18.滅びし酒場が招く光と影の狂宴

【登場人物】  
サーロイン ロイヤルレンジャーズのリーダー。サーは敬称。
三洲次 元盗賊だった日本男児の侍。発音は「みすじ」。
接近戦最強のくノ一。でも細かい事は大嫌い。
ロース こんな名前だが細身で美人なエルフの女魔法使い。
ランプ 財宝一筋なエルフの司教。パーティーの知恵袋。
ブリスケット 日本オタクのエルフの僧侶。あだ名は「ブリ助」。

読了時間 (目安):約18分(動画無)約26分(動画込)
※ページが正しく表示されない場合はこちら



前回で前衛が全員レベル5になり、攻撃回数+1回増え、
グループ攻撃の呪文も習得しました。

ここまで成長すれば1階は問題無く歩き回れるでしょう。


そこで、今回より1階マップ踏破を目指します!!



【目次】

1.裏道を往く…

2.光と影の狂宴


プレ公開の回答を知りたい方はこちらをクリック
1.のお話しが長いので、回答だけ知りたい方はこちらのクリックをお勧めします。





━━━━ ギルガメッシュの酒場.....


ロイヤルレンジャーズ6人が、柔らかいパンと牛肉の入った温かいスープ....天災の多い今は貴重なメニューなのだが....で朝食を済ませると、
思い々に飲み物を追加注文して一息ついていた。

サーロイン 「では、今日から1階の探索を再開することにしよう。
 最初の探索地は先ほど話した通り、かつて闇市だったエリアだ」
ロース 「それって、どの辺りだったかしら?」
三洲次 「地図を作っていますから、確認しましょう。
 えぇと……」


三洲次 「…この地図の右下のエリアが、かつて闇市があったエリアです」
サーロイン 「ふむ……」
ブリスケット 「以前も1度歩きやしたが、まだレベルが低かったんで、奥へ行くのは止めやしたね」
ロース 「今ならレベルも上がったから、奥へ行けると思うわ」
ランプ 「しかし、先ほどの女性の話しだと、何か恐ろしい事が待ち受けているっぽいので、
 油断は出来ないですよ」


実は彼らが朝食を取る前、早朝にとある女性と会話をしていたのですが、
そのお話しは次回に改めて説明を致します。

今回は、純粋にマッピングに絞って進めます。

サーロイン 「そうだな………それなりの準備をしてから、出発しよう」
ランプ 「準備?」
サーロイン 「この迷宮の特性を考えると、今の我々では対処し難い問題がある」
三洲次 「あ~~……、なるほどぉ……」
ロース 「その会話、以前もしてたわよ」
ブリスケット 「あっしがロクでもねぇ目に遭った件っす……」
「……?」
ランプ 「待ち受けているモノがそれの可能性だって十分あり得ます」
三洲次 「えぇ、もしその問題が起きたら、ヤバいですね」
「さっきから何の話しだ……?」
「なんで全員黙ってんだよ?」


レベルも上がった今、地下1階最大の脅威「毒」ではないだろうか?

もっと具体的に言うと「ガス爆弾」ですね。

H.P.も上がったとは言え、毒を治療する呪文が無く、回復呪文もディオス止まりでは、
遠出をした先で大勢が毒になると致命的です。

そこで お金も貯まってきたので、遠出をする前に......、



...「毒消し」を買い込みます。

サーロイン 「じゃ、三洲次、毒消しを持っててくれ」
三洲次 「え?
 今回も俺が持つの?」
サーロイン 「そうだ。
 毒消しを持ち歩くのは、おまえの役割だろ?」
三洲次 「いやいやいや!
 試練場の時は俺が後衛で戦闘中でも使えるから、って理由があったじゃないですか!
 でも今の俺は前衛だから、今回はブリ助とかに持たせるのが筋ってもんでしょ?!」
ブリスケット 「まだ毒を持ってるモンスターがいねぇっすから、戦闘中とか関係ねぇですぜ。
 それにあっしは傷薬を持ってるんで、持ち物の空きは限られてやす」
三洲次 「それなら、ランプに」
ランプ 「私はアイテムの鑑定がありますから、持ち物は空けておく必要があります」
三洲次 「じゃ、ロースで」
ロース 「私はランプの持ち物がいっぱいになった時に、代わりにアイテムを持って帰るんだから、
 持ち物は空けておかないとだめよ」
三洲次 「それ、小銭稼ぎをしたいだけだろ……。
 分かったよ、じゃぁ、桃で」
「ゴチャゴチャうっせぇよ!!
 ほら!!」



「おめぇが持てって!!」
三洲次 「そんな、強引な……!」


三洲次 「なんでこの役回りって、いつも俺なんだ………」


それより蘇生麻痺の治療費も取っておかないといけないので、
全財産をはたく訳にもいかず、中途半端な個数しか買わなかったけど、
今にして思うと甘っちょろい備えだったな........まぁ、今さらだが。




1.裏道を往く…




では、1階の探索出発です!


━━━━ 迷宮 入り口.....


サーロイン 「闇市があったエリアは、正面の扉に入った先だったな」


真正面の扉に入り......、


...その先でも真正面の扉に入ると......、


...前回第10話)歩いた長い通路へと出ました。

三洲次 「前回、真正面にある扉に入ったら、3方向に扉のある部屋がありましたね」
ランプ 「その左隣の扉は、まだ入ったことがありません」
サーロイン 「さらに手前にある左への曲がり道は……」


サーロイン 「…このエリアを東西に横断している通路だったな」
ブリスケット 「さて、どうしやすか?
 今朝の女性の言っていた場所へ直行しやすか?
 それとも探索を先にしやすか?」
サーロイン 「そうだな……」


サーロイン 「…ま、このエリアの探索から着手しよう。
 何かあった時に、逃走ルートは多い方が助かる可能性は高いだろう」
ランプ 「では、どこから探索しますか?」
サーロイン 「前回の続きで、奥にある3つの扉のチェックから再開しよう」
三洲次 「では……」


三洲次 「…入りますか」


ガチャッ...!        ← 扉を開けた音


前回入って確認した通り、中は3方向に扉のある小部屋。

ブリスケット 「右手の扉の中は、海賊どもが囚人なんかを閉じ込めておく部屋でやしたね」
ロース 「前回、ジャイアントスラグと戦った部屋ね」
ランプ 「牢屋だけあって何も無かったのが残念です」
サーロイン 「前回入ったのは、その右側の扉だけだったな」
三洲次 「はい。
 そして、目の前の扉は……目ぼしい特徴のない普通の扉です」
ブリスケット 「左手の扉は……剣や短刀で多数のキズが付いてやす」
ロース 「で、今日はどの扉から入るの?」
サーロイン 「せっかくだから、右手の扉(東側)の中をもう一度見てみるか」
三洲次 「どうせ何も無いですよ?」
サーロイン 「ま、様子を見るだけだ」


右側の扉に今回も一応入ってみます。

ガチャッ...!



三洲次 「ジャイアントスラグももう居ないし、やっぱり何も無いです」
ランプ 「まぁ、ジャイアントスラグは神出鬼没の様ですから、
 新しい囚人が入れられたら、きっと匂いを嗅ぎ付けて、またどこかからやって来るのでしょう」
サーロイン 「とりあえず、ここは予想通りだな。
 じゃ、もう出よう」


先ほどの部屋に戻って来ました。

ロース 「次はどの扉に入るの?」
サーロイン 「反時計回りに、次は真正面(北側)の扉に入ろう」


ガチャッ...!


扉の先は、これまでと同じく砂ぼこりが堆積する寂れた通路が続いていたが、
その先はT字路に分かれていた。

ブリスケット 「T字路っす」
サーロイン 「左右はどうなっている?」
三洲次 「左側は……」


三洲次 「…行き止まりですが、左手に扉があります」
「右側は……」


「…こっちも行き止まりだぜ」
サーロイン 「そうか。
 じゃ、左側の扉に入ってみるか」


そのは木製で、使われなくなって大分経っているせいか、所々が腐りかけていた。

サーロイン 「じゃ、入ってみる…」
三洲次 「ちょっと待って下さい」
サーロイン 「…ん?」


三洲次はサーロインを制止すると、扉に耳を当てた。

三洲次 「やっぱり………」
サーロイン 「どうした?」
三洲次 「中から話し声が聞こえます」
サーロイン 「え?」
ロース 「誰かいるの?」
ブリスケット 「しかも話し声ってぇことは、複数人居るってことですぜ」
サーロイン 「なんて喋ってる?」


三洲次は再び扉に耳を当てると、中の声を聞き取ろうとした。
しかし......、

三洲次 「う~~ん………、会話の内容までは聞き取れないですね」
サーロイン 「そうか。
 じゃ、静かに開けて、中を覗いてみよう」
三洲次 「では……」


ギィィィィ......



三洲次 「えぇと………」
サーロイン 「どうだ?」
三洲次 「海賊たちが集まって、何かしていますね……」
サーロイン 「お?」


ガードA 「早く宝箱を埋めろよ。
 こっちはこっちで、別のパーティーが俺たちの財宝を漁っているらしいからな」
ガードB 「うんしょ、うんしょ……、
 あのなんとかレンジャーってのがこっちに来ないからと宝箱を移したら、
 まさかこっちでも盗まれるとはなぁ……」
ガードC 「よいしょ、よいしょ……、
 どんな奴らか知らねぇが、いずれ落とし前は付けてやらねぇとな」
ガードD 「ゴホッ…ゴホッ……、
 いや、砂ボコリがひでぇなぁ……」


部屋の中では海賊たちが地面を掘り起こして、宝箱を穴の中に隠そうとしていた。

三洲次 「どうもバラックの方に隠していた宝箱を、こっちの方に移し変えているようですね」
ランプ 「だからバラックで宝箱を殆ど見なくなったのですか……」
サーロイン 「あいつら、きっと何か悪巧みをしているに違いない。
 悪い芽は今の内に摘んでしまおう」
ロース 「あなた、時々テキトーなこと言うわよね」


先制のチャンス!!

よし!

レベル5になった前衛の力を、さっそく見せてもらおうか!!



戦闘開始!!!




いきなり全員フルヒット!!

全員一撃っ!!!

いいぞっ!!!


─── 通常ターン.....


ガードD 「き、きさまらっ?!」
ガードE 「まさか最近現れた王国軍かっ!?」
サーロイン 「まぁ、そんなところだ」
ガードF 「こっちにも来るとは…?!」
ガードG 「ひるむなっ!!
 返り討ちにしろっ!!


サーロイン 「そう思い通りにいくかな?」


ガードD ぐひぃやあああぁぁっ!!


ガードE ひぎぃいいぃぃっ!!


ガードF ぎひゃあああぁぁぁっ!!



─── 2ターン目.....


なんとレベル5になった途端、サーロイン三洲次バリバリ攻撃を当て始めたよ!!

これは頼もしい!!

サーロイン 「残り1人」
三洲次 「しかも寝てるから、もう楽勝ですね」



全然危うげなく勝利!!

やはりウィザードリィは、
レベル5になるとパーティーの戦力が一気に増しますね



ランプ 「ではでは、彼らが隠そうとしていたお宝を頂いちゃいましょう!」
サーロイン 「桃、頼むぞ」
「うぃ~す」



サーロイン 「………どう思う?」
三洲次 「どう思うって?」
サーロイン 「罠は無いと思うか?」
三洲次 「あると思います」
ぁあ?!
サーロイン 「しょうがない。
 ブリ助、久しぶりにカルフォの出番だ」
ブリスケット 「へいへい、それでは……」



三洲次 「桃ぉ~~?」
「うっせぇなぁ……、こんなの50歩100歩だろ?」
三洲次 0歩100歩だっ!!
 いわば天と地の差だっ!!
サーロイン 「しょうがない、爆弾の解除に挑戦してくれ」




「む~~………」



「ん~~………」



「う~~………」
三洲次 「苦戦しているな」
ブリスケット 「外せそうっすか?」


「あ………」
三洲次 「あ…?」
ブリスケット 「あ…?」


ズゴォォーーーンッ! ! !



三洲次ブリスケット3人ダメージ

「ぁ~~……」
三洲次 「ひぃやぁ~……」
ブリスケット 「ふひぃ~~……」
   
サーロイン 「不用心に近付くからだ」
ロース 「苦戦している時点で、分かりそうなものよねぇ」
ランプ 「学習しないですね」


罠の解錠だけは、やっぱりレベル5になった程度じゃ大差無いか......。

ってな訳で、どう考えても今の最大の脅威はやっぱり「ガス爆弾」であろう。


なお、宝箱の中は......、


......お金だけでした。

ランプ 「そんなぁ………」
三洲次 「あたたた……、
 お金だけの宝箱なんて、後生大事に隠すなよ……」
ブリスケット 「いちち……、
 しかもたかが知れてる額ってぇ、ヒデェっすな………」



サーロイン 「で、ここは行き止まりなのか」
ロース 「それじゃ、次へ行きましょう」


部屋を出ると、この通路はこれだけのようなので......、


...先ほどの扉が4方向にある部屋へ戻りました。


サーロイン 「これで残るは西側の扉だけだな」
三洲次 「西側の扉は短剣などで傷付けた跡がたくさんありますよ」
ブリスケット 「無理やり開けようとした感じっすね」
ランプ 「闇市には時々ガサ入れが入っていたようですから、
 突入とかする時に付いた傷なのでしょう」
ロース 「でも、今は鍵もかかってないし、そのまま入れそうね」
サーロイン 「そうだな。
 とりあえず入ってみよう」


ギィィィィ......ッ

6人はを開けて通路の様子を確認しようとしたが、最初に目に入ったのは......、


三洲次 げ?!


...なんとクローリングケルプ!!

ケルプA  ……シュルルルルルッ……
ケルプB  ……ニュルルルルルッ……
   
三洲次 「例の植物が通路を塞いでいますよ」
ブリスケット 「こやつら、どこにでも生息してやすな……」
ロース 「こいつらが通路を塞いでいるから、倒さないと通れないわ」
サーロイン 「しょうがない……、刈り切って道を作ろう」


倒しても旨みは全然無いですが、レベルも上がったので簡単に倒せるだろうし、
装備も多少良くなってるからダメージも受けにくいのでは......?

どの程度強くなったのかを確認する意味で、ちょっと戦ってみようと思います。

とりあえず、戦闘開始!


サーロイン 「ふん!」
ケルプA  …バシュウウウゥゥッ


三洲次 「よっと!」
ケルプB  …シュパアアアァァッ


おらおらぁっ!!
 どけどけぇっ!!
ケルプC  …ブシャワアアアァァッ
   
サーロイン 「うむ、我々も腕が上がったな」
三洲次 「もうこいつらもザコですね!」


三洲次 ぐおおぉっ!!


三洲次 ぎゃあぁっ!!


ケルプD  …パシュ!パシュ!パシュ!
三洲次 「ひええぇぇえぇっ!!(あたふた…)
   
サーロイン 「ACが良くなったとは言え、敵の攻撃をさばく方はまだまだだな……」
ランプ 「しかも、こいつらも1人を集中攻撃するタイプですね……」


─── 2ターン目.....


サーロイン 「さらに数を減らすぞ!」
三洲次 「今度は注意しないと……」


サーロイン 「とりゃ!」
ケルプD  …シュバアアアァァッ


三洲次 「うりゃ!」
ケルプE  …ブシャアアアァァッ


おらおらおらおらぁっ!!
ケルプF  …バシュアアアァァァッ


ケルプG  …シャーーーッ!!
サーロイン 「うおっと!(さっ!)


2ターン目は無事にノーダメージで過ごす。

ってか、攻撃回数が増えて、命中率が確実に良くなってるな。
目論見通りだ。


─── 3ターン目.....


サーロイン 「残り1匹!」
三洲次 「やられた分、俺にやり返させて下さい!!」


三洲次 「とりゃあああぁぁっ!!」
ケルプG  …シュビュアアアァァッ


三洲次 「ざまぁ見ろってんだ!!」


こいつら相手に、余裕を持って勝利!!

冒険を始めた頃を思い返すと、確実に強くなってる実感できますね!!


さて......、


...戦闘も終了して状況が落ち着くと、パーティーは通路の様子を確認し始めた。

ここの通路は岩壁をくり抜いて造られており、こそ石で固められているとは言え、
天井は岩肌がむき出しで、通路には石ころや岩が多く転がっている。
通路自体も曲がりくねっており、無計画に掘られたトンネルのようであった。

ブリスケット 「だいぶボロい通路っすな」
三洲次 「普段は全然使っていない道に見えますね」
ランプ 「このエリアには、ガサ入れの時に逃げる通路も存在していたらしいので、
 ここがその通路なのでしょう」
サーロイン 「以前歩いた長い通路がメインの通り道と考えると、そこと並行しているから、
 きっとそうなんだろうな」
ロース 「でも抜け道って、真っ直ぐ掘るものじゃないの?」
ブリスケット 「まぁ、ここら辺の……」


ブリスケット 「…(コン!コン!)岩盤が硬そうっすから、
 比較的掘りやすい場所を掘ってい……ぅわあっ!!
三洲次 「え?」
サーロイン 「どうした?!」
ブリスケット 「て、天井から……」


ブリスケット 「…へ、蛇が落ちて来たっす!!」
サーロイン 「なに?!」


アナコンダA 「…シュゥゥゥゥッ……」
アナコンダB 「…シィィィィッ……」
   
三洲次 「お、本当だ」
ロース 「ブリ助が壁を叩いたのに反応したのかしら」
ブリスケット 「びびらせやがるっすなぁ」
ランプ 「蛇って天井から落ちて来るものでしたっけ…?」
サーロイン 「この通路の天井は突起状の部分もあるし、
 まぁ、中にはいるのでは…?」
ロース 「それで、この2匹だけ?
 天井にもっといたりしない?」
ブリスケット 「えぇと………いや、天井にはもういねぇっすね。
 2匹だけっぽいですぜ」


アナコンダA 「シャアアァァーーッ!!」
アナコンダB 「シィイイィィーーッ!!」
   
ランプ 「襲って来ますよ」
サーロイン 「じゃ、軽く返り討ちにしてやるか」
三洲次 「ですね(スラッ!)



おぉ!!

本当にこの2人攻撃当たるようになったな!!


サーロイン 「じゃ、先へ進もう」



進んだ先にはボロボロになった木製の扉が申し訳程度に付いており、
パーティーはそのを開けて進んで行く。

ギィィィィ......



ブリスケット 「扉の先は一本道が続いてやす」
ロース 「曲がりくねってて、雑な造りね」
サーロイン 「そこを左へ行こう」


三洲次 「曲がった先は、また扉です」


三洲次 「この扉は、今通って来た扉よりは厚くて頑丈ですよ」
サーロイン 「抜け道の終点かな?」
ランプ 「入ってみましょう」


ギィィィィ.......


ブリスケット 「お!
 広い場所へ出やしたぜ」
ロース 「やっぱり出口だったのね」
ランプ 「この辺りは天井も床も石壁で固められていて、しっかりした造りになってますよ」
三洲次 「ここが闇市だった場所なのかな?」
ブリスケット 「にしちゃぁ、ちょっと入り組んでねぇっすか?」
サーロイン 「とりあえず調べてみよう。
 目の前の十字路の先には、それぞれ何がある?」


ブリスケット 「北側はただの行き止まりっす」


ロース 「反対の南側は扉が3つもあるわ」


ランプ 「西側にも扉が1つ見えます」


三洲次 「東側は今通ってきた扉があるだけです」
サーロイン 「これで全部か」
ブリスケット 「どうしやすか?」
サーロイン 「とりあえず全部の扉の中を調べてみよう」
ロース 「どの扉から?」
サーロイン 「そうだなぁ………ま、今回は時計回りに入ってみるか」
三洲次 「すると……」


三洲次 「…この南側にある左の扉からですね」
サーロイン 「うむ」


ガチャッ...!



ガチャッ...!


ブリスケット 「ここは最初の入り口ですぜ」
サーロイン 「通路自体もしっかりしていたし、ここが正規の入り口だったって訳か」
ロース 「じゃ、戻って次の扉を調べましょ」


今通って来た通路を戻り......、


...先ほどの十字路に戻って来ました。

三洲次 「じゃ、次は……」


三洲次 「…あの一番南にある扉ですね」


ガチャッ...!



ランプ 「例の東西に横断している通路に出ました」
ロース 「ここからでも同じ通路に出るのね」
ブリスケット 「ほんでは、次は西側にあった扉を見やすか」
サーロイン 「それより諸君、異変が無いか…」
三洲次 「はいはい、戻りますよ」


ロース 「手前の2つの扉の内、さっき右側に入ったから、
 今度は左側の扉ね」


ガチャッ...!


三洲次 「個室ですよ」
ブリスケット 「中は壊れた木製の机や棚が散乱してやす。
 事務所か何かだったんかも知れねぇっすね」
ランプ 「何か良さげな物が落ちてたりしないですか?」
ロース 「壊れた家具しかないわ。
 どうせ目ぼしい物は取られちゃってるわよ」
ランプ 「そうですか……(しゅん)
サーロイン 「じゃ、次へ行こう」


部屋を出て、通路へ戻る。


三洲次 「これで残るは、前方左側に見える扉だけです」



ブリスケット 「じゃ、入りやしょう」


ガチャッ...!



三洲次 「すぐ隣の扉につながっているだけの通路です」
ランプ 「中の様子はさっきまでと違い、天井は岩肌がむき出しですし、床には石コロがたくさん転がってますね」
ブリスケット 「つまり、ここも抜け道って訳っすな」
サーロイン 「東西に横断している通路と並行しているから、そうかも知れないな」
ランプ 「ガサ入れが通常の通路を通って来た時に、
 こっち側を使って逃げるんですね」
ロース 「とりあえず何もなさそうだし、そっちの扉に入ってみましょう」


ガチャッ...!



三洲次 「なんか広そうな場所に出ましたよ」


ここは再びしっかりした石造りの通路であった。
とは言え、やはり長く使われていない様で、床には砂ぼこりが堆積している。

サーロイン 「T字路が見えるな。
 左側はどうなっている?」


ランプ 「すぐに行き止まりですが、左側に扉があります」
サーロイン 「すると、一番奥にある……」


サーロイン 「…扉2つと合わせて、ここには全部で3つの扉があるのか」
ブリスケット 「どこに入りやす?」
サーロイン 「う~~ん、こんな調子だと探索に時間がかかりそうだなぁ……、
 一旦ここらで戻って、出直すか」
ロース 「お城に戻るの?
 呪文の使用回数はまだ十分に余裕があるわよ?」
サーロイン 「じゃぁ、間を取って、入り口付近の方の調査をしよう。
 あの東西にのびる通路にも扉が幾つかあったけど、まだ入ったことがない扉もあるからな」
三洲次 「では、Uターンしますか」


と、言う訳で......、


...ここで一度入り口付近まで引き返すことにします。


ガチャッ...!


ブリスケット 「この抜け道を右にグニャッ!へ?!
サーロイン 「ん?」



スラグA 「…グウウウゥゥッ!!
ブリスケット 「うわっとぉ!
 寝てるところを起こしちまいやしたか?!」
三洲次 「こいつ、岩陰にでも隠れていたの?
 さっき通った時は居たのに気付かなかったよ……」
ロース 「こんなデカいのに…?」
ランプ 「こいつら、どこか細い抜け穴とかがあれば、猫みたいに通って移動できるのでは?
 でないと、閉じられた場所だらけなのに、あちこちに現れる理由が分からないですよ」
サーロイン 「どっちにしろ、通行の邪魔だ!」


スラグA ギュワアアァァァ…ッ!!!


サーロイン 「じゃ、戻ろう」
三洲次 「また、あっさりと……」
ランプ 「このフロアの敵は、どれもザコになりましたね」


やはりレベル5になると、見違える様に強くなるな。

まぁ、そんなこともありつつ......、




...入り口付近まで戻って来ました。

サーロイン 「東西に延びる通路は、そこのT字路を……」


サーロイン 「…曲がった先だったな」
ロース 「じゃ、進みましょう」



 

> 動画に戻るにはここをクリック




2.光と影の狂宴








ブリスケット 「こいつが、まだ入っていない扉の1つ目っす」
サーロイン 「扉はどんな感じだ?」
三洲次 「えぇと………何か看板が付いていた跡がありますね。
 看板はもう取れちゃっていますが」
ランプ 「かつて闇市にあったお店の1つでしょう」
サーロイン 「では、入ってみよう」


ガチャッ...!


扉の中は2x2マスの比較的大きめの部屋で、かつては店舗の営みがあったことを示す木製の机や椅子、そして板などが床に転がっていた。
ただ、どれもボロボロに壊れており、さらには大量の砂ボコリが積もっている。

ブリスケット 「そこそこ広い部屋っすな」
ランプ 「家具とか色々転がってますね。
 探せば何かあるのでは?」
ロース 「どうかしら?
 これまでのことを考えると、期待できないわよ」
三洲次 「ま、ザッと見て回ってみますか」



ブリスケット 「ダメっすね、どれも使い物にならねぇ家具ばかりっす」
三洲次 「引き出しとかも壊れてて、何も無いですし」
ランプ 「そうですか……」
サーロイン 「ここはこんなものかな?
 じゃ、次に行ってみよう」


この部屋を出て......、


...再び東西に延びる通路へ。

ロース 「扉が2つ見えるわ」
ブリスケット 「手前にある右側の扉は、さっきの十字路につながっていやした」
サーロイン 「じゃ、そっちの扉はもういいや。
 奥の方へ行ってみよう」



ランプ 「向い合せで扉が2つあります」
サーロイン 「まずは扉の外観をチェックしよう。
 右側の扉の様子はどうだ?」
三洲次 「え~~と……」


三洲次 「…全体的には特徴の無い扉ですが、ナイフか何かで文字が刻まれてます」
サーロイン 「なんて刻まれている?」
三洲次 「えぇと……『 キ ケ ン 』……ですね」
ロース 「あ!
 今朝来た女性が言っていた扉って、これね!」
サーロイン 「ふむ……、で、反対側の扉はどうだ?」


三洲次 「こっちにはさっきと同じ様に看板が付いていた跡がありますが、
 やっぱりもう剝がされていて、何かは分かりません」
ランプ 「ここも何かの店舗だったのでしょう」
ロース 「今朝来た彼女は、この場所で事件に遭ったのよね?
 どうするの?
 まずは通路を入念に調べる?」
サーロイン 「我々はロミルワで通路全体が見渡せるから、何かあればすぐに気付くだろう。
 それより、この『キケン』と彫られた扉がどう考えても怪しいな」
ブリスケット 「じゃ、この右側の扉から入ってみやすか?」
サーロイン 「う~~ん………いや、先に左側の扉から調べるか。
 向かい合わせってことは、もしかしたら何か関係があるかも知れない。
 それなら簡単に調べられそうな方から確認した方が、やりやすいだろう」
三洲次 「じゃ、左側の扉を開けますよ?」
サーロイン 「うむ、慎重にな」


ギィィィィィィ....


部屋の中は先ほどと同じく2x2マスの空間で、ここにも壊れたテーブルや椅子が幾つも転がっていた。

ただ、先ほどよりテーブルの数が多く、また部屋の奥には横に長いカウンターがあり、
そのカウンターの前には壊れた壺などのガラクタと共に大量の砂ボコリや灰が堆積していた。

そして、そのさらに奥の壁には大きな食器棚も見て取れる。

サーロイン 「ここは……」
ロース 「酒場だったっぽいわね」


どうやらこの部屋は、闇市に訪れた行商人やならず者たちが集まる溜まり場だったようだ。
かつては大勢の客がふかす煙草の煙が部屋中に立ち込め、あちこちで酒や食事を楽しみつつ、
談笑したりカードゲームに興じる声が響き渡っていたのであろう。

ランプ 「まだ闇市が栄えていた頃は、色々な人々が集まり、
 物品や情報の交換で賑わっていたのでしょう」
ブリスケット 「しかし、かつての明かりの灯った栄華も過去の風景……、
 廃墟同然の廃れた陰気な場所になり下がってやすね」


部屋の中はロミルワの光で明るく照らされてはいるものの、腐りかけた家具や割れた酒瓶などが薄ら暗い色を呈しており、
どうにも陰湿な空気が漂っている。

サーロイン 「それより、魔物とか居ないか?」
ブリスケット 「ふ~~む………」


全員が目耳を研ぎ澄ませ、部屋の中を探る。

しかし動く物が一切無い部屋は、物音一つしない静寂さに包まれていた。

ブリスケット 「……いや、特に何も見当たりませんぜ」
三洲次 「こっちは危険じゃないのかな?」
サーロイン 「問題無さそうなら、部屋の中を調べてみるか」
ランプ 「そうですね、何かお宝がないか探しましょう!」


6人が部屋の中央へと進むと、突如背後の大きな音を立てて閉まった!!


サーロイン 「え?」
ロース 「また海賊なの?」


全員が扉の方を振り向くが、そこには誰も居ない

ロース 「あら……」
ブリスケット 「誰も居ねぇっすぜ」
三洲次 「まさか閉じ込められたのか?!」
ランプ 「皆さん、テーブルやイスが…っ!?」
サーロイン 「は?」


6人が再び部屋の方を向くと、倒れてるテーブルイスが6個、ガタガタッと音を立てて立ち上がり、
それぞれ均等な距離を隔てて並び、さらには各イスがそれぞれのテーブルに配置された。

三洲次 「な、なんだ?」


さらには、割れた銀皿欠けたナイフフォークが飛び上がってテーブルの上に配膳されると......、

ロース 「テーブルがセッティングされたわよ」


...最後はあちこちに転がっている酒瓶が飛び上がり、テーブルの上にそれぞれ1本ずつ乗っかった。

ブリスケット 「な……何すか、これ?」


テーブルの上に乗った酒瓶はおぼろげに部屋の中のを照らし返し、
銀色の皿スプーンらは侵入者を誘うように怪しい輝きを放っている。

ランプ 「晩餐会に招かれたようですね」
ロース 「空っぽの皿や割れた酒瓶なんか用意されても、困るわ……」
サーロイン 「あの酒瓶や食器は砂ボコリを全然被ってないな……。
 つまり、これまで何度も使われていた……ってことか」
ブリスケット 「廃業してるかと思いきや、今でも訪れる客人を迎えやすか……」


部屋の変化はそこで止まり、再び物音一つしない静寂が訪れた........。

ロース 「どうするの?」
三洲次 「招待を受けますか?」
サーロイン 「罠に決まっている」
ランプ 「まぁ、こんなことが出来るのはポルターガイストでしょうね」
ブリスケット 「そやつらが、なしてこんな事を……?」
サーロイン 「それより、その肝心のポルターガイストはどこに居るんだ?」


6人は部屋の中を注意深く観察し始めた......。



壊れてて座れるか怪しい木製の椅子が6個......、

腐って朽ち果てかけている木製の丸テーブルが6個......、

それらのテーブルの上で薄暗い光沢を放つ欠けた銀色の皿ナイフフォーク......、

同じく真正面のテーブルの上で揺らめく様に光を反射する割れた酒瓶......、

部屋の奥には人の胸元の高さまである横長のカウンター......、

そしてそのカウンターの前には、大きく堆積した大量のゴミの塊......、

さらに一番奥の壁には、何も置かれていない壊れた棚が壁一面に据え付けられている......。

 

ランプ 「ポルターガイストはロミルワより明るいので、居たらすぐ分かりそうなものですが……」
ブリスケット 「どこかに隠れてるんすかね……?」
サーロイン 「そうか………そこに居るのか」
ロース 「え? 見つけたの?!」
「あぁ………あの位置なら、一瞬で倒しに行けるな」
三洲次 「どこに隠れてます?!」
「別に隠れてねぇよ……こっからでも姿は見えるぜ」
ブリスケット 「え?!
 ど、どこっすか?!」
サーロイン 「部屋の中をよく観察しろ」
三洲次 「…………??」
ランプ 「え……?
 いや……全然見当たらないんですが……??」
サーロイン 「よし!
 一気に勝負を決めるぞ!!」
「いくぜ!
 三洲次、場所は分かったな?」
三洲次 「え?
 えぇと……た、多分、あそこに隠れてるから……」
「隠れてねぇって言ってんだろ!!
 おめぇ、分かってねぇな!!」


桃は右手で三洲次の左手を取ると、三洲次の手の平に何か文字を書いた。

三洲次 「へ……?
 ………………あっ!」
「分かったな?」
サーロイン いくぞっ!!


サーロインの掛け声と共に、前衛の3人は一気に鞘から段平を抜くと、突如......、


...振り向いて後衛の3人に向かってダッシュした!!

ランプ 「え?」
ロース 「きゃあっ!!」
ブリスケット 「な、なんすかっ!?」


が、サーロインたちは後衛を無視して通り過ぎると......、




...真後ろの壁際に居たポルターガイスト達に襲い掛かり、一気に勝負を決めた!!!



ランプ 「そ、そんなところに………」
ブリスケット 「なして分かったんすか……?」
ロース 「桃は三洲次の手に何て書いたの?」
三洲次 「『ビン』だってさ」
ロース 「え?」
サーロイン 「瓶が不安定に光を反射しているってことは、揺らめく光源があるってことだ。
 しかも我々から見て正面側が光っているのに、視界の中に居ないのなら……」
「…あとは背後しかねぇよ」


ブリスケット 「あやつらがお膳立てしたテーブルって、何だったんすかね?」
サーロイン 「不審に思って近づいたところで、ナイフやフォークで襲って殺していたんだろ」
ロース 「何のために?」
サーロイン 「それは……、う~~ん………」
ランプ 「それより何か目ぼしい物が無いか調べましょう!!」


6人は部屋の中へと散るが、すぐにブリスケットが部屋の隅っこで......、


...宝箱を発見した。

ブリスケット 「皆の衆、宝箱がありやしたぜ!」
ランプ 「見つけましたかっ!?」


6人が部屋の隅にある宝箱を囲む様に集まると、
を調べだした。


「む~~~………」


「スタナーっぽいな………」
サーロイン 「……どう思う?」
三洲次 「どう思うって?」
サーロイン 「スタナーだと思うか?」
三洲次 「どっちとも言えないです……、けど……」
サーロイン 「けど…?」
三洲次 「ガス爆弾に備えて、我々は離れて見ていましょう(そろそろ…)
サーロイン 「そうだな(そろそろ…)
「ぁあ?!
ランプ 「まぁまぁ、さっそく開けましょう!!」



「うっし!」
ランプ 「さすが桃です!!
 それで、何かアイテムが入ってないですか?!」
「む~~……(ごそごそ…)


「なんかコブの付いた杖が入ってたぜ」
ランプ 「やりましたね!!
 さぁ、さぁ、見せて下さい!!」


宝箱の方を向いたまま、肩越しにコブの付いた杖を背後にいるランプへ渡した。

「………ちっ」
ランプ 「……??
 ま、まぁ、さっそく鑑定しましょう!」
   
サーロイン 「……どう思う?」
三洲次 「どう思うって?」
サーロイン 「あれって何だと思う?」
三洲次 「コブの付いた杖なら、もう『メイス』で決まりでしょうね」
サーロイン 「いや、そっちじゃない」
三洲次 「は?」
サーロイン 「桃はどう思う?」
   
「ゴミだな」
ランプ 「え?
 鑑定もしてないのに、何を言うんですか!?
 ワンランク上のメイスかも知れないじゃないですか!!
 それより金貨は入ってないんですか?!」


ランプ 「あ、ほら、金貨の山も入ってるじゃないですか!!」
「ゴミの塊だ」


壁の方を睨みながら呟いた。

ランプ 「なんてことを言うんです!!
 じゃぁ、桃はこの金貨はいらないんですね!?」
   
サーロイン 「ジャイアントスラグの可能性は?」
   
ランプ 「へ?
 それはモンスターで……」
「あいつは単体行動するタイプだ。
 だが、こいつらは集団行動だ」
ランプ 「え…?
 何の話しです??」
「よく見な」
ランプ 「何をです?」
「影だ」
ランプ 「………は??」
「全部で………8体だな」
   
ロース 「え…?!
 敵がいるの!?」
サーロイン 「さすが桃だ」
   
「壁をよく見な」


全員が部屋の隅の壁の方を見ると、いつの間にか壁にできたが自分たちの背丈まで伸び、さらに大きくなっていく......。

ランプ 「いつの間に!?」
「気付くのが遅ぇよ」
   
サーロイン 「なるほど………」


サーロインは背後......つまり部屋の方へ向き直った。



宝箱のシーンが終わった途端、いきなり連戦!!!

サーロイン 「…2段構えで侵入者を襲っているのか」
ブリスケット 「こやつら、宝箱に気を惹き付けて、その間に襲って来るって訳っすか!?」
三洲次 「よく気付きましたね」
サーロイン 「何を言う。
 祖国に戻った俺と違い、おまえ達の方が場数を踏んでいるはずだ。
 なのに観察力はどこにやったんだ?」
三洲次 「いやぁ~……」
サーロイン 「まぁ、いい。
 それより、ロース?」
ロース 「はい?」
サーロイン 「燃えるゴミを処分してくれ」


ロース 「オッケー!!」


ダスターA 「…シャアアアァァッ!!
ダスターB 「…キシュウウゥゥッ!!
   
三洲次 「気付かれたので、威嚇を始めましたよ」
サーロイン 「一気に片付けるぞ!!」



ダスターA ブシュワアアアァァッ…!!
ダスターB シャバアアアァァッ…!!


宝箱の前から宙に跳び上がると、空中から剣を突き立てて襲い掛かる!!


ダスターC シャバアアアァァァッ…!!
「……………………………………」
   
サーロイン 「ふん……たわいもないな……」


サーロイン ぐほおぉっ!!
   





見事、1ターンで勝利!!

いやいや、我がパーティーも強くなったものだ!!



ロース 「カウンターの前にあったゴミの山がほぼ無くなってるわ。
 あいつら、あそこに擬態していたのね」
三洲次 「あ、でも、その場所に……」


三洲次 「…金貨が転がってますよ」
ランプ 「本当ですか?!
 やりましたね!!
 大収穫ですよ!!」
ブリスケット 「大収穫ってほどは転がってねぇですぜ……」
ロース 「でも、ダスターが金貨なんて何に使うのかしら?」
サーロイン 「ポルターガイストも含めて、あいつらは通貨として金貨を集めていた訳じゃないんだろうな」
三洲次 「じゃ、何目的で?」
サーロイン 「光る物を集めていたんじゃないかな。
 お金というより、コレクションだったんだろ」
ブリスケット 「動物みてぇな奴らっすね」
ロース 「冒険者がお金を持ってるのに味をしめて、
 入って来る都度に襲って奪っていたのね」
サーロイン 「ところで、さっきのコブの付いた杖って、結局何だったんだ?」


ランプ 「ただの『メイス』でした……」
三洲次 「やっぱり」
サーロイン 「では……」


サーロイン 「…これで、あらかた邪魔者は片付けたかな?」
「そのようね」
サーロイン 「他に何か目ぼしい物はあるか?」



ブリスケット 「いや、残りはさっきの割れた瓶や欠けた銀皿ぐらいですぜ」
ランプ 「カウンターの裏もすっからかんでした」
サーロイン 「じゃ、ここはこれぐらいにして、通路に戻ろう」


ガチャッ...!

パーティーは通路へ戻ると......、


...反対側の扉と相対した。

サーロイン 「では、次はこの『キケン』と彫られた扉だな」
三洲次 「今朝訪ねて来た女性が言っていた『事件』に、いよいよ挑戦ですね」

 

 

> 動画に戻るにはここをクリック



「19.名探偵サーロイン・ホームズ(前編)」へ



名前 LV H.P. コメント
サーロイン 5 37 18 17 18 16 18 15 0 1 やはり2回攻撃出来る様になると命中率が安定するな!
三洲次 5 49 18 18 18 18 18 15 0 1 前衛の攻撃が安定すれば、1階の敵はもうザコでしょう。
5 33 18 16 18 18 16 18 0 0 一足早く3回攻撃可能に。最近クリティカルを見ないな…
ロース 5 27 16 17 18 18 18 11 0 0 仮に数が多い敵が来ても、マハリトで一網打尽。
ランプ 5 20 12 18 18 13 18 16 0 0 一方でアイテムはもう期待できず、早く上階へ行きたい。
ブリスケット 5 40 17 18 15 18 18 14 0 0 早くラツモフィスを覚えてほしい。マジな話し。

アイテム入手: 8/109


【更新履歴】
2024年 8月24日:次ページへのリンクを設定しました。
2024年 8月10日:本公開。
2024年 8月 3日:プレ公開。