2.見えない終わりの始まり

【登場人物】  
サーロイン ロイヤルレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一。でも細かい事は大嫌い。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ 財宝一筋なエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

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パーティーの転送も終ったので、
今回からいよいよ冒険に出発です!!



【目次】

1.パーティー編成

2.裏ボルタック商店

3.最初の冒険




1.パーティー編成


━━━━ ギルガメッシュの酒場

冒険に先立ち、まずローラーレンジャーズを編成します。


まずはサーロインを選択し......



あれ?!

桃が消えた!?




............あ!



忍者だから、転送した際に"悪"になったのか!!


うわぁ........

これは面倒臭いことになった........


いや、迷宮でパーティーを組めばいつも通りだけど、
迷宮に入る操作を毎回2回やるのは、ちょっと手間である。

転送にこんな仕様があったのは全く認識していなかったなぁ........


まぁ、今さら仕方がない。



とりあえず、全員を集めるため......


...桃以外のメンバーを選択して......、



...一度迷宮に入り......


...入り口で待機してもらいます。


ここで「冒険の中断」。

つづけて......


...残ったを選択し......、


...1人で同じ様に迷宮へ入ります。

そして、入り口で......、


...「なまかをさがす」。


見付けた5人をパーティーに加えます。


無事、全員集結!!

さて......、


...昔の並びに隊列を組み直しますか。


でも、司教ランプ魔法使いロースのH.P.が同じなら、
魔法使いを後ろにした方がいいかな?
ここだけ、昔とちょっと違う並びにしました。


うむ。

サーロイン 「全員揃ったか?」
ロース 「えぇ、揃ったわ」
サーロイン 「では一旦町に戻り、装備を整えよう」

でも、まだ冒険には出ません。




2.裏ボルタック商店



町に戻って、ボルタック商店で武器と防具を買い揃えます。

三洲次 「ってか、迷宮に行けって言うなら、装備も支給してくれればいいのに」
サーロイン 「支給されても、どうせ軍が使っていたお下がりとかになるさ。
 ここで気に入った物を探した方がいいだろ」
ランプ 「と言うか、ボルタックって潰れてなかったんですね」
ブリスケット 「アコギな商売してやしたから、儲けていたんでは?」
三洲次 「そう考えると、ここで良い装備なんて買えるかなぁ……」
ロース 「一応、一人頭500G.P.の支度金を貰ったけれど……」


ロース 「…財政が困窮しているから、これが精一杯なんですって」
ブリスケット 「にしてもショボくねぇっすか?
 本当にあっしらを頼りにしてんすかねぇ?」
ランプ 「えぇ、誠意を見せてほしいですね」
三洲次 「ランプが言うと、なんか裏心がありそうだな」
ランプ 「なんですって?」
サーロイン 「ま、とりあえず店内を見てみよう」


6人は揃ってボルタック商店へ入った。


店の中は整理整頓とは無縁の様相を呈しており、
武器、防具、薬が入った袋などが床、棚、壁際、机の上などに乱雑に置かれている。
清掃も適当なのか、床には砂ボコリが見られ、壁も商品もどこか汚れた印象を与えていた。

店の奥には狂王の時代からお馴染みの木製のカウンターがあり、
そこには頭が禿げ上がり、丸々と太った中年の男性が座って本を読んでいる。
彼は軽く顔を上げると...、

店番 「いらっしゃいませ」


...とだけ言い、後は好きにしろと言わんばかりに、また顔を下して書物を読み始めた。

6人は客が誰一人居ない店内をザッと見渡すと、まずは剣が雑に置かれた棚へ足を運んだ。
棚の真ん中には手書きで...
新米冒険者にお勧めの武器はこちら!
...と書かれた板があった。

そして上側の棚には...
これぞザ・定番『ブロードソード』!
...と書かれた板が、下側の棚には...
根強い人気の日本刀『段平』!
...という板が置かれていた。

桃は下段の棚から段平を手に取ると、色々な角度に持ち変えつつ、剣を眺めた。
刃は曇った灰色で、店内の汚さと相まって、濁った銀色の光を反射する......。

「なんだ、こりゃ……」


桃は一通り眺め終わると、段平を元の場所に戻した。

「こいつは偽物だ」
サーロイン 「偽物?」
「鋼を溶かして鋳造してある。
 つまり片刃だけど、ただのロングソードだ」
サーロイン 「見ただけで分かるのか?」
「刃文も地鉄も無ぇから、素材も製法も全然違う」
サーロイン 「はも……ん?」
「刀身の模様が違うってことだ」
サーロイン 「へぇ……」
「だいたいにして、扱いが雑過ぎる」
サーロイン 「…………………………」


6人は一通り店内の様子を見終わると、サーロインが......

サーロイン 「城で『云え』と言われた合言葉を伝えてみるか……」


...と言い、メンバーを連れて店の奥にいる店番の所に足を運んだ。
6人が側まで来ると、先ほどの太った店番は顔を上げ、商人独特の過剰に親しみを込めた笑顔を見せて、話しかけてきた。

店番 「気に入った商品がございましたか?」
サーロイン 「『PS』」
店番 「え?」
サーロイン 「『トレボー・サックス』」


それを聞くと、店番の男は真顔になって6人の顔を順番に眺めた。
そしてカウンターから出ると、壁際にあった「臨時休業」と書かれた板を手にして入り口まで行き、
その板を扉に掛けて鍵を閉めた。
さらに、店にある全ての窓のカーテンを閉めて、外から店内が一切見えないようにすると、
6人のところに戻って来て...、

店番 「こちらへ」


...とだけ言い、先ほどの新米冒険者向けの武器の棚まで案内した。

全員が棚まで来ると、店番は1本の鍵を取り出し、
それを棚の横にある穴に差し込んで回した。

すると棚の裏でガチャン...と大きな音が鳴った。

そして鍵を外した店番が棚を片手で押し込むと、
棚は奥の方へ静かに開き、そこには隠し部屋へ続く通路が現れた。

店番 「どうぞ、お入り下さい。
 中に店主がおりますので、後は店主がご案内致します」


6人は言われるままに隠し通路を進んで行くと、

背後で棚が閉まる音がした........


………………………………


……………………


…………



通路の先には200平米ほどで、幾つもの燭台型のランタンで明るく照らされた部屋があった。

天井は約6mと高く、入り口以外の3方向の壁はウォールナット製の上品な黒褐色の棚で占められていた。
棚の中は表の店内の様相とは真逆で、剣・盾・鎧などの武具が美しく等間隔に、
そして小さい物から大きい物の順に完璧に並べられていた。
それらの品は目が奪われる程に磨かれており、部屋の中にある多くの燭台の灯りを、まるで音色を奏でるかの様に反射させていた。

部屋の中央には重厚なチーク材造りの大きなテーブルがあり、その4つの脚は見た事が無いほどの太さにも関わらず、
見事なカブリオールレッグ(猫脚)の彫刻が施されていた。
天板には厚手で落ち着いた赤味の強い褐色のテーブルランナーが掛けられ、隠し部屋の上品な雰囲気を際立たせている。

三洲次 「店の裏側にこんな場所があったなんて……」
ブリスケット 「あっしらの時代のボルタックにもあるんすかね?」
ロース 「王家専属になった後でも聞いたことが無いから、どうかしら……?」
サーロイン 「しかし、窓も換気口も見えないが、息苦しくないし、室温も快適なのはどういう構造なんだ?」
ランプ 「奥に誰かいますよ」


部屋の一番奥には、身長180cm強で細身の男性が背を向けて立っていた。

彼は手にしていた短刀を棚に戻すと、首背筋を真っ直ぐにして6人の方に向き直った。

その男性は30代後半頃で、ブロンドの頭髪をローフェードのクルーカットにし、
薄い眉の下には遠くからでも眼力があると分かる紺碧色の瞳が見えた。
身体の上には漆黒色のロングテールコートを皺一つ無く着こなしており、
首の下には控えめな茶褐色の蝶ネクタイが付いている。
丹田の前で重ねられた両手には、純白のシルクの手袋をしているのが見えた。

その男性が、微かだけ笑みを湛えた上品な表情で声を掛けてきた。

ボルタック7世 「いらっしゃいませ。
 裏ボルタック商店へようこそ。
 私は商店全体の支配人を務めるボルタック7世です」


部屋の反対側からでもよく響く声は、自信に満ちていた。

ボルタック7世 「ここは限られたお客様だけをお迎えする、特別なエリアでございます」
   


6人がどう反応しようかと迷っていると...、

ボルタック7世 「ところで先日、大変驚くことがありまして……」


...そう言いながら、ボルタック7世は部屋の中央にあるテーブルへ向かってゆっくりと歩き出した。

ボルタック7世 「なんと女王陛下直々の伝言を持った伝令が当店に来られました」


彼に倣い、パーティーの6人も中央テーブルへと進む......。

ボルタック7世 「この様な事は数年に1度あるか無いかでして……」


そしてボルタック7世と6人は、中央にあるテーブルを挟んで相対した。

ボルタック7世 「その伝言の中で、あなた方が訪ねて来られるとお聞きしました」


ボルタック7世は真ん中に立つサーロインを真っ直ぐに見つめた。


ボルタック7世
    ロード・ロイン
「あなたがロイン卿でございますね?」
サーロイン 「確かに母国ではれっきとした君主だが、ここリルガミンではただの準男爵だ。
 むしろロインと呼んでもらって構わない」
ボルタック7世 「爵位をお持ちの方にその様な無礼はできません。
 では、サー・ロインと呼ばせて下さい」


サーロインは、どちらでも...というニュアンスで軽く首を振った。

ボルタック7世 「まずは、あなた方の来訪を歓迎致します。
 さて、伝言によると、ここには迷宮に入る為の装備を調達しに来られるとか……」
サーロイン 「その通りだ」
ボルタック7世 「では、あなた方にお勧めの品がございます」


ボルタック7世はそう言うと、剣が陳列された棚まで歩き、
そこに飾ってある1本の白銀の剣を手に取った。

ボルタック7世 「こちらは神秘の武具『ミスティック・ソード』でございます。
 5年ほど前にベイキ女王がブリタ○アを表敬訪問した際、
 ロード・ブリティッシ
 ブリティッシ卿から友好の証として多くの贈答品を頂きました。
 これはその中の1本で、当店が女王陛下から…」
サーロイン 「話しの腰を折って申し訳ないんだが……」


話しを遮てられてもボルタック7世は一切嫌な顔をせず、
すぐに口を閉じ、サーロインの方を真っ直ぐ見た。

サーロイン 「その剣は大変良さそうだが、きっと値段もそれなりだろう。
 だが……国からの支度金は、一人頭たった500G.P.なんだ。
 申し訳ないが、その予算の中で見繕ってもらえないか?」


サーロインは次の言葉を言うか一瞬ためらったが、最後まで言い切った。

サーロイン 「ケチな貧乏人だと思うなら、文句は国に言ってくれ」


ボルタック7世は微かな笑みを湛えた表情を一切変えず、手にした剣を棚に戻すと...、

ボルタック7世 「かしこまりました」


...と言い、ゆっくりした歩調でテーブルまで戻って来た。

ボルタック7世 「500G.P.となりますと、訓練所を出たばかりの方々と同じ様な装備となりますが……」
サーロイン 「仕方ない。
 それで結構だ」
ボルタック7世 「承知しました。
 何からご紹介致しましょうか?」
サーロイン 「まずは一番重要な前衛の武器から」
ボルタック7世 「前衛はどなた様がご担当を?」
サーロイン 「俺と、両サイドにいるこの三洲次と桃だ」
ボルタック7世 「はじめまして」
三洲次 「こちらこそ」
「うぃっす」
サーロイン 「2人とも純粋な日本人なんだ」
ボルタック7世 「左様でございますか。
 ところで、訓練所を出たばかりの方々には少し幅広い刀身の剣が人気でして、
 その中でもサーベル状で両刃の『ブロードソード』と、片刃の日本刀の『段平』が今の流行でございます。
 ですので、日本の方でしたら『段平』はいかがでしょうか?」
「表にあったバッタもんのことか?」
ボルタック7世 「バッタもん……?」


ボルタック7世は眉を八の字にし、少し悲しそうな表情で桃を見た。

「そうだ。
 あんな紛い物、恥ずかしくて持てねぇよ。
 アレを持つぐらいなら、あたいは普通の『けん』でいい」
ボルタック7世 「………………………………」


ボルタック7世は桃が喋り終わったのを確認すると、無言で武器を陳列している棚まで移動し、
そこから細長い檜の箱を手にして戻って来て、それをテーブルの上に置いた。

そして6人が見守る中、箱を縛っている艶やかな紫色の紐を解いて蓋を開け、
中から細長い木製の筒を取り出すと.......

ボルタック7世 「私が、あなた方にお勧めをする『段平』は……」


...その筒を......、

ボルタック7世 「こちらになります」


...桃の前に置いた。

「……………………………………」
ボルタック7世 「どうぞ、お手に取ってご覧下さい」

          しらさや
桃は目の前に置かれた白鞘を手にすると、その鞘からを抜き取り、
先ほどと同じく無言で色々な角度に持ち変えながら刀身を眺めた。
そして一通り眺め終わると、刀身を鞘に戻してから口を開いた。

「なんだよ、本物もあるんじゃねぇか」
ボルタック7世 「江戸幕府が出来る前の戦乱の時代に造られた平造りの一品です。
 元幅10寸に先幅7寸、刃長は2尺4寸。
 素材にはもちろん玉鋼を使用しています」

こしらえ
「拵は?」
ボルタック7世 「全て取り揃えてあります」


ボルタック7世はそう言うと、
    さや つか つば
箱から鞘、柄、鍔、はばき......等々を取り出して、桃の前へ順番に並べた。

ボルタック7世 「太刀鍔は龍を浮き彫りにした板鍔。
 柄は迷宮で最も多い地上戦向きの直立です。
 柄巻には本場の友禅で染めた絹糸を……」
「待ちな!」
ボルタック7世 「………………………………」


桃に止められ、ボルタック7世は一瞬で口を閉ざした。

対する桃は、テーブルの上にあった金色の刺繍入りの布を手にすると、
直接手が触れない様に布越しにを取り、再び色々な角度で眺め始めた。

「カスタマイズしたな、これ……」
ボルタック7世 「そこに気付かれた方は、あなたが初めてです!!」


ボルタック7世は笑みを崩して驚きの表情を見せた。

ボルタック7世 「どうしてお気付きに……?」
「江戸幕府が出来る前の時代に…………友禅なんて染め方は無ぇ。
 つまりこの柄は、刀が出来た時代とは違う、もっと後に造った物ってことだ」
ボルタック7世 「ご炯眼です!」
「……………………………………」
ボルタック7世 「元の柄は平巻きでしたが、今回用意した柄は重ね合わせを盛り上げた摘巻きにしております。
 これにより過酷な環境での戦闘でも…」
「…刀が滑らない」
ボルタック7世 「さすがでございます」
   
ロース 「ねぇ、ロイン?」
サーロイン 「ん?」
ロース 「私、会話に付いていけないんだけど……」
サーロイン 「まぁ、ここは桃に任せよう」
三洲次 「なぁ、ロイン?」
サーロイン 「ん?」
三洲次 「アイテムの鑑定って、もしかして物によってはランプより桃に頼んだ方が良くね?」
サーロイン 「まぁ、戦闘技術と武具の知識だけは、あいつ、誰にも負けないからなぁ……」
三洲次 「えぇ、そこだけはね……」
サーロイン 「うむ、そこだけは……」
三洲次 「はい、そこだけ……」
てめぇら、何か言ったかあぁぁっ!!?
   
ランプ 「しかし、なぜカスタマイズを?」
ボルタック7世 「迷宮に入られるとすぐに気付くと思いますが、あの中には巨大な湖があります。
 その為、洞穴内は湿気がひどく、数回戦闘をするだけで大量の汗が出ます。
 濡れた手では戦闘中に剣を滑らせやすく、それが生死を別けるケースもございます。
 しかしこの柄なら、そのリスクを避けられます」
ランプ 「なるほど……」
ブリスケット 「ちゃんとした刀があるんなら、表にあった段平は何すか?」
ボルタック7世 「この国だけでなく、周辺のどの国にも日本刀を造れる技術者がおりません。
 にも関わらず日本刀の人気は大変高く需要も多いので、供給が追い付きません。
 そこで苦肉の策として、ロングソードをそれっぽく改造して売っております。
 日本刀を知らず、形から入る新米冒険者にはそれで充分ですので、あれで凌いでおります」
ブリスケット 「店の沽券に関わるんで、ホドホドにしといた方がいいですぜ」
ボルタック7世 「ご注進、痛み入ります」


その間、桃は刀装具を一つ一つチェックしていた。

ボルタック7世 「いかがですか?」
「うん、いいんじゃねぇか。
 あたいはコレにする!」
サーロイン ちょっと待て、桃っ!
「あ?」


サーロインはボルタック7世の方を見た。

サーロイン 「さっきも言った様に支度金は500G.P.しかない。
 その中で武器だけでなく、盾や鎧も買わなければいけないんだ。
 なのに輸入品の上にカスタマイズされた物など、そんな高級品を買う余裕はないなずだ。
 これは一体幾らなんだ?」
ボルタック7世 「当ボルタック商店では、『段平』の価格は50G.P.です。
 そして、こちらも『段平』ですので、50G.P.になります」
サーロイン 「話しが美味過ぎる!
 ちゃんと説明をしてもらおうか?!」


ボルタック7世は右手の人差し指を垂直に上げ、
他言は無用...と、その人差し指をそっと口に付けると、

ボルタック7世 「女王陛下からの伝言で、あなた方には最大限の便宜を図る様に云われております。
 ここで女王陛下に恩を売っておけば、
 次の軍の装備の入れ替えでは、当店は交渉を有利に進められます。
 軍備の調達では膨大な金が動きますので、ここでの差額は些細なもの……。
 あなた方は高品質の装備を安く手にし……、我々は莫大な売り上げを手にする」


ボルタック7世はそこで初めて不気味なまでに満面の笑顔を一瞬だけサーロインに見せ、すぐに上品な笑みに戻った。

ボルタック7世 「Win-Winの関係と言う訳です」
サーロイン 「……………………………………」
ボルタック7世 「他にご質問は?」
サーロイン 「いや……、分かったよ………」
ボルタック7世 「では、他の方の武器ですが、
 せっかくですので同じ『段平』はいかがですか?」
三洲次 「まだあるの?」
ボルタック7世 「はい、ございます」


ボルタック7世は再び武器の棚へ行き、先ほどと同じ檜の箱を2つ持って戻ると、
中に同じ装備が入っているのを見せた。

三洲次 「桃がOKを出すなら大丈夫だろうし、俺もこれにするかな」
ボルタック7世 「いかが致しますか、サー?」
サーロイン 「安く売ってくれるなら、俺もこれに決めるか」
三洲次 「日本刀って普通の剣とは扱い方が違うけど、大丈夫?」
サーロイン 「まぁ、これも経験だ」
ボルタック7世 「では『段平』を3本で決まりですね。
 きっと……」


ボルタック7世 「…お気に召しますよ」
三洲次 「組み立てといてもらえるかな?」
ボルタック7世 「かしこまりました。
 次は何をご紹介致しましょう?」
サーロイン 「次は後衛の武器と、その後は防具だな」
ボルタック7世 「では、順番にご紹介致します」


ボルタック7世は棚に戻ると、1つ1つ装備を手にしてパーティーに紹介していった........



………………………………………



………………………………



………………………



………………



剣1本買うシーンだけで力尽きた!!

こんな調子で書いていたら、装備の調達だけで3話ぐらい使いそうである。

なので、もう話しを先に進めましょう。

とりあえず......


...必要な武器と防具を......


...1人1人買い与えて......、


...装備を見繕いました。

つーか、たかが知れた所持金なので、買える物なんて限られているし。

しかし、今回って......


...普通の「けん」って無いんですね。

しかも「だんびら」って、最初防具かと勘違いしちゃったよ。

なんて言うか....「くさりかたびら」みたいな.....って感じ?



とりあえず目的は達成したので、店を後にします。

三洲次 「しかし、裏はあんなに奇麗なのに、表はなんでこんな汚いんだ、この店?」
ブリスケット 「ギャップ効果を狙ってんでは?」
サーロイン 「どうだか……」

 



3.最初の冒険




━━━━ 迷宮 入り口......


さて、買い物も済んだので、購入した装備を身に付けます。

ここで、1パーティー毎にプレイ中にたった1回だけ使うコマンド........、


...「そうびするを選択!
これで全員の装備ノンストップで行えます!



で、全員の装備が完了し、
以下がパーティー最初の状態になります。







準備完了!!

サーロイン 「全員、装備は大丈夫か?」
三洲次 「はい、身に付けました」
サーロイン 「ところで、全員レベル1なの?」
ロース 「あら?
 本当ね……」
ブリスケット 「まぁ、この迷宮やこの時代の戦闘は未経験っすから、そんなもんじゃねぇっすか?」
ロース 「でも、呪文まで使えなくなってるなんて、おかしいわ」
ランプ 「宗務省長官が言ってましたけど、召喚の副作用らしいです」
サーロイン はあ?!
 一から鍛え直さないといけないなら、やっぱり悪のパーティーを善に転向させた方が早いじゃないか!!
 あいつら、本当に意味不明だな!!」
ランプ 「いえ、長官たちも知らなかったらしくて……」
ブリスケット 「しかし、呪文がレベル1しか使えねぇのはキツイっすな」
三洲次 「あれ?
 でも……」


三洲次 「…俺でもレベル1の呪文が使えますよ?
 侍が呪文を使えるのって、もっと上のレベルじゃなかったっけ?」
ランプ 「そう言えば、私も……」



ランプ 「…レベル1なのに、僧侶呪文が使えますね」
ロース 「副作用で弱体化したとは言っても、回復呪文が使える人が3人残ったのは、不幸中の幸いね」
ブリスケット 「そうっすね」
三洲次 「とりあえず出発しません?」
サーロイン 「そうだな」


では......、


...キャンプを閉じて、いよいよ出発です!!



迷宮に入ると、入り口付近はまだ陽の光が入るため、中の様子がよく見えた。

入ってすぐの場所は、そこそこの広さの空間だった。

メンバーはそこに暫く留まり、中の様子を伺う......

......迷宮の匂い........空気........そして音を..............

すると、まず感じられたのは......

ロース 「ねぇ、ここ、湿気がすごくない?」
三洲次 「えぇ」
ブリスケット 「こりゃ、ちぃと戦闘するだけで体力が奪われそうですぜ」
ランプ 「気温が低いのが、せめてもの救いですね。
 これで暑かったりしたら、歩くだけでも汗だくですよ」
サーロイン 「そうだな。
 ま、とりあえず出発しようじゃないか」
三洲次 「えぇ」
サーロイン 「じゃ、ロース、指示を出してくれ」
ロース え?
サーロイン 「『え?』って何だよ?
 リーダーはおまえだろ?」
ロース 「寝ぼけたこと言わないでよ!
 このパーティーでリーダーと言えば、あなたでしょ!!」
サーロイン 「寝ぼけたことを言っているのは、おまえの方だ。
 俺がローラーレンジャーズを離れた後、リーダーを継いだのはおまえだろ。
 だから今はおまえがリーダーのはずだ」
ロース 「あなたが居ないから私が仕方なくやってただけで、
 あなたが戻って来たのなら、リーダーはあなたに決まってるじゃない!」
三洲次 「そうですよ!
 俺たちのリーダーと言ったら、ロインに決まってますよ!!」
ブリスケット 「ロイン殿以外にリーダーを務めることが出来る人はいやせんぜ!!」
ランプ 「ロインが戻って来たのなら、我々のリーダーにはロインが復帰するのが当然です!!」
サーロイン 「お……おまえら………」
ロース 「……………………………………」
三洲次 「……………………………………」
サーロイン 「おまえら………そんなに………」
ブリスケット 「……………………………………」
ランプ 「……………………………………」
「……………………………………」
サーロイン 「……そんなにトラブった時に責任追及で文句を言って
 ストレス発散しやすい奴をリーダーにしたいのかっ!?
サーロイン おまえらあああぁぁっ!!!


まぁ、ローラーレンジャーズリーダーと言えば、
やっぱりサーロインでしょう

サーロイン 「俺だけ現場を離れて大分経つから、勘が鈍ってるかも知れないけど、いいのか?」
ロース 「どうせこの迷宮は全員が初めてだから、あまり差は無いわよ」
三洲次 「冒険を続けていれば、勘も戻りますって」
サーロイン 「わかったよ、
 じゃ、俺がリーダーを担当するか」
ブリスケット 「では、ロイン殿、ご指示を」
サーロイン 「とりあえず周囲を確認しよう。
 辺りはどうなっている?」


三洲次 「そこそこの広さの空間ですね」
ロース 「目の前(北側)に扉が2つもあるわ」
サーロイン 「右側(東側)は?」
ランプ 「右側は……」


ランプ 「…こちらにも扉が1つ見えます」
サーロイン 「いきなり扉が3つもか……」


ブリスケット 「どうしやすか?」
サーロイン 「とりあえず経験値を稼がないといけなから、まずは魔物が棲む部屋を探そう」
ロース 「どの扉に入るの?」
サーロイン 「そうだなぁ………どの扉がどうとも分からんが……、
 ワードナの迷宮の時は右方向に一番近い玄室があったから、今回も右側から探索してみるか」
三洲次 「じゃ……」


三洲次 「…この扉ですね」
ランプ 「ランタンを点けますか?」
サーロイン 「え?」
ランプ 「ここは入り口だから、まだ陽の光が入っていますが、中は当然暗いでしょう」
サーロイン 「それもそうだな」
ランプ 「なので、一応携帯用のランタンを調達して来ました」
サーロイン 「それは助かる。
 じゃ、頼むよ」
ランプ 「では……」


ランプは一度ランタンを地面に置くと、中にある蝋燭に明かりを灯し、
蓋をしてそれを持ち上げた。

ランプ 「準備出来ました」
サーロイン 「よし。
 では、扉の中へ入ろう。
 いきなり戦闘になるかも知れない。
 全員、戦闘態勢を維持したままだ」
三洲次 「オーケーです」
サーロイン 「では、扉を蹴破るぞ」


バンッ!        ← 扉を蹴破った音


サーロイン 「と………通路だったか」
ブリスケット 「右側(南側)に通路がのびてますぜ」
サーロイン 「通路の先はどうなっている?」


三洲次 「なんか……、いきなり怪しい扉が………」
ロース 「扉になにか文字が書かれてるわ」
サーロイン 「なんて書いてある?」


ロース 「『バラック』だって」
サーロイン 「バラック?
 宿舎ってことか……」
ブリスケット 「何の宿舎っすかね?」
ランプ 「酒場で聞いた話しだと、ここら辺は海賊が跋扈しているらしいので、
 海賊たちの住処では?」
三洲次 「海賊?
 ここ山だよ?」
ランプ 「カリブにいる海賊は傭兵として、地上でも活躍していたそうです。
 陸の海賊ってのも、あながち無きにしも……」
ブリスケット 「あるいは、ここに逃げ隠れているだけかも知れねぇっすね」
ロース 「それで、どうするの? 入るの?」
サーロイン 「まだレベル1だと言うのに、いきなり怪しげな場所に入っても危ないだろ。
 一旦戻ろう」


ここは後回しにすることにして......


....最初の部屋に戻ることにしました。

サーロイン 「じゃ、入って来たあの扉から戻ろう」


サーロイン 「……………………………………」
サーロイン 「……………………………………」
サーロイン 「……………………………………」
ロース 「ねぇ、早く入ってよ。
 後ろがつかえてるんだから」
サーロイン 「なあ?」
ロース 「なに?」
サーロイン 「なんか右手に扉が見えないか?」
ロース 「え?」
サーロイン 「さっきまで、こっちは壁で行き止ま…」


サーロイン あれ?
ロース 「扉なんて無いわよ」
サーロイン 「見間違いだったかな……」


サーロイン 「じゃ、戻ろ………」
サーロイン 「……………………………………」
サーロイン 「……………………………………」
ロース 「ねぇ、さっきからどうしたのよ?」
サーロイン 「いや……やっぱり右側に扉がある気が……」
ロース 「…?」
サーロイン  クルッ!


サーロイン 「……………………………………」
ロース 「どこに?」
サーロイン 「お……おかしいな………」
ランプ 「普通に考えて、隠し扉があるんじゃないですか?」
サーロイン 「そうだな、じゃ……」


とりあえず数回向き直り、扉が見える状態にしてみる。


サーロイン 「紛れもなく『隠し扉』だな」
三洲次 「ここ、入ってまだ2マス目ですよ。
 もう隠し扉が出てきたんですか?」
ロース 「どうするの? 入ってみる?」
サーロイン 「う~~ん……、
 レベル1でいきなり隠された扉に入るのは、ちょっと怖い気もするな……」
ブリスケット 「しかし、こげな調子じゃ、どこにも行けねぇっすよ?」
サーロイン 「そうだなぁ……。
 じゃ、今回は思い切って入ってみるか!」
三洲次 「一方通行の扉じゃないことを祈って……」


まぁ、プレイヤーは小さい頃にプレイしていて、入り口の近くに何があるか覚えているから、こっちの扉は入るんですけどね。
とは言え、隠し扉の先だったっけ? 記憶もやや曖昧だ......


ガチャッ!        ← 扉を開けた音



 そこは浜辺、 目の前には暗い湖、

そしてその先には小さな島がある


サーロイン 「これは………湖があるのか………」
三洲次 「ボルタック7世の言っていた通りですね」
ランプ 「地底湖………じゃなく、ここは山ですから、なんて言うんですかね?」
ロース 「しかもけっこう大きいわ」
ブリスケット 「湖の奥の方に小さな島も見えますぜ」
サーロイン 「本当か?
 おまえ、昔から目が良いな」
三洲次 「目の前は浜辺ですね。
 砂地が続いてますよ」
ランプ 「でも、どこから湖になっているのか、ここからでは暗くてよく見えないですね」
サーロイン 「ヘタに進んで湖に落っこちてもイヤだし、
 一旦壁沿いに回ってみるか?」
ロース 「そうね」


とりあえず、左手手法で壁沿いに進んでみることにしました。


立て続けにイベント床が見えたが、乗ってみても何も起きなかったので、
別の扉から入って来た時に、先ほどと同じメッセージが表示される場所なのでしょう。





で、歩いていたら、途中で......



...押し戻された

サーロイン 「おっと!
 ここは水際だったか。
 危ない…」
ロース 「これ以上は進めないわね」
サーロイン 「仕方ない。
 また壁に沿って戻り、反対側へ行ってみよう」

一旦、来た道を引き返します。





ロース 「この壁、さっきは扉なんてなかったわよ」
ランプ 「このエリアは隠し扉で隠されているのでしょうか?」
サーロイン 「とりあえず先に周囲を調べてしまおう」


元の場所まで戻り、今度は右手手法で......


...壁沿いに進むが......


...こちらはすぐに水際があり......、



...押し戻されて、先へ進めなかった。

サーロイン 「こっちはここまでか」
三洲次 「どうやらここら辺一帯は全て湖で、先へは進めなさそうですね」
ロース 「どうするの?」
サーロイン 「今回は諦めるが、次までにボートを調達して来て、それで渡ってみよう。
 街に戻ればボートの一つぐらい売っているだろ」
ブリスケット 「そうっすね」
ランプ 「ただ、今の我々の資金でボートが買えるかどうか……」
サーロイン 「もし買えなくても、値段を抑えておくだけでも意味はあるさ。
 ブリ助、ランプ、調達を頼む」
ランプ 「分かりました」
ブリスケット 「承知」
サーロイン 「じゃ、このエリアは一旦ここまでにしよう」


と、いう訳で......、


...このエリアに入って来た扉のところまで戻る。


サーロイン 「壁にしか見えないけど、確かここから入って……」
「…………………っち!」
三洲次 「どうした、桃?」
「敵だ!」
サーロイン なに?!
「しかも既に囲まれてやがる!」
三洲次 「なんだと!?」


突如6人の周囲の砂浜があちこち盛り上がり
それらから次々と......


...奇妙な植物が姿を現した!!

奇妙な植物A  シュルルルルルルルルルッ…!!
奇妙な植物B  ニュルルルルルルルルル…ッ!!
   
サーロイン 「な……なんだ?!」
三洲次 「なにか……植物っぽいですね……」
ブリスケット 「ツタがウネウネしてやすぜ……」
ロース 「ちょっと、気持ち悪いんだけどっ!!」
ランプ 「しかも、こちらの倍はいますよ!?」


ってか、まだ最初のフロアなのに、いきなり2グループかよ!!

ブリスケット 「いまいち強さが分かりやせんが……」
サーロイン 「ランプ、何か知らないか?」
ランプ 「パッと見は、バビリ○王国に遠征した時に見たモンスターに似ていますね」
三洲次 「バビ○ム王国……?
 何だっけ?」
ランプ 「ほら、かつてドル○ーガという悪魔がいた塔があった王国で、
 その塔の中にいた……」


※ 諸事情により、一部隠しています。
  いや、目の位置がそこかは知らないけど....


ランプ 「…こんな奴です」
三洲次 「う~ん……パッと見は、まぁ……それっぽいような、違うような………」
ロース 「そもそも、あれって植物だったかしら?」
サーロイン 「ヤバイ奴なのか?」
ランプ 「もしあいつなら、交戦するだけでこちらのH.P.を吸い取るので、なかなか手強いです。
 ただ、酒場で聞いた話しでは、このフロアにいる魔物はレベル1でも充分倒せるらしいので、
 違うかも知れません」
サーロイン 「まぁ、草っぽいから簡単に切れそうだし、それほど強くないのでは?」
ブリスケット 「だとしても、1ターンで3体しか倒せねぇっすから、最低でも4ターンはかかりやすぜ。
 数的にかなり不利じゃねぇっすか?」
サーロイン 「攻撃呪文も駆使すれば、もう少し戦えるはずだ。
 しかもカティノ(催眠呪文)を一度に2グループかけられるから、この数でもなんとかなるだろう」
ロース 「じゃぁ…?」
サーロイン 「戦ってみよう!」


いきなり初戦闘から逃走というのもダサいので、
戦ってみることにしました。

さて、こちらの戦術ですが、まず......、


...前衛は全員直接攻撃

さらに僧侶のブリスケットに......


...バディオス(呪いの力で敵1体を攻撃する呪文)で加勢してもらう。

そして、司教のランプと魔法使いのロースには......、



...カティノを使わせ、2グループとも眠っててもらいましょう!


では、WizII初の戦闘!!

いってみましょう!!

三洲次 いくぜっ、桃っ!!
任せなっ!!


まずは我がパーティーの前衛ツートップ三洲次動くっ!!



奇妙な植物A  バシュウウゥゥ…ッ!!
奇妙な植物B  シュパアアァァ…ッン!!
   
三洲次 「よーし!!」← ハイタッチ
「ぅいーっ!」← ハイタッチ
   
ブリスケット 「こやつら、大して強くなさそうですぜ!!」
サーロイン 「いけそうだな!!」


つづけてランプカティノが飛ぶ!!!


ん?


へ? 無効化?!


は??


また無効化??!

ランプ 「こ……こいつら、……呪文を無効化してきます!!」
サーロイン なんだと!?
 いきなり呪文に耐性があるモンスターがいるのか!?」
ブリスケット 「あっしも試しやすぜ!!」



ブリスケット マジっすか!?
三洲次 「おいおい、こんなの聞いてないぞ……」
ロース 「敵が襲ってくるわ!!!」
   
奇妙な植物C  シュルルルルル…ッ!!


三洲次 うぐわぁっ!


なにぃぃ?!

2回攻撃だとぉっ!?

ロース 「ちょっと!
 けっこう強いわよ、この草!?」
サーロイン 「ま、まぁ、ワードナの迷宮でも最初のフロアから2回攻撃する奴はいたし、このぐら……ひっ?!


サーロイン 「あ、あぶないなっ!!
 たかが草のくせして、やり返してやるっ!!


サーロイン 「……………………………………」
三洲次 「1って………」
ロース 「変わってないわね……この人………」
サーロイン 「いや、ほら!
 俺、日本刀使うの初めてだし、まだ慣れてなくてさ!!」
ロース 「生きるか死ぬかの世界で、そんな言い訳通用すると思ってるの!?
ランプ 「ロイン!!
 敵がドンドン包囲網を狭めてきます!!」
サーロイン 「くそっ!
 ロース!!
 文句言ってないで、早くカティノをかけてくれっ!!







ロース 「うそぉ…………」
ランプ 「やっと1匹は寝かせましたが……」
ブリスケット 「6匹中5匹も無効化してきやしたぜ……」
三洲次 「マジかよ………」


いや、最初のフロアから、こんな敵あり?!



サーロイン ぐおっ!?
三洲次 おごぉっ?!
「けっ、だらしねぇなぁ……、たかが雑草に…」


ふぉごおぉっ!!
三洲次 「人のこと言えないだろ……」
サーロイン 「油断してるからだ……」



ってか、3回攻撃だとぉっ!!?



おいおいおい! ! !

敵の設定間違ってね??!



───2ターン目


奇妙な植物達  シュルルルルル……ッ!
   
三洲次 「ロイン、けっこう手強いですよ、この植物たち。
 まだ相手をするんですか?」
サーロイン 「初の戦闘でいきなり逃走ってのも、ちょっと情けないし……、
 もうちょっと粘ってみよう」
ロース 「桃と三洲次のH.P.が既に半分よ?」
サーロイン 「ブリ助、ランプ、ディオス(治癒呪文)を頼むぞ」
ブリスケット 「へい」
ランプ 「どうせ呪文が効き難いなら、回復に回した方がいいですね」
サーロイン 「よし!
 戦闘継続だっ!!


前衛は、今回も全員直接攻撃


僧侶のブリスケットと司教のランプがディオス
後れを取るとヤバイが、転送したキャラなら素早さが高いので、大丈夫だと信じたい。

そして、呪文があまりに効かないので、魔法使いのロースは待機にした。


戦闘続行っ!!!

ぶっ殺すっ!!!


奇妙な植物C  シュバアアアァァ…ッ!!
「けっ!」


奇妙な植物D  ブシャアアアァァ…ッ!!
サーロイン よしっ!!
   
ブリスケット 「お? ロイン殿が敵を倒しやしたぜ」
ロース 「こういう状況だから、頑張ってもらわないとね」


いきなりサーロインが攻撃し、さっそく2匹倒す!!

そして......


...三洲次がだけ回復。
もうちょっと回復してほしかったなぁ......。


つづけて敵が攻撃してくるが、うまく回避。

三洲次 「そう簡単にやられてたまるかっ!!」


よし!!
さらに1匹撃破!!

三洲次 「こいつら、全然体力無いですよ!!」
サーロイン 「当たれば倒せる感じだな!!
 なんとかなりそうだ!!」
ロース 「あなた、さっき当てても倒せなかったじゃない」
サーロイン (;) …………………………


そして回復!
が、回復量がやっぱり心許ない。
これはやはり厳しいか......?

ともかく、これでこちらのターンは終ったので、
後はひたすら敵が攻撃してくるだけである。


........耐えられるか?



三洲次 うわっ?!(ぴょんっ!)


三洲次 うひゃぁっ!?(ひょいっ!)


三洲次 ぐほっ!!
   
ランプ 「三洲次だけ狙われてますが?」
ロース 「誰が弱いのか、植物にも分かるのね」


そんなこんなで、なんとか2ターン目も死者を出さずに終了。


───3ターン目


着実に戦況は進んでいるが、いまだ油断がならない状況。

とりあえず前衛は今回も全員攻撃にするが、1グループ目1匹になったので、こいつは......



...に任せよう。
桃なら、きっと確実に倒してくれるさ!!
(2回攻撃できるから)

そして......、


...ブリスケットはアッと言う間に呪文の使用回数が無くなったが......、


...ランプあと1回治療できるので......、


...一番H.P.が低い三洲次を回復させる。


では、3ターン目!!
いってみよう!!



「くっ!?」


ざけんじゃねええぇぇっ!!
奇妙な植物E  バシュアアアァァ…ッ!!


サーロイン 「くそっ! こいつめっ!!」
ケルプF  グシャアアアァァ…ッ!!


ケルプG  シュルルルルル…ッ!!
サーロイン 「うおっ?!(さっ!)


ひぎぃっ?!
   
ロース 「一進一退ってとこかしら……」
ブリスケット 「あと三洲次っちは?!」
ランプ 「今、治療しています!!」


三洲次 復活っ!!
ランプ 「頑張ってください!!」
三洲次 「任せておけっ!!
 死ねえええぇぇっ!!!


三洲次 「あれ………?」
   
ロース 「0進0退って感じ……?」
ブリスケット 「三洲次っちのは実質そんなもんすね……」



混戦だな........


───4ターン目


敵がついに正体判明時のイラスト
もっとも正しい名前はさっきから出ていましたけど。

一方、こちらの状況は、なんとか三洲次全回復したものの、
今度はヤバい状況である。

三洲次 「桃、大丈夫か?!」
「あぁ………だが、やりやって大分分かってきたぜ……、
 こいつら草じゃなくて昆布だな…!」
ブリスケット 「昆布?!」
ランプ 「もしや『クローリングケルプ』とは、こいつらのことでは?」
サーロイン 「『クローリングケルプ』?」
ランプ 「えぇ、酒場で聞いた話しの中に、その名前がありました」
サーロイン 「どんなモンスターだ?」
ランプ 「まだ名前しか聞いておらず……すいません」
サーロイン 「まぁ、いい」
ランプ 「次までには情報収集をしておきます」
サーロイン 「では、その『次』のために、まずはここを勝ち抜こう!!」
ロース 「でも、桃のH.P.が危ないわよ!」
ブリスケット 「ディオスは尽きてまっせ!」
サーロイン 「仕方ない、一旦俺が回復役に回るか」
ランプ 「すると、後衛はもう待機ですかね?」
サーロイン 「いや、まだ5匹もいる以上、出来る限り動きを封じてくれ!」
ロース 「じゃ、またカティノに挑戦してみるわね!!」



準備完了!!

サーロイン 「うむ、まずはこれで大丈夫だろう。
 では、俺は呪文の詠唱に集中して……」


サーロイン ぐほっっ!!
   
ランプ 「詠唱に集中し過ぎですよ……」
ロース 「自分が最前面にいること、忘れないでよ……」


ただ....、


...なんとかサーロインの呪文が早く出て、4だけ回復

三洲次 桃!! いくぞっ!!
ぶっ殺す!!!



ケルプH  シュビュアアアァァ…ッ!!
ケルプI  ブシュワアアアァァ…ッ!!
   
三洲次 「おっけー!!」 ← ハイタッチ
「ぅいーす!!」 ← ハイタッチ
   
サーロイン まだ3匹いるぞっ!!
 早くカティノを頼む!!


ここで....、


...ランプカティノ1匹寝かせ.....、



...るも、ロースカティノ無駄に終わってしまった。
マジで呪文が効きずらいな、こいつら。

ただ......、


...残りの敵の攻撃は外れ、これ以上の被害は避けられた!!


───5ターン目


ブリスケット 「いきなり初戦から長期戦ですぜ……」
ロース 「カティノも切れたわ!」
ランプ 「でも、残り3匹です!
 勝利は見えてきてますよ!!」
サーロイン 「よし!!
 前衛3人で攻撃して一気に勝負を決めよう!!
三洲次 「了解です!!」
「任せなっ!!!」
サーロイン 「………と、思ったけどぉ~」
三洲次 「へ?」


サーロイン 「今度は俺自身を回復しておくか」
三洲次 「慎重過ぎません?」
ブリスケット 「攻撃は最大の防御でっせ」
サーロイン 「いや、念のため、念のためね」


とりあえず、いきましょう!

三洲次 桃!! さらにいくぞっ!!
切り刻んでやるっ!!!


ケルプJ  シャバアアアァァッ…!!


ケルプK  バシュウウウゥゥッ…!!
   
三洲次 いぇーい!!」 ← ハイタッチ
っしゃー!!」 ← ハイタッチ
   
サーロイン 「うむ。
 では、後は俺が呪文を…」


サーロイン ぐわっ!!!
   
ランプ 「だからロインは最前面ですって……」
ロース 「相変わらず全く学習しない人ね」
ブリスケット 「ロイン殿、全然変わってねぇっすなぁ……」



───6ターン目


三洲次 残り1匹っ!!
ブリスケット 勝利は見えたっす!!


サーロイン 一気に勝負を決めるぞ!!
任せなっ!!


ラストターン!!


見事、桃がフィニッシュを決めたああぁぁっ!!!

サーロイン 勝った!!!
三洲次 「やりましたね!!
 初戦をキッチリ制しましたよ!!」
ランプ 「12匹もいた上、呪文も効かない強敵でしたから、どうなるかと思いましたが……」
ロース 「なんとかなったわね!!」
ブリスケット 「しかし、こげな強い奴らを一気に12匹も倒したのなら、
 こりゃぁ経験値は大いに期待できやすぜ!!」
サーロイン 「うむ!!
 さぁ!! 経験値はいくらだっ?!


?!
サーロイン 「え? ………10…………?」
三洲次 「10って………倒した敵の数より少ないんだけど………」
ロース 「なによ、それ………」


ランプ 「お金は………まぁ、こんなもんですかね……?」
ブリスケット 「いまいち、まだ感覚が分からねぇっす………」


サーロイン 「さて、戦闘は終えたが……」
ランプ 「呪文はほぼ使い尽くしましたよ?」
ロース 「一旦戻った方がいいわ」
サーロイン 「そうだな……今日は、ここまでにしよう」
三洲次 「目の前は壁だけど……」
ブリスケット 「隠し扉でやしたね」
サーロイン 「ここから戻るか……」




初探検は、無事に死者を出さず生還


……………………

…………



サーロイン 「宿屋で休むか」
ロース 「賛成~!」
ブリスケット 「今日は疲れやした」



サーロイン 「なぁ……?」
三洲次 「はい?」
サーロイン 「俺、次のレベルまで1290E.P.も必要ってことはさぁ、
 レベル2にするだけでも、あんな戦闘を129回もやらないといけないってこと?」
三洲次 「先が見えませんね……」
ロース 「私たち、いつ戻れるのかしら………」

 

長い旅路になりそうです........


 

「3.バラックの奥にて惨劇は起きる」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 1 12 15 15 15 15 15 13 0 0 最初からディオスが使えるのはデカいな。
三洲次 1 12 15 15 15 15 15 15 0 0 最初から呪文が使えるが、今回も使わない気が…
1 12 15 15 15 15 15 15 0 0 武具の知識に関してだけはランプを超えている。
ロース 1 12 15 15 15 15 15 13 0 0 いきなりほぼ活躍できずも、相手が悪かったかと。
ランプ 1 12 14 15 15 15 15 15 0 0 いきなり両系統の呪文が使えるのは大変助かる。
ブリスケット 1 12 15 15 15 15 15 12 0 0 バディオスなんて初めて使ったんじゃ…?

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【更新履歴】
2024年 1月12日:次ページへのリンクを設定。セリフを一部見直し。
2024年 1月 6日:各小節の連番のフォーマットを変更しました。
2024年 1月 2日:新規公開。
2023年12月30日:プレ公開(2回目)。
2023年12月22日:プレ公開(1回目)。