール 「何を仰います!
 勝てば官軍でございますぞ!!」
トライチップ 「おまえの返事って……やっぱり、どこかズレてない……?」


─── 2ターン目


敵は全員寝たまま!!

いいぞ!!

流れは完全にこっちにある!!

トライチップ 「敵は全員寝てるから、後は楽勝かな?」
心々 「あぁ。
 これなら、まな板の上のコイだぜ!」
沙賀里 「貧乳の上に恋だぜ…?」
心々 どう聞いたらそう聞こえるんだよっ!?
 ってか、ネックはどうなったんだ?!
ネック  ┓┓ ~・。゚ < む~~ん…………
沙賀里 「全然起きませんわ」
トライチップ 「まぁ、奴ら全員寝てるから、一旦ネックは放っておいてもイイだろ」
心々 「そうだな。
 じゃあ、沙賀里、先に先生をディオスで治療してくれ」
トライチップ 「ほんで、わしらは見てればいい?」
心々 「あぁ、それでいいよ」



本来なら後衛にいるトライチップ(僧侶)ディオスを唱え、
前衛沙賀里には攻撃させる方が適切な指示だが、
トライチップ雇い主なので基本的に身を守るのに専念させ、
一方の用心棒チーム自力で脅威を排除するのが仕事なので、この様な選択にした。

キャラクター独自色を付けると、こういうところまで再現したくなるのが、
ただのバカ真のウィズフリークである(諸説あり)

まぁ、敵が全員寝てるからできるんだけどさ......



なので、雇い主の2人は今回も「身を守る」で。

そして、ネックは気絶しているので、やはり何もせず
いや、気絶は勝手な設定で、実際はこの状況だとやることが無いだけで......。



では、余裕の2ターン目です!!

トライチップ 「これで敵は一気に半減だな!!」
テール 「はい!
 先生方、お願い致しますよ!!」
羅無市 「…………………………………………」


トライチップ
& テール
「「は??」」
羅無市 「…………………………………………」
トライチップ 「えぇと………、先生……?
 なんで外されたのでしょうか……?」
羅無市 「寝ている者を斬るのは………卑劣な者のやること………」
トライチップ いやいやいや!!
 生きるか死ぬかの世界なんだから、倒せる機会を逃すなよっ!!
 それでもプロかよ!!?
テール 「ご神官様?」
トライチップ なんだよ?!
テール 「ご神官様も、さっき寝ている相手を攻撃するのは卑劣だと仰っていませんでしたか?」
トライチップ 「え……?
 まぁ……その……、言ってたかも知れないけど………」


海賊C うごおおおぉぁぉっ!!
心々 これはムチャな労働をさせられて死んでいった仲間たちの恨みだっ!!!
   
トライチップ 「卑劣な攻撃、バンザーイ」(棒読み)



後は、沙賀里が先生をディオスで治療
ダメージだったので、当然1発で完治である。



─── 3ターン目


海賊D 「うぅ……」
   
トライチップ 「お?
 1人起きてきたぞ」
心々 「沙賀里、ネックの容態はどうだ?」
ネック 「うぅ……」
沙賀里 「気が付きましたわ」
心々 「よし!
 ネック、もう一丁カティノを頼むぜ!」
ネック 「………え?」
心々 「カティノだっ!!」
ネック 「は、はいっ…!」


戦闘、続行っ!!

ネック (つ>o<)つ)エイッ! 「カティノっ!!」


いきなりネックカティノが飛び、起きた1人をあっさりと再び寝かせるのに成功!!

海賊D ZZZzzz………」
   
心々 「…お?!」
ネック (;>o<)「ど……どうなりました……?」
心々 「バッチリ効いたぜ!!
 おめぇ、魔法使いの素質があるんじゃねぇのか!?」
ネック (;゚▽゚)パァッ!「ホントですかっ?!」


目の前に心々が倒した海賊の死体......

ネック  う~ん…… ┓┓バタンッ!
   
トライチップ 「なんだ、こいつ………(汗)
心々 「冒険者の素質は皆無だな……(汗)


ま、これでこのターンは一方的に攻撃が可能!!
もうこのターンでアッサリ勝っちゃいましょう!!


羅無市 「寝てる者を襲うなど、言語道断………」
   
トライチップ 変な騎士道精神を持たなくていいからああぁぁっ!!!
テール 「ご神官様、お静かに!
 寝てる敵が起きてしまいますぞ?」
トライチップ むしろ起こした方がいい気がしてきたけど??!


沙賀里 おほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)
   
トライチップ 相手は寝てんだから、ちゃんと狙えよっ!!!
 遊んでんじゃねぇんだよっ!!!
テール 「だから大声を出すと敵が起きますって!」
トライチップ おい、テール!!
 ホントにこんなメンバーで大丈夫なのか?!
テール 「ご安心下さい。
 彼らはいまだ負け知らずの用心棒でございます
トライチップ 今回が初の戦闘だからだろっ!!?
 モノは言いようだなっ!!!


海賊D ぐひゃあああぁぁっ!!!
心々 死んでいった仲間の恨み、思い知ったかっ!!!
   
トライチップ 「戦闘で盗賊が一番活躍するって………、
 なんて言うか、恨みつらみは怖いな……」
テール 「『弱い人は復讐する。
  強い人は許す。
  賢い人は無視する。
  心々は全員殺す』…ですな」
トライチップ 「なにかパクッた………?」



─── 4ターン目


敵はまだ眠ったまま!!
これは勝ったも同然でしょう!!

心々 「よ~し! 残りの奴らも…」
トライチップ 心々、ちょっと待て!!
心々 「え?」
トライチップ 先生!! 沙賀里!!
 ちょっとこっちに来いっ!!
沙賀里 「なんでございましょう?」
羅無市 「…………………………………………」
トライチップ 訓練場で習ったと思うが、迷宮での戦闘は『殺る』か『殺られる』かだっ!!
テール 「『逃げる』もございます」
トライチップ だから、正々堂々と戦ったり、テキトーに戦ったりしている余裕は無いんだ!!
 どんなに卑怯な手段を使おうと、先に相手を殺さなければ、
 次は相手がわしらを殺しに来るんだっ!!!
テール 「ソピックとか唱える奴もいるそうです」
トライチップ テぇーーール!!!
 今すぐ黙らないなら、次はおまえが死ぬ番だあぁっ!!!
テール 「それよりもご神官様、
 先ほどから殺人を勧めていらっしゃるのでございますか?」
トライチップ え?
テール 「だとしますと、それは重罪でございますぞ?
 もし捕まってしまったら、ギロチン刑かも知れません。
 割に合わないのでは?」
トライチップ じゃかぁしぃぃっ!!
 開き直ってやるっ!!!
 そうだよ!!!
 ぶっ殺せって言ってんだ!!!
心々 「それに、国と海賊は対立してんだ。
 今は災厄で国の方がそれどころじゃなくなってるけど、
 こいつらなら幾ら殺しても、褒められはしても罰せられたりはしねぇよ」
トライチップ 「おまえも元海賊だろ……?
 そんな発言、よくできるな……」
心々 「あんなブラックな職場、未練も同情心もこれっぽちも無ぇよ!!
 むしろこの手でブッ潰してやるぜっ!!!
トライチップ 「潔いな………」
沙賀里 「ところで、お話しはもう終わりでしょうか?」
トライチップ おまえらが理解するまで終わらねえぇよっっ!!!
 分かったのか?!
 どうなんだ!?
沙賀里 「昇天させればよろしいのですね?」
トライチップ 可能な限りソッチ寄りの表現にしようとするの、止めてくれる?!
羅無市 「…………………………………………」


とりあえず、前衛は全員で攻撃し、
後衛見・て・る・だ・け~~

羅無市 「無名流…………必殺っ!」


海賊E うぎゃああぁぁぁっ!!!
    じゅうもんじ
羅無市 十文字 討ち………!!」
   
トライチップ 「寝てる相手に必殺技って、微妙にダサくない……?」
テール 「倒せと仰ったのはご神官様ですぞ!」
トライチップ 「別に必殺技である必要はなくね?」


沙賀里 逝かせてあげますわあああぁぁっ!!!
海賊E ぐぅぼわああぁっ!!!
   
トライチップ 「だから微妙にソッチ寄りの表現は止めろって……」
テール 「ご神官様、どうすりゃ満足なのですか?!」
トライチップ 「『普通』って無いの?」



悪パーティーの初戦、結果は見事勝利です!!!


テール 「では、さっそく身銭を頂くと致しましょう」
トライチップ 「そういや、わしらって『辻斬り』とやらをしに来てたんだっけ……」


テール 「ご神官様、1人頭16G.P.もの金貨が手に入りましたぞ」
トライチップ 「そうか。
 じゃ、頑張ってくれた4人にも、ちゃんと分けてあげくれ」
テール 「それでは約束通り、仕事の報酬として平等に分配を致しますので、先生方もお手を……」
心々 「サンキュ」
羅無市 「…………………………………………」
沙賀里 「初任給でございますわね」
ネック  ┓┓
心々 「おい、ネック、起きろ。
 起きねぇと報酬を貰えないぞ」



さて......、


...まだ最初の部屋から出てもいないが、
レベル1なのに呪文をそれなりに使ったので......、


...さっそく帰還します。

レベル1パーティー1回戦うごとに戻るのが基本だしね。

 

> 動画に戻るにはここをクリック




2.汚い金…


━━━━ 迷宮 入り口......


テール 「では、次の辻斬りの獲物を探しに行きましょう」
トライチップ 「そういや、どこで獲物を探そうとしていたんだっけ?」
心々 「『バラック』だろ」


心々 「あの扉の先に『バラック』があるんだ」
トライチップ 「近いのか?」
心々 「あぁ、すぐ近くだ。
 とりあえず行ってみようぜ」


心々 「今回は海賊どもが現れる様子は無ぇな」


ガチャッ...!        ← 扉を開ける音


心々 「あそこだ」


    扉に書かれた文字は
      ”バラック”


トライチップ 「ホントだ。
 ちなみに、どんな場所なんだ?」
心々 「入ると、まず受付とロビーがあって、
 その奥には大昔に兵隊たちが住んでいた大部屋が並んでいるんだ」
トライチップ 「へぇ~」
心々 「まぁ、今はもう使われてないから、
 代わりに魔物たちが時々住処として使ってるけど」
トライチップ 「そんな所に入って、大丈夫なの?」
心々 「魔物を探してるんじゃなかったのか?」
トライチップ 「まぁ、そうと言えばそうだけど……」
心々 「じゃ、入るぜ」
トライチップ 「ちょっと心の準備が……」
心々 「迷宮の中じゃぁ、魔物は心の準備なんて待ってくれねぇぞ。
 そういうのは迷宮に入る前に済ませておけよ」
トライチップ 「トイレみたいに言われても……」


ガチャッ...!


扉の先の部屋の中は薄汚れていて、あちこちに土ボコリとクモの巣が見られた。
壁際には蹴り倒されて壊れた机も見える。
(この文って第3話のコピペですけどね)

トライチップ 「ここは…?」
心々 「かつての受付だ。
 この隣がロビーになっている」


ガチャッ...!


部屋の中は先ほどよりは広く、入り口付近には壊れた本棚や椅子が砂ボコリを被って散乱していた。
一方、反対側の壁の方は段差で一段低くなっており、そこは雑草が生い茂った地面になっていた。
(これも第3話のコピペ)

トライチップ 「なんで部屋の中に草が生えているんだ?」
テール 「何か面白いことでもありましたか?」
トライチップ 「何の話し…?」
心々 「ここはロビーだったからな。
 憩いの場所として作られた庭が、今も残ってんだ」
トライチップ 「へぇ~…。
 それで、あの庭の端っこにあるのは何だ?」
心々 「え?」



壁際を見ると、体調2mはあろうかというドロドロした生き物が鎮座しており、
こちらに気付くと同時に、ゆっくりと近付いて来た。

心々 「魔物のご登場だ」
トライチップ なにいいぃぃぃっ!!?
心々 「さっそく見付けたな」
トライチップ 何、あれ?!
 何、あれ!?
 何、あれ??!
心々 「ちょっと暗くて分かりにくいけど……まぁ、ナメクジだろ」
トライチップ 待て待て待て待て!!
 おかしいおかしいおかしい!!
心々 「あ?」
トライチップ ナメクジにしちゃぁ、デカ過ぎんだろ!?
心々 「この迷宮にいるナメクジっていやぁ、あれぐらいの大きさは普通だぜ。
 うちは何度も遭遇してるから、知ってんだ」
トライチップ うっそおおおぉぉぉっ?!!
 あれ、ナメクジなの?!
テール 「ご神官様、お喜び下さい」
トライチップ なにを??!
テール 「新しい獲物でございます」
トライチップ 待て待て待て待て!!
 おかしいおかしいおかしい!!
テール 「何がでしょう?」
トライチップ いや………仮にナメクジだとしてもだよ?
テール 「はい?」
トライチップ ナメクジだよ?!
テール 「まんまじゃないですか」
トライチップ ナメクジなんて斬ってどうすんの?!
テール 「酒場でお話ししたではありませんか。
 この迷宮では、ナメクジもお金を持っておるのですぞ」
トライチップ ウソだぁ!!
心々 「いや、持ってたりするぜ」
トライチップ え…?!
 本当なの…!?
心々 「あぁ」
トライチップ マジで?!
 マジでナメクジがお金を持ってるの?!
 どこに持ってるの?!
 何して稼いでるの?!
 確定申告も毎年してるの?!
テール 「ナメクジを相手に何を仰っしゃてるのですか……」
トライチップ こっちのセリフだよ!!
 ナメクジがお金を持ってるとか、おかしいとは思わないのか?!
テール 「とにかく斬り捨てますぞ。
 それでは先生方、よろしくお頼み致します」
羅無市  …シャキンッ…!  ← 剣を抜く音
心々 任せな!
トライチップ わしがおかしいの?!
 ねぇ、わしだけおかしいの!?


とりあえず、戦術を決めましょう。


まず、用心棒の前衛3人は全員「戦う」で攻撃する。


雇い主である後衛2人は、今回も部屋の隅で身を守っているだけ。


そして魔法使いネックは、カティノで敵の動きを封じるのに挑戦。


では、戦闘開始です!!

心々 よし、ネック!!
 カティノで奴を眠らせてくれ!!
 そうすりゃ簡単に狩れるからなっ!!



し~~ん............


心々 お~い、ネック?!



し~~~ん...............


心々 「………



心々が周囲を見渡すと、ネックが壁の方を向いて壁にピッタリ引っ付いて立っていた。


心々 「…………???



心々ネックの側まで歩いていくと、声を掛けた。

心々 「なぁ……何やってんだ、おまえ?」
ネック 「あの……その……、僕………」
心々 「……?」
ネック 「ナメクジが苦手で………」
心々 なにいいぃぃっ??!
ネック 「あのヌルヌルした感じが……ダメで………」
沙賀里 「あらあら、ネックったら……、
 ヌルヌルしたものに耐性が無いと、女の子と…」
心々 沙賀里いいぃぃっ!!!
 余計なこと言いに来るなああぁぁっ!!!
沙賀里 「あら、でもネックの将来のためにも…」
心々 今は戦闘中なんだっ!!!
 いいから持ち場に戻れえええぇぇっ!!!
沙賀里 「せっかくネックのためを思って来ましたのに……」
心々 ネック、本当にダメなのか?!
ネック 「だっ……だって……、あんな大きいのなんて………」
心々 分かったよ!!
 今回も目を瞑ったままでいいから、
 早くカティノを唱えてくれっ!!
ネック 「じゃ…じゃぁ………」


トップバッターはネック!!

いきなりネックの(目を瞑ったままの)カティノが飛ぶ!!!

ネック (つ>o<)つ)エイッ! 「カティノっ!!」
心々 「方向を間違えないかドキドキだな……」


見事!!
いきなり敵を寝かせることに成功!!!

ネックって魔法使いとしてのセンスがあるんじゃないのかっ!?

心々 「…お?!」
ネック (;>o<)「ど……どうなりました……?」
心々 「あいつ、寝やがったぞ!!
 おめぇ、すげぇなっ!!」
ネック (;゚▽゚)パァッ!「ホントですかっ?!」


目の前に巨大などろどろしたもの........

ネック  う~ん…… ┓┓バタンッ!
心々 「ハチマキとかで目を塞いだ方がいいかな……?」
沙賀里 「目隠しプレイですか?
 それでしたら、是非わらわが…」
心々 おめぇはこっちに来んなっ!!!
 それより敵が寝たんだから、攻撃して来いっ!!!
沙賀里 「せっかくネックのためを思って来ましたのに……」
心々 いいから、攻撃しろっ!!!
沙賀里 「分かりましたわ。
 それでは、行きますわよおおおぉぉっ!!!


2番手は沙賀里!!!


沙賀里 おほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)
   
心々 テキトーに振るなあああぁぁっ!!!
 ちゃんと攻撃しろおおおぉぉっ!!!
   
トライチップ 「なぁ、テールや…?
 本当にこんな用心棒で大丈夫なの……?」
テール 「ご安心下さい。
 沙賀里はいつもあぁですから」
トライチップ 「だから心配なんだけど……?」


羅無市 「寝ている者を刺すなど……卑怯者のすること……」
   
トライチップ おい、テール!?
 本当にこんな用心棒で大丈夫なんだろうな?!
テール 「ご安心下さい。
 先生もいつもあぁな様ですから」
トライチップ 前回説得できたと思ったのにっ?!


心々 「あれ……?」
   
トライチップ 本当に大丈夫なんだろうなああぁぁっ?!
テール 「いや……心々に関しては……、
 あれは……なんで外れるんですかねぇ……?」
トライチップ 寝てる敵を相手に、誰1人攻撃を当てないとか、
 どう考えても不安要素しかないだろっ!?



─── 2ターン目


トライチップ 心々っ!?
 おまえらに任せて本当に大丈夫なのか?!
心々 「うるせぇなぁ、うちはちょっと手元が狂っただけだ。
 とりあえず接近して確認できたけど、やっぱりジャイアントスラグだったぜ」
トライチップ しかも、あいつ、もう起きてきたしっ!?
心々 「心配すんな。
 もう一度寝かせればいいだけだ。
 おら、ネック、おまえも起きろ(パン!パン!)
ネック 「ぅ………、ぅ………?」
心々 「もう一度カティノを頼むぜ」
ネック 「ぅ………?」
トライチップ 心々、ネック、ちょっと待て!!
心々 「え?」
ネック ん……?」
トライチップ 相手が寝ていると、先生とかまともに攻撃しなくなるからなっ!!
 先生っ!! 沙賀里っ!!
 先に攻撃しろっ!!
 分かったな!?
羅無市 「…………………………………………」
沙賀里 「しょうがないですわねぇ……」


とりあえず振り出しの状態に戻っただけなので、
再び前衛3人攻撃し、ネックカティノを唱えさせる。

では、いってみましょう!!

沙賀里 それでは、いきますわよぉ~っ!!


沙賀里 おほほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)
スラグA フギュワアアアァァッ!!


1番手は今回も沙賀里!!
やっとダメージを与える!!

トライチップ 「起きてる方が攻撃が当たるって、どういうことだよ……?」
テール 「海賊の時は当たらなかったので、単なる運なのでは……?」
トライチップ 「運任せで攻撃されても困るんだが……」


でも、命中率のゲームだし......。

それはともかく、2番手は先生!!!


スラグA グィギャアアアァァッ!!
          さんもんじ
羅無市 「無名流………三文字斬り……!」
   
トライチップ 「やっぱり敵は寝かさない方が良くね……?」
テール 「訓練場で習ったセオリーと真逆なのですが……」


まぁ、運だから........。

スラグA 「グィ……ギィ…ッ!」
羅無市 「……む!?
 この物の怪……、倒れぬとは………」
   
トライチップ 「やっぱ魔物って、人間と違って、ちょっとやそっとじゃ死なないんだな……」
テール 「えぇ、なんと言ってもナメクジですから」
トライチップ 「そう言われると、むしろ簡単に死にそうなんだけど……」


そして、3番手は心々!!!


スラグA ギィギャアアアァァッ!!
心々 「ちっ……、しぶてぇ野郎だな……!」
   
トライチップ 「やっぱり敵が起きてる方が、攻撃が当たるんだけど……?」
テール 「世の中は不思議で満ちてますな……」

スラグA 「グゥゥ……シュゥゥゥ……!」
   
心々 「…ん?」
   
スラグA キシャアアァァァッ!!!
 (ズドドドドドッ!)
   
心々 「ぅお?!
 怒って攻撃してきやがった!!
 ネック!!
 カティノだっ!!!
ネック (;-_-)んん………?
心々 ネック、早くしてくれぇっ!!!
ネック (つ-o-)つ) ~。゚「カティノぉ……」


心々 「へ?」
   
スラグA  ズドドドドドドドッ! ! !


沙賀里 ごおおぉぉっ!!
   
心々 ネックぅぅっ!!
 ちゃんと精神集中して唱えてくれえええぇ!!!
ネック ふえ……?」
   
トライチップ テールっっ!!
 本当にこいつらに任せて、大丈夫なんだろうなぁ!?
テール 「ご安心下さい。
 彼らはこれまで全戦全勝の用心棒たちでございます」
トライチップ 1回戦突破しただけの奴をまるで優勝したみたいに言うなあ!!!



─── 3ターン目


沙賀里のH.P.がヤバイので、ここは沙賀里治療だな。

沙賀里 「はぁ……はぁ……」
心々 「やべぇな………いきなり重症じゃねぇか。
 沙賀里、おめぇは治療に専念していろ」
沙賀里 「痴女に専念していろ……?」
心々 言ってねえよっ!!!



先ほども書いたように、用心棒チームは自力で仕事を遂行するので、自分で治療をする。

いや、まぁ、今回は敵が寝ていないから、普通に後衛の僧侶に唱えさせた方が良かったのかも知れなけど。

ともかく、雇い主の2人は......、


...見ているだけである。


ネックは3度目のカティノを。


では、3ターン目です!!

心々 ネック!!
 カティノを唱え…」
トライチップ 「…るよりも先に、先生、攻撃してくれっ!!!
羅無市  …チャキッ


          ななもんじ
羅無市 「無名流………七文字突き………!!」
スラグA ギィシャアアァァッ!!
羅無市 「む…?!
 この物の怪め……っ!」
   
トライチップ 「七文字突きって……どういう突き方……?」
テール 「一文字が一直線の動きでしたから、『7』とすると……突いて戻してます……?」
トライチップ 「まぁ……ギリ突いてるか……?」


ってか、結構ダメージを与えているはずなのに、全然死なない。
ジャイアントスラグって、こんなにH.P.あったんだっけ……?


沙賀里 「おほほほほほほっ!
 完全復活ですわぁ~~!!」


沙賀里は一発で完治
とりあえず危機は脱した。

スラグA 「シャア……!」
   
心々 「むっ…!」
   
スラグA フシャアアァァァッ!!!
 (ズドドドドドッ!)
   
心々 「けっ…!」
   
トライチップ ぬお!?
 今度は心々に向かって突進してきたぞ?!


心々 「よっと!(ひょいっ!)
スラグA 「……シュ?!
心々 うちを狙って来たのが運の尽きだぜっ!!
スラグA グゥ!?
心々 トドメの一撃だっ!!


スラグA グギャアアアァァァッ!!!
心々 ざまぁねぇなっ!!!
   
テール 「おぉっ!!
 ご神官様、見事 魔物を倒しましたぞっ!!」
トライチップ 「デカいだけあって、メッチャ体力あったな、あいつ………」


ネック (つ-o-)つ) ~。゚「カティノぉ……」
テール 「………………………………(汗)
トライチップ 「………………………………(汗)
心々 「おい、ネック……もう終わってるよ……(汗)
ネック (;-o-) ~。゚「ふ……?」


ネックって、メッチャ早いメッチャ遅いかの両極端だな......。

ま、これで......


...ジャイアントスラグ戦も無事に勝利です!!

テール 「それでは、ご神官様、金品を奪うことに致しましょう」
トライチップ 「どこから……?」
テール 「ジャイアントスラグからに決まってるではないですか」
トライチップ 「ナメクジのどこに金品があるんだよ……?」
テール 「えぇと……」
心々 「うちが見てきてやる」
トライチップ 「見てくるのはいいけど、金とか持ってる可能性があるってこと……?」


心々は死んで潰れたジャイアントスラグの体を物色し始めた。

心々 「お!
 ラッキーだぜ!
 そこそこ金貨が残ってるぞ!!」
トライチップ 「え?!
 マジで…!?」


トライチップたち全員が、心々の周囲に集まって来た。


トライチップ 「本当だ………」
心々 「ジャイアントスラグは死体を貪るから、
 消化できない物が体の中に残るんだ」
トライチップ 「そういうことか。
 心々、おまえ色々知ってるんだな」
心々 「海賊にいた頃、この迷宮のあちこちで学んだからな」
トライチップ 「最初は不安だったけど、おまえらを雇って意外と正解だったのかも」
心々 「意外だけ余計だ」
テール 「ご神官様、1人頭16G.P.もの金貨がありましたぞ」
トライチップ 「そうか。
 それはいいけど……そのナメクジの体液が付いてるの、なんとかならない?」
テール 「まぁ、これは拭けばなんとか(ゴシゴシゴシ…)
トライチップ 「『汚い金』って言葉は大好きだが、物理的に汚いのはちょっとな……」
テール 「これで我慢して下さい」
トライチップ 「しょうがない」
テール 「それと、約束通り仕事の報酬を分配致しますので、先生方もお手を……」
心々 「サンキュ」
羅無市 「…………………………………………」
ネック 「うへ……」
沙賀里 「どうしたの、ネック?」
ネック 「まだちょっとナメクジの体液が付いてた……」
沙賀里 「ネック、本番に備えて粘っこいモノにも慣れておかないといけませんわ」
ネック 「本番…?!」
心々 「バカなこと言ってねぇで、町に帰るぞ……」


安全を期して、今回もすぐに回復に戻ります。


 




3.常識が通用しない迷宮




━━━━ 迷宮 入り口......


テール 「では、この調子で次々と辻斬りしていきましょう」
心々 「目的地は今回もバラックで良いんだな?」
テール 「はい、案内をよろしくお願い致します」
心々 「じゃ、出発だ」



今回もバラックへと入って行きます。


ガチャッ...!


ガチャッ...!


トライチップ 「さっき戦った場所だな。
 また魔物が居たりしないか?」
心々 「え~~と……………、
 いや、大丈夫そうだぜ」
トライチップ 「そうか、それは良かった」
心々 「魔物をぶった斬りに来たんじゃねぇのか?」
トライチップ 「いや、まぁ、そうなんだけど……、
 でも、なるべくなら危険なことは避けたいから」
心々 「その性格は相変わらずだな。
 とりあえず、この先がメインの宿舎だ」


ガチャッ...!


沙賀里 「まぁ……扉がたくさん並んでいますわ」
心々 「ここが、かつての居住区域だ」
トライチップ 「迷宮の中にこんな場所があったのか……」
心々 「ここに並んだ扉の中がそれぞれ大部屋になってて、昔は兵隊とかが住んでいたらしいぜ」
沙賀里 「逢引にピッタリでございますわね」
心々 「いや、どう見てもピッタリじゃねぇだろ……」
トライチップ 「それで、来たはいいけど……ここで獲物が通るのを待つのか?」
テール 「聞いた話しでは、これらの部屋の中にはモンスターが潜んでいるらしいので、
 順番に入っていって、そいつらを襲って金品を奪っていきます」
トライチップ 「ふ~ん………」
テール 「……………………………………」
トライチップ 「……………………………………」
テール 「……………………………………」
トライチップ 「………なぁ、テールや?」
テール 「はい?」
トライチップ 「それは『辻斬り』ではなく、『押し込み強盗』と言うのでは?」
テール 「細かい事を気にしてはいけません。
 さっそく中に入りましょう」
トライチップ 「わしの言ったこと、そんな細かかった?」


ガチャッ...!


中は住居用の相部屋だったようで、壊れたテーブルや椅子など多くの家具があちこちに散乱して砂ボコリを被っていた。
(コピ(以下略))

トライチップ 「廃墟の中みたいな部屋だな」
心々 「もう使ってないから、実質廃墟だよ」
トライチップ 「これだけ薄汚れていると、確かに魔物の1匹や2匹居ても、不思議じゃないな……」
テール 「それで、獲物は居そうですかな?」
心々 「う~~ん………、
 いや、ここには居なさそうだな」
テール 「では、次の部屋へ移動致しましょう」


この部屋を出て、次は通路を挟んで反対側に並んだ扉の方へ。


ガチャッ...!


扉の中は居住用の相部屋になっていたが、今はもう住む者も無く、中は荒れ果てており、
衣類の端切れや割れたコップが床に散乱し、ホコリを被っていた。

だが......先ほどの部屋とは相違点があり、部屋の奥からガラクタの上を何かが通る音がする......。

トライチップ 「なんだ? この音?」
テール 「何かが近付いて来る音ですな」
心々 「魔物のご登場だろ」
トライチップ 「マジで………」


トライチップ 「し……しかも……、なんか数が多くないか……?」
心々 「あぁ、何匹かで囲い込むように近付いてくるな……」
トライチップ 「ネズミとかか………?」
心々 「えぇと……いや、あれは……」


心々 「…植物だな」
トライチップ ウェイト・ア・モーメントぉっ!!
心々 「え?」
トライチップ 生物学のお時間です!!!
テール 「どうされました?」
トライチップ 植物とは何でしょうか?!
心々 「いきなり何だよ?」
トライチップ 植物の定義に『自分の意思で動く』は含まれるでしょうか?!
テール 「含まれるかと」
トライチップ はい??
 そんなの見たことないだろっ!!
テール 「いえいえ、ヒマワリとか太陽の方を向いたりするではないですか」
トライチップ でも歩き回ったりはしないよね!?
テール 「ご神官様、現実を見て下さい。
 実際に植物が歩いているではございませんか?」
トライチップ ここ数回の迷宮入りで、これまでの常識が、
 次々と崩壊しているんだけど!?
心々 「迷宮の中じゃぁ、これまでの常識なんて通用しないぜ」
テール 「ご神官様、常識などお捨て下さいませ」
トライチップ いいよ!!
 分かったよ!!!
 でもさぁ!!
 百兆歩譲って、あれが植物だとしてもだよ?!
テール 「はい?」
トライチップ 植物だよ!?
テール 「まんまじゃないですか」
トライチップ 植物なんて斬って、どうすんだよ?!
テール 「だから酒場でお話ししたではありませんか。
 この迷宮では、植物もお金を持っておるのですぞ」
トライチップ 植物が?!
 お金を??!
 常識で考えて、あり得ないだろっ!!!
心々 「…………………………………………」
テール 「…………………………………………」
トライチップ 「………分かったよ………常識は通用しないんだろ……もぉ~~………」



さて、強敵「奇妙な植物」(まず間違いなくクローリングケルプ)ですが、
1グループなら、まぁ、勝てる範囲かな......?

......と判断して、戦ってみることにしました。


まず、前衛の3人は当然直接攻撃


後衛の2人は今回見てるだけ。

そして、問題は魔法使いのネックだが......、

心々 「ネックにはどうしてもらおうかなぁ……」
トライチップ 「これまで通り、カティノで寝かせれば良いのでは?
 植物が寝るのかは知らんが……」
心々 「いや……こいつら、呪文が効きづらいから、
 全然眠らねぇかも知れねぇんだ」
トライチップ 「じゃあ、どうするんだ?」
心々 「ま、数が多いから、例え1~2匹でも眠らせられれば、助かるかな」


...無駄かも知れないけど、可能な限りカティノで相手を足止めする。


心々 よし!!
 沙賀里、先生、ぶった斬っていこうぜっ!!
沙賀里 「ガーデニングは得意でございますわ」
羅無市 「…………………………………………」


戦闘開始っ!!

沙賀里 「ガーデニングなら、わらわらにお任せあれ~~!!」


トップバッターは、またもや沙賀里!!!


沙賀里 おほほほほほほっ!!(ブン!ブン!)
植物A  …シュバアアァァッ!!
   
心々 「あいつに庭の手入れをさせちゃダメだな……(汗)
トライチップ 「だな……(汗)


2番手先生!!


      ひゃくもんじ
羅無市 「無名流・百文字刺し……!」
植物B  …ブシャアアアァァッ!!
   
心々 「よ~~し! いいぞっ!!」
トライチップ 「百文字刺し……って、何?
 どこら辺が100なの?」
テール 「もしかして、あれって、単純に数字がどんどん増えているだけなのでは……?」


と、その時、奇妙な植物1匹反撃に出る!!!


植物C  ……シュッ……
心々 「ぢぃっ…
   
トライチップ おい!?
 植物が襲ってきたぞ?!
テール 「植物でございますから」
トライチップ 「えぇと………当たり前のように言われても………」
   
心々 「ちっ……油断したぜ……!」


植物C  …シュビュアアアァァッ!!
心々 なめぇんじゃねぇよ!!
   
植物達  ……シュルルルルルル……ッ!!
   
心々 「まだ4匹もいるのか……、
 よし、ネック!!
 こいつらを寝かせてくれっ!!
   
ネック (>_<;) ……………………………………
   
心々 「………ネック?」
   
ネック (>_<;) ……………………………………
   
心々 「………………???」
   
ネック (>_<;) ……………………………………
   
心々 「な……何してんだ……、おめぇ………?」
ネック (>o<;)「僕……その………」
心々 「………?」
ネック (>o<;)「触手が苦手で……」
沙賀里 「まぁ、ネッ…」
心々 おめぇはこっち来るなぁっ!!!
沙賀里 「どうしたのですか、心々?」
心々 おめぇが反応するタイプの単語が出て来たから、すぐに分かったよ!!
沙賀里 「何が分かったのでしょうか?」
心々 いいから持ち場に戻れっ!!!
ネック (>o<;)「僕は町に戻っていいでしょうか?」
心々 ダメだっ!!!
 こうなったら、ずっと目を瞑ったままでイイから、とにかくカティノを唱えてくれっ!!
ネック (;>o<)「じゃ……じゃあ………」
心々 早くっ!!
ネック (つ>o<)つ)エイッ!「カティノっ!!」


心々 「4匹も残ってるけど、あんなんで呪文が届くのか……?」


まぁ、それ以前に、こいつら呪文が効き難いし......


...と思っていたら、いきなり1匹目から寝かせるのに成功しやがった!!

心々 「…お?!」
テール (;>o<)「ど……どうしました……?」
心々 「いきなり1匹寝たぞ!!
 おめぇ、マジで呪文を使いこなすセンスあるなっ!!」
テール (;゚▽゚)パァッ!「ホントですかっ?!」


残った3匹の植物がウニョウニョウニョ......

テール  ┓┓バタンッ! < ふひぃ~~………
心々 「おい……まだ3匹残ってんだけど……、
 ……どうなんだよ、これ……?」




詠唱者が倒れたからか、残った3匹はアッサリと呪文を無効化する。

ネック  ┓┓ ~・゚。 <う~~ん………
心々 「この先が思いやられるな………」
トライチップ 「ってか、3匹残ったけど、どうすんだ……?」
心々 「む~……」


ただ、残りの3匹なぜか一切攻撃をして来ず

植物たち  ……シュ…………ヌュ……
   
心々 「カティノが多少は効いたのか、動きが弱まったぞ、あいつら」
トライチップ 「こいつら、呪文に抵抗力があったんじゃないのか?」
心々 「そうだけど……ネックの呪文の威力が相当強かったのかも」
トライチップ 「ネックのやつ、もしかしたら魔法使いとしては凄腕なのかも知れんな……」
   
ネック  ┓┓ ~・゚。 ~~………
   
心々 「こんなだけど…?」
トライチップ 「こんなだけど……」

かくして、これで1ターン目終了


─── 2ターン目


心々 「やり合った時に確認できたけど、
 こいつらやっぱりクローリングケルプ(這い回る昆布)だったぜ」
トライチップ 昆布??
心々 「あぁ」
トライチップ 昆布が人を襲うの?!
テール 「魔物ですから」
トライチップ いや、魔物だからって、思考を止めるなよっ!!
テール 「どういうことでしょう?」
トライチップ いいか?!
 よく考えろよ!!
 昆布が人間を襲って、何のメリットがあるんだ?!
テール 「ダシに使うのでは?」
トライチップ フツー逆だよねええぇぇ!!!
 って、それ以前に、昆布が料理をするとでも言うのかよっ!!!
心々 「じゃ、肉食なんだろ」
トライチップ 肉食の昆布なんて聞いたことねぇぞお!!!
心々 「世界は広いんだよ」
トライチップ いやいやいや、常識で考えてさぁ…
心々 「…………………………………………」
テール 「…………………………………………」
トライチップ 「分かったよぉ~~………常識で考えちゃダメなんだろぉ~~………もぉぉ~~………」


2ターン目は、僧侶沙賀里心々治療に当たり、残る前衛攻撃に専念。
後衛は、リーダー2人は相変わらず見ているだけで、魔法使いネックは改めてカティノに挑戦。

心々 「おら、ネック、起きろ!(バシッ!バシッ!)
 頼むからもう一発呪文を唱えてくれ!」
テール ~~ん……~☆


では、2ターン目にいってみましょう!!

心々 ぶっ殺してやるぜっ!!


珍しく一番手は心々!!


ケルプD  …サッ
心々 「なにっ…!?」
沙賀里 「あらあら、心々ったら、怪我人がそんなに動いてはダメですわよ」
心々 おめぇは攻撃する訳でもないのに、前に来んなっ!!
沙賀里 「前に出ないと心々を治療できませんわ。
 さぁ、まずはわららの胸に顔をうずめて……」
心々 なに訳分かんねぇこと言って…
ケルプD  …シュルルルルルルッ!!
心々 「…!?


心々 「くそっ…!(ささっ!)
沙賀里 「あら、心々、どこに行かれる……」
ケルプD  …シィルルルルルルッ!!
沙賀里 「え……?」


沙賀里 ぬほぉぉおお!!
   
心々 沙賀里っ!!
 戻れぇぇっっ!!!


沙賀里 ぉんごおおぉぉっ!!!


沙賀里いいいいぃぃぃっ!!!


訓練場で作ったばかりのキャラに、クローリングケルプは
まだ早かったかああぁぁぁっ!!!


心々 ちくしょうっ!!
 先生、仇討ちを!!!


ケルプD  ……シャッ……
羅無市 「むっ…!?」


だあああぁぁぁっ!!!

先生まで攻撃を外したあああぁぁっ!!!

心々 ネック!!!
 あと頼れるのはおまえだけだっ!!!
ネック (;-o-)~゚。 ぁ~~……?
心々 早くカティノを唱えてくれええ!!!
ネック (つ-o-)つ) ェィ~……「カティノぉ………」



だああああぁぁぁぁ!!!!

全然効かねええええぇぇ!!!!

心々 ネックっ!!!
 ちゃんと唱えてくれよっ!!!
ネック ( -o-)~。゚ ~~……?

トライチップ おい、テールっ!!!
 本当にこいつらにボディガードを任せて大丈夫なんだろうなっ!!?
テール 「ご神官様、そんなことよりも、
 もっと重要なことを忘れていらっしゃいますぞ」
トライチップ ……
テール 「沙賀里が死んだので……」



─── 3ターン目......


テール 「…ご神官様が前衛です」
トライチップ うそおおぉぉぉっ!??
   
ケルプD  ……シィルルルルルルッ……!!
ケルプE  ……ニュルルルルルルッ……!!
   
トライチップ あいつら、こっちを狙ってる!!!
 狙ってるよ!!!
心々 「しょうがねぇ……うちが囮になって、奴らの気を引き付けておくから、
 おめぇらはその隙に倒してくれ」
羅無市 「…………………………………………」
トライチップ え? え?!


こうなったらキャラ設定とかどうでもいいっ!!
見ているだけだったリーダー2人にもキッチリ働いてもらう!!!

戦闘続行っ!!!

心々 いくぜっ!!


心々敵のサイドに飛び出すと、クローリングケルプたちは一斉に心々の方に向かって行った!!!


ケルプE  ……シュッ……
心々 「おっと!ばっ!


ケルプF  ……シャァ!!
心々 くっ!?

トライチップ おいっ!!
 このままじゃ心々がヤバイっ!!
 先生っ!!!
 本気でいくぞっ!!!
羅無市  ……ちゃきっ……


まず、先生クローリングケルプに突進すると、
円形殺法の如く刀を回しながら斬りかかる!!

羅無市 「無名流……………必殺っ!」


ケルプD  ……バシュアアァァァッ……!!
   ぜろもんじ
羅無市 零文字斬り………!」
   
トライチップ 次はわしだっっ!!
 ぬおおおおぉぉぉぉっ!!!


ケルプE  ……シュビュアアァァァッ……!!
トライチップ どうだあぁっ!!?
   
ケルプF  …シュルルルルルルッ
ケルプG  …シュルルルルルルッ
   
トライチップ ありゃ…!?
 こ、こっちに向きを変えやがった!!
 し……心々っ!!
 どうすりゃいい?!
   
心々 「カティノで足止めするしかねぇ…!」
   
トライチップ そうかっ!!
   
心々 「けど……ネックがあれじゃぁ………」
   
トライチップ 任せろっ!!!


トライチップはまずテールの所まで行くと、テールの首を掴んだっ!!

テール ぐへぇっ!?
トライチップ テぇーーールっ!!
 おまえだけのんびり見てるなんて許さんからなっ!!
テール 「はぃぃい……?」
トライチップ おまえも働くんだっ!!!
テール 「な……何をすれば……よろしいでしょうか…?!」
トライチップ おまえもカティノを唱えられるだろっ!?
 おまえがカティノを唱えるんだっ!!
テール 「は……はいぃ…!!」
トライチップ ただし、もしも1匹も寝かせられなかったら……、
 ただじゃあ済まさんからなっ!!!
テール 「が……頑張ります……!」


ここで、テールが初参戦!


テール 「カ……カティノぉ!!


トライチップ テぇ~~ルぅ…!?
テール あと1匹っ!!
 あと1匹おりますので!!!


トライチップ よし!!
テール 「ふぅぃ………」
トライチップ あとはネックだっ!!


次にトライチップはネックの所まで走って行くと、ネックの顔を力いっぱいはたきだした!!

トライチップ おらっ!!バシッ!バシッ!
 ネックっ!!バシッ!バシッ!
 目を覚ませっ!!バシッ!バシッ!
ネック 「ぐへぁっ! いだぁっ! いだいっ!!」
トライチップ カティノだっ!!!
 これまでの成果を見てて、わしには分かるっ!!
 おまえの実力ならイケるっ!!
 残った1匹を全力で寝かせるんだぁっっ!!!
ネック 「は……はいっ!!」


ネック カティノォォォ!!!


残った1匹も寝かせ、敵を完全に無力化することに見事成功っ!!!

テール 「や……やった……!」
トライチップ さすがだぞっ、ネックっ!!
   
心々 「なんだよ………みんな、やればデキるんじゃねぇか……」


心々短剣を持ち直すと、先ほどダメージを与えてきたクローリングケルプを......、


...思いっきり叩っ切ったっ!!

心々 さっきのお返しだぜ!!



─── 4ターン目


残り1匹!!!

しかも爆睡中!!!

このターンで勝負を決めたい!!!

心々 「後はこいつを…」
トライチップ どけっ!!
 心々っ!!
心々 「…え?」


ケルプG  …ブシュワアアァァァッ!!
トライチップ たかが昆布の分際で、わしに盾突くとどうなるか、
 分かったかぁ!!!
   
テール 「残った1匹をあっさり倒しましたな……」
心々 「チップって訓練場時代から、普段は安全圏にばかり居るけど、
 いざ戦うと何気に強かったよなぁ……」



強敵クローリングケルプを相手に、なんとか勝利!!!


って、死者を1人出しちゃったけど......。



しかも、クローリングケルプ25%の確率おで金を出さないようだが、
今回はその25%を引いてしまったようだ......。

トライチップ 「で……、昆布がどこに金を持ってんだ?」
心々 「ん~~………ザッと見た限りだと、ここに金は無ぇな」
トライチップ なにぃ~~!?
 昆布も金を持ってるんじゃなかったのかっ?!
ネック 「え……?
 昆布が……?」
トライチップ そうだ!
 ネックは何か知っているか?!
ネック 「あの……昆布って……海藻ですよね………?」
トライチップ そうだな!
ネック 「常識で考えて……海藻がお金を持ってるなんて………あり得ないんじゃぁ………」
トライチップ 「………………………………………(汗)
心々 「………………………………………(汗)」
トライチップ テエエエェェーーールッ!!!
テール 「はい!?」
トライチップ 昆布も金を持ってるんじゃなかったのかぁっ!!?
テール 「えええぇと………そその………酒場の話しで……そう聞いておりましたので………(汗)
トライチップ じゃぁ、なんでこいつらは金を持ってないんだっ?!
テール 「あああの………そう言われましても………(汗)
トライチップ 死人を出した上に、わしまで危険な目に遭わせて、
 その上、なんの成果も得られないって、
 この落とし前はどう付けるつもりだっ!!?
テール 「いや……その………あの………」
トライチップ ふざけたこと言って、わしを騙くらしやがってっっ!!!
 この落とし前はキッチリと付けさせてやるっ!!!
テール ひぃぃっ!!!」
心々 「なぁ、こんなところでグダグダしてると、別の魔物が来るぞ。
 沙賀里の蘇生もしねぇといけねぇし、早く帰ろうぜ」
トライチップ むぅっ
 ……仕方ない………」
テール 「ほっ……」
心々 よし、町へ戻るぜ!


さっそく町へと帰ります!!




なんとか他の魔物とは遭遇せず、無事に町まで帰還!!!



----------------------------------------


━━━━ カント寺院......


とりあえず蘇生費用を確認する。


蘇生費用は250G.P.

誰か250G.P.残ってないかな...?


心々 「ダメだ……全然足りねぇ……」
トライチップ 「おい、テール!!
 250G.P.持ってないか?!」
テール 「えぇと……」


テール 「…申し訳ありません、ご神官様。
 あいにく少し足りません」
トライチップ 「仕方ない。
 じゃぁ、わしが……」


トライチップ 「…………………………………(汗)
心々 「250G.P.って、レベル1の冒険者にはまぁまぁ高額だぜ」
トライチップ 「えぇい!
 背に腹は代えられん!!
 全員で出し合って蘇生を頼むしかない!!!」


しょうがないので、全員の所持金を集める


よし!





集めた金額を寄付して、蘇生を依頼する。





頼む!!!

復活してくれ!!!



オッケーー!!!

無事に復活っ!!!



年齢もそのままのようで、
とりあえず元に戻って良かった。

じゃ、集めたお金を再分配しますか。



これで、蘇生作業は無事に完了


トライチップ おいっ!
 テールっ!!
テール 「はい?」
トライチップ 辻斬りで手に入れた金は幾らだ?!
テール 「海賊どもとジャイアントスラグから、それぞれ96G.P.を手に入れましたので、
 合計で192G.P.でございました」
トライチップ 沙賀里の蘇生費用は?!
テール 「250G.P.でございます」
トライチップ しめて!?
テール 「しめて58G.P.の赤字でございます!」
トライチップ テェェェェルゥゥゥゥ……(怒!)
テール はい………?
トライチップ 何が『大金を手に入れることをお約束致します』だっ!!!
 むしろ減っているではないかっ!!!
テール 「いや……それは………(汗)
トライチップ そこに直れぇぇぇ!!!
 しょうもない悪事を提案しやがってっ!!!
 手討ちにしてくるわっ!!!
テール そ、そんなぁっ!?
 お、お許しおおぉおぉぉぉぉ!!(だだだだ…)
トライチップ 待てええぇぇぇぇ!!(だだだだ…)
テール お許しぉぉぉぉぉ!!
トライチップ 手討ちじゃぁぁぁぁぁ!!
テール お許しぉぉぉぉ!!
トライチップ 手討ちにしてくれるぅぅぅぅ!!
テール 「お許しをぉぉぉ……」
トライチップ 「手討ちじゃぁぁぁ……」
……… …………
……
   
   
心々 「あの2人、訓練場時代からあんな調子だよな……」
ネック 「仲良いですよね、あの2人………」
沙賀里 「あら………?
 ここはどなた?
 わらわはどちら?」
心々 「なに言ってんだ、おめぇ……?」
羅無市 「…………………………………………」

 


> 3周目の動画に戻るにはここをクリック


「31.拾い物には福がある」へ(2025年4月26日(土) 以降順次公開予定)



名前 LV H.P. コメント
心々 1 7 9 8 5 9 11 11 0 0 結構攻撃を当ててくれてる。さすが用心棒たちのリーダー。
沙賀里 1 7 8 8 12 9 9 9 0 1 いきなり死亡!って、善パーティーも最初の死者は僧侶だったな。
羅無市 1 9 12 8 5 10 10 9 0 0 敵が寝たら倍打のチャンスなので、当ててほしいんだけど…。
ネック 1 2 7 13 10 8 12 6 0 0 我がパーティー後衛で一番の期待の星。
トライチップ 1 11 6 7 11 10 10 15 0 0 おまえ、やっぱり前衛の方が適してるのでは…?
テール 1 6 7 12 12 9 10 7 0 0 これから戦闘にも少しずつ参加してもらうからな。

アイテム入手: 9/109


【更新履歴】
2025年 4月19日:本公開しました。
2025年 4月12日:第1節まで公開。